JP6479671B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は人体断層撮影三次元画像のような被検体断層撮影三次元画像の画像処理装置、画像処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。詳しくは、例えば、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography、CT)や、核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging、 MRI)で撮影された被検体断層撮影三次元画像を画像処理することにより、大動脈から枝分かれした血管であって、腫瘍や出血部等と大動脈とをつなぐ血管の経路を特定するための技術に関する。
悪性腫瘍(がん)患者の治療方法の一つとして、カテーテルを用いて大動脈に抗がん剤を注液し、大動脈から枝分かれした血管につながる腫瘍に抗がん剤を送ることにより腫瘍の増殖を抑制させる方法が知られている。しかしながら、このような方法によれば、腫瘍の細胞だけでなく、腫瘍のない正常な臓器の細胞にまで抗がん剤が送られてしまい、抗がん剤の副作用により正常な細胞まで傷つけてしまうという問題があった。このような問題を解決する方法として、大動脈と腫瘍とをつなぐ血管の経路を特定し、大動脈からその血管のみを介して腫瘍のみに抗がん剤を送り届ける方法が試みられている。
また、外傷性の出血などが発生した場合、血管の出血部分から大動脈につながる血管を特定して止血処置を早期に施すことにより、傷病者の症状の悪化を抑制できることも多い。
ところで、血管脈は複雑な網状構造を有している。また、その網状構造は、個人差が大きい。そのために、大動脈と腫瘍とをつなぐ血管を探し当てたり、大動脈と出血源とをつなぐ血管経路を特定したりすることは困難であった。従来は、訓練された放射線技師等の医療従事者が、時間をかけて被検体断層撮影三次元画像から大動脈と腫瘍とをつなぐ血管を読み取ることも行われていた。しかしながら、医療従事者の不足から、医療現場においてこのような技能を有する人材を多く育てることは困難である。そこで、個人の技能によらず、より効率的に大動脈と腫瘍とをつなぐ血管を探し当てる技術が求められていた。
画像処理技術により、画像データから対象の血管構造を抽出する方法は、すでに提案さされているものがある。例えば、特許文献1は、画像データから対象の血管構造の画像的特徴を有する領域を検出し、検出された領域を細線化処理して得られた細線を分枝点および所定の距離等により分割することによりグラフを作成し、作成されたグラフに対して対象の血管構造の一般的な形状を表す木構造の形状モデルをフィッティングさせることにより、血管の木構造を抽出することが開示されている。
特開2011−98195号公報
本発明は、被検体断層撮影三次元画像を画像処理することにより、医療従事者の個人の技能によらず、腫瘍や血管の出血部と大動脈とをつなぐ血管を効率的に特定できる技術を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の一局面の画像処理装置は、
複数の断層画像から三次元画像データとなる全領域を作る画像形成部と、
前記全領域から大動脈に繋がる主領域を抽出する主領域抽出部と
前記主領域から大動脈だけを示す大動脈領域を抽出する大動脈領域抽出部と、
前記全領域から患部を含む患部領域を求める患部領域抽出部と、
前記患部領域から前記大動脈領域までをつなぐ目的血管領域を求める目的血管抽出部とを有することを特徴とする。
本発明の画像処理装置によれば、被検体の腫瘍(若しくは出血部)及び大動脈を含む対象領域を断層撮影して得られた複数の断層画像からなる断層画像群から構成された三次元画像を全領域とし、この全領域に対して一連の画像処理が実行される。
具体的には、中心抽出部により、例えば、断層画像群から選択された少なくとも1枚の断層画像を2値化し、距離変換処理するような方法により大動脈の断面の中心を抽出し、主領域抽出部により、その中心を初期領域として領域拡張処理することにより、大動脈と大動脈から分岐する枝血管や骨や臓器等のその他の領域を含むような主領域が抽出される。
そして、主領域を収縮処理することにより、大動脈の芯部の領域と枝血管や骨や臓器等のその他の領域を分離する。そして、芯部抽出部により抽出された芯部の領域とその他の領域を含む領域に対して、上記中心を初期領域として領域拡張処理を施すことにより、枝血管や骨や臓器等のその他の領域を消去して大動脈の芯部のみの領域が抽出される。そして、膨張処理部により、抽出された芯部の領域を膨張処理することにより大動脈の領域(大動脈領域)が復元される。
一方で、腫瘍位置設定部において、三次元画像上で目的とする腫瘍上の任意の設定点を指定し、腫瘍領域抽出部において、その設定点を初期領域として徐々に領域拡張処理することにより腫瘍(若しくは出血部)の領域(患部領域)を抽出する。
そして、重なり領域検出部により、患部領域と主領域とが重なり合った部分である重なり領域を検出する。そして、目的血管抽出部により、三次元画像に対して重なり領域を初期領域として領域拡張処理することにより腫瘍(若しくは出血部)と大動脈とをつなぐ目的とする血管を抽出できる。
本発明によれば、例えば、CTやMRIで撮影した被検体の断層撮影三次元画像を画像処理することにより、大動脈と腫瘍や出血部等とをつなぐ血管を容易に特定することができる。
図1は、第一実施形態の画像処理装置100を備えた医用画像診断システムの装置構成を示すブロック図である。 図2は、画像処理装置100の画像処理部を説明する説明図である。 図3は、第一実施形態の画像処理方法の処理の一連の流れを示すフローチャートを示す。 図4は、第一実施形態の画像処理方法の各工程による処理を図示した模式図である。 図5は、領域拡張処理のフローチャートを示す。 図6は、履歴付き領域拡張処理のフローチャートを示す。 図7は、履歴付き領域拡張処理を二次元で説明する説明図である。 図8は、図7から履歴付き領域拡張処理を複数回繰り返した状態を示す図である。 図9は、体積画素c1について隣接する体積画素が調べられる状態を説明する図である。 図10は、新たに拡張された体積画素d1〜d4が求められた状態を説明する図である。 図11は、体積画素c2について隣接する体積画素が調べられる状態を説明する図である。 図12は、パスが求められた状態を説明する図である。 図13は、第一実施形態の画像処理装置により得られた画像を説明するための説明図である。 図14は、画像処理装置200の画像処理部を説明する説明図である。 図15は、第二実施形態の画像処理方法の処理の一連の流れを示すフローチャートを示す。 図16は、第二実施形態の画像処理方法の各工程による処理を図示した模式図である。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法及びコンピュータプログラムの第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第一実施形態の画像処理装置100を備えた医用画像診断システムの装置構成を示すブロック図であり、図2は、画像処理装置100の画像処理部を説明する説明図であり、図3は、画像処理方法の処理の一連の流れを示すフローチャートであり、図4は、画像処理方法の各工程による処理を図示した模式図である。
図1を参照して、医用画像診断システム1000は、画像処理装置(図1では「IPE」と記した。)100に、医用画像診断装置(図1には「Dia」と記した。)160及び医用画像診断装置160により撮影された画像を保管する医用画像保管装置(図1には「IS」と記した。)150が、無線ネットワークまたは有線ネットワークを介して接続されて構成されている。
医用画像診断装置160は、被検体の腫瘍及び大動脈を含む対象領域を断層撮影して複数の断層画像からなる断層画像群を生成する。医用画像診断装置160の具体例としては、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、またはこれらを組み合わせた装置等が挙げられる。
医用画像保管装置150は、医用画像診断装置160により撮影された断層画像群を医用画像診断装置160から受信し、保管する装置である。医用画像診断装置160は、医用画像保管装置150に断層画像群を送信する際に、例えば、患者、装置、検査の種類、シリーズ等を識別する識別子(ID)等を合わせて送信してもよい。このようなID等は、ユーザーが必要な断層画像群を取得するための検索に用いられる。また、医用画像保管装置150は、画像処理装置100として、大容量の画像を保管可能なワークステーション型のコンピュータを用いる場合には、コンピュータに統合されていてもよい。
図1に示すように、画像処理装置100は、例えば汎用のコンピュータに三次元画像の画像処理を行うための画像処理プログラム(図1では「Prog」と記した)71をインストールすることにより実現される。コンピュータは、標準的な構成として、CPU等のプロセッサである演算制御部(図1では「Acu」と記した。)50と、ROM及びRAM等の主記憶部(図1では「MM」と記した。)60と、HDDやSSD等の補助記憶部(図1では「EM」と記した。)70と、ユーザーが実空間から必要な指示や入力を与えるための、キーボードやマウス等の入力部(図1では「Input」と記した。)80と、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイデバイスである画像表示部(図1では「Dsp」と記した)90とを備える。
補助記憶部70は、後述する各画像処理を行うための画像処理プログラム71を記憶する。演算制御部50はコンピュータの起動時に補助記憶部70から画像処理プログラム71を読み出して主記憶部60にロードする。
画像処理装置100は、コンピュータにインストールされた画像処理プログラム71に規定された一連の画像処理のプロセスを実行する。画像処理プログラム71は、コンピュータに実行させる処理として、
被検体の腫瘍及び大動脈を含む対象領域を断層撮影して得られた複数の断層画像からなる断層画像群を積層した三次元画像データを生成する画像形成工程(ステップs1)と、
断層画像群から選択された少なくとも1枚の断層画像から、大動脈の断面の中心画素を抽出する中心抽出工程(ステップs2)と、
上記三次元画像データに対して、中心画素を初期領域として領域拡張処理することにより、大動脈と大動脈から分岐する枝血管や骨や臓器等のその他の領域を含むような主領域を抽出する主領域抽出工程(ステップs3)と、
抽出された主領域を収縮処理することにより、大動脈の芯部の領域とその他の部分を分離する収縮処理工程(ステップs4)と、
分離された芯部の領域とその他の領域とを含む領域に対して、上記中心画素を初期領域として領域拡張処理することにより、芯部の領域のみを抽出する芯部抽出工程(ステップs5)と、
芯部の領域を膨張処理することにより大動脈の領域を復元させる膨張処理工程(ステップs6)と、
ユーザーから指示された上記三次元画像データ中の腫瘍上の任意の点を、設定点として設定する腫瘍位置設定工程(ステップs7)と、
三次元画像データに対して、設定点を初期領域として領域拡張処理することにより、腫瘍の領域を抽出する腫瘍領域抽出工程(ステップs8)と、
抽出された腫瘍の領域と主領域とが重なる領域を検出する重なり領域検出工程(ステップs9)と、
上記三次元画像データに対して、重なり領域を初期領域として領域拡張処理することにより、腫瘍と大動脈とをつなぐ目的血管の領域を抽出する目的血管抽出工程(ステップs10)、を規定している。
画像処理プログラム71は、コンピュータにインストールされることにより、コンピュータ内に画像形成部101、中心抽出部102、主領域抽出部103、収縮処理部104、芯部抽出部105、膨張処理部106、腫瘍位置設定部107、腫瘍領域抽出部108、重なり領域検出部109、目的血管抽出部110を構成する。図2には、コンピュータ内にこれらの各部が構成され、画像処理装置100となった状態を示す。
また、画像処理プログラム71は、記録媒体に記録することができる。記録媒体の種類は特に限定されない。
このような画像処理装置100を用いて実行される画像処理を一連の処理の流れを図3を参照しながら説明する。
(被検体の三次元画像データを形成するための断層画像群の取得(s0))
はじめに、医用画像診断装置160で被検体の腫瘍及び大動脈を含む対象領域を断層撮影する。得られた投影データやMR信号等のデータから断層画像が再構成され、断層画像群として医用画像保管装置150に記憶される(ステップs0)。
1つの断層画像群は、n枚の断層画像によって構成される。k番目に撮影された断層画像をLkとし、1つの断層画像群をSet{Ln}と表す。なお、断層撮影は、ほとんど1枚の断層画像の1つの画素の単位の距離毎に撮影される。
以降の一連の画像処理は、一連の画像処理プロセスを実行しうる画像処理プログラム71をインストールしたコンピュータである画像処理装置100により実行される。画像処理装置100のユーザーは、医用画像保管装置150に記憶されている複数の断層画像群Set{Ln}の中から目的とする断層画像群Set{Ln}のIDを選択または入力する操作により選択し、画像処理装置100の補助記憶部70に記憶させる。
そして、画像処理を実行する際に、処理の対象とする断層画像群Set{Ln}は、主記憶部60に記憶される。主記憶部60に記憶された断層画像群Set{Ln}は、以下の一連の処理が実行される。図3では、ステップs0に「Set{Ln}取得」と記載した。
(画像形成工程(s1))
本プロセスでは、ステップs0で得られた被検体の腫瘍及び大動脈を含む対象領域の断層画像群Set{Ln}から三次元画像データを生成させる。具体的には、画像形成部101により、複数の断層画像からなる断層画像群Set{Ln}を体軸方向に沿って積層することにより三次元画像のボリュームデータを生成させる。
上記に説明したように、断層撮影は、1枚の断層画像の1つの画素の単位長さ程度の距離毎に撮影される。したがって、断層画像の1つの画素は、断層画像の積層方向の体積画素とみなしてよい。これは、1つの画素の輝度(画素値)が、1つの体積画素の輝度(画素値)と見なせることを示す。
つまり、断層画像群Set{Ln}の同一断層画像の各画素にx座標、y座標を振り当て、断層画像毎に異なるz座標を割り当てることで、1つの体積画素を特定することができる。そして、その体積画素の値として、断層画像の1つの画素の輝度を割り当てると、断層画像群Set{Ln}を三次元画像データとして扱うことができる。このように三次元座標と各座標毎の輝度を関連付けた三次元画像データがボリュームデータである。
ボリュームデータはVol{Ln}と表し、「全領域」とも呼ぶ。図3では、ステップs1に「Vol{Ln}生成」と記載した。より具体的には、断層画像の1枚にA×B個の画素があったとすると、全領域Vol{Ln}は、A×B×n個の座標を含み、それぞれの座標の体積画素に対して断層画像群Set{Ln}の画素値を有するデータの集合である。なお、全領域Vol{Ln}の各体積画素には、画素値以外のデータを含めても良い。
全領域Vol{Ln}を三次元表示することで、図4(a)に示すような被検体の腫瘍及び大動脈を含む三次元画像を得ることができる。なお、図4(a)の画像中、符号1は大動脈、符号2は大動脈から分岐する枝血管、符号3は腫瘍を含まない臓器,符号4は腫瘍8を含む臓器、符号5は肋骨、符号6は脊椎をそれぞれ示す領域である。
(中心抽出工程(s2))
再び図3を参照する。本プロセスでは、ステップs1で得られた、三次元画像データVol{Ln}から選択された少なくとも1層の断層画像に基づいて、大動脈の断面の中心画素P1を抽出する。中心抽出部102は、三次元画像データVol{Ln}から選択された少なくとも1層の断層画像に基づいて大動脈の断面の中心画素P1を抽出する。図4(b)中の符号10は、三次元画像データVol{Ln}を構成する、大動脈の中心画素P1が特定された1層の断層画像10を示している。
なお、図4(b)では、断層画像10は1層目の断層画像L1であるとして例示した。断層画像L1の下には、断層画像L2、L3、・・・が積層されている。各断層画像の積層方向は体軸方向である。図4(b)では、L1、L2といった平面画像が並んでいるように示したが、各層の間は体積画素のz軸方向の厚みであり、断層画像の1画素の1辺に相当する程度の距離である。
中心画素P1を抽出するための1層の断層画像としては、例えば、最も頭部側の1層が選択されたり、またはユーザーの指定により選択される。中心抽出部102は、例えば、選択された断層画像を2値化し、距離変換処理により大動脈の断面の中心画素P1を抽出する。
距離変換処理とは、例えば、2値画像の1の画素の画素値を、その画素から最も近い画素値0の画素までの距離に置換える変換のことである。したがって、距離変換処理を行う前には、対象とする断層画像に対して、2値化処理を施す。2値化処理は、ある閾値Vthと対象とする断層画像の全ての画素の画素値を比較し、閾値Vth以上であれば画素値を1とし、閾値Vthより小さければ画素値をゼロとする処理である。この処理は中心抽出部102が行ってよい。本実施形態においては、距離変換処理は、具体的には、次のようにして行われる。なお、全領域Vol{Ln}から中心画素P1を求めるために選ばれた1層の断層画像をL1とする。断層画像L1とは、全領域Vol{Ln}のz座標が1(Ln=1)のデータの集合と言っても良い。
はじめに、断層画像L1に対して、全ての体積画素を2値変換する。画素値0である画素に隣接する画素値1である画素群(D1と称する:図4(b)参照)を探索する。そして、画素群D1に隣接する領域の画素値1である画素群(D2と称する)を特定する。さらに、画素群D2に隣接する領域の画素群(D3と称する)を特定する。
このような操作を画像全体の画素値1である画素に対して繰り返し、画素群D1から最も離れた画素群Dnを求める。nは画素群D1に隣接する画素値0である画素からの画素数であり、これを画素値0の画素までの距離とする。そして、最もnが大きくなる画素群Dnが、大動脈の中心付近の位置になる。
すなわち、断層画像L1において、大動脈の部分はその他の部分と比べ輝度(画素値)が高く大きな構造物であるため、大動脈の境界線から最も距離の大きい領域を大動脈の中心とみなすことができる。求めた画素群Dnが1つの画素であればその画素を中心画素P1とする。求めた画素群Dnに複数の画素が含まれている場合は、何れか1を選択し中心画素P1とする。
なお、この方法は、断層画像L1の全ての体積画素について、次々と求めることができる。従って、ユーザーの判断を必要としないので便利である。図3ではステップs2を「P1抽出」と記載した。
また、断層画像L1に対してユーザーが手動で大動脈の中心付近を指定してもよい。この中心画素P1は、以後の大動脈を抽出する工程の起点となればよい。したがって、断層画像L1上の大動脈部分において、正確な中心画素でなくてもよいからである。すなわち、中心抽出工程は、距離変換処理を使わなくても良い。
(主領域抽出工程(s3))
図3を再び参照する。本プロセスでは、中心抽出工程(ステップs2)で得られた断層画像10の中心画素P1を初期領域(開始点)として、全領域Vol{Ln}の体積画素に領域拡張処理を施すことにより、大動脈及び大動脈から分岐する枝血管や骨や臓器等のその他の領域を含む主領域Main{Ln}を抽出する。なお、主領域Main{Ln}は少なくとも大動脈を含み、また、大動脈に接し、かつ画素値が近いために大動脈から分離しにくいその他の領域を含む。
抽出された主領域Main{Ln}の模式図を図4(c)に示す。図4(c)において斜線でハッチングした部分が主領域Main{Ln}である。図4(c)中、符号1は大動脈、符号2は大動脈から分岐する枝血管、符号3は腫瘍を含まない臓器,符号4は腫瘍8を含む臓器、符号5は肋骨、符号6は脊椎を示す領域である。なお、ハッチングのかかっていない肋骨5は主領域Main{Ln}に含まれない。つまり、この例の全領域Vol{Ln}では、ハッチングのかかっていない肋骨5と大動脈1とを結合する体積画素が存在しない。
主領域Main{Ln}の抽出は、中心抽出工程(ステップs2)で得られた断層画像10の中心画素P1を初期領域として全領域Vol{Ln}に対して、領域拡張処理を実行する。領域拡張処理は、全領域Vol{Ln}から、大動脈と大動脈から分岐する枝血管や骨や臓器等のその他の領域を含む主領域Main{Ln}を抽出する。
また、主領域抽出部103は、中心画素P1の画素を初期領域とし、領域拡張処理を施すことにより、三次元画像のボリュームデータ(全領域Vol{Ln})から大動脈と、大動脈に接し、かつ画素値が近いために大動脈から明確に分離しにくいその他の領域を抽出する。
領域拡張処理の具体的な処理例は、図5に示すフローによる。図5を参照して、処理がスタートすると(ステップS100)、領域拡張処理を行う開始点の体積画素Pstを体積画素Pxとする(ステップS102)。なお、ここでは、Pstは中心画素P1であり、画素Pxは中心画素P1の座標データ及び画素値がコピーされる。
次に体積画素Pxの周囲26個の体積画素PPxの画素値を閾値VPthと比較する(ステップS104)。体積画素PPxは、体積画素Pxを3×3の体積画素の集まりの中心に置いた場合の周囲の体積画素を示す。図5では、体積画素PPxの画素値を「|PPx|」と表した。体積画素PPxの画素値が閾値VPth以上であれば(ステップS104のY分岐)、その体積画素PPxは主領域Main{Ln}に含める(ステップS106)。
なお、ここで「含める」とは、主領域Main{Ln}が最初にメインメモリ上に割り当てられた時に全ての画素値をゼロにしておき、体積画素PPxと同じ座標上の体積画素に画素値|PPx|を代入するとしてよい。
体積画素PPxの画素値が閾値VPthより小さければ(ステップS104のN分岐)、主領域Main{Ln}には含めない。若しくは画素値をゼロとしてもよい。これを全てのPPxについて行う(ステップS108)。なお、図5にはステップS104からステップS108を簡単に記載したが、この間の処理は体積画素Pxの周囲26個分の体積画素PPx全てについて行なわれる。つまりステップS104とステップS108は26回繰り返される。
次に主領域Main{Ln}に属する全ての体積画素について、周囲26個の体積画素が調べられたかを判断する(ステップS110)。まだ調べられていない体積画素がある場合は、その体積画素を新たなPxとして(ステップS112)、ステップS104に戻る。主領域Main{Ln}の全ての体積画素について、周囲26体積画素の画素値が閾値VPthと比較された場合(ステップS110のY分岐)は、その他の座標の体積画素の画素値をゼロにし(ステップS114)、フローを終了する(ステップS116)。
以上の処理によって、全領域Vol{Ln}中の中心画素P1に接続する、画素値がVPth以上の体積画素を主領域Main{Ln}として抽出することができる。なお、ここで、全領域Vol{Ln}の最も外側の体積画素には、周囲に26個の体積画素はない。しかし、存在しない体積画素の画素値はゼロとおいてよい。また、図3ではステップs3は、「Main{Ln}の抽出」と記した。
なお、ステップs2の中心抽出工程は、この主領域抽出工程に含めても良い。主領域抽出工程(ステップs3)を実行するには、中心画素P1が必要だからである。また、画像処理装置100としては、中心部抽出部102は、主領域抽出部103に含めてもよい。
また、ここでは体積画素の画素値が閾値VPth以上という条件で体積画素の選別を行ったが、さらに条件を設けても良い。つまり、体積画素の画素値が閾値VPth以上という条件を満たし、さらにPPxの画素値とPxの画素値の差の絶対値が閾値VPth2以内であれば、体積画素は主領域Main{Ln}に含めるという条件をいれてもよい。こうすることで、似た画素値の画素、すなわち血管に近い画素値をもつ画素だけが領域を拡張できるようになる。
(収縮処理工程(s4))
再び図3を参照する。本プロセスでは、主領域抽出工程(s3)で抽出された主領域Main{Ln}に対して、収縮処理部104により収縮処理を施すことにより、大動脈の芯部とその他の領域とを分離する。すなわち、主領域Main{Ln}の画像を収縮処理することにより、大動脈の芯部の領域と、枝血管等の細血管や肋骨や脊椎等のような骨、臓器等のその他の領域とを分離する。
このようにして形成された芯部1aと、腫瘍を含まない臓器3と、腫瘍8を含む臓器4とを含む三次元画像の模式図を図4(d)に示す。主領域Main{Ln}を収縮処理して得られた領域を収縮された主領域SMain{Ln}とする。
上述したような収縮処理は、主領域Main{Ln}の画像データを収縮処理することにより、枝血管や骨や臓器等の領域の大部分または全部を消去して、主として大動脈の芯部の領域を残すような処理である。
さらに詳しくは、大動脈を含む主領域Main{Ln}ではない領域に隣接する主領域Main{Ln}の境界の体積画素の画素値を、主領域Main{Ln}でない画素値(ゼロであってもよい。)に変換することにより新たな主領域Main{Ln}(収縮された主領域SMain{Ln})を形成する。
そして、収縮された主領域SMain{Ln}となった部分の境界の体積画素の画素値をさらに収縮された主領域Main{Ln}でない画素値に変換する。このような操作を複数回繰り返すことで、細い血管の部分は、画素値が収縮された主領域SMain{Ln}以外の領域の画素値と同じになる。つまり、大動脈の領域に繋がる細い血管は、次々に消去される。収縮処理は、予め決まった回数(これをF回とする)だけ繰り返す。収縮処理の回数Fは、大動脈1に接続する血管が全てなくなる程度の回数を行うのが望ましい。
このようにして、主領域Main{Ln}を収縮させることにより大動脈の芯部の領域をその他の領域から分離することができる。なお、収縮された主領域SMain{Ln}は、大動脈1の芯部の領域と、主領域Main{Ln}の中で、収縮処理で残った領域を含む。具体的には、大動脈に繋がる大きな臓器である。なお、図3では、ステップs4を「SMain{Ln}を求める」と記載した。
(芯部抽出工程(s5))
本プロセスでは、収縮処理工程(s4)で分離された、収縮された主領域SMain{Ln}から、大動脈1の芯部だけを抽出する。収縮された主領域SMain{Ln}には、大動脈1の芯部と、収縮処理工程(s4)で残った臓器3(画素値が閾値VPth以上の体積画素の領域)等が含まれる。そこで、中心抽出工程(s2)で抽出された中心画素P1を初期領域として領域拡張処理を施すことにより、大動脈1の芯部1bだけを抽出する。このようにして得られた領域のデータを芯部領域CMain{Ln}とする。
大動脈1の芯部とその他の臓器3等との間には連結する血管に相当する体積画素(画素値が閾値VPth以上の体積画素)が存在しない。したがって、収縮された主領域SMain{Ln}に対して中心画素P1を初期値とする領域拡張処理を施すと、大動脈1の芯部からその他の臓器にまで領域が拡張せず、大動脈の芯部1bだけが抽出される。言い換えると、この芯部抽出工程は、収縮された主領域SMain{Ln}から芯部以外の部分を消去して(画素値をゼロにする)芯部の領域(芯部領域CMain{Ln})のみを抽出するといってもよい。このようにして生成された芯部1bのみを含む芯部領域CMain{Ln}を図4(e)に示す。
芯部抽出部105は、収縮処理工程(ステップs4)で生成された収縮された主領域SMain{Ln}に対して中心画素P1を初期領域として領域拡張処理を施す。具体的な処理のフローは図5に示したフローと同じである。この処理により、枝血管や骨や臓器等を消去して大動脈1の芯部1bのみ(芯部領域CMain{Ln})が抽出される。図3ではステップs5を「CMain{Ln}を求める」と記載した。
(膨張処理工程(s6))
本プロセスでは、芯部抽出工程(s5)で抽出された芯部領域CMain{Ln}に対して膨張処理を施すことにより、大動脈の輪郭を抽出して大動脈の外形を復元させる。この復元した大動脈を表す体積画素を「復元された主領域RMain{Ln}」とする。このようにして生成された被検体の大動脈1の領域(復元された主領域RMain{Ln})を図4(f)に示す。
膨張処理は、膨張処理部106により、例えば、以下のようにして実行される。上記収縮処理とは逆に、芯部領域CMain{Ln}に隣接する芯部領域CMain{Ln}ではない領域の体積画素の画素値を、隣接する芯部領域CMain{Ln}の体積画素の画素値に置き換える。つまり、芯部領域CMain{Ln}が1体積画素分だけ太くなる。つまり、画素値が閾値VPth以上の体積画素が増える。このようにして、復元された主領域RMain{Ln}を得る。
そして、復元された主領域RMain{Ln}に新たに隣接することとなった、復元された主領域RMain{Ln}でない領域の体積画素の画素値をさらに復元された主領域RMain{Ln}の画素値に置き換える。このような操作を複数回繰り返し、芯部領域CMain{Ln}を膨張させることにより大動脈1だけの外形(復元された主領域RMain{Ln})を復元する。
なお、芯部領域CMain{Ln}から復元された主領域RMain{Ln}へ膨張処理が行なわれる際、主領域Main{Ln}に含まれない(つまり画素値がゼロの)体積画素が復元された主領域RMain{Ln}に含まれないようにするのが望ましい。膨張処理は収縮処理工程(ステップs4)で行った収縮工程の回数(F回)行っても良い。大動脈の領域がほぼ元通りになると考えられるからである。もちろん、F回以外の回数であってもよい。図3では、ステップs6を「RMain{Ln}を求める」と記載した。
ステップs4の収縮処理工程、ステップs5の芯部抽出工程、ステップs6の膨張処理工程によって、大動脈だけを示す(それ以外の部分の体積画素の画素値がゼロ)復元された主領域RMain{Ln}が求められた。復元された主領域RMain{Ln}は、「大動脈領域」と呼んでも良い。したがって、これら3つの工程は、「大動脈領域抽出工程」と呼んでよい。また同様に、画像処理装置100としては、収縮処理部104、芯部抽出部105、膨張処理部106によって、大動脈領域抽出部が構成される。
(腫瘍位置設定工程(s7))
本プロセスでは、腫瘍位置設定部107により、画像形成部101で形成された全領域Vol{Ln}中の腫瘍上の任意の設定点P2を位置設定する。また、医用画像診断装置160で撮影した断層画像群Set{Ln}で設定点P2を位置設定してもよい。いずれにしても、本プロセスでは、全領域Vol{Ln}中で腫瘍と判断される箇所の体積画素の座標が指定される。なお、設定点P2の指定は、画像処理によってソフト的に自動指定してもよいし、ユーザーが断層画像群Set{Ln}を見ながら直接指定してもよい。
具体的な手順としては、三次元画像データである全領域Vol{Ln}において、腫瘍が映っていると考えられる断面画像を二次元画像として画像表示部90に表示させる。断面画像は、全領域Vol{Ln}においてz座標が同一のデータである。このデータは、x座標、y座標、z座標と画素値の4つの成分を含む。ユーザーは、画像表示部90を確認しながら入力部80であるマウス等のポインティングデバイスを操作することにより、画像表示部90上の目的とする腫瘍上の任意の点を設定点P2として指定する。設定点P2は、患部体積画素である。
なお、設定点P2は腫瘍上の点であればその位置は特に限定されない。しかし、腫瘍は球形状であることが多く、次工程で行う領域拡張処理は全方向に向かって領域を拡張する。したがって、腫瘍領域を効率的に抽出するためには、腫瘍の中心付近の点を設定点P2とすることが特に好ましい。
腫瘍位置設定部107は、ユーザーにより指定された腫瘍上の任意の位置を識別し、その点を設定点P2として設定する。このようにして設定された設定点P2を表した被検体の腫瘍付近の領域を図4(g)に示す。図4(g)では、臓器4の中の腫瘍8に対して、その中心付近に設定点P2が指定された様子を示した。図3ではステップs7を「P2を設定する」と記載した。
(腫瘍領域抽出工程(s8))
本プロセスでは、腫瘍領域抽出部108により、画像形成工程(s1)で生成された三次元画像のボリュームデータVol{Ln}に対して、腫瘍位置設定工程(s7)で設定された設定点P2を初期領域として領域拡張処理を所定回数だけ繰り返すことにより、腫瘍領域C{Ln}を決める。領域拡張処理の繰り返し回数は、腫瘍領域C{Ln}が腫瘍周囲の血管を含む程度までの回数であることが必要である。図3ではステップs8を「C{Ln}を決める」と記載した。なお、腫瘍領域C{Ln}は、患部領域C{Ln}と言っても良い。領域拡張処理の具体的処理フローは図5に示したフローと同じである。つまり、腫瘍領域C{Ln}は、メインメモリに上に割り当てられたときに、各体積画素の画素値がゼロになっているデータである。
また、腫瘍位置設定工程(s7)で設定された設定点P2から領域を拡張する範囲をユーザーが指定しても良い。具体的には、設定点P2が設定された後、ユーザーの指示によって、設定点P2から拡張させる半径rが入力される。これは具体的な数値を入力部80から入力してもよい。また、画像表示部90上でマウス等のポインティングデバイスを操作することにより、拡張させたい範囲をさらにユーザーに指定させてもよい。
設定点P2と拡張する半径が決まったら、設定点P2を中心とした半径rの球状の領域に含まれる体積画素のうち、閾値VPthC以上の画素値である体積画素を、腫瘍領域C{Ln}に含める。なお、ここで含めるとは、該当する体積画素の画素値を腫瘍領域C{Ln}の対応する体積画素の画素値とすることである。この処理は、領域拡張処理若しくは膨張処理といった1体積画素毎に領域を拡張するのではなく、指定された球状領域に含まれる閾値VPthCの体積画素を一気に腫瘍領域C{Ln}に含めるので、処理時間の短縮を測れる。また、ある範囲内に腫瘍が複数あった場合は、それらをまとめて腫瘍領域C{Ln}として処理できるという効果もある。
さらに、このようにして得られた腫瘍領域C{Ln}に対して、所定回数だけ領域拡張処理を行ってもよい。
また、ステップs7の腫瘍位置設定工程、ステップs8の腫瘍領域抽出工程を「患部領域抽出工程」としてもよい。画像処理装置100では、腫瘍位置設定部107と腫瘍領域抽出部108が「患部領域抽出部」を構成する。また、患部領域抽出部には入力部80を含めても良い。
(重なり領域検出工程(s9))
本プロセスでは、重なり領域検出部109により、腫瘍領域抽出工程(s8)により特定された腫瘍8を表す腫瘍領域(患部領域)C{Ln}と、主領域抽出工程(s3)により抽出された主領域Main{Ln}との重なり領域L{Ln}を検出する。この処理により、特定された腫瘍8の大動脈1に繋がる血管の起点を抽出できる。図4(g)中、L{Ln}は、腫瘍8から伸びる大動脈1に繋がる血管を含む重なり領域L{Ln}である。具体的にはそれぞれの領域に共通する画素値がVPth以上若しくは、画素値がVPthC以上の体積画素を見つければ良い。
なお、重なり領域L{Ln}は、複数箇所あってもよい。腫瘍8は複数の血管から血液を得る場合もあるからである。図3のステップs9には「重なり領域L{Ln}を求める」と記載した。
(目的血管抽出工程(s10))
本プロセスでは、目的血管抽出部110により、重なり領域検出工程(s9)で検出された重なり領域L{Ln}を初期領域として、画像形成工程(s1)で生成された三次元画像のボリュームデータVol{Ln}に対して、初期領域から大動脈1に到達する血管を抽出するように履歴付き領域拡張処理を施す。また、主領域抽出工程(ステップs3)で求めた主領域Main{Ln}から目的とする血管を抽出してもよい。ここでは主領域Main{Ln}を対象として説明を続ける。
履歴付き領域拡張処理とは、初期領域から1体積画素ずつ主領域Main{Ln}に属する画素をワーク領域W{Ln}に取り込み領域を広げてゆく。その際に、新たにワーク領域W{Ln}に属することになった体積画素は、どの体積画素から広がったのかを記録しておく。そして、腫瘍に設けられた初期領域から、復元された主領域RMain{Ln}まで通じるパスを見つける。
図7には、履歴付き領域拡張処理を説明するため、二次元での履歴付き領域拡張処理の模式図を示し、図6には、処理のフローを示す。図7を参照する。5×8個のマスを示す。個々のマスは画素とする。実際は体積画素であるが、ここでは説明のために平面画素を使う。白塗りのマスは主領域Main{Ln}の一部である。黒塗りのマスは、主領域Main{Ln}以外の領域であり、画素値がゼロである事を示す。主領域Main{Ln}に属する体積画素の画素値は閾値VPth以上である。
重なり領域L{Ln}に属する始点体積画素St1は履歴付き領域拡張処理の始点である。つまり体積画素St1は、腫瘍領域C{Ln}の体積画素である。体積画素PPcmは、復元された主領域RMain{Ln}に属する体積画素とする。つまり、体積画素PPcmは大動脈1の体積画素である。体積画素St1とPPcm以外の白いマスは、主領域Main{Ln}は腫瘍領域C{Ln}と復元された主領域RMain{Ln}の間に存在する血管である。
図6も参照する。処理がスタートすると(ステップS200)初期設定が行われる(ステップS202)。初期設定では、ワーク領域W{Ln}に始点体積画素St1を含める。なおここで「含める」とは、始点体積画素St1の画素値を、ワーク領域W{Ln}中の対応する体積画素の画素値に代入することである。また、処理対象PPci(図では1番目なのでPPc1と記載した。)にSt1を代入する。ワーク領域W{Ln}は、履歴付き領域拡張処理の結果、拡張された体積画素が集められる記憶領域である。
したがって、ワーク領域W{Ln}に属する体積画素は、どの体積画素から拡張された画素であるかの履歴情報を有している。履歴情報は拡張履歴と言っても良い。ただし、始点体積画素St1は、最初の始点であるので、履歴情報は有していない。図6では、処理対象PPciは1つだけ(St1)なので、PPc1=St1である。
処理対象PPciは、履歴付き領域拡張処理を行う元になる体積画素である。履歴付き領域拡張処理は、処理対象PPciに隣接する体積画素をワーク領域W{Ln}に含めるか否かの判断を行う。なお、体積画素PPciは処理が進むにつれて、数が増える。添字のiはその数を表す。
ステップS204では、処理対象PPciを体積画素変数Pxkに代入する。図7では、処理対象PPc1の座標データ、画素値、履歴情報は体積画素変数Px1に代入される。以下、PPc2のデータはPx2へ、PPc3のデータはPx3へ、処理対象PPciの個数分だけ体積画素変数Pxkが生成される。履歴付き領域拡張処理の準備のためである。図7では、Px1=St1だけである。
ステップS206では、処理対象PPciのデータがすべてクリアされる。後のステップで、新たに拡張された体積画素のデータを代入できるようにするためである。
ステップS208では、全ての体積画素変数Pxkについて、周囲26の体積画素PPxklの画素値および履歴情報の有無を調べる。体積画素PPxklは、1つの体積画素変数Pxkについて26個存在する。つまり、PPxk1からPPxk26までである。そして、主領域Main{Ln}に含まれていて、履歴情報を持たない体積画素変数PPxklに対して、体積画素Pxkから拡張されたとする履歴情報を付加し、PPciに代入する。
図6では、主領域Main{Ln}に含まれていて、履歴情報を持たないという条件を満たした体積画素PPxklを「OK[PPxkl]」と表した。また「+α」は履歴情報が付加されたことを示す。処理対象PPciは、PPc1、PPc2、PPc3、・・・といったように、生成される毎に順次番号を付与される。全ての体積画素変数Pxkについて周囲26の体積画素の検査が終了したら、このステップを終了する。
図7では、Px1(=St1)の周囲の画素のうち、主領域Main{Ln}に属し、履歴情報を持たない体積画素a1、a2、a3が拡張された体積画素に相当する。体積画素a1、a2、a3は、すべて体積画素St1から領域拡張されたので、これらの画素の履歴情報はすべてSt1である。この3つの体積画素は、新たな処理対象となるべくPPciに代入される(ステップ208)。具体的にはPPc1=a1、PPc2=a2、PPc3=a3である。
次に、ステップS210では、ステップS208で求めた処理対象PPciをすべてワーク領域W{Ln}に記憶させる。処理対象PPciは体積画素変数Pxkから新たに拡張された体積画素であり、大動脈に繋がる臓器を含む主領域Main{Ln}に属し、尚且つ履歴情報を有する体積画素である。
ステップS212では、新たに拡張された処理対象PPciの何れかが、復元された主領域RMain{Ln}に属するか否かが判断される。つまり、拡張された体積画素PPciが大動脈に届いたか否かが判断される。つまり図7で示した体積画素a1、a2、a3が大動脈の体積画素か否かが判断される。図7では、体積画素a1〜a3の中でPPcmがあるか否かが判断される。図7ではもちろん届いていないと判断される。
この判定がNoであればステップS204に戻り、拡張された処理対象PPciを新たなスタートの体積画素変数Pxkとして上記の処理を継続する(ステップS212のN分岐)。
この判定がYesであれば、最初の始点である始点体積画素St1から大動脈1までのパスが発見されたことを意味する。図7では、体積画素PPciの中で復元された主領域RMain{Ln}に属する体積画素PPcmと一致するものが見つかったということである。この状態は後述する図12に示す。
次に上記の処理が繰り返された状態の具体例を説明する。図8は、ステップ204からステップ212を3回繰り返した状態を示す。体積画素b1、b2、b3、b4は体積画素a1から領域拡張された体積画素である。体積画素c1、c2、c3、c4は体積画素b1から領域拡張された体積画素である。この時点での処理対象PPciを顕に記載すると、PPc1=c1、PPc2=c2、PPc3=c3、PPc4=c4となっている。
図6も参照して、ステップS204に戻ると、体積画素変数Pxkに処理対象PPciが代入される。したがって、Px1=c1、Px2=c2、Px3=c3、Px4=c4となる。ステップS206では、PPc1からPPc4はクリアされる。
ステップS208に進んで、全ての体積画素変数Pxkについて順次周囲の体積画素PPxklが調べられる。図9では、Px1(=c1)の画素について、隣接する周囲の画素が調べられる様子を示す。体積画素c1にとっては、PPx11からPPx18体積画素が調べる対象となる。なお、「PPx11」は、体積画素c1の周囲にある1番目の体積画素を意味する。体積画素c2の周囲にある3番目の体積画素なら「PPx23」である。周囲の体積画素の番号の振り順は任意であってよい。ここでは二次元だけにしているので8つの体積画素だが、実際は26個の体積画素を調べる。
このPPx11からPPx18のなかで、主領域Main{Ln}に含まれていて、履歴情報を持たない体積画素PPxklに該当するのは、PPx11、PPx12、PPx13、PPx18の4つの体積画素である。したがって、(新たな)処理対象PPciには拡張元は体積画素c1であるという履歴情報と共にこれら4つの体積画素が入力される。これら4つの画素をd1〜d4とし、処理対象PPciを顕に記載すると、PPc1=d1、PPc2=d2、PPc3=d3、PPc4=d4である。図10にこの状態を示す。
このようにして他の体積画素変数Pxk(c2、c3、c4)についても調べられる。しかし、ここでは、これらの体積画素の周囲は、全て主領域Main{Ln}に含まれていない若しくは、履歴情報がすでに付与された体積画素になっている。例えば、図11に体積画素c2(=Px2とする。)の周囲の画素PPxklを示した。具体的にはPPx21〜PPx28である。これら8つの体積画素は、全て履歴情報がすでに作成されているか、主領域Main{Ln}に属していない。したがって、この回の処理で新たに拡張された体積画素となるのは、d1、d2、d3、d4の4つの体積画素で、これらの履歴情報はc1となる。
再び図6を参照して、ステップS214では、具体的なパスを求める。拡張された体積画素PPciの中に体積画素PPcmが存在したということは、体積画素PPcmに履歴情報が付加されたことを意味する。この履歴情報により、隣接している拡張元の体積画素がわかる。拡張元の体積画素はワーク領域W{Ln}に記録されているので、その体積画素の履歴情報もわかる。このようにして、体積画素PPcmから始点体積画素St1に至る体積画素の並びを求めることができる。これがパスである。これらの体積画素をパスP{PSk}とする。PS1は始点体積画素St1であり、PSnは体積画素PPcmである。なお、PSkはn個あるとした。
図12には、パスの具体例を示した。図10から更に履歴付き領域拡張処理を行うと、図12が得られる。体積画素変数Pxkがf1〜f4であるときに、履歴付き領域拡張処理を行った結果g1〜g3で示す拡張された体積画素(処理対象)PPciが求められた(ステップS208)。そして、この中の1つの体積画素g1が、大動脈1だけを表す復元された主領域(大動脈領域)RMain{Ln}に属するPPcmに一致した(ステップS212)。そこで、体積画素PPcm(g1)から履歴情報を辿って、始点体積画素St1までのパスが求まる。図12では、St1、a1、b1、c1、d1、e1、f1、PPcm(g1)がパスP{PSk}に属する体積画素である。
図6を参照して、ステップS216では、パスP{PSk}の全ての体積画素について、主領域Main{Ln}に含まれない点が見つかるまで膨張処理を行う。また、ここで、復元された主領域RMain{Ln}と腫瘍領域C{Ln}まで領域拡張処理が進んだらそれ以上の領域拡張処理は行わない。また、決まった回数だけ領域拡張処理を行ってもよい。領域拡張処理は、画素値がVPthより小さい体積画素は選択されないので、目的血管領域が撮影された以上に太くなることはないからである。領域拡張された体積画素の画素値は目的血管領域Ob{Ln}の対応する体積画素の画素値として記録する。言い換えると、患部領域C{Ln}から大動脈領域RMain{Ln}までの拡張履歴に沿った体積画素を領域拡張処理して目的血管領域Ob{Ln}を求める。
以上の処理により、腫瘍8と大動脈1とをつなぐ目的血管のみを表す目的血管領域Ob{Ln}を抽出することができる。このようにして抽出された被検体の大動脈1(復元された主領域RMain{Ln})と腫瘍8(腫瘍領域C{Ln})とそれらをつなぐ血管20の領域(目的血管領域Ob{Ln})を含む抽出された画像を図4(h)に示す。なお、ここでは、目的血管20は1本を示したが、目的血管20は複数本あってもよい。図3でステップs10は「目的血管領域Ob{Ln}を求める」と記載した。
なお、ステップs9の重なり領域検出工程はステップs10の目的血管抽出工程に含めても良い。また、画像処理装置100では、重なり領域検出部109は、目的血管抽出部110に含めても良い。
(画像表示工程(s11))
本プロセスでは、目的血管抽出工程(s10)により抽出されて生成された画像を三次元画像として画像表示部90に表示する。少なくとも大動脈領域である復元された主領域RMain{Ln}、腫瘍領域C{Ln}、目的血管領域Ob{Ln}の3つのデータを表示するのが望ましい。また、主領域Main{Ln}や全領域Vol{Ln}をこれら3つのデータに重ねて若しくは差し引いて表示してもよい。もちろん、これらのデータは適宜着色若しくは輝度を変化させて表示することができる。
このような処理により、腫瘍8と大動脈1とをつなぐ目的血管である血管20を選択的に表示することができる。生成された三次元画像を図13に例示する。なお、図13では、点線で、肋骨5及び脊椎6の画像を重ねたときの図を示している。
図13に示したように、本実施形態の画像処理装置及び画像処理方法によれば、被検体断層撮影三次元画像を画像処理することにより、大動脈1から腫瘍8への経路に至る血管を特定して表示させることができる。このような画像によれば、大動脈1の分岐点や屈曲点等の形状特徴、または、肋骨5や脊椎6の画像と重ねること等により、それらを目印として、腫瘍8等への経路に至る血管20の位置を明示することができる。
以上、本実施形態の画像処理装置、画像処理方法及びコンピュータプログラムの一例を詳しく説明した。本実施形態の画像処理装置等は上記例に限られず、種々の改変が加えられて用いてもよい。例えば、断層画像群Set{Ln}から生成される三次元画像データVol{Ln}に複数の腫瘍が存在する場合には、図3の破線で示したように、画像表示工程(s11)の後、さらに、腫瘍位置設定工程(s7)に戻り、他の腫瘍を指定してもよい。
その後、上述したのと同様に目的血管抽出工程(s10)までの工程、または画像表示工程(s11)までの工程を腫瘍の数と同じだけ複数回繰り返すことにより、複数の腫瘍につながる目的血管をそれぞれ抽出することもできる。
さらに、複数の血管につながる腫瘍の場合には、各血管毎に重なり領域検出工程(s9)から目的血管抽出工程(s10)までの工程、または画像表示工程(s11)までの工程を血管の数と同じだけ複数回繰り返すことにより、各血管毎の大動脈につながる目的血管をそれぞれ抽出してもよい。
[第二実施形態]
本実施形態の画像処理装置、画像処理方法及びコンピュータプログラムは、被検体の三次元画像データを形成するための断層画像群Set{Ln}の取得(s0)から膨張処理工程(s6)までは第一実施形態と同様である。第一実施形態においては、腫瘍から伸びる血管の起点を特定するために、ユーザーが既知の腫瘍上に腫瘍の位置を特定するために設定点P2を指定した。なお、以下の説明において、「領域に含める」、「領域に属する」といった表現は第一実施形態の場合と同じである。
次に、設定点P2から領域拡張処理することにより腫瘍領域C{Ln}を抽出し、血管の起点となる重なり領域L{Ln}を腫瘍領域C{Ln}と主領域Main{Ln}との重なりから検出した。そして、この重なり領域L{Ln}からさらに大動脈1(復元された主領域RMain{Ln})まで履歴付き領域拡張することにより、腫瘍8と大動脈1とをつなぐ血管20を特定した。
一方、本実施形態においては、予め、既知の血管や出血を示す領域が認識できている場合に、そのような既知の体積画素を始点として指定して、その始点から履歴付き領域拡張処理することにより、始点と大動脈1とをつなぐ血管を抽出する例について説明する。なお、第一実施形態と同様の工程については説明を省略する。また、第一実施形態と同じ符号の要素は、第一実施形態と同様の要素を示す。
図14は、画像処理装置200の画像処理部を説明する説明図であり、図15は、画像処理方法の処理の一連の流れを示すフローチャートであり、図16は、画像処理方法の各工程による処理を図示した模式図である。なお、画像処理装置200は、図1に示した画像処理装置100と実質的に同様の装置構成を有する。
また、画像処理プログラムは、第一実施形態の画像処理プログラム71の代わりに、図15のフローチャートに示したプロセスで画像処理を行う画像処理プログラム72が用いられる。すなわち、本実施形態の画像処理プログラム72は、コンピュータに実行させる処理として、第一実施形態と同様に、画像形成工程(ステップs1)と、中心抽出工程(ステップs2)と、主領域抽出工程(ステップs3)と、収縮処理工程(ステップs4)と、芯部抽出工程(ステップs5)と、膨張処理工程(ステップs6)とを規定している。
一方、腫瘍位置設定工程(ステップs7)と、腫瘍領域抽出工程(ステップs8)と、重なり領域検出工程(ステップs9)と、目的血管抽出工程(ステップs10)の代わりに、ユーザーから指示された三次元画像データ中の枝血管または出血を示す領域の任意の点を、始点として設定する始点設定工程(ステップs20)と、三次元画像データに対して、始点を初期領域として領域拡張処理することにより、始点と大動脈とをつなぐ目的血管の領域を抽出する目的血管抽出工程(ステップs21)とを規定する。
そして、図14に示すように、コンピュータに、上記各工程を実行させる画像処理プログラムがインストールされることにより、画像形成部101、中心抽出部102、主領域抽出部103、収縮処理部104、芯部抽出部105、膨張処理部106、始点設定部207、目的血管抽出部210を構成する。
このような画像処理装置200を用いて実行される画像処理を一連の処理の流れに沿って説明する。
上述のように、画像処理装置200を用いて実行される画像処理は、図15に示す、被検体の三次元画像データを形成するための断層画像群Set{Ln}の取得(s0)から膨張処理工程(復元された主領域RMain{Ln}を求める)(s6)までは、第一実施形態と同様に処理が進められる。この結果、図16に示す、(a)〜(e)までも第一実施形態と同様に処理が進められる。従って、ユーザーから指示された三次元画像データ中の枝血管または出血を示す領域の任意の点を、始点として設定する始点設定工程以降の工程について、詳しく説明する。
(始点設定工程(s20))
本プロセスでは、始点設定部207により、画像形成部101で形成された全領域Vol{Ln}中の、既知の目的とする血管上の点(P3)や、出血を示す領域上の点(P4)を始点として設定する。また、医用画像診断装置160で撮影した断層画像群Set{Ln}で血管上の点(P3)や出血を示す領域(P4)を位置設定してもよい。いずれにしても、本プロセスでは、全領域Vol{Ln}中で始点(P3、P4)と判断される箇所の体積画素の座標が指定される。なお、この指定は、ユーザーの直接指示で行っても良い。なお、始点(P3、P4)は患部体積画素である。
具体的な手順としては、三次元画像データである全領域Vol{Ln}において、既知の血管や出血を示す部分が映っていると考えられる断面画像を二次元画像として画像表示部90に表示させる。断面画像は、全領域Vol{Ln}においてz座標が同一のデータである。このデータは、x座標、y座標、z座標と画素値の4つの成分を含む。ユーザーは、画像表示部90を確認しながら入力部80であるマウス等のポインティングデバイスを操作することにより、画像表示部90上の目的とする血管上の点や出血を示す領域上の点を始点(P3またはP4)として指定する。
始点設定部207は、ユーザーにより指定された点を識別し、その点を目的とする血管上の点(P3)や、認識されている出血を示す領域上の点(P4)として設定する。このようにして設定された点P3、P4を図16(f)に示す。
(目的血管抽出工程(s21))
本プロセスでは、目的血管抽出部210により、始点設定工程(s20)で設定された既知の目的とする血管上の点(P3)や、出血を示す領域上の点(P4)を初期領域として、画像形成工程(s1)で生成された三次元画像のボリュームデータVol{Ln}に対して、初期領域(P3若しくはP4)から大動脈1に到達する目的血管領域Ob{Ln}を抽出する。また、主領域Main{Ln}から目的血管領域Ob{Ln}を抽出してもよい。
処理手順は第一実施形態と同じで、初期領域(P3若しくはP4)から大動脈だけを示す復元された主領域RMain{Ln}に含まれる体積画素が見つかるまで履歴付き領域拡張処理を施す。そして、パスP{PSk}が発見されたら、パスに含まれる全ての体積画素について、主領域Main{Ln}に含まれない点が見つかるまで、復元された主領域RMain{Ln}と患部領域C{Ln}に到達するまで領域拡張処理を行う。
また、決まった回数だけ領域拡張処理をおこなってもよい。領域拡張処理は、画素値がVPthより小さい体積画素は選択されないので、目的血管領域が撮影された以上に太くなることはないからである。なお、履歴付き領域拡張処理は、第一実施形態で説明した履歴付き領域拡張処理と同じである。
このような処理により、目的血管領域Ob{Ln}が求められる。図16(g)には、目的血管領域Ob{Ln}として求められた、血管上の点(P3)と大動脈1とをつなぐ枝血管20や、出血を示す領域上の点(P4)と大動脈1とをつなぐ枝血管30を例示する。
(画像表示工程(s11))
本プロセスでは、目的血管抽出工程(s21)により抽出されて生成された目的血管領域Ob{Ln}のデータを三次元画像として画像表示部90に表示する。このような処理により、血管上の点(P3)と大動脈1とをつなぐ枝血管20や、出血を示す領域上の点(P4)と大動脈1とをつなぐ枝血管30を表示することができる。
以上、本実施形態の画像処理装置、画像処理方法及びコンピュータプログラムの一例を詳しく説明した。本実施形態の画像処理装置等は上記例に限られず、種々の改変が加えられて用いてもよい。例えば、断層画像群Set{Ln}から生成される三次元画像データVol{Ln}に複数の出血領域が存在する場合には、図15の破線で示したように、画像表示工程(s11)の後、さらに、始点設定工程(s20)に戻り、他の始点を指定してもよい。
その後、上述したのと同様に目的血管抽出工程(s21)までの工程、または画像表示工程(s11)までの工程を出血領域の数と同じだけ複数回繰り返すことにより、各出血領域につながる目的血管をそれぞれ抽出することもできる。
なお、第一実施形態で示したように、設定点P2と拡張する領域の半径rをユーザーが指定することで、患部領域C{Ln}を求める手法は、本実施形態における始点設定工程(s20)で用いても良い。すなわち、始点設定工程(s20)で始点(P3,P4)が求められたら、患部領域C{Ln}の範囲(半径r)をユーザーが入力する。その後の処理は第一実施形態と同じにする。つまり、第一実施形態で示した本発明は、腫瘍の代わりに本実施形態で示した血管上の点や出血を示す領域に対しても適用することができる。
本発明によれば、被検体断層撮影から得た三次元画像データを画像処理することにより、大動脈から腫瘍や出血箇所等への経路に至る血管を選択的に表示させることができる。このようにして得られる画像によれば、大動脈の分岐点や屈曲点、または、肋骨像を重ねる等により、それらを目印として、腫瘍や出血箇所等への経路に至る血管の位置を特定することが簡便にできる。それにより、特殊な技能を有する放射線技師等が、時間をかけて大動脈と腫瘍や出血箇所とをつなぐ血管を読み取る必要もなく、個人の技能によらず、それらの血管の位置を明示することができる。
したがって、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法を利用すれば、個人の技能によらなくとも、目的とする腫瘍までの血管を見つけ出し、腫瘍にだけ抗がん剤を送り届けることができる。また、出血部分と動脈との間の血管を特定し、効率的に止血処置を施すこと等が可能になる。
1 大動脈
2 枝血管
3 腫瘍のない臓器
4 腫瘍のある臓器
5 肋骨
6 脊椎
8 腫瘍
20,30 枝血管
50 演算制御部
60 主記憶部
70 補助記憶部
71 画像処理プログラム
80 入力部
90 画像表示部
100,200 画像処理装置
101 画像形成部
102 中心抽出部
103 主領域抽出部
104 収縮処理部
105 芯部抽出部
106 膨張処理部
107 腫瘍位置設定部
207 始点設定部
108 腫瘍領域抽出部
109 重なり領域検出部
110,210 目的血管抽出部
150 医用画像保管装置
160 医用画像診断装置
1000 医用画像診断システム

Claims (1)

  1. 複数の断層画像から3次元画像データとなる全領域を作る画像形成部と、
    前記全領域から大動脈に繋がる主領域を抽出する主領域抽出部と
    前記主領域から大動脈だけを示す大動脈領域を抽出する大動脈領域抽出部と、
    前記全領域から患部を含む患部領域を求める患部領域抽出部と、
    前記患部領域から前記大動脈領域までをつなぐ目的血管領域を求める目的血管抽出部とを有し、
    前記主領域抽出部は、
    前記断層画像の1枚を2値化処理し、
    前記2値化処理された断層画像上の各画素に対して最も近い画素値がゼロの点までの距離を求める距離変換処理を行い、
    前記距離が最も大きかった画素を含む体積画素を中心画素とし、前記中心画素から領域拡張処理によって大動脈に繋がる主領域を抽出し、
    前記大動脈領域抽出部は、
    前記主領域を所定の回数だけ収縮処理し、
    前記収縮された主領域に対して前記中心画素から領域拡張処理を行い芯部領域を求め、
    前記芯部領域を所定の回数だけ膨張処理を行い、
    前記患部領域抽出部は、
    前記全領域から前記患部に含まれる患部体積画素を指定し、前記患部体積画素から所定の範囲に含まれる体積画素を前記患部領域に含め、
    前記目的血管抽出部は、
    前記患部領域と前記主領域の共通部分である重なり領域を求め、
    前記重なり領域から前記大動脈領域までを領域拡張の履歴を残しながら領域拡張処理を行い、
    前記患部領域から前記大動脈領域までの拡張履歴に沿った体積画素を領域拡張処理し、
    前記目的血管領域を求めることを特徴とする画像処理装置。
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