JP5688661B2 - 磁気誘導システムとその動作方法 - Google Patents

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Description

参照による取り込み
本出願は、2009年10月23日に出願された日本特許出願第2009−244942号の優先権を主張し、その内容を参照することにより本出願に取り込む。
本発明は磁性粒子を備えた被誘導体の誘導される、磁気誘導システムおよび磁気誘導システムの動作方法に関する。
例えば、けがやスポーツ活動をきっかけに、ひざ関節の骨や軟骨に血行障害が起き、関節の軟骨が下層の骨から薄い骨片を伴ってはがれてしまう病気である離断性骨軟骨炎は、多くがひざの内側に起き、成長期の骨軟骨結合力の弱い10代の子供達に見られ、これらの被検者は、初めはひざの痛みや脹れを訴え、痛みは歩行や運動で悪化し、進行して骨や軟骨が遊離すると、ひざのひっかかり感や曲げ伸ばしが出来なくなる状態が起きる。軟骨には血管や神経組織がなく、損傷しても自然には元に戻らない。従来は損傷部の奥の骨をドリルでわざと傷つけ、出血させて組織の再生を期待する方法や、 欠損部を埋めるように小さな軟骨を複数移植する方法がとられてきたが、関節本来の非常に滑らかな状態を再現することはできなかった。
そこで、関節本来の非常に滑らかな状態を再現できる、従来の軟骨損傷の再生医療の治療方法例の一つは、内視鏡で患者の関節で体重のかからない部分の軟骨組織5―10ミリ四方を採取し、酵素で組織をばらばらにして細胞を体外に取り出し、欠損部の形に作製した器の中で、欠損部の形に合わせた医療用コラーゲンゲルに巻いて患者の血清を加え、約3週間培養する。これを手術で欠損部にはめ込み、患者の骨膜でふたをして縫い付ける。1カ月―1カ月半で、全体重をかけて歩けるようになる。この方法だと、患者の骨膜でふたをして縫い付ける際、患者のひざの部分を数十ミリ四方ほど広く切り開く必要があり、患者にとって身体的負担が大きくなる問題が起こる。
そこで、患者にとって身体的負担が軽減できる従来の治療方法としては、例えば骨髄間葉系幹細胞等の治療に用いる細胞と磁性粒子を複合化した複合体を、患者の体内の疾患の部位近傍に注射器等で注入し、体外から磁気力を作用させて複合体を疾患の部位に集中させることにより、その部位の損傷を治す再生医療技術の開発が進められている。
従来の軟骨損傷等の疾患の医療で使用される磁性粒子を備えた被誘導体を、磁場発生器で発生する磁界を利用して磁気誘導する磁気誘導装置として、ドーナツ状のソレノイドコイル磁石を使用し、患者の疾患部を取り囲むようにソレノイドコイル磁石を配置したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
いっぽう、患者の体内の疾患の部位付近の体外の場所に永久磁石を配置し、任意の方向に磁気力を作用させ、治療に用いる細胞と磁性粒子を複合化した複合体を例えば注射器を使用して体内に注入させ、複合体を集中させたい疾患部に集中させ、損傷を治す再生医療技術(例えば、特許文献2参照)の開発が進められている。
いっぽう、例えば治療薬と磁性粒子を結合させた複合体である磁性薬を、患者の血管内に注射器等で投薬し、患者が横たわるベッドの周りに超伝導バルク磁石で構成した磁場発生器を配置し、患者の癌細胞の上流部の血管分岐部と癌細胞付近に磁石を宛がい、被検者の体内を循環する血流によって、たまたま磁界内を通過する磁性薬を磁気力で捕捉し、患部付近の磁性薬の残留密度を高める方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開2007―151605号公報 特開2006―325600号公報 特開2007―297290号公報
従来の磁気誘導装置では、患者の体内において体外より注入された被誘導体を磁気的に誘導するに必要な磁界を発生させる磁場発生器がソレノイドコイル磁石である場合、ソレノイドコイル磁石の磁場はコイル周辺部において、この周りに強い磁場が発生し、強い磁場がリング状に形成される。このため、患者の足をこのソレノイドコイル磁石の中央空間部に貫通させ、膝内側をこのコイル円周縁に接触させて配置される場合、磁気作用線は磁石を輪切りにした円形断面において磁石中心に半径方向から直線状に作用している。したがって、例えば注射器を使用して被誘導体の体内注入箇所と被誘導体を集中させたい疾患部とを結ぶ経路が、磁気作用線と一致しない場合、すなわち集中させたい面が円形断面と平行となる膝の側面部や、円形断面面内に対し例えば角度45度の面にあたる間接軟骨に欠損部がある場合、被誘導体を疾患部に集中できないという問題があった。
また、患者自身の身体が障害物となる場合があり、適切に、患部に磁力線を作用することができないという問題があった。
また、磁場発生器が永久磁石である場合、永久磁石の磁気力は磁石表面から離れるに従って急激に減衰するので、永久磁石設置場所から疾患部位が5cm離れている場合、被誘導体を疾患部に集中させることが困難であるという問題があった。
いっぽう、治療薬と磁性粒子を結合させた複合体、例えば骨髄間葉系幹細胞等の治療に用いる細胞と磁性粒子を複合化した複合体である磁性薬を、患者の血管内に注射器等で投与し、超伝導バルク磁石を磁場発生器として用いて磁性薬を誘導する場合、血管が通じていない軟骨損傷疾患部等には磁性薬を磁気誘導できないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、被検体内の所望の位置に被誘導体を誘導することができる磁気誘導システムを提供することである。
本発明の他の目的は、患者自身の身体が障害物となる場合であっても、膝の内側などの複雑な箇所や狭い箇所に対しても適切な磁気力を作用させ、被検体内の所望の位置に被誘導体を誘導することができ、移動が容易で従来に比べて狭いスペースにも設置できる磁気誘導システムを提供することである。
(1.磁気誘導システム)
(第1の態様)
上記目的を達成するために、本発明の磁気誘導システムが提供される。本発明の第1の態様による磁気誘導システムは、プローブ状の複数個の磁場発生手段と、複数個の磁場発生手段により生成された合成磁場が生体内の所望の部位に作用するよう磁場発生手段の位置および角度を算出する演算手段と、複数個の磁場発生手段が演算手段により算出された位置及び角度になるように駆動手段を制御する駆動制御手段とを有する。
「磁場発生手段」は、プローブ状の形状をしており、好ましくは、超伝導バルク磁石装置を備えている。磁場発生手段の磁場発生端は、生体の体表面の近くで自在に位置や方向を調整して配置される。体表面近傍において体表面に沿って移動させることも可能であり、生体の体型や姿勢に応じて的確に利用することができる。例えば、膝の裏や側面部等の任意の狭い位置に移動・静止することが可能であり、患者の疾患部位に対し任意の角度に磁力線が深く体内に作用するように調整して配置することも可能である。複数の「磁場発生手段」は、各磁場発生手段の磁場強度や方向を変えることで、磁気力の合力ベクトルの方向、大きさを変え任意の方向に磁性複合体を磁気誘導することもできる。
磁場発生手段は、磁場を発生させるために「超伝導バルク磁石」を備えた構成とすることも可能である。超伝導バルク磁石の磁界発生面は、同じサイズの永久磁石に比べ、数十倍から数百倍の強力な磁気力を発生できるので、体内の血管外で、かつ疾患部付近に注射器等で注入された複合体を、集中させたい軟骨欠損部に高密度に良好に誘導することができる。超伝導バルク磁石は、小型・軽量であるため、狭い場所にも配置可能な本願の磁気誘導システムにおいて用いるのに適している。
超伝導バルク磁石の組成は、77K以上の液体窒素温度で、例えば、3Tの磁場下で10000A/cmの高い臨界電流密度が得られ、十分な捕捉磁場が得られるバルク磁石が好ましい。例えば、RE-Ba-Cu-O(RE: 希土類元素)の組成のバルク磁石がより好ましい。具体的には、(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O、Gd-Ba-Cu-O、またはY-Ba-Cu-Oがさらに好ましい。
また、熱伝導率の向上を図るため、超伝導バルク磁石に設けられた孔にアルミの棒を差し込んで複合化したり、形状記憶合金製リングを取り付けたりしてもよい。また、超伝導バルク磁石に、樹脂やウッドメタル等の低融点合金を含浸させ、機械的強度を向上させて使用してもよい。さらに、上記のアルミ棒を差し込んで複合化する構成、形状記憶合金製リングを取り付ける構成、低融点合金を含浸させる構成の全てを採用した超伝導バルク磁石を用いてもよい。
「駆動手段」は、複数個の磁場発生手段を駆動できる。ここで、複数個とは2つ又は3つ以上を言うが、制御の容易さの点から好ましくは2つである。駆動手段は、磁場発生手段を支持し、その磁場発生端を生体の体表面近傍にて自在位置、自在方向に配置させることが可能な機能を有する。当該機能を有する駆動手段により、患者を動かすことなく、患者の疾患部位に対し任意の角度に磁力線が深く体内に作用するように磁場発生手段を調整することが可能である。駆動手段は、一般的な駆動モーター等を用いることが可能であり、「磁石ホルダー」や「アーム」、「回転関節部」、「台車」等からなる構成が考えられる。台車によってベッドを所定の位置まで移動させ、さらにアームや回転関節部によって磁場発生手段の位置を調節することが可能である。駆動手段により、超伝導バルク磁石を膝の裏や側面部等の任意の狭い位置に移動・静止、または移動を連続的に調整することができる。
「演算手段」は、合成磁場が磁性複合体を生体内の所望の部位に誘導するよう前記磁場発生手段の位置および角度を算出することができる。演算手段は、CPU、メインメモリ、RAM等から構成される。
演算手段のメモリには、あらかじめ実験等に基づいて定められた磁場発生手段の位置および角度と、その磁場発生手段の位置および角度から生成される合成磁場との関係をマッピングし、テーブルまたはマップに格納することができるようにしてもよい。演算手段は、メモリ内にマッピングされたデータを参照して、磁場発生手段の位置および角度を算出することが可能である。
また、演算手段のメモリ内にあらかじめ格納された関数を用いて自動的に、磁場発生手段の位置および角度を算出するようにしてもよい。演算手段は、メモリ内に格納された関数に、合成磁場を発生すべき所望の位置のデータを入力することにより、磁場発生手段の位置および角度を算出することが可能である。
「駆動制御手段」は、複数の磁場発生手段の合成磁場によって磁気ビーズ被誘導物質複合体を体内の所望の位置に誘導するように駆動手段を制御することが可能な機能を有する。上述の演算手段により、複数個の磁場発生手段の合成磁場を生体内の所望の部位に形成するよう磁場発生手段の位置および角度が算出され、駆動制御手段により、複数個の磁場発生手段が演算手段により算出された位置及び角度になるように駆動手段の駆動を制御する。制御の方法としては、無線信号や有線ケーブルを介した制御が考えられる。
合成磁場が形成される生体内の所望の部位は、例えば、生体内の関節軟骨部である。当該所望の部位は、患者の疾患部または被検査部であり、例えば、欠損部が存在する軟骨欠損部とすることができる。ここで、磁気誘導システムにおいて磁性複合体を誘導できる部位は、軟骨欠損部に限られず、特定の臓器等、患者の体内のいかなる部位をも想定できる。例えば、膝関節の軟骨欠損部等、特定の狭い部位、あるいは膝の内側などの複雑な箇所や狭い箇所に対しても適切な磁気力を作用させて、磁性複合体を患部に誘導することができる。また、磁性複合体を誘導できるルートは、血管や神経の存在する部分に限られず、血管や神経の存在しない軟骨部分にも設定できる。
本発明の磁気誘導システムにおいて、磁気ビーズ被誘導物質複合体を体内に注入するための機能を有する「注入装置」を別途設ける構成も可能である。注入装置としては、一般的な注射器を用いることが考えられる。なお、当該注射装置は、必ずしも磁気誘導システムと一体となっている必要はなく、別々の装置の構成とすることも可能である。
「磁性複合体」は、例えば、磁性材料からなる磁気ビーズと被誘導物質とからなる磁気ビーズ被誘導物質複合体である。「磁気ビーズ被誘導物質複合体」は、磁気誘導装置により体内の所望の位置に誘導されることを目的として作製される磁性材料を含むことを特徴とする。上記磁気ビーズ被誘導物質複合体の生成方法の一例としては、患者の骨や軟骨、筋肉などに変化する患者自身の間葉系幹細胞を体外に取り出し、造影剤等に使用されマグネタイト微粒子を用い微粒子表面に例えばペプチド等をコーティングし、両者を液体中で所定の時間混合させて、幹細胞とマグネタイト微粒子をペプチドを介して複合化し生成する方法が考えられる。
本発明に係る磁気誘導システムでは、被磁性複合体として治療に用いる細胞と磁性粒子を複合化した複合体を使用した場合について記載したが、被磁性複合体が磁性粒子と抗がん剤等の体内有効物質からなる疾患部に対する治療効果を有するものであればいかなるものでもよい。また、本発明に係る磁気誘導システムは、疾患部の治療だけでなく、被検者の生体を検査または診断するために用いることもできる。例えば、本発明に係る磁気誘導システムを用いて、検査または診断用の磁性複合体を被検者の生体内の検査部位または診断部位に誘導してもよい。
(第2の態様)
本発明の第2の態様による磁気誘導システムは、複数の磁場発生手段の磁極が生体の所望の部位にて相互に反発する配置で駆動手段を制御することが可能な同極制御手段をさらに有する。複数の磁場発生手段の各々の磁場発生端の磁極を同極とする。
「同極制御手段」は、複数の磁場発生手段から発生する磁場が生体の磁場印加領域にて相互に反発する配置で駆動手段を制御することが可能な機能を有する。複数の磁場発生手段がその磁場発生端から同極の磁場を発生させ、生体の磁場印加領域にて相互に反発する配置で駆動手段を制御する。本発明の磁気誘導システムを「同極制御手段」を有する構成とすることにより、生体の磁場印加領域(患部)に対して挟み込む力が発生する恐れが少なく、より安全に磁気ビーズ被誘導物質複合体の誘導を行うことが可能になる。
同極制御手段によれば、引き合う異極の磁石の間に身体の一部が挟まれ、けがをすること等を防止できるので好ましい。
(第3の態様)
本発明の第3の態様による磁気誘導システムは、生体内の部位とその部位での磁場の強度を磁性複合体の導入後に経過時間に応じてコントロールする時間制御手段をさらに有する。
「時間制御手段」は、生体の磁場印加領域での磁場の強度を磁気ビーズ被誘導物質複合体の導入後経過時間に応じてコントロールすることが可能な機能を有する。例えば、磁気ビーズ被誘導物質複合体を関節部に導入した場合に、初期の段階では導入された磁気ビーズ被誘導物質複合体は関節部のジェリー状の体液内に均一に広がらせるために、比較的弱い磁場を印加して複合体を自己拡散で均一に分布させ、その後、比較的強い磁場を作用させ、関節部の欠損箇所の狭い部位に均一に着床させることが考えられる。本発明の磁気誘導システムを「時間制御手段」を有する構成とすることにより、より多様な態様で磁気ビーズ被誘導物質複合体の誘導を行うことが可能になる。
(第4の態様)
本発明の第4の態様による磁性複合体の誘導システムは、磁性複合体と本発明に係る磁気誘導システムとを有し、複合体は、治療に用いる細胞と磁性粒子とを含み、磁気誘導システムは超伝導バルク磁石と超伝導バルク磁石を膝の裏や側面部等の任意の狭い位置に移動、静止、または移動を連続的に調整できる支持手段を有し、超伝導バルク磁石の発生する磁界で、体内の血管外の部位に注入された磁性複合体を体内で患者の疾患部に誘導可能に構成されていることを特徴とする。
(2.磁気誘導システムの動作方法)
また、本発明では、プローブ状の複数個の磁場発生手段と、複数個の磁場発生手段を駆動する駆動手段と、磁場発生手段の位置および角度を算出する演算手段と、駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、を有する磁気誘導システムの動作方法であって、演算手段が、複数の磁場発生手段の合成磁場を生体内の所望の部位に作用するよう磁場発生手段の位置および角度を算出するステップと、駆動制御手段が、複数個の磁場発生手段が演算手段により算出された位置及び角度になるように駆動手段の駆動を制御するステップと、を有する前記磁気誘導システムの動作方法。
本発明の磁気誘導システムによれば、従来のソレノイドコイル磁石や永久磁石に比べ、強力な磁場を発生することが可能な超伝導バルク磁石を用いることにより、血管のない部位(例えば、軟骨部分)や体内の深部に対しても磁力を作用させることが可能である。従って、本発明は、疾患部が、血管のない部位や体内の深部に存在する場合にも、磁性複合体を当該疾患部に誘導できる点で特に有用である。
また、本発明の磁気誘導システムでは、複数の磁場発生手段を用いるため、任意の方向に合成磁場を形成することが可能であり、これにより、患者の体内のいかなる部位に対しても、立体的に磁力を集中させることができる。即ち、疾患部の部位および形状に対して、より合致するように、磁性複合体を作用させることが可能となる。
また、本発明によれば、複数の磁場発生手段の位置および方向を制御することにより、始めは疾患部周辺の比較的広い範囲に合成磁場を作用させ、徐々に磁性複合体を疾患部へと誘導し、次に合成磁場を作用させる範囲を狭めて疾患部の局所に磁性複合体を誘導することができる。このように、疾患部の局所に磁性複合体を集中させることで、より効果的に疾患部に磁性複合体を作用させることが可能となる。
さらに、小型・軽量な超伝導バルク磁石を用いることにより、従来のソレノイドコイル磁石や永久磁石を用いた磁気誘導システムに比べ、小型・軽量な磁気誘導システムを提供することができる。これにより、疾患部が、例えば、膝の裏や側面部等の任意の狭い位置に存在する場合にも、任意の位置に磁場発生手段を配置することが可能となる。
また、本発明の磁気誘導システムによれば、患者の生体の一部が障害物となる場合あっても、適切に、患部に磁力線を作用することができる。さらに、本発明の磁気誘導システムは、移動が容易で従来に比べて狭いスペースにも設置でき、任意の方向に磁気力を深く、広く作用できる。
また、本発明に係る磁気誘導システムは、磁場発生器を小型・軽量な超伝導バルク磁石で構成し、注射器を使用して体内に注入された、治療に用いる細胞と磁性粒子を複合化した複合体を集中させたい疾患部に誘導するために使用する。超伝導バルク磁石は、同じサイズの永久磁石に比べ、数十倍から数百倍の強力な磁気力を発生できるので、疾患部付近に注射器等で注入された複合体を、集中させたい軟骨欠損部に高密度に良好に誘導することができる。
さらに、本発明に係る超伝導バルク磁石は、磁石面に垂直な方向に主磁気力を発生し、磁石面から離れた空間においてもこの磁気力は従来のソレノイドコイル磁石や同じサイズの永久磁石に比べて、より強力で、かつ磁石面に垂直方向に主磁気力を発生できるので、複合体を集中させたい疾患部が磁石から例えば5cm離れた位置に疾患部があっても、その軟骨欠損部に良好に的確に誘導することができる。
上述の通り、本発明に係る磁気誘導システムは、超伝導バルク磁石を用いて磁石面に垂直方向に主磁気力を発生し、磁石面から離れた空間においても従来のソレノイドコイル磁石や同じサイズの永久磁石に比べて、より強力で、かつ磁石面に垂直方向に主磁気力を発生させることができる。したがって、複合体を集中させたい疾患部が膝の側面部から例えば45度の角度を有した面に軟骨欠損面がある場合であっても、患者を動かさずにその軟骨欠損面と注射器等で注入された複合体の注入部位を結ぶ磁気力作用線と、磁石の磁気力線が合うように、移動支持手段により磁石面を移動・静止して配置できる。これにより、複合体を軟骨欠損面に良好に、的確に誘導することができる。
また、本発明に係る磁気誘導システムは、超伝導バルク磁石を用いることにより、複合体を集中させたい軟骨欠損面が凹状の底または側面にある場合であっても、患者を動かさずに磁石の位置を調整設置できるので、複合体を軟骨欠損凹面上に良好に、均一に、的確に誘導することができる。具体的には、凹状の軟骨欠損面のそれぞれの凹面上の位置と注射器等で注入された複合体の注入部位を結ぶそれぞれの磁気力作用線と、磁石の磁気力線が合うように、磁石面を疾患部近傍の体外空間を移動しながら連続的に制御するようにしてもよい。
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
本発明の一実施例における、磁気誘導システムの超伝導バルク磁石容器内の構造を説明する図。 本発明の一実施例における、超伝導バルク磁石表面の発生磁場分布図。 本発明の一実施例における、超伝導バルク磁石表面上部空間での磁気力ベクトル分布図。 本発明の一実施例における磁気誘導システムの動作手順を示す図。 本発明の一実施例における、磁気誘導システムを説明する図。 膝の大腿骨の骨とその骨の軟骨欠損箇所を示す図。 関節部のジェリー状の体液内に磁性複合体が広がりながら分布した様子を示す図。 従来技術による磁性複合体の体内磁気誘導の結果を示す図。 本発明の一実施例における、磁気誘導システムによる磁性複合体の体内磁気誘導の結果を示す図。 磁気誘導の操作を複数回繰り返すことで、磁性複合体を軟骨欠損部の表面に均一に着床させる様子を示す図。 本発明の一実施例における、磁石設置構造の一例を示す図。 本発明の一実施例における磁気誘導システムの動作手順を示す図。 本発明の磁気誘導システムにおいて、1個の超伝導バルク磁石を用いた例を示す図。 本発明の磁気誘導システムにおいて、2個の超伝導バルク磁石を用いた例を示す図。 本発明の磁気誘導システムにおいて、2個の超伝導バルク磁石の磁石間距離を調整して磁気力のベクトルを制御する例を示す図。 本発明の磁気誘導システムにおいて、2個の超伝導バルク磁石の磁石間距離を調整して磁気力のベクトルを制御する他の例を示す図。 豚の関節部の膝蓋骨とその骨の軟骨欠損部を示す図。 軟骨欠損部に白色の軟骨が自己増殖して再生した様子を示す図。
以下、図面に基づき、本発明の具体的な実施例について説明する。図1から図3は、本発明の第1の実施の形態の磁気誘導システムを示している。
図1に示すように磁場発生手段1に含まれる超伝導バルク磁石2は、以下の構成要素からなる。磁場発生手段1として、例えばYBCO系の超伝導バルク体を使用し、ヘリウムあるいは窒素等のヘリウムガス以外の作動ガスを使用した、圧縮機(図示せず)一体型のスターリング式の小型冷凍機3で直接超伝導バルク体を冷却する構成を示すもので、超伝導バルク体の外周はステンレス製やアルミニュウム製のリング4と接着剤等で一体化され超伝導バルク体を着磁する際に自身の磁気力で割れが発生することを防止している。超伝導バルク体とリング4は銅やアルミニュウム製の伝熱フランジ5に接着剤等で熱的に一体化され、伝熱フランジ5と、伝熱フランジ6とは、インジュームシートやグリース(図示せず)を介してボルト(図示せず)等で熱的に一体化されている。
伝熱フランジ6は熱伝導率の小さな例えばガラス繊維(図示せず)入りエポキシ樹脂鋼製の円筒体7とボルト(図示せず)等で固定支持されており、円筒体7の他端部は例えばステンレス製のフランジ8と接着剤で一体化され、フランジ8は室温フランジ9とOリング、ボルト(図示せず)で気密固定される。室温フランジ9には小型冷凍機3の固定フランジ10が冶金的に気密一体化され、真空気密性を有するベロー11を介して小型冷凍機3の固定フランジ12と、Oリング、ボルト(図示せず)で気密固定される。超伝導バルク体の外周は真空断熱のため、真空容器13を配置し、真空容器端部のフランジ14は、フランジ8、9にOリング、ボルト(図示せず)で気密固定される。円筒体7には内外の真空排気穴15を設けている。
小型冷凍機3の運転により、温度約摂氏マイナス230度の極低温となる超伝導バルク体、冷凍機3のシリンダー部16、コールドステージ7の周りには、室温の構成材からの輻射熱の侵入を防止するために積層輻射断熱材17、17’、17’’を巻付ける。空間18は、真空ポンプ19により、真空配管20、弁21を通じて真空排気され、真空断熱空間を形成する。冷凍機で極低温に冷却された後は、弁21を閉じ、超伝導バルク磁石2と真空配管20を分離することができる。
小型冷凍機3は電源ユニット22から電源コード23を通じて給電され冷却運転される。冷凍機の運転時に発生する圧縮機のヘリウムガス圧縮熱は、チラーユニット24で冷却された冷媒を配管25で供給され、圧縮熱を吸収した冷媒は配管26でチラーユニット24に回収される。空間18を真空排気しながらヘリウム冷凍機3を運転することによって、超伝導バルク体を温度約摂氏マイナス230度の極低温に運転できる。
超伝導バルク体を着磁するためには、着磁したい所定の磁界、例えば10テスラの磁界を発生できる着磁用の超伝導磁石、もしくは発生磁場が小さな常電導磁石を別途用意する(両磁石は図示せず)。超伝導バルク体を組み込んだ超伝導バルク磁石2を冷却する前に、既に着磁したい磁場を発生している着磁用磁石内の磁場中に挿入し、その後、小型冷凍機3で超伝導バルク体を超伝導温度以下に冷却する。ここで、超伝導バルク体の円筒軸方向と着磁用磁石が発生する主磁場方向を一致させる。
その後、着磁用磁石の磁場を消磁すると、冷却し続ける超伝導バルク体内に磁場が捕捉され、冷却が維持される限り着磁磁場と同等の磁界を有した超伝導バルク磁石2となる。このようにして、高い、例えば5テスラ〜10テスラの磁場を捕捉した超伝導バルク体を磁場発生手段1として使用することができる。
図2は、本発明の一実施例における、超伝導バルク磁石表面の発生磁場分布図を示す。図2において、Iは超伝導バルク磁石波面に垂直方向の磁場強度を示し、dは超伝導バルク磁石端面中心からの半径方向距離を示し、mは超伝導バルク磁石端面中央を示す。上述の様にして着磁された超伝導バルク磁石2の磁界分布はほぼ均一に分布するミクロな磁束の集団で形成されるため、例えば超伝導バルク体の断面形状が円形の場合、図2の磁場分布図に示すように、その磁石表面面内の面に垂直方向の磁場強度特性27はほぼ円錐状となり、中央部の磁界が最も強く、外周部でほぼゼロとなる。したがって、超伝導バルク体の中央から垂直方向および半径方向に非常に大きな磁場勾配を有する。したがって、図3に示すように、磁場強度と磁場勾配の積である磁気力は、図中、磁気力の大きさを長さで、磁気力が作用する方向をその向き示す矢印で表したベクトル線28で示すように、超伝導バルク体の端面上方空間において、磁界が透過した空間から超伝導バルク体の端面中心部に向かって、垂直方向および半径方向から非常に大きな磁気力が発生する。
超伝導バルク磁石2を患者の膝の内側の体外に設置する場合、超伝導バルク磁石2で発生する磁界は患者の皮膚外部から内部に浸透し、関節軟骨には血管、神経組織が無く自己修復能力が無い関節軟骨損傷部の凹状の損傷箇所に浸透させることができる。
いっぽう、治療に用いる磁性複合体は、患者の骨や軟骨、筋肉などに変化する患者自身の間葉系幹細胞を体外に取り出し、造影剤等に使用されるマグネタイト微粒子表面に例えばペプチド等をコーティングし、両者を液体中で所定の時間混合させて、幹細胞とマグネタイト微粒子をペプチドを介して複合化し生成される。
本発明の一実施例における磁気誘導システムおよびその動作手順を図4、図5に示す。本実施例に示す磁気誘導システムでは、超伝導バルク磁石2を、X線撮影装置(図示せず)や核磁気共鳴イメージング装置(図示せず)から予め得られた患者の軟骨欠損部の位置情報および、予め計算もしくは測定から求められた超伝導バルク磁石2の磁気力の強さ、方向を示す磁気力のベクトル分布情報を使用し、演算手段100において、予め位置情報として入力された磁性複合体の体内の注入位置から、軟骨欠損部までの磁気力線のルートを算出し、さらにルート創生に必要な超伝導バルク磁石の位置および角度等を算出し、超伝導バルク磁石2を超伝導バルク磁石位置制御装置29の先端に保持した状態で、計算結果を基にその先端の磁石部を計算された所定の3次元位置と計算された所定の角度に、調整して配置する。さらに、磁性複合体が体内の所定の部位に誘導されるまで設定を維持する。
図5は、本発明の一実施例における磁気誘導システムを示す図である。超伝導バルク磁石位置制御装置29は、演算手段100から例えば無線信号や有線ケーブル101にて制御される。超伝導バルク磁石位置制御装置29は、患者30を載せるベッド31近傍の移動定盤32上を、モータ(図示せず)を内蔵した駆動部収納ボックス33で回転駆動される車34で所定の位置まで移動する。さらに支柱35上部の回転モータ(図示せず)を内蔵した回転駆動部36と、アーム37、回転関節部38、アーム39、回転関節部40、アーム41を動作させて、超伝導バルク磁石ホルダー42を移動することで、超伝導バルク磁石2を演算手段100で計算された所定の3次元位置と角度にセットする。
ここで、図1に示した小型冷凍機用電源22および冷媒用のチラーユニット24は収納ボックス43内に配置され、給電線23、冷媒配管25,26は束ねて保護チューブ44内に収められ、両者は支柱35内および上部の回転駆動部36を通過した後、束ねて可撓性を有する例えは蛇腹状の高分子材料で製作された保護チューブ45に収納され、超伝導バルク磁石2に連結されている。保護チューブ45は、アームに設置した支持リング46内を通過させて保持している。
図5〜図10(ただし図8は従来技術による場合)に示すように磁性複合体の体内磁気誘導は、以下のように行われる。超伝導バルク磁石位置制御装置29で超伝導バルク磁石2の磁石面を患者30の膝内側の所定の患部付近の所定の患位置、角度で配置した後、図6示すように膝の大腿骨の骨47上で、患者30から見て左側側部の円形凹状に陥没した軟骨欠損箇所48がある場合、注射器49等を用いて磁性複合体50を予め設定した位置に注入される。注入された磁性複合体は、図7に示すように関節部のジェリー状の体液内に広がりながら分布する。ここで、従来のリング状に磁場が発生するソレノイドコイル磁石が膝内側に配置される場合、図8に示すように磁場分布に応じてリング状に集積し、注入された磁性複合体50の一部しか、さらに軟骨欠損箇所48の一部にしか集積することはできないが、複数の磁場発生手段1を使用する本実施例では、磁場を所望の位置に集中させることができるため(図11)、図9に示すように、注入された磁性複合体50のほとんどが、軟骨欠損箇所48のみに集中して集積させることができる。このように、超伝導バルク磁石の磁気力により、血管外の体内に広く静止分布した磁性複合体50を患部の軟骨欠損部に磁気誘導され、例えば数十分間磁気力を保持することにより、欠損部表面の骨組織表面に着床させる。これで磁気誘導作業は終了する。
磁性複合体の着床状態は、別途核磁気共鳴イメージング装置(図示せず)等で軟骨欠損部48における磁性複合体の磁性粒子の着床密度分布状況を検査することにより、計測でき、磁性複合体の着床密度不足部位が判明すれば、図10に示すようにその部位に誘導できるよう再度、超伝導バルク磁石位置制御装置29で超伝導バルク磁石2の磁石面を患者の膝内側付近の所定の疾患位置および角度で配置した後、磁性複合体を再設定した位置に注射器等を用いて再注入し、着床不足箇所に再注入した磁性複合体を的確に磁気誘導する。この操作を複数回繰り返すことで、磁性複合体を軟骨欠損部の表面に、所定の密度で、隙間を極力少なくして、均一に着床させることができる。
着床させた後は、安静にすることで、軟骨欠損面に所定の密度で均一に着床した幹細胞は、約数週間をかけて軟骨細胞として自己増殖し、欠損部の空間を埋め尽くし、もとの軟骨形状に短時間で戻り、早期に治癒することができる。
このように、本実施例においては、磁場発生手段1として超伝導バルク磁石で構成することにより、ソレノイドコイル磁石とは異なり、磁性複合体を3次元空間で所定のスポット位置に、所定の角度で磁気誘導できるので、所定量の磁性複合体を軟骨欠損部の凹面上に、所定の密度で、隙間を極力少なくして均一に着床できるので、もとの軟骨形状に短時間で戻り、早期に治癒することができる効果がある。
本実施例では、超伝導バルク磁石の移動に電動やガス駆動モーターを使用した例について説明したが、重量バランサーを内蔵して手動で移動するようにしても、同様な効果が生じる。この場合、超伝導バルクの位置情報は、アーム関節部の回転角の情報から演算装置で算出情報を表示しても良く、また、超伝導バルク磁石先端位置センサーを取り付け、その情報を無線で情報を送り、情報から演算装置で算出情報を表示しても良く、また、移動操作者が目で見て調整しても良い。
また、本実施例で、磁石の位置と患部との直線距離を一定に保つようにしたが、注射器49等を用いて磁性複合体50を予め設定した位置に注入する場合、初期の段階では、注入された磁性複合体は関節部のジェリー状の体液内に均一に広がらせるため、上記直線距離を離れて、磁気力を弱くして均一に自己拡散で均一に分布させ、その後、上記直線距離を近づけて、磁気力を強く作用させ、円形凹状に陥没した軟骨欠損箇所48の広い面に均一に着床させても良い。
図11に、本発明の一実施例を示す。本図では、患者の膝51の体内の患部52が骨の長手軸方向に軟骨欠損部の開口部がある場合で、欠陥部の底面の裏側に超伝導バルク磁石2を患者の体が邪魔して設置できない場合の、磁石設置構造を示すもので、超伝導バルク磁石位置制御装置29を2台使用し、それぞれの超伝導バルク磁石位置制御装置29で支持された超伝導バルク磁石2を膝51の両側に配置し、その磁場における磁気力の合力ベクトル53が、患部52の開口面に作用するように両超伝導バルク磁石2を配置したものである。本実施例によれば、磁気力の合力ベクトル53の上流部の位置に注射器等を用いて磁性複合体を注入すれば、磁気力の作用線に沿って患部52に集積することができる。
本発明の他の実施例における磁気誘導システムの動作手順を図12に示す。複数個の磁場発生手段1は超伝導バルク磁石2により磁場を発生する。駆動制御手段は、演算手段100を有し、演算手段100は、X線撮影装置(図示せず)や核磁気共鳴イメージング装置(図示せず)から予め得られた患者の軟骨欠損部の位置情報および、予め計算もしくは測定から求められた複数個の超伝導バルク磁石2の磁気力の強さ、方向を示す磁気力のベクトル分布情報を使用し、予め位置情報として入力された磁性複合体の体内の注入位置から、軟骨欠損部までの磁気力線のルートを算出する。演算手段100は、さらにルート創生に必要な複数個の超伝導バルク磁石の位置および角度等を算出し、超伝導バルク磁石2を超伝導バルク磁石位置制御装置29の先端に保持した状態で、計算結果を基にその先端の磁石部を計算された所定の3次元位置と計算された所定の角度に、調整して配置する。
図13Aに、本発明の磁気誘導システムにおいて、1個の超伝導バルク磁石を用いた例を示す。図13Aのfは磁気力ベクトルを示し、Bzは磁場強度を示し、gは磁気勾配を示し、L1は磁石表面からの距離を示す。超伝導バルク磁石1個で表面磁場5Tのシステムを利用した場合、磁石表面からL1=5cmの中心位置において、磁場強度Bzは0.8テスラ(T)と磁気勾配g=dBz/dz=1(T/cm)を記録した。この時、磁気力ベクトルfは、超伝導バルク磁石の方向に向いており、この力によって磁気ビーズ被誘導物質複合体をバルク磁石方向に誘導することが可能となる。磁気力ベクトルfの大きさは0.8(T2/cm)を記録した。
図13Bに、本発明の磁気誘導システムにおいて、2個の超伝導バルク磁石を用いた例を示す。以下の図13Bから図13Cにおいて、fは磁気力ベクトルを示し、Bzは磁場強度を示し、gは磁気勾配を示し、L1は第1の超伝導バルク磁石の磁石表面からの距離を示し、L2は第1の超伝導バルク磁石と第2の超伝導バルク磁石の中心間距離を示す。図13Aと同様の励磁を施した超伝導バルク磁石2個のシステムを利用し、2個の磁石の中心間距離L2を5.8cmとし、磁場の軸を中心からL1=5cm離れた位置に磁石の軸が向き、さらに、2個の磁石の同極が向いた状態で、この位置での、磁場強度Bzを測定したところ、1.4テスラ(T)と磁気勾配g=dBz/dz=1.81(T/cm)を記録した。これら磁場および磁気勾配は、2個の磁石の中心を向いたベクトルfを有する。磁気力ベクトルfの大きさは2.5(T2/cm)を記録した。
以上のように、2個の超伝導バルク磁石を利用することで、1個の場合よりも、より大きな磁場強度、および磁気勾配、したがって、より大きな磁気力を与えることができる。
さらに、図13Cに、本発明の磁気誘導システムにおいて、2個の超伝導バルク磁石の磁石間距離を調整して磁気力のベクトルを制御する例を示す。2個の超伝導バルク磁石間距離を調整することにより、磁気力および磁気力の作用する方向を制御することが可能となる。同様の励磁を施した超伝導バルク磁石2個のシステムを利用し、2個の磁石を中心間距離L2は4cmとし、磁場の軸を中心からL1=5cm離れた位置に磁石の軸が向き、さらに、2個の磁石の同極が向いた状態で、この位置での、磁場強度Bzを測定したところ、1.8テスラ(T)と磁気勾配g=dBz/dz=2.3(T/cm)を記録した。これら磁場および磁気勾配は、2個の磁石の中心を向いたベクトルfを有する。磁気力ベクトルfの大きさは4.1(T2/cm)を記録した。
以上のように、超伝導磁石間の距離を調整することによって、軟骨再生を目的とする位置における磁気力を制御することが可能となる。さらに、磁石配置の制御によっても、磁気力の方向ベクトルの制御も必要となる。
図13Dに、本発明の磁気誘導システムにおいて、2個の超伝導バルク磁石の磁石間距離を調整して磁気力のベクトルを制御する他の例を示す。図13DにおいてL3は第1の超伝導バルク磁石2から中心軸までの距離を示し、L4は第2の超伝導バルク磁石2から中心軸までの距離を示す。fは磁気力ベクトルを示し、Bzは磁場強度を示し、gは磁気勾配を示し、L1は第1の超伝導バルク磁石の磁石表面からの距離を示し、L2は第1の超伝導バルク磁石と第2の超伝導バルク磁石の中心間距離を示す。図13Cと同様の励磁を施した超伝導バルク磁石2個のシステムを利用し、磁石2を中心からの距離L3=2.9cmの位置に、磁石2を中心からの距離L4=2cmの位置に廃止、それぞれの磁場の軸を、磁石間の中心位置からL1=5cm離れた位置に磁石の軸が向き、さらに、2個の磁石の同極が向いた状態で、この位置での、磁場強度Bzを測定した。この際、磁場強度Bzの最高は1.6テスラ(T)となったが、そのベクトルは、図のように、この位置よりの距離の近い磁石の方向にずれた。また、最高の磁気勾配g=dBz/dz=2.04(T/m)を記録したが、そのベクトルfも、図のように同様の方向にずれた。磁気力fの大きさは3.3(T2/cm)を記録した。このように、磁石の相対位置を変化させることで、磁気力の強度とともに、力の作用するベクトルを制御することも可能となる。
また両磁石を変えることで、磁気力の合力ベクトルの方向、大きさを変え任意の方向に磁性複合体を磁気誘導することもできる。したがって、本実施例によれば、超伝導バルク磁石1台では患者の体が邪魔して、的確な磁気誘導ができない場合においても、磁性複合体を的確に患部52に集積することができる効果がある。
また、本実施例で両超伝導磁石の極性は同極となるようにし、両磁石の設置状況で両磁石は反発するようにする。これにより、両磁石同士の吸引力が作用し患者の膝を挟み患者に怪我をさせないようにする効果がある。即ち、ある実施の形態においては、複数の磁場発生手段1の各々の磁場発生端の磁極が同極であり、駆動制御手段が、複数の磁場発生手段1から発生する磁場が生体の所望の位置にて相互に反発するよう磁場発生手段1の位置および角度を設定するようにしてもよい。
さらに、ある実施の形態においては、駆動制御手段が、生体内の所望の位置での磁場の強度を磁性複合体の導入後の経過時間に応じて調整するようにしてもよい。特に、磁性複合体の導入直後は、磁性複合体が広い範囲に拡散するよう、磁場発生手段1を生体の疾患部から少し離れた位置に設置して、比較的弱い磁場を作用させ、その後、導入後の経過時間に応じて、磁場発生手段1を生体の疾患部に近づけ、比較的強い磁場を作用させるようにしてもよい。これにより、3次元の形状を有する疾患部に磁性複合体を集積できる。
(超伝導バルク磁石の作製例)
本発明の装置を実現するためには指向性にすぐれ高温で強磁場を発生する超伝導バルク磁石が必要となる。このシステムを実現するためには、臨界温度が高く、高温高磁場での臨界電流にすぐれ、機械特性および熱安定性にすぐれたバルク超伝導体が必要となる。以下に、本システムに適用した超伝導バルク体の作製例を示す。表1は、超伝導バルク体の各作製例の概要を示すものである。
Figure 0005688661
(作製例1)
NdとEuとGdの混合比が1:1:1の(Nd,Eu,Gd)Ba2Cu3Oy(ここで、6.8≦y≦7.0)および(Nd,Eu,Gd)2BaCuO5の粉末を用意し、これら化合物の比が4:1になるように秤量し、0.5重量%のPtを添加したのち、よく混合する(ステップ1001)。その後、2000MPaの静水圧下で直径42mm、厚さ15mmのペレットに成型する(ステップ1002)。ペレットを、900℃で1時間空気中で加熱し、仮焼結を行う(ステップ1003)。つぎに焼結体の中心から20mmの円周に沿って、直径2mmの人工孔を6個、等間隔で超硬ドリルにより加工する(ステップ1004)。つぎに、直径50mmのAl2O3製るつぼの底に、まずNd2O3粉を直径45mm厚さ 2mmのペレット状に成型したものを載せたうえに、さらにBaCuO2粉を直径45mm厚さ 10mmのペレット状に成型したものを載せる(ステップ1005)。そのうえに、人工孔を6個設けた(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O焼結体を設置する(ステップ1006)。
その後、1%O2+99%Arの雰囲気に調整された電気炉にAl2O3製るつぼごと設置し、(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O焼結体の中央に2mm角で厚さが1mmのNdBa2Cu3Oy単結晶を種として設置する(ステップ1007)。その後、50℃/hの速度で電気炉を1100℃まで加熱し1時間保持後、1050℃まで1時間で冷却し、その後は、0.2℃/hの速度で950℃まで徐冷し、その後は炉冷を行った(ステップ1008)。炉から取り出した試料は、最後に、100%酸素気流中において、300℃で100時間の酸素アニール処理を行った(ステップ1009)。この状態で、超伝導臨界温度を測定したところ95Kという値が得られる。
つぎに、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入し(ステップ1010)、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行った(ステップ1011)。また、内径が19mmで厚さが3mm、高さが20mmのFe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行う処理も行った(ステップ1012)。
その結果、アルミニウム棒と複合化し、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングで予圧縮荷重を印加した(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において4Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例2)
上記作製例1の(ステップ1001)から(ステップ1010)までと同じ処理を行って、(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク体を作製する。作製例2においても、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入する。作製例1との違いは、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行うステップ(ステップ1011)と、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行うステップ(ステップ1012)を行わない点にある。
作製例2に基づいて作製した、アルミニウム棒と複合化した(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において3.5Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例3)
上記作製例1の(ステップ1001)から(ステップ1009)までと同じ処理を行って、(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク体を作製する。作製例1との違いは、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入するステップ(ステップ1010)と、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行うステップ(ステップ1011)と、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行うステップ(ステップ1012)を行わない点にある。したがって、作製例3においては、人工孔にアルミニウム棒が挿入されていない。
作製例3により、人工孔を設けずに作製した(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク体も作製し、これら試料を5Tの超伝導マグネットで磁場を印加した状態で、液体窒素(77K)により20分冷却し、その後、外部磁場を0.1T/minの速度で低下させ、ゼロとしたのち5分保持してから、捕捉磁場を2次元走査型磁場分布測定装置により測定した。
作製例3に基づいて作製した、金属と複合化しなかった(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において2Tの捕捉磁場が得られた。
上記作製例1から3において、さらに、同様の測定を繰り返したところ、アルミニウム棒と複合化した(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングのあるなしに係わらず、同様の捕捉磁場を記録した。金属と複合化しなかった(Nd,Eu,Gd)-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において1.7Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例4)
GdBa2Cu3OyおよびGd2BaCuO5の粉末を用意し、これら化合物の比が10:3になるように秤量し、0.5重量%のPtを添加したのち、よく混合する(ステップ4001)。その後、2000MPaの静水圧下で直径42mm、厚さ15mmのペレットに成型する(ステップ4002)。ペレットを、900℃で1時間空気中で加熱し、仮焼結を行う(ステップ4003)。つぎに焼結体の中心から20mmの円周に沿って、直径2mmの人工孔を6個、等間隔で超硬ドリルにより加工する(ステップ4004)。つぎに、直径50mmのAl2O3製るつぼの底に、まずGd2O3粉を直径45mm厚さ 2mmのペレット状に成型したものを載せたうえに、さらにBaCuO2粉を直径45mm厚さ 10mmのペレット状に成型したものを載せる(ステップ4005)。そのうえに、人工孔を6個設けたGd-Ba-Cu-O焼結体を設置する(ステップ4006)。
その後、1%O2+99%Arの雰囲気に調整された電気炉にAl2O3製るつぼごと設置し、Gd-Ba-Cu-O焼結体の中央に2mm角で厚さが1mmのNdBa2Cu3Oy単結晶を種として設置する(ステップ4007)。その後、50℃/hの速度で電気炉を1100℃まで加熱し1時間保持後、1055℃まで1時間で冷却し、その後は、0.2℃/hの速度で950℃まで徐冷し、その後は炉冷を行った(ステップ4008)。炉から取り出した試料は、最後に、100%酸素気流中において、300℃で100時間の酸素アニール処理を行った(ステップ4009)。この状態で、超伝導臨界温度を測定したところ94Kという値が得られた。
つぎに、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入し(ステップ4010)、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行った(ステップ4011)。また、内径が19mmで厚さが3mm、高さが20mmのFe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行う処理も行った(ステップ4012)。
その結果、アルミニウム棒と複合化し、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングで予圧縮荷重を印加したGd-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において3Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例5)
上記作製例4の(ステップ4001)から(ステップ4010)までと同じ処理を行って、Gd-Ba-Cu-O超伝導バルク体を作製する。作製例4においても、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入する。作製例4との違いは、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行うステップ(ステップ4011)と、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行うステップ(ステップ4012)を行わない点にある。
作製例5に基づいて作製した、アルミニウム棒と複合化したGd-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において2.5Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例6)
上記作製例4の(ステップ4001)から(ステップ4009)までと同じ処理を行って、Gd-Ba-Cu-O超伝導バルク体を作製する。作製例4との違いは、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入するステップ(ステップ4010)と、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行うステップ(ステップ4011)と、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行うステップ(ステップ4012)を行わない点にある。したがって、作製例6においては、人工孔にアルミニウム棒が挿入されていない。
作製例6により、人工孔を設けずに作製したGd-Ba-Cu-O超伝導バルク体も作製した。これら試料を5Tの超伝導マグネットで磁場を印加した状態で、液体窒素(77K)により20分冷却し、その後、外部磁場を0.1T/minの速度で低下させ、ゼロとしたのち5分保持してから、捕捉磁場を2次元走査型磁場分布測定装置により測定した。
作製例6に基づいて作製した、金属と複合化しなかったGd-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において1.2Tの捕捉磁場が得られた。
上記作製例4から6において、さらに、同様の測定を繰り返したところ、アルミニウム棒と複合化したGd-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングのあるなしに係わらず、同様の捕捉磁場を記録したが、金属と複合化しなかったGd-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において1.2Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例7)
YBa2Cu3Oy(ここで、6.8≦y≦7.0)およびY2BaCuO5の粉末を用意し、これら化合物の比が10:3になるように秤量し、0.5重量%のPtを添加したのち、よく混合する(ステップ7001)。その後、2000MPaの静水圧下で直径42mm、厚さ15mmのペレットに成型する(ステップ7002)。ペレットを、900℃で1時間空気中で加熱し、仮焼結を行う(ステップ7003)。つぎに焼結体の中心から20mmの円周に沿って、直径2mmの人工孔を6個、等間隔で超硬ドリルにより加工する(ステップ7004)。つぎに、直径50mmのAl2O3製るつぼの底に、まずY2O3粉を直径45mm厚さ 2mmのペレット状に成型したものを載せたうえに、さらにBaCuO2粉を直径45mm厚さ 10mmのペレット状に成型したものを載せる(ステップ7005)。そのうえに、人工孔を6個設けたY-Ba-Cu-O焼結体を設置する(ステップ7006)。
その後、大気中において電気炉にAl2O3製るつぼごと設置し、Y-Ba-Cu-O焼結体の中央に2mm角で厚さが1mmのNdBa2Cu3Oy単結晶を種として設置する(ステップ7007)。その後、50℃/hの速度で電気炉を1100℃まで加熱し1時間保持後、1050℃まで1時間で冷却し、その後は、0.2℃/hの速度で950℃まで徐冷し、その後は炉冷を行った(ステップ7008)。炉から取り出した試料は、最後に、100%酸素気流中において、300℃で100時間の酸素アニール処理を行った(ステップ7009)。この状態で、超伝導臨界温度を測定したところ90Kという値が得られた。
つぎに、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入し(ステップ7010)、その後、Pb-Bi-Sn-Cd合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行った(ステップ7011)。また、内径が19mmで厚さが3mm、高さが20mmのFe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn-Cd合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行う処理も行った(ステップ7012)。
その結果、アルミニウム棒と複合化し、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングで予圧縮荷重を印加したY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において1.1Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例8)
上記作製例7の(ステップ7001)から(ステップ7010)までと同じ処理を行って、Y-Ba-Cu-O超伝導バルク体を作製する。作製例8においても、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入する。作製例7との違いは、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行うステップ(ステップ7011)と、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行うステップ(ステップ7012)を行わない点にある。
即ち、作製例8による超伝導バルク体は、以下のように作製される。YBa2Cu3Oy(ここで、6.8≦y≦7.0)およびY2BaCuO5の粉末を用意し、これら化合物の比が10:3になるように秤量し、0.5重量%のPtを添加したのち、よく混合する。その後、2000MPaの静水圧下で直径42mm、厚さ15mmのペレットに成型する。ペレットを、900℃で1時間空気中で加熱し、仮焼結を行う。つぎに焼結体の中心から20mmの円周に沿って、直径2mmの人工孔を6個、等間隔で超硬ドリルにより加工する。つぎに、直径50mmのAl2O3製るつぼの底に、まずY2O3粉を直径45mm厚さ 2mmのペレット状に成型したものを載せたうえに、さらにBaCuO2粉を直径45mm厚さ 10mmのペレット状に成型したものを載せる。そのうえに、人工孔を6個設けたY-Ba-Cu-O焼結体を設置する。その後、大気中において電気炉にAl2O3製るつぼごと設置し、Y-Ba-Cu-O焼結体の中央に2mm角で厚さが1mmのNdBa2Cu3Oy単結晶を種として設置する。その後、50℃/hの速度で電気炉を1100℃まで加熱し1時間保持後、1050℃まで1時間で冷却し、その後は、0.2℃/hの速度で950℃まで徐冷し、その後は炉冷を行った。炉から取り出した試料は、最後に、100%酸素気流中において、300℃で100時間の酸素アニール処理を行った。この状態で、超伝導臨界温度を測定したところ90Kという値が得られた。つぎに、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入する。
作製例8に基づいて作製した、アルミニウム棒と複合化したY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において1.0Tの捕捉磁場が得られた。
(作製例9)
上記作製例7の(ステップ7001)から(ステップ7009)までと同じ処理を行って、Y-Ba-Cu-O超伝導バルク体を作製する。作製例7との違いは、人工孔に直径が1.8mm、長さが20mmのアルミニウム棒を6本挿入するステップ(ステップ7010)と、その後、Pb-Bi-Sn合金を200℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで含浸を行うステップ(ステップ7011)と、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングをバルク体の周りに配したうえで、Pb-Bi-Sn合金を300℃に加熱後、真空ポンプで脱気することで、形状記憶合金による予圧縮と真空含浸を同時に行うステップ(ステップ7012)を行わない点にある。したがって、作製例9においては、人工孔にアルミニウム棒が挿入されていない。
作製例9により、人工孔を設けずに作製したY-Ba-Cu-O超伝導バルク体も作製した。これら試料を5Tの超伝導マグネットで磁場を印加した状態で、液体窒素(77K)により20分冷却し、その後、外部磁場を0.1T/minの速度で低下させ、ゼロとしたのち5分保持してから、捕捉磁場を2次元走査型磁場分布測定装置により測定した。
作製例9に基づいて作製した、金属と複合化しなかったY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において0.5Tの捕捉磁場が得られた。
上記作製例7から9において、さらに、同様の測定を繰り返したところ、いずれの試料においても捕捉磁場特性に大きな変化は認められなかった。
上記作製例7から9において、つぎに、液体窒素ではなく、冷凍機を用いて50Kまで冷却して捕捉磁場特性を測定したところ、アルミニウム棒と複合化し、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングで予圧縮荷重を印加したY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において5.0Tの捕捉磁場が得られた。また、アルミニウム棒と複合化したY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において4.5Tの捕捉磁場が得られた。また、金属と複合化しなかったY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において3.5Tの捕捉磁場が得られた。
上記作製例7から9において、さらに、同様の測定を繰り返したところ、アルミニウム棒と複合化したY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、Fe-Mn-Si形状記憶合金製リングのあるなしに係わらず、同様の捕捉磁場を記録したが、金属と複合化しなかったY-Ba-Cu-O超伝導バルク磁石では、表面において3.5Tの捕捉磁場が得られた。
(超伝導バルク磁石の作製例8を用いた実験)
図14は、上述の超伝導バルク磁石の作製例8を用いた動物実験の結果として得られた豚の関節部の膝蓋骨とその骨の軟骨欠損部を示す。図14の写真に示すように、豚の関節部の膝蓋骨54に物理的に故意に設けた円形凹状の軟骨欠損部55を使用し、豚の脊髄の幹細胞と磁性ビーズを複合化した磁性複合体を、体外に配置した超伝導バルク磁石の磁気力を利用して、注射器で注入された磁性複合体を体内で磁気誘導させて軟骨欠損部55に着床させたのち、磁場を取り除き、3ヶ月間経過した後の軟骨欠損部55の写真を図15にしめす。図15に示すように、軟骨欠損部55には白色の軟骨が自己増殖して再生しており、上記磁性複合体の軟骨欠損部55の磁気誘導が軟骨再生に有効であることがわかる。
本効果は、超伝導バルク磁石で発生させた軟骨欠損部55の箇所における磁場の磁束密度が、0.8テスラ(T)以上の場合や、磁束密度と磁気勾配の値が1(T2/m)において、軟骨欠損部で均一に軟骨が再生することができることがわかった。また、上記実施例では関節部の骨の欠損部に磁性複合体を磁気誘導させる場合について説明したが、欠損部が頭部や腕や足の骨の骨折等の欠損部に、磁性複合体を磁気誘導する場合においても、同様な効果が生じる。
ここで、超伝導バルク体は、より磁場強度を高めるために以下の素材を作製し、適用すれば、着磁後の磁気力がさらに大きくなり、複合磁性体をさらに良好に着床させ、超伝導バルク磁石2の端面からさらに深部の体内部位に大きな磁気力を作用させ、深部に位置する患部に、磁性複合体を良好に磁気誘導することができる効果が生じる。
上記記載は実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の精神と添付の請求の範囲の範囲内で種々の変更および修正をすることができることは当業者に明らかである。
1 磁場発生手段
2 超伝導バルク磁石
3 小型冷凍機
13 真空容器
19 真空ポンプ
22 電源ユニット
24 チラーユニット
29 超伝導バルク磁石位置制御装置
30 患者
31 ベッド
33 駆動部収納ボックス
36 回転駆動部
38、40 回転間接部
42 超伝導バルク磁石ホルダー
43 収納ボックス
48 軟骨欠損箇所
50 磁性複合体
100 演算制御装置

Claims (18)

  1. 磁場発生端の磁極がすべて同極であるプローブ状の複数個の磁場発生手段と、
    前記複数個の磁場発生手段の磁場発生端の位置および角度を調整する駆動手段と、
    前記複数個の磁場発生手段により生成された合成磁場が生体内の所望の部位に作用するよう前記磁場発生手段の磁場発生端の位置および角度を算出する演算手段と、
    該複数個の磁場発生手段の磁場発生端が前記演算手段により算出された位置及び角度になるように、前記駆動手段の磁場発生端の位置および角度を制御する駆動制御手段と、
    前記複数の磁場発生手段の磁極が前記生体の所望の部位にて相互に反発する配置で駆動手段を制御することが可能な同極制御手段と、
    を有する磁気誘導システム。
  2. 前記磁場発生手段が、超伝導バルク磁石装置を備える、請求項1に記載の磁気誘導システム。
  3. 前記超伝導バルク磁石は、77Kの液体窒素温度で所要の臨界電流密度が得られる組成を有する、請求項2に記載の磁気誘導システム。
  4. 前記超伝導バルク磁石の組成が、RE−Ba−Cu−0(RE:希土類元素)である、請求項2または3に記載の磁気誘導システム。
  5. 前記超伝導バルク磁石の組成が、(Nd,Eu,Gd)−Ba−Cu−0、Gd−Ba−Cu−0、またはY−Ba−Cu−0である、請求項4に記載の磁気電導システム。
  6. 前記演算手段は、前記合成磁場が磁性複合体を生体内の所望の部位に誘導するよう前記磁場発生手段の磁場発生端の位置および角度を算出する、請求項1から5のいずれか一に記載の磁気誘導システム。
  7. 前記磁性複合体が、磁性材料からなる磁気ビーズと被誘導物質とからなる磁気ビーズ被誘導物質複合体である、請求項6に記載の磁気誘導システム。
  8. 前記所望の部位は、前記生体内の関節軟骨部である、請求項1から7のいずれか一に記載の磁気誘導システム。
  9. 前記生体内の部位とその部位での磁場の強度を前記磁性複合体の導入後に経過時間に応じてコントロールする時間制御手段をさらに有する、請求項6からのいずれか一に記載の磁気誘導システム。
  10. 磁場発生端の磁極がすべて同極であるプローブ状の複数個の磁場発生手段と、該複数個の磁場発生手段の磁場発生端の位置および角度を調整する駆動手段と、前記磁場発生手段の磁場発生端の位置および角度を算出する演算手段と、前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、同極制御手段と、を有する磁気誘導システムの動作方法であって、
    前記演算手段が、前記複数の磁場発生手段の合成磁場を生体内の所望の部位に作用するよう、前記磁場発生手段の磁場発生端の位置および角度を算出するステップと、
    前記駆動制御手段が、前記複数個の磁場発生手段の磁場発生端が前記演算手段により算出された位置及び角度になるように前記駆動手段の駆動を制御するステップと、
    前記同極制御手段が、前記複数の磁場発生手段の磁極が前記生体の所望の部位にて相互に反発する配置で駆動手段を制御するステップと、
    を有する前記磁気誘導システムの動作方法。
  11. 前記磁気誘導システムが、さらに時間制御手段を有し、
    前記時間制御手段が、前記生体内の部位とその部位での磁場の強度を前記磁性複合体の導入後に経過時間に応じてコントロールするステップをさらに有する、請求項11に記載の磁気誘導システムの動作方法。
  12. 前記駆動制御手段が、前記複数個の磁場発生手段の磁場発生端の相対的位置を変えることにより、合成磁場の磁気力の強度と磁気力ベクトルの方向を制御する機能を備えていることを特徴とする請求項1から8および10のいずれか一に記載の磁気誘導システム。
  13. 前記駆動手段が、前記複数個の磁場発生手段にそれぞれ個別に接続された回転関節部を有することを特徴とする請求項1から8、10および14のいずれか一に記載の磁気誘導システム。
  14. 前記駆動手段の駆動を制御するステップにおいて、前記複数個の磁場発生手段の磁場発生端の相対的位置を変えることにより、合成磁場の磁気力の大きさを制御することを特徴とする請求項11または13に記載の磁気誘導システムの動作方法。
  15. 前記駆動手段の駆動を制御するステップにおいて、前記複数個の磁場発生手段の磁場発生端の相対的位置を変えることにより、合成磁場の磁気力ベクトルの方向を制御することを特徴とする請求項11、13および16のいずれか一に記載の磁気誘導システムの動作方法。
  16. 前記駆動手段の駆動を、前記複数個の磁場発生手段にそれぞれ個別に接続された回転関節部を回転させることにより行うことを特徴とする請求項11、13、16および17のいずれか一に記載の磁気誘導システムの動作方法。
  17. 生体内の局所周辺に合成磁場を作用させた後に、合成磁場を作用させる範囲を前記局所を含む狭い範囲に狭めることにより前記局所へ磁気誘導することを特徴とする請求項11、13および16から18のいずれか一に記載の磁気誘導システムの動作方法。
  18. 血管外の部位へ磁気誘導することを特徴とする請求項11、13および16から19のいずれか一に記載の磁気誘導システムの動作方法。
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