JP6477860B2 - 金属板の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絞り成形、伸びフランジ成形、曲げ成形、張出し成形のような金属板の成形において、破断が生じない成形方法と、該成形方法で成形した成形品に関する。
通常、金属板の成形性は、金属板の強度が上昇するほど低下する。それゆえ、特に強度の高い金属板を成形する場合、成形される部位で塑性変形が追従できないと、内部応力が破断力を超えて破断する。
図1に、金属板の絞り成形におけるパンチの肩部での破断の態様を示す。金属板のブランク材1を、ダイス2の中に、ブランクホルダー4でブランク材1のフランジ部1’を押圧しつつ、パンチ3で押し込んで絞り成形を行う。絞り成形は、パンチ3の肩部3’でのブランク材1の破断力と、ブランク材1のフランジ部1’に作用する引込み力との釣り合いのもとで絞り成形が進行する。
そして、フランジ部1’の変形抵抗6が、パンチ3の肩部3’に接するブランク材1の破断力と等しくなったとき、フランジ部1’の変形(ダイス2内への引き込まれ)が停止し、一方、パンチ3の肩部3’に接するブランク材1の部位のみで変形が進行して破断する。
ブランク材の絞り成形において破断を回避するためには、パンチの肩部に接する部位の破断力が高いことが重要であり、これまで、絞り成形時のブランク材の破断を防止する技術が幾つか提案されている。
特許文献1には、ブランク材をプレス成形する際、ブランク材の板厚減少が見込まれる箇所に、溶接ビードを2本以上設けてプレス成形する方法が提案されている。
特許文献2には、15%以上中心部の材料より強度×板厚が低いか、又は、5%以上中心部の材料より延性の優れた高張力鋼板が、深絞り成形後製品となる部分以外で、成形時にしわ抑え力を付与する部分の絞りフランジ部の全周にわたり、鋼板同士で溶接されている深絞り成形性に優れたプレス成形用テーラードブランク材が提案されている。
しかし、いずれの技術においても、ブランク材の溶接入熱部で材質が脆くなり、ブランク材の材質は不均一となるので、プレス成形時のブランク材の破断を完全に回避することは難しい。
特開平10−175024号公報 特許第4532709号公報
一般に、金属板の成形において破断を防止する手法としては、大きく分けて、成形工程の改良、及び、金属板の材質改善が考えられる。たとえば、絞り成形工程の改良では、金型の分割法や、プレス工程数の増加が考えられるが、これらの方法では、成形コストの上昇や、生産性の低下は避けられない。
特許文献1及び2には、高強度鋼板の材質改善として、部分焼入れによる材質の変化(強化)や、異質材の接合が開示されている。しかしながら、これらの方法も、同様に、成形コストの上昇や、生産性の低下は避けられない。
そこで、本発明は、金属板の成形において、金属板の材質、及び、成形工程を変えずに、金属板が破断しないように成形することを課題とし、該課題を解決する成形方法と、該成形方法で成形した成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、金属板の成形に際し、所要の破断力が必要な部位に補強材(Reinforcing material)を接合すれば、上記部位での破断力が向上し、破断を防止できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)金属板を成形する方法であって、所定の成形前に金属板の、前記成形時の破断懸念部位の外部表面に繊維強化プラスチックを接合し、その後記金属板を前記成形することを特徴とする金属板の成形方法。
(2)前記破断懸念部位が、CAE(computer aided engineering)により、前記繊維強化プラスチックを使用しない場合に、前記金属板の板厚が減少すると予測される部位であることを特徴とする前記(1)の金属板の成形方法。
(3)前記金属板が引張強度が590MPa以上の高強度鋼板であることを特徴とする前記(1)又は(2)の金属板の成形方法。
)前記繊維強化プラスチックの繊維の方向が、前記金属板の前記破断懸念部位の破断力作用する方向に沿うように前記繊維強化プラスチックが接合されることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかの金属板の成形方法。
本発明によれば、金属板の成形において、金属板の材質、及び、成形工程を変えずに、破断力が必要な部位の破断力を高めて、金属板の成形性を向上させ、絞り成形中の破断を防止することができる。
高強度鋼板の絞り成形におけるパンチの肩部での破断の態様を示す図である。 高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合して破断を防止する態様を示す図である。 高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、補強材として繊維強化プラスチックを接合した態様を示す図である。(a)は、破断力が必要な環状部位に、環状の繊維強化プラスチックを接合した態様を示し、(b)は、(a)に示すブランク材を絞り成形した成形品の断面を示す。 高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、補強材として繊維強化プラスチックを接合した別の態様を示す図である。(a)は、破断力が必要な2重の環状部位に、環状の繊維強化プラスチックをそれぞれ接合した態様を示し、(b)は、(a)に示すブランク材を絞り成形した成形品の断面を示す。 断力が必要な環状部位に、補強材として環状の繊維強化プラスチックのパッチを分割して接合した態様を示す図である。 深絞り成形において、破断懸念部位となることが予想されるパンチ肩の位置を示す図である。 伸びフランジ成形において、破断懸念部位となることが予想されるフランジ端の位置を示す図である。 曲げ成形において、破断懸念部位となることが予想される曲げの位置を示す図である。 張り出し成形において、破断懸念部位となることが予想されるパンチ張り出し部位の位置を示す図である。 断力が必要な部位の予測が難しい複雑な形状の金属板の成形における、補強材を接合する位置を決定するためのフローを示す図である。 高強度鋼板の、破断力が必要な部位に繊維強化プラスチックのシートを接合する方法を示す図である。 高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合しないで絞り成形した場合と、繊維強化プラスチックのシートを接合して絞り成形した場合を示す図である。(a)は、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合しないで絞り成形した場合を示し、(b)は、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合して絞り成形した場合を示す。
本発明の金属板の成形方法は、金属板を成形する成形方法において、破断力が必要な部位(以下「破断懸念部位」という)に、あらかじめ、補強材を接合して絞り成形することを特徴とする。
本発明の成形品は、本発明の成形方法で成形したことを特徴とする。
本発明の成形方法について図面に基づいて説明する。
図2に、本発明の一例として、高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合して破断を防止する態様を示す。
高強度鋼板のブランク材1を、ダイス2の中に、ブランクホルダー4でブランク材1のフランジ部1’を押圧しつつ、パンチ3で押し込んで絞り成形を行う。絞り成形は、パンチ3の肩部3’でのブランク材1の破断力と、ブランク材1のフランジ部1’に作用する引込み力との釣り合いのもとで進行する。
そして、前述したように、フランジ部1’の変形抵抗6が、パンチ3の肩部3’に接するブランク材1の破断力と等しくなったとき、フランジ部1’の変形(ダイス2内への引き込まれ)が停止し、一方、パンチ3の肩部3’に接するブランク材1の部位のみで変形が進行して破断する(図1、参照)。
一方、図2に示す高強度鋼板の絞り成形においては、破断力が必要な部位7に、あらかじめ、補強材として繊維強化プラスチックのシート8を接合して絞り成形する。
ブランク材1の絞り成形において、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、破断力が必要な部位7に繊維強化プラスチックのシート8を接合すると、破断力が必要な部位7において破断力が向上して、絞り成形中、ブランク材1は破断しない。
図2は、高強度鋼板の絞り成形中、繊維強化プラスチックシート8が、破断力が必要な部位7に確実に接合して破断力向上機能を十分に発揮できるよう、繊維強化プラスチックシート8を、絞り成形品の底部を包むように接合した態様を示している。補強材を破断力が必要な部位に接合する態様は、図2に示す接合態様に限定されず、補強材を破断力が必要な部位に確実に接合する限りで、種々の接合態様を採用できる。この点については、別の接合態様を示して後述する。
成形品に、成形品の形状に合わせて、別途、成形した炭素繊維強化プラスチック(CFRP、Carbon Fiber Reinforced Plastic)のシート又はパッチを接着し、成形品の機械特性又は機能性を高める又は補強する手法は知られている(例えば、平成22年度戦略的基盤技術高度化支援事業報告書「自動車構造部材用CFRP−金属ハイブリッド部品のプレス成形加工技術に関する研究」、及び、平成26年度塑性加工春季講演会で発表「筒状態の衝撃曲げ変形におけるCFRP板の補強効果に関する基礎的検討」、参照)。
しかし、本発明の成形方法は、被成形素材(ブランク材)に補強材を成形前に接合して一体化し、該シート又はパッチを接合した部位の成形性を高めることを基本思想とするものであり、この点で、本発明成形方法は、成形後に、成形品に繊維強化プラスチックのシート又はパッチを接着し、成形品の機械特性又は機能性を高める又は補強する上記手法とは基本的に異なるものである。
ブランク材1の成形において、成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、破断力が必要な部位に繊維強化プラスチックシートを接合すると、破断力が必要な部位において破断力が向上して、成形中、ブランク材が破断しないことは、本発明者らが見出した新規な知見であり、本発明の成形方法の特徴である。
図3は、高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのパッチを接合した態様を示す。図3(a)は、破断力が必要な環状部位に、環状の繊維強化プラスチックのパッチを接合した態様であり、図3(b)は、図3(a)に示すブランク材を絞り成形した成形品の断面を示す。
図3(a)に示すブランク材1においては、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な環状の部位を覆うように、補強材として、環状の繊維強化プラスチックシート8aが接合されている。
図3(a)に示すように、高強度鋼板の絞り成形において、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な部位を、絞り成形前に特定することができれば、特定した部位の幅より幅広の繊維強化プラスチックのシートを、特定した部位を完全に覆うように接合して、該部位において破断力を高めて成形性の向上を図ることができる。
図3(b)に示すように、図3(a)に示すブランク材を絞り成形した成形品1aにおいては、繊維強化プラスチックシート8aを接合した、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な部位において、破断は生じない。
図4に、高強度鋼板の絞り成形において、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックパッチを接合した別の態様を示す。図4(a)に、破断力が必要な2重の環状部位に、環状の繊維強化プラスチックのパッチをそれぞれ接合した態様を示し、図4(b)に、図4(a)に示すブランク材を絞り成形した成形品の断面を示す。
図4(a)に示すブランク材1においては、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な2重の環状部位をそれぞれ覆うように、環状の繊維強化プラスチックシート8b及び8cが接合されている。
図4(a)に示すように、高強度鋼板の絞り成形において、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な部位が複数存在しても、該部位の位置を特定することができれば、特定した部位を完全に覆うように繊維強化プラスチックシートを接合して、上記特定した複数の部位において破断力を高めて成形性の向上を図ることができる。
図4(b)に示すように、図4(a)に示すブランク材を絞り成形した成形品1bにおいては、繊維強化プラスチックのシート8b及び8cを接合した、絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な2重の環状部位において、破断は生じない。
図3及び図4には、円形のブランク材に軸対称の絞り成形を施す場合を示したが、ブランク材は円形のブランク材に限定されないし、また、絞り成形は、軸対称の絞り成形に限定されない。
本発明の成形方法によれば、破断力が必要な部位(破断懸念部位)の破断力が向上するので、ブランク材の形状の自由度、成形態様の自由度、及び、成形品の形状の自由度が大きく拡大する。
本発明の成形法においては、ブランク材の絞り成形中に破断の懸念がある部位、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な部位を特定することができれば、特定した部位を覆うように補強材を接合して、上記特定した部位において破断力を高めて破断を防止することができる。
図3及び図4に、破断力が必要な部位に補強材として環状の繊維強化プラスチックのシートを接合する態様を示す。補強材の形状は、特定の形状に限定されず、特定した破断力が必要な部位の形状、位置等に応じて適宜設定すればよい。
図3及び図4は、破断力が必要な部位の外側に、環状の繊維強化プラスチックのシートを接合する態様を示すが、補強材を接合する場所は、破断力が必要な部位の外側に限定されず、破断力が必要な部位の内側、外側、及び、両側のいずれでもよい。補強材を接合する場所は、破断力が必要な部位の形状、位置等に応じて適宜定めればよい。
さらに、補強材を、破断力が必要な部位に接合する場合、適宜分割して接合してもよい。
図5に、破断力が必要な環状部位に、補強材である環状の繊維強化プラスチックを分割して接合した態様を示す。図5においては、環状の繊維強化プラスチックを4分割して、繊維強化プラスチック8a'を環状に並べて接合している。
補強材を分割して接合する場合、分割態様は、特定した破断力が必要な部位の形状、位置等に応じて適宜設定すればよい。
以上、本発明の成形方法を絞り成形を例に説明した。本発明の成形方法は、絞り成形に限定されるものではなく、図6〜9に示すような、種々の成形においても適用可能である。図6〜9に、種々の成形における破断懸念部位を示す。図6は深絞り成形、図7は伸びフランジ成形、図8は曲げ成形、図9は張り出し成形を示す。このような一般的な成形であれば、破断懸念部位の予測は比較的容易である。
具体的には、深絞り成形であればパンチ肩61、伸びフランジ成形であればフランジ端71、曲げ成形であれば曲げ部位81、張出し成形であれば、パンチ張り出し部位91が破断懸念部位となる。したがって、金属板を成形する前に、成形時にこの部位となる位置を覆うように補強材を接合し、成形を行えばよい。
断力が必要な部位の予測が難しい複雑な形状の金属板の成形の場合は、図10に示すように、CAE(computer aided engineering)により補強材を使用しない場合に板厚が減少する破断懸念部位を予測し、破断懸念部位に補強材を接合した場合の成形を再度CAEで解析することにより、補強材を接合する位置を確定すればよい。
補強材は、成形の際に、破断懸念部位にかかる応力を負担できるものであれば、特に材質は問わない。強度と扱いやすさを考慮すると、繊維強化プラスチックのシートや、高強度鋼箔を用いるのが好ましい。繊維強化プラスチックは繊維で強化されたプラスチックであればよく、特定の繊維やプラスチックに限定されない。好適な例としては、炭素繊維強化プラスチックが挙げられる。高強度鋼箔としては、常温での引張強度が600MPa以上となる鋼箔が例示できる。
補強材として繊維強化プラスチックを用いる場合、繊維強化プラスチックの繊維の方向が、破断力が必要な方向に沿うように、具体的には、発生する亀裂を横断するように接合することが好ましい。
補強材は、破断力が必要な部位において破壊耐力の向上を図るものであるから、所要の厚さが必要であるが、特定の厚さに限定されない。補強材の厚さは、ブランク材の材質、絞り成形態様、成形品の形状等を考慮して適宜設定すればよい。
断力が必要な部位に、補強材を接合したブランク材を成形した成形品は、用途に応じ、補強材を取り除いて使用してもよいし、また、補強材を接合したまま使用してもよい。
それゆえ、破断力が必要な部位に、補強材を接合する場合の接合強度は、成形品の用途に応じて適宜選択すればよい。
補強材を破断力が必要な部位に接合する方法は、特に限定されない。補強材が繊維強化プラスチックである場合、接着剤や樹脂を用いるのが好ましい。接着剤や樹脂の種類は特に限定されず、成形品から、補強材を取り外すか、又は、そのままするかを考慮して、接着剤を適宜選択すればよい。補強材が高強度鋼箔であって、成形品から補強材を取り外す必要がなければ、拡散接合により接合しても構わない。
ここで、補強材を接合することにより破断力が向上して成形性が向上する機構について説明する。
一般に、ブランク材をダイスとパンチで絞り成形する場合、パンチの肩部に当接するブランク材の破断力:Pbreakは、下記式(1)で算出できる(塑性加工技術シリーズ13「プレス絞り加工−工程設計と型設計−」(コロナ社)、23頁、参照)。
Pbreak=2πRt0F{2(r+1)(r+2)/3(2r+1)}(n+1)/2(n/e)n
・・・(1)
R:パンチの半径
0:ブランク材の厚さ
r:ランクフォード値
e:ネイピア数(自然対数の底)
F、n:Swiftの式のパラメーター
ブランク材の破断懸念部位(絞り成形中に破断の懸念がある部位)、すなわち、パンチの肩部に当接し、破断力が必要な部位を、補強材で補強したときのブランク材の破断力:P'breakは、下記式(2)で定義することができる。
P'break=Pbreak+2πRtfrpTSfrp ・・・(2)
P'break:パンチの肩部に当接するブランク材の破断力
R:パンチの半径
frp:補強材の厚さ
TSfrp:補強材の引張強度
上記式(2)に示すように、ブランク材の破断懸念部位に、繊維強化プラスチックのシート又はパッチを補強材として接合すれば、接合後の破壊耐力:P'breakは、ブランク材の破壊耐力:Pbreakを超えるので、上記破断懸念部位において成形性の向上を見込むことができる。このように、本発明の成形方法は、理論的にも裏付けることができる。
本発明の成形方法は被加工材である金属板、成形内容によらず効果を発揮する。特に、成形性が低くなる傾向にある、引張強度が590MPa以上の高強度鋼板の成形には大きな効果を発揮する。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
図11に示すように、厚さ1.0mm、直径108mmのブランク材(デュアルフェーズ鋼)112の上に、厚さ0.7mm、直径58mmの接着剤シート(ポリプロピレン樹脂シート)113と、厚さ0.23mm、直径58mmの炭素繊維強化プラスチックのシート111を、この順序で重ね、温間圧着機114で、180℃で1分加熱した後、0.049MPa(≒5tonf/m)で1分加圧して空冷し、炭素繊維強化プラスチック111をブランク材112に接合した。
炭素繊維強化プラスチック111を接合したブランク材112を、比較例で用いたパンチとダイスを用いて絞り成形した。
(比較例)
板厚1.0mm、直径108mmのブランク材(デュアルフェーズ鋼)を、次のパンチとダイスを用いて絞り成形した。
パンチ肩:R5 パンチ直径:50mm
ダイス肩:R5 ダイス直径:60mm
ブランクホルダー圧:0.098MPa(≒10tonf/m
結果を、図12に示す。(a)が、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合しないで絞り成形した比較例であり、(b)が、破断力が必要な部位に、繊維強化プラスチックのシートを接合して絞り成形した実施例の結果である。
本発明によれば、金属板の成形において、金属板の材質、及び、成形工程を変えずに、破断力が必要な部位の破断力を高めて、金属板の成形性を向上させ、成形中の破断を防止することができる。本発明は被加工材である金属板、成形内容によらず効果を発揮する。特に、成形性が低くなる傾向にある、高強度鋼板の絞り成形、張出し成形、伸びフランジ成形、曲げ成形には大きな効果を発揮する。本発明は、金属製品製造産業において利用可能性が高いものである。
1 ブランク材
1’ フランジ部
1a、1b 成形品
2 ダイス
3 パンチ
3’ 肩部
4 ブランクホルダー
5 破断
6 変形抵抗
7 破断力が必要な部位
8 繊維強化プラスチックのシート
8a、8a' 繊維強化プラスチックの補強材
8b、8c 繊維強化プラスチックの補強材
61 パンチ肩
71 フランジ端
81 曲げ部位
91 パンチ張り出し部位
111 炭素繊維強化プラスチックのシート
112 ブランク材
113 接着剤シート
114 温間圧着機

Claims (4)

  1. 金属板を成形する方法であって、所定の成形前に金属板の、前記成形時の破断懸念部位の外部表面に繊維強化プラスチックを接合し、その後記金属板を前記成形することを特徴とする金属板の成形方法。
  2. 前記破断懸念部位が、CAE(computer aided engineering)により、前記繊維強化プラスチックを使用しない場合に、前記金属板の板厚が減少すると予測される部位であることを特徴とする請求項1に記載の金属板の成形方法。
  3. 前記金属板が引張強度が590MPa以上の高強度鋼板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属板の成形方法。
  4. 前記繊維強化プラスチックの繊維の方向が、前記金属板の前記破断懸念部位の断力作用する方向に沿うように前記繊維強化プラスチックが接合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属板の成形方法。
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