JP6482400B2 - 拡管装置 - Google Patents

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本発明は、ビード部を有する電縫管の開口周辺を拡管する拡管装置に関する。
従来より、車両に組み付けられる燃料給油管は、一端が燃料タンクに接続される一方、他端側に短い筒状のリテーナが組み付けられる円筒状の給油管本体を備え、該給油管本体の他端側は、一般的に、拡管装置によって拡管されている。該拡管装置は、金属管を固定するクランプ型と、該クランプ型に固定された金属管に対してその一方の開口から挿入可能な複数のパンチ型とを備え、上記金属管の一方の開口から各パンチ型を順に挿入することにより、当該各パンチ型の外周面で金属管の一方側を径方向外側に次第に押し広げて上記給油管本体を形成するようになっている。
ところで、上記金属管が電縫管の場合、この電縫管には母材部分よりも硬くて伸びないビード部が筒中心線に沿って形成されているので、上述の如き拡管装置で電縫管の一方側を拡管すると、ビード部が伸びない分だけビード部の幅方向両側の連続する部分に大きな負荷がかかる。すると、ビード部の幅方向両側に連続する部分は、電縫管を形成する際の溶接における熱の影響で母材の組織が変化して脆くなっているので(以下、この部分を熱影響部と呼ぶ)、他の母材部分よりも板厚が大きく減少してしまい、熱影響部に対応する開口周縁を起点に割れが発生してしまうおそれがある。
これを回避するために、例えば、特許文献1の拡管装置は、上述の如きクランプ型及び各パンチ型に加え、金属管の一方側の開口部分を径方向外側に折り返す折返型と、金属管の一方側の開口部分を切断可能な切断機とを備え、各パンチ型によって金属管の一方側を順に拡管していく最初の段階において、上記折返型によって上記電縫管の一方側の開口部分を径方向外側に折り返すことにより、拡管加工時において金属管の開口周縁が起点となる割れが発生しないようにしている。そして、電縫管の一方側を拡管した後、上記切断機によって電縫管の一方側の折り返した部分を切断して上記給油管本体を形成するようになっている。
特開2009−28757号公報
しかし、特許文献1の拡管装置は、一般的な拡管装置に比べて折返型及び切断機が必要になる分だけコストが嵩むとともに、給油管本体を形成する際、折返加工及び切断加工の分だけ余分に時間がかかってしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、拡管加工時に割れを発生させることなく、しかも、低コストで、且つ、加工時間が短い電縫管用の拡管装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、電縫管を押し広げるパンチ型に工夫を凝らしたことを特徴とする。
具体的には、筒中心線に沿って延びるビード部を有する電縫管の一端側から中途部の外周面に接触して当該電縫管を固定する固定部と、上記電縫管が上記固定部に固定された状態において上記固定部に連続するとともに当該固定部の反対側が開口する穴形状をなし、上記電縫管の他端側外周面と接触せずにその外周面との間に周方向に亘って隙間を形成する非固定部とを有するクランプ型と、該クランプ型に固定された上記電縫管の他端開口に挿入可能に設けられ、且つ、上記電縫管に対する挿入方向の反対側に行くにつれて次第に拡径する成形面部を有する複数のパンチ型とを備え、上記クランプ型に固定された上記電縫管にその他端開口から上記各パンチ型を順に挿入することにより、当該各パンチ型の成形面部で上記電縫管の他端側を径方向外側に次第に押し広げて上記非固定部に沿う形状に成形する拡管装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明では、上記電縫管に対して最初に挿入するパンチ型の上記成形面部における上記ビード部及び当該ビード部周辺に対応する位置には、上記パンチ型の挿入方向に沿って延び、且つ、上記パンチ型の中心軸に交差する断面形状の外周部分の曲率が上記成形面部の他の外周部分の曲率よりも小さい曲面か、又は、平坦面である割れ回避面部が形成されていることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記割れ回避面部は、平坦面であることを特徴とする。
第3の発明では、第2の発明において、上記割れ回避面部は、上記成形面部における挿入開始側部分を除く箇所に形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つに記載の発明において、回転軸心が上記パンチ型の中心軸に沿う方向に延びる姿勢で設けられ、上記電縫管をその筒中心線周りに回転させる回転手段と、該回転手段で回転する電縫管の表面を撮影する撮影手段と、上記回転手段及び上記撮影手段に接続され、上記回転手段に作動信号を出力する制御手段とを備え、該制御手段は、上記撮影手段で撮影した画像データから上記電縫管の周方向におけるビード部の位置を判定する判定部と、上記パンチ型の周方向における割れ回避面部の位置が予め記憶された記憶部と、上記判定部により判定されたビード部の位置と上記パンチ型の割れ回避面部の位置との間の筒中心線周りの回転角度を計算する計算部とを有し、該計算部で計算した回転角度に基づき上記ビード部が上記割れ回避面部に対応する位置に移動するよう上記回転手段に作動信号を出力することを特徴とする。
第1の発明では、電縫管のビード部及びビード部周辺は、パンチ型を電縫管に挿入する際、割れ回避面部によって電縫管のその他の部分よりもパンチ型による筒中心線方向に圧縮する力と径方向外側に押し広げる力とが加わらず、円周方向に引き伸ばす力だけが加わるようになるので、電縫管のビード部周辺の板厚減少の進度が遅くなって電縫管のビード部及びビード部周辺を除く部分よりも板厚が厚い状態となる。そして、この状態で、割れ回避面部のないパンチ型を順に電縫管に挿入すると、パンチ型によって電縫管が径方向外側に押し広げられるが、そのときの電縫管のビード部周辺の板厚減少の進度が熱影響部による影響でその他の部分の板厚減少の進度より速いので、結果として、最終的な拡管加工後の電縫管の拡管部分の板厚が周方向に略均一となる。したがって、折返型や切断機を使用することなく、加工時における電縫管のビード周りにおいて極度の板厚減少が発生することによる割れの発生を防止することができ、低コストで、且つ、加工時間の短い装置にできる。
第2の発明では、パンチ型の一部を平坦に加工するだけでよいので、加工コストを低く抑えることができる。
第3の発明では、拡管加工が最も不安定な状態となる拡管加工の開始時において、ビード部周辺に対して円周方向に引き伸ばす力だけでなく筒中心線方向に圧縮する力も加えることでビード部周辺の板厚を積極的に増やしながら円周方向に引き伸ばすことにより、ビード部周辺に対していきなり円周方向に引き伸ばす力だけが大きく加わってビード部周辺の板厚を極度に減少させてしまうといったことを防ぐことができ、第1及び第2の発明に比べてさらに割れの発生を防止することができる。
第4の発明では、電縫管のビード部がパンチ型の割れ回避面部に対して自動で対応する位置となるので、手動で電縫管のビード部とパンチ型の割れ回避面部とを対応させる場合に比べて作業が煩わしくなく、作業工数を減らすことができるとともに効率の良い装置にできる。
本発明の実施形態に係る拡管装置の断面概略図である。 本発明の実施形態に係る拡管装置のスライド型及び各パンチ型の断面概略図である。 図2のIII−III線における断面図である。 図2の状態の後、固定型に固定された電縫管に第1パンチ型を挿入して電縫管を拡管した直後の状態を示す図である。 図4のV−V線における断面図である。 図4のVI−VI線における断面図である。 図4の状態の後、固定型に固定された電縫管に第2パンチ型を挿入する直前の状態を示す図である。 図7の状態の後、固定型に固定された電縫管に第2パンチ型を挿入して電縫管を拡管した直後の状態を示す図である。 図8の状態の後、固定型に固定された電縫管に第3パンチ型を挿入する直前の状態を示す図である。 図9の状態の後、固定型に固定された電縫管に第2パンチ型を挿入して電縫管を拡管した直後の状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る拡管装置を用いて拡管加工を行った電縫管の拡管部分の板厚減少率を示すグラフである。 図11における元データである。 従来の拡管装置を用いて拡管加工を行った電縫管の拡管部分の板厚減少率を示すグラフである。 図13における元データである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1は、本発明の実施形態に係る拡管装置1の概略断面図である。該拡管装置1は、車両に組み込まれる燃料給油管(図示せず)の製造ラインに設置され、筒中心線C1に沿って延びるビード部10a(図3参照)を有する電縫管10の端部を拡管するためのものであり、当該電縫管10を固定するクランプ型2を備えている。
該クランプ型2は、上下略中央の位置で略直方体形状の上型3と下型4とに分割されている。
上記上型3下面の水平方向一方側から中途部に亘る部分には、図2に示すように、筒中心線C1が水平方向に向く姿勢の電縫管10の上半部分に対応する断面半円状の第1凹状面31が形成されている。
上記上型3下面の水平方向他方側には、断面半円状の第2凹状面32が形成されている。
該第2凹状面32は、水平方向一端が上記第1凹状面31に連続し、且つ、水平方向他端側に行くにつれて次第に拡径するように延びる傾斜延出面32aと、該傾斜延出面32aの水平方向他端に連続し、且つ、水平方向に延びる水平延出面32bとを備えている。
尚、上記下型4は、上記上型3と同一の構造をしており、側面視で上下方向に対称となるように配置されているだけであるので、上記上型3と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
そして、上記上型3の第1凹状面31と上記下型4の第1凹状面31とで本発明の固定部11を構成していて、上記クランプ型2を型開きした状態で、筒中心線C1が水平方向に向き、且つ、ビード部10aが上方に位置する姿勢の電縫管10を上記上型3及び上記下型4の間に挿入するとともに上記クランプ型2を型閉じすると、上記固定部11は、上記電縫管10の一端側から中途部の外周面に接触して当該電縫管10を固定するようになっている。
また、上記上型3の第2凹状面32と上記下型4の第2凹状面32とで本発明の非固定部12を構成していて、該非固定部12は、上記電縫管10が上記固定部11に固定された状態において上記固定部11に連続するとともに当該固定部11の反対側が開口する穴形状をなしている。そして、上記非固定部12は、上記電縫管10の他端側外周面と接触せずにその外周面との間に周方向に亘って隙間S1を形成するようになっている。
上記クランプ型2の非固定部12側の側方には、中心軸C2が水平方向に向く略円柱状の第1〜第3パンチ型5A〜5Cが上下に所定の間隔をあけて上から順に並設されている。
該第1〜第3パンチ型5A〜5Cは、上下方向に昇降可能な昇降機13に取り付けられ、該昇降機13の昇降動作によって第1〜第3パンチ型5A〜5Cのそれぞれを上記クランプ型2に対応させることができるようになっている。
また、上記第1〜第3パンチ型5A〜5Cは、その中心軸C2の延長方向に前進・後退可能となっていて、上記クランプ型2に対応する状態で、且つ、クランプ型2の固定部11が上記電縫管10を固定した状態で、上記クランプ型2側に前進することにより、上記電縫管10の他端開口に挿入されるようになっている。
上記第1パンチ型5Aには、小径部51a、成形面部51b、中径部51c、傾斜面部51d、及び、大径部51eが上記第1パンチ型5Aの挿入開始側端部から挿入終了側端部にかけて順に設けられている。
上記小径部51aの外周面は、上記電縫管10の内周面に対応していて、上記第1パンチ型5Aを上記電縫管10に挿入する際、上記第1パンチ型5Aを上記電縫管10内に滑らかに案内するようになっている。
上記成形面部51bは、上記第1パンチ型5Aの挿入開始側端部寄りの位置に設けられ、その外周面は、挿入開始側端部から離れるにつれて次第に拡径している。
上記中径部51cは、上記第1パンチ型5Aの挿入開始側端部寄りの位置から中途部にかけて設けられ、その外周面は、水平方向に真っ直ぐに延びている。
上記傾斜面部51dは、上記第1パンチ型5Aの中途部に設けられ、その外周面は、挿入開始側端部から離れるにつれて次第に拡径している。
上記大径部51eは、上記第1パンチ型5Aの中途部から挿入終了側端部にかけて設けられ、その外周面は、水平方向に真っ直ぐに延びている。
上記第1パンチ型5Aにおける上記クランプ型2に固定された電縫管10のビード部10a及び当該ビード部10a周辺に対応する位置には、上記第1パンチ型5Aの挿入方向に沿って延びる平坦面部51f(割れ回避面部)が形成されている。
該平坦面部51fは、上記成形面部51bの中途部から上記大径部51eの挿入終了側端部にかけて形成されている。すなわち、上記平坦面部51fは、上記成形面部51bの挿入開始側部分を除く箇所に形成されている。
また、上記第2パンチ型5Bには、外周面が上記電縫管10の内周面に対応する小径部52a、外周面が挿入開始側端部から離れるにつれて次第に拡径する成形面部52b、及び、外周面が水平方向に真っ直ぐに延びる大径部52cが上記第2パンチ型5Bの挿入開始側端部から挿入終了側端部にかけて順に設けられている。
さらに、上記第3パンチ型5Cには、外周面が上記電縫管10の内周面に対応する小径部53a、外周面が挿入開始側端部から離れるにつれて次第に拡径する成形面部53b、及び、外周面が水平方向に真っ直ぐに延びる大径部53cが上記第3パンチ型5Cの挿入開始側端部から挿入終了側端部にかけて順に設けられている。
上記成形面部53bの外周面の中心軸C2に対する傾斜角度は、上記成形面部52bの外周面の中心軸C2に対する傾斜角度に比べて大きくなっており、上記成形面部53bの外周面は、上記非固定部12の内周面に対応する形状となっている。
そして、上記拡管装置1は、図4乃至図10に示すように、上記クランプ型2に固定された上記電縫管10にその他端開口から上記第1〜第3パンチ型5A〜5Cを順に挿入することにより、第1〜第3パンチ型5A〜5Cの成形面部51b〜53bで上記電縫管10の他端側を径方向外側に次第に押し広げて上記非固定部12に沿う形状に成形するようになっている。
また、上記拡管装置1は、図1に示すように、サーボモータ制御の駆動装置6(回転手段)を備えている。
該駆動装置6は、上記第1〜第3パンチ型5A〜5Cの中心軸C2の延長方向と同方向に延びる細長い回転軸6aを備え、該回転軸6aは、上記中心軸C2と交差する水平方向に所定の間隔をあけて一対設けられている。
上記各回転軸6aには、複数の回転コロ6bが回転軸6aの延長方向に所定の間隔をあけて回転一体に固定され、一方の回転軸6aの一端には、当該回転軸6aを回転させる駆動モータ6cが連結されている。
そして、上記駆動装置6は、上記各回転コロ6bが上記電縫管10を支持した状態で回転することにより、上記電縫管10を筒中心線C1周りに回転させるようになっている。
また、上記駆動装置6は、図示しないロータリーエンコーダを備え、回転軸6a及び回転コロ6bを介して上記電縫管10の筒中心線C1周りの回転角度を検出できるようになっている。
上記各回転コロ6bが上記電縫管10を支持した状態の電縫管10の表面に対向する位置には、赤外線カメラ7(検出手段)が配置されている。
該赤外線カメラ7は、上記電縫管10が駆動装置6によって回転する間において電縫管10の表面の画像データを取得するようになっている。
上記駆動装置6及び上記赤外線カメラ7には、制御装置8(制御手段)が接続され、該制御装置8は、上記駆動装置6及び上記赤外線カメラ7に作動信号を出力するようになっている。
上記制御装置8は、上記赤外線カメラ7で取得した画像データから上記電縫管10の周方向におけるビード部10aの位置を判定する判定部8aと、上記第1パンチ型5Aの周方向における平坦面部51fの位置が予め記憶された記憶部8bと、上記該判定部8aにより判定されたビード部10aの位置と上記第1パンチ型5Aの平坦面部51fの位置との間の筒中心線C1周りの回転角度を計算する計算部8cとを有している。
そして、上記制御装置8は、上記計算部8cで計算した回転角度に基づき上記ビード部10aが上記平坦面部51fに対応する位置に移動するよう上記駆動装置6に作動信号を出力するようになっている。
次に、上記拡管装置1を用いた電縫管10の拡管加工について詳述する。
図1は、駆動装置6の各回転コロ6bが電縫管10を支持した状態を示す。この状態のとき、上記クランプ型2は型開きしており、上記各第1〜第3パンチ型5A〜5Cは、昇降機13により下降した状態となっている。
図1の状態において、制御装置8は、駆動装置6に作動信号を出力して上記電縫管10を少なくとも1回転以上回転させるとともに、上記赤外線カメラ7に作動信号を出力して上記電縫管10表面の撮影を開始させる。
そして、上記赤外線カメラ7が画像データを取得すると、制御装置8は、駆動装置6及び赤外線カメラ7に停止信号を出力して電縫管10の回転と電縫管10表面の撮影とを停止させる。
次いで、判定部8aは、上記赤外線カメラ7で得られた画像データのなかで大きく差が生じている箇所をビード部10aと判定し、且つ、計算部8cは、上記判定部8aにより判定されたビード部10aの位置と上記第1パンチ型5Aの平坦面部51fの位置との間の筒中心線C1周りの回転角度を計算する。
しかる後、制御装置8は、上記駆動装置6に作動信号を出力して上記電縫管10を上記計算部8cで計算した回転角度だけ回転させる。すると、第1パンチ型5Aの平坦面部51fに電縫管10のビード部10aが対応するようになる。
そして、上記電縫管10をその姿勢を維持したまま図示しない押圧装置により筒中心線方向に押圧してクランプ型2の上型3と下型4との間に挿入する。
次に、図2に示すように、クランプ型2を型閉じする。すると、クランプ型2の固定部11が上記電縫管10の一端側から中途部の外周面に接触して当該電縫管10を固定する。
このとき、電縫管10の他端側外周面と上記非固定部12の内周面との間には、隙間S1が形成される。
次いで、図4に示すように、上記第1パンチ型5Aをクランプ型2に向けて前進させる。すると、まず、第1パンチ型5Aの小径部51aが上記電縫管10の他端開口に挿入される。
さらに第1パンチ型5Aを前進させると、成形面部51bによって電縫管10の開口部分に筒中心線方向に圧縮する力と径方向外側に押し広げる力と円周方向に引き伸ばす力とがそれぞれ加わる。
さらに第1パンチ型5Aを前進させると、電縫管10のビード部10a及びビード部10a周辺に平坦面部51fが対応するようになり、平坦面部51fによって電縫管10のビード部10a及びビード部10a周辺に加わる筒中心線方向に圧縮する力と径方向外側に押し広げる力とが電縫管10のその他の部分よりも小さくなる。したがって、電縫管10のビード部10a周辺の板厚減少の進度が遅くなって電縫管10のビード部10a及びビード部10a周辺を除く部分よりも板厚が厚い状態となる。
さらに、第1パンチ型5Aを前進させると、当該第1パンチ型5Aの中径部51c、傾斜面部51d、及び、大径部51eによって上記電縫管10の他端側が径方向外側に押し広げられる。
その後、図7に示すように、第1パンチ型5Aを後退させるとともに、昇降機13により第1〜第3パンチ型5A〜5Cを上昇させ、第2パンチ型5Bを上記クランプ型2に対応させる。
そして、図8に示すように、上記第2パンチ型5Bをクランプ型2に向けて前進させる。すると、第2パンチ型5Bの小径部52aが電縫管10の他端開口から挿入され、且つ、成形面部52bによって電縫管10の他端側が次第に押し広げられる。
しかる後、図9に示すように、上記第2パンチ型5Bを後退させるとともに、昇降機13により第1〜第3パンチ型5A〜5Cを上昇させ、第3パンチ型5Cを上記クランプ型2に対応させる。
その後、図10に示すように、上記第3パンチ型5Cをクランプ型2に向けて前進させる。すると、第3パンチ型5Cの小径部53aが電縫管10の他端開口から挿入され、且つ、成形面部53bによって電縫管10の他端側が次第に押し広げられてクランプ型2の非固定部12の内周面に沿った形状になり、拡管加工が終了する。
このように、第1パンチ型5Aによる電縫管10の拡管加工によって電縫管10のビード部10a周辺の板厚を厚くした状態で、平坦面部51fの如き平坦面がない第2パンチ型5B及び第3パンチ型5Cを順次電縫管10に挿入すると、第2パンチ型5B及び第3パンチ型5Cによって電縫管10が径方向外側に引き伸ばされるが、そのときの電縫管10のビード部10a周辺の板厚減少の進度が熱影響部による影響でその他の部分の板厚減少の進度より速いので、結果として、最終的な拡管加工後の電縫管10の拡管部分の板厚が周方向に略均一となる。したがって、折返型や切断機を使用することなく、加工時における電縫管10のビード部10a周りにおいて極度の板厚減少が発生することによる割れの発生を防止することができ、低コストで、且つ、加工時間の短い拡管装置1にできる。
また、拡管加工後における電縫管10の拡管部分の板厚が周方向に略均一になるので、その後の工程において、例えば、電縫管10における拡管部分の開口周縁をさらに広げるフランジ加工やカーリング加工を行っても、板厚が薄い部分に応力が加わって割れや亀裂が発生してしまうといったことを抑制することができる。
次に、本発明の実施形態に係る拡管装置1を用いて電縫管10を拡管加工した実験結果について説明する。
図11,12は、第1〜第3パンチ型5A〜5Cで順に電縫管10を拡管したときの板厚収縮率を図3に示す各ポイントにおいてそれぞれ測定した結果を示す。図12の表中の1Pは、第1パンチ型5Aで電縫管10を拡管した直後の板厚を、2Pは、第2パンチ型5Bで電縫管10を拡管した直後の板厚を、3Pは、第3パンチ型5Cで電縫管10を拡管した直後の板厚をそれぞれ測定するとともに電縫管10の設計値の板厚に対する比率を算出したものである。
ポイント2及びポイント10は、電縫管10の熱影響部10bに対応する部分であるが、1Pの段階において、他のポイントのほとんどの測定値に比べて板厚の減少が少なくなっている。そして、2P、3Pの各段階において、全ポイントにおいてバランスよく板厚が減少しており、拡管加工時に極度の板厚減少の部分を発生させないようにできることを確認できた。尚、ポイント1は、ビード部10aなので、伸びがほとんど発生せず板厚は減少し難い傾向が出ている。
一方、図13,14は、平坦面部51fのない一般的なパンチ型で順に電縫管10を拡管したときの板厚収縮率を図3に示す各ポイントにおいてそれぞれ測定した結果を示す。図14の表中の1Pは、通常のパンチ型で電縫管10を拡管した直後の板厚を、2Pは、通常のパンチ型で電縫管10をさらに拡管した直後の板厚を、3Pは、通常のパンチ型で電縫管10をさらに拡管した直後の板厚をそれぞれ測定するとともに電縫管10の設計値の板厚に対する比率を算出したものである。ポイント2及びポイント10は、電縫管10の熱影響部10bに対応する部分であるが、1Pの段階において大きく板厚減少が生じてしまうことを確認できた。
以上より、本発明の実施形態によると、電縫管10を拡管する際に熱影響部10bにおいて極度の板厚減少が発生するのを防いで割れを発生させないようにすることができる。
また、従来の拡管装置に比べて、第1パンチ型5Aの一部を平坦に加工するだけでよいので、加工コストを低く抑えることができる。
さらに、平坦面部51fは成形面部51bの挿入開始側部分を除く箇所に形成されていて、成形面部51bの挿入開始側部分には平坦部分が無いので、拡管加工が最も不安定な状態となる拡管加工の開始時において、ビード部10a周辺に対して円周方向に引き伸ばす力だけでなく筒中心線方向に圧縮する力も加えることでビード部10a周辺の板厚を積極的に増やしながら円周方向に引き伸ばすことにより、ビード部10a周辺に対していきなり円周方向に引き伸ばす力だけが大きく加わってビード部10a周辺の板厚が極度に減少してしまうといったことを防ぐことができ、さらに割れの発生を防止することができる。
そして、駆動装置6、赤外線カメラ7、及び、制御装置8によって、電縫管10のビード部10aが第1パンチ型5Aの平坦面部51fに対して自動で対応する位置となるので、手動で電縫管10のビード部10aと第1パンチ型5Aの平坦面部51fとを対応させる場合に比べて作業が煩わしくなく、作業工数を減らすことができるとともに効率の良い拡管装置1にできる。
尚、本発明の実施形態では、第1パンチ型5Aに当該第1パンチ型5Aの挿入方向に沿って延びる平坦面部51fを成形面部51bに形成して電縫管10の拡管時の割れを防いでいるが、これに限らず、例えば、第1パンチ型5Aに、当該第1パンチ型5Aの挿入方向に沿って延び、且つ、第1パンチ型5Aの中心軸C2に交差する断面形状の外周部分の曲率が電縫管10の他の外周部分の曲率よりも小さい曲面を成形面部51bに形成して電縫管10の拡管時の割れを防いでもよい。
また、本発明の実施形態では、3つの第1〜第3パンチ型5A〜5Cを順に電縫管10に挿入して拡管加工を行っているが、第1及び第2パンチ型5A,5Bだけ挿入して拡管加工を行ってもよく、また、第1パンチ型5Aの拡管加工の後、3つ以上のパンチ型を電縫管10に順に挿入して拡管加工を行ってもよい。
本発明は、ビード部を有する電縫管の開口周辺を拡管する拡管装置に適している。
1 拡管装置
2 クランプ型
6 駆動装置(回転手段)
7 赤外線カメラ(検出手段)
8 制御装置(制御手段)
8a 判定部
8b 記憶部
8c 計算部
10 電縫管
10a ビード部
11 固定部
12 非固定部
51b,52b,53b 成形面部
51f 平坦面部(割れ回避面部)
S1 隙間

Claims (4)

  1. 筒中心線に沿って延びるビード部を有する電縫管の一端側から中途部の外周面に接触して当該電縫管を固定する固定部と、上記電縫管が上記固定部に固定された状態において上記固定部に連続するとともに当該固定部の反対側が開口する穴形状をなし、上記電縫管の他端側外周面と接触せずにその外周面との間に周方向に亘って隙間を形成する非固定部とを有するクランプ型と、
    該クランプ型に固定された上記電縫管の他端開口に挿入可能に設けられ、且つ、上記電縫管に対する挿入方向の反対側に行くにつれて次第に拡径する成形面部を有する複数のパンチ型とを備え、
    上記クランプ型に固定された上記電縫管にその他端開口から上記各パンチ型を順に挿入することにより、当該各パンチ型の成形面部で上記電縫管の他端側を径方向外側に次第に押し広げて上記非固定部に沿う形状に成形する拡管装置であって、
    上記電縫管に対して最初に挿入するパンチ型の上記成形面部における上記ビード部及び当該ビード部周辺に対応する位置には、上記パンチ型の挿入方向に沿って延び、且つ、上記パンチ型の中心軸に交差する断面形状の外周部分の曲率が上記成形面部の他の外周部分の曲率よりも小さい曲面か、又は、平坦面である割れ回避面部が形成されていることを特徴とする拡管装置。
  2. 請求項1に記載の拡管装置において、
    上記割れ回避面部は、平坦面であることを特徴とする拡管装置。
  3. 請求項1又は2に記載の拡管装置において、
    上記割れ回避面部は、上記成形面部における挿入開始側部分を除く箇所に形成されていることを特徴とする拡管装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の拡管装置において、
    回転軸心が上記パンチ型の中心軸に沿う方向に延びる姿勢で設けられ、上記電縫管をその筒中心線周りに回転させる回転手段と、
    該回転手段で回転する電縫管の表面を撮影する撮影手段と、
    上記回転手段及び上記撮影手段に接続され、上記回転手段に作動信号を出力する制御手段とを備え、
    該制御手段は、上記撮影手段で撮影した画像データから上記電縫管の周方向におけるビード部の位置を判定する判定部と、上記パンチ型の周方向における割れ回避面部の位置が予め記憶された記憶部と、上記判定部により判定されたビード部の位置と上記パンチ型の割れ回避面部の位置との間の筒中心線周りの回転角度を計算する計算部とを有し、該計算部で計算した回転角度に基づき上記ビード部が上記割れ回避面部に対応する位置に移動するよう上記回転手段に作動信号を出力することを特徴とする拡管装置。
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