JP6477289B2 - パッカープレートの設置方法 - Google Patents

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本発明は、機器等を基礎に据付けるためのパッカープレートの設置方法に関するものである。
機器等を基礎に据付ける際には十分な据付強度と高い据付姿勢が要求される。大型の機器を基礎に据付ける場合は、機器の据付けに先立ち、基礎には機器を固定するための所要数の埋込アンカーボルトが設けられる。更に、該埋込アンカーボルトの周囲には、高さと水平度を調整したパッカープレートを予め設置し、そのパッカープレートをモルタルにより基礎に固定することで、機器の重量を支持できる機器据付台を構成する。次いで、大型の機器は複数の機器据付台のパッカープレートの上部に跨るように載置され、前記埋込アンカーボルトによる締め付けにより複数のパッカープレートの上面に正確に据付ける方法が採用される。又、前記一つの機器据付台のパッカープレートの上部に対して小型の機器を据え付ける場合もある。
パッカープレートを設置する一般的な方法としては、特許文献1、2に示すものが知られている。特許文献1、2に示されるパッカープレートの設置方法は、基礎に固定された支持脚に対して、パッカープレートを支持するテンプレート(支持部材)が、高さ位置を調節可能に取り付けられる。そして、テンプレートに取り付けたパッカープレートにスケールを配置し、このスケールの目盛をトランシット(計測装置)で計測しながら、パッカープレートの高さと水平度の調整を行う。続いて、基礎とパッカープレートの間にモルタルを打設し、パッカープレートを基礎に固定して機器据付台を構成する。その後、機器据付台からテンプレート(支持部材)を除去する。
特開昭60−226919号公報 特開平07−071042号公報
しかし、特許文献1、2に示す方法では、テンプレート等の支持部材を介してパッカープレートを支持しているために、パッカープレートを設置するための構成が複雑になるという問題がある。大型の機器を据付ける際には、数十箇所にパッカープレートを有する機器据付台を構成する必要があり、このために、パッカープレートを設置する構成は簡略であることが望まれる。又、テンプレート等の支持部材が、パッカープレートよりも上部に設けられるために、パッカープレートの高さと水平度の調整を行う際にテンプレートが計測の邪魔になり、このために調整作業を能率的に行えないという問題がある。更に、パッカープレートがテンプレート等の支持部材を介して間接的に支持されているために、パッカープレートの高さと水平度の検出に誤差が生じ易いという問題も考えられる。又、パッカープレートを固定した後には、テンプレート等の支持部材を除去する作業が必要になる。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、パッカープレートを設置するための構成を簡略化でき、且つ、パッカープレートの高さと水平度の調整を容易にして作業能率を向上できるパッカープレートの設置方法を提供することを目的とする。
本発明は、パッカープレートを設置する基礎に必要数の後打アンカーボルトを設置し、
前記各後打アンカーボルトに螺合したナットから後打アンカーボルトの上端を突出させ、
前記各後打アンカーボルトが貫通する孔を備えたパッカープレートを前記ナットの上部に載置し、
前記ナットを調整して前記パッカープレートの高さと水平度を調整し、
前記ナットを前記後打アンカーボルトに固定し、
前記パッカープレートを後打アンカーボルトのナットの上部から取り外し、
前記ナットから突出する後打アンカーボルトの突出長さが前記パッカープレートの厚みよりも小さくなるように後打アンカーボルトの上端を切断し、
前記パッカープレートを後打アンカーボルトのナットの上部に載置し、
平面視で前記パッカープレートの周りを囲むように基礎に型枠を設置し、
前記型枠の内側にグラウトを流し込んで固化させることにより前記パッカープレートが固定された機器据付台を構成する
ことを特徴とするパッカープレートの設置方法、に係るものである。
上記パッカープレートの設置方法において、前記機器据付台とは異なる位置に埋込アンカーボルトが設置され、複数の前記機器据付台の前記パッカープレートの上部に跨るように載置した機器を、前記埋込アンカーボルトによる締め付けによって前記パッカープレートに固定する。
本発明は、パッカープレートを設置する基礎に必要数の後打アンカーボルトを設置し、
前記各後打アンカーボルトに螺合したナットから後打アンカーボルトの上端を突出させ、
前記各後打アンカーボルトが貫通する孔を備えたパッカープレートを前記ナットの上部に載置し、
前記ナットを調整して前記パッカープレートの高さと水平度を調整し、
前記ナットを前記後打アンカーボルトに固定し、
平面視で前記パッカープレートの周りを囲むように基礎に型枠を設置し、
前記型枠の内側にグラウトを流し込んで固化させることにより前記パッカープレートが固定された機器据付台を構成する
ことを特徴とするパッカープレートの設置方法、に係るものである。
上記パッカープレートの設置方法において、前記後打アンカーボルトが前記パッカープレートを貫通して突出する一つの前記機器据付台の前記パッカープレートの上部に載置した機器を、前記後打アンカーボルトによる締め付けによって前記パッカープレートに固定する。
上記本発明のパッカープレートの設置方法によれば、パッカープレートを設置するための構成を簡略化することができ、且つ、パッカープレートの高さと水平度の調整を容易にして作業能率を向上できるという優れた効果を奏し得る。
(a)、(b)、(c)は本発明のパッカープレートの設置方法を実施する作業手順の一例を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)は図1に引き続いて実施する作業手順を示す断面図である。 (a)、(b)は図2に引き続いて実施する作業手順を示す断面図であり、(b')は型枠の内側にグラウトを流し込む際の変形例を示す断面図である。 図1〜図3によって構成した複数の機器据付台のパッカープレートに跨って載置した大型の機器を据え付ける場合の据付例を示す説明図である。 (a)、(b)、(c)は本発明のパッカープレートの設置方法を実施する作業手順の他の例を示す断面図であり、更に、一つの機器据付台のパッカープレートの上部に小型の機器を据付ける場合の据付例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図4は、本発明のパッカープレートの設置方法により構成した機器据付台20の一例を示すもので、複数の機器据付台20に大型の機器21が跨って載置される場合の機器据付台20の構成を示している。この機器据付台20は、大型の機器21を据付けるために基礎22に予め設置される埋込アンカーボルト23の近接位置、及び、埋込アンカーボルト23の相互間等に位置して多数配置される。前記機器据付台20の上部にはパッカープレート1が備えてあり、パッカープレート1の上部に大型の機器21の下部ベース21aを載置して、前記埋込アンカーボルト23に螺合したナット23aを締め付けることにより、大型の機器21は埋込アンカーボルト23によって複数のパッカープレート1上に据付けられる。
前記機器据付台20は、基礎22に設置される必要数(少なくとも3個)の後打アンカーボルト2と、該後打アンカーボルト2に螺合したナット3の上部に配置して水平に支持されるようにした前記パッカープレート1と、平面視で前記パッカープレート1の周りを囲むように基礎22上に設置する型枠4と、該型枠4の内側に流し込んで固化するグラウト5からなる部材により主に構成されている。
以下に、図4に示した一つの機器据付台20を構成するパッカープレートの設置方法を実施する作業手順の一例について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
図1(a)に示すように、前記機器据付台20を設置する位置の基礎22には、図示しない穿孔機を用いて穴部22'を形成し、該穴部22'に後打アンカーボルト2を打ち込むことにより固定する。後打アンカーボルト2としては、後端部にナット3が螺合するねじ山3'を備えた一般に金属系アンカーと称されるアンカーボルトを用いることができる。
前記後打アンカーボルト2は、図1(b)に示すパッカープレート1を水平に支持するために必要な数、少なくとも3個所以上に設ける。前記パッカープレート1が四角形を有している場合には、四角形の四隅を支持するように4個所に後打アンカーボルト2を設置することができる。
図1(b)に示すパッカープレート1には、前記後打アンカーボルト2に対応した位置に孔1aが設けてあり、この孔1aは、前記後打アンカーボルト2が貫通できるように、該後打アンカーボルト2の直径よりも大きい直径を有している。そして、前記パッカープレート1は、前記孔1aを後打アンカーボルト2に嵌合させるようにしてナット3の上部に載置する。
続いて、図1(c)に示すように、例えば四角形を有する前記パッカープレート1の上面四隅部にスケールSを固定する。このスケールSの目盛を図示しないトランシット等の計測装置により計測しつつ、前記スケールSの目盛が全て同一の高さになるようにナット3を調節して、パッカープレート1の高さHと水平度を調整する。
パッカープレート1の高さHと水平度の調整が終了すると、ナット3の下部を前記後打アンカーボルト2に対して溶接等により固定部Pで固定する。
次に、図2(a)に示すように、前記後打アンカーボルト2のナット3の上部に載置されたパッカープレート1を、後打アンカーボルト2から取り外す。
続いて、図2(b)に示すように、ナット3から突出する後打アンカーボルト2の突出長さがパッカープレート1の厚みよりも小さくなるように、後打アンカーボルト2の上端を切断する。2'は後打アンカーボルト2の上端が切断された切断端部を示す。
図2(c)に示すように、前記パッカープレート1の孔1aが前記後打アンカーボルト2に嵌合するようにパッカープレート1をナット3の上部に再び載置する。
次に、図3(a)に示すように、平面視で前記パッカープレート1の周りを囲むように基礎22に型枠4を設置する。
続いて、図3(b)に示すように、型枠4の内側にグラウト5を流し込むことにより前記穴部22'及びパッカープレート1の下部に充填し、グラウト5を固化させることによりパッカープレート1を固定して機器据付台20を構成する。グラウト5はパッカープレート1の上面よりも上側へ突出することがないように流入する。グラウト5が固化することにより機器据付台20が構成される。前記グラウト5としては、セメント(モルタル)系、ガラス系、合成樹脂等の流動性を有し充填後に固化する性質を備えたものを用いることができる。
図3(b')は型枠4の内側にグラウト5を流し込む際の変形例を示すもので、型枠4の内側にグラウト5を流し込む際にパッカープレート1の上部に錘6を載置している。このように錘6を載置すると、パッカープレート1には下方へ向かう重量が加えられるので、パッカープレート1の下面にグラウト5が密着するようにグラウト5に圧力を加えて押し込むように充填する際に、パッカープレート1が浮き上がる問題を防止することができる。これにより、グラウト5の充填作業は容易になる。
上記本発明によれば、パッカープレート1を設置するための構成を簡略化することができ、更に、パッカープレート1の上部にパッカープレート1を支持するための支持部材等が存在しないために、パッカープレート1の高さHと水平度を調整する作業を能率的に行うことができる。
又、前記後打アンカーボルト2の上端は切断された切断端部2'となっていてパッカープレート1の上面から突出する部材は存在しない。従って、図4に示すように、平坦でしかも同一の高さHに設置された複数のパッカープレート1の上面に跨るように発電機やタービン等の種々の大型の機器21の下部ベース21aを載置する。そして、前記機器据付台20とは異なる位置に設けた埋込アンカーボルト23に螺合したナット23aを締め付けることにより、大型の機器21は埋込アンカーボルト23によって複数のパッカープレート1上に据付けられる。
図5(a)、(b)、(c)は本発明のパッカープレートの設置方法を実施する作業手順の他の例を示す断面図であり、更に、図5(c)では一つの機器据付台のパッカープレートの上部に小型の機器を据付ける場合の据付例を示している。
図5の(a)では、図1に示したように、後打アンカーボルト2のナット3の上部にパッカープレート1を載置してパッカープレート1の高さHと水平度を調整し、その後ナット3を後打アンカーボルト2に溶接等により固定部Pで固定する。この時、後打アンカーボルト2の上端2aはパッカープレート1から上方へ突出している。続いて、図5の(b)では、図3に示したように、前記パッカープレート1の周りを囲む型枠4を基礎22に設置し、型枠4の内側にグラウト5を流し込んで固化させることにより機器据付台24を形成する。ここで、図3と異なる点は、後打アンカーボルト2の上端が切断されておらず、後打アンカーボルト2の上端2aはパッカープレート1の上方へ突出している。
図5の(c)は、図5(b)に示した一つの機器据付台24のパッカープレート1の上部にポンプ等の小型の機器25を据え付ける状態を示す。小型の機器25の下部ベース25aに備えた開口(図示せず)に、機器据付台24のパッカープレート1から突出している前記後打アンカーボルト2の上端2aを貫通させて、小型の機器25をパッカープレート1上に載置する。そして、前記後打アンカーボルト2の上端2aに螺合したナット26を締め付けることにより、小型の機器25は後打アンカーボルト2によって一つの機器据付台24のパッカープレート1上に固定される。
図5の構成によれば、簡単な構成の機器据付台24の上部に小型の機器25を載置して正確に据付けることができる。
尚、本発明のパッカープレートの設置方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 パッカープレート
1a 孔
2 後打アンカーボルト
2a 上端
3 ナット
4 型枠
5 グラウト
20 機器据付台
21 機器
22 基礎
24 機器据付台
25 機器
H 高さ

Claims (4)

  1. パッカープレートを設置する基礎に必要数の後打アンカーボルトを設置し、
    前記各後打アンカーボルトに螺合したナットから後打アンカーボルトの上端を突出させ、
    前記各後打アンカーボルトが貫通する孔を備えたパッカープレートを前記ナットの上部に載置し、
    前記ナットを調整して前記パッカープレートの高さと水平度を調整し、
    前記ナットを前記後打アンカーボルトに固定し、
    前記パッカープレートを後打アンカーボルトのナットの上部から取り外し、
    前記ナットから突出する後打アンカーボルトの突出長さが前記パッカープレートの厚みよりも小さくなるように後打アンカーボルトの上端を切断し、
    前記パッカープレートを後打アンカーボルトのナットの上部に載置し、
    平面視で前記パッカープレートの周りを囲むように基礎に型枠を設置し、
    前記型枠の内側にグラウトを流し込んで固化させることにより前記パッカープレートが固定された機器据付台を構成する
    ことを特徴とするパッカープレートの設置方法。
  2. 前記機器据付台とは異なる位置に埋込アンカーボルトが設置され、複数の前記機器据付台の前記パッカープレートの上部に跨るように載置した機器を、前記埋込アンカーボルトによる締め付けによって前記パッカープレートに固定することを特徴とする請求項1に記載のパッカープレートの設置方法。
  3. パッカープレートを設置する基礎に必要数の後打アンカーボルトを設置し、
    前記各後打アンカーボルトに螺合したナットから後打アンカーボルトの上端を突出させ、
    前記各後打アンカーボルトが貫通する孔を備えたパッカープレートを前記ナットの上部に載置し、
    前記ナットを調整して前記パッカープレートの高さと水平度を調整し、
    前記ナットを前記後打アンカーボルトに固定し、
    平面視で前記パッカープレートの周りを囲むように基礎に型枠を設置し、
    前記型枠の内側にグラウトを流し込んで固化させることにより前記パッカープレートが固定された機器据付台を構成する
    ことを特徴とするパッカープレートの設置方法。
  4. 前記後打アンカーボルトが前記パッカープレートを貫通して突出する一つの前記機器据付台の前記パッカープレートの上部に載置した機器を、前記後打アンカーボルトによる締め付けによって前記パッカープレートに固定することを特徴とする請求項3に記載のパッカープレートの設置方法。
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