JP6477756B2 - 有機ガラス積層用フィルム、及び積層有機ガラス - Google Patents

有機ガラス積層用フィルム、及び積層有機ガラス Download PDF

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本発明は、有機ガラスの片面に対して破砕性を付与できる有機ガラス積層用フィルム、及び当該有機ガラス積層用フィルムを利用した積層有機ガラスに関する。
人類にとって地球温暖化への対応は避けて通ることができず、社会的に地球温暖化抑制のために二酸化炭素の排出を抑制することが要請されている。自動車分野でも、二酸化炭素の排出量を減らして環境負荷を軽減するために、自動車の軽量化が進められている。このような自動車の軽量化対策として、自動車に使用されるガラスを有機ガラス(樹脂ガラス)に置き換える試みがなされている。
従来、有機ガラスの樹脂材料として、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ABS等が知られており、中でも、ポリカーボネートは、耐衝撃性、耐熱性、透明性等に優れており、自動車の窓用の有機ガラスとして検討が進められている。
しかしながら、ポリカーボネートは、一般に表面硬度が低く、耐傷性が劣るという欠点がある。更に、ポリカーボネートは、他の樹脂に比べて耐溶剤性が低いという欠点もある。そこで、このようなポリカーボネートの欠点を克服するために、ポリカーボネートを複層化させた積層有機ガラスが開発されている。例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂基板の少なくとも片面に対して、その基板よりも肉薄のキャスティング成形されたアクリル系樹脂板を接着剤で接合することにより、アクリル系樹脂板によって表面硬度が高められ、前述するポリカーボネートの欠点が克服できることが報告されている。また、特許文献2には、耐溶剤性フィルムの少なくとも一面に水との接触角が70°以下の親水性膜が積層されてなる親水性膜被覆耐溶剤性フィルムを、該親水性膜を表面にしてポリカーボネート板の少なくとも一面に積層することにより、耐溶剤性を備えさせ得ることが報告されている。
一方、自動車用窓には、安全面から、外部からの衝撃に強い耐衝撃性を備えていることのみならず、非常時に窓を割って脱出できるように破砕性を備えていることが求められており、有機ガラス製の自動車用窓を実用化する上で、ポリカーボネートのように耐衝撃性の優れた有機ガラスの片面に破砕性を備えさせる技術の確立が不可欠となっている。しかしながら、従来、有機ガラスについては、耐傷性や耐溶剤性等の物性を付与する技術については精力的に検討されているものの、破砕性を付与する技術については十分な検討がなされていないのが現状である。
特開平9−239936号公報 特開2007−152848号公報
本発明は、有機ガラスの片面に対して、優れた破砕性を付与できる有機ガラス積層用フィルムを提供することを目的とする。更に、本発明は、当該有機ガラス積層用フィルムを利用した積層有機ガラスを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、900〜2500MPaのアクリルフィルムの片面に、硬化性樹脂を含む表面保護層を少なくとも有する有機ガラス積層用フィルムは、ポリカーボネート等の有機ガラスの片面に積層させると、有機ガラスの片面に優れた破砕性を付与できることを見出した。即ち、当該有機ガラス積層用フィルムをポリカーボネート等の有機ガラスの片面に積層させた積層有機ガラスにおいて、当該フィルム側は耐衝撃性を有しつつ、有機ガラス側(当該フィルムとは反対側)はハンマー等による衝撃に対して優れた破砕性を備え得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルムの片面に、硬化性樹脂を含む表面保護層を少なくとも有することを特徴とする、有機ガラス積層用フィルム。
項2. 上記硬化性樹脂が、電離放射線硬化性樹脂及び/又は2液反応硬化性樹脂である、項1に記載の有機ガラス積層用フィルム。
項3. 上記アクリルフィルムと表面保護層の間にプライマー層を含む、項1又は2に記載の有機ガラス積層用フィルム。
項4. 上記アクリルフィルムの厚さが50〜300μmである、項1〜3のいずれかに記載の有機ガラス積層用フィルム。
項5. ポリカーボネートに積層して使用される、項1〜4のいずれかに記載の有機ガラス積層用フィルム。
項6. 自動車の窓用の有機ガラスに積層して使用される、項1〜5のいずれかに記載の有機ガラス積層用フィルム。
項7. 少なくとも有機ガラス層、900〜2500MPaのアクリルフィルム、及び硬化性樹脂を含む表面保護層を順に有することを特徴とする、積層有機ガラス。
項8. 上記有機ガラス層がポリカーボネートで形成されている、項7に記載の積層有機ガラス。
項9. 自動車の窓用である、項7又は8に記載の積層有機ガラス。
本発明の有機ガラス積層用フィルムは、基材として特定の引張弾性率を備えるアクリル樹脂を選択し、且つ特定の樹脂成分で形成した表面保護層を積層させることにより、フィルム状の薄い素材でありながらも、ポリカーボネート等の有機ガラスの片面に破砕性を備えさせることが可能になっている。即ち、本発明の有機ガラス積層用フィルムは、有機ガラスの片面に積層させることにより、当該フィルムを積層させた側からの衝撃に対しては耐性を備えつつも、当該フィルムとは反対側にハンマー等による衝撃を与えると破砕でき、有機ガラスに対して耐衝撃性と破砕性という相反する特性を満足させることが可能になっている。従って、本発明の有機ガラス積層用フィルムを有機ガラスの片面に積層させた積層有機ガラスは、車両用(特に自動車用)の窓として好適に使用され、通常時に必要とされる耐衝撃性と、非常時に必要とされる破砕性を具備することができる。
更に、本発明の有機ガラス積層用フィルムは、全体の厚さが薄く、有機ガラスと一体成形した後に端部のトリミングが容易であり、また射出成形同時加飾法(例えば、サーモジェクト法)によって有機ガラスと一体成形も可能であるので、積層有機ガラスの生産効率の向上にも資することができる。
本発明の有機ガラス積層用フィルムの一形態の断面構造を示す図である。 本発明の積層有機ガラスの一形態の断面構造を示す図である。
1.有機ガラス積層用フィルム
本発明の有機ガラス積層用フィルムは、引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルムの片面に、硬化性樹脂を含む表面保護層を少なくとも有することを特徴とする。図1に、本発明の有機ガラス積層用フィルムの好適な一態様について、その断面構造を示す。以下、本発明の有機ガラス積層用フィルムについて、詳述する。
(1)アクリルフィルム
本発明の有機ガラス積層用フィルムにおいて、基材として引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルムを使用する。本発明では基材として特定の引張弾性率を満たすアクリルフィルムを選択し、且つ後述する特定組成の表面保護層を組み合わせて積層化することにより、有機ガラスに優れた破砕性を付与することが可能になっている。
本発明において、アクリルフィルムとは、アクリル樹脂で形成されたフィルムである。アクリルフィルムの原料として使用されるアクリル樹脂としては、所定の引張弾性率を満たす限り、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。これらの共重合体はランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれであってもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、他の類似するものも同様の意である。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アクリル樹脂としては、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル/(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
本発明で使用されるアクリルアクリルフィルムは、これらの中から、1種のアクリル樹脂を単独で用いて形成してもよく、また2種以上のアクリル樹脂を組み合わせて形成してもよい。
これらのアクリル樹脂の中でも、有機ガラスに付与する破砕性をより一層向上させるという観点から、好ましくは少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを構成単位として含むアクリル樹脂が挙げられる。
本発明ではアクリルフィルムとして、引張弾性率が900〜2500MPaを満たすものを選択して使用する。このような引張弾性率を満たすアクリルフィルムを使用することによって、後述する特定組成の表面保護層との相互作用により、有機ガラスに優れた破砕性を付与することが可能になる。有機ガラスに付与する破砕性をより一層向上させるという観点から、アクリルフィルムの引張弾性率が、好ましくは900〜1500MPa、更に好ましくは1000〜1400MPaが挙げられる。
なお、本明細書において、アクリルフィルムの引張弾性率は、以下の方法にて測定される値である。
アクリルフィルムを流れ方向(MD)が長辺になるように幅1インチ、長さ120ミリメートルに切り出した試験片(長方形)を、25℃の温度環境にて、引張圧縮試験機(オリエンテック(株)製テンシロンRTC−1250A)を用い、引張速度1000mm/分、チャック間距離100mmの条件で測定して得られた引張応力−ひずみ曲線の初めの直線部分から、次の式に従って算出した。
E=Δρ/Δε
E:引張弾性率
Δρ:直線上の2点間の元平均断面積による応力差
Δε:同じ2点間のひずみ差
このような引張弾性率を備えるアクリルフィルムは、原料として使用されるアクリル樹脂の種類、フィルムの厚さ、製造条件等を適宜設定することにより得ることができる。
また、本発明で使用されるアクリルフィルムには、アクリル樹脂に加えて、必要に応じて、各種添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、可塑剤、安定剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等が挙げられる。
また、本発明で使用されるアクリルフィルムには、必要に応じて、コロナ放電、グロー放電、UV照射等の表面処理に供されたものであってもよい。
本発明で使用されるアクリルフィルムの厚さとしては、所定の引張弾性率を満たす限り、特に制限されないが、通常50〜300μm、好ましくは75〜200μm、更に好ましくは75〜150μmが挙げられる。本発明の有機ガラス積層用フィルムは、このようなフィルム状の薄いアクリル樹脂を基材として使用していながらも、後述する特定組成の表面保護層との組み合わせによって有機ガラスに破砕性を付与できる。
本発明で使用されるアクリルフィルムの製造方法については、特に制限されず、例えば、溶融製膜法又は溶液製膜法によってアクリル樹脂を製膜した後に、縦延伸(MD延伸)、横延伸(TD延伸)等の延伸処理に供することによって製造することができる。
(2)プライマー層
本発明の有機ガラス積層用フィルムにおいて、アクリルフィルムと表面保護層との密着性を向上させるために、必要に応じて、これらの間にプライマー層を設けてもよい。
プライマー層は、バインダー樹脂を用いて形成される。バインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル/ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、好ましくはウレタン樹脂が挙げられる。
上記ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。
上記ウレタン樹脂の中でも、架橋後の表面保護層との密着性の向上、表面保護層を積層後の相互作用の低減、成形性の向上等の観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせ;更に好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせが挙げられる。
プライマー層の厚さについては、特に制限されないが、例えば0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmが挙げられる。
プライマー層は、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により、バインダー樹脂を含むプライマー層形成用の樹脂組成物をアクリルフィルム上に塗工することにより形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層や接着層の塗膜を形成し、その後にアクリルフィルム表面に被覆する方法である。
(3)表面保護層
本発明の有機ガラス積層用フィルムでは、アクリルフィルム上、又はプライマー層を設ける場合にはプライマー層上に、硬化性樹脂を含む表面保護層が設けられる。このように表面保護層を形成する樹脂として、硬化性樹脂を使用することにより、上記アクリルフィルムとの相互作用に基づいて、有機ガラスに破砕性を付与することが可能になる。
<樹脂成分>
表面保護層の形成に使用される硬化性樹脂については、架橋することにより硬化する樹脂であることを限度として特に制限されない。表面保護層の形成に使用される硬化性樹脂として、例えば、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、1液反応硬化性樹脂、2液反応硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。
表面保護層に使用される硬化性樹脂の内、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、1液反応硬化性樹脂、又は2液反応硬化性樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の硬化反応の態様としては特に制限されないが、例えば、以下のような態様がある。エポキシ樹脂は、アミン、酸触媒、カルボン酸、酸無水物、水酸基、ジシアンジアミド又はケチミンとの反応;フェノール樹脂は、塩基触媒と過剰なアルデヒドとの反応;ユリア樹脂はアルカリ性又は酸性下での重縮合反応;不熱硬化型ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸とジオールとの共縮合反応;メラミン樹脂はメチロールメラミンの加熱重縮合反応;アルキド樹脂は、側鎖等に導入された不飽和基同士の空気酸化による反応;ポリイミド樹脂は、酸又は弱アルカリ触媒の存在下での反応、又はイソシアネート化合物との反応(2液型の場合);シリコーン樹脂は、シラノール基の酸触媒の存在下での縮合反応;熱硬化型アクリル樹脂は、水酸基官能性アクリル樹脂の場合であれば、水酸基と自身が持つアミノ樹脂との反応(1液型の場合)、又はカルボキシル官能性アクリル樹脂の場合であれば、アクリル酸又はメタクリル酸等のカルボン酸とエポキシ化合物による反応;ウレタン樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂とイソシアネート化合物又はその変性物との反応等が挙げられる。熱硬化性樹脂には、必要に応じて、上記硬化反応を進行させるために、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等が使用される。これらの硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
表面保護層に使用される硬化性樹脂の内、電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合したものが挙げられる。ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線が用いられる。電離放射線硬化性樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート酸を付加することにより得ることができる。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの硬化性樹脂は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<好ましい樹脂成分>
前述する硬化性樹脂の中でも、有機ガラスに付与する破砕性をより一層向上させるという観点から、好ましくは2液反応硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、更に好ましくは電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。
(好ましい2液反応硬化性樹脂)
表面保護層の形成に2液反応硬化性樹脂を使用する場合、好適な一態様として、2液反応硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。2液反応硬化型ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。これらの2液反応硬化型ウレタン樹脂の中でも、有機ガラスに付与する破砕性をより一層向上させるという観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせ;更に好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせが挙げられる。
(好ましい電離放射線硬化性樹脂)
表面保護層の形成に電離放射線硬化性樹脂を使用する場合、好適な態様として、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと多官能(メタ)アクリレートモノマーを組み合わせた混合樹脂;少なくともポリカーボネートメタアクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂;及び電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を組み合わせた混合樹脂が挙げられる。以下、これらの電離放射線硬化性樹脂の使用態様について説明する。
[多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと多官能(メタ)アクリレートモノマーを組み合わせた混合樹脂]
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと多官能(メタ)アクリレートモノマーを組み合わせて表面保護層の形成を行う場合、これらの組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、2〜10官能の(メタ)アクリレートオリゴマーと2〜6官能の(メタ)アクリレートモノマーの組み合わせ、好ましくは3〜8官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと2〜4官能の(メタ)アクリレートモノマーの組み合わせ、更に好ましくは3〜4官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと2官能の(メタ)アクリレートモノマーの組み合わせが挙げられる。
また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと多官能(メタ)アクリレートモノマーを組み合わせる場合、これらの比率としては、例えば、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー:多官能(メタ)アクリレートモノマーの質量比が、90:10〜10:90、好ましくは60:40〜10:90が挙げられる。
[少なくともポリカーボネートメタアクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂]
ポリカーボネートメタアクリレートを表面保護層の形成に使用する場合、電離放射線硬化性樹脂としてポリカーボネートメタアクリレートを単独で使用してもよく、またポリカーボネートメタアクリレートと他の電離放射線硬化性樹脂を組み合わせ含むものであってもよい。有機ガラスに付与する破砕性をより一層向上させるという観点から、好ましくは、ポリカーボネートメタアクリレートと多官能(メタ)アクリレートの組み合わせが挙げられる。
ポリカーボネートメタアクリレートと併用される多官能(メタ)アクリレートとしては、前述する多官能(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマーのいずれか一方でも、またこれらの双方でもよいが、好ましくは多官能(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。とりわけ、好ましくは多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、更に好ましくは3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、特に好ましくは6官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
また、ポリカーボネートメタアクリレートと多官能(メタ)アクリレートを組み合わせる場合、これらの比率としては、例えば、ポリカーボネートメタアクリレート:多官能(メタ)アクリレートの質量比が、98:2〜50:50、好ましくは95:5〜60:40が挙げられる。
以下、ポリカーボネートメタアクリレートについて説明する。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されない。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、通常2個以上、好ましくは2〜10個が挙げられる。
上記ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールの水酸基の一部又は全てを(メタ)アクリレート(アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)に変換して得られる。このエステル化反応は、通常のエステル化反応によって行うことができる。例えば、1)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとを、塩基存在下に縮合させる方法、2)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸無水物又はメタクリル酸無水物とを、触媒存在下に縮合させる方法、或いは3)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸とを、酸触媒存在下に縮合させる方法等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端又は側鎖に2個以上、好ましくは2〜50個、更に好ましくは3〜50個の水酸基を有する重合体である。当該ポリカーボネートポリオールの代表的な製造方法は、ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とから重縮合反応による方法が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるジオール化合物(A)は、一般式HO−R1−OHで表される。ここで、R1は、炭素数2〜20の2価炭化水素基であって、基中にエーテル結合を含んでいても良い。例えば、直鎖、又は分岐状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基である。
上記ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジオールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリカーボネートポリオールの原料として用いられる3価以上の多価アルコール(B)の例としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等のアルコール類が挙げられる。また、当該3価以上の多価アルコールは、上記多価アルコールの水酸基に対して、1〜5当量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、あるいはその他のアルキレンオキシドを付加させた水酸基を有するアルコール類であってもよい。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるカルボニル成分となる化合物(C)は、炭酸ジエステル、ホスゲン、又はこれらの等価体の中から選ばれるいずれかの化合物である。当該化合物として、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸ジエステル類;ホスゲン;クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニル等のハロゲン化ギ酸エステル類等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、上記ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とを、一般的な条件下で重縮合反応することにより合成される。ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)との仕込みモル比は、例えば、50:50〜99:1の範囲に設定すればよい。また、ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)とに対する、カルボニル成分となる化合物(C)の仕込みモル比は、例えば、ジオール化合物及び多価アルコールの持つ水酸基に対して0.2〜2当量の範囲に設定すればよい。
上記の仕込み割合で重縮合反応した後のポリカーボネートポリオール中に存在する水酸基の当量数(eq./mol)としては、例えば、1分子中に平均して3以上、好ましくは3〜50、更に好ましくは3〜20が挙げられる。このような等量数を充足すると、後述するエステル化反応によって必要な量の(メタ)アクリレート基が形成され、またポリカーボネート(メタ)アクリレート樹脂に適度な可撓性が付与される。なお、このポリカーボネートポリオールの末端官能基は、通常はOH基であるが、その一部がカーボネート基であってもよい。
以上説明したポリカーボネートポリオールの製造方法は、例えば、特開昭64−1726号公報に記載されている。また、このポリカーボネートポリオールは、特開平3−181517号公報に記載されているように、ポリカーボネートジオールと3価以上の多価アルコールとのエステル交換反応によっても製造することができる。
上記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの分子量については、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量が500以上、好ましくは1,000以上、更に好ましくは2,000を超える範囲であることが挙げられる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は、特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御するという観点から、例えば、100,000以下、好ましくは50,000以下が挙げられる。上記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量として、成形性をより一層向上させるという観点から、好ましくは2,000を超え50,000以下、更に好ましくは5,000〜20,000が挙げられる。
なお、本明細書におけるポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
[電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の組み合わせ]
電離放射線硬化性樹脂と併用される熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;塩化ビニル樹脂;ウレタン樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂;エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリイミド;ポリ乳酸;ポリビニルアセタール樹脂;液晶性ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの熱可塑性樹脂の中でも、有機ガラスに付与する破砕性をより一層向上させるという観点から、好ましくはアクリル樹脂が挙げられる。とりわけ、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするアクリル樹脂が好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂と併用されるアクリル樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例、(メタ)アクリル酸エステルと共重合される他のモノマーの具体例等については、上記アクリルフィルムを形成するアクリル樹脂の場合と同様である。
電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの組み合わせ態様としては、例えば、多官能性(メタ)アクリレートモノマーとアクリル樹脂の組み合わせ、更に好ましくはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸エステルを構成単位して含むアクリル樹脂の組み合わせが挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの混合比については、特に制限されないが、例えば、電離放射線硬化性樹脂:熱可塑性樹脂の質量比が、10:90〜75:25、好ましくは25:75〜75:25が挙げられる。
<他の添加成分>
表面保護層には、備えさせるべき所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
<表面保護層の厚さ>
表面保護層の厚さについては、特に制限されないが、例えば、1〜100μm、好ましくは5〜75μm、更に好ましくは10〜60μmが挙げられる。このような範囲の厚さを満たすと、有機ガラスに対する破砕性を効果的に備えさせることができる。
<表面保護層の形成>
表面保護層の形成は、使用する硬化性樹脂の種類に応じた方法を採用すればよい。
例えば、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、1液反応硬化性樹脂、又は2液反応硬化性樹脂を使用する場合であれば、これらの樹脂と必要に応じて各種添加剤を混合した表面保護層用の樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で離型層に塗工し、必要に応じて加熱を行うことにより、当該樹脂組成物を硬化させればよい。
また、電離放射線硬化性樹脂を使用する場合又は電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を組み合わせて使用する場合であれば、電離放射線硬化性樹脂と、必要に応じて熱可塑性樹脂と、必要に応じて各種添加剤とを混合した樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で離型層に塗工し、当該樹脂組成物に電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化させればよい。
電離放射線硬化性樹脂の硬化に電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる電離放射線硬化性樹脂の種類や表面保護層層の厚み等に応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
かくして形成された表面保護層には、各種の添加剤を添加することにより、ハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行ってもよい。
(4)有機ガラス積層用フィルムの厚さ、用途、製造方法
本発明の有機ガラス積層用フィルムの厚さとしては、アクリルフィルムの厚さ、表面保護層の厚さ、プライマー層の有無等によって異なるが、通常、50〜300μm、好ましくは75〜250μm、更に好ましくは100〜200μmが挙げられる。このように、本発明の有機ガラス積層用フィルムでは、薄いフィルム状であるにも拘わらず、アクリルフィルムと特定組成の表面保護層の組み合わせを採用することにより、ポリカーボネート等の有機ガラスに対して破砕性を付与することができる。また、本発明の有機ガラス積層用フィルムは、薄いフィルム状であるので、成形後のトリミングも容易に行えるという利点もある。
本発明の有機ガラス積層用フィルムは、有機ガラスの一方面に積層させることにより、当該有機ガラスの片面に対して破砕性を付与することができる。本発明の有機ガラス積層用フィルムにおいて、適用対象となる有機ガラスの種類、有機ガラスへの積層方法等については、後述する通りである。
本発明の有機ガラス積層用フィルムは、アクリルフィルムの片面に、必要に応じてプライマー層を形成した後に、硬化性樹脂を含む樹脂組成物を塗布し、硬化させることによって製造される。各層の形成に使用される成分、各層の形成方法の具体的条件等については、上記で述べた通りである。
2.積層有機ガラス
本発明の積層有機ガラスは、有機ガラスと本発明の有機ガラス積層用フィルムを一体化させることにより製造されものであり、少なくとも有機ガラス層、900〜2500MPaのアクリルフィルム、及び硬化性樹脂を含む表面保護層を順に有することを特徴とする。図2に、本発明の有機ガラスの好適な一態様について、その断面構造を示す。
本発明の積層有機ガラスは、有機ガラス積層用フィルム側(表面保護層側)からの衝撃に対しては強い耐性を備えつつ、有機ガラス層側に車脱出用のセフティーハンマー等で衝撃を与えると破砕でき、優れた破砕性も備えている。
本発明の積層有機ガラスにおいて、有機ガラス層に使用される有機ガラスの種類については、ガラスとしての機能を備え得るものである限り、特に制限されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ABS等が挙げられる。これらの有機ガラスの中でも、ポリカーボネートは耐衝撃性や透明性に優れており、好適に使用される。
有機ガラス層としてポリカーボネートを使用する場合、そのメルトボリュームレート(MVR)としては、通常6〜25cm3/10分程度、好ましくは6〜12cm3/10分程度であればよい。メルトボリュームレートが低いほど、優れた耐衝撃性を発揮するため、セーフティーハンマーの衝撃による破砕性との両立に卓越しており、自動車の窓用(例えば、フロントドアウインドウ、リアドアウインドウ、サンルーフ等)として好適に使用される。当該メルトボリュームレートは、JIS K 7210−1999に準拠し、温度300℃、荷重1.2kgfの条件にて測定される値である。
有機ガラス層の厚さについては、積層有機ガラスの用途等に応じて適宜設定されるが、優れた耐衝撃性と破砕性を両立させるという観点から、例えば、2〜7mm、好ましくは3〜5mmが挙げられる。
本発明の積層有機ガラスの用途については、特に制限されないが、耐衝撃性と破砕性を併せ持つという効果に鑑みれば、自動車、鉄道等の車両用の窓、好ましくは自動車用の窓が挙げられる。自動車用の窓としては、具体的には、サイドウインドウ、リアウインドウ、サンルーフ等が挙げられる。なお、本発明の積層有機ガラスを車両用の窓として使用する場合、有機ガラス積層用フィルム側(表面保護層側)を車両の外側、有機ガラス層を車両内部になるように配置される。
本発明の積層有機ガラスは、本発明の有機ガラス積層用フィルムに有機ガラスを射出成型により一体化することに製造される。具体的には、本発明の積層有機ガラスは、本発明の有機ガラス積層用フィルムを用いて、射出成形同時加飾法(例えば、サーモジェクト法)、インサート成形法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法により作製される。これらの射出成形法の中でも、好ましくは射出成形同時加飾法、及びインサート成形法、更に好ましくは射出成形同時加飾法、特に好ましくはサーモジェクト成形法が挙げられる。
具体的には、射出成形同時加飾法を用いて本発明の積層有機ガラスを製造する場合であれば、下記第1〜3工程を実施すればよい。
第1工程:型開き状態の雌雄一対の金型の間に、本発明の有機ガラス積層用フィルムを、当該有機ガラス積層用フィルムの表面保護層面がキャビティ側に向くように供給して、固定する。サーモジェクト成型法の場合であれば、更に、当該加飾シートのアクリルフィルム側を加熱、軟化させると共に、表面保護層側と対面している金型側から真空吸引して、軟化した有機ガラス積層用フィルムを当該可動金型の形状に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する。
第2工程:両金型を型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の有機ガラスを射出、充填して固化させることにより、形成された有機ガラスと有機ガラス積層用フィルムを積層一体化させる。
第3工程:可動金型を固定金型から離間させて、有機ガラスと有機ガラス積層用フィルムが一体化された積層有機ガラスを取り出す。
また、インサート成形法を用いて本発明の積層有機ガラスを製造する場合であれば、下記第I〜III工程を実施すればよい。
第I工程:本発明の有機ガラス積層用フィルムを真空成形型により予め立体形状に成形する。
第II工程:真空成形された有機ガラス積層用フィルムの余分な部分をトリミングして成形シートを得る工程、及び
第III工程:第II工程で得られた成形有機ガラス積層用フィルムを射出成形型に挿入(表面保護層が射出される有機ガラス側)し、射出成形型を閉じ、流動状態の有機ガラスを型内に射出して有機ガラスと有機ガラス積層用フィルムを一体化する。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
[有機ガラス積層用フィルムの製造]
実施例1〜3、5〜7、及び比較例3
アクリルフィルムの上に、電離放射線硬化性樹脂を含む表面保護層形成用の樹脂組成物をバーコーターにて塗布し、当該樹脂組成物に対して、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。斯して、アクリルフィルム上に表面保護層が積層されている有機ガラス積層用フィルムを製造した。なお、各実施例及び比較例において、使用したアクリルフィルムの引張弾性率及び厚さ、表面保護層の形成に使用した樹脂組成物、表面保護層の硬化後の厚さについては、表1に示す通りである。なお、以下に示すポリカーボネートのMVRは、前述する測定条件にて測定された値である。
実施例4
アクリルフィルムの上に、プライマー層形成用の樹脂組成物をバーコーターにて塗布し、プライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、表面保護層形成用の樹脂組成物をバーコーターにて塗布し、当該樹脂組成物に対して、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。斯して、アクリルフィルム上にプライマー層及び表面保護層が順に積層されている有機ガラス積層用フィルムを製造した。なお、実施例4において、使用したアクリルフィルムの引張弾性率及び厚さ、プライマー層の形成に使用した樹脂組成物、プライマー層の厚さ、表面保護層の形成に使用した樹脂組成物、表面保護層の硬化後の厚さについては、表1に示す通りである。
実施例8
アクリルフィルムの上に、表面保護層形成用の樹脂組成物をバーコーターにて塗布した後に、50℃24時間養生することにより当該樹脂組成物を硬化させて表面保護層を形成した。斯して、アクリルフィルム上に表面保護層が積層されている有機ガラス積層用フィルムを製造した。なお、実施例8において、使用したアクリルフィルムの引張弾性率及び厚さ、表面保護層の形成に使用した樹脂組成物、表面保護層の硬化後の厚さについては、表1に示す通りである。
比較例1
表1に示す引張弾性率及び厚さのアクリルフィルム(単層フィルム)を有機ガラス積層用フィルムとした。
比較例2
アクリルフィルムの上に、表面保護層形成用の樹脂組成物をバーコーターにて塗布することにより、アクリルフィルム上に表面保護層が積層されている有機ガラス積層用フィルムを製造した。なお、比較例2において、使用したアクリルフィルムの引張弾性率及び厚さ、表面保護層の形成に使用した樹脂組成物、表面保護層の厚さについては、表1に示す通りである。
[積層有機ガラスの製造]
実施例1〜8及び比較例1〜3の各有機ガラス積層用フィルムを用いて、サーモジェクト法によって積層有機ガラスを製造した。具体的には、先ず、有機ガラス積層用フィルムのアクリルフィルム側を金型の内側(射出樹脂側)に向けて配設し、熱盤温度を350℃に設定して当該フィルムが100℃になるように加熱し、当該フィルムを金型内形状に沿うように予備成形(真空成型)して金型内面に密着させて型締した。金型は、80mm角の大きさで、絞り3mm、コーナー部11Rのトレー状のものを用いた。次いで、射出用樹脂として下記ポリカーボネート樹脂Aを用いて、これを310℃にて溶融状態にした後に金型のキャビティ内に射出した。その後、金型温度が90℃になってから、ポリカーボネート板(厚さ3mm)と有機ガラス積層用フィルムが一体化Dを取り出した。
また、実施例1〜7、比較例1及び2の各有機ガラス積層用フィルムと、有機ガラスとして下記ポリカーボネート樹脂Bを使用した場合についても、上記と同条件で積層有機ガラスを製造した。
ポリカーボネート樹脂A:「パンライトL−1250Z100」、MVR:8cm3/10分、帝人化成株式会社製
ポリカーボネート樹脂B:「パンライトL−1225Z100」、MVR:12cm3/10分、帝人化成株式会社製
[積層有機ガラスの破砕性の評価]
各積層有機ガラスのポリカーボネート板側(有機ガラス積層用フィルムとは反対側)から、車脱出用のセーフティーハンマー(市販品)を用いて衝撃を与え、積層有機ガラスの状態を観察し、下記判定基準に従って破砕性を評価した。
(破砕性の判定基準)
○:ポリカーボネート板に亀裂の進展が見られた。
×:ポリカーボネート板に亀裂が生じなかった。
[評価結果]
得られた結果を表1に示す。この結果から、引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルムに硬化性樹脂を含む表面保護層を形成した有機ガラス積層用フィルムを使用した積層有機ガラスでは、セーフティーハンマーの衝撃によって破砕できることが確認された(実施例1〜8)。これに対して、引張弾性率が900〜2500MPaを満たさないアクリルフィルムを使用すると、硬化性樹脂を含む表面保護層を形成した場合(比較例3)、又は表面保護層を形成していない場合(比較例1)では、積層有機ガラスはセーフティーハンマーの衝撃によって破砕できなかった。また、引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルムに、熱可塑性樹脂からなる表面保護層を形成した場合(比較例2)でも、積層有機ガラスはセーフティーハンマーの衝撃によって破砕できなかった。以上の結果から、引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルム上に、硬化性樹脂を含む表面保護層を積層させることによって、有機ガラスに優れた破砕性を備えさせ得ることが明らかとなった。なお、実施例1〜8の有機ガラス積層用フィルムをポリカーボネート板に積層させた積層有機ガラスは、いずれも、当該フィルム側からの衝撃には強い強度を備えていた。
Figure 0006477756
[表1の脚注]
アクリルフィルム
使用した各アクリルフィルムは以下の通りである。
(A)
構成樹脂:引張弾性率:1362MPa、厚さ125μm
(B)
構成樹脂:引張弾性率:1088MPa、厚さ125μm
(C)
構成樹脂:引張弾性率:827MPa、厚さ125μm
なお、各アクリルフィルムの引張弾性率は、以下の方法にて測定した。
アクリルフィルムを流れ方向(MD)が長辺になるように幅1インチ、長さ100ミリメートルに切り出した試験片(長方形)を、25℃の温度環境にて、引張圧縮試験機(オリエンテック(株)製テンシロンRTC−1250A)を用い、引張速度1000mm/分、チャック間距離100mmの条件で測定して得られた引張応力−ひずみ曲線の初めの直線部分から、次の式に従って算出した。
E=Δρ/Δε
E:引張弾性率
Δρ:直線上の2点間の元平均断面積による応力差
Δε:同じ2点間のひずみ差
表面保護層形成用の樹脂組成物
表面保護層の形成に使用した各樹脂組成物の組成は以下の通りである。
(EB1)
4官能ウレタンアクリレート:30質量部
2官能アクリレートモノマー:70質量部
(EB2)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量:10,000):94質量部
6官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量:6,000):6質量部
(EB3)
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート:40質量部
アクリルポリマー(重量平均分子量120,000):60質量部
(2液硬化性樹脂)
アクリルポリオール(ガラス転移温度:約90℃):100質量部
キシリレンジイソシアネート系硬化剤:10質量部
上記アクリルポリオールとキシリレンジイソシアネート系硬化剤を用時に混合して使用した。
(熱可塑性樹脂)
アクリル樹脂(構成モノマーとしてメタクリル酸メチル含有):100質量部
プライマー層形成用の樹脂組成物
プライマー層の形成に使用した2液硬化性樹脂の組成は以下の通りである。
(2液硬化性樹脂)
アクリルポリオール(ガラス転移温度:約90℃):100質量部
キシリレンジイソシアネート系硬化剤:10質量部
上記アクリルポリオールとキシリレンジイソシアネート系硬化剤を用時に混合して使用した。
1 アクリルフィルム
2 表面保護層
3 射出樹脂

Claims (4)

  1. 引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルムの片面に、硬化性樹脂を含む表面保護層を少なくとも有し、
    上記硬化性樹脂が、電離放射線硬化性樹脂及び/又は2液反応硬化性樹脂であり、
    ポリカーボネートで形成されている有機ガラスに積層して使用されることを特徴とする、有機ガラス積層用フィルム。
  2. 上記アクリルフィルムと表面保護層の間にプライマー層を含む、請求項に記載の有機ガラス積層用フィルム。
  3. 上記アクリルフィルムの厚さが50〜300μmである、請求項1又は2に記載の有機ガラス積層用フィルム。
  4. 少なくとも、ポリカーボネートで形成されている有機ガラス層、引張弾性率が900〜2500MPaのアクリルフィルム、及び硬化性樹脂を含む表面保護層を順に有し、
    上記硬化性樹脂が、電離放射線硬化性樹脂及び/又は2液反応硬化性樹脂であることを特徴とする、積層有機ガラス。
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