JP6477639B2 - 連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプおよび接合装置 - Google Patents

連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプおよび接合装置 Download PDF

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Description

本発明は、連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプおよび接合装置に関する。
いわゆるバッチ式の熱間圧延ラインでは、鋼片を1本毎に加熱、粗圧延、仕上げ圧延して所望の厚さの鋼板に仕上げる。しかしながら、このバッチ式の熱間圧延ラインでは、特に仕上げ圧延工程において、鋼片先端の噛み込み不良、鋼片後端の絞り込み、鋼片先後端での寸法不良等の問題があった。
このため、最近では仕上げ圧延機の入側搬送ラインで、先行する鋼片の後端部と後行する鋼片の先端部とを順次接合してから仕上げ圧延に供する連続圧延法(エンドレス圧延法)が提案され、これに伴い鋼片の接合方法についても種々の方法が開発されている。その中でも、比較的短時間で接合を終了できる方法として、誘導加熱圧接法が知られている。この方法では、誘導加熱により先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部との接合予定部を急速加熱したのち、互いに突き合せて押圧することによって、先行・後行両鋼片を接合する(この押圧および接合を、以下、アップセット接合とも記す。)。
しかしながら、従来の連続熱間圧延における鋼片の接合方法では、鋼中にCr、Ti、Mn、Al、Si等のように、鋼の融点(1400〜1600℃)よりも高い融点を有する酸化物(Cr酸化物:融点約2000℃)を生成する成分を含むステンレス鋼や高張力鋼板等を用いた場合、誘導加熱時に接合面に生成されるこれらの酸化物がアップセット後も接合部に固相として残って接合強度を著しく低下させ、後工程の仕上げ圧延にて接合部が破断する等の問題が生じる。
このような問題を解決する方法として、特許文献1には、誘導加熱による加熱工程で先行鋼片および後行鋼片の各接合面の温度が鋼片の液相線温度以上になるように加熱し、かつアップセットを、誘導加熱装置による交番磁界の印加中又は予め把握された誘導加熱装置の電源を切ってから接合面の鋼が溶け落ちるまでの時間内に行う方法が開示されている。
この方法では、接合界面を液相線温度以上まで加熱することによって、接合界面に生成された鋼の融点よりも高い融点の酸化物が、液相となって溶けた鋼と共に排出されやすくなるため、上記の酸化物による接合強度の低下を回避できると、特許文献1に記載されている。また、このとき、液相線温度以上の加熱によって、アップセット前に接合面で溶けた鋼(以下、溶鋼とも記す。)が下方に流れ出し、鋼が溶け落ちた後の面への酸化物の再生成を防ぐために、アップセットを溶鋼が溶け落ちるまでの時間内で行うことが有効であると、特許文献1に記載されている。
特開2000−271606号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された方法では、何本もの鋼片に連続的にエンドレス圧延を施す場合に問題が生じる。具体的には、接合界面を鋼の融点以上の温度まで加熱することで、ステンレス鋼や高張力鋼を用いた場合であっても接合界面に生成する酸化物を排出しやすくすることは可能であるが、排出性が良いことからアップセット時に溶鋼が飛散する場合がある。
このようにアップセット時に飛散する溶鋼について、接合部の上面側に排出された溶鋼は、鋼片に付着し、その後にバリ取り処理が行われるために問題とはならないものの、接合部の下面側に排出された溶鋼の一部(以下、ノロとも記す。)はアップセット時の圧力によって大きく飛散して、接合用クランプ(または接合用装置)の下部に堆積する場合がある。特に、連続的にエンドレス圧延を行う場合、このノロの堆積量が徐々に多くなっていき、接合界面に噛みこまれ、鋼片接合部の強度を著しく低下させ、仕上げ圧延中に破断を発生させてしまうこともある。
このように、連続熱間圧延において、鋼片接合部の強度を低下させないようにするために、接合用クランプの下部に溶鋼が堆積することを防止する技術の確立が要求されていた。
そこで、本発明では、連続熱間圧延において、鋼片接合部の強度を低下させないようにするために、接合用クランプの下部における溶鋼の堆積を防止することが可能な鋼片の接合用クランプおよび接合装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ね、連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプの構成に工夫を加えることで、先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部とを急速加熱して押圧および接合をする(アップセット接合をする)際に飛散する溶鋼の一部(ノロ)を接合用クランプの下部に堆積することを防止し、接合界面における酸化スケールの介在を抑止して鋼片接合部の強度を確保し、もって接合後の鋼片の圧延中の破断を防止することができることを知見した。より具体的には、本発明者らは、接合用クランプに、特定の機能を有する溶鋼飛散防止部を設けることで、鋼片の圧延中の破断を防止する方法を考案した。本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、以下のような特徴を有する。
[1]連続熱間圧延において圧延方向で先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを接合するために用いられるクランプであり、
前記先行鋼片を鋼片厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の先行鋼片支持用ブロックと、
前記後行鋼片を鋼片厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の後行鋼片支持用ブロックと、
前記先行鋼片支持用ブロックまたは前記後行鋼片支持用ブロックに連結されており、鋼片幅方向に複数の棒状部材が離隔配列した櫛葉形状を有し、鋼片接合部の上部および下部のそれぞれに接する上下一対の目違い防止板と、
前記鋼片接合部から排出された溶鋼が、下側の前記目違い防止板における隣接する前記棒状部材間に飛散することを防止する溶鋼飛散防止部と、
を備える連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプ。
[2]前記溶鋼飛散防止部は、下側の前記目違い防止板における隣接する前記棒状部材間、且つ前記鋼片接合部から鋼片長手方向にずれた位置に設けられた堰である前記[1]に記載の連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプ。
[3]前記堰と前記鋼片接合部との距離xが以下の式(1)の関係を満足する前記[2]記載の連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプ。
Figure 0006477639
式(1)中、
x:鋼片接合部から堰までの距離(mm)
d:鋼片を誘導加熱で加熱した場合の融点以上となる領域の鋼板接合部からの距離(mm)
:鋼片の厚み(mm)
:堰の厚み(mm)
:目違い防止板の凸部の幅(mm)
:目違い防止板の凹部の幅(mm)
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の鋼片の接合用クランプと、
前記接合用クランプによって保持された一対の鋼片の鋼片接合部を加熱する誘導加熱装置と、
前記鋼片接合部を突き合せて押圧接合させる押圧シリンダと、
を備える連続熱間圧延における鋼片の接合装置。
本発明によれば、接合用クランプの下部における溶鋼の堆積を防止することができる。これにより、連続熱間圧延において、鋼片接合部の強度の低下を防止できる。
連続熱間圧延ラインのコイルボックスから仕上げ圧延機の第1スタンドまでの設備配列の概略図である。 接合装置の設備構成の概略を示す図である。 目違い防止板の概略図である。 本発明の接合用クランプの構成を説明するための図である。 溶鋼飛散防止部の構成を説明するための図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
<接合装置>
まず、本発明の接合用クランプを有する接合装置について説明する。図1は、連続熱間圧延ラインのコイルボックス2から仕上げ圧延機の第1スタンド6まで(図中、X軸正方向)の設備配列の概略を示す図である。図1に示すように、入側から、粗圧延機から出てきた鋼片を巻き取ったコイルボックス2、コイルボックス2から出された先行鋼片1aの尾端および後行鋼片1bの先端を切断するクロップシャー3、先行鋼片1aと後行鋼片1bを接合する接合装置4、接合後の鋼片接合部αに付着している溶鋼の一部(ノロ)を除去する切削装置5、そして6は仕上げ圧延機の第1スタンドである。
図2は、上記の接合装置4の設備構成の概略を示す図である。接合装置4は、図2に示すように、クロップシャー3によって先尾端が切り落とされた先行鋼片1aと後行鋼片1bの各切断面が互いに非接触で対向配置されるように保持する左右のクランプ(後述の本発明の接合用クランプ)7a、7b(先行鋼片支持用クランプ7a、後行鋼片支持用クランプ7bとも記す。)と、該クランプ7a、7bによって保持された鋼片の接合面を加熱する誘導加熱装置8と、クランプ7bをクランプ7a側に押して、接合面を突き合せて押圧接合(アップセット接合)する押圧シリンダ9を有する。
クランプ7aは、先行鋼片1aを鋼片厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の先行鋼片支持用ブロック10aを有し、クランプ7bは、後行鋼片1bを鋼片厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の後行鋼片支持用ブロック10bを有する。
また、上記のクランプ7b(クランプ7bをクランプ7a側に押す場合には、クランプ7aであってもよい。)は、押圧接合時に鋼片が上下方向にずれることを防止する目違い防止板11、12を有する。目違い防止板11、12は、後行鋼片支持用ブロック10bに連結されており、鋼片接合部αの上部および下部のそれぞれに接する。また、図3および図4を参照しながら後述するように、目違い防止板11、12は、鋼片幅方向に複数の棒状部材が離隔配列した櫛葉形状を有する。そして、本発明では、後行鋼片支持用ブロック10bに、後述する溶鋼飛散防止部が設けられていることを特徴とする。なお、上記の押圧接合について、本発明の接合装置4では、クランプ7bをクランプ7a側に押して、接合面を突き合せて押圧接合してもよい。
<接合用クランプ>
次に、上記の接合装置4が有する接合用クランプ7bの構成および機能について図2〜4を参照しながら、詳細に説明する。図3は、目違い防止板11、12の構造を示した図であり、図2の領域Aの拡大図である。図4は、溶鋼飛散防止部13、14を説明するための図である。
図2を参照しながら前述したように、本発明の接合用クランプ7a、7bは、先行鋼片1aを厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の先行鋼片支持用ブロック10aと、後行鋼片1bを厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の後行鋼片支持用ブロック10bとを有する。
また、クランプ7bは、図3に示すように、後行鋼片支持用ブロック10bに連結されており、鋼片幅方向(Y軸正負方向)に複数の棒状部材が離隔配列した櫛歯形状を有し、鋼片接合部αの上部(Z軸正方向側端部)および下部(Z軸負方向側端部)に接する上下一対の目違い防止板11、12を有する。
また、図4に示すように、接合用クランプ7bは、目違い防止板11、12のうち、少なくとも下側の目違い防止板12における隣接する棒状部材間に、鋼片接合部αから排出された溶鋼が飛散することを防止する溶鋼飛散防止部13、14を有する。
溶鋼飛散防止部13、14としては、鋼片接合部αから排出された溶鋼の飛散を防止できれば特に限定されないが、具体的には堰が挙げられる。
以下では、溶鋼飛散防止部として堰13、14を目違い防止板12に設ける場合を例に、溶鋼飛散防止部を設けることによる機能について説明する。
図5は、溶鋼飛散防止部(堰)13、14を説明するための図である。図5に示すように、互いに隣り合う目違い防止板12の棒状部材間には磁性材15が装着されていることが好ましい。目違い防止板12と磁性材15の鋼片と対向する面には耐熱と誘導加熱時のスパーク抑制等を目的にセラミックス等の絶縁材が装着される。目違い防止板12と磁性材15に装着される絶縁材は厚みが異なるため、接合面の直上直下では幅方向に鋼片に目違い防止板12が接触している部分(凸部)と磁性材15が有る箇所で鋼片と接触していない領域(凹部)が交互に存在する。押圧接合時に鋼片接合部αの界面から排出される溶鋼の一部(ノロ)は、目違い防止板12が接触していない凹部に排出される。このとき、上部の目違い防止板11に溶鋼飛散防止部を設けなくても、上面側に排出されたノロはそのまま鋼片の上側へ付着していくため問題は無い。一方、ステンレスや高張力鋼において、下部の目違い防止板12に溶鋼飛散防止部(堰)13、14を設けない場合、鋼片接合部αの界面から有害な酸化物が排出されるために、接合部αの界面を鋼片の融点以上に加熱することになり、排出されるノロの粘性が低く、押圧接合(アップセット)時の作用する圧力によってノロが飛散する。そして、下面側に飛散したノロは鋼片に付着しないため、接合用クランプ7b下部に堆積することになり、連続して接合を行う場合に堆積したノロが接合面に噛み込まれ、鋼片接合部αの強度を著しく低下させ、仕上げ圧延中に破断が発生するという問題が生じる。
本発明では、この問題を回避するために、すなわち、下面側に排出された低粘性のノロが目違い防止板12の凹部の鋼片長手方向(X軸正負方向)に飛散することを防止するために、図4に示すようにセラミックス等の非磁性材料で作られた堰13(好ましくは、堰13および堰14)を鋼片接合部αから、長手方向(X軸正負方向)にずれた位置に設ける。これにより、鋼片接合部αから排出されたノロが、下面側の目違い防止板12と磁性材料15、堰13(好ましくは、堰13および堰14)、鋼片1a、1bとで囲まれた空間で冷却凝固することによって、接合された鋼片1a、1bの下面側にノロを付着させることが可能となる。鋼片に付着したノロはそのまま搬送されるため、接合用クランプ7b(接合装置4)内にはノロは残存しない。
そして、鋼片1a、1bに付着したノロは、切削装置5で除去され、仕上げ圧延機6へと挿入されていく。
本発明では、後行鋼片1bを先行鋼片1aに押しつけて押圧接合する場合、2つの堰のうち、先行鋼片1a側に少なくとも堰13を設けていることが好ましい。また、図4に示すように、より安定に溶鋼の飛散を防止するためにも後行鋼片1b側にも堰14を設けていることが好ましい。
ここで、図4に示す、鋼片長手方向で、堰13と鋼片接合部α界面との距離(鋼片長手方向での最短距離)xは、以下の式(1)の関係を満足することが好ましい。
Figure 0006477639
式(1)中、
x:鋼片接合部から堰までの距離(mm)
d:鋼片を誘導加熱で加熱した場合の融点以上となる領域の鋼板接合部からの距離(mm)
:鋼片の厚み(mm)
:堰の厚み(mm)
:目違い防止板の凸部の幅(mm)
:目違い防止板の凹部の幅(mm)である(図4参照)。
xが上記式(1)の関係を満足することで、下面側の目違い防止板12と磁性材料15、堰13、鋼片1a、1bで囲まれた空間の容積と排出されるノロの容積の関係が調整されため、安定にノロを鋼片に付着させることができる。
この式(1)について詳細に説明する。
まず、図4において、接合部αから堰13までの距離をx、堰の厚みをh、目違い防止板12の凸部の幅をW、凹部の幅をWとした場合、目違い防止板12と磁性材料15、堰13、鋼片1a、1bで囲まれた空間の容積V(mm)は以下の式(2)で表される。これに対し、接合時にアップセットによって排出されるノロの体積V(mm)は、鋼片の厚みをh、誘導加熱で鋼片を加熱した場合の融点以上となる領域の接合面からの距離をdとした場合、以下の式(3)で表される。
ここで、Vに対して、Vが小さすぎる場合には、ノロの排出を阻害する為に接合界面に酸化物が残存し、圧延中に破断が発生しやすくなる。一方、Vに対してVが大きすぎる場合には、ノロの飛散を防ぐことができず、連続的にエンドレス圧延を実施した場合に、接合装置の下面に堆積したノロが接合界面に噛み込まれ、破断が発生する場合がある。本発明においては、この式(2)、(3)を用い、さらに本発明者らの鋭意検討の結果、xが上記式(1)の関係を満足することが好ましいことが導出された。
Figure 0006477639
Figure 0006477639
また、図4に示すように、より安定に溶鋼の飛散を防止するためにも後行鋼片1b側にも堰14を設けていることが好ましい。このとき、先行鋼片側1aの堰13と接合部αとの距離(鋼片長手方向での最短距離)x1と後行鋼片側1bの堰14と接合部αとの距離(鋼片長手方向での最短距離)x2は、上記の式(1)を満足することが好ましい。
式(4)および式(5)中、
x:鋼片接合部から堰までの距離(mm)
d:鋼片を誘導加熱で加熱した場合の融点以上となる領域の接合面からの距離(mm)
:鋼片の厚み(mm)
:堰の厚み(mm)
:目違い防止板の凸部の幅(mm)
:目違い防止板の凹部の幅(mm)である。
また、溶鋼飛散防止部として堰13、14を用いる場合を例に説明したが、溶鋼飛散防止部としては、窒素や空気等の気体を噴射した流体圧によって溶鋼の飛散を防止する方法であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプの構成に工夫を加えることで、先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部とを急速加熱して押圧・接合する際に飛散する溶鋼(ノロ)を接合装置の下部に堆積することを防止し、被接合界面における酸化スケールの介在を抑止して鋼片接合部の強度を確保し、もって接合後の鋼片の圧延中の破断を確実に防止することが可能となる。
以下、実施例に基づき、本発明について説明する。
粗圧延後の寸法が板幅1100〜1200mm、厚み30mmからなる高張力鋼(1.5%Si−2.7%Mn鋼)の鋼片を、図1に示すような連続熱間圧延ラインで連続圧延を実施した。このとき、図2に示すような接合装置4内で先行鋼片と後行鋼片の接合面を5mmの間隔を隔てて対向配置した後、誘導加熱装置8によって接合面を加熱し、押圧接合した。
加熱条件は、投入電力が1000kW、周波数が1000Hz、加熱時間が6.0秒である。この加熱条件は、接合面の温度が対象鋼の融点以上となる条件であり、融点以上の温度となる領域は接合端面からの12mmの範囲となる。接合された鋼片は、切削装置5でノロを除去した後に仕上げ圧延機において、板厚が2.0mmになるまで熱間圧延を実施した。
上記の基本条件のもと、下面側の目違い防止板12に設けた堰13の構造を変更し、1〜10本の連続熱間圧延を行った。このとき、仕上げ圧延後の接合部外観を表面検査計でモニタリングし、接合部に割れ等の欠陥が生じていた場合には連続圧延を中止した。
連続圧延を4本以上行うことができたものについて、接合強度の低下を防止できたと判断して、合格(○または◎)とした。このうち、連続圧延を10本全てで行うことができたものを◎とした。連続圧延が3本以下で割れが生じたものを不合格(×)とした。
表1に目違い防止板12に設けた堰13の条件と、それぞれの条件で連続圧延が可能であった本数を示す。
表1中、式(1)とは、以下に示すような堰の鋼片接合部からの距離xに関する式を指す。
Figure 0006477639
式(1)中、
x:鋼片接合部から堰までの距離(mm)
d:鋼片を誘導加熱で加熱した場合の融点以上となる領域の鋼片接合部からの距離(mm)
:鋼片の厚み(mm)
:堰の厚み(mm)
:目違い防止板の凸部の幅(mm)
:目違い防止板の凹部の幅(mm)である。
表1に示すように、従来技術に相当する堰を設けない場合(試験No.1)には、連続圧延の3本目において接合部に割れが発生していた。
一方、目違い防止板に堰を設けた場合(試験No.2〜7)は、連続圧延を4本以上行うことができた。このうち、堰の鋼片接合部からの距離xが上記の式(1)の関係を満たす場合(試験No.3〜6)は、10本全ての連続圧延を実施しても接合の割れは観察されなかった。
Figure 0006477639
1a、1b 鋼片
2 コイルボックス
3 クロップシャー
4 接合装置
5 切削装置
6 仕上げ圧延機
7a、7b 接合用クランプ
8 誘導加熱装置
9 押圧シリンダ
10a 先行鋼片支持用ブロック
10b 後行鋼片支持用ブロック
11、12 目違い防止板
13、14 堰(溶鋼飛散防止部)
15 磁性材料

Claims (3)

  1. 連続熱間圧延において圧延方向で先行鋼片の尾端と後行鋼片の先端とを接合するために用いられるクランプであり、
    前記先行鋼片を鋼片厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の先行鋼片支持用ブロックと、
    前記後行鋼片を鋼片厚み方向に挟圧支持して位置決めする上下一対の後行鋼片支持用ブロックと、
    前記先行鋼片支持用ブロックまたは前記後行鋼片支持用ブロックに連結されており、鋼片幅方向に複数の棒状部材が離隔配列した櫛葉形状を有し、鋼片接合部の上部および下部のそれぞれに接する上下一対の目違い防止板と、
    前記鋼片接合部から排出された溶鋼が、下側の前記目違い防止板における隣接する前記棒状部材間に飛散することを防止する溶鋼飛散防止部と、
    を備え
    前記溶鋼飛散防止部は、下側の前記目違い防止板における隣接する前記棒状部材間、且つ前記鋼片接合部から鋼片長手方向にずれた位置に設けられた堰である連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプ。
  2. 鋼片長手方向で、前記堰と前記鋼片接合部との距離xが、以下の式(1)の関係を満足する請求項1に記載の連続熱間圧延における鋼片の接合用クランプ。
    Figure 0006477639
    式(1)中、
    x:鋼片接合部から堰までの距離(mm)
    d:鋼片を誘導加熱で加熱した場合の融点以上となる領域の鋼板接合部からの距離(mm)
    :鋼片の厚み(mm)
    :堰の厚み(mm)
    :目違い防止板の凸部の幅(mm)
    :目違い防止板の凹部の幅(mm)
  3. 請求項1または2に記載の鋼片の接合用クランプと、
    前記接合用クランプによって保持された一対の鋼片の鋼片接合部を加熱する誘導加熱装置と、
    前記鋼片接合部を突き合せて押圧接合させる押圧シリンダと、
    を備える連続熱間圧延における鋼片の接合装置。
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