JP6478790B2 - 軸ばね - Google Patents
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Description
しかしながら、全体のばね定数を低く設定すると、例えば、定員以上の大きな車体重量が負荷された場合、弾性層が大きく撓んで却って乗り心地が悪化したり、それら弾性層に亀裂やクリープの生じるおそれが強まる等、軸ばね装置耐久性や乗車感に悪影響が出易い傾向がある。
このように、軸ばねに要求される特性はさらに多種多様化してきているので、懸架装置としての非線形特性が実現できる、というだけでは上記要求の多様化には対応しきれず、さらなる改善の余地が残されているものであった。
前記主軸1と前記外筒2とが前記軸心P方向に所定量相対接近移動するに伴って、前記中間硬質筒5に当接するストッパー機構Sを前記主軸1又は前記外筒2に設けるにあたり、前記ストッパー機構Sを前記主軸1又は前記外筒2に装着して固定する装備状態と、前記ストッパー機構Sを前記主軸1又は前記外筒2に装着しない非装着状態とが選択可能に構成されていることを特徴とする。
前記ストッパー機構Sは、前記主軸1に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
前記ストッパー機構Sは、複数の構造部材6を周方向に繋ぎ合わせることにより前記軸心Pの方向視で前記主軸1を外囲する状態に形成される支持体aを有して構成されていることを特徴とする。
前記構造部材6は扇形部材であり、前記支持体aは前記軸心Pの方向視で環状形状を呈している請求項3に記載の軸ばね。
前記ストッパー機構Sは、前記装備状態では前記主軸1に形成されているフランジ1bに載せ付けられる構成とされていることを特徴とする。
前記主軸1の外周面1a、前記弾性部3、及び前記外筒2の内周面2aそれぞれの前記軸心Pに沿う方向での断面視形状が互いに同じ向きに揃えられたハ字状に形成され、かつ、前記弾性部3が前記軸心Pに沿う方向においては前記主軸1に対してその小径側に寄せて配置され、かつ、前記外筒2が前記軸心Pに沿う方向においては前記弾性部3に対してその小径側に寄せて配置されていることを特徴とする。
また、既設の軸ばねにストッパー機構を後付け装備して非線形特性とすることが、車両や台車に取り付けられて周りに他物が存在し易い外筒に装備される構成に比べて、簡単に実現可能になるという利点もある。
この場合、請求項4のように、構造部材を軸心方向視で扇形を呈する扇形部材に、そして支持体を軸心方向視で環状形状を呈するものに構成すれば、無駄のないフォルムでストッパー機構が構成できて好都合である。
軸ばねAは、図1及び図3に示すように、主軸1と、主軸1と互いに同一(又はほぼ同一でも良い)の縦向きの軸心Pを有する外筒2と、三層の弾性層4と二層の中間硬質筒5とを軸心Pと同心状態(又はほぼ同心状態でも良い)で径内外方向で交互に積層する積層ゴム構造として、主軸1と外筒2との間に構成される弾性部3と、ストッパー機構Sとを備えて構成されている。
外筒2は、下拡がり状の円錐内周面2a、上端内側の嵌合内周面2bを有する断面がハ字状の円錐筒に形成されている。外筒2は、主軸1に対してその上側(円錐外周面1a側)よりも上方に寄せて(軸心Pに沿う方向においては主軸1に対してその小径側に寄せて)配置されている。
台座片6は、台座主部6Aと、鍔部6Bとを備えている。台座主部6Aは、金属や非鉄金属、合成樹脂材、或いは複合材料など、好ましくは高強度材料よりなり、フランジ1bの側面である外周面8にインロー外嵌可能な台座主部6Aと、フランジ1bの環状上面8aに載せ付けられる状態でフランジ1b上側の小径環部9にインロー外嵌可能な鍔部6Bとを備えている。台座主部6Aには、その下方に開口する状態の扇形凹入部10が2箇所ずつ形成されている。
なお、ストッパー機構Sを主軸1に装着しない場合の軸ばねAは、図3に示すとおり、フランジ1bに支持体aは装着されない。
ストッパー機構Sは、2個(複数の一例)の扇形部材である台座部6を周方向に繋ぎ合わせることにより、軸心Pの方向視で主軸1を外囲する環状形状に形成されており、主軸1に対して着脱可能なものに構成されている。
そして、上下方向の荷重が作用して、外筒2が主軸1の軸心P方向にて相対的に間隔L1(所定量)接近すると、最初に内側の中間硬質筒5Aの下端と内周部11とが当接し、それ以上内側の中間硬質筒5Aが主軸1側に移動できない第1移動規制状態になる。
荷重が増して、さらに外筒2が移動して自由状態から間隔L2接近すると、今度は外側の中間硬質筒5Bと外周部12とが当接し、それ以上外側の中間硬質筒5Bも主軸1側に移動できない第2移動規制状態になる。
間隔L1で内側の中間硬質筒5Aは接近移動が不可となるので、外筒2が主軸1に対して間隔L1から間隔L2まで近づく間は、中間ゴム層4Bと外側ゴム層4Cとによるバネ定数k2により弾性部3が弾性変形する。
三つのバネ定数k1,k2,k3には、k1<k2<k3という関係があるので、装備状態の軸ばねAは、主軸1と外筒2との相対変位量が増すに連れてバネ定数が高くなる非線形特性の懸架装置として機能する。
これにより、ソフトな乗り心地の懸架性能にすべく非装備状態にするとか、大荷重にも耐える腰のある懸架性能にすべく装備状態にするなど、要求される懸架性能に合わせて出荷することが可能になるとともに、後付け装着可能なストッパー機構S以外はそのままで良く、ニーズに合わせて専用に設計することに起因する部品点数の増加や製品管理の煩雑化が抑制又は開放される利点がある。
(1)隣合う台座部6,6どうしの及びフランジ1bへの固定手段としては、図5に示すように、上向き開放コ字形状のガセット金具14を用いてもよい。即ち、隣合う周端壁6b,6bどうしに跨らせてガセット金具14を圧入することにより、一対の台座部6,6をフランジ1bに装着固定して支持体aとするストッパー機構Sである。ガセット金具14における一対の突片14a,14aの間隔を、一対の周端壁6b,6bの厚みと同じ或いは僅かに小さい値として圧入すると良い。
ストッパ片7の高さを変更設定することにより、非線形特性の立ち上がりが急なものや緩いものなど、種々の設定が自在に行える。また、中間硬質筒5の数に合わせて、ストッパ片7における中間硬質筒5に当接する箇所数の変更設定も可能である。
1a 外周面
1b フランジ
2 外筒
2a 内周面
3 弾性部
4 弾性層
5 中間硬質筒
6 構造部材(扇形部材)
P 軸心
S ストッパー機構
a 支持体
Claims (6)
- 主軸と、前記主軸の軸心方向視で前記主軸に外囲する状態に配置される外筒と、中間硬質筒と弾性層とを前記軸心に関する径内外方向で交互に積層して前記主軸と前記外筒との間に構成される弾性部と、を備えてなる軸ばねであって、
前記主軸と前記外筒とが前記軸心方向に所定量相対接近移動するに伴って、前記中間硬質筒に当接するストッパー機構を前記主軸又は前記外筒に設けるにあたり、前記ストッパー機構を前記主軸又は前記外筒に装着して固定する装備状態と、前記ストッパー機構を前記主軸又は前記外筒に装着しない非装備状態とが選択可能に構成されている軸ばね。 - 前記ストッパー機構は、前記主軸に対して着脱可能に構成されている請求項1に記載の軸ばね。
- 前記ストッパー機構は、複数の構造部材を周方向に繋ぎ合わせることにより前記軸心の方向視で前記主軸を外囲する状態に形成される支持体を有して構成されている請求項2に記載の軸ばね。
- 前記構造部材は扇形部材であり、前記支持体は前記軸心の方向視で環状形状を呈している請求項3に記載の軸ばね。
- 前記ストッパー機構は、前記装備状態では前記主軸に形成されているフランジに載せ付けられる構成とされている請求項2〜4の何れか一項に記載の軸ばね。
- 前記主軸の外周面、前記弾性部、及び前記外筒の内周面それぞれの前記軸心に沿う方向での断面視形状が互いに同じ向きに揃えられたハ字状に形成され、かつ、前記弾性部が前記軸心に沿う方向においては前記主軸に対してその小径側に寄せて配置され、かつ、前記外筒が前記軸心に沿う方向においては前記弾性部に対してその小径側に寄せて配置されている請求項1〜5の何れか一項に記載の軸ばね。
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