JP6246129B2 - 広視野を有する、磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は磁性粒子を検出する装置及び方法 - Google Patents

広視野を有する、磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は磁性粒子を検出する装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は視野内の磁性粒子を検出する装置及び方法に関する。さらに、本発明は、コイル配列及び/又は磁極片に関する。本発明は、特に、磁性粒子撮像の分野に関する。
磁性粒子撮像(MPI)は、新たに登場した医療撮像モダリティである。初期のMPIは、2次元画像を生成していたので、2次元であった。新しいものは3次元(3D)である。非静的な物体の4次元画像は、その物体が1つの3D画像のデータ取得中に有意に変化しないという前提で、3D画像の時間シーケンスを動画と結合することによって作成することができる。
MPIは、コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴撮像(MRI)のような、再構築型撮像方法である。したがって、物体の関心体積のMP画像は、2段階で生成される。第1のステップは、データ取得と呼ばれ、MPIスキャナを用いて実行される。MPIスキャナは、スキャナの等角点に(単一の)ゼロ磁場点(FFP)又はゼロ磁場線(FFL)を有する「選択場」と呼ばれる静的傾斜磁場を生成する手段を有する。さらに、このFFP(又はFFL。以下で「FFP」と言及するときは、一般にFFP又はFFLを指しているものとして解釈されたい)は、低い磁場強度を有する第1のサブゾーンによって包囲され、この第1のサブゾーンは、同様にそれより高い磁場強度を有する第2のサブゾーンによって包囲される。さらに、スキャナは、時間依存性の、空間的にほぼ均一な磁場を生成する手段を有する。実際には、この磁場は、「駆動場」と呼ばれる小さな振幅を有する急速に変化する磁場と、「フォーカス場」と呼ばれる大きな振幅を有するゆっくり変化する磁場とを重畳することによって得られる。時間依存性の駆動場とフォーカス場を静的な選択場に追加することにより、FFPを、等角点を取り囲む「走査体積」内で所定のFFP軌道に沿って移動させることができる。スキャナは、1つ又は複数、例えば3つの受信コイルの配列も有し、これらのコイル内に誘導されたどのような電圧も記録することができる。データ取得に際しては、撮像対象の物体を、その物体の関心体積が走査体積の一部であるスキャナの視野によって包囲されるようにスキャナ内に配置する。
物体は、磁性ナノ粒子又はその他の磁性非線形材料を含んでいなければならない。物体が動物又は患者である場合には、走査を行う前に、このような粒子を含有する造影剤をその動物又は患者に投与する。データ取得中には、MPIスキャナは、走査体積、又は少なくとも視野をたどる/カバーする慎重に選択した軌道に沿ってFFPを移動させる。物体内の磁性ナノ粒子は、磁場の変化を受け、それに応答してそれらの磁化を変化させる。ナノ粒子の磁化が変化することにより、各受信コイルに時間依存電圧が誘導される。この電圧は、受信コイルと関連づけられた受信器でサンプリングされる。受信器から出力されたサンプルは、記録され、取得データを構成する。データ取得の詳細を制御するパラメータが、「走査プロトコル」を構成する。
画像再構築と呼ばれる画像生成の第2のステップでは、第1のステップで得られたデータから、画像を計算又は再構築する。この画像は、視野内の磁性ナノ粒子の位置依存濃度のサンプリング近似を表す離散的3Dデータ・アレイである。再構築は、一般に、適当なコンピュータ・プログラムを実行するコンピュータによって実行される。コンピュータとコンピュータ・プログラムとで、再構築アルゴリズムを実現する。再構築アルゴリズムは、データ取得の数学モデルに基づいている。全ての再構築型撮像方法と同様に、このモデルは、取得データに作用する積分演算子として定式化することができる。再構築アルゴリズムは、このモデルの作用を、可能な程度まで元に戻そうとするものである。
このようなMPI装置及び方法には、例えば人体など、いかなる検査物体でも、非破壊的に、高い空間解像度で、検査物体の表面の近く及び検査物体の表面から離れたところの両方で検査するために使用することができるという利点がある。このような装置及び方法は、一般に既知であり、DE10151778A1、及び再構築の原理についても概説されているGleich,B.及びWeizenecker,J.,「Tomographic imaging using the nonlinear response of magnetic particles」,Nature,vol.435、1214〜1217ページ(2005)に最初に記載された。この出版物に記載されている磁性粒子撮像(MPI)の装置及び方法は、微小な磁性粒子の非線形磁化曲線を利用している。
これまでに記載されたMPI装置及び方法の設計は、人間用としてはまだ最適ではない。
米国特許第2008/309330A1号には、磁性粒子の磁化が生成する磁束の変化に基づいて磁性粒子の分布を示す画像を形成する磁性粒子撮像装置が開示されている。この装置は、ゼロ磁場領域に変調磁場を印加することによってゼロ磁場領域内に存在する磁性粒子を磁化する変調コイルと、検出された磁束に含まれる、変調コイルによって印加された変調磁場の磁束によって引き起こされる影響を抑制するように配置された検出コイルとを含む。
WO2010/134006A2には、特に磁性粒子撮像(MPI)を用いて脳内又は頭蓋内の出血をモニタリングするための、アクション領域内の磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又はアクション領域内の磁性粒子を検出する構成及び方法が開示されている。コイル・アレイのコイルごとの共通の結合ユニットを設けて、全ての信号を結合して、この共通のコイルのセットに対する磁場を生成する。さらに、同じコイルを使用して、検出信号を取得する。このようにして、特に出血のモニタリングのために永久的に残すことができる、又は定期的に患者に装着することができる小型のスキャナを構築することができる。
DE10151778A1 EP1304542 WO2004/091386 WO2004/091390 WO2004/091394 WO2004/091395 WO2004/091396 WO2004/091397 WO2004/091398 WO2004/091408 米国特許第2008/309330A1号 WO2010/134006A2
Gleich,B.及びWeizenecker,J.、「Tomographic imaging using the nonlinear response of magnetic particles」、Nature、vol.435、1214〜1217ページ(2005)
本発明の目的は、より大きな対象(人間、動物)、特に人間の成人の検査を可能にする、視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は視野内の磁性粒子を検出する装置及び方法を提供することである。
本発明の第1の態様では、視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は視野内の磁性粒子を検出する装置であって、当該装置は、
(i)磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を有する第1のサブゾーン及び磁性粒子の磁化が飽和する高い磁場強度を有する第2のサブゾーンが前記視野内に形成されるように磁場強度の空間内パターンを有する選択/フォーカス磁場を生成し、検査領域内で前記視野の空間内位置を変化させる選択/フォーカス手段であり、前記選択/フォーカス手段は、少なくとも1組の選択/フォーカス場(selection-and-focus field)コイル、及び前記選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルに供給される選択/フォーカス場電流を生成する選択/フォーカス場生成ユニットを有し、
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
‐内側コイル軸の周りの閉ループとして形成された、少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル、及び
‐前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルより前記内側コイル軸から離れた距離のところで異なる角度位置に配列された、少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群であり、それぞれが関連する外側コイル軸の周りの閉ループとして形成された、少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群とを含む、選択/フォーカス手段、及び
(ii)駆動場(drive field)信号生成ユニット及び駆動場コイルを有し、該駆動場コイルは、磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて視野内の2つのサブゾーンの空間内位置又はサイズを変化させる駆動場コイルを有する駆動手段を含む、装置が提供される。
本発明の別の態様では、これに対応する方法が提供される。
本発明の更に別の態様では、視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は視野内の磁性粒子を検出する装置において選択/フォーカス場コイル配列として使用されるコイル配列であって、
内側コイル軸の周りに閉ループとして形成された少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル、及び
前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルより前記内側コイル軸から遠い距離のところで、異なる角度位置に配列された、それぞれ関連する外側コイル軸の周りに閉ループとして形成された少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルを有する、コイル配列が提供される。
本発明の1実施形態では、様々な選択/フォーカス場コイルを担持するいくつかの磁極片セグメント及び前記磁極片セグメントを接続する磁極片ヨークとを有する少なくとも1つの磁極片(pole shoe)が、視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、且つ/又は視野内の磁性粒子を検出する装置に設けられる。これは、内側コイル軸の周りに閉ループとして形成された少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル、及び前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルより前記内側コイル軸から遠い距離で、異なる角度位置に配列された、それぞれ関連する外側コイル軸の周りに閉ループとして形成された少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群を含む1組の選択/フォーカス場コイルのコイルを担持するように構成することができ、
前記磁極片は、
前記少なくとも1つの選択/フォーカス場コイルを担持する少なくとも1つの内側磁極片セグメント、
前記内側コイル軸からより遠い距離のところに配列された、前記少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルのうちの1つをそれぞれが担持する少なくとも2つの外側磁極片セグメント、及び
前記磁極片セグメントを接続する磁極片ヨークを有する。
1実施形態では、コンピュータ上で実行されたときに、そのコンピュータに本発明による方法のステップを実行するように本発明による装置を制御させるプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラムが提供される。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に定義される。請求する方法並びに請求するコイル配列及び磁極片が、請求する装置及び従属請求項の定義と同様の、且つ/又は全く同じ、好ましい実施形態を有することを理解されたい。
本発明は、既知のMPI装置では一般に別個のコイルとして設けられるフォーカス場コイルと選択場コイルを結合して、結合した1組の選択/フォーカス場コイルにするという概念に基づいている。したがって、従来のような各フォーカス場コイル及び各選択場コイルに別個の電流を供給するのではなく、単一の電流をこれらのコイルのそれぞれに供給する。したがって、この単一の電流は、フォーカス場生成用と選択場生成用の2つの重畳電流とみなすことができる。検査領域内の視野の所望の位置及び移動は、様々なコイルに供給する電流を制御することによって容易に変化させることができる。ただし、常に全ての選択/フォーカス場コイルに制御電流を供給しなければならないわけではなく、一部のコイルは、視野の特定の移動の場合にのみ必要とされる。
この提案するコイルの装置は、対象が配置された検査領域に対してどこにどのようにコイルを配置するかという点で、さらに大きな自由度を提供する。この配列を用いると、特に、患者にとっても、また外科医などの医者又は医師にとっても、処置中に手が届きやすいオープン・スキャナを構築することができる。
本発明によれば、傾斜磁場(すなわち選択磁場)は、視野が低い磁場強度を有する第1のサブ領域(例えばFFP)及び高い磁場強度を有する第2のサブ領域を含むような磁場強度の空間分布で生成される。ここで、低い磁場強度は、第1のサブ領域内に位置する磁性粒子の磁化が飽和しないようになされたものであり、高い磁場強度は、第2のサブ領域内に位置する磁性粒子の磁化が飽和するようになされたものである。磁性粒子の磁化特性曲線の非線形性により、磁化と、磁性粒子によって生成される磁場とは、より高い高調波を示し、これを例えば検出コイルによって検出することができる。評価信号(信号の高い高調波)は、磁性粒子の空間分布に関する情報を含み、これを例えば医療撮像、磁性粒子の空間分布の可視化及び又はその他の適用業務に使用することができる。
このように、本発明による装置及び方法は、例えば核磁気共鳴(NMR)など、その他の既知の従来の医療撮像技術とは異なる新しい物理的原理(すなわちMPIと呼ばれる原理)に基づいている。特に、この新しいMPI原理は、NMRとは対照的に、材料が陽子の磁気共鳴特性に及ぼす影響を利用せず、磁化特性曲線の非線形性を利用して磁性粒子の磁化を直接検出する。特に、MPI技術は、磁化が非飽和状態から飽和状態に変化する領域内で磁化特性曲線の非線形性によって生じる生成磁気信号のより高い高調波を利用する。
好ましい実施形態によれば、前記外側選択/フォーカス場コイルの前記閉ループは、リング・セグメント形状の輪郭を有する、換言すれば、前記外側選択/フォーカス場コイルのそれぞれの巻線は、閉ループとして巻き付けられ、これが、前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルの周りの角度のついた領域に沿って配列される。この角度のついた領域は、前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルを包囲するリングのリング・セグメントをカバーする。
好ましくは、前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、少なくとも4つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する。一般に、内側コイル軸から同じ距離のところであるが前記内側コイル軸の周りの異なる角度位置に配列されることが好ましい更に多くの選択/フォーカス場コイルを設けることもできる。
例えば、1実施形態では、前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、前記内側コイル軸から同じ距離のところに配列されるが、互いに90°角度が変位している、4つの外側選択/フォーカス場コイルの群を含む。更に別の実施形態では、更に多くの外側選択/フォーカス場コイルのグループが設けられ、様々なグループのコイルが、内側コイル軸から異なる距離のところに配列される。
別の実施形態では、前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、第1の内側選択/フォーカス場コイルと、前記内側コイル軸の周りに閉ループとして形成された、前記第1の内側選択/フォーカス場コイルより大きな直径を有する第2の内側選択/フォーカス場コイルとを含む。異なる距離のところで内側コイル軸の周りの閉ループとして形成された、更に多くの内側選択/フォーカス場コイルを設けることもできる。これらの内側選択/フォーカス場コイルは、一般に、選択/フォーカス磁場の生成により有効であるので、一般に、装置の動作中には常に制御電流が供給される。
好ましくは、前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル及び/又は前記外側選択/フォーカス場コイルは、少なくとも2つ、特に少なくとも4つのコイルセグメントに分割され、コイルのコイルセグメントは、それと関連するコイル軸の方向に互いに隣接して配列され、隣接するコイルセグメントどうしは、電気的に接続される。このようにして、所望の電流密度を、特定の領域、特に検査領域に近い領域において、より高くなるように制御することができる。すなわち、前記コイルセグメントは、関連するコイル軸の方向に、得られる電流密度が、検査領域からの距離が減少するほど増大するように配列されることが好ましい。これにより、磁場生成の効率がさらに高くなる。
所望の電流密度を制御するために、コイルセグメントに関して異なる手段をとることもできる。特に、検査領域のより近くに配列されたコイルの1つ又は複数のコイルセグメントは、検査領域からより遠くに配列された同じコイルの1つ又は複数のコイルセグメントと比較して、異なる材料で構成され、より太い巻線を有し、よりコンパクトであり、且つ/又は関連するコイル軸の方向に大きな厚さを有する。
好ましい実施形態では、前記選択/フォーカス手段は、様々な選択/フォーカス場コイルを担持するいくつかの磁極片セグメントと、これらの磁極片セグメントを接続する磁極片ヨークとを有する少なくとも1つの磁極片をさらに含む。このような磁極片は、様々なコイルの機械的な担体として働くだけでなく、磁束を伝導することによる磁場の効率を高める働きもする。
好ましくは、前記少なくとも1つの磁極片は、前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルを担持する少なくとも1つの内側磁極片セグメントと、前記内側コイル軸からより遠い距離のところに配列された、前記少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルのうちの一方をそれぞれ担持する少なくとも2つの外側磁極片セグメントとを含む。したがって、磁場生成の効率を最適にサポートするために、磁極片の設計は、選択/フォーカス場コイルの設計に適合される。
好ましくは、前記少なくとも1つの磁極片は、それぞれが外側選択/フォーカス場コイルを担持する少なくとも4つの外側磁極片セグメントを含む。したがって、各外側選択/フォーカス場コイルごとに、関連する選択/フォーカス場コイルの磁場を案内する外側磁極片セグメントが設けられる。したがって、外側選択/フォーカス場コイルの対応する設計の1実施形態では、前記少なくとも1つの磁極片は、それぞれが外側選択/フォーカス場コイルを担持する4つの外側磁極片セグメントを含み、前記外側磁極片セグメントは、前記内側コイル軸から同じ距離のところに配列されるが、互いに90°角度が変位している。さらに、各外側磁極片セグメントは、リング・セグメント形状の断面を有することが好ましい。
前記選択/フォーカス場コイルが第2の内側選択/フォーカス場コイルを含む、更に別の実施形態では、前記少なくとも1つの磁極片は、前記第1の内側磁極片セグメントの周りの閉リングの形状をした第2の内側磁極片セグメントを含み、前記第2の内側磁極片セグメントは、前記第2の内側選択/フォーカス場コイルを担持する。
好ましい実施形態では、少なくとも前記少なくとも1つの内側磁極片セグメントと、検査領域に向いている外側磁極片セグメントのヘッド部分とは、高い飽和磁気誘導を有する軟磁性材料、特にFeCo、FeSi、Fe、FeNi、Dy、Gd又はFe491.9Co49などそれらの合金で構成される。好ましくは、磁極片全体を、磁束を最もよく案内する最良の軟磁性材料で構成する。ただし、コスト面の理由から、磁極の一部のみをこの材料で構成して、その部分で最良の飽和磁化が得られるようにする。検査領域の反対側に向いている外側磁極片セグメントのテール部分と、磁極片ヨークとは、内側磁極片セグメントの材料より低い飽和磁気誘導を有する軟磁性材料、特にFeSi、FeNi、パーマロイ、又はFe73.5CuNbSi15.5などのそれらの合金で構成される。
さらに、1実施形態では、磁極片は、磁気伝導性シートで構成され、磁極片セグメント及び磁極片ヨークの隣接するヘッド部分を構成するシートは、内側コイル軸と平行な方向に配列される。これらのシートは、渦電流を抑制するために使用され、磁束を伝導するように配列される。
好ましくは、磁極片ヨークのテール部分を構成するシートは、内側コイル軸に対して直交する方向に配列される。これにより、渦電流を抑制しながら磁束を案内することができる。
1実施形態では、前記選択/フォーカス手段は、前記磁極片を機械的に接続する磁極片軸受をさらに含み、前記磁極片軸受は、磁気伝導性材料で構成される。前記磁極片軸受は、それが接続されている磁極片の部分を構成するシートと同じ方向に互いに隣接するように配列された磁気伝導性シートでも構成されることが好ましい。磁極片軸受は、機械的安定性と良好な磁束の両方を提供するものとする。
有利な実施形態では、前記少なくとも1つの内側磁極片セグメント及び前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルは、前記外側磁極片セグメント及び前記外側選択/フォーカス場コイルより前記検査領域から遠い距離のところに配列される。これにより、特に2組の対向配列された選択/フォーカス場コイルのセット及び2つの対向配列された磁極片を含む装置の場合には、駆動場コイルが外側磁極片セグメントに隣接して配列されないことが好ましいので、駆動場コイルを配置するスペースが広くなるという利点が得られる。
前記検査領域に向いている前記第2の内側磁極片セグメントのヘッド部分の前記内側コイル軸に対して直交する断面は、前記検査領域と反対側に向いている前記第2の内側磁極片セグメントのテール部分のそれと平行な断面より小さな領域をカバーすることが好ましい。これにより、所与の電流強度で得られる傾斜磁場強度が増大する。
別の実施形態では、第2の内側磁極片セグメントの前記ヘッド部分の外径は、内側コイル軸の方向に、検査領域からの距離が減少するほど減少する。これにより、検査領域に向いている表面上でより高い磁束密度が得られ、したがって、検査領域内でより高い磁場の勾配を得ることができる。
さらに、1実施形態では、前記検査領域に向いている前記外側磁極片セグメントのヘッド部分の前記内側コイル軸に対して直交する断面は、前記検査領域と反対側に向いている前記外側磁極片セグメントのテール部分のそれと平行な断面より大きな領域をカバーする。このようにすることで、検査領域に向いている表面上でより高い磁束密度を達成する助けとなる。
検査領域に向いている表面上でより高い磁束密度を達成する助けとなる別の措置は、外側磁極片セグメントの前記ヘッド部分の内径の内側コイル軸からの距離が、内側コイル軸の方向に、検査領域からの距離が減少するほど減少するようにすることである。
好ましくは、1組の選択/フォーカス場コイルのコイル配列は、かなり平坦であり、前記外側コイル軸は、互いに、また内側コイル軸と平行である。このコイルの配列は、省スペースであり、比較的製造が容易であり、得られる磁場の計算及び/又はシミュレーションをより容易にする。
1実施形態では、前記選択/フォーカス手段は、
(i1)第1のセットの選択/フォーカス場コイル、
(i2)少なくとも1組の第2のセットの選択/フォーカス場コイル、及び
(i3)前記選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記第1のセット及び前記セットの選択/フォーカス場コイルに供給される選択/フォーカス場電流を生成する選択/フォーカス場生成ユニットを含む。好ましくは、検査領域の前記第1のセットの選択/フォーカス場コイルとは反対側に配列された1つの第2のセットの選択/フォーカス場コイルを使用して、少なくとも片側からは検査領域に手が届く装置にする。これにより、例えば単に患者を輸送用ベッドから持ち上げて検査領域内に配置された寝台に移すだけなど、検査領域内で患者を容易に位置決めすることができる。これにより、従来のMRIスキャナのように検査領域が患者を入れるトンネル状の形態になるように多くのコイルを検査領域の周りに同軸に配列する必要もなくなる。したがって、従来のMRIスキャナより患者の不快感が軽減される。
他の実施形態では、検査領域の周りの異なる角度位置に配列された3組以上の選択/フォーカス場コイルのセットを設ける。例えば、3組のセットを設ける場合には、それらは、互いに120°変位させることが好ましい。
好ましくは、第1のセットの選択/フォーカス場コイルは、前記少なくとも1つの第2のセットの選択/フォーカス場コイルと同じである。さらに、2組のセットを設ける場合には、一方のセットの様々なコイルは、もう一方のセットのそれぞれ対応するコイルと正確に対向するように配列して、得られる磁場の計算をさらに簡単にすることが好ましい。
1実施形態では、前記選択/フォーカス場生成ユニットは、前記少なくとも1組のセットの選択/フォーカス場コイルの各選択/フォーカス場コイルごとに個別に選択/フォーカス場電流を生成するように構成される。これにより、所望の磁場を生成するための最高の柔軟性が得られるが、一方で、必要な生成ユニット/チャネルの数も最も多くなる。
生成ユニット/チャネルの数を減少させるために、好ましい実施形態では、前記選択/フォーカス場生成ユニットを、前記第1及び第2のセットの選択/フォーカス場コイルの各選択/フォーカス場コイル対ごとに個別に選択/フォーカス場電流を生成するように構成することを提案する。ここで、1つの対は、2つのセットの対向配列された選択/フォーカス場コイルからなる対である。
生成ユニット/チャネルの数を減少させるための別の提案では、前記選択/フォーカス場生成ユニットを、前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルのセットの各外側選択/フォーカス場コイル対ごとに個別に選択/フォーカス場電流を生成するように構成する。ここで、1つの対は、選択/フォーカス場コイルの同じ組の2つの対向配列された外側選択/フォーカス場コイルからなる対である。
好ましくは、上記で簡単に述べたように、この装置は、前記検査領域の異なる側に配列された少なくとも2つの磁極片を含み、各磁極片は、様々な選択/フォーカス場コイルを担持するいくつかの磁極片セグメントと、前記磁極片セグメントを接続する磁極片ヨークとを有する。
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルを駆動場コイルが生成する磁場から遮蔽するために、前記検査領域に向いている前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルの内側表面を、遮蔽材で被覆する。この遮蔽材は、特に、駆動場が軟磁性材料と相互作用した場合に起こる測定信号の外乱を防止する。
上述のように、前記駆動場コイルは、前記2組の選択/フォーカス場コイルの前記第1の内側選択/フォーカス場コイルの間の領域内に配列される。駆動場コイルは、前記2組の選択/フォーカス場コイルの間に(固定状態又は可動状態で)配列されるように設計することもできる。他の実施形態では、駆動場コイルは、ある程度可撓性があり、患者を検査領域内に配置する前に、患者の体の所望の部分に配置することができる。
好ましくは、前記駆動場コイルは、内側コイル軸に対して直交する方向では、2つの対向する外側選択/フォーカス場コイルの間の前記方向での距離より小さい。さらに、前記駆動場コイルは、前記内側コイル軸に対して直交する中心対称軸の周りに配列された2対のサドルコイルと、前記中心対称軸の周りに配列されたソレノイドコイルとを含むことが好ましい。
別の好ましい実施形態では、前記駆動場信号生成ユニットは、前記駆動場コイルの1つ又は複数に個別の駆動場電流を生成して供給するように適応される。さらに、1実施形態では、前記駆動場信号生成ユニットは、前記検査領域内の第1のサブゾーン又は視野の感度及び/又は位置に応じて駆動場電流を生成するように適応される。このようにすることによって、人間サイズの装置では特に重要な、SAR(特異吸収率)及びPNS(末梢神経刺激)の低減を可能にし、また駆動場コイルにおける平均散逸電力を低減して、コスト削減につなげることができる。
検査領域内の磁性粒子の分布を決定するために必要な検出信号を受信し、それにより例えば患者の心臓領域などの検査領域の画像を生成するために、この装置は、少なくとも1つの信号受信ユニットと検出信号を得るための少なくとも1つの受信コイルとを含む受信手段をさらに含む。この検出信号は、視野内の磁化によって決まり、この磁化は、第1及び第2のサブゾーンの空間内位置の変化の影響を受ける。
好ましい実施形態では、前記1つ又は複数の内側磁極片セグメント及び/或いは前記1つ又は複数の外側磁極片セグメントは、異なる断面、特に異なる形状(例えば円筒形、楕円形、長方形など)、異なる直径及び/又は異なる対称軸を有する2つ以上の部分を含む。
好ましい実施形態では、内側磁極片セグメント(全ての内側磁極片セグメントであることが好ましい)は、内側シリンダと、内側シリンダの周りに配列された外側リングとを含む。好ましくは、第1のコイルが、内側シリンダと外側リングの間に配列され、第2のコイルが、外側リングの周りに配列される。
さらに、1実施形態では、外側リングは2つ以上の部分を含み、対向する磁極片と反対側を向いている下側部分の外径は、対向する磁極片に向いている上側部分より大きい。
好ましい実施形態では、外側磁極片セグメント(全ての外側磁極片セグメントであることが好ましい)は、対向する磁極片に向いている上側部分とは異なる断面を有する、対向する磁極片とは反対側に向いている下側部分を含む。好ましくは、下側部分は円形の断面を有し、上側部分は楕円形の断面を有する。さらに、1実施形態では、下側部分は、上側部分より内側磁極片セグメントから離れた距離のところに配列される。
好ましくは、単一のコイル又は直列に結合された2つ以上のコイルが、外側磁極片セグメントの上側部分及び下側部分の両方の周りに配列される。別の実施形態では、下側の磁極片セグメントの周りにのみ、コイルが配列される。
好ましい実施形態では、磁極片は、アレイ状(例えば三角形又は正方形)に配列されることが好ましい、1群の内側磁極片セグメント、特に3つ又は4つの内側磁極片セグメントを含む。
本発明の上記その他の態様について、以下、1つ又は複数の実施形態を参照して説明する。本発明の上記その他の態様は、それらの実施形態から明らかになるであろう。
MPI装置の第1の実施形態を示す図である。 図1に示す装置が生成する選択場パターンの一例を示す図である。 MPI装置の第2の実施形態を示す図である。 本発明によるMPI装置の概略的な外側のレイアウトの2つの実施形態を示す図である。 本発明によるMPI装置を示すブロック図である。 本発明による選択/フォーカス場コイル配列の1実施形態を示す2つの直交する断面図である。 本発明による磁極片配列の1実施形態を示す2つの直交する断面図である。 図7に示す本発明による磁極片配列の実施形態を示す斜視図である。 本発明による選択/フォーカス場コイル配列の1実施形態を示す2つの直交する断面図である。 図9に示す選択/フォーカス場コイル配列の1組の選択/フォーカス場コイルの1実施形態の断面図の1つを拡大した図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による選択/フォーカス場コイル配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による選択/フォーカス場コイル配列の更に別の実施形態を示す斜視図である。 本発明によるMPI装置の電力の関数として傾斜磁場強度を示す図である。 駆動場コイルの1実施形態を示す図である。 ソレノイドコイル内の磁場を示す図である。 2つの直交軸に沿った磁場強度を示す図である。 別の実施形態を説明するための2つの共平面駆動場コイルを示す図である。 異なるコイル電流が供給されたときに図18に示す共平面コイルが生成する磁場を示す図である。 図18に示す共平面コイルのコイル感度を示す図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 図21に示す磁極片配列を用いた本発明による選択/フォーカス場コイル配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 図25に示す磁極片配列を用いた本発明による選択/フォーカス場コイル配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。 本発明による磁極片配列の別の実施形態を示す斜視図である。
本発明の詳細を説明する前に、図1から図3を参照して、磁性粒子撮像の基本について詳細に説明する。特に、医療診断用のMPIスキャナの2つの実施形態について述べる。データ取得についても、簡単に述べる。2つの実施形態の類似点と相違点を示す。
図1に示すMPIスキャナの第1の実施形態10は、3対の同軸平行円形コイル対12、14及び16を有する。これらのコイル対は、図1に示すように配列される。これらのコイル対12、14及び16は、選択場並びに駆動場及びフォーカス場を生成する働きをする。3対のコイル対12、14及び16の軸18、20及び22は、互いに直交し、MPIスキャナ10の等角点24と呼ばれる1つの点で交わる。さらに、これらの軸18、20及び22は、等角点24に取り付けられた3Dデカルトx−y−z座標系の軸として働く。垂直軸20はy軸に指定されるので、x軸及びz軸は水平である。コイル対12、14及び16は、これらの軸にちなんで名付けられる。例えば、yコイル対14は、スキャナの最上部及び最下部のコイルで形成される。さらに、正(負)のy座標を有するコイルは、yコイル(yコイル)と呼ばれ、残りのコイルも同様に名付けられる。さらに好都合な場合には、これらの座標軸及びコイルに、x、y及びzではなくx、x及びxという符号を付ける。
スキャナ10は、所定の時間依存電流をこれらのコイル12、14及び16のそれぞれにいずれかの方向に流すように設定することができる。コイルの軸に沿って見て時計回りに電流がコイルを流れる場合には、この電流は正であるとされ、そうでない場合には、電流は負であるとされる。静的な選択場を生成するためには、一定の正電流Iをzコイルに流し、電流−Iをzコイルに流す。zコイル対16は、この場合、逆平行円形コイル対として作用する。
ここで、本実施形態におけるこれらの軸の配列及び軸の命名法は、単なる例に過ぎず、実施形態によっては異なっていてもよいことに留意されたい。例えば、実際の実施形態では、垂直軸は、本実施形態のy軸ではなくz軸であると考えられることが多い。ただし、このことは、一般に、デバイスの機能及び動作並びに本発明の効果を変化させるものではない。
概して傾斜磁場である選択磁場を、図2では、磁力線50で表している。選択磁場は、選択場を生成するzコイル対16の(例えば水平な)z軸22の方向には実質的に一定の勾配を有し、この軸22上の等角点24で値ゼロに達する。このゼロ磁場点(図2では個々には示していない)から離れるほど、選択磁場50の磁場強度は、3つの空間方向の全てにおいて増大する。等角点24の周りの破線で示す第1のサブゾーン又はサブ領域52では、磁場強度が小さいので、この第1のサブゾーン52内に存在する粒子の磁化は飽和していないが、第2のサブゾーン54(領域52の外側)に存在する粒子の磁化は飽和状態になっている。第2のサブゾーン54では(すなわちスキャナの視野28の第1のサブゾーン52の外側の残りの部分では)、選択場の磁場強度は、磁性粒子を飽和状態に保つのに十分に強い。
視野28内の2つのサブゾーン52及び54(ゼロ磁場点を含む)の位置を変化させることによって、視野28内の(全)磁化が変化する。視野28内の磁化又はこの磁化の影響を受ける物理的パラメータを決定することによって、視野28内の磁性粒子の空間的分布についての情報を得ることができる。視野28内の2つのサブゾーン52及び54(ゼロ磁場点を含む)の相対空間位置を変化させるために、更に別の磁場、すなわち駆動磁場、及び適用可能な場合にはフォーカス磁場を、選択場50に重畳する。
駆動場を生成するためには、時間依存電流I を両xコイル12に流し、時間依存電流I を両yコイル14に流し、時間依存電流I を両zコイル16に流す。このようにして、3つのコイル対はそれぞれ、平行円形コイル対として作用する。同様に、フォーカス場を生成するためには、時間依存電流I を両xコイル12に流し、電流I を両yコイル14に流し、電流I を両zコイル16に流す。
なお、zコイル対16は特殊であることに留意されたい。zコイル対16は、駆動場及びフォーカス場の自分の担当分を生成するだけでなく、選択場も生成する(もちろん、他の実施形態では、別のコイルを設けてもよい)。z±コイルを流れる電流は、I +I ±Iである。残りの2つのコイル対12及び14を流れる電流は、I +I (k=1、2)である。これらの3つのコイル対12、14及び16は、その幾何学的形状及び対称性により、十分に減結合されている。これが望ましい。
選択場は、逆平行円形コイル対によって生成されるので、z軸の周りで回転対称であり、等角点24の周りのかなり大きな体積内で、そのz成分は、zにほぼ線形であり、x及びyから独立している。特に、選択場は、等角点において単一のゼロ磁場点(FFP)を有する。これに対して、平行円形コイル対によって生成される駆動場及びフォーカス場への寄与は、等角点24の周りのかなり大きな体積内で空間的にほぼ均一で、それぞれのコイル対の軸に対して平行である。3つ全ての平行円形コイル対が協働して生成する駆動場及びフォーカス場は、空間的にほぼ均一であり、任意の方向を与えることができ、何らかの最大強度までの任意の強度を与えることができる。また、駆動場及びフォーカス場は、時間依存性である。フォーカス場と駆動場の相違点は、フォーカス場が時間的にゆっくり変化し、大きな振幅を有することがあるのに対して、駆動場は、急速に変化し、小さな振幅を有する点である。これらの場を異なる扱いにすることには、物理的な理由と生物医学的な理由がある。大きな振幅を有する急速に変化する場は、生成するのが困難であり、患者にとって危険である可能性がある。
実際の実施形態では、FFPは、磁場がゼロになると仮定する数学的な点とみなすことができる。磁場強度は、FFPからの距離が大きくなるほど増大し、その増大速度は、(例えばデバイスの個々のレイアウトに応じて)方向によって異なる可能性がある。磁場強度が、磁性粒子を飽和状態にするのに必要な磁場強度未満である限りは、粒子は、デバイスが測定する信号の生成に活発に寄与するが、そうでない場合には、粒子は飽和し、いかなる信号も生成しない。
MPIスキャナの実施形態10は、やはりx軸、y軸及びz軸に沿って配向された更に別の平行円形コイル対を、少なくとも1対、好ましくは3対有する。図1には示していないこれらのコイル対は、受信コイルとして働く。駆動磁場及びフォーカス磁場のためのコイル対12、14及び16と同様に、これらの受信コイル対のうちの1つを流れる定電流によって生成される磁場は、視野内で空間的にほぼ均一であり、それぞれのコイル対の軸に対して平行である。受信コイルは、十分に減結合されているものとみなされる。受信コイルに誘導される時間依存電圧は、このコイルに取り付けられた受信器によって増幅され、サンプリングされる。厳密には、この信号の非常に大きなダイナミック・レンジに対処するために、受信器は、受信信号と参照信号の間の差をサンプリングする。受信器の伝達関数は、0ヘルツ(「DC」)から最大で予想信号レベルが雑音レベルを下回る周波数まで、非ゼロである。或いは、MPIスキャナは、専用の受信コイルを有していないこともある。その代わりに、駆動場伝達コイルを、受信コイルとして使用する。
図1に示すMPIスキャナの実施形態10は、z軸22に沿った、すなわち選択場の軸に沿った、円筒形の内腔26を有する。全てのコイルは、この内腔26の外側に配置される。データ取得のためには、撮像対象の患者(又は物体)を、その患者の関心体積、すなわち患者(又は物体)の撮像すべき体積が、スキャナの視野28、すなわちその中に入っているものをスキャナが撮像することができるスキャナの容積によって包囲されるように、内腔26内に配置する。患者(又は物体)は、例えば、寝台上に配置される。視野28は、内腔26の内部の、立方形、球形、円筒形又は任意の形状などの形状の幾何学的に単純な等角容積である。図1には、立方体の視野28が示してある。
第1のサブゾーン52のサイズは、選択磁場の勾配の強度及び飽和に必要な磁場の磁場強度によって決まり、この飽和に必要な磁場の磁場強度は、磁性粒子によって決まる。磁場強度が80A/mであり、且つ選択磁場の磁場強度の勾配(所与の空間方向)が50×10A/mに達するときに通常の磁性粒子を十分に飽和させるためには、粒子の磁化が飽和しない第1のサブゾーン52は、約1mm(所与の空間方向)の寸法を有する。
患者の関心体積は、磁性ナノ粒子を含むものと仮定する。例えば腫瘍などの診断撮像を行う前に、例えば患者(物体)の体に注射される、又はその他の方法で例えば経口で患者に投与される磁性粒子を含む液体を用いて、磁性粒子を関心体積に移動させる。
一般に、磁性粒子を視野内に移動させる方法には、様々な方法がある。特に、患者の体に磁性粒子を導入する場合には、磁性粒子は、外科的な方法を使用しても非外科的な方法を使用しても投与することができ、専門家(医師など)を必要とする方法と、例えば専門家でない者でも、通常の技量を有する者でも、又は患者自身でも実行することができる方法など、専門家を必要としない方法の両方がある。外科的な方法の中には、例えば、造影剤の血管への注射(このような注射が仮にも外科的な方法とみなされる場合)などの侵襲的ステップを伴う、リスクがない、且つ/又は安全である可能性がある日常的処置、すなわちそれほどの専門的な医療専門技術を必要とせず、且つ深刻な健康リスクを伴わない処置も含まれる。さらに、嚥下や吸入のような非外科的な方法を適用することもできる。
一般に、磁性粒子は、実際のデータ取得ステップを実行する前に、予め投入又は投与しておく。ただし、いくつかの実施形態では、更に別の磁性粒子を視野内に投入/投与する可能性もある。
磁性粒子の実施形態は、例えばガラスなどの球形基板を含む。この球形基板は、例えば5nmの厚さを有し、例えば鉄ニッケル合金(例えばパーマロイ)などからなる軟磁性層を備える。この層は、例えば、酸などの化学的及び/又は物理的にアグレッシブな環境から粒子を保護するコーティング層で、被覆することができる。これらの粒子の磁化の飽和に必要な選択磁場50の磁場強度は、例えば粒子の直径、磁性層に使用する磁性材料、及びその他のパラメータなど、様々なパラメータによって決まる。
例えばこれらの磁性粒子の直径が10μmである場合には、約800A/m(おおよそ1mTの磁束密度に対応する)の磁場が必要になるが、直径が100μmである場合には、80A/mの磁場で十分である。さらに低い飽和磁化を有する材料のコーティングを選択したとき、又は層の厚さが薄くなったときには、さらに小さな値が得られる。
実際には、Resovist(登録商標)という商品名で市販されている磁性粒子(又はそれに類する磁性粒子)が使用されることが多い。これらの磁性粒子は、磁性材料のコアを有するか、又は大きな球体として形成され、例えば40nm又は60nmなど、ナノメートル範囲の直径を有する。
一般に使用可能な磁性粒子及び粒子組成の更なる詳細については、参照により本明細書に組み込む、EP1304542、WO2004/091386、WO2004/091390、WO2004/091394、WO2004/091395、WO2004/091396、WO2004/091397、WO2004/091398及びWO2004/091408の対応する部分を、本明細書と共に参照されたい。これらの文章には、一般的なMPI方法の更なる詳細も記されている。
データ取得中に、xコイル対12、yコイル対14及びzコイル対16は、印加磁場となる、位置依存性且つ時間依存性の磁場を生成する。これは、磁場生成コイルに適当な電流を流すことによって実施することができる。実際には、駆動磁場及びフォーカス磁場は、走査体積すなわち視野の上位集合をたどる予め選択したFFP軌道に沿ってFFPが移動するように、選択磁場を押す。印加磁場は、患者の内部で磁性ナノ粒子を配向する。印加磁場が変化するにつれて、その結果得られる磁化も変化するが、磁化は、印加磁場に対して非線形に応答する。変化する印加磁場と変化する磁化の合計が、x軸に沿った受信コイル対の端子間の時間依存性電圧Vを誘導する。関連する受信器が、この電圧を信号Sに変換し、さらにこの信号を処理する。
図1に示す第1の実施形態10と同様に、図3に示すMPIスキャナの第2の実施形態30も、3対の円形の互いに直交するコイル対32、34及び36を有するが、これらのコイル対32、34及び36は、選択磁場及びフォーカス磁場のみを生成する。やはり選択場を生成するzコイル36は、強磁性材料37で充填されている。この実施形態30のz軸42は、垂直に配向され、x軸38及びy軸40は、水平に配向される。スキャナの内腔46は、x軸38と平行であり、したがって、選択場の軸42に対して直交する。駆動場は、x軸38に沿ったソレノイド(図示せず)並びに残りの2つの軸40及び42に沿った複数対のサドルコイル(図示せず)によって生成される。これらのコイルは、内腔を形成する管の周りに巻き付けられる。駆動場コイルは、受信コイルとしても働く。
この実施形態の代表的なパラメータをいくつか与える。選択場のz勾配Gは、G/μ=2.5T/mの強度を有する。
ここで、μは真空透磁率である。駆動場の時間周波数スペクトルは、25kHzを中心とする狭い帯域(約150kHzまで)内に集中している。受信信号の有用な周波数スペクトルは、50kHzから1MHzの間(最終的には最大約15MHzになる)である。内腔の直径は120mmである。内腔46に嵌合する最大の管28は、120mm/√2≒84mmの縁部長を有する。
磁場生成コイルの構成は、一般に当技術分野では、例えば磁気共鳴撮像の分野などから既知であるので、これについて本明細書でさらに詳述する必要はない。
選択場の生成の代替実施形態では、永久磁石(図示せず)を使用することができる。このような(対向する)永久磁石(図示せず)の2つの磁極の間の空間には、図2に示す磁場、すなわち対向する磁極が同じ極性を有する場合の磁場と同様の磁場が形成される。別の代替実施形態では、選択場は、少なくとも1つの永久磁石と少なくとも1つのコイルの組合せによって生成することができる。
図4は、本発明によるMPI装置200及び300の概略的な外側レイアウトの2つの実施形態を示す図を示す。図4Aは、基本的に同じであり、それらの間に形成される検査領域230の反対側に配列される、2つの選択/フォーカス場コイルユニット210及び220を含む、提案するMPI装置200の実施形態を示す図である。さらに、駆動場コイルユニット240が、患者の関心領域(図示せず)の周りに配置された、選択/フォーカス場コイルユニット210と220の間に配列される。選択/フォーカス場コイルユニット210及び220は、上述の選択磁場及びフォーカス磁場を表す結合磁場を生成するいくつかの選択/フォーカス場コイルを含む。特に、各選択/フォーカス場コイルユニット210及び220は、好ましくは同じ1組の選択/フォーカス場コイルのセットを含む。以下、上記の選択/フォーカス場コイルの詳細について説明する。
駆動場コイルユニット240は、駆動磁場を生成するいくつかの駆動場コイルを含む。これらの駆動場コイルは、複数対の駆動場コイル、特に、空間中の3つの方向のそれぞれに磁場を生成する1対の駆動場コイルを含むことができる。1実施形態では、駆動場コイルユニット240は、空間中の2つの異なる方向のための2対のサドルコイルと、患者の長手方向軸に磁場を生成する1つのソレノイドコイルとを含む。
選択/フォーカス場コイルユニット210及び220は、一般に、保持ユニット(図示せず)又は部屋の壁面に取り付けられる。選択/フォーカス場コイルユニット210及び220がそれぞれのコイルを担持する磁極片を含む場合には、保持ユニットは、選択/フォーカス場コイルユニット210及び220を機械的に保持するだけでなく、2つの選択/フォーカス場コイルユニット210と220の磁極片を接続する磁束の経路も提供することが好ましい。
図4Aに示すように、2つの選択/フォーカス場コイルユニット210及び220は、それぞれ、駆動場コイルユニット240の駆動場コイルが生成する磁場から選択/フォーカス場コイルユニットを遮蔽する遮蔽層211、221を含む。
図4Bに示すMPI装置201の実施形態では、駆動場コイルユニット240と同様に、選択/フォーカス場コイルユニット220が1つだけ設けられている。一般に、所要の選択/フォーカス結合磁場を生成するには、単一の選択/フォーカス場コイルユニットで十分である。したがって、この単一の選択/フォーカス場コイルユニット220は、検査の際に患者を寝かす寝台(図示せず)に一体化することができる。駆動場コイルユニット240の駆動場コイルは、例えば可撓性コイル要素として、予め患者の体の周りに配列しておくことができることが好ましい。別の実施態様では、例えば図4Bに軸方向の分離線243及び244で示すように2つのサブユニット241及び242に分離可能にするなど、駆動場コイルユニット240を開くことができるようにして、患者をその間に寝かせた後に、駆動場コイルサブユニット241及び242を閉じ合わせることができるようにすることができる。
MPI装置の更に別の実施形態では、好ましくは検査領域230の周りに一様な分布で配列される、さらに多くの選択/フォーカス場コイルユニットを設けることもできる。ただし、使用する選択/フォーカス場コイルユニットの数が増えるほど、医療補助者又は医者にとって検査領域の中に患者を配置しにくくなり、検査中に患者に手が届きにくくなる。
図5は、本発明によるMPI装置100を示す概略的なブロック図を示す。上記で説明した磁性粒子撮像の一般的原理は、特に記載がない限り、本実施形態でも有効であり、適用可能である。
図5に示す装置100の実施形態は、所望の磁場を生成するための様々なコイルを含む。最初に、コイルと、MPIにおけるそれらの機能とについて説明する。
選択/フォーカス結合磁場を生成するために、選択/フォーカス手段110が設けられる。選択/フォーカス磁場は、磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を有する第1のサブゾーン(図2の52)と、磁性粒子の磁化が飽和するそれより高い磁場強度を有する第2のサブゾーン(図2の54)とが、検査領域230の小部分である視野28内に形成されるように、磁場強度の空間内パターンを有する。これは、従来は選択磁場を用いて実現していたものである。さらに、選択/フォーカス磁場を使用することにより、検査領域230内の視野28の空間内位置を変化させることができる。これは、従来はフォーカス磁場を用いて行っていたものである。
選択/フォーカス手段110は、少なくとも1組の選択/フォーカス場コイル114と、選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記の少なくとも1組の選択/フォーカス場コイル114(図4A及び図4Bに示す選択/フォーカス場コイルユニット210及び220のうちの一方を表す)に供給される選択/フォーカス場電流を生成するための選択/フォーカス場生成ユニット112とを含む。上記の少なくとも1組の選択/フォーカス場コイル114の各コイル要素ごと(又は各コイル要素対ごと)に別個の生成サブユニットを設けることが好ましい。この選択/フォーカス場生成ユニット112は、制御可能な電流源(一般に増幅器を含む)と、各コイル要素に界磁電流を供給して、各コイルの選択/フォーカス磁場への寄与分の勾配強度及び磁場強度を個別に設定するフィルタ・ユニットとを含む。なお、フィルタ・ユニット114は、省略してもよいことに留意されたい。
駆動磁場を生成するために、装置100は、駆動磁場信号生成ユニット122と、磁性物質の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて視野内の2つのサブゾーンの空間内位置及び/又はサイズを変化させる1組の駆動磁場コイル124のセット(図4A及び図4Bに示す駆動コイルユニット240を表す)とを含む、駆動手段120をさらに含む。上述のように、前記駆動磁場コイル124は、2対の対向配列されたサドルコイル125及び126と、1つのソレノイドコイル127とを含むことが好ましい。例えば3対のコイル要素など、その他の実施態様も可能である。
駆動磁場信号生成ユニット122は、上記の駆動磁場コイル124のセットの各コイル要素(又は少なくともコイル要素の各対)ごとに別々の駆動磁場信号生成サブユニットを含むことが好ましい。上記の駆動磁場信号生成ユニット122は、駆動磁場電流源(電流増幅器を含むことが好ましい)と、各駆動磁場コイルに時間依存駆動磁場電流を供給するフィルタ・ユニット(本発明では省略してもよい)とを含むことが好ましい。
選択/フォーカス場信号生成ユニット112及び駆動磁場信号生成ユニット122は、制御ユニット150によって制御されることが好ましく、制御ユニット150は、選択場の全ての空間点の磁場強度の合計及び勾配強度の合計が既定のレベルに設定されるように、選択/フォーカス場信号生成ユニット112を制御することが好ましい。この目的のために、制御ユニット150に、MPI装置の所望の適用業務に応じてユーザが制御命令を与えることもできるが、これは、本発明では省略されることが好ましい。
検査領域(又は検査領域内の関心領域)内の磁性粒子の空間分布を求めるためにMPI装置100を使用するために、特にこの関心領域の画像を取得するために、信号検出受信手段148、とりわけ受信コイルと、前記受信手段148が検出した信号を受信する信号受信ユニット140とが設けられる。実際には、3つの受信コイル148及び3つの受信ユニット140(受信コイル1つに対して1つ)が設けられることが好ましいが、4つ以上の受信コイル及び受信ユニットを使用することもできる。その場合には、取得された検出信号は、3次元ではなく、受信コイルの数をKで表すものとして、K次元となる。
上記の信号受信ユニット140は、受信した検出信号をフィルタリングするフィルタ・ユニット142を含む。このフィルタリングの目的は、2つの部分領域(52、54)の位置の変化の影響を受けた検査領域内の磁化によって生じた測定値を、その他の干渉信号から分離することである。この目的のために、フィルタ・ユニット142は、例えば、受信コイル148が動作する時間周波数より低い、又はこれらの時間周波数の2倍より低い時間周波数を有する信号がフィルタ・ユニット142を通過しないように設計することができる。その後、信号は、増幅ユニット144を介してアナログ/デジタル変換器146(ADC)に伝送される。
アナログ/デジタル変換器146によって生成されたデジタル信号は、画像処理ユニット(再構築手段とも呼ばれる)152に送られる。画像処理ユニット152は、これらの信号と、画像処理ユニット152が制御ユニット150から取得する、個々の信号の受信中に推定された検査領域中の第1の磁場の第1の部分領域52の個々の位置とから、磁性粒子の空間分布を再構築する。再構築された磁性粒子の空間分布は、最終的に、制御手段150を介してコンピュータ154に伝送され、コンピュータ154が、これをモニタ156上に表示する。このように、検査領域の視野内の磁性粒子の分布を示す画像を表示することができる。
例えば(例えば温熱療法のために)磁性粒子に影響を及ぼしたり、(例えばカテーテルに付着させてカテーテルを移動させるため、又は薬剤に付着させて薬剤を特定の位置まで移動させるために)磁性粒子を移動させたりするなど、MPI装置100の他の適用業務では、受信手段を省略することもできるし、或いは単に使用しなくてもよい。
さらに、必要に応じて、例えばキーボードなどの入力ユニット158を設けることもできる。したがって、ユーザは、最高解像度の所望の方向を設定することができ、アクション領域の各画像をモニタ156上で受信する。最高解像度が必要な臨界方向が、ユーザが最初に設定した方向から逸れている場合には、ユーザは、撮像解像度を高めた別の画像を生成するために、方向をさらに手作業で変更することができる。この解像度向上プロセスは、制御ユニット150及びコンピュータ154によって自動的に行うこともできる。制御ユニット150は、本実施形態では、自動的に推定される、又はユーザに開始値として設定される第1の方向に、傾斜磁場を設定する。次いで、傾斜磁場の方向を、コンピュータ154によって比較される受信画像の解像度が最大になる、又はそれ以上向上できなくなるまで、段階的に変化させる。したがって、最も重要な方向は、可能な限り最高の解像度を受信するために、個々に自動的に適応されて、発見されることができる。と。
本発明によれば、上記の選択/フォーカス場コイル114は、内側コイル軸115aの周りの閉ループとして形成された少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル115、及び、上記の少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル115よりも上記の内側コイル軸115aから遠い距離で、且つ異なる角度位置に配列された、少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイル116及び117のグループとを含む。この少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイル116及び117はそれぞれ、直交断面図を示す図6A及び図6Bに示すようにそれぞれ関連する外側コイル軸116a及び117aの周りの閉ループとして形成されている。図6Bに破線で示すように、それぞれ関連する外側コイル軸118a及び119aの周りの閉ループとして形成される追加の2つの外側選択/フォーカス場コイル118及び119を設けることが好ましい。
本発明によれば、一般に、選択/フォーカス場手段は、図6に示すような様々なコイルのみを有してもよい。しかし、本発明によれば、選択/フォーカス場手段は、1つ又は複数の磁極片の形態をした磁性材料、特に軟磁性材料と、電磁コイルとの組合せであることが好ましい。この少なくとも1つの磁極片は、磁束を伝導し、それにより所要の磁場の生成を増強する働きをする。
本発明による磁極片配列の実施形態を、図7及び図8に示す。ここで、図7A及び図7Bは、磁極片配列300の2つの直交断面図であり、図8は、磁極片配列300の斜視図である。磁極片配列300の本実施形態では、2つの磁極片310及び320を機械的に担持して磁気的に結合する磁極片軸受330を介して接続された、2つの磁極片310及び320が設けられる。これらの図に示す磁極片310及び320は、本実施形態ではここに示す幾何学的性質を有するが、この磁極片軸受330の具体的な形状は、ここでは単なる一例として示したものに過ぎず、実際の適用業務に合わせた個々の形状は、所要の安定性などの構築パラメータによって決まる。
図7及び図8に示すように、磁極片310は、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の内側磁極片セグメント311及び312と、少なくとも2つ(本実施形態では4つ)の外側磁極片セグメント313〜316とを含み、磁極片320は、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の内側磁極片セグメント321及び322と、少なくとも2つ(本実施形態では4つ)の外側磁極片セグメント323〜326とを含む。さらに、各磁極片310及び320は、同一の磁極片の様々な磁極片セグメントどうしを接続する磁極片ヨーク317及び327をそれぞれ有する。
1つの共通の磁極片の全ての磁極片セグメントは、その共通の内側コイル軸115aの周りに同軸に配列され、第2の内側磁極片セグメント312及び322は、それぞれの内側磁極片セグメント311及び321の周りのリングとして配列される。外側磁極片セグメント313〜316及び323〜326はそれぞれ、内側コイル軸115aの周りの同じ距離の位置に配列されたリングセグメントの形態で設計されるが、図7Bに示すように異なる角度位置を有する。
以下に図示及び説明するように選択/フォーカス場コイルの様々なコイルがその上に配列されるこのような磁極片の配列は、選択/フォーカス場コイル(第1のサブゾーン52)の所望の移動を実現するのに有利である。本明細書で2つから4つのセグメント(一般には少なくとも2つのセグメントであるが、さらに多くのセグメントにすることも可能である)にセグメント化しているように外側磁極片セグメントをセグメント化することは、特に、x方向及びy方向に沿ってFFPを移動させるのに有利である。
実際の実施態様では、内側磁極片セグメント311と321の間の(z方向の)距離dは、少なくとも患者並びに駆動場コイルをその間に配置することができるだけの大きさがある。これは、距離dが少なくとも40cm、好ましくは少なくとも45cmとなることを意味している。外側磁極片セグメントbどうしの間の距離dは、一般にその間に駆動場コイルが配置されないので、これより若干小さくすることができる。したがって、距離dは、少なくとも25cm、好ましくは少なくとも40cmであるものとする。
磁極片は、一般に、軟磁性材料で構成される。好ましくは、2つの内側磁極片セグメント311及び312と321及び322、並びにヘッド部分313h〜314h及び323h〜324h(図7A参照。その他の外側磁極片セグメントのヘッド部分は、この図には明示していない)は、軟磁性材料、特にFeCo、Fe、Dy、Gd又はFe491.9Co49などそれらの合金(商品名Vacoflux48で知られる材料など)で構成され、高い飽和磁気誘導を有する。或いは、FeNiを使用することもできるが、この材料は、飽和磁気誘導が低い。好ましくは、検査領域の反対側に向いている外側磁極片セグメントのテール部分313t及び314tと323t及び324t(外側磁極片セグメント315又は316及び325又は326のテール部分は、明示していない)、並びに磁極片ヨークは、同じ材料で構成される。ただし、コスト面の理由から、それらを内側ヘッド磁極片セグメントの材料より飽和磁気誘導の低い軟磁性材料、特にFeSi、FeNi、パーマロイ、又はFe73.5CuNbSi15.5(一般にNanopermとして知られる)などのそれらの合金で構成する可能性もある。
図9は、様々な選択/フォーカス場コイルが図7及び図8に示す磁極片配列300に取り付けられている、本発明による選択/フォーカス場コイル配列400の1実施形態を示す2つの直交断面図である。
図10は、1つの選択/フォーカス場コイルサブユニット410の更なる詳細を説明するために使用する、その選択/フォーカス場コイルサブユニット410の拡大図である。第1の内側磁極片セグメント311は、前記第1の内側磁極片セグメント311の周りにリングとして形成された第1の内側選択/フォーカス場コイル115を担持する。第2の内側選択/フォーカス場コイル113は、前記第1の内側選択/フォーカス場コイル115の周りにリングとして形成された第2の内側磁極片セグメント312によって担持される、別のリング・コイルとして形成される。4つの外側選択/フォーカス場コイル116及び117(図9及び図10には2つの外側選択/フォーカス場コイルのみ示す。残り2つの外側選択/フォーカス場コイルは図9及び図19には図示していない)は、それぞれの外側磁極片セグメント313、314、315及び316によって担持される。各前記外側選択/フォーカス場コイル116、117は、それぞれの外側磁極片セグメントの周りに電流が流れるように、関連する外側磁極片セグメント313、314、315、316の周囲に巻き付けられる。各外側磁極片セグメント313、314、315、316は、内側コイル軸115aの周りの異なる角度位置に配列されたリング・セグメントの形態を有する。
このように、図9Aに示す選択/フォーカス場コイル配列400は、合計で12個の選択/フォーカス場コイルを含み、そのうちの6個のコイル(コイル113及び115〜119)は上側選択/フォーカス場コイルサブユニット410にあり、6個のコイル(コイル133、135、136、残り2つのコイルは図9Aでは見えない)は下側選択/フォーカス場コイルサブユニット420にある。ただし、この数は、例示的な数であるものと理解されたい。その他の数にすることも可能である。一般に、少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個の選択/フォーカス場コイルユニットが望ましい。
各選択/フォーカス場コイルに個別の電流を供給することによって各選択/フォーカス場コイルを個別に制御することができるように、各選択/フォーカス場コイルごとに1つの選択/フォーカス場生成サブユニットが設けられることが好ましい。しかし、選択/フォーカス場コイルどうしを結合し、それらに共通の電流を供給して、選択/フォーカス場生成サブユニットの数を減少させることができるようにすることもできる。例えば、1実施形態では、2つの外側選択/フォーカス場コイル116及び117は共通の電流を供給される。同様に、その他の2つの外側選択/フォーカス場コイルどうしも、結合される。これは、このような選択/フォーカス場コイル配列では、全部で8個の選択/フォーカス場生成サブユニットが必要であることを意味する。
別の実施形態では、2つの異なる選択/フォーカス場コイルサブユニット410及び420の2つの対向配列された選択/フォーカス場コイルを結合し、これらに共通の電流を供給する。例えば、右側の2つ(図9における数)の外側選択/フォーカス場コイルを結合し、これらに同じ電流を供給することができる。同じことは、その他の外側選択/フォーカス場コイルについても当てはまる。
本発明の1実施形態によれば、選択/フォーカス場コイルのうちの1つ又は複数を少なくとも2つ、特に少なくとも4つのコイルセグメントに分割し、1つのコイルのコイルセグメントは、関連するコイル軸の方向(すなわち全てのコイル軸が図示の実施形態のように平行である場合には内側コイル軸115aの方向)に互いに隣接して配列され、隣接するコイルセグメントどうしが電気的に接続されることが好ましい。図9及び図10に示すように、全ての選択/フォーカス場コイルが、図9A及び図10に複数のコイル・サンプル分割線で示すようにいくつかのコイルセグメントに分割されることが好ましい。
例えば、第1の内側選択/フォーカス場コイル115は、図10に文字A、B、C及びDで示すように4つのコイルセグメントに分割される。同様に、第2の内側選択/フォーカス場コイル113並びに様々な外側選択/フォーカス場コイル116及び117は、文字A、B及びCなどで示す複数のコイルセグメントに分割される。
このように選択/フォーカス場コイルをいくつかのセグメントに分割することにより、各選択/フォーカス場コイルに沿って様々な電流密度を実現することが可能になる。以下の表は、例示的な実施形態として、各コイルセグメントの最大電流密度をまとめたものである。電流密度のこれらの例示的な値は、選択/フォーカス場コイルの異なる位置は異なるコイルの大電流を必要とすることを考慮に入れたシミュレーション実行によって得られる。概して、電力の総量は100kWであった。第1の内側選択/フォーカス場コイルの最大電力は、49Wであり、第2の内側選択/フォーカス場コイルの電流に使用された電力は、38kW以下であった。各外側選択/フォーカス場コイルで散逸した電力は20kW以下であった。
Figure 0006246129
コイルセグメントは、関連するコイル軸の方向に、得られる電流密度が検査領域からの距離が減少するほど増大するように配列されることが好ましい。参照する様々な実施形態は、これを得るためのものである。好ましい実施形態は、検査領域により近い位置に配列されたコイルの1つ又は複数のコイルセグメントが、検査領域から離れた位置に配列された同じコイルの1つ又は複数のコイルセグメントと比較して、異なる材料で構成され、より太い巻線を有し、よりコンパクトで、且つ/又は関連するコイル軸の方向により大きな厚さを有することを含む。例えば、異なるコイルセグメントの電流密度の比を使用して、各コイル内でワイヤの断面をどのようにして変化させるべきかを決定する。ただし、実際には、ワイヤの製造業者は一般に限られた数の断面値しか提供しないので、理論値からの逸脱が必要となることは言うまでもない。
さらに、図9及び図10から、この好ましい実施形態では、検査領域に向いている第2の内側磁極片セグメント312のヘッド部分312hの内側コイル軸115aに対して直交する断面、すなわち図10に示す線Xに沿った断面がカバーする領域は、前記検査領域と反対側を向いている前記第2の内側磁極片セグメント312のテール部分312tのそれと平行な断面、すなわち図10の線Yに沿った断面より小さいことが分かる。
第2の内側磁極片セグメント312の前記ヘッド部分312hの外径は、内側コイル軸315aの方向に、検査領域230からの距離が減少するほど減少することが好ましい。換言すれば、ヘッド部分312hの外縁部は、内側コイル軸315aの方向に傾斜している。
さらに、前記検査領域に向いている外側磁極片セグメント313及び314のヘッド部分313h及び314hの内側コイル軸315aに対して直交する断面、すなわち線Xに沿った断面がカバーする領域は、検査領域と反対側を向いている前記外側磁極片セグメント313及び314のテール部分313t及び314tのそれと平行な断面、すなわち線Yに沿った断面より大きい(同じことが、図10には明示していないその他の外側磁極片セグメントについても当てはまる)。
さらに、内側コイル軸315aからの外側磁極片セグメント313及び314の前記ヘッド部分313h及び314hの内径の距離は、内側コイル軸115aの方向に、検査領域330からの距離が減少するにつれて減少する(同じことが、図示していないその他の外側磁極片セグメントについても当てはまる)。換言すれば、ヘッド部分313h及び314hの内縁部は、内側コイル軸115aの方向に傾斜している。
図示のように、第2の内側選択/フォーカス場コイル113並びに外側選択/フォーカス場コイル116及び117は、それぞれの磁極片セグメントの周りで移動して、対応する磁極片セグメントと同じ外形となる(同じことが、図示していないその他の外側選択/フォーカス場コイルについても当てはまる)が、ただし、これは必ずしも必要というわけではない。
これらの手段により、検査領域に向いている内側磁極片セグメント311及び312、並びに内側選択/フォーカス場コイル113及び115の表面上で最高の磁束密度が得られ、特に、磁場の高い勾配が得られる。なお、外側磁極片セグメントの外縁部を内側コイル軸115aの方向に傾斜させて、この効果をさらに高めることもできることに留意されたい。
従来はフォーカス磁場を用いて行っていた検査領域内での視野28の移動を行うために、一般に、全ての選択/フォーカス場コイルに電流を供給する必要はない。特に、視野28を上方向又は下方向に、すなわち内側コイル軸115aの内側方向に沿って移動させる場合には、主に2つの内側選択/フォーカス場コイル115及び113を使用する。例えば、上側選択/フォーカス場コイルサブユニット410から下側選択/フォーカス場コイルサブユニット420の方向への視野28の移動が望ましい場合には、下側選択/フォーカス場コイルサブユニット420の第1の内側選択/フォーカス場コイルに供給する電流及び上側選択/フォーカス場コイルサブユニット410の第2の内側選択/フォーカス場コイルに供給する電流を増加させる。或いは、又はこれに加えて、上側選択/フォーカス場コイルサブユニット410の第1の内側選択/フォーカス場コイルに供給する電流及び下側選択/フォーカス場コイルサブユニット420の第2の内側選択/フォーカス場コイルに供給する電流を減少させる。外側選択/フォーカス場コイルは、この移動には、必ずしも使用する必要はない。
内側コイル軸115aに対して直交する方向への視野28の移動が望ましい場合には、さらに、外側選択/フォーカス場コイルに電流を供給する。具体的には、前記外側選択/フォーカス場コイルによって、内側コイル軸115aに対して直交し、且つ所望の移動方向に沿っている方向に追加の磁場を生成する。例えば、図9Aにおいて左から右への移動が望ましい場合には、N極を左側に、S極を右側に有する(又はその逆の極性を有する)磁場をさらに生成する。これで、外側選択/フォーカス場コイルに供給される電流の振幅によって、この方向に視野28をどの程度移動させるかを制御することができる。
以上の説明は、一般に視野の移動を実現することができる方法についての簡単な一般的概念を述べたものに過ぎない。実際には、もちろん、電流を精密に制御する必要があるが、これは単に配列全体の正確なレイアウトに強く依存する実施の際の問題である。
磁極片に関しては、磁気伝導性シートで構成されることが好ましく、内側磁極片セグメント311及び312並びに磁極片310の磁極片ヨーク317の隣接するヘッド部分317hを構成するシートは、内側コイル軸315aに平行な方向に沿って配列されることに留意されたい(同じことは、内側磁極片セグメント及びその他の磁極片320の磁極片ヨークについても当てはまる)。磁極片ヨーク317のテール部分317tを構成するシートは、内側コイル軸315aに対して実質的に直交する方向に配列されることが好ましい(同じことは、その他の磁極片ヨーク327についても当てはまる)。これにより、磁束の最適な接続性が得られる。
図8に示すように、磁極片軸受330によって接続された2つ以上の磁極片を使用する場合には、磁極片軸受330も、磁極片の磁極片軸受が接続された部分を構成するシートと同じ方向に互いに隣接して配列された磁気伝導性シートで構成することが好ましい。例えば、磁極片軸受が磁極片ヨークのヘッド部分に接続している場合には、磁極片軸受のシートは、内側コイル軸に対して直交する方向に配列されることが好ましい。磁極片軸受を構成するシートも、少なくとも磁極片ヨークへの接続点では、内側コイル軸315aに対して直交する方向に配列される。一般に、これらのシートは、最良の磁束接続性が得られるように配列されるものとする。
図11は、本発明による磁極片配列500の1実施形態を示す斜視図である。図8に示す磁極片配列300と比較すると、外側磁極片セグメントは、本実施形態ではリング型セグメントとして形成されず、(第1の磁極片510の)外側磁極片セグメント512〜517及び(第2の磁極片520の)外側磁極片セグメント522〜527は、バー型円筒形として、好ましくは内側磁極片セグメント511及び521と同じ形状で形成される。このような構成の利点は、主に、1種類又は2種類の磁極片を製造するだけで済むことによるコストの節約である。この主たる利点は、少なくとも第2の磁極片のリング(図11には図示せず)を中央の磁極片の周りに配列した場合に得られる。他の実施形態では、磁極片セグメント、特に外側磁極片セグメントの更に別の形態を使用することもできる。
図12は、本発明による選択/フォーカス場コイル配列600の別の実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、図11に示す磁極片配列500を使用し、各磁極片セグメントに、リング型コイル611〜617(上側選択/フォーカス場コイルサブユニット610の場合)の周りに巻き付けた個別の選択/フォーカス場コイルを設ける(同じことが、下側選択/フォーカス場コイルサブユニット620についても当てはまる)。
選択/フォーカス場コイル配列の実施形態には、更に別の実施形態もある。例えば、図13に示す本発明による選択/フォーカス場コイル配列600’の更に別の実施形態では、大きな円筒形磁場コイル631及び632を、各選択/フォーカス場コイルサブユニット610及び620の外側に、その周囲に配置する。さらに、磁気軸受630の周りに1つ又は複数の追加の磁場コイル640を配列して、磁場をさらに強化することもできる。
なお、様々な選択/フォーカス場コイルに加えて、各選択/フォーカス場コイルサブユニットに更に永続的な材料を設けて、選択/フォーカス場コイルを生成するための選択磁場の生成をさらに強化することもできることに留意されたい。この永久磁石は、検査ゾーンの近くに配置して、軟磁性材料の部分の代用とすると好ましい。
さらに、冷却手段を設けて、コイルの一部又は全てを冷却することが好ましいことに留意されたい。冷却手段は、水又は油などの冷却流体を使用することができる。コイルは、銅又はアルミニウムで構成することができるが、超伝導材料で構成することもでき、超伝導材料の場合には、ヘリウムなどの適当な冷却材を使用して冷却する。高温超伝導体の場合には、ヘリウムガスを使用して冷却を実施することができる。低温超伝導体の場合には、液体ヘリウムを使用して冷却を実施することができる。
上述の幾何学的形状を使用して、様々なシミュレーションを実行した。このようにして得られた結果を、以下にまとめる。
幾何学的形状の中心に位置するFFPの場合には、30kWの電力で、2.5T/mの勾配磁場強度が得られた。90kWの電力を用いると、勾配磁場強度は3.3T/mまで上昇した。図14は、勾配磁場強度が電力とともにどのように上昇するかを示す図である。これらのシミュレーションでは、内側選択/フォーカス場コイルのみを考慮した。外側選択/フォーカス場コイルには、電流は流れなかった。特に、第2の内側選択/フォーカス場コイルの電力は、第1の内側選択/フォーカス場コイルの4倍の大きさであった。
z方向の移動に関しては、内側選択/フォーカス場コイルを用いて、FFPをz軸上の原点から10cmの距離のところに配置することができた。全電力消費を92kWとして、得られた勾配磁場強度は、2.5T/mであった。電力は、以下のようにコイル間に分布していた。FFPを移動させる方向の磁極片では、第1の内側選択/フォーカス場コイルで49kWが散逸し、第2の内側選択/フォーカス場コイルには電流は流れなかった。反対方向の磁極片では、第1の内側選択/フォーカス場コイルで5kWが散逸し、第2の内側選択/フォーカス場コイルで38kWが必要であった。
x方向及び又はy方向の移動に関しては、外側選択/フォーカス場コイルを用いて、FFPをx及び/又はyに沿って移動させることができる。例えば、シミュレーションの1つでは、FFPは、x軸上の原点から10.1cmの距離のところに配置した。ここで、使用した全電力は100kWであった。40kWの電力が、外側選択/フォーカス場コイルのうちの4つで散逸し、残りの60kWが、内側選択/フォーカス場コイルで使用された。得られた勾配磁場強度は、2.2T/mであった。ただし、勾配はかなり不均一であった。共通の計算方法を用いて、得られた値は、G=−0.69T/m、G=−1.51T/mである。
特定の適用分野(MR)では、FFPがないがかなり一様な磁場を生成することが望ましい。したがって、内側磁極片のうちの1つにおける電流の方向を逆にしたシミュレーションを実行した。全てのコイルを使用し、利用可能な電力(100kW)の様々な分布を使用して、原点で観測された最大磁場強度は、0.45Tであった。磁場強度は、zに沿って増大し、x/yに沿って減少する。
磁場に蓄積されるエネルギーを計算するために、以下の積分(数1)を体積Vについて評価する。
Figure 0006246129
発明者等のシミュレーションにおいて、磁場に蓄積された観測された最大エネルギーは、40kJ未満であった。最大値は、一様な(MR)場を得ようとするシミュレーションで見られた。
特異吸収率(SAR)は、医療検査中に(人)体に移入する熱を定量化する測度である。特定の限界及びガイドラインがあり、これらは通常、短期限界及び長期限界、並びに身体部分限界及び全身限界を含む。末梢神経刺激(PNS)は、(人)体内の神経及び筋肉が人体内の誘導電場によって刺激される効果である。電場は、磁場の変化の結果であり、したがって、磁場強度及びその時間微分(一般にはフーリエ空間内の正弦波励起ωBに対するdB/dt)に比例する。
サイズの小さな物体用のMPIスキャナでは、物体(例えば小動物)が小さいので、SAR及びPNSは、まだ限界を示していなかった。本発明は、人間サイズのスキャナを構築するための解決策を提供する。ここで、SAR及びPNSは、潜在的制限要因になる可能性もある。
既知のMPIスキャナでは、駆動磁場の電流は、ゼロ磁場点の位置とは無関係に、検査中に一定に保たれていた。これは、SAR及びPNSの理由から、人間サイズのスキャナに引き継ぐことができない。実際に、電流は、検査領域(一般に内腔を形成する)のまさに中心で(例えば)20mTのピーク振幅が生成されるように選択した。磁場の不均一性により、これは、その他の位置ではそれより大きな駆動磁場の振幅が生成されたことを意味する。
図15A及び図15Bは、患者がその中に配置される検査領域230の周りに駆動磁場を生成するために利用されるコイルを示す図である。軸250に沿った磁場については、ソレノイド260(図15A)を使用し、2つの直交する軸については、サドルコイル261及び262(図15B)を使用する。なお、一般に、サドルコイル261及び262に対して直交する別の対のサドルコイル(図示せず)があることに留意されたい。
図16は、ソレノイドコイル260の内腔内の磁力線を示す図である。このコイルの型に基づいて、以下の議論を概説する。サドルコイルについての議論も、概ね同じである。
図16では、3つの点に符号P1、P2及びP3が付されている。内腔の中央で、点P1における駆動磁場が20mTpk/μである。既知のMPIスキャナでは、ソレノイドコイル260に流れる電流は、中心点P1でこの20mTpk/μが得られるように選択される。この電流は、FOVの位置とは無関係に、実験全体を通じて同じに保たれる。
人間サイズのスキャナ内では、視野は、フォーカス場をさらに移動させることによって拡大される。フォーカス場は、視野(すなわち駆動磁場を用いてゼロ磁場点を高速移動させることによってサンプリングされる体積)の中心を、内腔内の任意の所望の場所まで移動させる。例えば、視野を位置P3にシフトさせる。電流が一定に保たれる場合には、この位置P3で、磁場強度は(図17Bに示すように)わずか15mTpk/μとなる。そのため、この位置における画質/解像度/粒子応答は、劣化する。一方、視野を(フォーカス場によって)位置P2にシフトさせた場合には、この位置における磁場強度は、これより高くなり、例えば(図17Aに示すように)30mTである。現在、欠点は、基本的に、駆動場の振幅が撮像プロセスに必要な振幅より大きいことである。実際に、画像は、これ以上改善されないが、基本的に不要な電力、すなわちSARが患者の体に供給される。また、PNSが印加される場合には、この現象はさらに深刻になる。
人間サイズのスキャナの適当な解決策の第1の要件は、点P3から生じる。ここで、感度の弱い(すなわち生成された磁場強度をコイルに流れる電流で割る)この点でも、磁場強度は、適切な撮像品質に必要な20mTpk/μとすることが必要である。この20mTpk/μは、電流を増加させることでしか達成することができない。
ここで、このより大きな電流を、実験全体で、すなわち走査対象の全ての位置で一定に保つことは、不要である。したがって、提案する解決策は、所与の点の感度が高くなったときに電流を低減することである。特に、P2は、「通常」の電流を必要とするが、P3は、さらに低下させた電流を必要とする。
概して、この電流の規則は、いくつかの態様で有益である。すなわち、SARの低減、PNSの低減、及びコイルにおける平均散逸電力の低減(これは直接ハードウェアのコスト節約につながる)をもたらす。
更に別の実施形態では、1つ又は複数の駆動場コイルに供給される電流は、FFP(又は視野)の位置の関数として適応される。例えばある位置で20mTのピーク振幅を生成するためには、電流は、その位置のコイルの感度(アンペア当たりのアンペア/メートル)に応じて選択される。選択/フォーカス場の勾配が均一である(すなわち位置と無関係である)と仮定すると、この規則は、やはり均一となる(すなわち位置と無関係となる)偏向(駆動場の影響下でのFFPの移動距離)を生じる。
さらに、選択/フォーカス場は現実には均一ではないので、駆動場電流を選択する規則では、このことを考慮するものとする。これにより、例えば、選択/フォーカス場の不均一性によって歪まない一定体積の視野を生成することができる。
別の実施形態によれば、サドルコイルの対(そのうちの1対を図15Bに示す)は分割され(検査対象の周りの3つのコイルではなく)、SARの低減、PNSの低減、及びコイルにおける平均散逸電力の低減(これは直接ハードウェアのコスト節約につながる)をもたらす。
既知のMPIスキャナでは、2つのサドルコイル261及び262は、電気的に直列に接続された1対を構成する。すなわち、両サドルコイル261及び262には、同じ電流が流れている。ここで提案する改良形態によれば、サドルコイル261及び262は分割され、独立した、通常は同じでない電流を供給される。その利点は、発電及び電力フィルタリング兼用のハードウェア(double power-generating and power-filtering hardware)が必要になるにもかかわらず、全ての構成要素の電流が半分になる、すなわち全ての構成要素をより小さな構成要素として実現し、コストをほぼ影響を受けないままに保つことができる点である。さらに、2つのサドルコイルを、2つの別個の受信コイルとして同時に使用することができる。別の受信器とともに、2つの受信器は、独立した熱雑音(身体雑音、コイル雑音、受信器雑音)の影響を受ける2つの独立した測定手段となる。適当に再構築することにより、これは、システムの信号対雑音比の追加の利点となり、これにより画質が向上する。
簡単にするために、(図15Bに示すより複雑なサドルコイルの代わりに)図18に示す2つの平面コイル270及び271のヘルムホルツ構造を考える。FFPが中央にある場合には、両コイル270及び271は、図19Bの点P1に示すように、この点に向かって同じ感度を有する。誘導磁場を最小限にするためには、両コイル270及び271は、磁場の生成に等しく寄与するようにしなければならないので、同じ電流を有する。この場合、SAR及びPNSの両方に寄与する磁場は、両コイル270及び271の近傍で等しく誘導される。
FFPが中央にない(例えば図19Bの点P4など)場合には、コイル270(すなわちよりFFPに近いコイル)は、もう一方のコイル271より高い感度を有する。上記と同じ理由から、一般に、より近い方のコイルが駆動磁場のより大きな部分を生成すると有利である(全ての身体部分が医療的に同じ感度を有するものと仮定する)。比較のために、図19Bには、コイル270にしか電流を供給しない場合の磁場を示している。
図20Bは、それぞれのコイルの感度S270及びS271(生成電流当たりの磁場強度。累積感度はS272で示す)に比例する、両コイル270及び271に同じ電流を流して生成した磁場を示す図である。例えば、位置P4では、コイル270の感度S270は、コイル271の感度S271より高い。したがって、SAR、PNS及び両コイルにおける電力損失を最小限にするために、コイル270の寄与をより大きくする。ただし、連続性の理由から、これは「勝者総取り(winner takes all)」型の電流分布にはならず、コイル間で滑らかに遷移することになる。そのため、位置P4では、図20Aに示すようにコイル270が全ての電流を有し、コイル271がオフになる、ということにはならない。
好ましくは、アルゴリズムは、SAR及びPNSの両方を、「大域」スケール及び局所スケールの両方で考慮する。したがって、通常は、導体付近の過剰な磁場を最小限に抑えるために、利用可能な全ての磁場生成器を参加させると有利である。
患者の体の一部分が別の部分より磁場に対してより高い感度を有する場合には、電流は、体の感度が低い部分に多く流れるように分布する可能性がある。
図21は、本発明による磁極片配列700の別の実施形態を示す斜視図であり、図22は、図21に示す磁極片配列700を用いた、本発明による対応する選択/フォーカス場コイル配列800の実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、各磁極片710、720は、外側磁極片セグメント722〜729(図21には、下側磁極片720の磁極片セグメントのみを明示し、これらについて以下で説明する。上側磁極片710は、同様に設計されることが好ましい)によって包囲された中央内側磁極片セグメント721を含む。この例示的な実施形態では、8個の外側磁極片セグメントを設けるが、異なる数の外側磁極片セグメントであってもよい。選択/フォーカス場コイル配列800は、それぞれいくつかのコイル821〜830を含む上側選択/フォーカス場コイルサブユニット810及び下側選択/フォーカス場コイルサブユニット820を含む(ここでも、図22には、下側選択/フォーカス場コイルサブユニット820のコイルのみを明示し、これらについて以下で説明する。上側選択/フォーカス場コイルサブユニット810も、同様に設計されることが好ましい)。
本実施形態では、内側磁極片セグメント721は、管状の形状を有するコイル821で包囲された、軟磁性材料で構成された内側シリンダ721aを含む。内側磁極片セグメント721の内側シリンダ721aは、それ自体は別のコイル830で包囲される軟磁性材料製のリング721bで包囲される。軟磁性材料製のリング721bは、図21に示すように1つ(又は複数)の段部730を有する。すなわち、磁極片710の対向部分の反対に向いているリング721bの下側部分721b1の外径は、磁極片710の対向部分に向いているリング721bの上側部分721b2の外径より大きい。或いは、これらの段部は、ベゼルとして実現される。
段部は、コイル830の外径にも存在することが好ましい。すなわち、コイル830の下側部分の外径がコイル830の上側部分より大きくなるように、このコイルは、一定の厚さを有することが好ましい。
各コイル821、830は、関連する磁極片セグメント721、721bを完全に覆うことが好ましい。すなわち、各コイル821、830は、Cアーム構造740(すなわち磁極片軸受)との接続部から磁極片セグメントの先端まで達する。或いは、各コイルは、ある程度の空間が残るように、Cアーム構造740に接続しなくてもよい。空間840の利点は、デバイスの取付け及び機器の供給に使用することができること、並びにコイルをより容易に製造することができることである。
さらに、各コイル821、830は、直列に接続された異なるコイルセグメントを含むことが好ましい。各セグメントは、電流密度が磁極片に沿って変化するように、特定の巻線を有する。他の図面を参照して上記で説明したコイルの修正形態を、ここで使用することもできる。
本実施形態では、外側磁極片セグメント722〜729はそれぞれ、互いに接続された下側部分722a及び上側部分722bを含み(外側磁極片セグメント722についてのみ参照符で示す)、下側部分722aは、Cアーム構造740に接続される。上側部分722b及び下側部分722aはともに、直列に接続されたコイル822a及び822bで包囲される。上側部分722bは、下側部分722aよりも内側磁極片セグメント721側に偏位しており、下側部分722aより大きな直径を有することが好ましい。この偏位は、内側磁極片セグメント721の段差730によって、所要の空間が利用可能となるために可能となるものである。
各コイル822〜829は、それぞれの磁極片セグメント722〜729の全体を覆うことができる。すなわち、各コイル822〜829は、Cアーム構造740との接続部からそれぞれの磁極片セグメント722〜729の先端まで達することができる。或いは、各コイル822〜829は、図22に示すようにある程度の空間840が残るように、Cアーム構造740に接続していなくてもよい。
好ましい実施形態では、各コイル822〜829は、直列に接続された異なるセグメントを含む。各セグメントは、電流密度が磁極片セグメントに沿って変化するように、異なる巻線を有する。
内側磁極片セグメント721と、それと関連するコイル821及び830とが協働して、主にFFPを有する磁場を生成する。コイル821、830の電流を変化させることによって、FFPを垂直軸に沿って移動させることができる。外側磁極片セグメント722〜729と、それらと関連するコイル822〜829とが協働して、主にFFPの水平軸方向の移動を可能にする。
上記及び以下の実施形態では、磁極片セグメントは、通常は、円形の基部領域を有する円筒形状を有する。その他の形状を実現することもできる。例えば、他の実施形態では、基部領域が楕円形の筒形が有用であることもある。
上側磁極片と下側磁極片は、必ずしもCアーム構造によって接続しなくてもよい。この接続は、例えば軟磁性材料製の4本のバーを各コーナに1本ずつ用いるなど、その他の担持構造を使用して実現することもできる。
図23は、外側磁極片セグメント922の上側部分922bが楕円形の断面を有し(これは、両磁極片910及び920の全ての外側磁極片セグメントに当てはまることが好ましい)、下側部分922aが円形又は楕円形の断面を有する、磁極片配列900の別の実施形態を示す図である。このように円形ではなくすことにより、利用可能な空間の利用効率を高めることができる。もちろん、長方形の断面や長方形に近い断面など、その他の断面も一般に可能である。
図24は、磁極片セグメントが可能な限り最も単純な形状を有する、磁極片配列1000の別の実施形態を示す図である。内側磁極片セグメント1021に段差がなく、外側磁極片セグメント1022は、下側部分と上側部分に分離されていない。これは、両磁極片1010及び1020に当てはまることが好ましい。このような実施態様の利点は、製造コストが最小限に抑えられることである。或いは、図24に示す実施態様は、図21及び図23に示すように内側磁極片セグメントに段差を設けて実施することもできる。
図25は、本発明による磁極片配列1100の別の実施形態を示す斜視図であり、図26は、図25に示す磁極片配列1100を用いた本発明による選択/フォーカス場コイル配列1200の対応する実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、外側磁極片セグメント1122はそれぞれ、磁場を案内するための軟磁性材料で構成された小さな上側部分1122b(ハット状)を含む。これらの「ハット」1122bは、楕円形の断面を有することが好ましいが、図26から分かるように電磁コイルで包囲されていない。外側磁極片セグメント1122の下側部分1122a(円形の断面を有することが好ましい)のみが、コイル1222で包囲される。本実施形態は、妥当なコストで妥当な磁場特性を有する代替形態である。内側磁極片セグメント及びそれと関連するコイルは、図22又は図24に示す実施形態のように構成することが好ましい。
図27及び図28は、ここまで1つとしていた内側磁極片セグメントを、三角形の角に配置した3つの内側磁極片セグメント1331、1332及び1333(図27)並びに1431、1432及び1433(図28)で置き換えた、磁極片配列1300及び1400の実施形態を示す図である。図27に示す磁極片配列1300では、磁極片セグメントは、一定の外径を有する円筒であるが、図28に示す磁極片配列1400では、磁極片セグメントは、それぞれの先端に段部1440を有する円筒形である。これらの段部の代わりに、ベゼルを有する磁極片セグメントにすることもできる。
図29は、磁極片配列1500の更に別の実施形態を示す図である。ここでは、上記で1つとしていた内側磁極片セグメントを、正方形の角に配置した4つの内側磁極片セグメント1531〜1534で置き換える。同様に、外側磁極片セグメント1522〜1529も、外側の正方形の辺に沿って配列される。
特に図21〜図29に示し、上記で説明した実施形態では、複数の外側磁極片セグメントが構成する1つのリングが、各磁極片の内側磁極片セグメントを包囲する。或いは、複数の外側磁極片セグメントで構成される複数のリングを設けることもできる。さらに、上側磁極片と下側磁極片に、同数の磁極片セグメントが設けられる。或いは、磁極片セグメントの数は、2つの磁極片で異なっていてもよい。さらに、一方の磁極片の各磁極片セグメントは、もう一方の磁極片の対応する磁極片セグメントに対向するように配列される。或いは、2つの磁極片の磁極片セグメントを、互いにずらして取り付けることもできる。さらに、磁極片セグメントを全く同じ構造にしないことが有利であることもある。例えば、外側磁極片セグメントの高さの方が高くなるように選択すると、実現可能な傾斜磁場強度及びFFPの移動性の点でより良好な特徴が得られる。また、異なる直径にすることもできる。最後に、Cアーム構造に対する磁極片セグメントの位置は、図面に示す配列とは異なるように選択することもできる。例えば、磁極片セグメントは、内側磁極片セグメントに平行な軸の周りで回転させた位置に取り付けることもできる。
図面及び上記の説明において本発明を詳細に図示及び説明したが、これらの図示及び説明は、説明又は例示を目的としたものであり、限定を目的としたものではないものとみなされたい。本発明は、開示した実施形態に限定されない。当業者なら、これらの図面、開示及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、特許請求の範囲に記載する本発明を実施する際に、開示した実施形態に対するその他の変形形態を理解し、実施することができる。
特許請求の範囲において、「有する」又は「含む」という言葉は、その他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除するものではない。1つの要素又はその他のユニットが、特許請求の範囲に記載されるいくつかの項目の機能を実施することもある。特定の手段が互いに異なる独立請求項に記載されていても、その事実だけでは、それらの手段の組合せを有利に使用することができないことにはならない。
特許請求の範囲におけるいかなる参照符も、その範囲を限定するものと解釈すべきではない。
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、又は視野内の磁性粒子を検出する装置であって、当該装置は、
(i)前記磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を有する第1のサブゾーン及び前記磁性粒子の磁化が飽和する高い磁場強度を有する第2のサブゾーンが前記視野内に形成されるように、磁場強度の空間内パターンを有する選択/フォーカス磁場を生成し、検査領域内で前記視野の空間内位置を変化させる選択/フォーカス手段であって、当該選択/フォーカス手段は、少なくとも1組の選択/フォーカス場コイル、及び前記選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルに供給される選択/フォーカス場電流を生成する選択/フォーカス場生成ユニットを有し、
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
‐内側コイル軸の周りの閉ループとして形成された、少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル、及び
‐前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルより前記内側コイル軸から離れた距離で、異なる角度位置に配列された、少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群であり、それぞれが関連する外側コイル軸の周りの閉ループとして形成された少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する、選択/フォーカス手段、及び
(ii)駆動場信号生成ユニット及び駆動場コイルを有し、該駆動場コイルは、磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて前記視野内の2つのサブゾーンの空間内位置又はサイズを変化させる、駆動手段、
を有する、装置。
〔態様2〕
前記外側選択/フォーカス場コイルの前記閉ループは、リング・セグメント形状の輪郭を有する、態様1に記載の装置。
〔態様3〕
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、少なくとも4つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する、態様1に記載の装置。
〔態様4〕
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、前記内側コイル軸(115a)から同じ距離で配列されるが、互いに90°角度が変位している、4つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する、態様1に記載の装置。
〔態様5〕
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
第1の内側選択/フォーカス場コイル、及び
前記内側コイル軸の周りに閉ループとして形成された、前記第1の内側選択/フォーカス場コイルより大きな直径を有する第2の内側選択/フォーカス場コイル、
を有する、態様1に記載の装置。
〔態様6〕
前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル又は前記外側選択/フォーカス場コイルは、少なくとも2つ、特に少なくとも4つのコイルセグメントに分割され、コイルのコイルセグメントは、関連するコイル軸の方向に互いに隣接して配列され、隣接するコイルセグメントどうしが、電気的に接続された、態様1に記載の装置。
〔態様7〕
前記コイルセグメントは、関連するコイル軸の方向に、得られる電流密度が前記検査領域からの距離が減少するにつれて増大するように配列された、態様6に記載の装置。
〔態様8〕
前記検査領域のより近くに配列されたコイルの1つ又は複数のコイルセグメントが、前記検査領域からより遠くに配列された同じコイルの1つ又は複数のコイルセグメントと比較して、異なる材料で構成され、より太い巻線を有し、よりコンパクトであり、又は関連するコイル軸の方向に大きな厚さを有する、態様6に記載の装置。
〔態様9〕
前記選択/フォーカス手段は、
(i1)第1のセットの選択/フォーカス場コイル、
(i2)少なくとも1組の第2のセットの選択/フォーカス場コイル、及び
(i3)前記選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記第1のセット及び前記セットの選択/フォーカス場コイルに供給される選択/フォーカス場電流を生成する選択/フォーカス場生成ユニットを有する、
態様1に記載の装置。
〔態様10〕
前記検査領域の前記第1のセットの選択/フォーカス場コイルとは反対側に配列された、1つの第2のセットの選択/フォーカス場コイルを含む、態様1に記載の装置。
〔態様11〕
前記選択/フォーカス場生成ユニットは、前記少なくとも1つのセットの選択/フォーカス場コイルの各選択/フォーカス場コイルごとに個別に選択/フォーカス場電流を生成するように構成される、態様1に記載の装置。
〔態様12〕
前記駆動場コイルは、前記内側コイル軸に対して直交する中心対称軸の周りに配列された2対のサドルコイル、及び前記中心対称軸の周りに配列されたソレノイドコイルを有する、態様1に記載の装置。
〔態様13〕
前記駆動場信号生成ユニットは、前記駆動場コイルの1つ又は複数に個別の駆動場電流を生成して供給し、或いは前記検査領域内の前記第1のサブゾーン又は前記視野の感度又は位置に応じて駆動場電流を生成するように適応される、態様1に記載の装置。
〔態様14〕
前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
様々な選択/フォーカス場コイルを担持する複数の磁極片セグメント、及び
前記複数の磁極片セグメントを接続する磁極片ヨーク、
を有する少なくとも1つの磁極片を更に有する、態様1に記載の装置。
〔態様15〕
前記少なくとも1つの磁極片は、前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルを担持する少なくとも1つの内側磁極片セグメント、及び前記内側コイル軸からより遠い距離に配列され、且つそれぞれ前記少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルのうちの1つを担持する、少なくとも2つの外側磁極片セグメントを有する、態様14に記載の装置。
〔態様16〕
前記少なくとも1つの磁極片は、外側選択/フォーカス場コイルをそれぞれ担持する少なくとも4つの外側磁極片セグメントを有する、態様14に記載の装置。
〔態様17〕
前記少なくとも1つの磁極片は、外側選択/フォーカス場コイルをそれぞれ担持する4つの外側磁極片セグメントを有し、前記外側磁極片セグメントが、前記内側コイル軸から同じ距離のところに配列されるが、互いに90°角度が変位している、態様14に記載の装置。
〔態様18〕
各外側磁極片セグメントは、リング・セグメント形状の断面を有する、態様17に記載の装置。
〔態様19〕
前記少なくとも1つの磁極片は、前記第1の内側磁極片セグメントの周りの閉リングの形状の第2の内側磁極片セグメントを有し、前記第2の内側磁極片セグメントが、前記第2の内側選択/フォーカス場コイルを担持する、態様14に記載の装置。
〔態様20〕
少なくとも前記少なくとも1つの内側磁極片セグメントと、前記検査領域を向いている外側磁極片セグメントのヘッド部分とが、高い飽和磁気誘導を有する軟磁性材料、特にFeCo、Fe、FeNi、Dy、Gd又はFe 49 1.9 Co 49 などそれらの合金で構成される、態様14に記載の装置。
〔態様21〕
前記検査領域の反対側に向いている外側磁極片セグメントのテール部分及び磁極片ヨークは、前記内側磁極片セグメントの材料より低い飽和磁気誘導を有する軟磁性材料、特にFeSi、FeNi、パーマロイ、又はFe 73.5 Cu Nb Si 15.5 などのそれらの合金で構成される、態様14に記載の装置。
〔態様22〕
前記磁極片は、磁気伝導性シートで構成され、前記内側磁極片セグメント及び前記磁極片ヨークの隣接するヘッド部分を構成するシートが、前記内側コイル軸と平行な方向に配列される、態様14に記載の装置。
〔態様23〕
前記選択/フォーカス手段は、前記磁極片を機械的に接続する磁極片軸受を更に有し、前記磁極片軸受は、磁気伝導性材料で構成される、態様22に記載の装置。
〔態様24〕
前記少なくとも1つの内側磁極片セグメント及び前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルは、前記外側磁極片セグメント及び前記外側選択/フォーカス場コイルより前記検査領域から遠い距離のところに配列される、態様22に記載の装置。
〔態様25〕
前記検査領域に向いている前記外側磁極片セグメントのヘッド部分の、前記内側コイル軸に対して直交する断面は、前記検査領域と反対側に向いている前記外側磁極片セグメントのテール部分の平行な断面より大きな領域をカバーする、態様14に記載の装置。
〔態様26〕
前記検査領域の異なる側に配列された少なくとも2つの磁極片を有し、各磁極片は、様々な選択/フォーカス場コイルを担持する複数の磁極片セグメント、及び前記複数の磁極片セグメントを接続する磁極片ヨーク、を有する、態様14に記載の装置。

Claims (13)

  1. 視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、又は視野内の磁性粒子を検出する装置であって、当該装置は、
    (i)前記磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を有する第1のサブゾーン及び前記磁性粒子の磁化が飽和する高い磁場強度を有する第2のサブゾーンが前記視野内に形成されるように、磁場強度の空間内パターンを有する選択/フォーカス磁場を生成し、検査領域内で前記視野の空間内位置を変化させる選択/フォーカス手段であって、当該選択/フォーカス手段は、少なくとも1組の選択/フォーカス場コイル、及び前記選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルに供給される選択/フォーカス場電流を生成する選択/フォーカス場生成ユニットを有し、
    前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
    ‐内側コイル軸の周りの閉ループとして形成された、少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル、及び
    ‐前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルより前記内側コイル軸から離れた距離で、異なる角度位置に配列された、少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群であり、それぞれの外側選択/フォーカス場コイルはそのコイルのコイル軸の周りの閉ループとして形成された少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する、選択/フォーカス手段、及び
    (ii)駆動場信号生成ユニット及び駆動場コイルを有し、該駆動場コイルは、磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて前記視野内の2つのサブゾーンの空間内位置又はサイズを変化させる、駆動手段、
    を有しており、
    前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
    様々な選択/フォーカス場コイルを担持する複数の磁極片セグメント、及び
    前記複数の磁極片セグメントを接続する磁極片ヨーク、
    を有する少なくとも1つの磁極片を更に有する、
    装置。
  2. 前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
    第1の内側選択/フォーカス場コイル、及び
    前記内側コイル軸の周りに閉ループとして形成された、前記第1の内側選択/フォーカス場コイルより大きな直径を有する第2の内側選択/フォーカス場コイル、
    を有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル又は前記外側選択/フォーカス場コイルは、少なくとも2つのコイルセグメントに分割され、コイルのコイルセグメントは、そのコイルのコイル軸の方向に互いに隣接して配列され、隣接するコイルセグメントどうしが、電気的に接続された、請求項1に記載の装置。
  4. 前記駆動場コイルは、前記内側コイル軸に対して直交する中心対称軸の周りに配列された2対のサドルコイル、及び前記中心対称軸の周りに配列されたソレノイドコイルを有する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記駆動場信号生成ユニットは、前記駆動場コイルの1つ又は複数に個別の駆動場電流を生成して供給し、或いは前記検査領域内の前記第1のサブゾーン又は前記視野の感度又は位置に応じて駆動場電流を生成するように適応される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つの磁極片は、前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルを担持する少なくとも1つの内側磁極片セグメント、及び前記内側コイル軸からより遠い距離に配列され、且つそれぞれ前記少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルのうちの1つを担持する、少なくとも2つの外側磁極片セグメントを有する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記少なくとも1つの磁極片は、外側選択/フォーカス場コイルをそれぞれ担持する少なくとも4つの外側磁極片セグメントを有する、請求項1に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つの磁極片は、外側選択/フォーカス場コイルをそれぞれ担持する4つの外側磁極片セグメントを有し、前記外側磁極片セグメントが、前記内側コイル軸から同じ距離のところに配列されるが、互いに90°角度が変位している、請求項1に記載の装置。
  9. 前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
    第1の内側選択/フォーカス場コイル、及び
    前記内側コイル軸の周りに閉ループとして形成された、前記第1の内側選択/フォーカス場コイルより大きな直径を有する第2の内側選択/フォーカス場コイル、
    を有し、
    前記少なくとも1つの内側磁極片セグメントは、前記第1の内側選択/フォーカス場コイルを担持する第1の内側磁極片セグメントと、前記第1の内側磁極片セグメントの周りの閉リングの形状の第2の内側磁極片セグメントを有し、前記第2の内側磁極片セグメントが、前記第2の内側選択/フォーカス場コイルを担持する、請求項6に記載の装置。
  10. 少なくとも前記少なくとも1つの内側磁極片セグメントと、前記検査領域を向いている前記外側磁極片セグメントのヘッド部分とが、FeCo、Fe、FeNi、Dy、Gdもしくはそれらの合金又はFe 49 1.9 Co 49 で構成される、請求項6に記載の装置。
  11. 前記検査領域の反対側に向いている前記外側磁極片セグメントのテール部分及び磁極片ヨークは、前記内側磁極片セグメントの材料より低い飽和磁気誘導を有する軟磁性材料で構成される、請求項6に記載の装置。
  12. 前記検査領域に向いている前記外側磁極片セグメントのヘッド部分の、前記内側コイル軸に対して直交する断面は、前記検査領域と反対側に向いている前記外側磁極片セグメントのテール部分の平行な断面より大きな領域をカバーする、請求項6に記載の装置。
  13. 視野内の磁性粒子に影響を及ぼし、又は視野内の磁性粒子を検出する装置であって、当該装置は、
    (i)前記磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を有する第1のサブゾーン及び前記磁性粒子の磁化が飽和する高い磁場強度を有する第2のサブゾーンが前記視野内に形成されるように、磁場強度の空間内パターンを有する選択/フォーカス磁場を生成し、検査領域内で前記視野の空間内位置を変化させる選択/フォーカス手段であって、当該選択/フォーカス手段は、少なくとも1組の選択/フォーカス場コイル、及び前記選択/フォーカス磁場の生成を制御するために前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルに供給される選択/フォーカス場電流を生成する選択/フォーカス場生成ユニットを有し、
    前記少なくとも1組の選択/フォーカス場コイルは、
    ‐内側コイル軸の周りの閉ループとして形成された、少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイル、及び
    ‐前記少なくとも1つの内側選択/フォーカス場コイルより前記内側コイル軸から離れた距離で、異なる角度位置に配列された、少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群であり、それぞれの外側選択/フォーカス場コイルはそのコイルのコイル軸の周りの閉ループとして形成された少なくとも2つの外側選択/フォーカス場コイルの群を有する、選択/フォーカス手段、及び
    (ii)駆動場信号生成ユニット及び駆動場コイルを有し、該駆動場コイルは、磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて前記視野内の2つのサブゾーンの空間内位置又はサイズを変化させる、駆動手段、
    を有しており、
    前記検査領域の異なる側に配列された少なくとも2つの磁極片を有し、各磁極片は、様々な選択/フォーカス場コイルを担持する複数の磁極片セグメント、及び前記複数の磁極片セグメントを接続する磁極片ヨーク、を有する、
    装置。
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