JP6477007B2 - 板ばね及びその製造方法 - Google Patents
板ばね及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6477007B2 JP6477007B2 JP2015036496A JP2015036496A JP6477007B2 JP 6477007 B2 JP6477007 B2 JP 6477007B2 JP 2015036496 A JP2015036496 A JP 2015036496A JP 2015036496 A JP2015036496 A JP 2015036496A JP 6477007 B2 JP6477007 B2 JP 6477007B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- leaf spring
- less
- test
- steel
- hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Springs (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
該鋼材を板ばねに加工した後、該板ばねに焼入れ処理を施し、
その後、焼戻し効果を得ることを目的とした処理を施すことなく、表層の永久歪みが0.15%以上となるように上記板ばねにセッチング処理を行うことを特徴とする板ばねの製造方法にある。
C:0.15〜0.35%、
C(炭素)は、焼入れ後の硬さ向上による疲労強度向上に有効な元素である。C含有量が上記上限値よりも多い場合には、焼き戻ししないことを前提としている本発明の場合、硬さが高くなりすぎ、靱性が悪化するおそれがある。一方、C含有量が上記下限値よりも少ない場合には、板ばねとして使用するのに十分な硬さが得られないおそれがある。
Si(ケイ素)は、製鋼時の脱酸材として不可欠な元素であり、焼入性の向上にも寄与するが、多量の含有が必要でない場合もあるので、特に下限値は限定しない。しかしながら、Siの含有量が上記上限値よりも多い場合には、熱処理時に脱炭の進行が加速し、表面硬度の低下及び疲労強度の低下を招くおそれがある。そのため、Si含有量は、好ましくは、0.30%以下、より好ましくは0.15%以下がよい。
Mn(マンガン)は、焼入性向上に有効な元素である。Mn含有量が上記上限値よりも多い場合には、上記効果が飽和し、コスト上昇を招くおそれがある。一方、Mn含有量が上記下限値よりも低い場合には、Mn含有による焼入性向上効果が十分に得られないおそれがある。
S(硫黄)は被削性向上に有効である。S含有量が上記上限値よりも多い場合には、Mnと共に生成するMnSが粗大化しやすくなり、疲労強度の低下を招くおそれがある。
Cu(銅)及びNi(ニッケル)は、意図的に添加しなくても、不純物として含有される元素であるが、腐食疲労特性の向上にはある程度有効であるので、上記上限値までの含有であれば、添加する場合も含めて許容される。
Cr(クロム)は、焼入性向上に有効な元素であり、製造する板ばねの厚さに合わせて添加量が調整される元素である。ただし、Cr含有量が上記上限値よりも多い場合には、効果が飽和し、コスト上昇を招くおそれがある。
Al(アルミニウム)は、脱酸材として必要な元素であるが、脱酸の仕方によって必要な量が変化するので、特に下限は限定しない。Al含有量が多過ぎる場合には、粗大な酸化物系介在物が生成しやすくなるおそれがあるため、上限値を上記のごとく定める。
N(窒素)は、本願の鋼材には積極的に添加する必要はないが、不純物として含有される元素である。N含有量が上記上限値よりも多い場合には、鋳造時に鋳片の割れを発生させるおそれがあるため、許容量を上記上限値に制限する。
B:0.0005〜0.0050%、
B(硼素)は、鋼中に固溶した状態で焼入性向上に有効であるため添加することが好ましい。B含有量が上記上限値を超える場合には、靱性を低下させるおそれがある。一方、B含有量が上記下限値よりも少ない場合には、B添加による効果が十分に得られないおそれがある。
Ti(チタン)は、Nと結合してTiNを形成し、BNの生成を抑制して焼入性を向上させる効果を発揮する。Ti含有量が上記上限値よりも多い場合には、効果が飽和し、コスト上昇を招くおそれがある。一方、Ti含有量が上記下限値よりも低い場合には、Ti含有による効果が十分に得られないおそれがある。
Mo:0.30%以下、
Mo(モリブデン)は、焼入性向上に有効な元素であり、必要に応じて適量添加できる任意添加の元素である。Mo含有量が上記上限値よりも多い場合には、効果が飽和し、コスト上昇を招くおそれがある。
Nb(ニオブ)は、微細な炭化物を生成し、焼入れ時のオーステナイト粒を微細化し、靱性を向上させる効果を発揮する元素であり、必要に応じて適量添加できる任意添加元素である。Nb含有量が上記上限値よりも多い場合には、効果が飽和し、コスト上昇を招くおそれがある。一方、Nb含有量が上記下限値よりも低い場合には、Nb含有による効果が十分に得られないおそれがある。
V(バナジウム)は、微細な炭化物を生成し、焼入れ時のオーステナイト粒を微細化し、靱性を向上させる効果を発揮する元素であり、必要に応じて適量添加できる任意添加元素である。V含有量が上記上限値よりも多い場合には、効果が飽和し、コスト上昇を招くおそれがある。
式1:[HV]>−1900×[C]2+2600×[C]−100
上記板ばねの製造方法にかかる実施例につき、比較例と共に説明する。本例では、表1に示すごとく、成分組成が異なる複数種類の鋼材を準備して、板ばねを想定した試験片を作製し、その特性を評価した。特性評価は、表2に示す試験No.1〜15を行うための試験片を準備して行った。
上述した方法によりセッチング処理を施した試験片8に対して、耐久疲労試験を実施した。この試験は、セッチング処理に用いた4点曲げ疲労試験装置を用いて実施した。なお、各試験片のC量等の成分の違いによって、硬さに大きな差異が生じ、疲労強度にも差異が生じる。そのため、硬さ水準別に負荷応力を3種類とした。より具体的には、表2に示すごとく、490±400MPa、637±500MPa、及び784±600MPaの3水準で調整した。耐久性については、耐久回数3万回以上の寿命を有している場合を合格、耐久回数3万回未満で折損した場合を不合格とした。なお、この合格条件は、従来から板ばねに使用されているJISのSUP9(鋼No.10)を使って焼入れ焼戻し、ショットピーニング及び従来の普通のセッチングを行って製造された板ばねの性能(試験No.13〜15)と比較して同等以上の性能とするという考え方で定めたものである。後述の他の特性の評価基準も、特に記載がないものは同様である。
へたり量は、図4に示すごとく、試験片8の自然状態でのたわみ量Tを、耐久疲労試験の前後で測定し、その差の値とした。そして、耐へたり性の判定は、まず、上記の耐久疲労試験において耐久回数3万回以上の寿命を有している上で、耐久回数3万回実施後のへたり量が0.3mm以下である場合を合格、それ以外を不合格とする。耐久回数及びへたり量は、表2に示す。
硬さは、上記セッチング処理後の試験片8の表面から板厚の1/4の深さの位置のビッカース硬さを測定した。なお、硬さは、設計応力によって必要な値は変化するので、特に合格基準はないが、少なくとも300HVであることが好ましい。硬さは、表2に示す。
靱性は、上述したUノッチ(ノッチ深さ2mm)の衝撃試験用試験片(図示略)を用いて衝撃試験を行った結果によって評価した。衝撃試験によって得られた衝撃値は、50J/cm2以上を合格とし、それ未満を不合格とする。衝撃値は、表2に示す。衝撃値は硬さが高いほど低くなる傾向があるが、50J/cm2であれば、板ばね部品として問題ない値となることから、上記値を合格基準とした。なお、この評価は、例えば、ショットピーニング及びセッチングを施した後の試料から上記と同様の衝撃試験用試験片を切り出して測定してもほぼ同様の結果が得られる。
試験No.10は、従来鋼であるSUP9を用いた場合であるが、C含有量が本発明に比べて高く、本来焼戻し処理を行って製造されているにもかかわらず、焼戻し処理を省略したため、衝撃値が著しく低くなった。そして、セッチング処理時に折損してしまい、耐久試験はできなかった。
試験No.11は、鋼No.11のC含有量が低すぎ、十分な硬さが得られず、疲労寿命も満足しなかった。
試験No.12は、鋼No.12のS含有量が高すぎ、MnSが増加した影響で、疲労寿命が低下した。
次に、実施例1における鋼No.1を用い、ショットピーニングの有無及びセッチング条件の変更による影響を評価する試験(試験No.16〜23)を行った。各試験に用いた試験片は、ショットピーニングの有無及びセッチング条件の変更以外は、実施例1と同じ条件で作製した。そして、セッチング処理後の試験片に対して、実施例1と同様に耐久試験等を実施し、評価した。評価結果を表3に示す。
52 上部支点
55 歪みゲージ
8 試験片
Claims (5)
- 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.50%以下、Mn:0.40〜1.50%、S:0.025%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、Cr:1.60%以下、Al:0.100%以下、N:0.0200%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなる化学成分を有する鋼材を準備し、
該鋼材を板ばねに加工した後、該板ばねに焼入れ処理を施し、
その後、焼戻し効果を得ることを目的とした処理を施すことなく、表層の永久歪みが0.15%以上となるように上記板ばねにセッチング処理を行うことを特徴とする板ばねの製造方法。 - 上記焼入れ処理後、上記セッチング処理の前と後の少なくとも一方において、上記板ばねにショットピーニング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の板ばねの製造方法。
- 上記鋼材の化学成分は、さらに、B:0.0005〜0.0050%、及びTi:0.01〜0.20%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の板ばねの製造方法。
- 上記鋼材の化学成分は、さらに、Mo:0.30%以下、Nb:0.30%以下、及び、V:0.30%以下のうち、1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の板ばねの製造方法。
- 上記鋼材の炭素含有量[C](質量%)と、硬さ[HV](HV)とが、以下の式1の関係を具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板ばねの製造方法。
式1:[HV]>−1900×[C]2+2600×[C]−100
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015036496A JP6477007B2 (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 板ばね及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015036496A JP6477007B2 (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 板ばね及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016156082A JP2016156082A (ja) | 2016-09-01 |
| JP6477007B2 true JP6477007B2 (ja) | 2019-03-06 |
Family
ID=56825214
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015036496A Active JP6477007B2 (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 板ばね及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6477007B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107587070B (zh) * | 2017-09-15 | 2019-07-02 | 河钢股份有限公司承德分公司 | 热轧宽带板簧用钢及其生产方法 |
| JP2020076154A (ja) * | 2020-01-07 | 2020-05-21 | 日本発條株式会社 | 懸架装置用ばねの製造方法 |
| CN113528930B (zh) * | 2020-04-21 | 2022-09-16 | 江苏金力弹簧科技有限公司 | 一种冲压弹簧片及其生产工艺 |
| CN111893285A (zh) * | 2020-07-15 | 2020-11-06 | 中国第一汽车股份有限公司 | 一种提高单片簧疲劳寿命和抗永久变形的复合强化方法 |
| CN114058811A (zh) * | 2021-10-27 | 2022-02-18 | 泰富特钢悬架(成都)有限公司 | 一种汽车板簧抛丸装置及抛丸工艺 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58193323A (ja) * | 1982-05-06 | 1983-11-11 | Nippon Steel Corp | 高強度ばねの製造法 |
| JP2510230B2 (ja) * | 1988-01-18 | 1996-06-26 | 新日本製鐵株式会社 | 高温へたり性の優れた自動車用懸架ばねの製造方法 |
| JP6027302B2 (ja) * | 2009-12-22 | 2016-11-16 | 株式会社神戸製鋼所 | 高強度焼戻し省略ばね用鋼 |
| JP5624503B2 (ja) * | 2011-03-04 | 2014-11-12 | 日本発條株式会社 | ばねおよびその製造方法 |
| JP2012214859A (ja) * | 2011-04-01 | 2012-11-08 | Nhk Spring Co Ltd | ばねおよびその製造方法 |
-
2015
- 2015-02-26 JP JP2015036496A patent/JP6477007B2/ja active Active
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2016156082A (ja) | 2016-09-01 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR101520208B1 (ko) | 기소강 및 그의 제조 방법, 및 기소강을 이용한 기계 구조 부품 | |
| TWI591187B (zh) | High-carbon cold-rolled steel sheet and its manufacturing method | |
| EP2397571A1 (en) | Steel for high-strength vehicle stabilizer with excellent corrosion resistance and low-temperature toughness, and process for the production of same, and stabilizer | |
| JP6477007B2 (ja) | 板ばね及びその製造方法 | |
| US9523404B2 (en) | Spring steel and spring | |
| JP2015120940A (ja) | ばね鋼 | |
| JP6703385B2 (ja) | 高硬度かつ靭性に優れた鋼 | |
| WO2007123164A1 (ja) | 内燃機関用ピストンリング材 | |
| JP5655627B2 (ja) | 耐水素脆化特性に優れた高強度ばね用鋼 | |
| JP2012052218A (ja) | ばね用鋼線及びその製造方法、並びにばね | |
| JP5941439B2 (ja) | コイルばね、およびその製造方法 | |
| JP5868099B2 (ja) | 靭性、耐磨耗性に優れる鋼 | |
| JP6119717B2 (ja) | ばね用鋼およびばね | |
| KR20180070739A (ko) | 금형강 및 이의 제조방법 | |
| JP5505264B2 (ja) | 低サイクル疲労特性に優れた高周波輪郭焼入れ鋼材及び高周波輪郭焼入れ部品 | |
| JP4062612B2 (ja) | 疲労強度および耐へたり性に優れた硬引きばね用鋼線並びに硬引きばね | |
| JP4828321B2 (ja) | 低サイクル疲労特性に優れた高周波焼入れ鋼材及び高周波焼入れ部品 | |
| JP4728884B2 (ja) | 低サイクル疲労特性に優れた高周波輪郭焼入れ鋼材及び高周波輪郭焼入れ部品 | |
| JP4515347B2 (ja) | ばね用鋼線材およびばね用鋼線の耐疲労性の判定方法 | |
| JP7149179B2 (ja) | 静捩り強度ならびに捩り疲労強度に優れた高周波焼入れ用鋼材による自動車用機械部品 | |
| JP6635100B2 (ja) | 肌焼鋼 | |
| KR101776491B1 (ko) | 내식성이 우수한 고강도 스프링강 | |
| JP4041330B2 (ja) | 疲労強度に優れた硬引きばね用鋼線および硬引きばね | |
| JP4821711B2 (ja) | 軟窒化用鋼材 | |
| JP4975261B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171017 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180913 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181023 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181127 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190108 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190121 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6477007 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
