JP6480826B2 - 電力管理装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力単価が需給バランス等に応じて頻繁に変動するダイナミックプライシングに対応して加熱装置や冷却装置の使用電力を管理することができる電力管理装置および方法に関するものである。
大型の押出成形機、射出成形機あるいは大型の熱処理炉など、生産稼働時の高温状態まで昇温させるために長時間(例えば1時間以上)を必要とする加熱装置では、昇温開始の時間に余裕を取ることが多い。昇温後の高温での待機(高温維持)については、保温性のよい加熱装置設計により、電力消費は少ないことが前提になっていることもあり、昇温開始を忘れないようにすることを意図して、早めに電気ヒータをオンにするようになっている。
射出成形機の場合で説明すると、図13に示すように、射出成形機のシリンダ100には、シリンダ用ヒータ101−1〜101−3が装着されている。シリンダ用ヒータ101−1〜101−3には、それぞれヒータの温度を測定するための温度センサである熱電対102−1〜102−3が設けられている。シリンダ100内にはスクリュ103が挿入されており、スクリュ103は図示しないサーボモータによって駆動されシリンダ100内をノズル104の方向に対して前進後退するようになっている。
プラスチックの材料はホッパ105からシリンダ100内に投入される。シリンダ100内で溶融したプラスチックの材料はスクリュ103によって押され、金型106内に射出され、金型106内でプラスチックが固化することにより、成形品が作製される。温調計107−1〜107−3は、シリンダ用ヒータ101−1〜101−3の温度を制御し、成形品の生産時の高温状態まで昇温させ、成形品の生産が開始されるまで高温で待機させる。この図13に示した射出成形機においては、温度を制御する制御ループが3個形成されていることになる。
熱処理炉の場合で説明すると、図14に示すように、熱処理炉は、被加熱物を加熱するための加熱チャンバー200と、加熱チャンバー200の内部に設置された複数のヒータH1〜H4と、それぞれヒータH1〜H4によって加熱される加熱チャンバー200内の制御ゾーンZ1〜Z4の温度を測定する複数の温度センサS1〜S4と、ヒータH1〜H4に出力する操作量MV1〜MV4を算出する温調計201−1〜201−4と、温調計201−1〜201−4から出力された操作量MV1〜MV4に応じた電力をそれぞれヒータH1〜H4に供給する電力調整器202−1〜202−4とから構成される。
温調計201−1〜201−4は、それぞれ温度センサS1〜S4が計測した温度PV1〜PV4が目標温度SPと一致するように操作量MV1〜MV4を算出する。電力調整器202−1〜202−4は、操作量MV1〜MV4に応じた電力をヒータH1〜H4に供給する。加熱処理工程(例えば半導体製造における加熱処理工程)を稼働させる予定がある場合、温調計201−1〜201−4は、加熱処理工程の高温状態まで昇温させ、加熱処理工程が開始されるまで高温で待機させる。この図14に示した熱処理炉においては、温度PV1〜PV4を制御する制御ループが4個形成されていることになる。
ところで、地球温暖化問題に起因する法改正などに伴い、工場や生産ラインのエネルギー使用量管理が強く求められている。工場内の加熱装置や空調機器は特にエネルギー使用量の大きな設備装置であるため、エネルギー使用量の上限を、本来備える最大量よりも低く抑えるように管理されることが多い。例えば特定の電力使用量以内に抑える技術として、昇温動作に対する総電力抑制制御の技術が知られている(特許文献1参照)。さらに、電力を使用する設備装置などに対しては、電力単価を変動させるダイナミックプライシングにより、電力需要を調整する制度が運用されている。
特許文献1に開示された総電力抑制制御技術では、電力デマンド管理システムから電力使用量を規定する割当総電力PWの情報を受信し、昇温動作の使用電力総量TWを算出して、この使用電力総量TWが割当総電力PWを超えないように操作量上限値OHを算出する。温調計は、例えばPID制御演算により操作量MVを算出し、操作量MVを操作量上限値OH以下に制限する上限リミット処理を実行して、上限処理後の操作量を電力調整器に出力する。こうして、温調計の操作量上限値OHを操作することで、総電力抑制を実現している。
一方、電気料金ベースのデマンドレスポンスは、電気事業者が時間帯(または時間)別に料金を設定すること(ダイナミックプライシング)で、需要家に自らの判断で、割高な料金が設定された高負荷時の需要抑制、割安な料金が設定された低負荷時への需要シフトを促す枠組みである(非特許文献1参照)。
料金メニューとしては、時間帯によって料金単価が変わる時間帯別料金(TOU:Time of Use)、特定日のピーク時料金をTOUよりも更に高く設定するピーク制料金(CPP:Critical Peak Pricing)、料金を前日に通知するピーク日料金(PDP:Peak Day Pricing)などの他に、図15に示すように、需給バランスに刻一刻と対応して料金単価が頻繁に変動するリアルタイム料金(RTP:Real Time Pricing)などがある。
ダイナミックプライシングの例としては、表1のようなものが知られている(特許文献2参照)。この表1の例では、電力需要がピークとなる時間帯(13時〜17時)の電力価格単価を5段階にレベル分けしている。
特開2012−048533号公報 特開2014−220971号公報
経済産業省,"デマンドレスポンス(Demand Response)について",[2014年12月15日検索],インターネット(URL:http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denryoku_system_kaikaku/002_s01_01_05.pdf)
RTPのように、木目細かに電力単価が変化するダイナミックプライシングが適用されている状況では、電力単価が安い時間帯、高い時間帯での電力の使い方について工夫の余地がある。これは、契約電力量を超えないようにピークシフトするものとは異なるので、特許文献1に開示された総電力抑制制御の割当総電力を決定する側の課題とも言える。すなわち、従来の技術では、ダイナミックプライシングへの対応が不十分であり、更なる改善が求められている。
なお、以上のようなダイナミックプライシングへの対応の課題は、電気ヒータを用いた加熱装置だけでなく、ペルチェ素子のような電気冷却素子を用いた冷却装置においても同様に生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、工場や生産ラインで特に使用電力量が大きいとされている加熱装置あるいは冷却装置を対象として、ダイナミックプライシングに対応して昇温状態あるいは降温状態を自動調整可能な電力管理装置および方法を提供することを目的とする。より具体的には、電力単価が高い時間帯に昇温電力あるいは降温電力を集中して消費してしまう確率を低減する電力管理装置および方法を提供する。なお、本発明では、昇温開始時点あるいは降温開始時点で、数時間先の電力単価の変化については、予め把握できないようなダイナミックプライシングを想定する。
本発明の電力管理装置は、昇温対象を電気ヒータで昇温するのに必要な昇温所要時間、あるいは降温対象を電気冷却素子で降温するのに必要な降温所要時間を取得する所要時間取得手段と、ダイナミックプライシングによる電力単価を取得する電力単価取得手段と、昇温時に前記昇温所要時間に対して昇温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否か、あるいは降温時に前記降温所要時間に対して降温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否かを判定する時間余裕判定手段と、この時間余裕判定手段が時間に余裕があると判定した場合に、前記電力単価に応じて、単位時間あたりの電力料金が規定金額になるように、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力を規定する割当総電力、あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出する総電力算出手段と、前記割当総電力の値あるいは前記操作量上限値を出力する総電力出力手段とを備え、前記総電力出力手段は、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力が前記割当総電力を超えないように前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子への操作量出力を制限する総電力抑制制御装置に対して前記割当総電力の値を出力するか、あるいは前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子に操作量を与える制御装置に対して前記操作量上限値を出力することを特徴とするものである。
また、本発明の電力管理装置の1構成例は、さらに、複数の単位時間の間における前記電力単価の変化の傾向に対応して、前記電力料金の規定金額を一時的に変更する電力単価傾向対応手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の電力管理装置の1構成例において、前記電力単価傾向対応手段は、複数の単位時間の間に前記電力単価が上がっている場合は、前記電力料金の規定金額を一時的に上げて、昇温を急ぐ方向に操作し、複数の単位時間の間に前記電力単価が下がっている場合は、前記電力料金の規定金額を一時的に下げて、昇温を待つ方向に操作するものである。
また、本発明の電力管理装置の1構成例は、一連の処理を単位時間毎に実行することを特徴とするものである。
また、本発明の電力管理装置の1構成例において、前記総電力算出手段は、前記時間余裕判定手段が時間に余裕がないと判定した場合に、フル出力になるように前記割当総電力あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の電力管理方法は、昇温対象を電気ヒータで昇温するのに必要な昇温所要時間、あるいは降温対象を電気冷却素子で降温するのに必要な降温所要時間を取得する所要時間取得ステップと、ダイナミックプライシングによる電力単価を取得する電力単価取得ステップと、昇温時に前記昇温所要時間に対して昇温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否か、あるいは降温時に前記降温所要時間に対して降温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否かを判定する時間余裕判定ステップと、この時間余裕判定ステップで時間に余裕があると判定した場合に、前記電力単価に応じて、単位時間あたりの電力料金が規定金額になるように、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力を規定する割当総電力、あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出する総電力算出ステップと、前記割当総電力の値あるいは前記操作量上限値を出力する総電力出力ステップとを含み、前記総電力出力ステップは、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力が前記割当総電力を超えないように前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子への操作量出力を制限する総電力抑制制御装置に対して前記割当総電力の値を出力するか、あるいは前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子に操作量を与える制御装置に対して前記操作量上限値を出力することを特徴とするものである。
本発明によれば、昇温所要時間に対して昇温完了指定時点までの残り時間に余裕があると判定した場合、あるいは降温所要時間に対して降温完了指定時点までの残り時間に余裕があると判定した場合に、電力単価に応じて、単位時間あたりの電力料金が規定金額になるように割当総電力あるいは割当総電力に対応する操作量上限値を算出することにより、時間に余裕がある時点では、電力単価が高いほど割当総電力あるいは割当総電力に対応する操作量上限値を低くし、電力単価が低いほど割当総電力あるいは割当総電力に対応する操作量上限値を高くすることができるので、電力単価が高い時間帯に昇温電力あるいは降温電力を集中して消費してしまう確率を低減することができ、電力料金を低減できる可能性を高めることができる。本発明では、単位時間あたりの電力料金の規定金額を管理指標としているので、電力管理装置のユーザにとって理解し易い指標を提供することができる。
また、本発明では、複数の単位時間の間における電力単価の変化の傾向に対応して、電力料金の規定金額を一時的に変更することにより、電力料金を低減できる可能性を更に高めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電力管理装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における電力単価の推移を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における温度の制御状態の推移を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る総電力抑制制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る総電力抑制制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電力管理装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における電力単価の推移を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における温度の制御状態の推移を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図である。 射出成形機の構成を示す図である。 熱処理炉の構成を示す図である。 電気事業者が設定する電気料金ベースのデマンドレスポンスを説明する図である。
[発明の原理1]
昇温開始時あるいは昇温途中で、昇温を完了すべき時刻に対し昇温に必要な時間に余裕がある時点において、もしも電力単価が最高レベルに高い状態である場合は、フル出力で昇温を急がずに待つのが得策である。ただし、昇温を待って、昇温時間に余裕がなくなった時点でも相変わらず電力単価が高いようであれば、結果的に得策だったとは言えなくなるが、少なくとも時間に余裕がある時点での判断としては妥当である。
一方、昇温開始時あるいは昇温途中で、上記と同様に時間に余裕がある時点において、もしも電力単価が最低レベルに低い状態である場合は、フル出力で昇温を急いでおくのが得策である。ただし、昇温を完了した後も相変わらず電力単価が低いようであれば、結果的に得策だったとは言えなくなるが、少なくとも時間に余裕がある時点での判断としては妥当である。
このように着眼すると、発明者は、昇温時間に余裕がある時点では、電力単価が高いほど電気ヒータ出力を低くし、逆に電力単価が低いほど電気ヒータ出力を高くするように、自動調整するのが得策であることに想到した。例えば、電力単価に応じて、単位時間(1時間)あたりの使用電力料金がほぼ一定になるように、電気ヒータ出力(特許文献1に開示された技術であれば割当総電力)を決定していくなどの方法が可能である。
なお、ペルチェ素子のような電気冷却素子を使用する降温動作についても、上記の昇温動作と同様に考えればよい。
[発明の原理2]
複数の単位時間の間に亘り、電力単価の変化の傾向が一定の場合は、その傾向を考慮した対応を上乗せするのが好ましい。
例えば、複数の単位時間の間に、電力単価が上がっている場合は、さらに電力単価が上がる可能性が高いものと推定し、使用電力料金の規定金額を高く変更して、昇温を急ぐ方向に操作する。逆に、複数の単位時間の間に、電力単価が下がっている場合は、さらに電力単価が下がる可能性が高いものと推定し、使用電力料金の規定金額を低く変更して、昇温を待つ方向に操作する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応する例である。ここでは、図14に示した熱処理炉を適用対象とし、ヒータH1の容量をCTm1=3kW、ヒータH2の容量をCTm2=5kW、ヒータH3の容量をCTm3=5kW、ヒータH4の容量をCTm4=3kWとし、合計でCTm=16kWとする。
また、単位時間dT(本実施の形態では1時間)あたりの望ましい電力料金の規定金額RPを300円/hとする。この電力料金の規定金額RPについては、電力管理装置のオペレータが予め設定すればよい。なお、全ヒータゾーンがほぼ同じ温度変化を示すものと仮定して、本実施の形態の動作を説明する。
電力管理装置は、現在時刻を取得する現在時刻取得部1と、昇温対象の昇温所要時間(推定値や実績値)を取得する昇温所要時間取得部2と、昇温対象の昇温完了指定時刻を取得する昇温完了時刻取得部3と、ダイナミックプライシングによる電力単価を取得する電力単価取得部4と、昇温所要時間に対して現在時刻から昇温完了指定時刻までの残り時間に余裕があるか否かを判定する時間余裕判定部5と、時間余裕判定部5が時間に余裕があると判定した場合に、電力単価に応じて、単位時間あたりの電力料金が規定金額になるように、電気ヒータの使用電力を規定する割当総電力、あるいは割当総電力に対応する操作量上限値を算出する総電力算出部6と、割当総電力の値あるいは操作量上限値を出力する総電力出力部7とを備えている。
以下、本実施の形態の電力管理装置の動作を図2〜図4を参照して説明する。図2は電力管理装置の動作を示すフローチャート、図3は本実施の形態における電力単価の推移を示す図、図4(A)、図4(B)は本実施の形態における制御状態の推移を示す図であり、図4(A)は目標温度SPi(i=1〜nであり、制御ループの個数nは1以上の整数、図14の例ではn=4)および温度PViの変化を示す図、図4(B)は操作量MViおよび操作量上限値OHiの変化を示す図である。
現在時刻取得部1は、現在時刻を取得する(図2ステップS100)。現在時刻T1の情報は、図示しない内部時計から取得してもよいし、外部から有線または無線で送信される時刻情報を取得してもよい。ここでは、現在時刻T1が例えば11時00分であり、昇温開始時であるとする。
次に、昇温所要時間取得部2は、目標温度SPiが変更され昇温が開始されたとき(図2ステップS101においてYES)、昇温所要時間TL(推定値や実績値)を取得する(図2ステップS102)。ここでは、図4(A)に示すように、11時00分に目標温度SPiが常温25℃から高温400℃に変更された例で説明する。
昇温所要時間TLとしては、対象の熱処理炉における過去の同等の昇温(目標温度SPiの推移が今回と同じ昇温)における実績値を取得してもよいし、推定値を取得してもよい。
昇温所要時間取得部2は、推定値を取得する場合、各制御ループLiの変更後の目標温度SPi(昇温完了時の目標温度)と現在の温度PViとを取得して、各制御ループLiの温度PViの昇温幅DTiを次式により制御ループLi毎に算出する。
DTi=SPi−PVi ・・・(1)
図4(A)の例では、11時00分の温度PViが25℃で、変更後の目標温度SPiが400℃であるから、昇温幅DTiは375℃である。
続いて、昇温所要時間取得部2は、各制御ループLiの目標温度変更前の操作量MViを取得し、目標温度SPiの変更に伴う温度PViの変化のレート(速度)THiを次式により制御ループLi毎に算出する。
THi=THoi{100/(100−MVi)} ・・・(2)
式(2)において、THoiは、制御ループLi毎に予め記憶されている、熱処理炉の加熱能力を示す値であり、操作量MVi=0.0%の状態から最大出力MVi=100%にしたとき(すなわち操作量上昇幅が100%のとき)の温度PViの変化レート値である。つまり、式(2)は、変化レート値THoiを操作量上昇幅(100−MVi)で換算する数式である。本実施の形態では熱処理炉の例で説明しているので、温度PViの変化レートTHiは昇温レート[sec./℃]である。
次に、昇温所要時間取得部2は、各制御ループLiの温度PViを昇温幅DTiだけ変化させるのに必要な温度変化時間である昇温所要時間TLiを、温度PViの変化レートTHiと変更量DTiとから次式により制御ループLi毎に推定する。
TLi=THiDTi ・・・(3)
そして、昇温所要時間取得部2は、各制御ループLiの昇温所要時間TLiのうちの最大値TLを選出する。
TL=max(TLi) ・・・(4)
式(4)において、max( )は最大値選出演算関数である。以上の処理により、昇温所要時間取得部2は、昇温所要時間TLの推定値を得ることができる。本実施の形態では、説明を簡易にするため、実績値または推定値として得られた昇温所要時間TLを1時間ちょうどとする。
次に、昇温完了時刻取得部3は、昇温対象の昇温完了指定時刻T2を取得する(図2ステップS103)。昇温完了指定時刻T2は、例えば電力管理装置のオペレータが入力すればよい。ここでは、昇温完了指定時刻T2を例えば15時00分とする。
続いて、電力単価取得部4は、ダイナミックプライシングによる電力単価EPを取得する(図2ステップS104)。電力単価EPの情報は、電気事業者(電力会社)からリアルタイムで通知される情報を取得すればよい。ここでは、11時00分の昇温開始時において、電力単価EPが例えば表1における最も高いレベル4相当の150円/kWhであったとする。
時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLに対して、現在時刻T1から昇温完了指定時刻T2までの残り時間に余裕があるか否かを判定する(図2ステップS105)。時間余裕判定部5は、昇温完了指定時刻T2と現在時刻T1との差の時間が昇温所要時間TLと単位時間dTとの和の時間以上であれば(T2−T1≧TL+dT)、残り時間に余裕があると判定し、昇温完了指定時刻T2と現在時刻T1との差の時間が昇温所要時間TLと単位時間dTとの和の時間未満であれば(T2−T1<TL+dT)、残り時間に余裕がないと判定する。ここでは、昇温所要時間TLが1時間で、現在時刻T1の11時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで4時間あることから、時間に余裕があると判定する。
総電力算出部6は、時間に余裕があると判定された場合に(ステップS105においてYES)、電力単価取得部4が取得した現在の電力単価EPに応じて、単位時間dTあたりの電力料金が予め規定された金額になるように、熱処理炉のヒータHiの使用電力を規定する割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(図2ステップS106)。
上記のとおり、現在の電力単価EPは150円/kWhであり、単位時間dTあたりの電力料金の規定金額RPは300円/hである。したがって、総電力算出部6は、規定金額RPを電力単価EPで割ることで、割当総電力PWを次式のように算出する。
PW=RP/EP=300/150=2.00kW ・・・(5)
また、総電力算出部6は、割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する場合、割当総電力PWを熱処理炉のヒータHiの容量の合計で割ることで、各制御ループLiの操作量上限値OHiを次式のように算出する。
OHi=PW/(CTm1+CTm2+CTm3+CTm4)×100
=2/16×100=12.5% ・・・(6)
総電力算出部6は、熱処理炉の電力を抑制する装置として、特許文献1に開示された総電力抑制制御装置が設置されている場合、割当総電力PWを算出する。また、このような総電力抑制制御装置が設置されていない場合には、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する。
総電力出力部7は、総電力算出部6が算出した値(割当総電力PWあるいは操作量上限値OHi)を出力する(図2ステップS107)。総電力算出部6が割当総電力PWを算出した場合には、この割当総電力PWの値が総電力抑制制御装置に出力される。総電力算出部6が各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出した場合には、これら操作量上限値OHiがそれぞれ対応する制御ループLiの制御装置(図14の例では温調計201−1〜201−4)に出力される。この総電力出力部7の動作により、図4(B)の例では、11時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが初期値100%から12.5%に変更されている。
なお、総電力算出部6は、ステップS105において時間に余裕がないと判定された場合、ヒータHiがフル出力になるように割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(図2ステップS108)。具体的には、総電力算出部6は、割当総電力PWを次式のように算出するか、あるいは各制御ループLiの操作量上限値OHiを最大値100%とする。
PW=CTm1+CTm2+CTm3+CTm4=16.00kW ・・・(7)
特許文献1に開示された総電力抑制制御装置を利用する場合には、昇温所要時間取得部2が取得した昇温所要時間TLの値を、割当総電力PWと共に総電力抑制制御装置に通知することが望ましい。
ここで、特許文献1に開示された総電力抑制制御装置の構成と動作について説明する。図5は総電力抑制制御装置の構成を示すブロック図、図6は総電力抑制制御装置の動作を示すフローチャートである。
総電力抑制制御装置は、割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部10と、各制御ループLiの温度PViを昇温時間TL’の間に設定値SPiの変更に応じた量だけ変化させるのに必要な操作量である必要出力MUiを推定する必要出力推定部11と、各制御ループLiの必要出力MUiから各ヒータHiの使用電力の総和である使用電力総量TWを算出する使用電力合計算出部12と、使用電力総量TWが割当総電力PWを超えない必要出力MUiの組み合わせを探索し、最終的に得られた必要出力MUiを各制御ループLiの操作量上限値OHiとして設定する探索処理部13とを備えている。探索処理部13は、昇温時間設定部14と、割当総電力判定部15とから構成される。
割当総電力入力部10は、総電力出力部7から割当総電力PWの情報を受信する(図6ステップS200)。
昇温時間設定部14は、電力管理装置から通知された昇温所要時間TLの値を、昇温時間TL’として設定する(図6ステップS201)。なお、昇温所要時間TLの値を総電力抑制制御装置独自で取得する場合には、昇温所要時間取得部2と同等の構成を総電力抑制制御装置に設ける必要がある。
次に、割当総電力判定部15は、各制御ループLiの温度PViを昇温時間TL’の間に昇温幅DTiだけ変化させる場合の全ヒータHiの使用電力TWを求める処理を、以下のように行なわせる。
まず、必要出力推定部11は、各制御ループLiの目標温度変更前の操作量MViを取得し、各制御ループLiの温度PViを昇温時間TL’の間に昇温幅DTiだけ変化させるのに必要な操作量である必要出力MUiを次式により制御ループLi毎に算出する(図6ステップS202)。
MUi={100THoi/(TL’/DTi)}+MVi ・・・(8)
式(8)は、式(2)において、分母の100をMUiに置換し、THiをTL/ΔPViに置換して、MUiについて解くことにより得られる数式である。ここでの昇温幅DTiは、式(1)によりDTi=375℃と算出することができる。
続いて、使用電力合計算出部12は、各制御ループLiの必要出力MUiから各ヒータHiの使用電力の総和である使用電力総量TWを次式により算出する(図6ステップS203)。
上記のとおり、CTmiは制御ループLi毎に予め記憶されている値であり、操作量MViが最大値100%の場合のヒータHiの使用電力値(容量)である。
割当総電力判定部15は、TW≦PW、すなわち使用電力総量TWが割当総電力PWを超えない場合は(図6ステップS204においてYES)、各制御ループLiの必要出力MUiをそれぞれ各制御ループLiの操作量上限値OHiとして、これら操作量上限値OHiをそれぞれ対応する制御ループLiの制御装置(図14の例では温調計201−1〜201−4)に設定する(図6ステップS206)。
また、割当総電力判定部15は、TW>PW、すなわち使用電力総量TWが割当総電力PWを超える場合は、昇温時間設定部14に指示して、昇温時間TL’を現在の値の例えば1.05倍に延長させて(図6ステップS205)、ステップS202に戻る。こうして、使用電力総量TWが割当総電力PW以内になるまで、ステップS202〜S205の処理が繰り返される。
総電力抑制制御装置は、以上のようなステップS200〜S206の処理を、電力管理装置から割当総電力PWの情報を受信する度に行なう。
次に、下位の制御装置である温調計201−iは、温度センサSiが計測した温度PViが目標温度SPiと一致するように操作量MViを算出するが、算出した操作量MViを操作量上限値OHi以下の値に制限する上限リミット処理を行なう。
IF MVi>OHi THEN MVi=OHi ・・・(10)
すなわち、温調計201−iは、総電力抑制制御装置から設定された操作量上限値OHiあるいは電力管理装置から直接設定された操作量上限値OHiよりも操作量MViが大きい場合、操作量MVi=OHiとする。そして、温調計201−iは、上限リミット処理後の操作量MViを対応する制御ループLiの電力調整器202−iに出力し、電力調整器202−iは、この操作量MViに応じた電力をヒータHiに供給する。こうして、操作量上限値OHiを利用した電力抑制制御が行われる。
次に、電力管理装置は、前回(昇温開始時)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(図2ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が12時00分となる。
次に、昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において目標温度SPiが変更されておらず昇温開始時でない場合(ステップS101においてNO)、昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。
図4(A)に示すように12時00分の温度PViが50℃まで既に昇温している場合、50℃から目標温度SPi=400℃まで(昇温幅DTi=350℃)の昇温なので、昇温所要時間取得部2は、昇温開始時に取得した昇温所要時間TL0=1時間と、昇温開始時の昇温幅DT0i=375℃と、現在の昇温幅DTi=350℃とから次式のように昇温所要時間TLを更新する。
TL=TL0(DTi/DT0i)=350/375=0.933時間
・・・(11)
なお、式(11)の昇温所要時間TLの算出は制御ループLi毎に行われるので、各制御ループLiの算出結果が異なる場合には、複数の算出結果のうちの最長の値を最新の昇温所要時間TLとすればよい。
電力単価取得部4は、昇温所要時間取得部2が取得した最新の昇温所要時間TLが0でない場合(図2ステップS111においてNO)、現在の電力単価EPを取得する(ステップS104)。ここでは、12時00分において、電力単価EPが例えば表1におけるレベル3相当の100円/kWhであったとする。
時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLが0.933時間で、現在時刻T1の12時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで3時間あることから、時間に余裕があると判定する(ステップS105においてYES)。
総電力算出部6は、時間に余裕があると判定された場合、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(ステップS106)。現在の電力単価EPは100円/kWhであり、単位時間dTあたりの電力料金の規定金額RPは300円/hである。したがって、総電力算出部6は、割当総電力PWを次式のように算出する。
PW=RP/EP=300/100=3.00kW ・・・(12)
また、総電力算出部6は、各制御ループLiの操作量上限値OHiを次式のように算出する。
OHi=PW/(CTm1+CTm2+CTm3+CTm4)×100
=3/16×100=18.8% ・・・(13)
総電力算出部6は、特許文献1に開示された総電力抑制制御装置が設置されている場合、割当総電力PWを算出し、総電力抑制制御装置が設置されていない場合、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する。
総電力出力部7の動作(ステップS107)によって、図4(B)の例では、12時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが12.5%から18.8%に変更されている。
総電力抑制制御装置と温調計201−iの動作は上記のとおりである。
次に、電力管理装置は、前回(12時00分)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が13時00分となる。
昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において目標温度SPiが変更されておらず昇温開始時でない場合(ステップS101においてNO)、昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。
図4(A)に示すように13時00分の温度PViが75℃まで既に昇温している場合、75℃から目標温度SPi=400℃まで(昇温幅DTi=325℃)の昇温なので、昇温所要時間取得部2は、昇温開始時に取得した昇温所要時間TL0=1時間と、昇温開始時の昇温幅DT0i=375℃と、現在の昇温幅DTi=325℃とから次式のように昇温所要時間TLを更新する。
TL=TL0(DTi/DT0i)=325/375=0.867時間
・・・(14)
上記と同様に、式(14)の昇温所要時間TLの算出は制御ループLi毎に行われるので、各制御ループLiの算出結果が異なる場合には、複数の算出結果のうちの最長の値を最新の昇温所要時間TLとすればよい。
電力単価取得部4は、昇温所要時間取得部2が取得した最新の昇温所要時間TLが0でない場合(ステップS111においてNO)、現在の電力単価EPを取得する(ステップS104)。ここでは、13時00分において、電力単価EPが例えば表1におけるレベル0相当の15円/kWhであったとする。
時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLが0.867時間で、現在時刻T1の13時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで2時間あることから、時間に余裕があると判定する(ステップS105においてYES)。
総電力算出部6は、時間に余裕があると判定された場合、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(ステップS106)。現在の電力単価EPは15円/kWhであり、単位時間dTあたりの電力料金の規定金額RPは300円/hである。したがって、総電力算出部6は、割当総電力PWを次式のように算出する。
PW=RP/EP=300/15=20.00kW ・・・(15)
また、総電力算出部6は、各制御ループLiの操作量上限値OHiを次式のように算出する。
OHi=PW/(CTm1+CTm2+CTm3+CTm4)×100
=20/16×100=125.0% ・・・(16)
この場合、操作量上限値OHiの算出値が最大値100%を超えているので、総電力算出部6が出力する操作量上限値OHiは100%となる。
総電力算出部6は、特許文献1に開示された総電力抑制制御装置が設置されている場合、割当総電力PWを算出し、総電力抑制制御装置が設置されていない場合、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する。
総電力出力部7の動作(ステップS107)によって、図4(B)の例では、13時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが18.8%から100%に変更されている。
総電力抑制制御装置と温調計201−iの動作は上記のとおりである。
次に、電力管理装置は、前回(13時00分)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が14時00分となる。
昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において目標温度SPiが変更されておらず昇温開始時でない場合(ステップS101においてNO)、昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。
図4(A)に示すように14時00分の温度PViが400℃まで既に昇温しており、昇温幅DTiが0℃となるので、昇温所要時間取得部2は、昇温所要時間TLを0とする。
TL=TL0(DTi/DT0i)=0 ・・・(17)
電力管理装置は、昇温所要時間TLが0となったことにより(ステップS111においてYES)、図2の一連の処理を終了する。
以上のように、本実施の形態では、昇温所要時間に余裕がある時点では、電力単価が高いほど、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHi(結果的に電気ヒータ出力)を低くし、逆に電力単価が低いほど、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを高くするように自動調整することで、熱処理炉の電力料金を低減できる可能性が生じる。
上記の例では、11時00分から12時00分の電力料金が300円、12時00分から13時00分の電力料金が300円、13時00分から14時00分の電力料金が300円×0.867時間で約260円となり、11時00分から14時00分の合計で約860円が熱処理炉の昇温時の電力料金になる。
仮に11時00分から12時00分にヒータ出力を最大にして昇温したと仮定すると、電力単価150円/kWhで電力16kWを1時間使用することになるので、2400円が昇温時の電力料金になる。したがって、本実施の形態によれば、電力料金を低減できることになる。
本実施の形態では、単位時間あたりの電力料金の規定金額(300円/h)を管理指標として予め規定しているので、電力管理装置のユーザにとって電力料金の管理が理解し易くなり、関係者間での合意(納得性)も得やすい。
なお、本実施の形態では、図2の一連の処理を1時間毎に再実行するものとして説明したが、昇温開始時の最初の1時間のみ実行し、その後はフル出力で昇温するような処理もあり得る。すなわち、最初の1時間のみ昇温を抑制するか否かの判断を実行するだけでも、慎重な昇温へと改善されることに変わりはない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は本発明の第2の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応する例である。適用対象は、第1の実施の形態と同様に、図14に示した熱処理炉とする。また、単位時間dT(本実施の形態では1時間)あたりの電力料金の規定金額RPについても、第1の実施の形態と同じ300円/hとする。ただし、本実施の形態は、この300円/hを適宜(一時的に)変更するものである。
本実施の形態の電力管理装置は、現在時刻取得部1と、昇温所要時間取得部2と、昇温完了時刻取得部3と、電力単価取得部4と、時間余裕判定部5と、総電力算出部6と、総電力出力部7と、複数の単位時間の間における電力単価EPの変化の傾向に対応して、単位時間あたりの電力料金の規定金額RPを一時的に変更する電力単価傾向対応部8とを備えている。
以下、本実施の形態の電力管理装置の動作を図8〜図10を参照して説明する。図8は電力管理装置の動作を示すフローチャート、図9は本実施の形態における電力単価の推移を示す図、図10(A)、図10(B)は本実施の形態における制御状態の推移を示す図であり、図10(A)は目標温度SPi(i=1〜nであり、制御ループの個数nは1以上の整数、図14の例ではn=4)および温度PViの変化を示す図、図10(B)は操作量MViおよび操作量上限値OHiの変化を示す図である。
第1の実施の形態と同様に、現在時刻取得部1は、現在時刻を取得する(図8ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が例えば11時00分であり、昇温開始時であるとする。
昇温所要時間取得部2は、目標温度SPiが変更され昇温が開始されたとき(図8ステップS101においてYES)、昇温所要時間TL(推定値や実績値)を取得する(図8ステップS102)。このステップS102の処理は第1の実施の形態で説明したとおりである。ここでは、図10(A)に示すように、11時00分に目標温度SPiが常温25℃から高温400℃に変更され、実績値または推定値として得られた昇温所要時間TLが1時間の例で説明する。
第1の実施の形態と同様に、昇温完了時刻取得部3は、昇温完了指定時刻T2を取得する(図8ステップS103)。ここでは、昇温完了指定時刻T2を15時00分とする。
電力単価取得部4は、現在の電力単価EPを取得する(図8ステップS104)。ここでは、11時00分の昇温開始時において、電力単価EPが例えば表1におけるレベル1相当の50円/kWhであったとする。
第1の実施の形態と同様に、時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLに対して、現在時刻T1から昇温完了指定時刻T2までの時間に余裕があるか否かを判定する(図8ステップS105)。ここでは、昇温所要時間TLが1時間で、現在時刻T1の11時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで4時間あることから、時間に余裕があると判定する。
総電力算出部6は、時間に余裕があると判定された場合、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(図8ステップS106)。現在の電力単価EPは50円/kWhであり、単位時間dTあたりの電力料金の規定金額RPは300円/hである。したがって、総電力算出部6は、割当総電力PWを次式のように算出する。
PW=RP/EP=300/50=6.00kW ・・・(18)
また、総電力算出部6は、各制御ループLiの操作量上限値OHiを次式のように算出する。
OHi=PW/(CTm1+CTm2+CTm3+CTm4)×100
=6/16×100=37.5% ・・・(19)
第1の実施の形態で説明したとおり、総電力算出部6は、特許文献1に開示された総電力抑制制御装置が設置されている場合、割当総電力PWを算出し、総電力抑制制御装置が設置されていない場合、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する。
総電力出力部7は、総電力算出部6が割当総電力PWを算出した場合には、この割当総電力PWの値を総電力抑制制御装置に出力し、総電力算出部6が各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出した場合には、これら操作量上限値OHiをそれぞれ対応する制御ループLiの制御装置(図14の例では温調計201−1〜201−4)に出力する(図8ステップS107)。図10(B)の例では、11時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが初期値100%から37.5%に変更されている。総電力抑制制御装置と温調計201−iの動作は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
次に、電力管理装置は、前回(昇温開始時)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(図8ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が12時00分となる。
昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において目標温度SPiが変更されておらず昇温開始時でない場合(ステップS101においてNO)、昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。
図10(A)に示すように12時00分の温度PViが100℃まで既に昇温している場合、100℃から目標温度SPi=400℃まで(昇温幅DTi=300℃)の昇温なので、昇温所要時間取得部2は、昇温開始時に取得した昇温所要時間TL0=1時間と、昇温開始時の昇温幅DT0i=375℃と、現在の昇温幅DTi=300℃とから次式のように昇温所要時間TLを更新する。
TL=TL0(DTi/DT0i)=300/375=0.800時間
・・・(20)
第1の実施の形態で説明したように、式(20)の昇温所要時間TLの算出は制御ループLi毎に行われるので、各制御ループLiの算出結果が異なる場合には、複数の算出結果のうちの最長の値を最新の昇温所要時間TLとすればよい。
電力単価取得部4は、昇温所要時間取得部2が取得した最新の昇温所要時間TLが0でない場合(ステップS111においてNO)、現在の電力単価EPを取得する(ステップS104)。ここでは、12時00分において、電力単価EPが例えば表1におけるレベル2相当の75円/kWhであったとする。
時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLが0.800時間で、現在時刻T1の12時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで3時間あることから、時間に余裕があると判定する(ステップS105においてYES)。
電力単価傾向対応部8は、1時間前(11時00分)の電力単価EPが50円/kWhであり、現在時刻(12時00分)の電力単価EPが75円/kWhなので、電力単価EPが上昇傾向であると判定する(図8ステップS112においてYES)。電力単価傾向対応部8は、電力単価EPが上昇傾向の場合、今後さらに上昇する可能性があるものと判断し、例えば電力単価EPの単位時間dTあたりの上昇分(25円/kWh)の所定数倍(ここでは10倍)の250円を、電力料金の現在の規定金額300円/hに加算して、電力料金の規定金額を550円/hへと一時的に変更する(図8ステップS113)。
なお、電力単価傾向対応部8は、1時間前(11時00分)の電力単価EPに対して現在の電力単価EPが低く、電力単価EPが下降傾向であると判定した場合(図8ステップS114においてYES)、今後さらに下降する可能性があるものと判断し、電力料金の現在の規定金額300円/hを一時的に下げる(図8ステップS115)。例えば、仮に1時間前(11時00分)に電力単価EPが100円/kWhだったものが、現在時刻(12時00分)に75円/kWhに変化したのだとしたら、電力単価EPの単位時間dTあたりの下降分(25円/kWh)の所定数倍(ここでは2倍)の50円を、電力料金の現在の規定金額300円/hから減算して、電力料金の規定金額を250円/hへと一時的に変更する。ここで、2倍というのは適宜設計されるべき数値であるが、特に一時的に下げる場合は、規定金額を抑え過ぎて昇温に支障が生じることがない程度に設計するのが目安になる。
また、電力単価傾向対応部8は、1時間前の電力単価EPと現在時刻の電力単価EPが同一、すなわち電力単価EPが上昇傾向でも下降傾向でもなく、かつ1時間前に電力料金の規定金額を一時的に変更していた場合(図8ステップS116においてYES)、電力料金の規定金額を予め規定された金額300円/hに戻す(図8ステップS117)。
総電力算出部6は、ステップS105において時間に余裕があると判定された場合、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(ステップS106)。ここでは、現在の電力単価EP=75円/kWhに対して、ステップS113の処理により単位時間dTあたりの電力料金の規定金額RPが一時的に550円/hに変更されたので、総電力算出部6は、割当総電力PWを次式のように算出する。
PW=RP/EP=550/75=7.33kW ・・・(21)
また、総電力算出部6は、各制御ループLiの操作量上限値OHiを次式のように算出する。
OHi=PW/(CTm1+CTm2+CTm3+CTm4)×100
=7.33/16×100=45.8% ・・・(22)
総電力算出部6は、特許文献1に開示された総電力抑制制御装置が設置されている場合、割当総電力PWを算出し、総電力抑制制御装置が設置されていない場合、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する。
総電力出力部7の動作(ステップS107)によって、図10(B)の例では、12時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが37.5%から45.8%に変更されている。
次に、電力管理装置は、前回(12時00分)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が13時00分となる。
昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において目標温度SPiが変更されておらず昇温開始時でない場合(ステップS101においてNO)、昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。
図10(A)に示すように13時00分の温度PViが200℃まで既に昇温している場合、200℃から目標温度SPi=400℃まで(昇温幅DTi=200℃)の昇温なので、昇温所要時間取得部2は、昇温開始時に取得した昇温所要時間TL0=1時間と、昇温開始時の昇温幅DT0i=375℃と、現在の昇温幅DTi=200℃とから次式のように昇温所要時間TLを更新する。
TL=TL0(DTi/DT0i)=200/375=0.533時間
・・・(23)
電力単価取得部4は、昇温所要時間取得部2が取得した最新の昇温所要時間TLが0でない場合(ステップS111においてNO)、現在の電力単価EPを取得する(ステップS104)。ここでは、13時00分において、電力単価EPが例えば表1におけるレベル3相当の100円/kWhであったとする。
時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLが0.533時間で、現在時刻T1の13時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで2時間あることから、時間に余裕があると判定する(ステップS105においてYES)。
電力単価傾向対応部8は、1時間前(12時00分)の電力単価EPが75円/kWhであり、現在時刻(13時00分)の電力単価が100円/kWhなので、電力単価EPが上昇傾向であると判定する(ステップS112においてYES)。電力単価傾向対応部8は、電力単価EPが上昇傾向の場合、例えば電力単価EPの単位時間dTあたりの上昇分(25円/kWh)の10倍の250円を、電力料金の現在の規定金額550円/hに加算して、電力料金の規定金額を800円/hへと一時的に変更する(ステップS113)。
総電力算出部6は、ステップS105において残り時間に余裕があると判定された場合、割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(ステップS106)。ここでは、現在の電力単価EP=100円/kWhに対して、上記のステップS113の処理により単位時間dTあたりの電力料金の規定金額RPが一時的に800円/hに変更されたので、総電力算出部6は、割当総電力PWを次式のように算出する。
PW=RP/EP=800/100=8.00kW ・・・(24)
また、総電力算出部6は、各制御ループLiの操作量上限値OHiを次式のように算出する。
OHi=PW/(CTm1+CTm2+CTm3+CTm4)×100
=8.00/16×100=50.0% ・・・(25)
総電力出力部7の動作(ステップS107)によって、図10(B)の例では、13時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが45.8%から50.0%に変更されている。
次に、電力管理装置は、前回(13時00分)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が14時00分となる。
昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において目標温度SPiが変更されておらず昇温開始時でない場合(ステップS101においてNO)、昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。
図10(A)に示すように14時00分の温度PViが300℃まで既に昇温している場合、300℃から目標温度SPi=400℃まで(昇温幅DTi=100℃)の昇温なので、昇温所要時間取得部2は、昇温開始時に取得した昇温所要時間TL0=1時間と、昇温開始時の昇温幅DT0i=375℃と、現在の昇温幅DTi=100℃とから次式のように昇温所要時間TLを更新する。
TL=TL0(DTi/DT0i)=100/375=0.267時間
・・・(26)
電力単価取得部4は、昇温所要時間取得部2が取得した最新の昇温所要時間TLが0でない場合(ステップS111においてNO)、現在の電力単価EPを取得する(ステップS104)。ここでは、14時00分において、電力単価EPが例えば表1におけるレベル3相当の100円/kWhであったとする。
時間余裕判定部5は、昇温所要時間TLが0.267時間で、現在時刻T1の14時00分から昇温完了指定時刻T2の15時00分まで1時間であることから、次の1時間後の処理までには余裕がないと判定する(ステップS105においてNO)。
総電力算出部6は、時間に余裕がないと判定された場合、ヒータHiがフル出力になるように割当総電力PWあるいは割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する(ステップS108)。具体的には、総電力算出部6は、割当総電力PWを式(7)のように算出するか、あるいは各制御ループLiの操作量上限値OHiを最大値100%とする。
総電力出力部7の動作(ステップS107)によって、図10(B)の例では、14時00分に各制御ループLiの操作量上限値OHiが50.0%から100%に変更されている。
次に、電力管理装置は、前回(14時00分)の処理から単位時間dT経過後に処理を再開する(ステップS109においてYES)。
現在時刻取得部1は、現在時刻T1を取得する(ステップS100)。ここでは、現在時刻T1が15時00分となる。
昇温所要時間取得部2は、現在時刻T1において昇温所要時間TLの推定値を取得する(ステップS110)。図10(A)に示すように15時00分になる前に温度PViが400℃まで既に昇温しており、昇温幅DTiが0℃となるので、昇温所要時間取得部2は、昇温所要時間TLを0とする。
電力管理装置は、昇温所要時間TLが0となったことにより(ステップS111においてYES)、図8の一連の処理を終了する。なお、昇温所要時間TLを計算せずに、現在時刻T1が昇温完了指定時刻T2になった時点で、図8の処理を終了してもよい。
以上のように、本実施の形態では、複数の単位時間の間に、電力単価が上がっている場合は、さらに電力単価が上がる可能性が高いものと推定し、電力料金の規定金額を高く変更して、昇温を急ぐ方向に操作する。上記の例は、傾向通りに電力単価が上がるケースであり、12時00分から13時00分に、レベル2相当の75円/kWhでの電力利用を増やした分だけ、電力料金を低減したことになる。
なお、第1、第2の実施の形態共に、全ヒータゾーンがほぼ同じ温度変化を示すものと仮定して説明したが、各ヒータゾーンの温度変化(昇温速度)が異なる場合は、昇温所要時間TLを取得(推定)する際に、上記のとおり、昇温所要時間TLの複数の算出結果のうちの最長の値を代表値として採用するようにすればよい。
[第3の実施の形態]
また、第1、第2の実施の形態では、熱処理炉のような加熱装置を適用対象とし、昇温動作について説明したが、本発明は、ペルチェ素子のような電気冷却素子を使用する冷却装置による降温動作にも適用可能である。すなわち、本発明は、第1の実施の形態の「昇温」を「降温」に置き換えた形態を権利範囲に含む。
図11は本発明の第3の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の電力管理装置は、現在時刻取得部1と、降温対象の降温所要時間(推定値や実績値)を取得する降温所要時間取得部2aと、降温対象の降温完了指定時刻を取得する降温完了時刻取得部3aと、電力単価取得部4と、時間余裕判定部5と、総電力算出部6と、総電力出力部7とを備えている。
本実施の形態においても、電力管理装置の処理の流れは第1の実施の形態と同様であり、図2中の「昇温」を「降温」に置き換えたものに相当するので、図2の符号を用いて説明する。
現在時刻取得部1の動作(図2ステップS100)は第1の実施の形態と同じである。降温所要時間取得部2aは、目標温度SPiが変更され降温が開始されたとき(図2ステップS101においてYES)、降温所要時間TL(推定値や実績値)を取得する(図2ステップS102)。降温所要時間TLとしては、対象の冷却装置における過去の同等の降温(目標温度SPiの推移が今回と同じ降温)における実績値を取得してもよいし、推定値を取得してもよい。
降温所要時間取得部2aは、推定値を取得する場合、各制御ループLiの変更後の目標温度SPi(降温完了時の目標温度)と現在の温度PViとから、降温幅DTiを次式のように計算すればよい。
DTi=PVi−SPi ・・・(27)
降温動作の場合、各制御ループLiの目標温度変更前の操作量MViから、温度PViの変化レート(降温レート)TCi[sec./℃]を計算する式として、式(2)の代わりに次式を用いる。
TCi=TCoi{100/(100−MVi)} ・・・(28)
TCoiは、制御ループLi毎に予め記憶されている、冷却装置の冷却能力を示す値であり、操作量MVi=0.0%の状態から最大出力MVi=100%にしたときの温度PViの変化レート値である。
降温動作の場合、各制御ループLiの昇温所要時間TLiを計算する式として、式(3)の代わりに次式を用いる。
TLi=TCiDTi ・・・(29)
そして、降温所要時間取得部2aは、各制御ループLiの降温所要時間TLiのうちの最大値TLを選出する。以上の処理により、降温所要時間TLの推定値を得ることができる。
また、TL0を降温開始時に取得した降温所要時間、DT0iを降温開始時の降温幅、DTiを現在の降温幅とすれば、降温所要時間取得部2aは、式(11)により降温所要時間TLを更新することができる(図2ステップS110)。
降温完了時刻取得部3aは、降温対象の降温完了指定時刻T2を取得する(図2ステップS103)。降温完了指定時刻T2は、例えばオペレータが入力すればよい。
電力単価取得部4の動作(図2ステップS104)は第1の実施の形態と同じである。本実施の形態の時間余裕判定部5の動作はステップS105の説明の「昇温」を「降温」に置き換えたものに相当する。
第1の実施の形態と同様に、総電力算出部6は、冷却装置の電力を抑制する装置として、総電力抑制制御装置が設置されている場合、割当総電力PWを算出する。また、このような総電力抑制制御装置が設置されていない場合には、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する。
総電力算出部6は、降温所要時間TLに対して降温完了指定時点T2までの残り時間に余裕があると判定された場合(図2ステップS105においてYES)、式(5)のように電力料金の規定金額RPを電力単価EPで割ることで、割当総電力PWを算出する(図2ステップS106)。また、総電力算出部6は、残り時間に余裕があると判定され、割当総電力PWに対応する操作量上限値OHiを算出する場合、割当総電力PWを冷却装置の電気冷却素子の容量の合計で割ることで、各制御ループLiの操作量上限値OHiを算出する(ステップS106)。この場合、CTmiを、操作量MViが最大値100%の場合の制御ループLiの電気冷却素子の使用電力値(容量)とすれば、操作量上限値OHiは式(6)で計算できる。
また、総電力算出部6は、ステップS105において残り時間に余裕がないと判定された場合、割当総電力PWを式(7)により計算するか、あるいは各制御ループLiの操作量上限値OHiを最大値100%とすればよい(図2ステップS108)。
総電力出力部7の動作(図2ステップS107)は、第1の実施の形態と同じである。総電力抑制制御装置については、「昇温」の説明を「降温」に置き換え、式(8)の代わりに次式を用いて必要出力MUiを制御ループLi毎に算出すればよい。
MUi={100THoi/(TL’/DTi)}+MVi ・・・(30)
冷却装置の各冷却ゾーンにはペルチェ素子のような電気冷却素子が設置されている。各制御ループLiの制御装置(温調計)は、各冷却ゾーンに設置された温度センサSiが計測した温度PViが目標温度SPiと一致するように操作量MViを算出して、操作量MViを操作量上限値OHi以下の値に制限する上限リミット処理を行なう。そして、制御装置(温調計)は、上限リミット処理後の操作量MViを対応する制御ループLiの電力調整器に出力し、電力調整器は、この操作量MViに応じた電力を制御ループLiの電気冷却素子に供給する。
こうして、冷却装置による降温動作においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施の形態]
第3の実施の形態では、第1の実施の形態の「昇温」を「降温」に置き換えた形態を説明したが、第2の実施の形態の「昇温」を「降温」に置き換えることも可能である。図12は本発明の第4の実施の形態に係る電力管理装置の構成を示すブロック図であり、図1、図11と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電力管理装置は、現在時刻取得部1と、降温所要時間取得部2aと、降温完了時刻取得部3aと、電力単価取得部4と、時間余裕判定部5と、総電力算出部6と、総電力出力部7と、電力単価傾向対応部8とを備えている。
本実施の形態の電力管理装置の処理の流れは第2の実施の形態と同様であり、図8中の「昇温」を「降温」に置き換えたものに相当する。電力単価傾向対応部8の動作は第2の実施の形態で説明したとおりであり、その他の構成については第3の実施の形態で説明したとおりである。
こうして、冷却装置による降温動作においても第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第4の実施の形態では、適用対象として、温度を制御する制御ループLiを複数備えたマルチループ制御系の加熱装置や冷却装置を例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、本発明は制御ループLiが1つのシングルループ制御系の加熱装置や冷却装置に適用することも可能である。
第1〜第4の実施の形態で説明した電力管理装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第4の実施の形態で説明した処理を実行する。同様に、総電力抑制制御装置を構成するコンピュータのCPUは、このコンピュータの記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第4の実施の形態で説明した処理を実行する。同様に、温調計を構成するコンピュータのCPUは、このコンピュータの記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第4の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、変動する電力単価に応じて加熱装置や冷却装置の使用電力を管理する技術に適用することができる。
1…現在時刻取得部、2…昇温所要時間取得部、2a…降温所要時間取得部、3…昇温完了時刻取得部、3a…降温完了時刻取得部、4…電力単価取得部、5…時間余裕判定部、6…総電力算出部、7…総電力出力部、8…電力単価傾向対応部、10…割当総電力入力部、11…必要出力推定部、12…使用電力合計算出部、13…探索処理部、14…昇温時間設定部、15…割当総電力判定部。

Claims (10)

  1. 昇温対象を電気ヒータで昇温するのに必要な昇温所要時間、あるいは降温対象を電気冷却素子で降温するのに必要な降温所要時間を取得する所要時間取得手段と、
    ダイナミックプライシングによる電力単価を取得する電力単価取得手段と、
    昇温時に前記昇温所要時間に対して昇温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否か、あるいは降温時に前記降温所要時間に対して降温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否かを判定する時間余裕判定手段と、
    この時間余裕判定手段が時間に余裕があると判定した場合に、前記電力単価に応じて、単位時間あたりの電力料金が規定金額になるように、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力を規定する割当総電力、あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出する総電力算出手段と、
    前記割当総電力の値あるいは前記操作量上限値を出力する総電力出力手段とを備え、
    前記総電力出力手段は、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力が前記割当総電力を超えないように前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子への操作量出力を制限する総電力抑制制御装置に対して前記割当総電力の値を出力するか、あるいは前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子に操作量を与える制御装置に対して前記操作量上限値を出力することを特徴とする電力管理装置。
  2. 請求項1記載の電力管理装置において、
    さらに、複数の単位時間の間における前記電力単価の変化の傾向に対応して、前記電力料金の規定金額を一時的に変更する電力単価傾向対応手段を備えることを特徴とする電力管理装置。
  3. 請求項2記載の電力管理装置において、
    前記電力単価傾向対応手段は、複数の単位時間の間に前記電力単価が上がっている場合は、前記電力料金の規定金額を一時的に上げて、昇温を急ぐ方向に操作し、複数の単位時間の間に前記電力単価が下がっている場合は、前記電力料金の規定金額を一時的に下げて、昇温を待つ方向に操作するものであることを特徴とする電力管理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力管理装置において、
    一連の処理を単位時間毎に実行することを特徴とする電力管理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力管理装置において、
    前記総電力算出手段は、前記時間余裕判定手段が時間に余裕がないと判定した場合に、フル出力になるように前記割当総電力あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出することを特徴とする電力管理装置。
  6. 昇温対象を電気ヒータで昇温するのに必要な昇温所要時間、あるいは降温対象を電気冷却素子で降温するのに必要な降温所要時間を取得する所要時間取得ステップと、
    ダイナミックプライシングによる電力単価を取得する電力単価取得ステップと、
    昇温時に前記昇温所要時間に対して昇温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否か、あるいは降温時に前記降温所要時間に対して降温完了指定時点までの残り時間に余裕があるか否かを判定する時間余裕判定ステップと、
    この時間余裕判定ステップで時間に余裕があると判定した場合に、前記電力単価に応じて、単位時間あたりの電力料金が規定金額になるように、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力を規定する割当総電力、あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出する総電力算出ステップと、
    前記割当総電力の値あるいは前記操作量上限値を出力する総電力出力ステップとを含み、
    前記総電力出力ステップは、前記電気ヒータの使用電力もしくは前記電気冷却素子の使用電力が前記割当総電力を超えないように前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子への操作量出力を制限する総電力抑制制御装置に対して前記割当総電力の値を出力するか、あるいは前記電気ヒータもしくは前記電気冷却素子に操作量を与える制御装置に対して前記操作量上限値を出力することを特徴とする電力管理方法。
  7. 請求項6記載の電力管理方法において、
    さらに、複数の単位時間の間における前記電力単価の変化の傾向に対応して、前記電力料金の規定金額を一時的に変更する電力単価傾向対応ステップを含むことを特徴とする電力管理方法。
  8. 請求項7記載の電力管理方法において、
    前記電力単価傾向対応ステップは、複数の単位時間の間に前記電力単価が上がっている場合は、前記電力料金の規定金額を一時的に上げて、昇温を急ぐ方向に操作し、複数の単位時間の間に前記電力単価が下がっている場合は、前記電力料金の規定金額を一時的に下げて、昇温を待つ方向に操作することを特徴とする電力管理方法。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電力管理方法において、
    一連の処理を単位時間毎に実行することを特徴とする電力管理方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項に記載の電力管理方法において、
    前記総電力算出ステップは、前記時間余裕判定ステップで時間に余裕がないと判定した場合に、フル出力になるように前記割当総電力あるいは前記割当総電力に対応する操作量上限値を算出することを特徴とする電力管理方法。
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