JP5062764B2 - 磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム - Google Patents

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Description

本発明は、患者の体内に注入された治療薬剤を、磁気を利用して患部等の所望の領域へ誘導する磁気誘導型ドラッグデリバリー技術に関するものである。
生体内の癌や腫瘍を薬剤療法によって治療するためには、治療薬剤を患部等の所望の領域へ集中的に投与することが効果的であるとされている。患部に治療薬剤を集中的に高密度で投与する方法には、細長いカテーテルを用いるものがある。細長いカテーテルを、例えば大腿部の血管から挿入し、画像診断装置上の画像で血管内部のカテーテル先端の位置を確認しながら患部へ進め、カテーテルを通じて治療薬剤を患部に高密度で投与する。しかし、カテーテルを患者の体内で患部へ進めるには高度の熟練が必要である。
カテーテルほどの熟練を必要としないもので、治療薬剤を患部へ投与するために一般的に行われているのは、患者の血管に治療薬剤を注射する方法である。しかし、この方法では、薬剤を静脈注射で投与するため、薬剤を患部に集中的に投与することはむずかしい。これを解決するものとして、磁気力を利用して薬を患部へ誘導する方法が提案されている。非特許文献1には、分岐部を有するチューブの外部に磁石を配置し、チューブ内へ強磁性粒子を含んだ薬剤を流すと、磁石によって強磁性粒子を含んだ薬剤の多くを意図した方向へ流すことができることが報告されている。
THA12P009 "Three-Dimensional Motion ControlSystem of Ferromagnetic Particle for Magnetica11y Targeted Drug DeliverySystem" F. Mishima et al. 19th International Conference on Magnet Technology, September,2005, p147
非特許文献1に開示された技術は、磁性粒子を含んだ治療薬剤を分岐する血管内で磁石によって意図する方向へより多くの分量を流す可能性を示したものである。しかし、例えば、患者の体内の血管分岐部の特定方法、患者に対する磁石の位置決め方法など、臨床に適用するためには解決すべき課題がある。
本発明は上記技術背景に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、患者の体内に投与された薬剤を磁気力で患部等の所望の領域へ効率よく誘導できる臨床に好適な磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムを提供することにある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、被検者の血管内へ投与された磁性薬剤を所望の方向へ誘導する磁場発生装置を備えた磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムにおいて、前記被検者の3次元血流イメージを用いて、前記血管内の分岐位置(血管内分岐位置)を抽出する血管内分岐位置抽出手段と、前記血管内分岐位置抽出手段によって抽出された前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を求める血管内分岐位置情報取得手段と、前記血管内分岐位置情報取得手段によって求められた前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を用いて、前記血管内分岐位置の近傍に前記磁場発生装置の位置を設定する磁場発生装置位置設定手段と、を備えたことを特徴とする磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムを提供する。
上記構成において、3次元血流イメージを取得する医用画像診断装置としては、核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)、X線CT装置、X線撮影装置、超音波装置等を用いることができる。また、上記構成において、磁場発生装置は、超電導磁石、常電導磁石を用いることができる。さらに、血管分岐部において磁性薬剤を患部方向へ効率よく誘導するために、磁石として超電導磁石であって、磁石外部へ細長い強力な磁場を形成できる磁石、例えば超電導バルク材を用いた磁石を用いることが望ましい。
本発明によれば、磁性薬剤を患者の患部等の所望の領域へ効率よく誘導することができる磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムを提供することができる。また本発明によれば、臨床に好適な磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムを提供することができる。
<<第1の実施形態>>
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の構成を説明するための図である。
本図に示すように、本実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000は、画像解析装置1100と、磁場発生装置1200と、制御装置220とを備える。
画像解析装置1100は、画像診断装置100によって撮像された患者の3次元血流イメージを用いて、心臓と患部とつなぐ動脈血管の分岐位置の実空間座標を算出するものであり、患者の3次元血流イメージから、心臓と患部とを繋ぐ動脈血管を抽出し、抽出した動脈血管の分岐位置を特定して、血管の分岐位置情報を生成する血管分岐位置抽出処理部1110と、血管内分岐位置抽出処理部1110が生成した血管の分岐位置情報を、患者の体の一部に設けられた基準位置マーカの位置を基準とした実空間座標に変換する座標変換処理部1120とを備える。
ここで、画像診断装置100としては、核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)、X線CT装置、X線撮影装置、超音波装置等の3次元血流イメージングが可能な装置を用いることができる。以下、本実施形態では、画像診断装置100としてMRI装置を用いる場合を例にあげて説明する。また、本実施形態では、画像解析装置1100は、MRI装置の制御部内に包含されているものとする。画像解析装置1100は、画像診断装置から独立し、画像診断装置100に接続されているよう構成してもよい。また、制御装置220と一体であってもよい。
磁場発生装置1200は、磁石を備え、患者の血管内に投与された磁性薬剤を患部方向へ誘導するために血管分岐部に磁場を印加する。磁石として、超電導磁石、常電導磁石を用いることができる。なお、血管分岐部において磁性薬剤を患部方向へ効率よく誘導するために、磁石として、超電導磁石であって、磁石外部へ細長い強力な磁場を形成できる磁石、例えば超電導バルク材を用いた磁石を用いることが望ましい。磁石の詳細は後述する。また、磁場発生装置1200は、磁石を支持するとともに、磁石の位置および向きを自在に変化させることができる磁石保持機構200を備える。
制御装置220は、患者の血管内に投与された磁性薬剤を患部方向へ誘導するため、画像解析装置1100が算出した血管の分岐位置を用いて磁場発生装置1200が備える磁石を配置すべき位置および向きを決定し、決定した位置および向きに磁石を配置するよう磁石保持機構200を制御する。制御装置220の詳細は後述する。
次に、上記患者の体内の血流を3次元血流イメージとして画像化する画像診断装置100について説明する。上述のように、本実施形態では、画像診断装置100としてMRI装置を用いる。以下、MRI装置100と呼ぶ。図2は、MRI装置100の斜視図である。MRI装置100は、一般的に被検体である患者2の体内組織を、核磁気共鳴現象を利用して画像化するものであり、患者2を収容する空間内の所定の大きさの空間領域(計測空間)へ所定強度の均一な静磁場を発生する磁石と、患者2の体内組織を構成する原子の原子核へ核磁気共鳴現象を起こさせる電磁波(RFパルス)を照射する照射コイルを含む照射系と、前記計測空間内において直交する3方向に対して磁場勾配を与える傾斜磁場を発生する3組の傾斜磁場コイルとから成るガントリー110と、患者2を搭載し、患者2の患部を前記計測空間へ搬送し、位置決めする寝台120と、を備えている。これらの照射コイル、傾斜磁場コイル及び寝台120の動作は中央演算処理ユニット(CPU)を備えた制御部130によって制御される。なお、71は患者2上の位置を特定するためのマーカである。マーカ71の詳細は後述する。
制御部130には、術者が撮像のためのパラメータや動作指令を入力する操作用コンソール140、CPUでの処理結果を出力する表示装置としてディスプレイ150、マウスやトラックボールやジョイスティックのような位置情報入力操作器160が接続されている。また、制御部130には、画像解析装置1100の他に、MR計測により取得されたMR信号を画像化するための、増幅部とAD変換部と直交検波部とから成る受信系、フーリエ変換部から成る画像再構成部、前記各種パルスシーケンス並びに取得されたMR信号や再構成されたMR画像を保存する記憶部が設けられる。また、MRI装置100には傾斜磁場コイルに対し電力を供給する傾斜磁場電源がガントリー110、寝台120、制御部130とは別体として設けられている。
制御部130には、前記RFパルスと傾斜磁場の発生並びに印加タイミングと、それらの組合せとからなる種々のパルスシーケンスがソフトウェアとして格納されている。周知のパルスシーケンスには、2次元断面を撮像するために使用される2次元撮像用パルスシーケンスと、患者を3次元的に撮像するために使用される3次元撮像用パルスシーケンスとがあり、上記MRI装置100にもそれらがインストールされている。さらに、MRI装置100は、患者2の体内を流れる血流をイメージングする血流イメージング用パルスシーケンス、例えば位相感応法(Phase Sensitive法:PS法)パルスシーケンス、位相コントラスト法(Phase Contrast法:PC法)パルスシーケンスや、その他に造影MRA(造影MRアンジオグラフィ:Contrast−enhanced MRA)用パルスシーケンス、さらにはマルチステーションMRA用パルスシーケンス等が搭載されている。これらのパルスシーケンスは必要に応じて、選択的に用いられる。
なお、磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000と画像診断装置100との配置は特に限定されない。しかし、両者が隣接して配置され、被検体である患者2が両者間をスムーズに移動できる構成が望ましい。
次に、磁場発生装置1200が備える磁石について説明する。本実施形態では、磁石として、超電導磁石を用いる。図3は、本実施形態の磁場発生装置1200が備える超電導磁石7の構成図である。超電導磁石7は、YBCO(酸化物超電導体;YBaCu)を主成分とした高温超電導導体のコイル線20aを、直径約25mm程度の銅製のボビン20bの外部にコイル状に多数層巻付けたソレノイド磁石21により構成される。超電導磁石7を構成するコイル線20aは、樹脂含侵によりコイル線20a間が固定されるとともに、ボビン20bへ接着剤等で固定される。ボビン20bは、例えば銅製の伝熱フランジ22に、インジウム等の熱伝導率が大きい柔らかなシートを介してボルト(図示せず)等により結合され、熱的に一体化されている。前記伝熱フランジ22は、熱伝導率の小さな材料、例えばステンレス鋼製の円筒体23に溶接や銀ロウ等で気密接合され、真空気密を実現している。伝熱フランジ23の他端部はフランジ24に溶接等で気密接合され、フランジ24はフランジ25と0リングを介しボルト(図示せず)で気密固定される。フランジ25には冷凍機固定フランジ26が冶金接合によって気密一体化され、真空気密性を有するベローズ27を介して冷凍機固定フランジ26と、高圧ガスと低圧ガスのガス流路切り替え機構(図示せず)を内蔵した例えばギフォード・マクマホン式のヘリウム冷凍機28とが0リング、ボルト(図示せず)で気密固定される。ヘリウム冷凍機28には、ヘリウムガス圧縮機29が高圧ヘリウムガス配管30、低圧ヘリウムガス配管31を介して接続される。ヘリウム冷凍機28には、ヘリウムガスが断熱圧縮、断熱膨張するシリンダ32および寒冷発生部のコールドステージ33が接続されている。
一方、ソレノイド磁石21の外周には、真空断熱のために真空容器カバー34が配置されている。真空容器カバー34はフランジ35により、フランジ24、25に0リングを介してボルト(図示せず)で気密固定される。真空容器カバー34の外周面には、超電導磁石7の位置およびソレノイド磁石21が発生する磁束の方向を検出する磁石位置検出器(位置センサ)61が取り付けられている。この位置センサ61は、中心位置と3軸方向とが検出できる周知の磁気センサまたは光学的センサが用いられる。また、真空容器カバー34のソレノイド磁石21に対向する面の外面には、真空容器カバー34と人体や寝台とが接触したことを検出するタッチセンサ64が取り付けられている。このタッチセンサ64としては、導電性ゴムを銅板で挟み導電性ゴムへ所定圧力が作用すると、ゴムを挟んでいる銅板間が電気的に導通し信号を発する構造のものや、発光ダイオードとフォトダイオードを対向して配置し、発光ダイオードとフォトトランジスタの間に物体が位置すると発光ダイオードから発せられる光が遮断され信号を発する構造のものを用いることができる。
温度約摂氏マイナス230度の極低温となるボビン20、ソレノイド磁石21、伝熱フランジ22、コールドステージ33の周りには、室温の構成材からの輻射熱の侵入を防止するために積層輻射断熱材36が巻付けられている。空間37,38は、真空ポンプ39により、真空配管40、弁41、真空配管42、弁43を通じて真空排気され、真空断熱空間を形成する。ヘリウム冷凍機28でソレノイド磁石21が極低温に冷却された後は、弁41,43が閉じられ、超電導磁石7と真空配管40,42を分離することができる。
また、空間38が真空排気されることにより、ヘリウム冷凍機28は伝熱フランジ22へ大気圧により押し付けられる。コールドステージ33と伝熱フランジ22との間にはインジウムシートやグリース等の熱伝導媒体が設けられており、前記大気圧の押し付け力により伝熱フランジ22はコールドステージ33の寒冷で良好に冷却される。
図示を省略された磁石駆動制御回路によって、真空ポンプ39を運転することで空間37、38を真空排気しながらヘリウム冷凍機28を運転すると、超電導磁石21が極低温に冷却される。そして、超電導磁石21が極低温に冷却された時点で磁石駆動制御回路の制御によって励磁電源44からパワーリード線45を介してソレノイド磁石21のコイル線20aへ通電することにより、ソレノイド磁石21のソレノイド中心部に、例えば5テスラの磁界を連続的に発生させることができる。
本実施形態の超電導磁石7の周囲の磁界分布は図7のようになり、超電導磁石7を収容する容器の先端部の中心部付近が最も磁界の強さが強く、磁石の軸方向及び半径方向に対し離れるに従って磁界の強さが弱くなる。すなわち、超電導磁石7の軸方向及び半径方向に対し磁気傾斜が発生する。
本実施形態の磁石構造によれば、フランジ24とフランジ35とをボルト(図示せず)で、フランジ25とは独立して一体化することができる。このため、この両フランジ24、35に付随する構成部材を一体として構成し、フランジ25に着脱可能とできる。すなわち、本実施形態の磁石構造によれば、超電導磁石7側の構造と、冷却を行うヘリウム冷凍機29側の構造とを分離可能とすることができる。従って、異なる仕様の超電導磁石7であっても、同じフランジ24(伝熱部位)に固定可能な超電導磁石であれば、同じヘリウム冷凍機29に取り付けて使用することができる。直径や磁石軸長、磁界強さ等が異なる超電導磁石7であって、同じフランジ24に固定可能な超電導磁石7を多種類製作し、その中から必要な仕様の超電導磁石7をフランジ25に取り付けられたヘリウム冷凍機29に組み合わせて使用することができる。この場合、ヘリウム冷凍機29は共用できるので磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000構築にかかる費用を低減できる。
次に、磁場発生装置1200の詳細について図1を用いて説明する。なお、本実施形態では、各血管分岐部において磁性薬剤の磁気誘導を行うため、血管分岐部毎に超電導磁石7を設ける。図1は、患部までの血管の分岐部が3箇所である場合の例である。すなわち、本実施形態の磁場発生装置1200は、3箇所の血管分岐部において磁性薬剤の磁気誘導を行なうために、前記超電導磁石7を3セット備えている。
各超電導磁石7は、治療用ベッド210が置かれた治療室の床に敷設されたレール10と、このレール10上を駆動車輪12によって移動可能な駆動部収納ボックス11と、この駆動部収納ボックス11の上面に立設された支柱80と、この支柱80の上端部から延びる自在アーム90とから成る磁石保持機構200によって支持される。
磁石保持機構200を構成する構成要件の詳細を説明する。前記レール10は、治療用ベッド210の長手方向に沿って、ベッド210に隣接して治療室の床面へ配置され、駆動部収納ボックス11の駆動車輪12の移動方向を規制する。駆動部収納ボックス11は、内部空間に駆動車輪12を駆動する電磁ブレーキ付モータとその駆動回路と歯車機構とから成る駆動部(図示省略)を収納するものである。この駆動部収納ボックス11は、前記モータへパルス電圧を印加することによりモータを駆動するとともに、その回転数又は回転角度をエンコーダにて計測することで、駆動部収納ボックス11の移動距離を制御できるようになっている。
支柱80は、駆動部収納ボックス11の上面へネジ止め、又は溶接等で固定された中空状の柱であり、その先端が床面から所定の高さに位置するように長さが設定されている。そして、支柱80の上端には、自在アーム90の駆動制御を司る自在アーム駆動制御機構(図示省略)を収納したアーム駆動部収納ボックス13が配置されている。自在アーム90は、図1に示すように、第1アーム14と、第1回転関節部15と、第2アーム16と、第2回転関節部17と、第3アーム18と、第3アーム18の先端へ設けられた超電導磁石容器ホルダー19とからなる。第1アーム14の軸中心周りの回転と、第1回転関節部15の平面的回転(円筒の中心軸周りの回転)と、第2回転関節部17の平面的回転との3つの動作を自在アーム駆動制御機構によって制御することで、自在アーム90は、実空間において、第3アームの先端へ取り付けられた超電導磁石7の先端の中心位置を任意の位置へ、かつ、超電導磁石7の軸中心の方向を任意の方向へ移動制御する。このような自在アーム90は、溶接ロボットや組立ロボットの技術を転用することで実現が可能であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、支柱80は、伸縮可能な構造を有し、駆動制御機構により高さを制御可能な構成であってもよい。伸縮可能な構造として、例えば、2重の円筒構造であって、内側円筒が外側円筒に対して油圧などにより上下する機構を有するものを採用することができる。また、支柱80は、手動で移動可能なように構成してもよい。この場合、後述する制御装置220は、支柱80がネジ止めされている駆動部収納ボックス11の車輪の回転量から移動量を検出する。
図3に示したヘリウム冷凍機29、真空ポンプ39、励磁電源44及び磁石駆動制御回路(図示省略)は駆動部収納ボックス11内に配置され、高圧ヘリウムガス配管30、低圧ヘリウムガス配管31、パワーリード線45は、支柱80内および支柱上部のアーム駆動部収納ボックス13を通り、束ねて可撓性を有する例えば蛇腹状の高分子材料で製作された保護チューブ46に収納され、超電導磁石容器7に連結されている。保護チューブ46は、各アームに設置した支持リング47によって保持される。
図1に示す実施形態では、抽出又は特定された血管分岐部毎に設けられた合計3セットの超電導磁石7のうち、患者の最も下肢方向に位置する超電導磁石7を支持する磁石保持機構200の支柱80の高さを他のものよりも低く設定しているが、各支柱80の高さは必要に応じて設定してもよいし、または支柱80の高さを変更する変わりに、アーム駆動部収納ボックス13を支柱の側面で上下方向へ移動可能に設けて、自在アーム90の移動可能な範囲を拡大してもよい。
制御装置220は、画像解析装置1100が求めた患者体内の血管分岐部の位置情報を受けとり、自在アーム90に取り付けられた超電導磁石7の配置位置および方向を決定し、決定した位置および方向に配置するよう前記駆動部収納ボックス11(支柱80)の位置と前記自在アーム90の移動とを制御する。制御装置220から駆動部収納ボックス11及びアーム駆動部収納ボックス13への電源供給並びに制御信号の供給のために、制御装置220から駆動部収納ボックス11へケーブルが接続されている。アーム駆動部収納ボックス13への電源供給及び制御信号の供給は、駆動部収納ボックス11にて中継され、支柱80の内壁又は外壁に沿ってアーム駆動部収納ボックス13へ延伸されるケーブルを通じて行われる。なお、他の形態として、電源供給にかかわらない制御信号の供給には、制御装置220と、駆動部収納ボックス11並びにアーム駆動部収納ボックス13との間での無線信号による信号伝達機構、例えば電磁波、赤外線を用いた信号伝達機構を用いることができる。なお、制御装置220は、メモリとCPUとを備え、予めメモリに格納されたプログラムをCPUが実行することにより各制御を実現する。
次に、本第1の実施形態による磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の動作を説明する。図11は、本実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の動作により実現される磁気誘導ドラッグデリバリー処理のフローである。なお、本実施形態では、患者の疾患部は既に前もって行なわれた画像診断及び病理診断によって特定されているものとする。それが特定されていない場合には、事前に画像診断装置、例えばMRI装置、X線CT装置、X線撮影装置、超音波診断装置、PET(PositronEmissionTomography)装置等で患者を撮像し、画像診断並びに病理診断を合わせて行い、疾患部を特定する。
患者の疾患部が特定された後、心臓から患部までの領域の3次元血流イメージを取得する(3次元血流イメージ取得処理:ステップ2000)。本処理は、画像診断装置1100で行う。本実施形態では、MRI装置100である。静脈注射された磁性薬剤は、静脈→心臓→肺→心臓→動脈→血管分岐部→患部という経路を通って流れるため、操作者は心臓から患部までの間の血管分岐部の位置を患者の実空間データとして把握することが求められるためである。
操作者は、患者2をMRI装置100の寝台120に乗せ、心臓から前記疾患部までの領域をROI(Region of Interest:関心領域)として撮像することができるように患者2の静磁場発生磁石の計測空間内での位置を決める。そして、3次元血流イメージング用パルスシーケンスを選択して、MR撮像の準備を行なう。3次元血流イメージングは、心臓から疾患部までの間の血管の描出並びにそれらの間の血管の分岐の描出ができればよいので、撮像に先立ってガドリニウムを含むMR造影剤を患者へ注入してもよいし、注入しなくてもよい。
MRI装置100の1回の撮像における最大FOV(FieldofView)は静磁場発生磁石の均一磁場のサイズによる制限を受けるので、3次元血流イメージングの前記ROIがMRI装置100の最大FOVを超える場合には、撮像を複数回に分けて行う必要がある。このような場合には、前記マルチステーションMRA法やMOTSA(Multi−0verlapping thin Slab Acquisition)法等の撮影テクニックを用いることができる。
上記撮像パルスシーケンスの選択の他に、撮像パラメータ(FOV、スラブ厚、画像マトリクスサイズ、Tl又はT2etc.)を設定するとともに、後述する超電導磁石7の(実空間上での)位置制御のための基準位置となるマーカ71を患者2の体の表面に配置する。このマーカ71は、核磁気共鳴現象に好適に感応する媒体、例えば水を封入した細い管状体72と、この管状体72に結合された位置情報発信装置73とから成る。位置情報発信装置73は、例えば磁気センサの磁気発信器や光学的センサの赤外線発信器を用いることができる。また、位置情報発信装置73は、マーカ71から着脱可能な構成としてもよい。
このマーカ71のうち、水を封入した管状体72は、MR撮像のFOV内であって、患者を平面視したとき(仰臥位で撮像したときと同義)に撮像対象の血管や患部と管状体72とが重複しないような位置に置かれ、3次元血流イメージに写し込まれるようにする。
患者の撮影位置決めを含む撮像準備が完了すると、操作者は撮像開始指令を操作用コンソール140から入力する。操作用コンソール140を介して撮像開始指令を受け付けると、制御部130は、前記照射系、傾斜磁場電源並びに受信系を制御し、RFパルスの照射と傾斜磁場の印加と、MR信号の受信とを予め指示されている撮像パルスシーケンスに則って行い、3次元血流イメージングのための3次元MR信号計測(3次元血流計測)、すなわち、MR信号に、位相エンコード、周波数エンコード、スライスエンコードを付与する3次元計測を行なう。3次元血流計測により得られたMR信号は、3次元k空間に対応するメモリ領域に計測毎に格納される。そして、3次元血流計測が完了すると、制御部130は、メモリ空間に記憶されたMR信号を3次元フーリエ変換し、画像再構成を行う。以上により3次元血流イメージが得られる。
この3次元血流イメージは、前記3つのエンコード方向を、実空間に置かれた患者の体軸方向と、体軸に直交する2方向、例えば寝台に平行な方向とそれに直行する方向の2方向との3方向にそれぞれ対応させることで、実空間に対応した3次元位置情報を有している。また、予め定められている、3次元血流イメージ内の1画素(ピクセル)に対する実空間の長さを用い、3次元イメージ内の距離は、実空間における距離に容易に変換できる。
次に、画像解析装置1100は、取得した3次元血流イメージ上で、心臓から患部に連なる血管系統を特定し、特定された血管系統上の血管分岐部の抽出を行う(血管分岐部抽出処理:ステップ2010)。なお、3次元血流イメージは、MRI装置100の制御部130に内蔵された画像解析装置1100へ送られるとともにディスプレイ150の画面に表示される。ディスプレイ150の表示画面に3次元血流イメージが表示されるに際して、制御装置130は、3次元血流イメージに磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の置かれた実空間座標系と同じく直交する3次元座標系を付与する。図4はMRI装置100によって得られた患者2の3次元血流イメージを示している。本図を用いて、血管分岐部抽出処理の手順を説明する。
画像解析装置1100へ3次元血流イメージが送られると、画像解析装置1100は、まず、3次元血流イメージ上で心臓300と患部310とを繋ぐ血管系統を特定及び抽出する。画像解析装置1100は、この心臓300と患部310とを繋ぐ血管系統の特定及び抽出を、心臓300近傍のA点と患部310近傍のB点との2点間の公知の血流領域抽出法、例えば領域拡張法(リージョングローイング法)により行なう。なお、上記A点とB点とは、操作者がディスプレイ150に表示された3次元血流イメージを目視観察し、位置情報入力操作器160を手動操作することにより指定される。例えば、カーソルで指定する、または、A点、B点の座標を入力するなどである。
心臓300と患部310とを繋ぐ血流(血管系統)の特定および抽出を終えると、画像解析装置1100は、抽出した血管系統中の分岐部(血管分岐部)を抽出及び特定する。ここで特定される血管分岐部は超電導磁石7のターゲットとなる。
血管分岐部を抽出し、特定するする方法としては幾つかの方法が考えられる。その1つは、操作者がディスプレイ150に表示された3次元血流イメージを観察しながら血管分岐部を抽出し特定する方法である。この場合、血管分岐部の抽出は操作者が3次元血流イメージを目視観察し、前記の位置情報入力装置160を用いて、図4に示すように血管分岐部Nl,N2をカーソルにより、または、座標点Nl,N2を入力することにより指定する。画像解析装置1100は、操作者から血管分岐部の指定を受け付け、その座標を記憶する。なお、3次元血流イメージの撮像データを通常倍率で表示しても見にくいことがある。その場合には、血管分岐部を含む小領域を拡大表示して上記入力操作が容易にできるようにしてもよい。
また、操作者は、ディスプレイ150の画面に表示された3次元血流イメージ上で、前記マーカを目視観察により特定し、前記位置情報入力装置160を用いてマーカ位置をカーソルにより、または、マーカ位置を特定する座標点Xを入力することにより指定する。画像解析装置1100は、操作者が指定したマーカ位置を受け付け、その座標を記憶する。
また血管分岐部の抽出および特定は画像解析装置1100自身で行なわせるようにすることもできる。この方法を図5を用いて説明する。まず、前述のように、心臓300と患部310とを繋ぐ血管(血流)系統を前述の如く、A点とB点とにより特定および抽出する。その抽出された血管の分枝血管を含めた全ての血管の中心線抽出処理を実行する。そして、心臓300と患部310とを繋ぐ動脈と分枝血管との中心線同士が交わる点(これが分岐点である)の全て、例えば図5に示す分岐点Ml、M2、M3から、心臓300と患部310とを繋ぐ血管上に位置する分岐点Ml、M2のみを選択的に残して血管分岐部とし、残余の分岐点を除外する処理を行う。以上の処理により、本実施形態で必要な血管分岐部を抽出および特定できる。なお、中心線処理による血管分岐部を抽出する技術は、特許文献3に開示されている。
特開2006−42969号公報
画像解析装置1100により血管分岐部を抽出および特定する場合、画像解析装置1100は、操作者から血管分岐部の抽出および特定を行うよう指示を受け付けると、上記処理を行い、本実施形態で必要な血管分岐部を抽出および特定し、記憶する。この場合も、画像解析装置1100は、基準位置となるマーカ位置の入力を操作者から受け付け、記憶する。
なお、血管分岐部の抽出および特定の処理において、マーカ位置の検出を画像解析装置1100が行うよう構成してもよい。すなわち、画面上で特異的な信号強度を示す部材(水、磁性体などの物質を充填した三角形、四角形などの特徴的な形状を有するもの)でマーカを構成し、その位置を画像処理により自動認識する。また、マーカではなく、生体の特徴部位、例えば、肋骨弓下等を、位置を特定する指標として用いるよう構成してもよい。
以上のように、血管分岐部Nl,N2,・・・又はMl,M2,・・・と、3次元血流イメージの基準点としてのマーカの位置Xとが特定されると、画像解析装置1100は、3次元血流イメージ空間上における血管分岐部Nl,N2,・・・又はMl,M2,・・・の、実空間上のマーカの位置Xの座標を基準とした座標を計算する(実空間座標変換処理:ステップ2020)。以上の過程を経ることによって、心臓300と患部310とを繋ぐ血管上に位置する血管分岐部、すなわち超電導磁石7のターゲットを3次元血流イメージ上から抽出し特定することができる。なお、得られた各血管分岐部の実空間上の座標は、それぞれ、血管分岐部を特定する情報に対応付けて記憶される。なお、実空間座標に変換する際、基準とする座標は、マーカ71の位置に相当する位置の実空間座標を直接入力するよう構成してもよい。画像解析装置1100は、操作者から受け付けた座標を用いて各血管分岐部の実空間座標を計算する。この場合は、3次元血流イメージを撮影する際、マーカ71(管状体72)を設けなくてもよい。
実空間座標変換処理後、画像解析装置1100は、抽出した各血管分岐部の情報を制御部220に送信する。制御部220は、受信した情報を用いて各血管分岐部ついて、超電導磁石7の向き(配置方向)、すなわち、超電導磁石7による磁束の中心方向を決定する(配置方向決定処理:ステップ2030)。超電導磁石7による磁束の中心方向を決めるには、各血管分岐部における血管の走行方向の情報が必要である。超電導磁石7によって磁性薬剤を血管分岐部で患部へ連なる血管方向へ吸引するためである。以下、超電導磁石7の配置方向を決定するために、制御部220が行う処理について、図6を参照して説明する。
ここでは、抽出された血管分岐部はN個(Nは自然数。)と仮定する。制御部220は、n番目(nはN以下の自然数。)の血管分岐部Nnにおいて、血管分岐部Nnの上流側及び下流側の、血管分岐部Nnから所定距離に位置する血管の中心点をそれぞれUn及びDnと定める。そして、3点(Un,Nn,Dn)を含む2等辺三角平面を特定する。そして、2等辺三角平面をなす辺(Un,Nn)と辺(Dn,Nn)とのなす角度(頂角)を2等分する直線を前記2等辺三角平面上で求め、辺(Un,Dn)と交わる点をCnとする。直線(Nn,Cn)の方向を超電導磁石7の配置方向、すなわち超電導磁石7による磁束の中心方向と決定する。超電導磁石7は、その磁束中心を、直線(Nn、Cn)に一致させて、3次元血流イメージ上で直線(Nn,Cn)の点Cn側の延長上で、患者2の体表面に接近した位置(Fn:配置位置)に配置されることとなる。なお、Un、Dnは、操作者が入力するよう構成してもよい。また、超電導磁石7の配置方向自体を操作者が画面上で指定するよう構成してもよい。制御部220は、操作者の入力を受け付け、超電導磁石7の配置位置Fnおよび配置方向を決定する。
なお、直線(Nn,Cn)が超電導磁石7の磁束中心に一致するように超電導磁石7を配置することが望ましいと考えられるが、人体表面は3次元的な凹凸が入り組んで形成されているので、直線(Nn,Cn)上に超電導磁石7を配置すると超電導磁石7と血管分岐部との間の距離が離れすぎることがあり得る。そのような場合には、超電導磁石7の方向を血管分岐部へ向けることを優先的に考慮して、その磁束中心を若干直線(Nn,Cn)からずらす調整を行なってもよい。制御部220は、以上の処理を心臓300から患部310に繋がる血管上の血管分岐部全てについて実行し、各血管分岐部における超電導磁石7の配置方向をそれぞれ決定する。制御部220は、決定した配置方向を、各血管分岐部Nnを特定する情報および座標に対応づけてそれぞれ記憶する。
以上の処理が抽出された各血管分岐部について行われ、それぞれ、3次元血流イメージ上での超電導磁石7の先端を配置する配置位置Fnと配置方向とが決定される。なお、各超電導磁石7がいずれの血管分岐部をターゲットとするかは、各超電導磁石7の初期の位置と配置位置Fnとの距離で決定してもよいし、操作者の指示により決定してもよい。距離で決定する場合は、例えば、各血管分岐部または各配置位置Fnに、実空間上の超電導磁石7の初期位置が最も接近しているものを割り当てる。そして、各超電導磁石7に割り当てられた配置位置Fnと配置方向(磁束中心を向ける直線(Nn,Cn))が定まると、ターゲットとなる血管分岐部、配置位置および配置方向は、患者の体に設けられた基準点用マーカに対する実空間上の座標またはベクトルに変換される。この変換処理は、3次元血流イメージの画素1ピクセルの実空間上におけるサイズ、すなわち「1ピクセルの所定方向サイズ=FOV/所定方向のエンコード数」を元に行なわれる。
以上のように、3次元血流イメージ上で、各超電導磁石7の配置位置Fnと配置方向とが定まると、制御装置220は、各超電導磁石7を定められた位置および方向に配置する(位置決め処理:ステップ2040)。以下、位置決め処理について説明する。
図1に示す磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の寝台210に患者2が、3次元血流イメージの取得時と同じ体位で寝かされ、磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の電源が投入されると、磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000の制御装置220が作動し、画像解析装置1100から超電導磁石7のターゲット、配置位置および配置方向に関するデータが取り込まれる。ここで、取り込まれる超電導磁石7のターゲットに関するデータは、実空間上での超電導磁石7の配置位置Fnと、超電導磁石7の磁束中心を向ける方向(直線(Nn,Cn))を特定するベクトルであり、それぞれ、マーカ72を基準としたデータである。
制御装置220は、各超電導磁石7を現在の位置および向きから、配置方向決定処理によって求めた配置位置および配置方向に移動させるための制御データを生成する。このため、まず、制御装置220は、患者2の体に設けられたマーカ72を基準位置(座標原点)とする実空間座標系における超電導磁石7の現在の位置(初期位置)と超電導磁石7の向き(初期方向)とを検出する。検出は、図3に示す超電導磁石7の容器に取り付けられた位置センサ61が、マーカ72に設けられた位置センサ(基準位置用)73に対する自身の位置および方向を検出することにより行われる。制御装置220は、超電導磁石7の位置センサ61の出力(初期位置および初期方向)と画像解析装置1100から取り込んだデータ(血管分岐部の座標と超電導磁石7の配置方向)との差分をとることにより制御データを生成する。
制御装置220は、生成した制御データに従って、超電導磁石7の位置および向きを、画像解析装置1100が決定した配置位置及び配置方向にするよう制御する。具体的には、自在アーム駆動制御機構を制御することにより、支柱80の位置と自在アーム90に取り付けられた超電導磁石7の位置及び方向とを制御し、超電導磁石7を配置位置に近づけ、かつ、その向きを配置方向とする。なお、制御は、所定時間ごとに、現在の超電導磁石7の位置(初期位置)および向き(初期方向)を検出し、それぞれ、配置位置の座標と配置方向を示すベクトルとの差分をとることにより制御データを生成し、制御データに従って超電導磁石7を移動させることを繰り返す、フィードバック制御により行う。差分が0となった場合、制御装置220は、位置決めが完了したものと判断し、制御を終了する。
ここで、この超電導磁石7の位置決め処理の制御過程において、超電導磁石7の容器が患者に接触或いは患者を圧迫することを防止する必要がある。これらを防止するため、超電導磁石7の容器の先端に設けられたタッチセンサ(接触検出器)64からの出力も、超電導磁石7の位置および方向の制御に用いる。例えば、最初に超電導磁石7が患者に接触しない範囲で配置方向のみをフィードバック制御により合致させ、その後、タッチセンサ64からの出力があるまで、超電導磁石7を血管分岐部に近づける方向に自在アーム90を移動制御する。
以上のように超電導磁石7の位置決めが完了すると、所望の位置および方向に配置された各超電導磁石7を用いて、磁性薬剤の磁気誘導による患者の治療が行われる(磁気誘導処理:ステップ2050)。まず、制御装置220は、超電導磁石7を動作させる。ここでは、制御装置220から、超電導磁石7を動作させる信号が駆動部収納ボックス11内に設けられる磁石駆動制御回路へ出力される。磁石駆動制御回路は、その信号を受け、ヘリウム冷凍機28を作動させ、超電導磁石7の容器内を冷却するとともに、励磁電源44から超電導磁石7のコイル20aへ電流を供給させ、超電導磁石7に磁場(磁束)を発生させる。超電導磁石7から発生する磁束は患者2の体内に浸透し、血管分岐部において体内深度方向へ磁気傾斜を生じさせる。
その後、制御装置220は、超電導磁石7が動作して磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000がスタンバイしたことをインジケータにより操作者に通知する。インジケータにより確認した操作者は、患者2の所定の静脈位置から磁性薬剤を注入する。静脈注射された磁性薬剤は、注入位置→静脈→心臓→肺→心臓→対象動脈を含む複数の動脈の順に流れる。そして、図7に示すように、対象動脈4へ分流された磁性薬剤6は、超電導磁石7の置かれた血管分岐部5へ近づくと、超電導磁石7による磁場(磁束)8の影響を受けて、血管4内で超電導磁石7の位置する側の側面へ位置を変えながら流れる。これは、超電導磁石7による磁場の強さが、血管4内では、超電導磁石7側の方がその反対側より大きい(磁気傾斜を生じている)ことによる。そして、血管分岐部5において、磁性薬剤6は患部へ繋がる血管4a方向へその多くが流れ、患部に繋がらない血管4b方向へは少量しか流れない。このように、本実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000によれば、血管分岐部において、所望の分枝血管の方に磁性薬剤を誘導することができる。
本願発明の発明者の実験によると、血流速にもよるが、血管4内で超電導磁石7の位置する側の血管壁面側へ位置を変えながら流された磁性薬剤6は、その一部が超電導磁石7の磁気によって吸着され、超電導磁石7のタッチセンサ64側の面に対面する血管4内の壁面に滞留し、残りの磁性薬剤6が患部方向へ血液とともに流されることが確認されている。磁性薬剤6の最初の部分が血管分岐部5に到達してからある時間を経過すると、滞留する磁性薬剤6が増えてくる。すると、磁性薬剤6の患部方向へ流れが阻害されるようになるので、血管分岐部5に滞留している磁性薬剤6を患部方向へ誘導すること(滞留薬剤誘導処理)が必要となる。このために、本願発明の発明者は2つの方法を案出した。
その第1の方法は、超電導磁石7を血管分岐部5から遠ざける方向(図7の矢印E方向)へ移動させ、血管分岐部5における磁気傾斜を除去又は弱める方法である。第2の方法は、血管分岐部5に位置決めされた超電導磁石7を患部方向へ血管に沿って又は血管とほぼ平行に直線的に、または、円弧状(図7の矢印F方向または矢印G方向)に移動させ、血管分岐部5に滞留している磁性薬剤6を超電導磁石7によって生ずる吸引力によって患部方向へ連なる血管4aへ流し込む方法である。これらの2つの方法のいずれを採用するかは血流速に応じて適宜選択することができる。いずれの方法も、超電導磁石7にそれぞれの動作を行わせる指示を出すソフトウェアを、自在アーム駆動制御機構に組み込むことにより実現する。
例えば、前記第1の方法を採用する場合には、自在アーム90の第1アーム14、第2アーム16、第3アーム18及び第1回転関節部15、第2回転関節部16を駆動制御して、超電導磁石7を血管分岐部に対して前述の直線(Nn,Cn)方向に近接および退避させる動作を所定の時間サイクルで繰り返すソフトウェアを自在アーム駆動制御機構に組み込む。また、前記第2の方法を採用する場合には、自在アーム90の上記構成要素を駆動制御して、前記2等辺三角平面上で直線(Nn、Dn)に平行に、または、円弧を描くように所定距離だけ超電導磁石7を移動させる動作を所定の時間サイクルで繰り返すソフトウェアを自在アーム駆動制御機構に組み込む。なお、この場合、超電導磁石7を元の血管分岐部5へ復帰させる経路は、往路と同じであってもよいが、でき得るならば、超電導磁石7を血管分岐部5からなるべく大きな距離を隔てて復帰移動させることが好ましい。
また、超電導磁石7の前記退避および近接動、前記直線移動および復帰、または、円弧移動および復帰の各動作を行なう時間サイクルとして、血流の拍動サイクルを用いるとよい。この場合、血流の拍動サイクル中の血流が遅い期間に超電導磁石7を血管分岐部5に接近した状態で保持し、血流が速くなった時点で超電導磁石7を血管分岐部5から離す方向への移動を開始し、血流の遅い期間になるまでに血管分岐部5に接近した状態に戻すよう制御すると、磁性薬剤6を患部方向へ効果的に誘導することができることが本願発明者によって実験的に確認されている。この理由は、血流が遅い期間において超電導磁石7を血管分岐部5へ接近させて保持することで、磁性薬剤6が超電導磁石7に近い血管壁面側に滞留し、血流が速くなった時点で超電導磁石7を移動させることで、滞留していた磁性薬剤6が血流の中心部の特に流れの速い部分によって患部へ繋がる血管方向へ押し流されるためと考えられる。
従って、超電導磁石7の移動サイクルにおける停止保持期間と移動開始タイミングとは、心電計とドプラ計測機能付き超音波装置とを組合せることで設定することができる。例えば、心電計により患者2の心電図のR波を計測するとともに、前記超音波装置の探触子により描出された血管分岐部5の血流をドプラ計測することで、R波計測時点から血管分岐部5へ高速血流が到来するまでの時間を計測することができる。
磁性薬剤6の磁気誘導処理時に、患者2へ心電プローブを取り付けて心電計測を行うとともに、心電計で計測されたR波計測時点から計測された前記高速血流の到来する時間を計測し、その結果を制御装置220に通知する。制御装置220は、心電計で計測されたR波観測時点から高速血流の到来する時間分遅延させた時刻が超電導磁石7の移動開始時刻となるよう、自在アーム制御機構に組み込まれたソフトウェアを動作させるよう制御する。
なお、以上の磁性薬剤6の磁気誘導処理手順を血液の体内循環1サイクルの時間のみについて実行しても、静脈へ注入された磁性薬剤6は、心臓から、頭部、腕、腹部、下肢等の様々な部位へ分配されてしまい、患部へ誘導される磁性薬剤6は注入された磁性薬剤6の数%程度に過ぎないと考えられる。そこで、本実施形態では、さらに、前記磁気誘導処理を所定時間継続して行うようにシステムを制御可能に構成する。所定時間とは、例えば、血液が心臓から一番遠い下肢を循環して心臓へ戻る血液循環サイクル時間が数十秒であると仮定した場合には、その数サイクルから10サイクル程度の範囲である。例えば、制御装置220に、磁気誘導処理を継続する時間を設定可能なタイマを設ける等により、磁気誘導処理を継続する時間を可変に設定可能とする。
以上のようにして、所定時間、磁気誘導動作を継続すると、注入当初は患部以外の臓器へ流れていた薬剤も体内循環を繰り返すうちに時間の経過とともに患部へ流入するようになり、患部であるがん細胞や腫瘍細胞に薬剤が累積するように取り込まれる。この結果、従来から行なわれているがん治療薬の静脈注射法と比較し、本実施形態によれば、治療効果が著しく向上することが期待される。
本実施形態によれば、血流路上の単数もしくは複数の分岐点において、各分岐点の血管の3次元位置、血管のサイズ、血流速度の情報により、所定の磁場を発生可能な磁石の位置、角度(配置方向)を計算により算出し、算出された位置および角度に磁石を設定できるので、磁性薬剤の粒子の、癌細胞などの所定の患部への誘導率を高めることができる。なお、血流内の磁性粒子を目的とする血管分岐部へ誘導するため、血管分岐部手前で血管内の分岐部側に磁石を配置し、血液内の磁性粒子を目的とする血管分岐部の手前側に誘引するよう構成してもよい。また、磁石の位置および角度の設定にあたり、投与される磁性薬剤の磁化率、体積を考慮するよう構成してもよい。例えば、磁化率が大きく体積が小さい磁性薬剤の場合、磁場にひきつけられやすく流れやすいため、磁石を分岐位置から下流側にずらして磁場勾配が下流側に向くよう設定する。逆に磁化率が小さく体積が大きい磁性薬剤の場合、磁石を分岐位置近傍に配置する。
また、本実施形態では、患部に直接磁場を集中印加するのではなく、血管の分岐部で一方向に磁性薬剤を誘導するよう磁場を印加する。従って、薬剤の磁気誘導率を向上させることができ、また、小型のソレノイドコイル式磁石を使用することにより、所定の癌細胞の患部へ磁性薬剤の誘導率を高めることができる効果がある。
また、本実施形態の構成によれば、ヘリウム冷凍機を複数の超電導磁石の冷却機として共有できるので、超電導磁石毎にヘリウム冷凍機を設ける必要がない。従って、少ないヘリウム冷凍機でシステムを実現できるため、磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000を小型化できる効果がある。
<<第2の実施形態>>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000は、超電導磁石を、超電導バルク体により形成した点が第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と異なる点に主眼をおいて説明する。
図8に本発明の第2の実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000に用いられる超電導磁石7(以下、本実施形態では、超電導バルク磁石7と呼ぶ。)の構成を示す。本実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム1000では、磁場発生手段として、第一の実施形態で用いたソレノイドコイルの代わりにYBCO系の高温超電導バルク体48を使用し、小型冷凍機で直接高温超電導バルク体48を冷却する構成が採用されている。高温超電導バルク体48の外周はステンレス製やアルミニュウム製のリング49と接着剤等で一体化され、高温超電導バルク体48が着磁される際に自身の磁気力で割れが発生することを防止している。高温超電導バルク体48とリング49とは銅やアルミニュウム製の伝熱フランジ50に接着剤等で接着されて熱的に一体化され、伝熱フランジ50と、伝熱フランジ43とは、インジウムシートやグリース(図示せず)を介してボルト(図示せず)等で結合されて熱的に一体化されている。ヘリウム冷凍機コールドステージ33による高温超電導バルク体48の冷却方法は、第一の実施形態において説明したソレノイド磁石21を冷却する方法と同一である。
一般に実施されているように、高温超電導バルク体48を着磁させるためには、着磁させたい所定の磁界、例えば10テスラの磁界を発生させる着磁用の超電導磁石、もしくは発生磁場が小さな常電導磁石が必要であり、これらは別途用意される(両磁石は図示せず)。
本実施形態では、高温超電導バルク体48を冷却する前に、前記高温超電導バルク体48を組み込んだ超電導バルク磁石7を着磁用磁石による磁場中に挿入し、その後、ヘリウム冷凍機28で高温超電導バルク体48を超電導温度以下に冷却する。ここで、超電導バルク体48の円筒軸方向と着磁用磁石による主磁場方向とは一致させる必要がある。
その後、着磁用磁石による磁場を消磁すると、冷却され続ける高温超電導バルク体48内に磁場が捕捉され、冷却が維持される限り、高温超電導バルク体48は着磁用磁石による磁場と同等の磁場を発生させる超電導バルク磁石となる。本実施形態では、このようにして、高い、例えば5テスラ〜10テスラの磁場を捕捉した高温超電導バルク体48が、磁場発生手段として使用される。なお、一般に、このようにして着磁された超電導バルク磁石の磁界分布はほぼ均一に分布するミクロな磁束の集団で形成される。このため、例えば、高温超電導バルク体48が円形の場合、その表面の磁界分布はほぼ円錐状となり、中央部の磁界が最も強く、外周部でほぼゼロとなる。つまり、高温超電導バルク体48の中央から半径方向に向かって非常に大きな磁気勾配が形成される。
このことから、患部へ連なる血管4の各血管分岐部5において、図9に示すように超電導バルク磁石7の中心軸を、第1の実施形態で決定した配置方向に設定することで、高温超電導バルク体48が形成する磁界8内に流入した磁性薬剤6が自ずと磁気勾配の大きい高温超電導バルク体48の中央部方向に磁気誘導される。このため、血管分岐部5において、より多くの磁性薬剤6を磁気誘導で所定の血管路4a側に誘導できるので、投与された磁性薬剤6を所定の癌細胞等の患部へ高い誘導率を持って誘導することができる効果がある。
本実施形態によれば、磁場発生手段として超電導バルク体48を使用する。超電導バルク体48は、その表面を10テスラ近傍まで容易に着磁でき、また、その表面から遠ざかる方向に対して磁場減衰率が大きい。すなわち、超電導バルク磁石7に超電導バルク体48を用いるため、本実施形態の超電導バルク磁石7は、超電導バルク体48の表面から遠ざかる方向に対する磁場減衰率が大きく、かつ、磁場強度が永久磁石等の他の磁石に比べ格段に大きい。従って、超電導バルク磁石7の表面の磁場分布は等強度に、超電導バルク磁石7の近傍空間における磁場分布は円錐状にできる。つまり、超電導バルク磁石7は、強度が大きく、かつ、強度が極大化する領域が狭い磁界を形成することができるため、血管分岐部5において、血液中の磁性薬剤6を的確に誘導方向に吸引することができる効果が生まれる。
なお、本実施形態においても、3次元血流イメージ取得処理、血管分岐部抽出処理、実空間座標付与処理、配置方向決定処理、位置決め処理、磁気誘導処理の各処理は、超電導磁石7の代わりに超電導バルク磁石7を用い、第一の実施形態と同様に行われる。
<<第3の実施形態>>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の磁気誘導型ドラックデリバリーシステムは、超電導バルク磁石の冷却構造が第2の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態の超電導バルク磁石7は、図10に示すように、YBCO系の高温超電導バルク体48とヘリウム冷凍機52とが分離されている。本実施形態は、作動冷媒のヘリウムガスが、ヘリウム冷凍機52の冷却熱交換ステージ56で冷却され、可撓性を有した真空断熱配管内51を通して輸送され、高温超電導バルク体48を冷却する構造を有している。以下、第2の実施形態と異なる点のみ説明する。
ヘリウム冷凍機52は、ヘリウムガス圧縮機53に高圧ガス配管54と低圧ガス配管55とにより接続され、冷却ステージ56はヘリウムガス圧縮機53の運転によって極低温度に冷却される。
作動冷媒のヘリウムガスは、ヘリウムガス圧縮機57で加圧され、流量調整弁58で所定の流量に制御され、高圧配管59を通り、真空断熱容器60内に配置された熱交換器81に流入する。
熱交換器81内で低温に冷却された作動冷媒は、冷却ステージ56に熱的に一体化された熱交換器62内でさらに冷却され、温度摂氏マイナス240度の極低温の作動冷媒となる。極低温となった作動冷媒は、真空断熱配管51内の真空空間内に配置された配管63を通り、冷却熱交換ステージ64を極低温に冷却する。冷却熱交換ステージ64を極低温に冷却した後の、温度が上昇した作動冷媒は、配管65を通り熱交換器81に流入し、高圧配管59内の作動冷媒を冷却し、低圧配管66を通り、ヘリウムガス圧縮機57に戻り、再び加圧される。なお、配管63,65の周りには輻射熱を防止するため積層断熱材67が巻き付けられている。
冷却熱交換ステージ64は、真空断熱配管51の端部を気密固定するフランジ68に固定支持された、例えば樹脂性の円筒体69で支持されている。円筒体69はその軸方向に弾力性を有し、冷却熱交換ステージ64はインジウムやグリース等の熱伝導体を介して、伝熱フランジ22に熱的に良好に押し付けられている。
本実施形態によれば、ヘリウム冷凍機52を超電導磁石7の容器から離して設置できるので、超電導磁石7の容器を小型、軽量とすることができる。従って、患者2の凹凸を有する部位、例えば首部等のように、超電導磁石7の設置空間が限られる部位においても、患者2の体表面に超電導磁石7の容器をより近づけて使用することができる。
したがって、本実施形態によれば、体の凹凸部位に血管分岐部が存在する場合であっても、磁性薬剤6に作用する磁気力を大きくできるので、磁性薬剤6を患部に誘導できる確率が高まり、患部に誘導できる磁性薬剤6の割合を高めることができる。
なお、本実施形態においても、3次元血流イメージ取得処理、実空間座標付与処理、血管分岐部抽出処理、配置方向決定処理、位置決め処理、磁気誘導処理の各処理は、超電導磁石7の代わりに超電導バルク磁石7を用い、第一の実施形態と同様に行われる。
以上の本発明を適用する各実施形態を説明したが、本発明はその要旨を変更しない範囲で、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、超電導磁石のターゲットは、各実施形態において説明した方法で抽出、特定された血管分岐部としている。しかし、超電導磁石のターゲットとすべき位置は、必ずしも血管分岐部ではなく、血流の速度によって血管分岐部の上流又は下流に設定したほうがよい場合がある。例えば、実験等によって、超電導磁石のターゲットにすべき位置を決定し、実際の血管分岐部の位置との差を補正値として求め、求めた補正値を適用するよう構成してもよい。
また、上記各実施形態では、超電導ソレノイド磁石や高温超電導バルク体を直接もしくは作動冷媒を介して冷却する冷凍機として、ギフォード・マクマホン式冷凍機を使用した場合を例にあげて説明したが、冷凍機として例えば電子式冷凍機、ソルベイ式冷凍機、パルス管式冷凍機、スターリング式冷凍機、音響式冷凍機等を使用しても、同等の効果を提供できる。
また、上記各実施形態では、高温超電導線材および超電導バルク体としてYBCOを主成分としたものを使用する場合を例にあげて説明しているが、これに限られない。例えば、Gd系の材質で構成した高温超電導材をコイル線、バルク体に使用しても、同等または同等以上の磁気力を提供でき、磁気力がさらに向上して患部に誘導できる磁性薬剤の割合をさらに高めることができる。
さらに、上記各実施形態では超電導磁石は床上を走行する台車に搭載された支柱で支持された自在アームに取り付けられる場合を例に挙げて説明しているが、支柱を天井走行型台車によって支持する構造を採用することもできる。
また、上記各実施形態では、患者の3次元血流イメージをMRI装置によって取得する場合を例に挙げて説明している。周知のようにMRI装置で取得される画像には、計測空間の磁場均一度によって多少の歪が生じる。歪を避けるため、それに対する対策を講じるか、または、患者の3次元血流イメージを画像歪がないX線撮影装置、X線CT装置又は超音波診断装置で取得する。対策には、例えば3次元立方格子を有するファントムにて予め画像歪(補正値)を求め、その補正値を取得された3次元血流イメージから除去するなどがある。
本発明の第1の実施形態における磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムの構成を示す斜視図。 本発明の第1の実施形態における患者の3次元血流イメージを取得する核磁気共鳴イメージング装置の構成を示す斜視図。 本発明の第1の実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムに用いられる超電導磁石の構成を一部断面にて示した図。 本発明の第1の実施形態の患者の3次元血流イメージから血管分岐部を抽出、特定するプロセスの一例を説明する図。 患者の3次元血流イメージから血管分岐部を自動的に抽出、特定するプロセスの一例を説明する図。 本発明の第1の実施形態の超電導磁石の配置方向を設定するプロセスの一例を説明する図。 本発明の第1の実施形態の血管中を流れる磁性薬剤に対する超電導磁石の作用を説明する図。 本発明の第2の実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムに用いられる超電導バルク磁石の構成を一部断面にて示した図。 本発明の第2の実施形態の超電導バルク磁石が発生する磁気が血管分岐部で磁性薬剤へ作用する様子を示す図。 本発明の第3の実施形態の冷凍機を分離した超電導バルク磁石システムの構造を説明する図。 本実施形態発明の第1の実施形態の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムの磁気誘導ドラッグデリバリー処理のフロー。
符号の説明
2:患者、4:血管、5:血管分岐部、6:磁性薬剤、7:超電導磁石、8:磁界、11:駆動部収納ボックス、13:アーム駆動部収納ボックス、14,16,18:アーム、15,17:回転関節部、21:ソレノイド磁石、28:ヘリウム冷凍機、33:コールドステージ、48:高温超電導バルク体、61:磁石位置検出器、64:タッチセンサ、71:マーカ、80:支柱、90:自在アーム、120:寝台、130:制御部、140:操作用コンソール、150:ディスプレイ、160:位置情報入力操作器、200:磁石保持機構、210:治療用ベッド、220:制御装置

Claims (8)

  1. 被検者の血管内へ投与された磁性薬剤を所望の方向へ誘導する磁場発生装置を備えた磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムにおいて、
    前記被検者の3次元血流イメージを用いて、血管内の分岐位置(血管内分岐位置)を抽出する血管内分岐位置抽出手段と、
    前記血管内分岐位置抽出手段によって抽出された前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を求める血管内分岐位置情報取得手段と、
    前記血管内分岐位置情報取得手段によって求められた前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を用いて、前記血管内分岐位置の近傍に前記磁場発生装置の位置を設定する磁場発生装置位置設定手段と、を備え、
    前記磁場発生装置位置設定手段は、所定周期で前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置に対し近接及び退避動をさせるよう当該磁場発生装置の設定位置を変え、このとき、前記所定周期の第一の期間では前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置の近傍に接近した状態で保持し、前記所定周期の第二の期間では前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置の近傍から退避させること
    を特徴とする磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  2. 被検者の血管内へ投与された磁性薬剤を所望の方向へ誘導する磁場発生装置を備えた磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムにおいて、
    前記被検者の3次元血流イメージを用いて、血管内の分岐位置(血管内分岐位置)を抽出する血管内分岐位置抽出手段と、
    前記血管内分岐位置抽出手段によって抽出された前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を求める血管内分岐位置情報取得手段と、
    前記血管内分岐位置情報取得手段によって求められた前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を用いて、前記血管内分岐位置の近傍に前記磁場発生装置の位置を設定する磁場発生装置位置設定手段と、を備え、
    前記磁場発生装置位置設定手段は、所定周期で前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置に対し近接及び退避動をさせるよう当該磁場発生装置の設定位置を変え、このとき、血液の体内循環サイクルの複数サイクルにわたり、前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置に対し近接または退避させることを所定時間間隔で繰返し行うこと
    を特徴とする磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  3. 被検者の血管内へ投与された磁性薬剤を所望の方向へ誘導する磁場発生装置を備えた磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムにおいて、
    前記被検者の3次元血流イメージを用いて、血管内の分岐位置(血管内分岐位置)を抽出する血管内分岐位置抽出手段と、
    前記血管内分岐位置抽出手段によって抽出された前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を求める血管内分岐位置情報取得手段と、
    前記血管内分岐位置情報取得手段によって求められた前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を用いて、前記血管内分岐位置の近傍に前記磁場発生装置の位置を設定する磁場発生装置位置設定手段と、を備え、
    前記磁場発生装置位置設定手段は、所定周期で前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置の近傍から所望の方向へ、血管に沿って又は円弧状に移動させるよう当該磁場発生装置の設定位置を変え、このとき、前記所定周期の第一の期間では前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置の近傍に接近した状態で保持し、前記所定周期の第二の期間では前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置から前記血管に沿って移動させる、又は、前記円弧移動させること
    を特徴とする磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  4. 被検者の血管内へ投与された磁性薬剤を所望の方向へ誘導する磁場発生装置を備えた磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムにおいて、
    前記被検者の3次元血流イメージを用いて、血管内の分岐位置(血管内分岐位置)を抽出する血管内分岐位置抽出手段と、
    前記血管内分岐位置抽出手段によって抽出された前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を求める血管内分岐位置情報取得手段と、
    前記血管内分岐位置情報取得手段によって求められた前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を用いて、前記血管内分岐位置の近傍に前記磁場発生装置の位置を設定する磁場発生装置位置設定手段と、を備え、
    前記磁場発生装置位置設定手段は、所定周期で前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置の近傍から所望の方向へ、血管に沿って又は円弧状に移動させるよう当該磁場発生装置の設定位置を変え、このとき、血液の体内循環サイクルの複数サイクルにわたり、前記磁場発生装置の前記血管内分岐位置から前記血管に沿った移動又は円弧状移動を所定時間間隔で繰返し行うこと
    を特徴とする磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  5. 前記所定周期は、血流の脈動周期であり、
    前記第一の期間は血流速度の遅い期間であり、
    前記第二の期間は前記第一の期間の血流速度よりも血流速度の速い期間であること
    を特徴とする請求項1又は請求項3に記載の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  6. 前記磁場発生装置位置設定手段は、血液の体内循環サイクルの複数サイクルにわたり、前記磁場発生装置を前記血管内分岐位置に対し近接または退避させることを所定時間間隔で繰返し行うこと
    を特徴とする請求項1記載の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  7. 前記磁場発生装置位置設定手段は、血液の体内循環サイクルの複数サイクルにわたり、前記磁場発生装置の前記血管内分岐位置から前記血管に沿った移動又は円弧状移動を所定時間間隔で繰返し行うこと
    を特徴とする請求項3記載の磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
  8. 被検者の血管内へ投与された磁性薬剤を所望の方向へ誘導する磁場発生装置を備えた磁気誘導型ドラッグデリバリーシステムにおいて、
    前記被検者の3次元血流イメージを用いて、血管内の分岐位置(血管内分岐位置)を抽出する血管内分岐位置抽出手段と、
    前記血管内分岐位置抽出手段によって抽出された前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を求める血管内分岐位置情報取得手段と、
    前記血管内分岐位置情報取得手段によって求められた前記血管内分岐位置の実空間座標における位置情報を用いて、前記血管内分岐位置の近傍に前記磁場発生装置の位置を設定する磁場発生装置位置設定手段と、を備え、
    前記血管内分岐位置抽出手段は、前記被検者の3次元血流イメージ中にて前記所望の領域に連なる血流系統を特定し、当該特定された血管系統において血流の中心線処理を実行するとともに、各血流の中心線が交わる点を前記血管内分岐位置として抽出し、
    前記磁場発生装置位置設定手段は、前記血管内分岐位置と、当該血管内分岐位置から等距離離れた血管内の2点を結ぶ線分の中点とを結ぶ方向に前記磁場発生装置が発生する磁束方向の方向設定をすること
    を特徴とする磁気誘導型ドラッグデリバリーシステム。
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