以下、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機能について説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
パチンコゲームは、図1に示すように、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲーム
特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち、先読み演出機能も備える。
(2)普通図柄ゲーム
普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
<パチンコ遊技機の構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。なお、図2は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。また、図3は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図2及び図3に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、表示装置13(演出報知手段、演出表示手段)と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出装置16と、基板ユニット17とが取り付けられる。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などを用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール41(具体的には後述の図4に示す外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域12aには、複数の遊技釘(後述の図4参照)が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図4を参照しながら後で詳述する。
表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。この表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置13としては、液晶表示装置を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、図2に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び払出口22aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられる。本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及び/又はダイヤル操作部24を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及び/又はダイヤル操作部24の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2及び図3には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール41(後述の図4参照)に案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出装置16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出装置16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出装置16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払い出す。基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200などが設けられる(後述の図5参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図4を参照して説明する。図4は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図4に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45(始動領域)と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51,52と、第1大入賞口53(可変入賞装置)と、第2大入賞口54(可変入賞装置)と、アウト口55と、複数の遊技釘56とが設けられる。さらに、遊技盤12の前面において、その略中央に配置された表示装置13の表示領域13aの上部には、特別図柄表示装置61(識別情報表示手段、特別図柄表示手段)と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、図4には示さないが、遊技盤12の前面には、演出用7セグカウンタ57(後述の図5参照)も設けられる。演出用7セグカウンタ57は、二桁の数字や2つの英字を表示可能な表示カウンタで構成される。また、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LEDなどを設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画する円弧状に延在した外レール41aと、この外レール41aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール41bとで構成される。遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘56、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、球通過検出器43を通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図5参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、第1所定数(本実施形態では3個)の遊技球が払い出される。また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図5参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図5参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(後述の図5参照)とを有する。この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態の一方の状態を発生させる。なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の下方に配置され、且つ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、第2所定数(本実施形態では10個)の遊技球が払い出される。
一般入賞口51には、一般入賞口51に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図5参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図5参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、且つ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a及び54aと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図5中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態:第1の状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態:第2の状態)のときには遊技球を受け入れない。以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施形態では10個)の遊技球が払い出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。
また、第1大入賞口53には、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図5参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(後述の図5参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図4に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘56等により遊技球が第2始動口45に誘導される。この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、後述するように、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置61は特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図4に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の右側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図4に示すように、普通図柄表示装置62を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄保留表示装置63は、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、普通図柄保留表示装置63を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左方に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄保留個数表示部64aと、第1特別図柄保留情報表示部64bとで構成される。そして、第1特別図柄保留情報表示部64bは、特別図柄表示装置61の左方に配置され、第1特別図柄保留個数表示部64aは、第1特別図柄保留情報表示部64bの左方に配置される。
第1特別図柄保留個数表示部64aは、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1特別図柄保留個数表示部64aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第1特別図柄保留情報表示部64bは、第1特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第1特別図柄保留情報表示部64bは、次に変動表示させる第1特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。なお、第1特別図柄保留表示装置64の構成は、図4に示す例に限定されず、少なくとも第1特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図4に示すように、表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、普通図柄表示装置62の右方に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄保留個数表示部65aと、第2特別図柄保留情報表示部65bとで構成される。そして、第2特別図柄保留情報表示部65bは、普通図柄表示装置62の右方に配置され、第2特別図柄保留個数表示部65aは、第2特別図柄保留情報表示部65bの右方に配置される。
第2特別図柄保留個数表示部65aは、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留個数表示部65aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第2特別図柄保留情報表示部65bは、第2特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第2特別図柄保留情報表示部65bは、次に変動表示させる第2特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。なお、第2特別図柄保留表示装置65の構成は、図4に示す例に限定されず、少なくとも第2特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[表示装置]
表示装置13は、上述したように液晶表示装置で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的には、本実施形態では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の液晶図柄揃い目等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、表示装置13の表示領域13aに、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域13aに表示される。
なお、本実施形態では、普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
<パチンコ遊技機が備える回路の構成>
次に、図5を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図5は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図5に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200(演出制御手段)とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73とを備える。また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、本実施形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラム(図36〜図48参照)や、各種データテーブル(図20〜図26参照)等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図5に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図5に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c,54c、一般入賞球センサ51a,52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a及び第2始動口入賞球センサ45a、バックアップクリアスイッチ121などが接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力し、一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出・発射制御回路123に出力する。
また、図5には示さないが、主制御回路70には、外部端子板や呼出装置が接続される。外部端子板は、ホール(遊技店)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。呼出装置は、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
さらに、主制御回路70には、払出・発射制御回路123が接続される。この払出・発射制御回路123には、遊技球の払出を行う払出装置16、遊技球の発射を行う発射装置15、及び、カードユニット150が接続される。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸し出しを要求する信号を受信すると、貸し球制御信号を払出・発射制御回路123に送信する。
払出・発射制御回路123は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、払出装置16に対して所定の信号を送信する。これにより、払出装置16は、遊技球を払い出す。
また、払出・発射制御回路123は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、且つ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプ群18の制御等を行う。すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
副制御回路200は、図5に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、ランプ制御回路207とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206及びランプ制御回路207が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラム(図49〜図59参照)や、各種データテーブル(図27〜図35参照)が記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、メインRAM73及びワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、及び、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御回路205は、サブCPU201から供給される画像表示命令に基づいて、装飾図柄(演出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで表示装置13に供給する。これにより、表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、及び、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路207は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、及び、複数種類のランプ点灯パターンが記憶されているランプデータROM等を有する。なお、ドライブ回路は、サブCPU201から供給されるランプ点灯命令に基づいて、ランプデータROMに記憶されている複数のランプ点灯パターンから一つのランプ点灯パターンを選択する。そして、選択したランプ点灯パターンをランプデータROMから読み出し、読み出した音声データを所定のランプ制御信号に変換して、装飾ランプ等を含むランプ群18の点灯及び消灯を行う。
<遊技フロー>
次に、図6及び図7を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技フローの内容を説明する。なお、図6は、主に、サブCPU201(副制御回路200)で制御する演出モードのフローを示す図である。さらに、図6には、演出モードのフロー中に、適宜、メインCPU71(主制御回路70)で制御(管理)する遊技状態も合わせて記載する。
また、図7は、演出モードの移行種別[1]〜[5](大当り遊技終了時の移行形態)の内容をまとめた演出モード移行テーブルである。図7の演出モード移行テーブルは、移行前の演出モードの遊技状態毎に規定された、「大当り」の種類(種別)と、演出モードの移行種別[1]〜[5]及びそれを示す液晶図柄揃い目との関係を示すテーブルである。また、図7の演出モード移行テーブルには、「大当り」の種類毎に、入賞確率及び付与されるラウンドゲーム数、並びに、移行先で実施可能な時短遊技の回数(時短回数)も示す。
なお、本明細書でいう「液晶図柄揃い目」とは、表示領域13aに表示される3つの数字及び/又は文字からなる装飾図柄の揃い態様である。また、ここでは、3つの数字及び/又は文字に規則性(偶数揃い、奇数揃い、同じ数字(文字)揃い等)がない液晶図柄揃い目を「バラケ目」と称す。
本実施形態では、図6に示すように、サブCPU201で管理及び移行制御される演出モードは、「通常モード」、「モードA」、「モードB」、「モードC」及び「モードD」の5種類である。そして、各演出モードにおいて、メインCPU71(主制御回路70)で制御(管理)する遊技状態も変化する。
[遊技状態の種別]
まず、サブCPU201で制御される各種演出モードの内容について説明する前に、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別について説明する。
本実施形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、賞球の期待度が互いに異なる「大当り遊技状態」(特別遊技状態)及び「小当り遊技状態」(特定遊技状態)がある。「大当り遊技状態」は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54のシャッタの開放期間(すなわち、1ラウンドの期間)が長い(本実施形態では30秒)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できる遊技状態である。すなわち、「大当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって有利な状態となる。
一方、「小当り遊技状態」は、「大当り遊技状態」に比べて1ラウンドの期間が短い(本実施形態では1.8秒)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できない遊技状態である。すなわち、「小当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって不利な状態となる。
また、本実施形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、「大当り」の当選確率が互いに異なる「確変遊技状態」(高確率遊技状態)及び「通常遊技状態」(低確率遊技状態)がある。
「確変遊技状態」は、「大当り」の当選確率(本実施形態では1/131.86)が高い遊技状態である。一方、「通常遊技状態」は、「確変遊技状態」に比べて「大当り」の当選確率(本実施形態では1/392.43)が低い遊技状態である。
なお、本実施形態では、「大当り遊技」が終了した後には、必ず「確変遊技状態」が開始される。そして、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選(特別図柄の変動表示)が行われるまで維持される。
一方、「小当り遊技」が終了した場合には、基本的には、遊技状態は移行せず、「小当り」当選時の遊技状態が維持される。すなわち、「小当り」当選時の遊技状態が「確変遊技状態」であれば、「小当り遊技」終了後も、遊技状態は「確変遊技状態」が維持され、「小当り」当選時の遊技状態が「通常遊技状態」であれば、「小当り遊技」終了後も、遊技状態は「通常遊技状態」が維持される。ただし、本実施形態では、例えば「確変遊技状態」(又は「時短遊技状態」)の最後の変動表示(例えば、後述の200回目の変動表示)において「小当り」に当選した場合、次回の変動表示では、遊技状態を「確変遊技状態」から「通常遊技状態」(又は「時短遊技状態」から「非時短遊技状態」)に移行させる。すなわち、このような場合には、例外として、「小当り遊技」の前後で遊技状態が移行する。
さらに、本実施形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、普通図柄の当選確率(普通図柄が「当り」の態様になる確率)が互いに異なる「時短遊技状態」(高入賞遊技状態)及び「非時短遊技状態」(低入賞遊技状態)がある。
本明細書でいう「時短遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口45に設けられた普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり易い遊技状態(第2始動口入賞が発生し易い遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、「時短遊技状態」は、「大当り」が決定された場合、又は、後述する所定の時短回数分の特別図柄の変動表示が実行された場合に終了する。
一方、「非時短(時短なし)遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が「時短遊技状態」に比べて低い遊技状態のことである。それゆえ、「非時短遊技状態」は、普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり難い遊技状態(第2始動口入賞が発生し難い遊技状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、本実施形態では、演出モードに応じて、「大当り遊技状態」及び「小当り遊技状態」以外の上述した遊技状態の組合せが変化する。具体的には、本実施形態では、演出モードに応じて、「確変遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図6中の「高確率時短あり」の状態)が設けられる。また、演出モードに応じて、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図6中の「高確率時短なし」の状態)が設けられる。さらに、演出モードに応じて、「非時短遊技状態」と「通常遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図6中の「低確率時短なし」の状態)が設けられる。
なお、本実施形態では、「通常遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生するような遊技状態(「低確率時短あり」の状態)は設けない。また、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(「高確率時短なし」の状態)では、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを遊技者が判別することが難しいので、ここでは、このような遊技状態を「潜確遊技状態」ともいう。
上述した各種遊技状態間の移行動作は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、各種遊技状態間の移行動作を制御する手段(第1遊技状態制御手段、第2遊技状態制御手段、第3遊技状態制御手段)を兼ねる。
[通常モード]
通常モードは、例えば遊技開始時に設定される演出モードである。通常モードにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、図6に示すように、「低確率時短なし」(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)又は「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)である。
通常モードにおいて、「大当り」に当選すると、図6に示すように、大当り遊技が実施され、大当り遊技終了後に、演出モードが、モードA、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。
なお、この際、大当り当選時の遊技状態、及び、「大当り」の種類(図7の演出モード移行テーブル中の第1特別図柄(特図1)の「当り1」〜「当り17」及び第2特別図柄の「当り1」のいずれか)に応じて、移行先の演出モードが異なる。また、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」である場合には、図7に示すように、演出モードはモードAに移行しない(移行種別[4]の演出モードの移行は発生しない)。
本実施形態のパチンコ遊技機1において、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り15」〜「当り17」のいずれかである場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[4]に対応する「バラケ目」(図7の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードAに移行する。
また、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り8」〜「当り14」のいずれかである場合、又は、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り14」である場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[3]に対応する「偶数揃い」(図7の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」及び「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードBに移行する。
また、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り3」〜「当り7」のいずれかである場合、又は、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り3」〜「当り7」及び「当り9」〜「当り13」のいずれかである場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[2]に対応する「奇数揃い」又は「偶数揃い」(図7の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」及び「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードCに移行する。
さらに、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り1」或いは「当り2」である場合、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図2の「当り1」である場合、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り1」、「当り2」、「当り8」及び「当り15」〜「当り17」のいずれかである場合、又は、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図2の「当り1」である場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[1]に対応する「バラケ目」、「VVV揃い」、「奇数揃い」、「偶数揃い」又は「777揃い」(図7の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」及び「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードDに移行する。
なお、本実施形態では、大当り遊技終了後、遊技状態は必ず、「確変遊技状態」に移行する。それゆえ、演出モードが、通常モードから大当り遊技を経由してモードA、モードB、モードC及びモードDのいずれに移行した場合には、大当り当選時の通常モードの遊技状態に関係なく、移行先の演出モードにおける遊技状態は「確変遊技状態」となり、その「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選が行われるまで維持される。
また、図6に示すように、通常モードにおいて、「小当り」に当選し、その後、小当り遊技が消化された場合にも、演出モードはモードAに移行する。この場合の移行形態としては、小当り遊技終了直後に演出モードがモードAに移行する形態(小当り遊技状態から直接移行する形態)と、小当り遊技終了後、再度、通常モードに戻って所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に演出モードがモードAに移行する形態(小当り遊技状態から間接的に移行する形態)とがある。
また、本実施形態では、上述のように、小当り遊技の開始前及び終了後において遊技状態は移行しない。それゆえ、小当り当選時には、モードAへの移行形態に関係なく、遊技状態は移行しない。すなわち、通常モードから小当り遊技状態を経由してモードAに移行する場合、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であれば、移行後のモードAにおいても、「低確率時短なし」の遊技状態が継続される。一方、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であれば、移行後のモードAにおいても、「高確率時短なし」の遊技状態が継続される。
なお、本実施形態では、小当り当選時に表示装置13の表示領域13aに表示される液晶図柄揃い目を「バラケ目」とし、小当り当選時に表示される液晶図柄揃い目が、大当り当選時に表示される液晶図柄揃い目と区別されないように設定されている。特に、「小当り」と、「高確率時短なし」時の「大当り」とを区別できないようにすることにより、「通常遊技状態」において「小当り」に当選した場合に、「低確率時短なし」の遊技状態が維持されたのか、又は、遊技状態が「高確率時短なし」に移行したのかを、遊技者が一見して区別できないようにすることができる。この結果、本実施形態では、遊技性をより向上させることができる。
また、通常モードにおいて、「高確率時短なし」の遊技状態中に特別図柄の変動表示が200回行われたが、「大当り」に当選しなかった場合(「確変遊技状態」が終了した場合)には、演出モードは移行しないが、遊技状態は、「高確率時短なし」から「低確率時短なし」に移行する。
[モードA]
モードAにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「低確率時短なし」(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)又は「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)である。演出モードが通常モードから小当り遊技を経由してモードAに移行した場合には、モードAの遊技状態は、通常モードの遊技状態(「低確率時短なし」又は「高確率時短なし」)が継続される。また、演出モードが大当り遊技を経由してモードAに移行した場合には、モードAの遊技状態は、「高確率時短なし」になる。
モードAの遊技では、モードAの終了抽選(通常モードへの転落抽選)及びモードBへの昇格抽選が行われる。これらの抽選は、1回の特別図柄の変動表示毎に行ってもよいし、所定回数(2回以上)の特別図柄の変動表示毎に行ってもよい。なお、モードBへの昇格抽選は、モードAの遊技状態が「高確率時短なし」である場合にのみ行われる。
モードAにおいて、「大当り」に当選すると、図6に示すように、大当り遊技が実施され、大当り遊技終了後に、演出モードが、モードA、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。
なお、この際、大当り当選時の遊技状態、及び、「大当り」の種類(図7の演出モード移行テーブル中の第1特別図柄(特図1)の「当り1」〜「当り17」及び第2特別図柄の「当り1」のいずれか)に応じて、移行先の演出モードが異なり、その移行形態は、上述した通常モードにおけるモードA、モードB、モードC又はモードDへの移行形態(移行種別[1]〜[4])と同様である。
なお、モードAにおいて、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」である場合には、図7に示すように、演出モードはモードAに移行しない(移行種別[4]の演出モードの移行は発生しない)。すなわち、モードAにおいて、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」である場合には、大当り遊技終了後、モードAは継続されず、演出モードは、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。
また、モードAにおいて、遊技状態が「高確率時短なし」であり且つモードBへの昇格抽選に当選したときには、図6に示すように、演出モードがモードBに移行する。
また、モードAにおいて、特別図柄の変動表示が所定回数、実施されたときにも演出モードがモードBに移行する。この際の移行条件となる、特別図柄の変動表示の所定回数は、抽選により、0〜199回の範囲内で選択される。なお、この移行条件となる特別図柄の変動表示の所定回数の抽選処理では、例えば200回を超える回数が所定回数として選択されるような場合も設定し、抽選結果によっては、演出モードがモードBに移行しないような場合を設けてもよい。
さらに、モードAにおいて、遊技状態が「高確率時短なし」であり、且つ、特別図柄の変動表示(ST:Special Time)が200回実施されたが「大当り」に当選しなかったとき(ST200回終了時)には、図6に示すように、演出モードが通常モードに移行する。また、モードAにおいて、遊技状態に関係なく、モードAの終了抽選に当選したときにも、演出モードが通常モードに移行する。すなわち、本実施形態では、モードAの遊技状態が「高確率時短なし」であっても、モードAの終了抽選に当選した場合には、演出モードが通常モードに移行する。
[モードB]
モードBにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)である。すなわち、モードBの遊技状態は「潜確遊技状態」となる。なお、モードBにおいても、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選が行われるまで維持される。
モードBにおいて、「大当り」に当選すると、図6に示すように、大当り遊技が実施され、大当り遊技終了後に、演出モードが、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。この際、「大当り」の種類に応じて、演出モードの移行先が異なる。
例えば、モードB(「高確率時短なし」)において、「大当り」の種類が特図1の「当り14」である場合、すなわち、モードBにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[3]に対応する「偶数揃い」(図7の演出モード移行テーブル中の「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードBに移行する(モードBが継続される)。
また、例えば、モードBにおいて、「大当り」の種類が特図1の「当り3」〜「当り7」及び「当り9」〜「当り13」のいずれかである場合、すなわち、モードBにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[2]に対応する「奇数揃い」又は「偶数揃い」(図7の演出モード移行テーブル中の「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードCに移行する。
さらに、例えば、モードBにおいて、「大当り」の種類が特図1の「当り1」、「当り2」、「当り8」及び「当り15」〜「当り17」のいずれかである場合、又は、「大当り」の種類が特図2の「当り1」である場合、すなわち、モードBにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[1]に対応する「バラケ目」、「VVV揃い」、「奇数揃い」、「偶数揃い」又は「777揃い」(図7の演出モード移行テーブル中の「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードDに移行する。
また、モードBにおいて、特別図柄の変動表示が200回実施されたが、「大当り」に当選しなかった場合、すなわち、「確変遊技状態」(高確率状態)が終了した場合には、図6に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
[モードC]
モードCにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「確変遊技状態」になる。それゆえ、モードCにおいても、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選が行われるまで維持される。
さらに、モードCでは、モードCに移行する契機となった「大当り」の種類に応じて、40回〜200回の範囲で時短遊技が実施される(図7参照)。具体的には、図6に示すように、演出モードがモードCに移行する場合には、その移行種別は種別[2]となり、この場合には、時短回数は、「大当り」の種類に応じて、「40」、「60」、「80」、「100」及び「200」のいずれかになる(図7の演出モード移行テーブル参照)。すなわち、モードCでは、「大当り」の種類に応じて、40回〜200回の範囲で、遊技状態が「高確率時短あり」(「確変遊技状態」で且つ「時短遊技状態」の状態)となる。
モードCにおいて、選択された所定の時短回数が200回未満である場合、モードCの遊技が開始されると、まず、所定の時短回数分、「高確率時短あり」の遊技状態で遊技が行われる。そして、選択された所定の時短回数分の遊技が終了すると、すなわち、「時短遊技状態」が終了すると、遊技状態は「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)になる。この場合、遊技状態は実質、モードBの遊技状態と同じになるので、モードCにおいて「時短遊技状態」が終了すると、図6に示すように、演出モードはモードBに移行する。なお、この際、移行先のモードBでは、モードCで残っている特別図柄の変動回数(200−時短回数)分の遊技が行われる。
また、モードCにおいて、時短遊技の実施可能か回数が200回であり、且つ、特別図柄の変動表示が200回実施されたが「大当り」に当選しなかった場合には、「確変遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に終了する。この場合には、図6に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
また、モードCにおいて、「大当り」に当選すると、図6中の移行種別[5]で示すように、大当り遊技終了後、演出モードがモードDに移行する。なお、移行種別[5]では、「大当り」の種類に関係なく、大当り遊技終了時に200回の時短回数がセットされる(図7の演出モード移行テーブル中の「高確率時短あり時」欄参照)。また、この移行種別[5]の移行形態で演出モードがモードDに移行した場合、表示装置13の表示領域13aに表示される液晶図柄揃いの種別は、「大当り」の種類に応じて変化する。
さらに、モードCへの移行契機となる「大当り」種別に基づいて200回の時短回数に当選した場合、モードCの遊技において、モードDへの昇格抽選を行う。そして、モードDへの昇格抽選に当選すると、演出モードは、図6に示すように、モードDに移行する。この場合、移行先のモードDでは、モードCで残っている特別図柄の変動回数(200−昇格抽選時の時短遊技消化数)分の遊技が「高確率時短あり」の遊技状態で行われる。
[モードD]
モードDにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「高確率時短あり」(「確変遊技状態」で且つ「時短遊技状態」の状態)である。そして、「大当り遊技」を経由して演出モードがモードDに移行した場合には、モードDでは、「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」がともに、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選(特別図柄の変動表示)が行われるまで維持される。
モードDにおいて、「大当り」に当選すると、図6中の移行種別[5]で示すように、大当り遊技終了後、モードDが継続される。この際、大当り遊技終了時に、再度、200回の抽選回数(特別図柄の変動回数)がセットされるとともに、200回の時短回数もセットされる。
そして、モードDにおいて、特別図柄の変動表示(ST)が200回実施されたが、「大当り」に当選しなかった場合、すなわち、「確変遊技状態」が終了した場合には、図6に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
なお、本実施形態の各演出モードにおける大当り当選時の移行形態では、上述のように、大当り遊技終了後に、演出モードの移行を行うが、この際、例えば、大当り遊技開始時、大当り遊技中又は大当り遊技終了時に、演出モードが移行する旨を表示装置13等で報知してもよい。また、この場合、移行先の演出モードの種別を報知するようにしてもよい。
<各演出モードにおける演出動作>
次に、各演出モードにおいて、サブCPU71の制御により表示装置13を用いて行われる各種演出動作の概要を説明する。なお、各種演出動作のより具体的な処理内容については、後述の各種フローチャートを参照しながら後で説明する。
[通常の擬似連演出:各演出モード共通]
本実施形態のパチンコ遊技機1は、1回の特別図柄の変動表示期間に、複数回の特別図柄の変動表示が繰り返されているかのように見せる擬似連速変動表示演出の機能を有する。そして、本実施形態では、後述する先読み演出を行わない場合、演出モードの種別に関係なく、従来同様、一般的な擬似連速変動表示演出(以下、「通常の擬似連演出」と称す)を行う。
なお、本実施形態では、通常の擬似連演出の演出パターンは、後述する先読み演出なし時の変動演出パターンテーブル(後述の図28参照)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により決定される。また、通常の擬似連演出の実行の有無は、後述の図28に示す変動演出テーブル(先読み無し)に規定される擬似連演出フラグの値により制御され、擬似連演出フラグの値が「1」である場合には、通常の擬似連演出が実行される。
図8に、本実施形態において行われる通常の擬似連演出の一動作例を示す。なお、本実施形態の通常の擬似連演出では、図8に示すように、表示装置13の表示領域13aに表示される3つの装飾図柄(数字及び/又は文字)からなる液晶図柄揃い目が変動表示される。また、図8に示す通常の擬似連演出の演出パターンは、後述の図28に示す変動演出テーブル(先読み無し)で規定される例えば演出パターン「EN02」等の演出パターンである。
図8に示す通常の擬似連演出(演出パターン「EN02」等)では、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、変動表示の開始前に表示装置13の表示領域13aに停止表示されていた液晶図柄揃い目(「234」)が変動する。次いで、表示装置13の表示領域13aにおいて、所定期間、液晶図柄揃い目が変動した後、液晶図柄揃い目(「117」)が仮停止する。この液晶図柄揃い目の仮停止表示では、各図柄は、完全に停止せず、変動方向に沿って揺れた状態となる。そして、仮停止後、再度、液晶図柄揃い目が変動し、1回の特別図柄の変動表示期間の残り期間が経過した後(特別図柄の変動終了時)、所定の液晶図柄揃い目(「147」)が完全に停止(本停止表示)する。
図8に示す通常の擬似連演出では、上述のように、1回の特別図柄の変動表示期間(特別図柄の変動パターンの変動時間)で、液晶図柄揃い目の仮停止表示を1回行う。本明細書では、1回の特別図柄の変動表示期間で行われる液晶図柄揃い目の仮停止表示の回数(液晶図柄揃い目の変動表示及び仮停止表示の繰り返し回数)を「擬似連回数」という。それゆえ、図8に示す通常の擬似連演出の擬似連回数は、1回となる。
また、本明細書では、液晶図柄揃い目の変動開始から仮停止表示までの演出(以下、サブ演出ともいう)を、「擬似連演出」と称し、液晶図柄揃い目の仮停止表示後から本停止表示までの期間に行われるサブ演出を「リーチ演出」と称する。それゆえ、例えば、図8に示す通常の擬似連演出は、1回の「擬似連演出」と「リーチ演出」とで構成された演出となる。
なお、本実施形態では、1回の特別図柄の変動表示期間で行う各種演出の演出期間は、演出の種別及び内容(パターン)に関係なく、対応する特別図柄の変動パターンの変動時間(1回の特別図柄の変動表示期間)と略同じとする。しかしながら、本発明はこれに限定されず、演出の内容(パターン)に応じて、演出期間が対応する特別図柄の変動パターンの変動時間と異なる(変動時間より短い期間)ようにしてもよい。
[ストック擬似連演出:通常モードにおける演出]
本実施形態では、通常モードに特殊演出ステージを設ける。そして、特殊演出ステージにおいて、「ストック擬似連演出」と称する擬似連続変動表示演出を行う。
なお、本実施形態では、ストック擬似連演出の演出パターンは、後述する特殊演出ステージ用の変動演出パターンテーブル(後述の図33参照)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により決定される。また、ストック擬似連演出の実行の有無は、後述の図33に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されるストック擬似連演出フラグの値により制御され、ストック擬似連演出フラグの値が「1」である場合には、ストック擬似連演出が実行される。
(1)ストック擬似連演出の構成
ストック擬似連演出は、所定回数の「擬似連演出」と、「擬似連演出」の後に行われる「リーチ演出」と、「擬似連演出」の前に行われる「ストック演出」(擬似連前演出)とで構成される。
ここで、図9a及び図9bを参照して、ストック擬似連演出の流れをより具体的に説明する。図9a及び図9bは、上述した通常の擬似連演出とストック擬似連演出との差異をより明確にするための図であり、図9aには、上述した通常の擬似連演出の動作フローを示し、図9bには、ストック擬似連演出の動作フローを示す。なお、図9aに示す通常の擬似連演出で行う「リーチ演出」は、図9bに示すストック擬似連演出で行う「リーチ演出」と同じであるので、図9a及び図9bでは、変動開始から「リーチ演出」開始時までのサブ演出の動作フローを示す。
図9aに示す通常の擬似連演出は、後述の図28に示す変動演出テーブル(先読み無し)で規定されている演出パターン「EN54」に対応する通常の擬似連演出の一例である。具体的には、図9aに示す通常の擬似連演出では、特別図柄の変動時間(変動表示期間)が45000ミリ秒であり、擬似連回数が3回であり、且つ、液晶図柄揃い目の3回目の仮停止後(変動開始から33000ミリ秒後)から変動停止までの期間(12000ミリ秒)には「スペシャル演出D」と称する「リーチ演出」が行われる。また、変動開始から33000ミリ秒までの期間には、図8で説明した液晶図柄揃い目の変動表示及び仮停止表示の動作と同様の動作が、3回繰り返され、1回目、2回目及び3回目の「擬似連演出」は、それぞれ10000ミリ秒、11000ミリ秒及び12000ミリ秒の期間で行われる。
図9bに示すストック擬似連演出は、後述の図33に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)で規定されている演出パターン「EG54」に対応するストック擬似連演出の一例であり、且つ、擬似連回数が14回である場合のストック擬似連演出である。このストック擬似連演出では、図9bに示すように、変動開始後、まず、「ストック演出」が行われ、その後、14回の「擬似連演出」(「擬似1」〜「擬似14」)が行われる。次いで、14回目の「擬似連演出」の後、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)が行われる。そして、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)の後、「スペシャル演出D」と称する演出が行われる。それゆえ、図9bに示すストック擬似連演出では、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)から「スペシャル演出D」に渡る一連の演出が、実質、「リーチ演出」となる。
また、図9bに示すストック擬似連演出の動作例では、「ストック演出」の開始から2回目の「擬似連演出」(「擬似2」)の終了までの期間が10000ミリ秒となり、3回目の「擬似連演出」(「擬似3」)の開始から7回目の「擬似連演出」(「擬似7」)の終了での期間が11000ミリ秒となり、且つ、8回目の「擬似連演出」(「擬似8」)の開始から「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)の終了までの期間が12000ミリ秒となるように、各サブ演出の期間が設定される。なお、本発明はこれに限定されず、各サブ演出の期間は、例えば、1回の特別図柄の変動表示期間、「擬似連演出」の回数等に応じて適宜変更される。
(2)「ストック演出」の内容
次に、ストック擬似連演出の開始時に行う「ストック演出」の内容について説明する。本実施形態の「ストック演出」では、3種類のマスコット(マスコットA〜C)を表示装置13の表示領域13aに出現させる演出が行われる。
マスコットA及びBには、それぞれマスコットポイント「1」及び「5」が付与されており、「ストック演出」において、マスコットA又はBが出現する演出(第2擬似連前演出)が実行される度に対応するマスコットポイント(第1擬似連前演出の実行の有無を示す条件)が加算(更新)される。そして、「ストック演出」の期間において、マスコットポイントが「5」以上(所定の条件)になったとき、表示装置13の表示領域13aにマスコットCが出現する(第1擬似連前演出)。本実施形態では、「ストック演出」において、マスコットCが出現した場合には、「擬似連演出」が必ず行われる。
また、本実施形態では、マスコットCが出現した場合に行われる「擬似連演出」の回数(擬似連回数)は、マスコットCの出現数以上の値に設定され、その値は、後述の図34に示す擬似連回数決定テーブルを用いた抽選処理により決定される。なお、本実施形態では、後述の図34に示す擬似連回数決定テーブルに示すように、マスコットCが出現しなかった場合(マスコットC出現数が「0」の場合)であっても、変動パターンの種別に応じて、「擬似連演出」が行われる場合もある。
本実施形態では、「ストック演出」において、液晶図柄揃い目の変動表示中にマスコットCが出現した場合には、図9bに示すように、液晶図柄揃い目として所定のリーチ図柄が表示され、その後、マスコットCがそのリーチ図柄を破壊する演出が行われる。そして、その後、1回目の「擬似連演出」(「擬似1」)が開始される。
(3)「擬似連演出」及び「リーチ演出」への突入演出の内容
各「擬似連演出」では、上記通常の擬似連演出と同様に、表示装置13の表示領域13aにおいて、液晶図柄揃い目の変動表示及び仮停止表示の動作が行われる。なお、この際、本実施形態では、表示装置13の表示領域13aにおいて、マスコットCが、変動中の液晶図柄揃い目の各図柄を攻撃して破壊し、それにより各図柄が仮停止するような演出が行われる。
また、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)では、所定のリーチ図柄を停止する演出を行う。具体的には、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)において、液晶図柄揃い目の左図柄及び右図柄にリーチ図柄を停止させる演出(中図柄は変動中)が行われる。
(4)ストック擬似連演出の動作例1
次に、図10を参照しながら、本実施形態におけるストック擬似連演出の動作例1(「擬似連演出」が実行される動作例)を説明する。なお、図10は、ストック擬似連演出の動作例1の動作フローを示す図である。また、図10に示すストック擬似連演出の動作例1は、例えば、後述の図35に示すマスコット出現数決定テーブルにより、「ストック演出」におけるマスコットA、B及びCの出現数がそれぞれ、「4」、「2」及び「2」と決定された場合のストック擬似連演出の動作例である。
図10に示す動作例1では、特別図柄の変動開始後、まず、「ストック演出」が開始される。この「ストック演出」では、最初に、表示装置13の表示領域13aに、マスコットAが4体連続して出現する。この際、マスコットAの出現毎に、マスコットポイントが「1」加算され、マスコットAが4体出現した時点で、マスコットポイントの合計は「4」ポイントとなる。
次いで、マスコットBが1体出現する。これにより、マスコットポイントに「5」ポイントが加算され、マスコットポイントの合計は「9」ポイントとなる。すなわち、マスコットBの出現により、マスコットポイントが「5」ポイント以上になる。この結果、次に、マスコットCが1体出現する。そして、これにより、マスコットポイントがクリアされる。
その後、再度、マスコットBが1体出現する。これにより、マスコットポイントに「5」ポイントが加算され、マスコットポイントの合計は「5」ポイントとなる。この結果、次に、2体目のマスコットCが出現する。そして、マスコットポイントがクリアされ、「ストック演出」が終了する。
次いで、マスコットCの出現数に対応した所定回数の「擬似連演出」が繰り返される。具体的には、まず、液晶図柄揃い目の変動表示が行われる。次いで、変動中の図柄に対してマスコットC攻撃する演出が行われる。そして、図柄破壊後に液晶図柄揃い目が仮停止する演出が行われる。その後、この1連の演出動作(「擬似連演出」)を所定回数繰り返す。すなわち、本実施形態では、マスコットCが出現している間、「擬似連演出」が継続する。
そして、所定回数の「擬似連演出」が終了した後、所定の「スペシャルリーチ演出」(例えば後述の図33の変動表示テーブル(特殊演出ステージ)中に規定されている「スペシャル演出A」〜「スペシャル演出D」等)を行うこと決定されている場合には、液晶図柄揃い目の左図柄及び右図柄にリーチ図柄を停止させる演出(「リーチ演出」への突入演出)を行い、その後、所定の「スペシャルリーチ演出」を行う。そして、所定の「スペシャルリーチ演出」が終了すると、ストック擬似連演出も終了する。
一方、所定回数の「擬似連演出」が終了した後、所定の「スペシャルリーチ演出」を行わない場合には、まず、表示装置13の表示領域13aにおいてマスコットCが消える演出が行われる。そして、図柄揃い目の左図柄及び右図柄にリーチ図柄が停止した後、即座に中図柄にハズレ図柄が停止する演出が行われ、ストック擬似連演出が終了する。
(5)ストック擬似連演出の動作例2
次に、図11を参照しながら、本実施形態におけるストック擬似連演出の動作例2(「擬似連演出」が実行されない動作例)を説明する。なお、図11は、ストック擬似連演出の動作例2の動作フローを示す図である。また、図11に示すストック擬似連演出の動作例2は、例えば、後述の図35に示すマスコット出現数決定テーブルにより、「ストック演出」におけるマスコットA、B及びCの出現数がそれぞれ、「4」、「0」及び「0」と決定された場合のストック擬似連演出の動作例である。
図11に示す動作例2では、特別図柄の変動開始後、表示装置13の表示領域13aに、マスコットAが4体連続して出現し、「ストック演出」が終了する。この場合、マスコットAの出現毎に、マスコットポイントが「1」加算されるが、マスコットAが4体出現した時点での、マスコットポイントの合計は、「4」ポイント(「5」ポイント未満)であるので、マスコットCは出現しない。それゆえ、図11に示す動作例2では、「ストック演出」の終了とともに、ストック擬似連演出も終了する。
(6)ストック擬似連演出の内容の決定処理フロー
次に、図12を参照しながら、上述したストック擬似連演出の内容(各マスコットの出現数、擬似連回数等)を決定する際の処理手順の概要を説明する。図12は、ストック擬似連演出の内容の決定処理フローを示す図である。なお、ストック擬似連演出の内容の決定処理は、サブCPU201により行われる。
本実施形態では、まず、「リーチ演出」の演出内容を決定する。具体的には、後述の図33に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により「リーチ演出」の演出内容(「リーチ演出」の有無も含む)を決定する。
次いで、「擬似連演出」の繰り返し回数(擬似連回数)を決定する。具体的には、後述の図34に示す擬似連回数決定テーブルを参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により擬似連回数を決定する。この際、1回の特別図柄の変動時間から「リーチ演出」に必要な時間を差し引いた時間内に「擬似連演出」が収まる程度の擬似連回数が選択される。
次いで、「ストック演出」におけるマスコットCの出現数を決定する。具体的には、後述の図34に示す擬似連回数決定テーブルを参照し、マスコットCの出現数を決定する。なお、この際、本実施形態では、擬似連回数がマスコットCの出現数以上となるようにマスコットCの出現数と擬似連回数との対応が適宜設定される。
次いで、マスコットA及びBの出現数を決定する。具体的には、後述の図35に示すマスコット出現数決定テーブルを参照し、決定されたマスコットCの出現数に基づいて、マスコットAの出現数及びマスコットBの出現数を決定する。そして、マスコットA及びBの出現数が決定されると、ストック擬似連演出の内容の決定処理が終了し、その後、特別図柄の変動表示が開始される。
上述したように、本実施形態の通常モードの特殊演出ステージにおけるストック擬似連演出では、「擬似連演出」の実行回数(擬似連回数)は、マスコットCの出現数以上の所定回数に設定される。それゆえ、遊技者は、表示装置13の表示領域13aに出現したマスコットCの数に基づいて、「擬似連演出」が少なくとも何回実行されるかを把握することができる。それゆえ、本実施形態では、擬似連続変動表示演出の遊技性の良さを損なわず、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、擬似連回数が多いほど大当り期待度が高いという擬似連続変動表示演出の一般的な遊技性を考慮すれば、本実施形態のストック擬似連演出のように、「擬似連演出」の最低実行回数に関する情報を報知することにより、擬似連続変動表示演出に対する安心感を遊技者に与えることができる。それゆえ、本実施形態のストック擬似連演出では、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣をより一層向上させることができる。なお、本実施形態では、「ハズレ」時よりも「大当り」時にストック擬似連演出が選択され易くなるような構成になっている(後述の図33の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)参照)。
上述した本実施形態では、マスコットCが出現すると、マスコットポイントを全てクリアする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、マスコットポイントの一部をクリアする構成にしてもよい。例えば、図10に示す例において、マスコットポイントの合計が「9」ポイントとなり、1体目のマスコットCが出現した際に、現在のマスコットポイントの合計からマスコットCの出現条件であるマスコットポイントの最小値(「5」ポイント)のみをマスコットポイントの合計から減算し、「4」ポイントのマスコットポイントをクリアせずに残すようにしてもよい。この場合、マスコットCの出現に対する遊技者の期待度をより高めることができるので、マスコットCの出現演出(ストック演出)、及び、その後に行われる「擬似連演出」への遊技者の興趣をより高めることができる。
さらに、上述した本実施形態では、1回のマスコットポイントの加算処理で加算可能なポイントの上限が、マスコットB出現時の「5」ポイント(マスコットCの出現条件であるマスコットポイントの最小値)である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1回のマスコットポイントの加算処理で「5」ポイントより大きなポイントを加算するような演出を設けてもよい。また、この場合、マスコットCの出現時に、上述のように、マスコットポイントの一部のみをクリアしてもよいし、上記実施形態と同様にマスコットポイントを全てクリアしてもよい。このようなマスコットポイントの加算処理及びクリア処理の組合せ形態は適宜設定することができる。
[潜確期待度報知演出(ランク演出):モードAにおける演出]
図7で説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常モードにおいて「小当り」に当選してモードAに移行した場合であっても、「小当り」当選前の通常モードの遊技状態が「確変遊技状態」(「高確率時短なし」)である場合には、モードA移行後もその遊技状態が維持され、モードAにおいても遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)になる。
また、本実施形態では、通常モードにおいて「大当り」に当選した場合だけでなく、「小当り」に当選した場合にも、モードAを経由して、モードBに演出モードが移行する可能性がある。具体的には、モードAにおいて、遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)であり、且つ、モードBへの昇格抽選に当選した場合には、演出モードがモードBに移行する。すなわち、本実施形態では、通常モードにおいて「小当り」に当選してモードAに移行した場合であっても、モードAの遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)である場合には、演出モードがモードBに移行して後述の潜確回数報知演出が実施される場合がある。
そこで、本実施形態では、モードAにおいて、遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)である期待度(以下、「潜確期待度」という)を表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する潜確期待度報知演出(以下、「ランク演出」ともいう)を行う。
ここで、図13を参照しながら、モードAで行われるランク演出(潜確期待度報知演出)の内容について具体的に説明する。なお、図13には、説明の便宜上、モードAで行うランク演出の概要だけでなく、モードBで行う後述の潜確回数報知演出の概要も合わせて記載する。
本実施形態では、図13に示すように、モードAにおける潜確期待度を3段階のステージに分ける。具体的には、潜確期待度を示すステージとして、潜確期待度が「低」であるステージ1、潜確期待度が「中」であるステージ2及び潜確期待度が「高」であるステージ3を設ける。そして、モードAにおけるランク演出では、潜確期待度がより高いステージに上昇した場合に、潜確期待度がアップした旨の情報を報知する(「ステージ移行演出」を行う)。
なお、ステージ3の状態は、遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)であり且つモードBへの移行抽選に当選し易い状態であり、ステージ3においてモードBへの移行抽選に当選した場合には、モードBへの移行演出が行われる。なお、本実施形態では、上述したステージ移行演出及びモードBへの移行演出を「ランクアップ演出」と称す。
また、図7で説明したように、本実施形態では、モードAにおいてモードAの終了抽選が行われる。そして、モードAの終了抽選に当選した場合には、ランク演出において、モードAが終了する旨の情報が報知される(「終了演出」が行われる)。
ランク演出(潜確期待度報知演出)において、「ランクアップ演出」及び「終了演出」の演出種別の選択は、図示しないランク演出テーブルを参照し、例えば、現在の遊技状態、現在のステージ、昇格抽選又は終了抽選の結果等の条件に基づいて選択される。なお、本実施形態では、ランク演出として、「ランクアップ演出」又は「終了演出」を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ランク演出として、例えば、ランクダウンする演出や各ステージに特有の演出などを行ってもよい。また、本実施形態では、潜確期待度のステージを3段階に分ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、潜確期待度のステージを2段階又は4段階以上に分けてもよい。
さらに、本実施形態のランク演出では、1回の特別図柄の変動表示期間において、ステージを1段階変化させる演出を行ってもよいし、ステージを2段階変化させる演出を行ってもよい。なお、後者の演出では、1回の変動期間で、ステージ1がステージ2に変化し、その後、ステージ2がステージ3に変化するような演出を行ってもよいし、1回の変動期間で、ステージ1がステージ3に直接変化するような演出を行ってもよい。また、ステージ1から直接モードBにランクアップするような演出を設けてもよい。
上述したモードAにおける潜確期待度報知演出によれば、遊技者に対して、小当り当選後であっても、遊技状態が「潜確遊技状態」に移行したのではないか、という印象を与えることができる。それゆえ、本実施形態では、潜確期待度報知演出により、小当り遊技に対する興趣を高めることができるとともに、「潜確遊技状態」の遊技に対する興趣も向上させることができる。
また、本実施形態では、小当り遊技終了後、潜確期待度報知演出が行われている最中に遊技が終了したパチンコ遊技機1に対して、その終了状況を知らない別の遊技者が遊技を開始した場合、遊技者は、遊技状態が「潜確遊技状態」である可能性を疑い、その結果、遊技者が、潜確期待度報知演出の後に実行される可能性のある後述の「潜確回数報知演出」が終了するまで遊技を継続する可能性がある。この場合には、パチンコ遊技機1の稼働率を高めることができる。
[潜確回数報知演出:モードBにおける演出]
図7で説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、モードBの遊技状態は「潜確遊技状態」であるので、遊技者にとって遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを明確に判別することが難しい。そこで、本実施形態では、モードBにおいて、残りの特別図柄の変動表示の実行回数(ST)に関する情報を表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する潜確回数報知演出を行う。
ここで、図13を参照しながら、潜確回数報知演出の内容について具体的に説明する。本実施形態では、図13に示すように、モードBにおける残りの特別図柄の変動表示の実行回数(以下、「残り潜確回数」という)を3段階のステージに分ける。具体的には、残り潜確回数を示すステージとして、残り潜確回数が200〜120回であるステージA、残り潜確回数が119〜50回であるステージB及び残り潜確回数が49〜0回であるステージCを設ける。そして、モードBにおける潜確回数報知演出では、各ステージにおいて特有の演出が行われ、遊技者に対して現在の残り潜確回数に関する情報を報知する。
なお、ステージA〜Cのそれぞれに設定された残り潜確回数の範囲は、図13に示す例に限定されず、例えば機種等に応じて、適宜変更してもよい。また、本実施形態では、残り潜確回数のステージを3段階に分ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、残り潜確回数のステージを2段階又は4段階以上に分けてもよい。
[時短回数報知演出:モードCにおける演出]
図7で説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、モードCで行われる時短遊技の回数(時短回数)は、モードCへの移行契機となった「大当り」の種別に応じて異なる。それゆえ、モードCにおいて、遊技者が、残りの時短回数を明確に判別することが難しい。
そこで、本実施形態では、モードCにおいて、残りの時短遊技の回数(以下、「残り時短回数」という)に関する情報を、表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する時短回数報知演出を行う。
モードCにおける時短回数報知演出では、表示装置13の表示領域13aに、モードC開始時の時短回数(残り時短回数の初期値)から、時短遊技の実行毎に単純に時短回数を「1」減算するような演出(報知)を、基本的には行わない(時短回数の報知パターンによっては、このような単純な演出が行われる場合もある)。本実施形態では、表示装置13の表示領域13aには、実際の残り時短回数以下の仮の残り時短回数(以下、「報知回数」という)を報知し、該報知回数を減算しながら所定のタイミングで、報知回数を一旦上乗せするような演出(後述の「予告演出」及び「継続演出」)を行う。
ここで、図14を参照しながら、時短回数報知演出の内容について具体的に説明する。なお、図14は、時短回数報知演出のタイムフローの一例である。図14に示す例は、モードCへの移行契機となる「大当り」の種別に応じて、大当り遊技終了時に200回の時短回数(残り時短回数の初期値)がセットされ、その後、モードCが開始された場合における時短回数報知演出のタイムフローの一例である。
図14に示す時短回数報知演出では、最初に、報知回数(仮の残り時短回数)の初期値として「60回」が設定される。なお、報知回数(仮の残り時短回数)の初期値としては、実際の残り時短回数(「200回」)以下の回数が設定される。
その後、40回の時短遊技(特別図柄の変動表示)が消化され、報知回数が「20回」(実際の残り時短回数は「160回」)になった時点の特別図柄の変動表示において、「100回」の報知回数が、報知回数に加算される。この際、上乗せする報知回数は、実際の残り時短回数(「160回」)以下の回数で設定される。そして、本実施形態では、報知回数が加算された時点の特別図柄の変動期間において、表示装置13の表示領域13aに、時短回数(報知回数)が「100回」上乗せされた旨の情報を報知する所定の演出(以下、「予告演出」という)が行われる。
ここで、図15及び図16に予告演出の一例を示す。図15は、予告演出のフローを示す図であり、図16は、表示装置13の表示領域13aに表示される予告演出(液晶図柄揃い目)の一態様を示す図である。なお、図15中に示す符号「A」〜「E」で示す動作において表示領域13aに表示される液晶図柄揃い目の表示態様が、図16中の液晶図柄揃い目の表示態様A〜Eに対応する。
予告演出では、特別図柄の変動が開始されると、図16中の表示態様Aに示すように、表示領域13aにおいて、3つの図柄(装飾図柄)が変動表示される。次いで、図16中の表示態様Bに示すように、各図柄にシンボル「?」が表示される。その後、図16中の表示態様C〜Eに示すように、左図柄、中図柄及び右図柄の順でシンボル「?」が破壊され、各図柄に上乗せ回数の対応する数字が順次表示される。図14に示す例では、予告演出のタイミングにおいて、報知回数が「100回」上乗せされるので、左図柄、中図柄及び右図柄に、それぞれ数字「1」、「0」及び「0」が表示される。そして、上乗せ回数が液晶図柄揃い目として表示領域13aに表示されると、予告演出が終了する。
なお、本実施形態では、予告演出時の特別図柄の変動において、報知回数の上乗せが発生しない場合、図15に示すように、時短回数(報知回数)の上乗せ失敗用の演出(「ガセケムリ出現」演出)が予告演出として実行される。この「ガセケムリ出現」演出では、図16中の表示態様Eの右図柄の表示タイミングで、表示装置13の表示領域13aに、「ケムリ」が出現して、遊技者に上乗せ失敗の情報が報知される。
さらに、本実施形態では、予告演出時の特別図柄の変動において、「大当り」に当選した場合、その旨を報知する演出(「アタリ文字出現」演出)が予告演出で行われる。例えば、この「アタリ文字出現」演出では、図16中の表示態様C〜Eの動作により、表示領域13aに、液晶図柄揃い目として、「アタリ」の文字が表示される。
なお、上述した予告演出の実行の有無は、時短回数報知演出を行う際に決定される演出パターン(時短回数の報知パターン)によって異なり、本実施形態では、予告演出が行われない時短回数の報知パターンも用意する。また、予告演出を行う場合、その予告演出を行うタイミングは、時短回数報知演出を行う際に決定される時短回数の報知パターン毎に予め設定されている。
なお、予告演出の内容(演出態様)は、図15及び図16に示す例に限定されず、機種等に応じて任意の演出態様を採用することができる。例えば、上述した例では、破壊するシンボルとしてシンボル「?」を1種類用いる例を説明したが、破壊するシンボルの種類を複数種設け、シンボル毎に、例えば報知回数の上乗せ数表示の期待度を変化させてもよい。
ここで、再度、図14に示す時短回数報知演出の説明に戻って、図14に示す例において、報知回数が「20回」となった時点(実際の残り時短回数が「160回」となった時点)で報知回数が「100回」上乗せされ、報知回数が「120回」に更新された後、時短遊技の実行毎に、表示領域13aに表示される報知回数が「1」減算される。そして、報知回数が「0回」になると、「継続演出」と称する演出が行われる。なお、本実施形態では、変動毎に報知回数を「1」減算する例を説明するが、本発明はこれに限定されず、「2以上」の所定数を報知回数から減算するようにしてもよい。
図14に示す例では、報知回数が最初に「0回」になった時点(継続演出を行うタイミング)では、実際の残り時短回数はまだ「40回」であるので、この時点では、「40回」以下の回数を報知回数に加算するような継続演出が行われる。図14に示す例では、この時点において、報知回数を「40回」上乗せする継続演出を行う。
ここで、図17に継続演出の一例を示す。図17は、継続演出のフローを示す図である。
まず、図17を参照しながら、継続演出において、報知回数を上乗せする演出(図17中の「上乗せ数表示」演出)を行う際の動作を説明する。まず、モードCにおいて、継続演出が開始されると、表示領域13aに「扉」の映像が出現する。次いで、表示領域13aに、「扉」破壊用の「ボタン」の映像が表示される。
次いで、遊技者により、出現した「ボタン」を連打して「扉」を破壊するような操作が行われると、「扉」にヒビが発生するような映像が表示される。この際、本実施形態では、「扉」のヒビの発生レベルが互いに異なる4つの映像(「扉」にヒビが発生しない映像も含む)のいずれかが表示される。なお、本実施形態では、「扉」のヒビの発生レベルが高いほど、「扉」の破壊成功率が高くなり、報知回数の上乗せが行われる確率が高くなる。
そして、遊技者による「ボタン」の連打操作により、「扉」が破壊されると(「扉破壊成功」演出が行われると)、報知回数の上乗せ回数(図14に示す例では「40回」)を示す液晶図柄揃い目が表示領域13aに表示される(「上乗せ数表示」演出)。
なお、本実施形態の継続演出では、時短遊技が終了する危険度も報知する。具体的には、継続演出時における時短遊技の終了危険度が互いに異なる3段階のステージを設け、現在の時短遊技の終了危険度がいずれのステージであるかを報知する。そして、継続演出時に報知回数の「上乗せ数表示」演出を行う場合には、その上乗せ数表示とともに、時短遊技の終了危険度が変わらない(「ステージ継続」演出)か、又は、時短遊技の終了危険度が下がる(「ステージランクアップ」演出)かの情報も表示領域13aに表示する。
なお、継続演出時における、時短遊技の終了危険度の報知は、本実施形態のように、報知回数の上乗せ数表示と同時に行ってもよいし、報知回数の上乗せ数表示の前又は後に行ってもよい。また、時短遊技の終了危険度のステージの切り分けは、現在の報知回数の値及び残り時短回数の値に基づいて設定される。この場合、残り時短回数が多い状態(時短遊技の終了危険度が低いステージ)であるのにも関わらず、報知回数が「0回」となることがあり、遊技者に対して違和感を与える可能性がある。それゆえ、本実施形態では、時短遊技の終了危険度が低いステージにおいて報知回数が「0回」となった場合には、報知回数の「上乗せ数表示」演出が実行され易くなるように制御してもよい。これにより、遊技者の継続演出に対する違和感を抑制することができ、遊技者の時短回数に関する興趣及び遊技性の向上を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、図7で説明したように、モードCへの移行契機となる「大当り」の種別に基づいて200回の時短回数に当選した場合、モードCでは、モードDへの昇格抽選を行う。そして、継続演出時の特別図柄の変動において、モードDへの昇格抽選に当選した場合、継続演出において、遊技者による「ボタン」の連打操作により、「扉」が破壊された後、モードDへの移行演出が行われる。
さらに、本実施形態では、図7で説明したように、モードCにおいて、「大当り」に当選した場合には、演出モードがモードDに移行する。そして、継続演出時の特別図柄の変動において、「大当り」に当選した場合には、継続演出において、遊技者による「ボタン」の連打操作により、「扉」が破壊された後、「大当り」に当選したことを報知する演出が行われる。すなわち、モードCにおいて、継続演出時に、報知回数が上乗せされる場合、モードDへの移行抽選に当選した場合、又は、「大当り」に当選した場合には、図17中の「扉破壊成功」時の演出が行われる。
一方、継続演出において、表示領域13aに、「扉」破壊用の「ボタン」の映像が表示された後、「ボタン」の連打操作が行われなかった場合、又は、「ボタン」を連打操作したが「扉」が破壊されなかった場合、すなわち、「扉破壊失敗」の演出が発生した時には、継続演出時に、モードBへの移行演出が行われる。この演出が行われるのは、報知回数及び残り時短回数がともに、「0回」である場合に行われる。それゆえ、図14に示す例において、報知回数が最初に「0回」になった時点では、実際の残り時短回数が「40回」であるので、この時点では、「扉破壊失敗」時の演出は行われない。
そして、図14に示す例において、報知回数が最初に「0回」になった時点の継続演出により報知回数が「40回」に更新(上乗せ)された後は、時短遊技の実行毎に、表示領域13aに表示される報知回数が「1」減算される。そして、報知回数が「0回」になると、残り時短回数も「0回」となるので、時短遊技が終了する。この際、上記継続演出で説明した、「扉破壊失敗」時の演出、すなわち、モードBへの移行演出が行われる。
なお、継続演出の内容は、図17に示す例に限定されず、上述した「扉破壊成功」時及び「扉破壊失敗」時の演出と報知内容との対応関係が同様であれば、任意の演出態様を用いることができる。
上述したモードCにおける時短回数報知演出では、残り時短回数に関する情報である報知回数を、時短遊技の消化とともに単純に減算するだけの演出(報知)ではなく、報知回数の減算演出の過程において、所定のタイミングで報知回数を一旦上乗せするような演出(「予告演出」及び「継続演出」)を行うことができる。それゆえ、本実施形態の時短回数報知演出では、遊技者が「時短遊技状態」の継続期間を把握することが難しくなるので、時短回数報知演出中には、「時短遊技状態」がいつまで続くのかという遊技者の期待感を継続させることができる。それゆえ、本実施形態では、「時短遊技状態」に対する遊技者の興趣を高めることができるとともに、時短回数報知演出に対する遊技者の興趣も向上させることができる。
[確変回数報知演出:モードDにおける演出]
モードDでは、残りの特別図柄の変動回数(ST)に関する情報を、表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する確変回数報知演出を行う。なお、この演出は、モードBにおける潜確回数報知演出と同様にして行われる。
<先読み特化ゾーン演出>
本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示中に、特別図柄の可変表示(保留球)が保留されている場合、該保留球の情報に基づいて各種先読み演出を行う。ここでは、それらの各種先読み演出の中で、「先読み特化ゾーン演出」と称する先読み演出について説明する。
[先読み特化ゾーン演出の概要]
先読み特化ゾーン演出では、所定の保留球の発生時に先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された場合、その時点において存在する全て保留球の変動に渡って一連の演出を行う。なお、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された際に実行されている(現在変動中)特別図柄の変動表示、及び、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された所定の保留球の後に発生した保留球の変動期間は、先読み特化ゾーンの演出には関与しない。
先読み特化ゾーン演出は、主に、先読み特化ゾーン前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出、及び、先読み特化ゾーン中の演出で構成される。そして、先読み特化ゾーン演出では、基本的には、先読み特化ゾーン前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出、及び、先読み特化ゾーン中の演出がこの順で実行される。
また、先読み特化ゾーン演出が、複数の保留球の変動期間に渡って行われる場合、各保留球の変動期間では、先読み特化ゾーン前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出、及び、先読み特化ゾーン中の演出のいずれかが行われる。この演出の割り当ては、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された際に決定される。
この際、先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた所定の保留球には、先読み特化ゾーン開始フラグが登録される(先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」にセットされる)。また、先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた所定の保留球の次の保留球から先読み特化ゾーン終了フラグが登録された保留球までの各保留球には、先読み特化ゾーン中フラグが登録される(先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」にセットされる)。なお、先読み特化ゾーン開始前の演出が割り当てられた保留球に対しては、これらの先読み特化ゾーン用の各種フラグがセットされない(先読み特化ゾーン用の各フラグの値が「0」にセットされる)。さらに、本実施形態では、先読み特化ゾーン演出に関与する保留球のうち、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された保留球には、先読み特化ゾーン終了フラグが登録される(先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」にセットされる)。
先読み特化ゾーン前の演出に割り当てられた保留球の変動表示期間では、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような演出が行われる。また、先読み特化ゾーン開始時の演出に割り当てられた保留球の変動表示期間では、特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出が行われる。なお、本実施形態では、先読み特化ゾーン前の演出及び先読み特化ゾーン開始時の演出では、表示装置13の表示領域13aに表示された装飾図柄により実行される演出(以下、「図柄演出」という)及び/又は背景図柄で実行される演出(以下、「背景演出」という)が行われる。先読み特化ゾーン前の演出又は先読み特化ゾーン開始時の演出で行われる図柄演出(第1演出)及び/又は背景演出(第2演出)の種別(系統)は、先読み特化ゾーン前の演出又は先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンの種別に応じて決定される(後述の図30及び図31の変動演出テーブル参照)。
また、先読み特化ゾーン中の演出では、先読み特化ゾーン前の演出(図柄演出又は背景演出)より、大当り遊技への移行の期待度が高くなるような所定の演出(第3演出)が行われる。すなわち、先読み特化ゾーン演出では、先読み特化ゾーン前の演出から先読み特化ゾーン中の演出の一連の演出に渡って、大当り遊技への移行の期待度が徐々に高くなるような演出が行われる。なお、先読み特化ゾーン中の演出の内容は、先読み特化ゾーン中の演出が割り当てられた保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンの種別に応じて決定される(後述の図32の変動演出テーブル参照)。
[先読み特化ゾーン演出の動作例]
ここで、図18a〜図18cを参照しながら、先読み特化ゾーン演出の動作例を説明する。なお、図18a〜図18cは、先読み特化ゾーン演出の動作フローを示す図である。図18a〜図18cに示す例は、既に3つの保留球が存在する状態で、始動口入賞が発生し(4つ目の保留球が発生し)、その際に先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された場合の先読み特化ゾーン演出の各種動作例である。
この場合、4つ目の保留球が発生した時点で保留されている3つの保留球の変動期間と、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された4つ目の保留球の変動期間とに渡って、一連の先読み演出が行われる。
図18aに示す先読み特化ゾーン演出の動作例は、1つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始時の演出を設定し、2つ目〜4つ目の保留球に対して、先読み特化ゾーン中の演出を設定した場合の動作例である。すなわち、図18aに示す先読み特化ゾーン演出の例では、先読み特化ゾーン前の演出は行われない。
この場合、まず、1つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われる。次いで、2つ目〜4つ目の保留球の各変動期間では、先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、各保留球の変動期間における演出内容は、各保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンに基づいて決定される。
図18bに示す先読み特化ゾーン演出の動作例は、1つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始前の演出を設定し、2つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始時の演出を設定し、3つ目及び4つ目の保留球に対して、先読み特化ゾーン中の演出を設定した場合の動作例である。
この場合、まず、1つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような先読み特化ゾーン開始前の演出が行われる。次いで、2つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われる。そして、3つ目及び4つ目の保留球の各変動期間では、先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、各保留球の変動期間における演出内容は、各保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンに基づいて決定される。
図18cに示す先読み特化ゾーン演出の動作例は、1つ目及び2つ目の各保留球に対して先読み特化ゾーン開始前の演出を設定し、3つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始時の演出を設定し、4つ目の保留球に対して、先読み特化ゾーン中の演出を設定した場合の動作例である。
この場合、まず、1つ目及び2つ目の各保留球の変動期間では、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような先読み特化ゾーン開始前の演出が行われる。次いで、3つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われる。そして、4つ目の保留球の各変動表示では、先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、各保留球の変動期間における演出内容は、各保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンに基づいて決定される。
[先読み特化ゾーン開始時の演出の動作例]
次に、図19を参照しながら、先読み特化ゾーン開始時の演出の動作例を説明する。なお、図19は、先読み特化ゾーン開始時の演出の動作フローの一例を示す図である。
本実施形態では、先読み特化ゾーン開始時の演出が設定された保留球の変動表示が開始されると、まず、表示装置13の表示領域13aに、同じ系統の図柄演出と背景演出とを同時に表示する、特化ゾーンへの突入予告演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)が行われる。例えば、図柄演出Aと背景演出Aとが同時に行われる。次いで、所定のゾーン突入演出(先読み特化ゾーン開始演出)が行われる。この一連の先読み特化ゾーン開始時の演出により、遊技者に対して大当り遊技への移行の期待度がより高くなる先読み特化ゾーンに突入したことが報知される。
なお、特化ゾーンへの突入予告演出では、互いに系統の異なる図柄演出と背景演出とを同時に実行するような演出は行われない。例えば、図柄演出Aと、図柄演出Aと系統が異なる背景演出(背景演出B又はC)とを同時に行う演出や、背景演出Aと、背景演出Aと系統が異なる図柄演出(図柄演出B又はC)とを同時に行うような演出は行われない。それゆえ、本実施形態において、先読み演出において、同じ系統の図柄演出と背景演出とが同時に発生した場合には、遊技者は、遊技が先読み特化ゾーンに突入し、大当り遊技への移行の期待度がより高くなることを認識することができる。
ここで、図18cに示す先読み特化ゾーン演出の動作例において、先読み特化ゾーン開始前の演出から先読み特化ゾーン中の演出に渡る演出内容の変化の一例を説明する。
図18cに示す先読み特化ゾーン演出の動作例では、例えば、1つ目及び2つ目の保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始前の演出として例えば、図柄演出Aを2回連続して実行し、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような演出を行う。次いで、3つ目の保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始時の演出として、図柄演出A及び背景演出Aを同時に発生させ、その後、ゾーン突入の所定の演出が行われる。そして、4つ目の保留球の変動期間において、図柄演出A(先読み特化ゾーン開始前の演出)より大当り遊技への移行の期待度が高い所定の先読み特化ゾーン中の演出が行われる。
また、図18cに示す先読み特化ゾーン演出の動作例では、例えば、1つ目の保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始前の演出として図柄演出Aを実行し、2回目の保留球の変動期間において、図柄演出Aを実行するとともに、所定の先読み特化ゾーン突入のあおり演出を追加してもよい。この場合には、先読み特化ゾーン開始前の演出により、先読み特化ゾーンに突入することをより一層、煽るような演出が可能になる。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、先読み特化ゾーン演出において、複数の保留球の変動期間に渡って、一連の先読み演出を行う。そして、その先読み特化ゾーン演出では、大当り遊技への移行の期待度が徐々に高くなるような演出が行われる。それゆえ、本実施形態では、先読み演出において、大当り遊技に対する遊技者の期待度を向上させることができ、先読み演出そのものに対する遊技者の興趣を向上させることができる。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図20〜図26を参照しながら、主制御回路70のメインROM72に記憶される各種データテーブルの構成について説明する。
[大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
まず、図20を参照して、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、第1始動口44に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
なお、大当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値であり、より具体的には、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す乱数値である。また、本実施形態では、大当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図20に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれそれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。なお、確変フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確定フラグは「1」となる。
本実施形態では、図20に示すように、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、167/65536となる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれかである場合には、図20に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、497/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれと同じになる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「1273」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口44に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図21を参照して、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、第2始動口45に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」か否かの抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。なお、第2始動口45に遊技球が入賞した場合には、「小当り」は当選しない。それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図21に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。
本実施形態では、図21に示すように、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、167/65536となる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれかである場合には、図21に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、497/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれでもない場合には、「ハズレ」となり、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合にもまた、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、第1始動口44入賞時と同様に、第2始動口45入賞時においても、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第2始動口45に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
次に、図22を参照して、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。
本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選より「大当り」が決定された場合、大当り図柄乱数値が取得され、該大当り図柄乱数値に基づいて、大当り図柄が選択される。大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、その大当り図柄を選択する際に参照されるテーブルである。なお、大当り図柄乱数値は、「大当り」が決定された際に、大当り図柄を決定するための乱数値であり、0〜99(100種類)の中から選ばれる。
大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図22に示すように、大当り図柄を指定するための図柄指定コマンド(「z0」〜「z16」)と、該図柄指定コマンドが選択される大当り図柄乱数値との関係が規定される。なお、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、各図柄指定コマンドが選択される確率(選択率)も規定される。
例えば、大当り図柄の選択処理において、大当り図柄乱数値が「77」〜「96」のいずれかである場合には、図22に示すように、図柄指定コマンド「z13」が選択され、その選択率は、20/100となる。
[大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図23を参照して、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。
本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選より「大当り」が決定された場合にもまた、大当り図柄乱数値が取得され、該大当り図柄乱数値に基づいて、大当り図柄が選択される。大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、その大当り図柄を選択する際に参照されるテーブルである。
大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図23に示すように、大当り図柄を指定するための図柄指定コマンド(「z17」)と、該図柄指定コマンドが選択される大当り図柄乱数値(0〜99のいずれか)との関係が規定される。なお、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、各図柄指定コマンドが選択される確率(選択率)も規定される。
本実施形態では、図23に示すように、第2始動口45入賞時に「大当り」が決定された場合には、大当り図柄の選択処理において、大当り図柄乱数値に関係なく、必ず図柄指定コマンド「z17」が選択される(選択率=100/100)。
[大当り種類決定テーブル]
次に、図24を参照して、大当り種類決定テーブルについて説明する。本実施形態では、大当り図柄乱数判定テーブル(図22及び図23参照)を参照して図柄指定コマンド(「z0」〜「z17」のいずれか)が決定されると、該決定された図柄指定コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する。大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する際に参照されるテーブルである。
大当り種類決定テーブルには、図24に示すように、図柄指定コマンド(「z0」〜「z17」)と、「大当り」の種類を決定する各種パラメータとの関係が規定される。「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する各種パラメータとしては、大当り遊技におけるラウンド数の上限値、大当り遊技において出玉(賞球)が比較的得られやすいラウンド数、大当り遊技時に開放する大入賞口の種別、賞球数、並びに、移行先の遊技状態で設定される時短フラグ及び時短回数が規定される。
なお、大当り種類決定テーブルに規定されている、「出玉を比較的得やすいラウンド数」とは、大当り遊技において、大入賞口の開放時間が比較的長くなるラウンドの数を意味する。例えば、ラウンド数の上限値が16ラウンドであり、出玉(賞球)を比較的得やすいラウンド数が6ラウンドである場合、大当り遊技の第1〜第6ラウンドゲームでは、大入賞口が30秒開放され、残りの第7〜第16ラウンドゲームでは大入賞口の開放時間が0.1秒となる。このように、大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別に応じて、出玉(賞球)が比較的得られやすいラウンド数を変えることにより、ラウンド数の上限値が同じであっても、大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別により、大当り遊技において最終的に得られる出玉の総数に差異を与えることができる。
また、大当り種類決定テーブルに規定されている、開放する大入賞口の種別「1」は第1大入賞口53に対応し、種別「2」は第2大入賞口54に対応する。そして、第1大入賞口53入賞時の賞球数は「10」球となり、第2大入賞口54入賞時の賞球数は「15」球となる(図7参照)。このように、本実施形態では、大当り入賞時に開放する大入賞口の種別を変えることにより、一回の大当り遊技で大入賞口に入賞する回数が同じであっても、総賞球数を変化させることができる。
なお、図24の大当り種類決定テーブルに示すように、時短フラグの値(「1」(オン)又は「0」(オフ))及び付与される時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、本実施形態では、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合のそれぞれにおいて、別個に時短フラグの値及び時短回数が規定される。なお、時短フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1(オン)」となる。
なお、図24に記載の「低確率時短なし」は、「通常遊技状態」及び「非時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態であるので、確変フラグの値が「0(オフ)」であり、且つ、時短フラグの値が「0(オフ)」である遊技状態である。また、「高確率時短なし」は、「確変遊技状態」及び「非時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態(「潜確遊技状態」)であるので、確変フラグの値が「1(オン)」であり、且つ、時短フラグの値が「0(オフ)」である遊技状態である。また、「高確率時短あり」は、「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態であるので、確変フラグの値が「1(オン)」であり、且つ、時短フラグの値が「1(オン)」である遊技状態である。
このように、本実施形態では、大当り当選時の遊技状態に応じて時短遊技の有無及び時短回数を変化させることができる。すなわち、本実施形態では、大当り遊技終了後の遊技状態を、大当り当選時の遊技状態に応じて変えることができる。
例えば、図柄指定コマンドが「z9」である場合には、図24に示すように、大当り当選時の遊技状態に関係なく、「大当り」の種類(内容)を決定する各種パラメータとして、ラウンド数の上限値「16」、比較的出玉を得やすいラウンド数「6」、大当り遊技時に開放する大入賞口の種別「1」、及び、賞球数「10」が取得される。しかしながら、この場合、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であるときには、時短フラグ「0」及び時短回数「0」が選択され、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であるときには、時短フラグ「1」及び時短回数「100」が選択され、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短あり」であるときには、時短フラグ「1」及び時短回数「200」が選択される。
また、本実施形態では、大当り遊技終了後は、必ず、遊技状態が「確変遊技状態」になるので、図24に示す大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値を規定していない。なお、本発明はこれに限定されず、大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値を規定してもよい。
また、本実施形態では、大当り遊技終了後は、必ず、遊技状態が「確変遊技状態」になる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、大当り遊技終了後、遊技状態が「確変遊技状態」に移行しないような「大当り」の種類を設けてもよいし、「大当り」の種類に応じて、遊技状態が「確変遊技状態」に移行するか否かを決定するような構成にしてもよい。この場合には、大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値が規定される。
[入賞パターン決定テーブル]
次に、図25を参照して、入賞パターン決定テーブルについて説明する。
本実施形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、入賞時(始動口入賞時)に決定された当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)及び図柄指定コマンドに基づいて、入賞パターン(入賞内容を指定する情報)を決定し、該入賞パターンを入賞コマンドとして副制御回路200(サブCPU201)に送信する。入賞パターン決定テーブルは、入賞時に決定された当選種別及び図柄指定コマンドに基づいて、入賞パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
入賞パターン決定テーブルには、図25に示すように、入賞パターンの種別(「NS00」〜「NS19」)と、図柄指定コマンドと、入賞内容を示す各種パラメータとの関係が規定される。入賞内容を示す各種パラメータとしては、当選種別、並びに、移行先の遊技状態で設定される時短フラグの値及び時短回数が規定される。なお、入賞パターン決定テーブルに規定されている当選種別の情報は図20及び図21に示す大当り乱数判定テーブルに規定されている判定値データに対応する。
また、図25に示す入賞パターン決定テーブルでは、時短フラグの値(「1」(オン)又は「0」(オフ))及び時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合のそれぞれにおいて、別個に時短フラグの値及び時短回数が規定される。
なお、本実施形態では、図柄指定コマンドは、大当り図柄を指定する情報であるので、入賞パターン決定テーブルでは、当選種別「ハズレ」及び「小当り」に対して図柄指定コマンドの情報は規定されない。また、当選種別が「ハズレ」及び「小当り」である場合には、入賞時の遊技状態に関係なく、時短遊技状態に移行しないので、入賞パターン決定テーブルでは、当選種別「ハズレ」及び「小当り」に対して時短フラグの値及び時短回数の情報も規定されない。
[変動パターン決定テーブル]
次に、図26を参照して、変動パターン決定テーブルについて説明する。
本実施形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、特別図柄の変動表示開始時に、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド、変動時間等の情報に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定し、該変動パターンを変動コマンドとして副制御回路200(サブCPU201)に送信する。変動パターン決定テーブルは、特別図柄の変動開始時に、当選種別、図柄指定コマンド、変動時間等の情報に基づいて、変動パターンを決定する際に参照されるテーブルである。なお、変動パターン決定テーブルにより決定される特別図柄の変動パターンは、後述するように、特別図柄の変動表示期間に行う演出の演出パターンを指定するための情報にもなる。
変動パターン決定テーブルには、図26に示すように、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、該変動パターンを選択する際に参照する情報(図柄指定コマンド、変動時間及び当選種別)との関係が規定される。また、変動パターン決定テーブルには、各変動パターンに対応する時短フラグの値及び時短回数も規定される。
なお、時短フラグの値及び時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合において、それぞれ時短フラグの値及び時短回数が規定される。
<プログラムROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、副制御回路200のプログラムROM202に記憶される各種データテーブルの構成について、図27〜図35を参照して説明する。
[先読み演出フラグテーブル]
まず、図27を参照して、先読み演出フラグテーブルについて説明する。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200(サブCPU201)は、特別図柄の可変表示が保留されている場合、該保留されている特別図柄の可変表示の内容(保留球の内容)に応じて所定の先読み演出(先読み特化ゾーン演出も含む)を行う。この際、先読み演出の実行の有無は、先読み演出の管理情報(各種フラグ)により制御される。
図27に示す先読み演出フラグテーブルは、その先読み演出の管理情報(各種フラグ)を設定する際に参照されるテーブルである。なお、先読み演出の管理情報(各種フラグ)は、始動口入賞時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される入賞コマンドに含まれる入賞パターンの情報に基づいて決定される。
先読み演出フラグテーブルには、図27に示すように、入賞パターンの種別(「NS00」〜「NS19」)と、先読み演出の管理情報(各種フラグ)を決定するための乱数値と、該乱数値により決定される、変動先読みフラグの値、先読み特化ゾーンフラグの値及び先読み特化ゾーン演出パターンの管理情報セットとの対応関係が規定される。
また、先読み演出フラグテーブルには、各管理情報セットの選択率、及び、各入賞パターンに対応する当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)も規定される。なお、先読み演出フラグテーブルに規定されている当選種別の情報は図20及び図21に示す大当り乱数判定テーブルに規定されている判定値データに対応する。
先読み演出フラグテーブルに規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
先読み演出フラグテーブルに規定される、変動先読みフラグは、先読み演出を行うか否かを決定するフラグであり、先読み演出が行われる場合には、変動先読みフラグの値に「1(オン)」がセットされる。また、先読み特化ゾーンフラグは、上述した先読み特化ゾーン演出を先読み演出として行うか否かを決定するフラグであり、先読み特化ゾーン演出が行われる場合には、先読み特化ゾーンフラグの値に「1(オン)」がセットされる。なお、変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグは、後述の先読み演出フラグ決定処理(後述の図51参照)においてセットされる。
さらに、先読み演出フラグテーブルに規定される、先読み特化ゾーン演出パターンは、先読み特化ゾーンの演出に突入するまでに実行される先読み演出の系統を示す情報である。本実施形態では、図27に示すように、3種類の先読み特化ゾーン演出パターン(「パターンA」、「パターンB」及び「パターンC」)が用意され、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」である場合に所定のパターンが選択される。
例えば、入賞時に決定された入賞パターンが「NS08」であり、先読み演出の管理情報(各種フラグ等)を設定するために入賞時に取得された乱数値が「100」〜「999」のいずれかの値であれば、変動先読みフラグには「0」がセットされ、先読み特化ゾーンフラグには「1」がセットされ、先読み特化ゾーン演出パターンとしては「パターンA」が選択される。
[各種変動演出テーブル]
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200(サブCPU201)の制御により、特別図柄の変動表示中に様々な演出が実行される。この際に行われる演出の内容(演出パターン)は、特別図柄の変動表示開始時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される変動コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンの情報などに基づいて決定される。
以下に説明する各種変動演出テーブルは、この演出内容(演出パターン)を変動パターンの情報などに基づいて決定する際に参照される。なお、本実施形態では、先読み演出の有無及び種別、並びに、ストック擬似連演出の有無等の各種条件に応じて、それぞれ別個の変動演出テーブルが用意される。
(1)変動演出テーブル(先読み無し)
まず、図28を参照しながら、変動演出テーブル(先読み無し)について説明する。変動演出テーブル(先読み無し)は、特別図柄の変動表示中に先読み演出を行わない場合、すなわち、変動先読みフラグの値及び先読み特化ゾーンフラグの値がともに「0」である場合(なお、演出モードが通常モードの特殊演出ステージである場合を除く)に行う、特別図柄の変動表示中の演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み無し)には、図28に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「EN00」〜「EN54」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び擬似連演出フラグの値のデータセットとの対応関係が規定される。
また、変動演出テーブル(先読み無し)には、各特別図柄の変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)及び図柄指定コマンド、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。
本実施形態では、変動演出テーブル(先読み無し)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み無し)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
変動演出テーブル(先読み無し)に規定される、擬似連演出フラグは、図8及び図9aで説明した通常の擬似連演出を行うか否かを決定するフラグであり、通常の擬似連演出が行われる場合には、擬似連演出フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
例えば、先読み演出が実行されないことが決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された特別図柄の変動パターンが「HN10」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「500」〜「999」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「EN20」が選択され、擬似連演出フラグには「1」がセットされる。この場合には、特別図柄の変動表示期間(25000ミリ秒)に、通常の擬似連演出が行われる。具体的には、まず、所定の擬似連回数の「擬似連演出」が行われ、その後、「ノーマルリーチ演出A」と称する「リーチ演出」が行われる。そして、「ノーマルリーチ演出A」の終了とともに、表示装置13の表示領域13aに「大当り」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
(2)変動演出テーブル(先読み有り)
次に、図29を参照しながら、変動演出テーブル(先読み有り)について説明する。変動演出テーブル(先読み有り)は、特別図柄の変動表示時に先読み演出を行うことが決定されている場合、すなわち、特別図柄の変動開始時に、変動先読みフラグの値が「1」であり、且つ、先読み特化ゾーンフラグの値が「0」である場合に行う、特別図柄の変動表示中の演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み有り)には、図29に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「ES00」〜「ES55」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び先読み演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)のデータセットとの対応関係が規定される。
なお、本実施形態では先読み演出において、図柄演出(装飾図柄で行う演出)及び/又は背景演出(背景図柄で行う演出)を行う。そして、本実施形態では、図柄演出としては「図柄演出A」、「図柄演出B」及び「図柄演出C」の3種類を用意し、背景演出としては「背景演出A」、「背景演出B」及び「背景演出C」の3種類を用意する。本実施形態では、「図柄演出A」の内容の系統(種類)は、「背景演出A」のそれと同じとし、「図柄演出B」の内容の系統(種類)は、「背景演出B」のそれと同じとし、「図柄演出C」の内容の系統(種類)は、「背景演出C」のそれと同じとする。
また、変動演出テーブル(先読み有り)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。
なお、本実施形態では、変動演出テーブル(先読み有り)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み有り)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された特別図柄の変動パターンが「HN00」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「ES00」が選択され、先読み演出では、「図柄演出A」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)に、まず、変動開始とともに「図柄演出A」の先読み演出が行われ、該先読み演出が終了した後、「通常変動演出A」と称する演出が行われる。そして、「通常変動演出A」と称する演出の終了とともに、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、図29に示す変動演出テーブル(先読み有り)を、先読み演出を行わないときに使用してもよい。すなわち、図29に示す変動演出テーブル(先読み有り)を変動演出テーブル(先読み無し)として使用してもよい。この場合には、先読み演出を行わない通常の特別図柄の変動表示期間においても、先読み演出の実行が決定されている場合と同様の演出を行うことができる。
(3)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)
次に、図30を参照しながら、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)について説明する。
上述のように、特別図柄の可変表示が複数保留された状態(複数の保留球が存在する状態)で、且つ、先読み特化ゾーンへの移行が決定されている場合、すなわち、特別図柄の変動開始時に、変動先読みフラグの値が「0」であり、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」である場合、先読み特化ゾーン演出を行う。この際、上述のように、先読み特化ゾーン開始前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出のそれぞれが、対応する保留球の変動表示時において実行される。
図30に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)は、先読み特化ゾーン開始前の演出を行う保留球の変動開始時に、該保留球の変動表示期間に行われる演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)には、図30に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)と、図27に示す先読み演出フラグテーブルで決定された先読み特化ゾーン演出パターンと、演出パターン(「EX00」〜「EX13」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び先読み特化ゾーン開始前の演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)のデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、先読み特化ゾーン開始前の演出の内容は、先読み特化ゾーン演出パターン、及び、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)に基づいて決定される。
なお、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)を参照して演出パターンを決定する場合には、先読み演出として図柄演出及び背景演出のいずれかが選択される。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。
先読み特化ゾーン演出では、先読み特化ゾーン中の演出において初めて、表示装置13の表示領域13aに「大当り」態様又は「小当り」態様の表示が行われて、特別図柄が変動停止する。すなわち、先読み特化ゾーン開始前及び先読み特化ゾーン開始時の演出では、表示装置13の表示領域13aには「ハズレ」態様の表示が行われて、特別図柄が変動停止する。それゆえ、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)及び後述の図31に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、「ハズレ」の当選種別に対応する各種データが規定され、「小当り」及び「大当り」の当選種別に対応する各種データは規定されない。
また、本実施形態では、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始前の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN00」であり、入賞時に決定された先読み特化ゾーン演出パターンが「パターンA」であり、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「EX00」が選択され、先読み特化ゾーン開始前の演出としては、「図柄演出A」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)において、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、先読み演出として「図柄演出A」が行われ、該先読み演出が終了した後、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、本実施形態では、先読み特化ゾーン開始前の演出の演出パターンの種別に応じて、所定の図柄演出又は所定の背景演出だけでなく、先読み特化ゾーンに突入することをさらに煽るような演出(あおり演出)を行う場合もある。
(4)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)
次に、図31を参照しながら、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)について説明する。
図31に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)は、先読み特化ゾーン開始時(突入時)の演出を行う保留球の変動開始時に、該保留球の変動表示期間に行われる演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、図31に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)と、図27に示す先読み演出フラグテーブルで決定された先読み特化ゾーン演出パターンと、演出パターン(「EZ00」〜「EZ20」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び先読み特化ゾーン開始時の演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)のデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、先読み特化ゾーン開始時の演出の内容は、先読み特化ゾーン演出パターン、及び、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)に基づいて決定される。
先読み特化ゾーン開始時の演出では、上述のように、まず、特化ゾーンへの突入予告演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)として、演出内容が同じ系統の図柄演出及び背景演出が同時に行われる。それゆえ、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)中の各演出パターンには、同じ系統の図柄演出及び背景演出のデータが規定される。例えば、演出パターン「EZ00」では、先読み演出として「図柄演出A」及び「背景演出A」が規定される。
また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。なお、本実施形態では、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN00」であり、且つ、入賞時に決定された先読み特化ゾーン演出パターンが「パターンA」である場合には、先読み特化ゾーン開始時の演出パターンとして「EZ00」が選択され、先読み演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)としては、「図柄演出A」及び「背景演出A」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)において、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、「ゾーン移行予告複合成功」演出として「図柄演出A」及び「背景演出A」が同時に行われ、該演出が終了した後、決定された演出パターンに対応する所定のゾーン突入演出が行わる。そして、所定のゾーン突入演出終了後、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
(5)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)
次に、図32を参照しながら、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)について説明する。
図32に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)は、先読み特化ゾーン中の演出を行う保留球の変動開始時に、該保留球の変動表示期間に行われる演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)には、図32に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「ET00」〜「ET52」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び演出内容のデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、先読み特化ゾーン中の演出の内容は、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)に基づいて決定される。
また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。なお、本実施形態では、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始中)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始中の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動パターンが「HN00」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「0」〜「899」のいずれかの値である場合には、先読み特化ゾーン中の演出パターンとして「ET00」が選択され、先読み特化ゾーン中の演出としては、演出内容が「先読み特化ゾーン中演出A」の先読み演出が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)において、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、「先読み特化ゾーン中演出A」に対応する先読み演出が行われ、該先読み演出が終了した後、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、ここでは、先読み特化ゾーンの種類については詳述しないが、本実施形態では複数種の先読み特化ゾーンを用意し、先読み特化ゾーンの種別に応じて適宜、所定の先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出の演出パターンが対応付けられている。例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出が「先読み特化ゾーンA」への突入演出である場合には、先読み特化ゾーン開始中の演出としては同系統の「先読み特化ゾーン中演出A」が選択される。また、例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出が「先読み特化ゾーンB」への突入演出である場合には、先読み特化ゾーン開始中の演出としては同系統の「先読み特化ゾーン中演出B」が選択される。すなわち、先読み特化ゾーン開始中の演出の系統は先読み特化ゾーン開始時の演出の系統と同じであり、例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出が「先読み特化ゾーンA」への突入演出である場合には、先読み特化ゾーン開始中の演出としては異なる系統の「先読み特化ゾーン中演出B」が選択されることはない。
また、複数種の先読み特化ゾーンを設けた場合、先読み特化ゾーンの種別と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行確率とを対応付けてもよい。例えば、「先読み特化ゾーンB」に対応する、遊技者にとって有利な遊技状態への移行確率を、「先読み特化ゾーンA」に対応する、それより高くなるように設定してもよい。この場合、「先読み特化ゾーンB」に対応する先読み演出を行うことにより、遊技者に対して有利な遊技状態への移行の期待度をより一層高めることができる。すなわち、この場合には、先読み特化ゾーン演出に対する遊技者の期待度を、その演出内容に応じて変化させることができるので、先読み特化ゾーン演出に対する興趣を向上させることができる。
(6)変動演出テーブル(特殊演出ステージ)
次に、図33を参照しながら、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)について説明する。
上述のように、本実施形態では、「通常モード」において、特殊演出ステージが選択された場合、ストック擬似連演出が行われる。図33に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)は、特殊演出ステージにおいて、特別図柄の変動表示期間に行われるストック擬似連演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(特殊演出ステージ)には、図33に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「EG00」〜「EG54」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及びストック擬似連演出フラグのデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、ストック擬似連演出の演出内容は、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)に基づいて決定される。
また、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。なお、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている演出内容の演出は、上述した「リーチ演出」のことであり、ストック擬似連演出が行われる場合には、所定の擬似連回数の「擬似連演出」の終了後に実行される。
本実施形態では、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。さらに、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定される、ストック擬似連演出フラグは、ストック擬似連演出を行うか否かを決定するフラグであり、ストック擬似連演出が行われる場合には、ストック擬似連演出フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
例えば、通常モードの特殊演出ステージにおいて、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN27」であり、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「100」〜「999」のいずれかの値である場合には、ストック擬似連演出の演出パターンとして「EG54」が選択され、ストック擬似連演出フラグには「1」がセットされる。
この場合には、特別図柄の変動表示期間(45000ミリ秒)において、まず、所定の「ストック演出」(各種マスコットが出現する演出)が行われ、その後、所定の擬似連回数の「擬似連演出」が行われる。そして、所定の擬似連回数の「擬似連演出」終了後、「スペシャル演出D」と称する「リーチ演出」が行われる。なお、この際に行われる「ストック演出」及び「擬似連演出」の内容は、後述の擬似連回数決定テーブル(後述の図34参照)及びマスコット出現数決定テーブル(後述の図35参照)を参照して決定される。
[擬似連回数決定テーブル]
次に、図34を参照して、擬似連回数決定テーブルについて説明する。
上述のように、本実施形態では、ストック擬似連演出における擬似連回数は、ストック擬似連演出開始時に行われる「ストック演出」において出現する「マスコットC」(マスコットポイント)の数(出現数)に応じて変化する。擬似連回数決定テーブルは、ストック擬似連演出の実行が決定された場合に、擬似連回数及びマスコットCの出現数を決定する際に参照されるテーブルである。
擬似連回数決定テーブルには、図34に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、擬似連回数を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される擬似連回数及びマスコットCの出現数のデータセットとの対応関係が規定される。また、擬似連回数決定テーブルには、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各データセットの選択率も規定される。
例えば、通常モードの特殊演出ステージにおいて、ストック擬似連演出を行うことが決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN27」であり、擬似連回数を選択するために入賞時に取得された乱数値が「900」〜「999」のいずれかの値である場合には、ストック擬似連演出における擬似連回数は「15」となり、マスコットCの出現数は「3」となる。なお、この場合、上記変動演出テーブル(特殊演出ステージ)で説明したように、演出パターンとしては「EG54」が選択される。
それゆえ、この場合には、ストック擬似連演出が行われる特別図柄の変動表示期間(45000ミリ秒)において、まず、「ストック演出」でマスコットCが3体出現するような演出が行われ、次いで、15回の「擬似連演出」が行われる。そして、15回の「擬似連演出」が終了した後、「スペシャル演出D」と称する「リーチ演出」が行われる。
なお、本実施形態では、上述のように、マスコットCの出現数が、「擬似連演出」の最低実行回数となるので、図34の擬似連回数決定テーブルには、図示を省略しているが、例えば、マスコットCの出現数が「1」であっても、「1」〜「15」の擬似連回数の範囲で「擬似連演出」が行われる場合も規定されている。また、マスコットCの出現数が、「擬似連演出」の最低実行回数となるので、表示装置13の表示領域13aに出現したマスコットCの数が、「擬似連演出」の最低実行回数を報知していることになる。
[マスコット出現数決定テーブル]
次に、図35を参照して、マスコット出現数決定テーブルについて説明する。
上述のように、ストック擬似連演出開始時に行われる「ストック演出」では、「マスコットA」(マスコットポイント「1」)及び/又は「マスコットB」(マスコットポイント「5」)の出現によりマスコットポイントが加算され、マスコットポイントが5ポイント以上になった時に「マスコットC」が出現する。それゆえ、所定数の「マスコットC」を出現させるための、「マスコットA」の出現数と「マスコットB」の出現数との組合せが複数種、存在する場合もある。マスコット出現数決定テーブルは、上述した擬似連回数決定テーブル(図34参照)により決定されたマスコットCの出現数に応じて、「マスコットA」の出現数と「マスコットB」の出現数との組合せを決定する際に参照されるテーブルである。
マスコット出現数決定テーブルには、図35に示すように、図34に示す擬似連回数決定テーブルを参照した抽選により決定された「マスコットC」の出現数と、「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せを選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せデータとの対応関係が規定される。また、マスコット出現数決定テーブルには、各組合せデータの選択率も規定される。
例えば、図34に示す擬似連回数決定テーブルを参照した抽選により決定された「マスコットC」の出現数が「2」であり、「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せを選択(決定)するために入賞時に取得された乱数値が「800」〜「899」のいずれかの値であった場合、「マスコットA」の出現数は「4」となり、「マスコットB」の出現数は「2」となる。なお、この場合の「ストック演出」における「マスコットA」及び「マスコットB」の出現順序(出現パターン)は、「マスコットC」が2体出現する順序であれば任意に設定することができる。
また、本実施形態では、特別図柄の変動パターンの種別に応じて、擬似連回数と「マスコットC」の出現数とが一意的に決定される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。「マスコットC」の出現数を変動パターンとは関係なく、別途抽選で決定し、その後、該決定された「マスコットC」の出現数に応じて、抽選により「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せを決定してもよい。また、この場合、変動パターン毎に設定された変動時間を考慮に入れて、各マスコットの出現数を抽選により決定してもよい。
<主制御回路の動作説明>
次に、図36〜図48を参照して、主制御回路70のメインCPU71により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図36を参照して、メインCPU71の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図36は、本実施形態における主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、最初に、メインCPU71は、初期設定処理を行う(S1)。この処理では、メインCPU71は、例えば、メインRAM73へのアクセス許可、バックアップ復帰、作業領域の初期化等の処理を行う。次いで、メインCPU71は、初期値乱数の更新処理を行う(S2)。この処理では、メインCPU71は、初期乱数カウンタ値を更新する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(S3)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に関する所定の制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については、後述の図37を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄ゲームの進行、及び、普通図柄表示装置62に表示される普通図柄に関する所定の制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細については、後述の図45を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、図柄表示装置の制御処理を行う(S5)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄制御処理(S3)及び普通図柄制御処理(S4)の実行結果に基づいて、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)、並びに、普通図柄の可変表示の表示制御を行う。
次いで、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(S6)。この処理では、メインCPU71は、遊技店のホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、該遊技情報データをメインRAM73に格納する。
次いで、メインCPU71は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU71は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、該記憶・遊技状態データをメインRAM73に格納する。
そして、S7の処理後、メインCPU71は、処理をS2の処理に戻し、上述したS2以降の処理を繰り返す。
[特別図柄制御処理]
次に、図37を参照して、主制御メイン処理(図36参照)中のS3で行う特別図柄制御処理について説明する。図37は、本実施形態における特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、図37に示す各処理ステップの符号の下に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は制御状態フラグの値を示し、この制御状態フラグは、メインRAM73内の所-定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする(S11)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。
メインCPU71は、S11でロードされた制御状態フラグの値に基づいて、後述のS12〜S20の各種処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S12〜S20のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S12〜S20の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図46参照)も実行する。
そして、S11の処理が終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を行う(S12)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、当り判定、特別図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等の処理を行う。また、メインCPU71は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(S13)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S12の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)には、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。なお、特別図柄記憶チェック処理の詳細については、後述の図38を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(S14)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄変動時間管理処理の詳細については、後述の図40を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(S15)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(S20)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄表示時間管理処理の詳細については、後述の図41及び図42を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、S14において当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であると判定された場合、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるため、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
また、この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(S16)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。なお、大当り開始インターバル管理処理の詳細については、後述の図43を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を行う(S16)。この処理では、まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
S16において、一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、所定の大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)を閉鎖させるため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S17)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判断する。
S17において、メインCPU71が上記条件を満たさないと判別した場合には、メインCPU71は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、S17において、メインCPU71が上記条件を満たしたと判別した場合には、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次いで、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、メインCPU71は大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU71は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S18の処理後に上述した大入賞口開放中処理(S16)が再度実行されるように設定される。
また、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S19の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、大当り終了インターバル処理の詳細については、後述の図44を参照しながら後で説明する。
そして、メインCPU71は、大当り図柄が確変図柄である場合には、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、大当り図柄が非確変図柄である場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる制御を行う。なお、大当り図柄が「小当り」に対応する図柄である場合には、メインCPU71は、遊技状態を維持するような制御を行う。
次いで、メインCPU71は、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S20の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)が実行されるように設定される。
そして、S20の処理後、メインCPU71は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図36参照)のS4に移す。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的には、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「ハズレ」である場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU71は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合には、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び大当り開始インターバル管理処理(S15)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合には、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S18)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技中に、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)、大当り終了インターバル処理(S19)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図36に示す主制御メイン処理中のS4の普通図柄制御処理(後述の図45参照)もまた、後述すように、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
次に、図38を参照して、特別図柄制御処理(図37参照)中のS12で行う特別図柄記憶チェック処理について説明する。なお、図38は、本実施形態における特別図柄記憶チェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(S31)。S31において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(S31がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
一方、S31において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(S31がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S32)。
S32において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S32がNO判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する(S33)。
本実施形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第2始動口45の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S33の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S34)。この処理では、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S34の処理後、メインCPU71は、後述のS39の処理を行う。
一方、S32において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S32がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S35)。
S35において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU71は、デモ表示処理を行う(S36)。そして、S36の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
なお、S36のデモ表示処理では、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする。すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞及び第2始動口入賞の保留個数が「0」になった状態(特別図柄ゲームの始動記憶が「0」になった状態)が所定時間(例えば、30秒)維持されると、デモ表示許可値として所定値をセットする。また、S36のデモ表示処理においてデモ表示許可値が所定値であった場合には、メインCPU71は、デモ表示コマンドデータをメインRAM73にセットする。デモ表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、デモ表示コマンドデータを受信すると、表示装置13の表示領域13aにデモ画面を表示させる。
一方、S35において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する(S37)。
本実施形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第1始動口44の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S37の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S38)。この処理では、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S38の処理後、メインCPU71は、後述のS39の処理を行う。
次いで、S34又はS38の処理後、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする(S39)。
次いで、メインCPU71は、大当り判断処理を行う(S40)。この処理では、メインCPU71は、始動口入賞時に抽出され、且つ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する大当り乱数判定テーブル(図20又は図21)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU71は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄決定処理を行う(S41)。この処理では、メインCPU71は、当り判定の結果が「大当り」である場合に、特別図柄として大当り図柄を決定する。
この際、メインCPU71は、始動入賞時に抽出された大当り図柄乱数値を読み出し、その大当り図柄乱数値と、当り判定の結果とに基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM73の所定領域に記憶する。具体的には、当り判定の結果が「大当り」である場合には、メインCPU71は、特別図柄として大当り図柄を決定し、当り判定の結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合には、特別図柄として、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれに対して設定された所定の図柄を決定する。また、この際、メインCPU71は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変遊技状態に移行させる制御を行う。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。この結果、特別図柄表示装置61により、特別図柄が導出表示される。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に導出図柄指定コマンドとして供給される。これにより、副制御回路200では、特別図柄に対応する装飾図柄が表示装置13に導出表示される。なお、特別図柄決定処理の詳細については、後述の図39を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、遊技状態の種別(確変、時短及び通常)、当り判定の結果(当選種別:「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、特別図柄の可変表示の保留個数(始動記憶数)及び特別図柄(大当り図柄など)等に基づいて、変動パターン決定処理を行う(S42)。
この処理では、メインCPU71は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU71は、上述したように決定された特別図柄(大当り図柄等)に基づいて、変動パターンを決定するための大当り種類決定テーブル(図24参照)を参照する。そして、メインCPU71は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と大当り種類決定テーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定し、メインRAM73の所定領域に記憶する。メインCPU71は、この特別図柄の変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(変動表示時間等)を決定する。
この記憶された特別図柄の変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。この結果、特別図柄表示装置61により、特別図柄が決定された変動パターンで変動表示される。また、この記憶された特別図柄の変動パターンを示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に変動コマンド(変動パターン指定コマンド)として供給される。そして、サブCPU201は、受信した変動コマンドに対応する演出パターンで演出表示を実行する。
S42の処理後、メインCPU71は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする(S43)。次いで、メインCPU71は、今回の変動表示に用いられた記憶領域の情報(データ)をクリアする(S44)。そして、S44の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
[特別図柄決定処理]
次に、図39を参照して、特別図柄記憶チェック処理(図38参照)中のS41で行う特別図柄決定処理について説明する。なお、図39は、本実施形態における特別図柄決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理中のS40の処理で行われた当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する(S51)。
S51において、メインCPU71が、当り判定の結果が「大当り」であると判別した場合(S51がYES判定の場合)、メインCPU71は、大当り図柄決定乱数値に基づいて、大当り図柄を決定する(S52)。次いで、メインCPU71は、決定された大当り図柄のデータをセットする(S53)。そして、S53の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図38参照)中のS42に移す。
なお、S52の処理において、メインCPU71は、大当り図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、大当り図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に大当り図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄の大当り態様を表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
一方、S51において、メインCPU71が、当り判定の結果が「大当り」でないと判別した場合(S51がNO判定の場合)、メインCPU71は、当り判定の結果が「小当り」であるか否かを判別する(S54)。
S54において、メインCPU71が、当り判定の結果が「小当り」であると判別した場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU71は、「小当り」に対応する所定の特別図柄(小当り図柄)のデータをメインRAM73の所定領域にセットする(S55)。そして、S55の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図38参照)中のS42に移す。
なお、S55の処理において、メインCPU71は、小当り図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、小当り図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に小当り図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄の小当り態様を表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
一方、S54において、メインCPU71が、当り判定の結果が「小当り」でないと判別した場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU71は、「ハズレ」に対応する所定の特別図柄(ハズレ図柄)のデータをセットする(S56)。そして、S56の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図38参照)中のS42に移す。
なお、S56の処理において、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域にハズレ図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄のハズレ態様を表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
[特別図柄変動時間管理処理]
次に、図40を参照して、特別図柄制御処理(図37参照)中のS13で行う特別図柄変動時間管理処理について説明する。なお、図40は、本実施形態における特別図柄変動時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であるか否かを判別する(S61)。S61において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)でないと判別した場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
一方、S61において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であると判別した場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S62)。なお、この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動時間が消化されたか否かを判別する。
S62において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S62がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S62において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S62がYES判定の場合)、メインCPU71は、状態制御フラグに、特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)をセットする(S63)。
次いで、メインCPU71は、図柄停止コマンドをメインRAM73にセットする(S64)。なお、メインRAM73にセットされた図柄停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、図柄停止コマンドを受信すると、特別図柄が停止されることを認識する。
次いで、メインCPU71は、変動確定後の待ち時間(例えば、10ミリ秒)を待ち時間タイマにセットする(S65)。なお、変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)は、特別図柄の変動表示を終了してから次の特別図柄の変動表示を開始するまでの待ち時間である。そして、S65の処理後、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
[特別図柄表示時間管理処理]
次に、図41及び図42を参照して、特別図柄制御処理(図37参照)中のS14で行う特別図柄表示時間管理処理について説明する。なお、図41及び図42は、本実施形態における特別図柄表示時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S71)。S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(S71がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
一方、S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(S71がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する(S72)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。
S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(S73)。
S73において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS85の処理を行う。一方、S73において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S74)。
次いで、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S75)。
S75において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S75がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS77の処理を行う。一方、S75において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S75がNO判定の場合)、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S76)。
S76の処理後、又は、S75がYES判定の場合、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S77)。
S77において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S77がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS79の処理を行う。一方、S77において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S77がNO判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S78)。
S78の処理後、又は、S77がYES判定の場合、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S79)。
S79において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S79がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S79において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S79がYES判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S80)。
S80において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S80がNO判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S81)。具体的には、メインCPU71は、時短フラグをクリアする。次いで、メインCPU71は、「高確率時短なし」の遊技状態(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S82)。そして、S82の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
一方、S80において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S80がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S83)。具体的には、メインCPU71は、時短フラグ及び確変フラグをクリアする。次いで、メインCPU71は、「低確率時短なし」の遊技状態(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S84)。そして、S84の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
ここで、再度、S73の処理に戻って、S73がYES判定である場合に行われる処理について説明する。S73がYES判定である場合、メインCPU71は、大当りフラグをオン状態にセットする(S85)。なお、大当りフラグは、大当り遊技を行うか否かを示すフラグである。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値、遊技状態フラグの値及び時短状態変動回数カウンタの値をクリアする(S86)。次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする(S87)。
次いで、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ミリ秒)を待ち時間タイマにセットする(S88)。次いで、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM73にセットする(S89)。
次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図24参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM73にセットする(S90)。次いで、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをオン状態にセットする(S91)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。そして、S91の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
[大当り開始インターバル管理処理]
次に、図43を参照して、特別図柄制御処理(図37参照)中のS15で行う大当り開始インターバル管理処理について説明する。なお、図43は、本実施形態における大当り開始インターバル管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であるか否かを判別する(S101)。
S101において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)でないと判別した場合(S101がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S101において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であると判別した場合(S101がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S102)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り開始インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S102において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S102がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S102において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S102がYES判定の場合)、メインCPU71は、大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S103)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)をセットする(S104)。次いで、メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタをクリアする(S105)。次いで、メインCPU71は、大入賞口開放時間を待ち時間タイマにセットする(S106)。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中データをセットする(S107)。大入賞口開放中データは、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放中であることを示すデータである。この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。このように変数を更新することにより、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に係るソレノイドアクチュエータを駆動して第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放状態にする。そして、S107の処理後、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
[大当り終了インターバル処理]
次に、図44を参照して、特別図柄制御処理(図37参照)中のS19で行う大当り終了インターバル処理について説明する。なお、図44は、本実施形態における大当り終了インターバル処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(S111)。
S111において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S111において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S112)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S112において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S112がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。一方、S112において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S112がYES判定の場合)、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをクリアする(S113)。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S114)。次いで、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S115)。
次いで、メインCPU71は、確変フラグの値が「1」であるか(確変フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S116)。上述のように、本実施形態では、大当り遊技終了後、遊技状態が「確変遊技状態」になるので、確変フラグの値も「1」である。それゆえ、本実施形態では、通常、S116はYES判定となる。なお、図24に示す大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値が規定されている場合には、S116において、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別に応じて、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
S116において、メインCPU71が、確変フラグの値が「1」でないと判別した場合(S116がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS119の処理を行う。一方、S116において、メインCPU71が、確変フラグの値が「1」であると判別した場合(S116がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグに、「確変遊技状態」をセットする(S117)。次いで、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値に「200」をセットする(S118)。
そして、S118の処理後、又は、S116がNO判定の場合、メインCPU71は、時短フラグの値が「1」であるか(時短フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S119)。この処理では、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別、及び、大当り当選時の遊技状態に応じて、時短フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
S119において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」であると判別した場合(S119がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグに、「時短遊技状態」をセットする(S120)。次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別、及び、大当り当選時の遊技状態に応じて、対応する時短回数の値を時短状態変動回数カウンタにセットする(S121)。そして、S121の処理後、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
一方、S119において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」でないと判別した場合(S119がNO判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグに、「非時短遊技状態」をセットする(S122)。そして、S122の処理後、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図37参照)に戻す。
[普通図柄制御処理]
次に、図45を参照して、主制御メイン処理(図36参照)中のS4で行う普通図柄制御処理について説明する。図45は、本実施形態における普通図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図45に示すフローチャート中の各処理ステップの符号の下に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグをロードする(S131)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU71は、S131でロードされた普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のS132〜S136の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通制御制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S132〜S136のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S132〜S136の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図46参照)も実行する。
そして、S131の処理が終了すると、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を行う(S132)。
この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。また、メインCPU71は、この処理において、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄変動時間監視処理(S133)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S132の処理で決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を行う(S133)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄表示時間監視処理(S134)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S133の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を行う(S134)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、S133の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU71は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通電動役物開放処理(S135)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S136)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、S134において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(S135)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物46の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、及び、普通電動役物46の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判断する。
S135において、上記一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、普通電動役物46である羽根部材を閉鎖状態にするため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S136)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(S136)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、この処理により、S136の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(S132)が実行されるように設定される。
そして、S136の処理後、メインCPU71は、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図36)のS5に移す。
[システムタイマ割込処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、メインCPU71は、メイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込処理を実行する。具体的には、メインCPU71は、リセット用クロックパルス発生回路74から所定周期(例えば2ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。ここで、図46を参照して、メインCPU71により実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図46は、本実施形態におけるシステムタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、各レジスタのデータ(情報)を退避させる(S141)。次いで、メインCPU71は、乱数更新処理を行う(S142)。この処理では、メインCPU71は、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ、当り判定用カウンタ、転落判定用カウンタ、変動パターン決定用カウンタ、演出パターン決定用カウンタなどから抽出される各種乱数値を更新する。なお、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠ける。そのため、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、公正さを担保するために2ミリ秒毎の決まったタイミングで更新を行う。
次いで、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を行う(S143)。この処理では、メインCPU71は、各種始動口、各種入賞口及び球通過検出器43への入賞又は通過を検出する。なお、スイッチ入力検出処理の詳細については、後述の図47を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、タイマ更新処理を行う(S144)。具体的には、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等の各種タイマの更新処理を行う。
次いで、メインCPU71は、コマンド出力処理を行う(S145)。この処理では、メインCPU71は、副制御回路200のサブCPU201に、例えば、入賞コマンド、変動コマンド等の各種コマンドを出力する。
次いで、メインCPU71は、遊技情報出力処理を行う(S146)。この処理では、メインCPU71は、遊技店のホールコンピュータ等に、主制御回路70、副制御回路200、払出・発射制御回路123等で処理される遊技に係る各種情報が出力される。
次いで、メインCPU71は、S141で退避させた各レジスタのデータを復帰させる(S147)。そして、S147の処理後、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
次に、図47を参照して、システムタイマ割込処理(図46参照)中のS143で行うスイッチ入力検出処理について説明する。なお、図47は、本実施形態におけるスイッチ入力検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、始動口通過検出処理を行う(S151)。この処理では、メインCPU71は、第1始動口44又は第2始動口45に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44a又は第2始動口入賞球センサ45aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。なお、始動口通過検出処理の詳細については、後述の図48を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、一般入賞口通過検出処理を行う(S152)。この処理では、メインCPU71は、一般入賞口51又は52に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、一般入賞球センサ51a又は52aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、一般入賞口51又は52への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、大入賞口通過検出処理を行う(S153)。この処理では、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、第1大入賞口ソレノイド53b又は第2大入賞口ソレノイド54bにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、第1大入賞口53又は第2大入賞口54への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、ゲート通過検出処理を行う(S154)。この処理では、メインCPU71は、遊技球が球通過検出器43を通過したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、通過球センサ43aにより遊技球の通過が検出されたか否かを検出する。そして、遊技球が球通過検出器43を通過したことが検出された場合には、メインCPU71は、該通過に対応する所定の各種処理を行う。そして、S154の処理後、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図46参照)のS144に移す。
[始動口通過検出処理]
次に、図48を参照して、スイッチ入力検出処理(図47参照)中のS151で行う始動口通過検出処理について説明する。なお、図48は、本実施形態における始動口通過検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aの出力信号に基づいて、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S161)。
S161において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS167の処理を行う。一方、S161において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S162)。本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞すると3個の遊技球が払い出される。それゆえ、S162の処理では、3個の遊技球の払出情報がセットされる。
S162の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S163)。
S163において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS167の処理を行う。一方、S163において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S163がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S164)。
S164の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S165)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得する。次いで、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドデータをメインRAM73にセットする(S166)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた第1始動口入賞の保留個数増加コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。
S166の処理後、又は、S161或いはS163がNO判定の場合、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aの出力信号に基づいて、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S167)。
S167において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S167がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図47参照)のS152に移す。一方、S167において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S167がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S168)。本実施形態では遊技球が第2始動口45に入賞すると、3個の遊技球が払い出される。それゆえ、S168の処理では、3個の遊技球の払出情報がセットされる。
S168の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S169)。
S169において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S169がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図47)のS152に移す。一方、S169において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S169がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S170)。S170の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S171)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドデータをメインRAM73にセットする(S172)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた第2始動口入賞の保留個数増加コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。そして、S172の処理後、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図47)のS152に移す。
上述のように、始動口通過検出処理では、特別図柄の変動表示期間中に始動口入賞が発生した場合、該入賞時に行われる抽選結果(各種乱数値)を保留球として記憶し、この処理は、主制御回路70により実行される。すなわち、主制御回路70は、特別図柄の変動表示期間中に始動口入賞が発生した場合に該入賞時に行われる抽選結果を保留球として記憶する手段(保留球記憶手段)を兼ねる。
<副制御回路の動作説明>
次に、図49〜図56を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について説明する。副制御回路200は、主制御回路70から送信された各種コマンドを受信し、該各種コマンドに基づいて各種処理を行う。
[副制御メイン処理]
最初に、図49を参照して、サブCPU201の制御による副制御メイン処理について説明する。図49は、本実施形態における副制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。なお、副制御メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
まず、サブCPU201は、初期化処理を行う(S181)。この処理では、サブCPU201は、例えば、ワークRAM203のアクセス許可処理、ワークRAM203の作業領域の初期化処理等の各種初期設定処理を行う。
次いで、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S182)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に格納された乱数値を更新する。
次いで、サブCPU201は、コマンド解析処理を行う(S183)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドの内容を解析する。なお、コマンド解析処理の詳細については、後述の図50を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、演出処理を行う(S184)。この処理では、サブCPU201は、上述した各演出モードにおける各種報知演出及び先読み特化ゾーン演出の実行に必要な各種データがセット(登録)される。なお、このS184の処理で行われる、各種演出の登録(設定)処理については、後述の図57〜図59を参照しながら、演出毎に別途説明する。
次いで、サブCPU201は、表示制御処理を行う(S185)。この処理では、まず、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像を表示するためのデータを表示制御回路205に送信する。次いで、表示制御回路205内に設けられたVDP(Video Display Processor)は、サブCPU201から供給されたデータに基づいて、装飾図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなどの各種画像データを画像データROMから読み出す。そして、VDPは、読み出した各種の画像データを重ね合わせて、表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像を表示させる。
次いで、サブCPU201は、音声制御処理を行う(S186)。この処理では、サブCPU201は、音声制御回路206を制御して、スピーカ11から発生させる音声の制御処理を行う。次いで、サブCPU201は、ランプ制御処理を行う(S187)。この処理では、サブCPU201は、ランプ制御回路207を制御して、ランプ群18の発光制御を行う。そして、S187の処理後、サブCPU201は、処理をS182の処理に戻し、S182以降の処理を繰り返す。
上述のように、本実施形態では、上記S184〜S187の一連の演出制御処理により、上述した各種演出が副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、例えば、上述した先読み特化ゾーン開始前の演出や先読み特化ゾーン開始時の演出などを実行する手段(第1事前演出制御手段)や、上述した先読み特化ゾーン中の演出を実行する手段(第2事前演出制御手段)も兼ねる。また、副制御回路200は、上述したモードAで行う潜確期待度報知演出の動作を制御する手段(期待度報知手段)、上述したモードBで行う潜確回数報知演出の動作を制御する手段(第1抽選回数報知手段)、及び、上述したモードCで行う時短回数報知演出の動作を制御する手段(第2抽選回数報知手段)も兼ねる。さらに、副制御回路200は、上述した通常モードの特殊演出ステージで行うストック擬似連演出の中の「ストック演出」の動作を制御する手段(擬似連前演出手段)や、「擬似連演出」の動作を制御する手段(擬似連演出手段)も兼ねる。
[コマンド解析処理]
次に、図50を参照して、副制御メイン処理(図49参照)中のS183で行うコマンド解析処理について説明する。なお、図50は、本実施形態におけるコマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、後述する副制御回路割込処理(後述の図56参照)において受信したコマンドがあるか否かを判別する(S191)。具体的には、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに受信したコマンドが記憶されているか否かを判別する。
S191において、サブCPU201が、受信したコマンドがないと判別した場合(S191がNO判定の場合)、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)のS184に移す。一方、S191において、サブCPU201が、受信したコマンドがあると判別した場合(S191がYES判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドを読み出し、該受信コマンドの内容を解析する(S192)。
次いで、サブCPU201は、S192の受信コマンドの解析結果に基づいて、受信コマンドが入賞コマンド(入賞パターンの内容を指定するコマンド)であるか否かを判別する(S193)。
S193において、サブCPU201が、受信したコマンドが入賞コマンドであると判別した場合(S193がYES判定の場合)、サブCPU201は、先読み演出フラグ決定処理を行う(S194)。この処理では、サブCPU201は、先読み演出フラグテーブル(図27参照)を参照し、入賞パターンに基づいて、抽選により、変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値(「0」又は「1」)を選択してセットする。なお、先読み演出フラグ決定処理の詳細については、後述の図51を参照しながら後で説明する。そして、S194の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)のS184に移す。
一方、S193において、サブCPU201が、受信したコマンドが入賞コマンドでないと判別した場合(S193がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドが変動コマンド(特別図柄の変動パターンの内容を指定するコマンド)であるか否かを判別する(S195)。
S195において、サブCPU201が、受信したコマンドが変動コマンドであると判別した場合(S195がYES判定の場合)、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を行う(S196)。この処理では、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の各種変動演出パターン(先読み特化ゾーン演出及びストック擬似連演出の演出パターンを含む)を決定する。なお、変動演出パターン決定処理の詳細については、後述の図52及び図53を参照しながら後で説明する。そして、S196の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)のS184に移す。
一方、S195において、サブCPU201が、受信したコマンドが変動コマンドでないと判別した場合(S195がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドであるか否かを判別する(S197)。
S197において、サブCPU201が、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドであると判別した場合(S197がYES判定の場合)、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドに基づいて、表示装置13の表示領域13aに導出表示させる装飾図柄を決定する(S198)。そして、S198の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)のS184に移す。
一方、S197において、サブCPU201が、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドでないと判別した場合(S197がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信コマンドに対応する演出制御データをセットする(S199)。そして、S199の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)のS184に移す。
[先読み演出フラグ決定処理]
次に、図51を参照して、コマンド解析処理(図50参照)中のS194で行う先読み演出フラグ決定処理について説明する。なお、図51は、本実施形態における先読み演出フラグ決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、先読み演出フラグテーブル(図27参照)を参照し、入賞コマンド(受信コマンドの解析結果により得られた入賞パターン)に基づいて、変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値(「0」又は「1」)を選択する(S201)。なお、本実施形態では、入賞コマンドに基づいて抽選により変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値が決定されるが、本発明はこれに限定されず、入賞コマンドや演出の種類等に応じて一意的に変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値が決定されるようにしてもよい。
次いで、サブCPU201は、選択された変動先読みフラグの値をワークRAM203の所定領域に登録する(S202)。次いで、サブCPU201は、選択された先読み特化ゾーンフラグの値が「1」であるか否かを判別する(S203)。
S203において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」でないと判別した場合(S203がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み演出フラグ決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。一方、S203において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」であると判別した場合(S203がYES判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値をワークRAM203の所定領域に登録する(S204)。
次いで、サブCPU201は、保留されている特別図柄の可変表示(保留球)の中から、所定の特別図柄の可変表示(保留球)に対して先読み特化ゾーン開始フラグを登録する(S205)。なお、この処理において、先読み特化ゾーン開始フラグがセットされる特別図柄の可変表示(保留球)は抽選処理により決定される。この処理により、先読み特化ゾーン開始フラグが登録された所定の特別図柄の変動表示から先読み特化ゾーンが開始される。
次いで、サブCPU201は、保留されている特別図柄の可変表示(保留球)の中から、先読み特化ゾーンへの移行が決定された特別図柄の可変表示(保留球)に対して先読み特化ゾーン終了フラグを登録する(S206)。なお、先読み特化ゾーン終了フラグは、先読み特化ゾーン演出を終了するか否かを示すフラグであり、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」である場合には、先読み特化ゾーン演出を終了し、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「0」である場合には、先読み特化ゾーン演出を継続する。すなわち、先読み特化ゾーンへの移行が決定された特別図柄の可変表示(保留球)以外の先読み特化ゾーン演出に係る保留球では、先読み特化ゾーン終了フラグの値は「0」となる。
そして、S206の処理後、サブCPU201は、先読み演出フラグ決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。
上述のように、先読み演出フラグ決定処理では、始動口入賞時に取得される入賞パターンの内容(保留球の内容)に基づいて、先読み演出(事前演出)を実行するか否かを決定し、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、先読み演出(事前演出)を実行するか否かを決定する手段(事前演出決定手段)を兼ねる。
[変動演出パターン決定処理]
次に、図52及び図53を参照して、コマンド解析処理(図50参照)中のS196で行う変動演出パターン決定処理について説明する。なお、図52及び図53は、本実施形態における変動演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、現在の演出モードが通常モードであり且つ演出ステージがストック擬似連演出を行う特殊演出ステージであるか否かを判別する(S211)。なお、通常モード中には、演出ステージを、ストック擬似連演出を行う特殊演出ステージに移行させるか否かの抽選が行われる。
S211において、サブCPU201が、演出モードが通常モードであり且つ演出ステージがストック擬似連演出を行う特殊演出ステージであると判別した場合(S211がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS218の処理を行う。一方、S211において、サブCPU201が、演出モードが通常モードであり且つ演出ステージがストック擬似連演出を行う特殊演出ステージでないと判別した場合(S211がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S212)。
S212において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」であると判別した場合(S212がYES判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を行う(S217)。なお、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の詳細については、後述の図54を参照しながら後で説明する。そして、S217の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。
一方、S212において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」でないと判別した場合(S212がNO判定の場合)、サブCPU201は、変動先読みフラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S213)。
S213において、サブCPU201が、変動先読みフラグの値が「1」でないと判別した場合(S213がNO判定の場合)、サブCPU201は、図28の変動演出テーブル(先読み無し)を参照し、受信コマンド(変動コマンド)の解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み演出無し時の変動演出パターンを決定する(S214)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図28の変動演出テーブル(先読み無し)に規定されている演出パターン及び擬似連演出フラグを選択する。また、この処理では、サブCPU201は、決定された変動演出パターンをワークRAM203に記憶する。そして、S214の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。
一方、S213において、サブCPU201が、変動先読みフラグの値が「1」であると判別した場合(S213がYES判定の場合)、サブCPU201は、図29の変動演出テーブル(先読み有り)を参照し、受信コマンド(変動コマンド)の解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み演出有り時の変動演出パターンを決定する(S215)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図29の変動演出テーブル(先読み有り)に規定されている演出パターン、並びに、図柄演出及び/又は背景演出を選択する。また、この処理では、サブCPU201は、決定された変動演出パターンをワークRAM203に記憶する。
S215の処理後、サブCPU201は、変動先読みフラグの値を「0」にセットする(S216)。そして、S216の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。
ここで、再度、S211の処理の説明に戻り、S211がYES判定の場合に行われる処理について説明する。S211がYES判定の場合、サブCPU201は、図33の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により、特殊演出ステージにおける変動演出パターンを決定する(S218)。具体的には、サブCPU201は、受信コマンド(変動コマンド)の解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、図33の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている演出パターン及びストック擬似連擬似連演出フラグを選択する。そして、サブCPU201、決定された変動演出パターンをワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、ストック擬似連演出フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S219)。S219において、サブCPU201が、ストック擬似連演出フラグの値が「1」でないと判別した場合(S219がNO判定の場合)、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。
一方、S219において、サブCPU201が、ストック擬似連演出フラグの値が「1」であると判別した場合(S219がYES判定の場合)、サブCPU201は、ストック擬似連演出パターン決定処理を行う(S220)。この処理では、サブCPU201は、例えば、ストック擬似連演出における擬似連回数、各種マスコットの出現態様等を決定する。なお、ストック擬似連演出パターン決定処理の詳細については、後述の図55を参照しながら後で説明する。そして、S220の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図50参照)も終了する。
[先読み特化ゾーン演出パターン決定処理]
次に、図54を参照して、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)中のS217で行う先読み特化ゾーン演出パターン決定処理について説明する。なお、図54は、本実施形態における先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S231)。すなわち、この判定処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン開始時の演出を行う特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S231において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」であると判別した場合(S231がYES判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン開始時の演出を行う場合、サブCPU201は、図31の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始時の演出における変動演出パターンを決定する(S232)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図31の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている演出パターン、並びに、図柄演出及び背景演出を選択する。
S232の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン開始フラグの値を「0」にセットする(S233)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「1」にセットする(S234)。そして、S234の処理後、サブCPU201は、後述のS238の処理を行う。
一方、S231において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」でないと判別した場合(S231がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S235)。すなわち、この判定処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン中の演出を行う特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。なお、先読み特化ゾーン中フラグの値は、上記S234の処理で説明したように、先読み特化ゾーン開始時の演出の変動演出パターンが決定された際に「1」(オン状態)にセットされる。
S235において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であると判別した場合(S235がYES判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン中の演出を行う場合、サブCPU201は、図32の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン中の演出における変動演出パターンを決定する(S236)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図32の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)に規定されている演出パターンを選択する。そして、S236の処理後、サブCPU201は、後述のS238の処理を行う。
一方、S235において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S235がNO判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン開始前の演出を行う場合、サブCPU201は、図30の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始前の演出における変動演出パターンを決定する(S237)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図30の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)に規定されている演出パターン、並びに、図柄演出又は背景演出を選択する。そして、S237の処理後、サブCPU201は、後述のS238の処理を行う。
S234、S236又はS237の処理後、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S238)。すなわち、この処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーンへの移行が決定された保留球に対応する特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S238において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」でないと判別した場合(S238がNO判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出が継続される場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)も終了する。
一方、S238において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」であると判別した場合(S238がYES判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出を終了する場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値を「0」にセットする(S239)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「0」にセットする(S240)。そして、S240の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)も終了する。
[ストック擬似連演出パターン決定処理]
次に、図55を参照して、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)中のS220で行うストック擬似連演出パターン決定処理について説明する。なお、図55は、本実施形態におけるストック擬似連演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、図34の擬似連回数決定テーブルを参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、擬似連回数を決定する(S251)。そして、サブCPU201は、該決定された擬似連回数をワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、図34の擬似連回数決定テーブルを参照し、S251で決定された擬似連回数に基づいて、マスコットC出現数を決定する(S252)。この処理では、サブCPU201は、擬似連回数に基づいて抽選によりマスコットC出現数を決定してもよい。そして、サブCPU201は、該決定されたマスコットC出現数をワークRAM203に記憶する。なお、本実施形態では、図34の擬似連回数決定テーブルに示すように、特別図柄の変動パターンに基づいて、ストック擬似連演出における擬似連回数及びマスコットC出現数を同時に決定することができる場合には、S251及びS252の処理を同時に行ってもよい。
次いで、サブCPU201は、図35のマスコット出現数決定テーブルを参照し、S252で決定されたマスコットC出現数に基づいて、抽選により、マスコットA出現数及びマスコットB出現数を決定する(S253)。そして、サブCPU201は、該決定されたマスコットA出現数及びマスコットB出現数をワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、S253で決定されたマスコットA出現数及びマスコットB出現数に基づいて、ストック擬似連演出における、マスコットA及びマスコットBの出現態様(例えば、各マスコットが出現するタイミング、各マスコットの出現順序等)を決定する(S254)。そして、S254の処理後、サブCPU201は、ストック擬似連演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)も終了する。
上述のように、ストック擬似連演出パターン決定処理のS252では、擬似連回数に基づいて、マスコットCの出現回数(マスコットCの出現演出の実行回数)を決定し、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、擬似連回数に基づいて、マスコットCの出現回数を決定する手段(第1演出回数決定手段)を兼ねる。また、ストック擬似連演出パターン決定処理のS253では、マスコットCの出現回数に基づいて、マスコットA及びBの出現回数(マスコットA及びBの出現演出の実行回数)を決定し、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、マスコットCの出現回数に基づいて、マスコットA及びBの出現回数を決定する手段(第2演出回数決定手段)も兼ねる。
[副制御回路割込処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、サブCPU201は、副制御メイン処理の実行中であっても、所定周期で、副制御メイン処理を中断し、割込処理を実行する。具体的には、サブCPU201は、副制御回路200内のリセット用クロックパルス発生回路(不図示)から所定周期(例えば2ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、割込処理を実行する。
ここで、図56を参照して、サブCPU201により実行される副制御回路割込処理について説明する。なお、図56は、本実施形態における副制御回路割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S261)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に格納された乱数値を更新する。また、この際、サブCPU201は、演出パターン決定用カウンタの値を「1」増加させるように、乱数更新処理を行う。
次いで、サブCPU201は、コマンド受信処理を行う(S262)。この処理では、サブCPU201は、各種制御回路(主制御回路70、表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207等)から副制御回路200に送信された各種コマンドを受信する。
次いで、サブCPU201は、タイマ更新処理を行う(S263)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された、各種処理時間をカウントするための各種タイマを更新する。
次いで、サブCPU201は、コマンド出力処理を行う(S264)。この処理では、サブCPU201は、各種制御回路(表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207等)に各種コマンドを出力する。
そして、S264の処理後、サブCPU201は、副制御回路割込処理を終了する。これにより、処理プログラムのアドレスが割込処理発生前のアドレスに戻る。
<副制御回路による各種報知処理>
次に、図49で説明した副制御メイン処理中の演出処理(S184)で行う各種報知演出の登録処理(演出の実行に必要な各種データのセット処理)について説明する。具体的には、上記図8〜図17で説明したモードAで行う潜確期待度報知演出の登録処理(潜確期待度報知処理)、モードBで行う潜確回数報知演出の登録処理(潜確回数報知処理)、及び、モードCで行う時短回数報知演出の登録処理(時短回数報知処理)の内容について説明する。なお、演出処理(S184)内における、潜確期待度報知処理、潜確回数報知処理及び時短回数報知処理の処理順序は任意に設定することができる。
[潜確期待度報知処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出モードがモードAである場合、潜確期待度報知演出が行われる(図13参照)。ここで、図57を参照して、モードAにおいて、サブCPU201により実行される潜確期待度報知処理(ランク演出の登録処理)について説明する。なお、図57は、本実施形態における潜確期待度報知処理の手順を示すフローチャートである。
この図57に示す処理では、主に、モードAにおける変動時の演出の決定処理と、モードAの演出態様(潜確期待度の報知態様)を変更するか否かの決定処理とが行われる。モードAでは、非変動時においても、表示装置13の表示領域13aに表示される非変動時の背景等で潜確期待度の報知が行われており、図57に示す処理では、変動時の抽選結果に基づいて、変動前(非変動時)に表示されているモードAの演出態様(潜確期待度の報知態様)を変更するか否かが抽選により決定される。
まず、サブCPU201は、現在の演出モードがモードAであるか否かを判別する(S271)。本実施形態では、ワークRAM203には、現在実行中の演出モードの種別を管理するためのフラグ(通常モード選択中フラグ、モードA選択中フラグ〜モードD選択中フラグ)が設けられる。そして、S271の処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に格納されたモードA選択中フラグの値(「0」又は「1」)を参照して、演出モードがモードAであるか否かを判別する。なお、モードA選択中フラグの値が「1」である場合には、モードAの演出が実行されていることを示す。
S271において、サブCPU201が、現在の演出モードがモードAでないと判別した場合(S271がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。一方、S271において、サブCPU201が、現在の演出モードがモードAであると判別した場合(S271がYES判定の場合)、サブCPU201は、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを判別する(S272)。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、例えば、特別図柄の変動表示毎、遊技状態フラグの更新毎、所定時間毎等の契機にメインCPU71からサブCPU201に各種コマンドが送信され、それらのコマンドには、メインCPU71が制御する遊技状態に関する情報(例えば、時短フラグの値、確変フラグの値等)も含まれる。それゆえ、S272の処理では、サブCPU201は、メインCPU71から送信された各種コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(確変フラグの値)を参照して、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを判別する。
S272において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」であると判別した場合(S272がYES判定の場合)、サブCPU201は、確変状態用ランク演出テーブル(不図示)を参照し、所定の演出を選択する(S273)。一方、S272において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」でないと判別した場合(S272がNO判定の場合)、サブCPU201は、通常状態用ランク演出テーブル(不図示)を参照し、所定の演出を選択する(S274)。なお、図示しないが、本実施形態では、確変状態用ランク演出テーブルにおけるランクアップ演出の選択確率は、通常状態用ランク演出テーブルにおけるランクアップ演出の選択確率より高くなるように設定されている。
そして、S273又はS274の処理後、サブCPU201は、選択された演出がランクアップ演出であるか否かを判別する(S275)。
S275において、サブCPU201が、選択された演出がランクアップ演出であると判別した場合(S275がYES判定の場合)、サブCPU201は、現在の演出ステージがステージ3であるか否かを判別する(S276)。
S276において、サブCPU201が、現在の演出ステージがステージ3でないと判別した場合(S276がNO判定の場合)、サブCPU201は、ステージ移行演出をセットする(S277)。なお、ステージ移行演出では、演出ステージが現在の演出ステージより潜確期待度の高い演出ステージに移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。例えば、現在の演出ステージがステージ1である場合には、演出ステージがステージ2に移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。そして、S277の処理後、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
一方、S276において、サブCPU201が、現在の演出ステージがステージ3であると判別した場合(S276がYES判定の場合)、サブCPU201は、モードBへの移行演出をセットする(S278)。なお、モードBへの移行演出では、演出モードがモードAからモードBに移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。そして、S278の処理後、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
ここで、再度、S275の処理の説明に戻って、S275において、サブCPU201が、選択された演出がランクアップ演出でないと判別した場合(S275がNO判定の場合)、サブCPU201は、選択された演出がモードAの終了演出であるか否かを判別する(S279)。
S279において、サブCPU201が、選択された演出がモードAの終了演出であると判別した場合(S279がYES判定の場合)、サブCPU201は、通常モードへの移行演出をセットする(S280)。なお、通常モードへの移行演出では、演出モードがモードAから通常モードに移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。そして、S280の処理後、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
一方、S279において、サブCPU201が、選択された演出がモードAの終了演出でないと判別した場合(S279がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。この際(「ランクアップ演出」及び「終了演出」のいずれもが選択されなかった場合)、サブCPU201は、通常用又は確変用ランクテーブルから選択された演出をセットした後、潜確期待度報知処理を終了する。なお、ランク演出テーブルが、「ランクアップ演出」及び「終了演出」以外に、例えば、ランクダウンする演出やステージに特有の演出などが選択できるような構成になっている場合には、S279がNO判定のとき、サブCPU201は、例えば、ランクダウンする演出やステージに特有の演出などに対応する所定の演出がセットされる。
[潜確回数報知処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出モードがモードBである場合、残り潜確回数を3段階(ステージA〜ステージC)に分けて報知する演出(潜確回数報知演出)が行われる(図13参照)。ここで、図58を参照して、モードBにおいて、サブCPU201により実行される潜確回数報知処理について説明する。なお、図58は、本実施形態における潜確回数報知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、演出モードがモードBであるか否かを判別する(S291)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に格納されたモードB選択中フラグの値(「0」又は「1」)を参照して、演出モードがモードBであるか否かを判別する。なお、本実施形態では、次の3つの条件のいずれかが満たされた場合、S291がYES判定となる。
(1)遊技状態が「潜確遊技状態」であり、且つ、モードAのステージ3で昇格抽選に当選した場合。
(2)非時短遊技状態において、「大当り」に当選した場合。
(3)モードBが実行中である場合。
S291において、サブCPU201が、演出モードがモードBでないと判別した場合(S291がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。一方、S291において、サブCPU201が、演出モードがモードBであると判別した場合(S291がYES判定の場合)、サブCPU201は、残り潜確回数が200回〜120回の範囲内の回数であるか否かを判別する(S292)。
本実施形態では、図示しないが、副制御回路200に、主制御回路70で管理される残り潜確回数を別途、計数するための専用カウンタを設ける。そして、S292の処理では、サブCPU201は、この残り潜確回数計数用の専用カウンタの値に基づいて残り潜確回数の判定処理を行う。
なお、本実施形態では、主制御回路70において残り潜確回数が更新される度に、主制御回路70から副制御回路200に所定のコマンドが送信され、副制御回路200は、受信した所定のコマンドに基づいて残り潜確回数計数用の専用カウンタの値を更新する。それゆえ、本実施形態では、主制御回路70で管理される残り潜確回数と副制御回路200で管理される残り潜確回数とは同期して更新される。また、この際、サブCPU201は、所定のコマンドを受信したことに基づいて残り潜確回数計数用の専用カウンタの値を更新してもよい。さらに、所定のコマンドに残り潜確回数に関する情報が含まれている場合には、サブCPU201は、S292の処理において、その残り潜確回数に関する情報を参照して、残り潜確回数を判別してもよい。
S292において、サブCPU201が、残り潜確回数が200回〜120回の範囲内の回数であると判別した場合(S292がYES判定の場合)、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aにステージAに関する情報を表示(報知)するためのデータをセットする(S293)。そして、S293の処理後、サブCPU201は、後述のS297の処理を行う。
一方、S292において、サブCPU201が、残り潜確回数(残りST回数)が200回〜120回の範囲内の回数でないと判別した場合(S292がNO判定の場合)、サブCPU201は、残り潜確回数が119回〜50回の範囲内の回数であるか否かを判別する(S294)。
S294において、サブCPU201が、残り潜確回数が119回〜50回の範囲内の回数であると判別した場合(S294がYES判定の場合)、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aにステージBに関する情報を表示(報知)するためのデータをセットする(S295)。そして、S295の処理後、サブCPU201は、後述のS297の処理を行う。
一方、S294において、サブCPU201が、残り潜確回数が119回〜50回の範囲内の回数でないと判別した場合(S294がNO判定の場合)、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aにステージCに関する情報を表示(報知)するためのデータをセットする(S296)。そして、S296の処理後、サブCPU201は、後述のS297の処理を行う。
S293、S295又はS296の処理後、サブCPU201は、残り潜確回数が0回であるか否かを判別する(S297)。
S297において、サブCPU201が、残り潜確回数が0回でないと判別した場合(S297がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。一方、S297において、サブCPU201が、残り潜確回数が0回であると判別した場合(S297がYES判定の場合)、サブCPU201は、演出モードをモードBから通常モードに移行させる(S298)。そして、S298の処理後、サブCPU201は、潜確回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
[時短回数報知処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出モードがモードCである場合、時短回数報知演出が行われる(図14参照)。ここで、図59を参照して、モードCにおいて、サブCPU201により実行される時短回数報知処理について説明する。図59は、本実施形態における時短回数報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、図17で説明したように、継続演出時(報知回数=0)には、残り時短回数の報知演出(上乗せ数表示演出)以外に、大当り演出、モードDへの移行演出、モードBへの移行演出等が行われる場合もあるが、図59には、説明の便宜上、残り時短回数の報知演出以外のこれらの演出処理(報知処理)についての記載は省略し、残りの時短回数の報知処理に特化したフローチャートを示す。
まず、サブCPU201は、遊技状態が「大当り遊技状態」中であるか否かを判別する(S301)。この処理では、サブCPU201は、メインCPU71から送信された所定のコマンドに含まれる遊技状態に関する情報を参照して、遊技状態が「大当り遊技状態」中であるか否かを判別する。この所定のコマンドは、例えば、特別図柄の変動表示毎、遊技状態に関する情報の更新毎、所定時間毎等のタイミングで、メインCPU71からサブCPU201に送信される。
S301において、サブCPU201が、遊技状態が「大当り遊技状態」中でないと判別した場合(S301がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS305の処理を行う。一方、S301において、サブCPU201が、遊技状態が「大当り遊技状態」中であると判別した場合(S301がYES判定の場合)、サブCPU201は、「大当り遊技状態」の「大当り」の種別が「時短有りの大当り」であるか否かを判別する(S302)。この処理では、サブCPU201は、図49に示す副制御メイン処理中のコマンド解析処理(S183)の結果に基づいて、「大当り」の種別が、時短回数が付与される種別であるか否かを判別する。
S302において、サブCPU201が、「大当り」の種別が「時短有りの大当り」でないと判別した場合(S302がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS305の処理を行う。
一方、S302において、サブCPU201が、「大当り」の種別が「時短有りの大当り」であると判別した場合(S302がYES判定の場合)、サブCPU201は、予め設定された時短回数の報知パターンをワークRAM203にセットする(S303)。次いで、サブCPU201は、最初の残り時短報知回数(初期報知回数)をワークRAM203にセットする(S304)。すなわち、本実施形態では、演出モードがモードCに移行する前の大当り遊技中に、時短回数の報知パターン及び初期報知回数が決定される。この際、初期報知回数は、「大当り」の種別(図柄指定コマンド)毎に設定されている時短回数の上限値以下の値に設定される。例えば、図14で説明した例では時短回数の上限値が200回であり、初期報知回数は60回である。
また、本実施形態では、図示しないが、副制御回路200に、残り時短遊技の報知回数を計数する専用カウンタを設ける。そして、時短遊技の開始時(演出モードがモードCに移行した際)に、初期報知回数がこの報知回数計数用の専用カウンタにセットされる。
そして、S304の処理後、又は、S301或いはS302がNO判定の場合、サブCPU201は、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを判別する(S305)。
S305において、サブCPU201が、遊技状態が「時短遊技状態」でないと判別した場合(S305がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。一方、S305において、サブCPU201が、遊技状態が「時短遊技状態」であると判別した場合(S305がYES判定の場合)、サブCPU201は、現在の残り時短回数を取得する(S306)。なお、この処理では、サブCPU201は報知回数の更新処理も行う。具体的には、サブCPU201は、報知回数計数用の専用カウンタの値を「1」減算する。
本実施形態では、図示しないが、副制御回路200に、主制御回路70で管理される残り時短回数(時短遊技の実行回数)を別途、計数するための専用カウンタを設ける。そして、S306の処理では、サブCPU201は、この残り時短回数計数用の専用カウンタの値に基づいて残り時短回数の判定処理を行う。なお、本実施形態では、主制御回路70において残り時短回数が更新される度に、主制御回路70から副制御回路200に所定のコマンドが送信され、副制御回路200は、受信した所定のコマンドに基づいて残り時短回数計数用の専用カウンタの値を更新する。
それゆえ、本実施形態では、主制御回路70で管理される残り時短回数と副制御回路200で管理される残り時短回数とは同期して更新される。なお、この際、サブCPU201は、所定のコマンドを受信したことに基づいて残り時短回数計数用の専用カウンタの値を更新してもよい。また、所定のコマンドに残り時短回数に関する情報が含まれている場合には、サブCPU201は、S306の処理において、その残り時短回数に関する情報を参照して、残り時短回数を判別してもよい。
次いで、サブCPU201は、報知回数が「0」であるか否かを判別する(S307)。なお、この処理では、サブCPU201は、報知回数計数用の専用カウンタの値を参照して、報知回数が「0」であるか否かを判別する。
S307において、サブCPU201が、報知回数が「0」であると判別した場合(S307がYES判定の場合)、サブCPU201は、残り時短回数が「0」であるか否かを判別する(S308)。
S308において、サブCPU201が、残り時短回数が「0」であると判別した場合(S308がYES判定の場合)、サブCPU201は、時短終了の報知情報をセットする(S309)。そして、S309の処理後、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
一方、S308において、サブCPU201が、残り時短回数が「0」でないと判別した場合(S308がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短遊技の継続演出をセットする(S310)。
次いで、サブCPU201は、報知回数の上乗せ更新処理を行う(S311)。この処理では、サブCPU201は、現在の残り時短回数以下の回数を報知回数として新たにセットする(報知回数を上乗せする)。例えば、図14に示す例では、S311の処理で、40回の報知回数が上乗せされる。なお、この際に上乗せされる報知回数は、予め決められた回数(ただし、現在の残り時短回数以下の回数)であってもよいし、現在の残り時短回数に基づいて抽選により上乗せされる報知回数を決定してもよい。そして、S311の処理後、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
なお、報知回数が「0」であり、且つ、残り時短回数が「0」でない場合の処理は、上記S310及びS311の処理に限定されない。例えば、この時点で演出モードのモードDへの移行が決定されている場合には、上記S310及びS311の処理だけでなく、モードDへの移行演出も同時に行うようにしてもよい。
ここで、再度、S307の処理の説明に戻って、S307において、サブCPU201が、報知回数が「0」でないと判別した場合(S307がNO判定の場合)、サブCPU201は、S303でセットされた報知パターンに基づいて、実行中の時短回数の報知パターンが予告演出(予告報知)を行う報知パターンであるか否かを判別する(S312)。
S312において、サブCPU201が、実行中の時短回数の報知パターンが予告演出を行う報知パターンでないと判別した場合(S312がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
一方、S312において、サブCPU201が、実行中の時短回数の報知パターンが予告演出を行う報知パターンであると判別した場合(S312がYES判定の場合)、サブCPU201は、S303でセットされた報知パターンに基づいて、現在の特別図柄の変動表示が予告演出を行うタイミングであるか否かを判別する(S313)。なお、予告演出するタイミングは、時短遊技中において、特別図柄の変動表示毎に抽選により決定してもよい。また、予告演出を行う報知パターンがセットされたとき(S303の処理)に、予め決められた所定のタイミング(例えば何回目の変動表示時)を予告演出するタイミングとして決定するようにしてもよい。
S313において、サブCPU201が、現在の特別図柄の変動表示が予告演出を行うタイミングでないと判別した場合(S313がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。一方、S313において、サブCPU201が、現在の特別図柄の変動表示が予告演出を行うタイミングであると判別した場合(S313がYES判定の場合)、サブCPU201は、残り時短回数の予告演出をセットする(S314)。
次いで、サブCPU201は、報知回数の上乗せ更新処理を行う(S315)。この処理では、サブCPU201は、現在の残り時短回数以下の回数を現在の報知回数に加算する(報知回数を上乗せする)。なお、この際に上乗せされる報知回数は、予め決められた回数(ただし、現在の残り時短回数以下の回数)であってもよいし、現在の残り時短回数に基づいて抽選により上乗せされる報知回数を決定してもよい。そして、S315の処理後、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
上述のように、時短回数報知処理中のS311及びS315では、それぞれ継続演出及び予告演出の実行タイミングにおいて、報知回数の上乗せ更新処理が行われ、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、所定のタイミングで報知回数を更新する手段(報知回数更新手段)を兼ねる。
<各種変形例及び応用例>
本発明のパチンコ遊技機における各種演出動作は、上記実施形態の演出動作例に限定されず、各種変形例及び応用例が考えられる。以下では、その各種変形例及び応用例について説明する。
[変形例1]
上記実施形態では、演出モードが通常モードである状態において、「小当り」に当選した場合、モードAを経由して遊技状態が「潜確遊技状態」であるモードBに移行し、該移行したモードBにおいて、残り潜確回数を報知する演出を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、通常モードにおいて「小当り」に当選した場合、演出モードが、直接、モードBに移行し、該移行したモードBにおいて特別図柄の変動表示の残りの実行回数を報知するようにしてもよい。変形例1では、このような構成例を説明する。
(1)通常モード及びモードB間のモード移行形態
まず、図60を参照しながら、変形例1における通常モード及びモードB間のモード移行形態について具体的に説明する。なお、図60は、変形例1における通常モード及びモードB間のモード移行形態及びモードBで行われる報知動作の概要を示す。
変形例1では、通常モード(時短なしの遊技状態)中に「大当り」に当選した場合、上記実施形態と同様に、大当り遊技終了時に200回の特別図柄の変動表示の実行回数(ST)がセットされ、その後、演出モードがモードBに移行する。
また、変形例1では、図60に示すように、通常モードにおいて、「小当り」に当選し、小当り遊技を消化した後、演出モードは、モードBに移行する。この際の演出モードの移行形態としては、上記実施形態と同様に、小当り遊技終了直後に演出モードがモードBに移行する形態と、小当り遊技終了後、再度、通常モードで所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に演出モードがモードBに移行する形態とがある。なお、変形例1においても、上記実施形態と同様に、小当り当選時には、モードBへの移行形態に関係なく、遊技状態は移行しない。
それゆえ、変形例1において、通常モードから小当り遊技状態を経由してモードBに移行する場合、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であれば、移行後のモードBにおいても、「低確率時短なし」の遊技状態が継続される。一方、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であれば、移行後のモードBにおいても、「高確率時短なし」の遊技状態が継続される。すなわち、変形例1では、モードBにおける遊技状態は、「高確率時短なし」(潜確遊技状態)又は「低確率時短なし」となる。
また、この例では、モードBの遊技状態が「潜確遊技状態」である場合には、潜確遊技が終了すると、演出モードがモードBから通常モードに移行する。
一方、この例では、モードBの遊技状態が「低確率時短なし」である場合には、モードBにおいて特別図柄の変動表示の残りの実行回数(後述の残り滞在回数)が「0」になったときに、モードBの終了抽選を行う。そして、モードBの終了抽選に当選した場合、演出モードが通常モードに移行する。しかしながら、モードBの終了抽選に当選しなかった場合には、再度、モードBにおいて特別図柄の変動表示の残りの実行回数(後述の残り滞在回数)の初期値が設定され、モードBが継続される。
(2)モードBにおける報知演出の概要
次に、モードBにおける報知演出の概要について説明する。変形例1においても、上記実施形態と同様に、モードBにおいて、残りの特別図柄の変動表示の実行回数を表示する。
なお、変形例1では、上述のように、小当り遊技を経由して演出モードがモードBに移行した場合、遊技状態が「潜確遊技状態」(高確率時短なし)でなく、「低確率時短なし」となる場合がある。それゆえ、変形例1では、この両方の遊技状態を考慮し、モードBにおいて、残りの特別図柄の変動表示の実行回数を「残り滞在回数」として表示する演出を行う。なお、ここでいう、残り滞在回数は、残り潜確回数を含む意味であり、モードBの遊技状態が「潜確遊技状態」(高確率時短なし)である場合には、残り滞在回数は残り潜確回数となる。また、モードBの遊技状態が「低確率時短なし」である場合には、演出モードがモードBに移行した際に、所定の滞在回数(初期値)が設定される。
そして、図60に示すように、変形例1では、モードBにおける残り滞在回数を3段階のステージに分けて報知する。具体的には、残り滞在回数を示すステージとして、残り滞在回数が200〜120回であるステージA、残り滞在回数が119〜50回であるステージB及び残り滞在回数が49〜0回であるステージCを設ける。そして、モードBにおける残り滞在回数の報知演出では、各ステージにおいて特有の演出を行い、遊技者に対して現在の残り滞在回数に関する情報を報知する。
なお、ステージA〜Cのそれぞれに設定された残り滞在回数の範囲は、図60に示す例に限定されず、例えば機種等に応じて、適宜変更してもよい。また、この例では、残り滞在回数のステージを3段階に分ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、残り滞在回数のステージを2段階又は4段階以上に分けてもよい。
ここで、図61a及び図61bに、モードBで行われる残り滞在回数の報知演出の動作フローの一例を示す。
図61aは、小当り遊技を経由して演出モードがモードBに移行し且つモードBの遊技状態が「低確率時短なし」である場合の残り滞在回数の報知演出の動作フローである。この動作例では、まず、小当り遊技終了後、モードBにおける滞在回数(特別図柄の実行回数)の初期値(図61aの動作例では「80回」)がセットされる。なお、この滞在回数の初期値は0〜200回の範囲内から適宜選択される。
図61aの動作例では、モードB移行後、最初に、ステージBの滞在回数報知演出が行われ、その後、特別図柄の変動表示毎に残り滞在回数が減る。次いで、残り滞在回数が49回以下となると、滞在回数報知演出が、ステージCの滞在回数報知演出に切り替わる。その後、残り滞在回数が0回になるまでステージCの滞在回数報知演出が行われる。
そして、残り滞在回数が0回になった際に行われるモードBの終了抽選に当選しなかった場合、再度、モードBにおける滞在回数の初期値が設定され、モードBの滞在回数報知演出が繰り返される。一方、モードBの終了抽選に当選した場合には、演出モードが通常モードに移行する。
図61bは、遊技状態が「高確率時短あり」であるモードCにおいて時短遊技が終了して、演出モードがモードCからモードBに移行し、且つ、その移行時の残り潜確回数が「80回」である場合に行われる残り滞在回数の報知演出の動作フローである。
図61bの動作例では、モードB移行後、最初に、ステージBの滞在回数報知演出が行われ、その後、潜確遊技の消化毎に残り滞在回数が減る。次いで、残り滞在回数(残り潜確回数)が49回以下となると、滞在回数報知演出が、ステージCの滞在回数報知演出に切り替わる。その後、残り滞在回数(残り潜確回数)が0回になるまでステージCの滞在回数報知演出が行われる。この際、残り滞在回数(残り潜確回数)が0回になるまでに、「大当り」に当選しなかった場合、すなわち、確変遊技状態が終了した場合には、残り滞在回数が0回になった後、演出モードが通常モードに移行する。
図61a及び図61bに示すように、変形例1の滞在回数報知演出では、モードBの遊技状態が「確変遊技状態」であっても、「通常遊技状態」(非確変遊技状態)であっても、同様の演出が行われる。この場合、遊技状態が「潜確遊技状態」であるか否かを判別することが難しくなる。
それゆえ、この例の構成では、「小当り」が発生したか否かを判別できる遊技者が、同じパチンコ遊技機で遊技を行っている場合には、モードBにおいて遊技状態が「潜確遊技状態」であるか否かを判別することが可能である。しかしながら、別の遊技者(次の遊技者)が、モードBに移行した後の遊技機で遊技を行った場合には、遊技状態が「潜確遊技状態」であるか否かを判別することが非常に困難になる。また、この例において、「小当り」と「大当り」との判別をより難しくするために、小当り時の大入賞口の開放態様と同様の開放態様を有する「大当り」の種別を設けてもよい。
(3)滞在回数報知処理の内容
次に、図62を参照して、モードBにおいて、サブCPU201により行われる滞在回数報知演出の登録処理(滞在回数報知処理)について説明する。図62は、変形例1における滞在回数報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、変形例1における滞在回数報知処理は、上記実施形態の潜確回数報知処理と同様に、図49で説明した副制御メイン処理中の演出処理(S184)で行われる。
まず、サブCPU201は、モードB選択中フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S321)。すなわち、この処理では、サブCPU201は、現在の演出モードがモードBであるか否かを判別する。
S321において、サブCPU201が、モードB選択中フラグの値が「1」であるとと判別した場合(S321がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS327の処理を行う。一方、S321において、サブCPU201が、モードB選択中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S321がNO判定の場合)、サブCPU201は、モードB初期処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S322)。
モードB初期処理フラグは、ワークRAM203に格納されるフラグであり、演出モードがモードBに移行した直後であるか否かを示すフラグである。そして、演出モードがモードBに移行した直後である場合には、モードB初期処理フラグの値が「1」にセットされる。なお、モードB初期処理フラグの値は、次の(A)〜(C)のタイミングで、「1」にセットされる。
(A)小当り遊技終了直後。
(B)小当り遊技終了後、再度、通常モードで所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に演出モードがモードBに移行した直後。
(C)「非時短遊技状態」において「大当り」に当選し、大当り遊技が終了した直後。
S322において、サブCPU201が、モードB初期処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S322がNO判定の場合)、サブCPU201は、滞在回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。一方、S322において、サブCPU201が、モードB初期処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S322がYES判定の場合)、サブCPU201は、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを判別する(S323)。
S323において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」であると判別した場合(S323がYES判定の場合)、サブCPU201は、モードBにおける残り滞在回数の初期値を設定する(S324)。この処理では、サブCPU201は、モードB移行時の残り確変回数(残り潜確回数)を残り滞在回数の初期値として設定し、該設定された残り滞在回数をワークRAM203に記憶する。そして、S324の処理後、サブCPU201は、後述のS326の処理を行う。
一方、S323において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」でないと判別した場合(S323がNO判定の場合)、すなわち、演出モードが小当り遊技経由でモードBに移行した直後であり且つ遊技状態が「通常遊技状態」である場合、サブCPU201は、モードBにおける残り滞在回数の初期値を0〜200回の範囲内の所定値に設定する(S325)。なお、この際、サブCPU201は、残り滞在回数の初期値を抽選により決定してもよいし、予め設定された所定の回数を残り滞在回数の初期値としてもよい。また、この処理では、サブCPU201は、設定された残り滞在回数の初期値をワークRAM203に記憶する。そして、S325の処理後、サブCPU201は、後述のS326の処理を行う。
S324又はS325の処理後、サブCPU201は、モードB選択中フラグの値を「1」にセットする(S326)。
そして、S326の処理後、又は、S321がYES判定の場合、サブCPU201は、残り滞在回数の値を更新する(S327)。この処理では、サブCPU201は、特別図柄の変動表示毎に残り滞在回数の値を「1」減算し、該減算した残り滞在回数(更新値)をワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、S327で更新された残り滞在回数の値が「0」であるか否かを判別する(S328)。
S328において、サブCPU201が、残り滞在回数の値が「0」でないと判別した場合(S328がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS335の処理を行う。一方、S328において、サブCPU201が、残り滞在回数の値が「0」であると判別した場合(S328がYES判定の場合)、サブCPU201は、「確変遊技状態」の終了タイミングであるか否かを判別する(S329)。
S329において、サブCPU201が、「確変遊技状態」の終了タイミングであると判別した場合(S329がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS332の処理を行う。一方、S329において、サブCPU201が、「確変遊技状態」の終了タイミングでないと判別した場合(S329がNO判定の場合)、サブCPU201は、モードBの終了抽選を行う(S330)。次いで、サブCPU201は、モードBの終了抽選に当選したか否かを判別する(S331)。
S331において、サブCPU201が、モードBの終了抽選に当選したと判別した場合(S331がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS332の処理を行う。
S329又はS331がYES判定の場合、サブCPU201は、モードBを終了し、演出モードを通常モードに移行させる(S332)。次いで、サブCPU201は、モードB選択中フラグの値を「0」にセットする(S333)。そして、S333の処理後、サブCPU201は、滞在回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
一方、S331において、サブCPU201が、モードBの終了抽選に当選しなかったと判別した場合(S331がNO判定の場合)、サブCPU201は、上記S325の処理と同様にして、再度、モードBにおける残り滞在回数の初期値を0〜200回の範囲内の所定値に設定する(S334)。また、この処理では、サブCPU201は、設定された残り滞在回数の初期値をワークRAM203に記憶する。
S334の処理後、又は、S328がNO判定の場合、サブCPU201は、残り滞在回数に応じて、滞在回数のステージ(ステージA〜Cのいずれか)を選択する(S335)。そして、S335の処理後、サブCPU201は、滞在回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図49参照)に戻す。
[変形例2]
図59で説明した上記実施形態の時短回数報知処理では、S303及びS304において、予め設定された、時短回数の報知パターン及び初期報知回数(最初の残り時短報知回数)をセットする処理例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、時短回数の報知パターン及び初期報知回数を抽選により決定してもよい。
変形例2では、図63を参照しながら、時短回数の報知パターン及び初期報知回数を抽選により決定する際に用いる時短報知パターンテーブルの一例を説明する。なお、図63は、時短報知パターンテーブルの一構成例を示す図である。
この例の時短報知パターンテーブルには、図柄指定コマンド(「z1」〜「z17」)と、報知パターンの種別(「JT00」〜「JT32」)と、時短回数の報知パターンの種別を決定するための乱数値と、該乱数値により決定される報知パターンの各種パラメータとの対応関係が規定される。なお、時短報知パターンテーブルに規定されている乱数値は、入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
この例の時短報知パターンテーブルでは、時短回数の報知パターンの各種パラメータとして、予告報知フラグの値、初期報知回数及び時短回数が規定される。なお、予告報知フラグは、時短回数の報知パターンが予告演出を行う報知パターンであるか否かを示すフラグであり、予告演出を行う報知パターンである場合には、予告報知フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
図63に示す時短報知パターンテーブルを用いた抽選処理では、図柄指定コマンド(大当り図柄)の種別に基づいて、時短回数の報知パターン及びその各種パラメータが決定される。例えば、図柄指定コマンドが「z2」であり、時短回数の報知パターンを決定するための乱数値が「500」〜「999」のいずれかの値であれば、時短回数の報知パターンとして「JT02」がセットされ、報知パターンの各種パラメータとしては、予告報知フラグの値が「1」にセットされ、初期報報知回数が「40」にセットされ、時短回数が「60」がセットされる。
[変形例3]
図18a〜図18cで説明した上記実施形態の先読み特化ゾーン演出では、先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた保留球の次に保留された保留球の変動時に、先読み特化ゾーン中の演出を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つの保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出の両方を行ってもよい。この場合には、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された特別図柄の可変表示(保留球)の前に保留球が存在しない場合においても、先読み特化ゾーン演出を行うことができる。
また、上記実施形態の先読み特化ゾーン開始時の演出では、特化ゾーンへの突入予告演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)において、図柄演出と背景演出とを同時に発生させる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、図柄演出と背景演出とを異なるタイミングで発生させてもよい。
変形例3では、1つの保留球の変動期間に先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出の両方を行い、且つ、特化ゾーンへの突入予告演出において図柄演出と背景演出とを異なるタイミングで発生させる先読み特化ゾーン演出の動作例について説明する。
(1)先読み特化ゾーン演出の動作例
まず、図64を参照しながら、変形例3における先読み特化ゾーン演出の一例を説明する。なお、図64は、この例における先読み特化ゾーン演出の動作フローを示す図である。
図64に示す例は、既に3つの保留球が存在する状態で、新たに始動口入賞が発生し(4つ目の保留球が発生し)、該始動口入賞時に先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された場合の先読み特化ゾーン演出の動作例である。この場合、上記実施形態と同様に、4つ目の保留球が発生した時点で、既に保留されている3つの保留球の変動表示と、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された4つ目の保留球の変動表示とにより、一連の先読み演出が行われる。
この例では、1つ目〜3つ目の各保留球の各変動時には、先読み特化ゾーン開始前の演出が行われ、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような演出が行われる。なお、この例では、先読み特化ゾーン開始前の演出において、上記実施形態と同様に、図柄演出(図柄先読み)又は背景演出(背景先読み)を行うが、この例では、先読み特化ゾーン開始前の演出を行う保留球の変動期間の前半に図柄演出及び背景演出の一方を行い、変動期間の中盤に図柄演出及び背景演出の他方を行う。
また、4つ目の保留球の変動時には、まず、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われ、その後、該変動期間中に先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、この際、この例では、特化ゾーンへの突入予告演出では、変動期間の前半に所定系統の図柄演出及び背景演出の一方を行い、変動期間の中盤に所定系統の図柄演出及び背景演出の他方を行う。
(2)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)
次に、図65を参照しながら、この例で用いる変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)について説明する。
図65に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)は、上述した先読み特化ゾーン開始時の演出から先読み特化ゾーン中の演出までの一連の演出を行う保留球の変動開始時に、特別図柄の変動表示期間の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
この例の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、図65に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、図27に示す先読み演出フラグテーブルで決定された先読み特化ゾーン演出パターンと、演出パターン(「EZ00」〜「EZ45」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン、先読み演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)及び先読み特化ゾーン中フラグのデータセットとの対応関係が規定される。なお、この例の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)において、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」である演出パターンでは、上述した先読み特化ゾーン開始時の演出から先読み特化ゾーン中の演出までの一連の演出が一つの保留球の変動期間で行われる。
また、この例の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、上記実施形態と同様に、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。なお、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN01」であり、入賞時に決定された先読み特化ゾーン演出パターンが「パターンA」であり、乱数値が「0」〜「499」のいずれかである場合には、先読み特化ゾーン開始時の演出パターンとして「EZ03」が選択され、先読み演出としては、「図柄演出A」及び「背景演出A」が選択され、先読み特化ゾーン中フラグに「1」がセットされる。
この場合には、特別図柄の変動期間(10000ミリ秒)の前半に「図柄演出A」及び「背景演出A」の一方が行われ、変動期間の中盤に「図柄演出A」及び「背景演出A」の他方が行われる。次いで、「EZ03」の演出パターンに対応するゾーン突入演出が行われ、そして、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」(当選種別)に対応する態様の表示が行われる。その後、変動パターン「HN01」に基づいて決定される所定の先読み特化ゾーン中の演出が行われ、その後、特別図柄が変動停止する。
(3)先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の内容
次に、図66を参照して、変形例3における先読み特化ゾーン演出パターン決定処理について説明する。図66は、この例における先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。なお、この例の先読み特化ゾーン演出パターン決定処理は、上記実施形態と同様に、図52及び図53に示す変動演出パターン決定処理中のS217で行われる。
まず、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S341)。この判定処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン開始時の演出が行われる特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S341において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」であると判別した場合(S341がYES判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン開始時の演出を行う場合、サブCPU201は、図65の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始時の演出における変動演出パターンを決定する(S342)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図65の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている演出パターン、図柄演出及び背景演出、並びに、先読み特化ゾーン中フラグの値(「0」又は「1」)を選択する。
S342の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン開始フラグの値を「0」にセットする(S343)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S344)。
S344において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であると判別した場合(S344がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS347の処理を行う。一方、S344において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S344がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「1」にセットする(S345)。そして、S345の処理後、サブCPU201は、後述のS349の処理を行う。
ここで、再度、S341の処理の説明に戻って、S341において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」でないと判別した場合(S341がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S346)。S346において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であると判別した場合(S346がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS347の処理を行う。
S344又はS346がYES判定の場合、すなわち、変形例3のように、現在の特別図柄の変動表示期間において、先読み特化ゾーン開始時の演出から先読み特化ゾーン中の演出までの一連の演出を行う場合、又は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン開始時中の演出のみを行う特別図柄の変動表示である場合、サブCPU201は、図32の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン中の演出における変動演出パターンを決定する(S347)。そして、S347の処理後、サブCPU201は、後述のS349の処理を行う。
一方、S346において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S346がNO判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン演出前の演出を行う場合、サブCPU201は、図30の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始前の演出における変動演出パターンを決定する(S348)。そして、S348の処理後、サブCPU201は、後述のS349の処理を行う。
S345、S347又はS348の処理後、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S349)。すなわち、この処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーンへの移行が決定された保留球に対応する特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S349において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」でないと判別した場合(S349がNO判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出が継続される場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)も終了する。
一方、S349において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」であると判別した場合(S349がYES判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出を終了する場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値を「0」にセットする(S350)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「0」にセットする(S351)。そして、S351の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図52及び図53参照)も終了する。
[応用例]
上記実施形態及び上記各種変形例では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機、パチスロ遊技機、ゲーミングマシン、封入式遊技機、回動式遊技機等の各種遊技機に適用することもできる。
ところで、上記特許文献1で記載されているように、従来、種々の擬似連続変動表示演出の機能を備えた遊技機(パチンコ遊技機)が提案されている。しかしながら、例えば、特許文献1に記載されている擬似連回数の報知手法のように、実行された擬似連回数を単に報知する手法では、遊技者が、その後実行される擬似連動作の実行回数を把握することができない。さらに、この機能に、擬似連動作の実行毎に擬似連動作が継続されるか否かを報知する機能を設けても、1回先までの擬似連動作の継続の有無しか報知することができない。また、擬似連回数の報知手法として、実行される全擬似連回数を報知する手法を採用した場合には、擬似連続変動表示演出の遊技性の良さが損なわれ、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣が低下する可能性もある。本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、擬似連続変動表示演出の機能を有し、擬似連回数を報知する遊技機において、擬似連続変動表示演出の遊技性の良さを損なわずに、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣をより向上させることを可能にすることである。そして、上記構成の本発明の遊技機によれば、擬似連続変動表示演出の遊技性の良さを損なわずに、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。