JP6482768B2 - 耐スパッタチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、特に自動溶接機、溶接作業用設備あるいはその周辺で使用するのに適した耐スパッタチューブに関する。
自動溶接機や溶接作業用設備にエアや冷却液等の液体を供給するチューブ、あるいはその周辺で使用するチューブについては、空気溶接、ガス溶接時に発生する高温スパッタによるチューブの損傷やスパッタのチューブへの付着を防止する必要がある。このような耐スパッタチューブとしては、特許文献1に、内側チューブの外周に、外装層としてポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」という。)からなるテープを巻きつけたチューブが開示されている。特許文献1の他多数、PTFEは耐スパッタ性に優れる材質として知られている。
また、特許文献2には、樹脂チューブの表面に、金属めっき被覆層が形成された金属めっき被覆樹脂チューブが開示されている。これは、樹脂チューブの表面に、無電解めっき及び電解めっきにより、数μmの金属めっき被覆層を施すものである。金属めっきは、樹脂チューブを保護し、溶接時に発生する高温スパッタによる破損防止になるとともに、別の耐スパッタ仕様である、樹脂チューブを多層に施し肉厚とする構造に比べ、細線径化することで配設スペースを確保できる。
一方で、特許文献2に記載の金属めっき被覆層は、チューブを屈曲させた時に金属めっきが剥離しやすく、耐スパッタ性の安定性の点で問題がある。また、PTFEの上に金属めっきを施す場合、PTFEは表面張力が高いため被覆が困難であり、被覆できたとしても密着性がとても低いという問題がある。
また、一般的に、内層チューブを金属管で覆った構造が最も耐スパッタ性に優れるものとして知られているが、問題点として、柔軟性がなく配設作業の際の取り回しや加工が困難であることが挙げられ、使用箇所が限られている。
実開平3−103731号公報 特開2001−214991号公報
本発明の課題は、柔軟性(作業性)及び端末加工性を犠牲にすることなく、エアや冷却液等の流体を安定し供給することができる、耐スパッタ性に優れるチューブを提供することである。
本発明者らは、耐熱性に優れる内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施すことで、柔軟性(作業性)及び端末加工性を犠牲にすることなく、従来の問題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブ。
(2)該金属層において、金属線の編組角度15°〜65°及び編組密度70%〜98%、又は、横巻き角度15°〜65°及び横巻き密度70%〜98%であり、かつ、該金属線の素線径がφ0.05mm以上である前記(1)に記載のチューブ。
(3)該金属層において、該金属線の隙間の少なくとも一部を金属めっきにより埋め、金属めっき層を施した前記(1)又は(2)に記載のチューブ。
(4)該内層チューブの材質がフッ素樹脂又は耐熱性エラストマーである前記(1)〜(3)のいずれかに記載のチューブ。
(5)該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーである前記(1)〜(4)のいずれかに記載のチューブ。
(6)該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施した前記(1)〜(5)のいずれかに記載のチューブ。
(7)耐スパッタ性を有する前記(1)〜(6)のいずれかに記載のチューブ。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のチューブを備えた溶接設備。
本発明のチューブにあっては、以下に記載した優れた効果が期待できる。
(1)内層チューブに金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施すことで、金属の熱伝導性により、高温スパッタによる熱を直ちに分散させるため、内層チューブの破損を防止することができる。
(2)金属層において、金属線の編組角度15°〜65°及び編組密度70%〜98%、又は、横巻き角度15°〜65°及び横巻き密度70%〜98%とすることで、内層チューブの内圧及び高温環境下での材料の軟化による外径膨張を抑え、内層チューブの破損を防止することができ、エアや冷却液等の流体を安定供給できる。
(3)更に過酷なスパッタ環境においては、金属層で施される金属線の隙間の一部又は全部を、金属めっきにより埋めた金属めっき層を施すことで、内層チューブに金属管を施したものと同等の耐スパッタ性が得られる。
(4)(3)において、金属めっき層を施すことで、一定の形状保持性が付与され、柔軟性はなくなる反面、金属管を施したものとは異なり、手作業で容易に曲げることができるため、高い耐スパッタ性と同時に、一定の柔軟性(作業性)及び端末加工性が得られる。
(5)内層チューブと金属層との間にシリコーンゴム層を施すことで、本発明のチューブに継手等の金属部品をつける際の端末加工時、あるいは、チューブを屈曲させた時に金属層がずれることを防止できる。
本発明のチューブにおける断面図を示す。 本発明のチューブの別の態様における断面図を示す。 本発明のチューブの別の態様における断面図を示す。
以下、本発明のチューブの基本的構成を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下において、本発明のチューブと、該チューブに用いられる内層チューブとを区別するため、本発明のチューブを適宜「耐スパッタチューブ」という。
図1の耐スパッタチューブ1において、内層チューブ2、金属層3、外層4は同芯円上に施される。
内層チューブ2の材質は、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のうち、耐熱性に優れ、軟化点の温度が高いもの、及び、耐薬品性(耐冷却水性)に優れるものが好ましい。具体的には、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられるが、特に好ましいのは、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素樹脂である。
金属層3における編組は、編組角度15°〜65°及び編組密度70%〜98%が好ましく、特に編組角度は45°〜60°が好ましい。編組角度は、中立角近傍にすることで、内層チューブの内圧及び高温環境下での材料の軟化による外径膨張を抑え、内層チューブの破損を防止することができる。編組角度が15°以上であると、内層チューブの外径膨張を抑える効果が発現し、65°以下であると、生産性も良好であるため、この領域では外径膨張防止効果による耐スパッタ性及びコスト面において有利である。
編組密度が70%以上であると、高温スパッタによる内層チューブの損傷防止効果が高く、98%以下であると、金属線の重なりによる凹凸等の外観不良が発生せず、また生産性が良好であるため、この領域では損傷防止効果による耐スパッタ性及びコスト面において有利である。
金属層3における横巻きは、編組に比べて柔軟性が優れる一方、内層チューブの締め付け効果は弱いため、内層チューブの外径膨張防止効果において若干劣る傾向があるものの、本発明の特徴である、柔軟性(作業性)、端末加工性及び高い耐スパッタ性能は十分に得られる。
詳しくは、横巻き角度15°〜65°及び横巻き密度70%〜98%が好ましい。横巻き角度が15°以上であると、内層チューブの外径膨張を抑える効果が発現し、65°以下であると、生産性も良好であるため、この領域では外径膨張防止効果による耐スパッタ性及びコスト面において有利である。横巻き密度が70%以上であると、高温スパッタによる内層チューブの損傷防止効果が高く、98%以下であると、金属線の重なりによる凹凸等の外観不良が発生せず、また生産性が良好であるため、この領域では損傷防止効果による耐スパッタ性及びコスト面において有利である。
ここで金属線の編組・横巻き構造における角度及び密度の定義を以下に示す。
角度αとは、基準となるチューブの長手方向に対して、金属線が巻き付けられる角度をいう(0°<α<90°)。
密度とは、チューブの表面積を覆う金属線の割合を百分率で示すものである。
角度及び密度は、チューブの外径及び金属線の素線径等より算出されることが一般的である。
金属線の素線径は、φ0.05mm以上が好ましい。金属線は太いほど金属層の厚みが増すため耐スパッタ性能が向上する。金属線の素線径がφ0.05mm以上であると、特許文献2で示される、電解めっき等による数μmの金属めっき被覆層に対して、耐スパッタ性能における優位性が高くなる。金属線の素線径は、チューブの外径も考慮し適宜決められるため、最大値は特に限定されない。
金属線の材質は、銅、SUS等で特に限定されず、錫や銀などの金属めっきが施されていてもよい。
図2の耐スパッタチューブ1においては、金属線からなる金属層3の上に金属めっき層5が施される。
この場合、金属線間の隙間の少なくとも一部を金属めっきにより埋める方法は特に限定されないが、溶融めっき槽を潜らせることで容易に金属めっき層を施すことができる。金属めっきの量は、金属線間の隙間を埋める程度でよく、少ないほど柔軟性(作業性)に優れる。
なお、本発明における金属めっきは、編組あるいは横巻きからなる金属線間の隙間を金属めっきにより埋めているため、従来の薄い金属めっき層のみからなる場合と比べ、チューブ屈曲時の機械的強度に優れる。更に、金属線と金属めっき層との厚みによる相乗効果により、熱抵抗がより少なく、熱の発散効果がより優れるため、耐スパッタ性の向上が期待できる。
外層4の材質は、耐熱性の材料であれば、特に限定されないが、難燃性、機械的強度、柔軟性、スパッタの非付着性に優れるものが好ましく、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられるが、特に好ましいのは、ポリオレフィン系エラストマー、フッ素ゴム及びシリコーンゴムである。
図3の耐スパッタチューブ1においては、内層チューブ2と金属層3の間にシリコーンゴム層6が施される。
この場合、内層チューブ2との密着性の確保、及び端末加工時における内層チューブ2への傷付き防止や金属層3のずれ防止の観点から、シリコーンゴム層6の厚さは100μm以上であり、金属層3の摩耗による破れや劣化の防止の観点から、500μm以上が特に好ましい。シリコーンゴム層6の厚さの最大値は特に限定されないが、細径化あるいは生産性、コスト低減等の観点から、3.0mm以下であることが好ましい。
また、シリコーンゴム層6は、同様の効果が得られれば材質は特にシリコーンゴムに限定されず、例えば金属層3のずれ防止のみの目的であれば、シリコーンワニス等を数10μm塗布することでも代用できる。
自動溶接機、詳しくはガス溶接、アーク溶接、TIG溶接等の溶接設備に用いるチューブとして、本発明のチューブを用いることにより、溶接時に発生する高温スパッタによるチューブの損傷やスパッタのチューブへの付着を防止することができる。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜13及び比較例1)
本発明の耐スパッタチューブ1の、図1の態様である実施例1を示す。内層チューブ2として、ポリテトラフルオロエチレンにより、内径6.0mm、肉厚1.0mmのチューブを作製した。上記内層チューブ2の上に、金属層3として、素線径φ0.05mmの錫めっき軟銅線を用いて編組を施した。この際、編組角度は15°、編組密度は70%である。編組の上に、外層4としてシリコーンゴムを肉厚0.7mm施し、外径9.7mmの耐スパッタチューブ1を作製した。
実施例2は、実施例1の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の編組条件を変更したものである。すなわち、編組角度は65°、編組密度は98%である。
実施例3は、実施例1の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3を横巻き構成に変更したものである。すなわち、横巻き角度は15°、横巻き密度は70%である。
実施例4は、実施例3の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の横巻き条件を変更したものである。すなわち、横巻き角度は65°、横巻き密度は98%である。
本発明の耐スパッタチューブ1の、図2の態様である実施例5を示す。実施例5は、実施例1の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の編組条件を編組角度は54°、編組密度は90%、更に編組後に錫の溶融めっき槽を潜らせ、金属めっき層5を50μm施したものである。
本発明の耐スパッタチューブ1の、図3の態様である実施例6を示す。実施例6は、実施例1の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の編組条件を編組角度は54°、編組密度は90%、更に内層チューブ2と金属層3の間にシリコーンゴム層6を100μm施したものである。
実施例7は、実施例5及び実施例6の耐スパッタチューブ1を組み合わせたもので、金属層3の編組後に、錫の溶融めっき槽を潜らせ、金属めっき層5を50μm施し、更に内層チューブ2と金属層3の間にシリコーンゴム層6を100μm施したものである。
実施例8は、実施例1の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の編組条件を変更したものである。すなわち、編組角度は10°、編組密度は65%である。
実施例9は、実施例1及び2の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の編組条件を変更したものである。すなわち、編組角度は70°、編組密度は99%である。
実施例10は、実施例1及び2の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の編組条件を変更したものである。すなわち、素線径φ0.04mmであり、編組角度は54°、編組密度は90%である。
実施例11は、実施例3及び4の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の横巻き条件を変更したものである。すなわち、横巻き角度は10°、横巻き密度は65%である。
実施例12は、実施例3及び4の耐スパッタチューブ1のうち、金属層3の横巻き条件を変更したものである。すなわち、横巻き角度は70°、横巻き密度は99%である。
実施例13は、実施例6の耐スパッタチューブ1のうち、内層チューブ2と金属層3の間のシリコーンゴム層6を80μmへ変更したものである。
比較例1は、内径6.0mm、厚さ1.0mm、材質はSUSの金属管である。
実施例1〜13及び比較例1について、柔軟性(作業性)、耐スパッタ性、端末加工性、内層チューブの外径安定性及び金属線の外観の評価を行った結果を表1に示す。
各評価の方法及び基準を以下に示す。
[柔軟性(作業性)]
実施例及び比較例の被試験品の設置、配線作業における作業のし易さを示す。柔軟性が高いものほど作業性が良い(〇)。また柔軟性は劣るが、曲げ加工治具等が不要であり、手で容易に曲げられる程度の柔軟性を有するものを良品限界(△)とする。
[耐スパッタ性]
被試験品に継手を接続し、一定の空気圧を負荷した上で、被試験品の上方(約100mm)でSUS棒をアーク溶接し、被試験品にスパッタを降り掛ける。内層チューブにおける、スパッタによる穴あき、バーストによる空気漏れの発生状況を確認する。
降り掛けたスパッタの量が一定以上超えても空気漏れが発生しないもの(◎〇)が好ましく、また、内層チューブ表面に焦げ付きなどの損傷が見られるが、空気漏れが発生しないものを良品限界とする(△)。
[端末加工性]
(1)金属層のずれ防止効果
被試験品端部の金属層及び外層を、端末加工機にて除去する作業において、内層−金属層間のずれの発生状況を確認する。端末加工機について、被試験品を保持するチャック部の保持荷重は25Nとする。
円周方向のずれが全く生じない(◎)、あるいは、ずれが1.0mm以内(〇)であることが好ましい。作業性の観点より、良品限界は2.0mm以内(△)とする。
(2)内層チューブの傷防止効果
同様の端末加工機による金属層及び外層の除去作業において、加工機の刃が内層チューブへ接触することにより発生する、チューブ表面傷の状況を確認する。傷が全くない(○)ものが好ましいが、カット不足による生産性低下を防止するため、0.2mm以内の薄い傷は良品限界(△)とする。
[内層チューブの外径安定性]
内層チューブの内圧及び高温環境下での材料の軟化による外径膨張の発生状況を確認する。耐スパッタ性試験中に外径膨張が5%以内(○)ものが好ましく、外径膨張によるチューブ破損は発生しないものの5%を超える外径膨張が見られるものを良品限界(△)とする。
[金属線の外観]
金属層表面において、凹凸の発生有無を目視、触手にて確認する。
Figure 0006482768
表1において、「下限」及び「上限」は、それぞれ好ましい範囲の「下限」及び「上限」を意味する。
表1に示す通り、本発明である実施例1〜4は、耐スパッタ性能において優位性を確認できた。これは、金属層3に金属線を用いることで、金属の熱伝導性により、高温スパッタによる熱を直ちに分散できるためである。また、金属線を使用しているため、柔軟性(作業性)においても優れ、チューブ屈曲時に金属めっきの剥がれ等の問題もない。また、金属層3により、内層チューブの内圧及び高温環境下での材料の軟化による外径膨張を抑え、内層チューブの破損を防止することができ、エアや冷却液等の流体を安定供給できる。また、実施例1及び2(金属層3が編組)は、実施例3及び4(金属層3が横巻き)に比べ、内層チューブの外径膨張変化を抑える効果において、若干優れているといえる。
実施例5は、本発明である実施例1〜4の形態のうち金属層3において、金属線の上に更に金属めっき層5を施したものである。金属めっき層5を施すことで、更に金属層3の厚みが増し、耐スパッタ性を向上させる。柔軟性(作業性)においては、一定の形状保持性が付与されるため、実施例1〜4に比べ劣るが、手作業で容易に曲げることができるため、比較例1の金属管を施したものとは異なり、高い耐スパッタ性と同時に、一定の柔軟性(作業性)を保持する。
実施例6は、内層チューブ2の上にシリコーンゴム層6を施すことで、継手等の金属部品をつける際の端末加工時あるいはチューブ屈曲時における金属層3のずれを防止できた。すなわち、シリコーンゴム層6を施すことで、耐スパッタ性と同時に、柔軟性(作業性)及び端末加工性が得られる。
実施例7は、金属層3である編組の上に金属めっき、更に、内層チューブ2の上にシリコーンゴム層6を施すため、高い耐スパッタ性と同時に、一定の柔軟性(作業性)及び端末加工性が得られる。
実施例8は、柔軟性(作業性)に優れるが、金属層3における編組角度及び密度が低いため、内層チューブ2の外径膨張防止効果が薄れ、また、金属線間の隙間が大きくなり、高温スパッタによる内層チューブ2の損傷が発生する。
実施例9は、柔軟性(作業性)に優れるが、金属層3における編組角度及び密度が高いため、耐スパッタ性に優れる反面、生産性や金属線の浮き等の外観の問題が発生する。
実施例10は、柔軟性(作業性)に優れるが、金属層3における金属線の素線径が小さいため、金属層3の厚みが減り、耐スパッタ性が若干劣る傾向にある。
実施例11は、柔軟性(作業性)に優れるが、金属層3における横巻き角度及び密度が低いため、実施例8と同様、内層チューブ2の外径膨張防止効果が薄れ、また、金属線間の隙間が大きくなり、高温スパッタによる内層チューブ2の損傷が発生する。また、横巻き構造であるため、内層チューブ2の外径安定性において、実施例8より若干劣る傾向にある。
実施例12は、柔軟性(作業性)に優れるが、金属層3における横巻き角度及び密度が高いため、実施例9と同様、耐スパッタ性に優れる反面、生産性や金属線の浮き等の外観の問題が発生する。
実施例13は、柔軟性(作業性)に優れるが、内層チューブ2と金属層3の間のシリコーンゴム層6が薄いため、端末加工性において、金属層3のずれは発生しないものの、内層チューブ2への傷防止効果は、実施例6より若干劣る傾向にある。
比較例1は、従来技術である金属管である。耐スパッタ性及び内層チューブ2の外径膨張防止効果は突出して優れている反面、柔軟性(作業性)がとても悪く、手作業にて容易に曲げることができない。
以上の実施例は、本発明の一例に過ぎず、本発明の思想の範囲内であれば、種々の変更及び応用が可能であり、適宜変更されて供されることはいうまでもない。
1 耐スパッタチューブ
2 内層チューブ
3 金属層
4 外層
5 金属めっき層
6 シリコーンゴム層

Claims (13)

  1. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該金属層において、金属線の編組角度15°〜65°及び編組密度70%〜98%、又は、横巻き角度15°〜65°及び横巻き密度70%〜98%であり、かつ、該金属線の素線径がφ0.05mm以上であり、かつ、該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施したチューブを備えた溶接設備。
  2. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該金属層において、金属線の編組角度15°〜65°及び編組密度70%〜98%、又は、横巻き角度15°〜65°及び横巻き密度70%〜98%であり、かつ、該金属線の素線径がφ0.05mm以上であり、かつ、該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーであるチューブを備えた溶接設備。
  3. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該金属層において、該金属線の隙間の少なくとも一部を金属めっきにより埋め、金属めっき層を施し、かつ、該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施したチューブを備えた溶接設備。
  4. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該金属層において、該金属線の隙間の少なくとも一部を金属めっきにより埋め、金属めっき層を施し、かつ、該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーであるチューブを備えた溶接設備。
  5. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該内層チューブの材質がフッ素樹脂又は耐熱性エラストマーであり、かつ、該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施したチューブを備えた溶接設備。
  6. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該内層チューブの材質がフッ素樹脂又は耐熱性エラストマーであり、かつ、該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーであるチューブを備えた溶接設備。
  7. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、耐スパッタ性を有し、かつ、該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施したチューブを備えた溶接設備。
  8. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、耐スパッタ性を有し、かつ、該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーであるチューブを備えた溶接設備。
  9. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該内層チューブの材質がフッ素樹脂又は耐熱性エラストマーであり、かつ、該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施した溶接設備用チューブ。
  10. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該内層チューブの材質がフッ素樹脂又は耐熱性エラストマーであり、かつ、該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーである溶接設備用チューブ。
  11. 該金属線の素線径がφ0.05mm以上である請求項9又は10記載の溶接設備用チューブ。
  12. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該金属層において、該金属線の隙間の少なくとも一部を金属めっきにより埋め、金属めっき層を施し、該内層チューブの材質がフッ素樹脂であり、かつ、該内層チューブと該金属層との間にシリコーンゴム層を施したチューブ。
  13. 内層チューブの上に、金属線を編組又は横巻きしてなる金属層を施し、更に、耐熱性の材料からなる外層を施したチューブであって、該金属層において、該金属線の隙間の少なくとも一部を金属めっきにより埋め、金属めっき層を施し、該内層チューブの材質がフッ素樹脂であり、かつ、該外層の材質がシリコーンゴム、フッ素ゴム又はポリオレフィン系エラストマーであるチューブ。
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