JP6476803B2 - 表示装置 - Google Patents

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本発明は、液晶パネルを備えた表示装置に関する。
従来の表示装置には、例えば指針等の実体物を動かして目盛を指し示すことで、表示内容を変化させるものがある。これに対し特許文献1、2に記載の表示装置は、上記実体物を模した画像を液晶パネルに表示させることで、表示内容を多様に変化させることを容易に実現させている。
但し、液晶パネルでは表示画像を立体的に視認させることに物理的限界があり、実体物を用いた表示装置に比べて平面的な見栄えになるのが欠点である。この欠点に対し、特許文献1、2に記載の表示装置では、液晶パネルに対して視認方向手前側に、実体物としての加飾リングを配置している。加飾リングは立体的に視認されるので、液晶パネルの平面的な見栄えに奥行き感を付与させることができる。よって、表示装置の全体を、液晶パネルと加飾リングの組み合わせによる立体的な見栄えにできる。
特許第5180150号公報 特許第4787102号公報
しかしながら、上述の如く液晶パネルの手前側に加飾リング(実体物)を配置すると、液晶パネルによる画像の一部が実体物により遮られて見えなくなるので、液晶パネルの表示面全体を有効に利用できない。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、液晶パネルに実体物を組み合わせて奥行き感を付与させつつも、液晶パネルの表示面全体を有効に利用可能にした表示装置を提供することにある。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつは、画像が表示される表示面(20a)を形成する液晶パネル(20)と、液晶パネルへ背面側から光を照射するバックライト(30)と、表示面に、特定画素領域(G10、G100、G300、G50)と、他の画素領域(G20、G400、G51、G52)と、を設定し、特定画素領域では、他の画素領域に比べて光の透過率が高くなるように、液晶パネルを制御する制御装置(600)と、液晶パネルとバックライトとの間に配置され、特定画素領域及び他の画素領域のうち、特定画素領域を通して視認される実体物であって、画像を加飾する加飾部材(400、420、430、440)と、液晶パネルと加飾部材との間に配置され、液晶パネルへ背面側から光を照射する、バックライトとは別の第2バックライト(300)と、を備え、他の画素領域は、特定画素領域を囲む態様にて液晶パネルの表示面に配置されており、加飾部材には、バックライトにより透過照明される加飾板(440)が含まれており、第2バックライトは、内部に導かれた光を液晶パネルへ向けて反射する反射面(310b)が形成された導光板(310)を有することを特徴とする。
また、開示される発明の他のひとつは、画像が表示される表示面(20a)を形成する液晶パネル(20)と、液晶パネルへ背面側から光を照射するバックライト(30)と、液晶パネルとバックライトとの間に配置され、液晶パネルを通して視認される実体物であって、画像を加飾する加飾部材(400、420、430、440)と、表示面のうち加飾部材が背面側に位置する部分の画素領域である特定画素領域(G10、G100、G300、G50)では、他の画素領域(G20、G400、G51、G52)に比べて光の透過率が高くなるように、液晶パネルを制御する制御装置(600)と、液晶パネルと加飾部材との間に配置され、液晶パネルへ背面側から光を照射する、バックライトとは別の第2バックライト(300)と、を備え、加飾部材には、バックライトにより透過照明される加飾板(440)が含まれており、第2バックライトは、内部に導かれた光を液晶パネルへ向けて反射する反射面(310b)が形成された導光板(310)を有することを特徴とする。
れらの発明によれば、液晶パネルに表示される画像を加飾する加飾部材が、液晶パネルとバックライトの間に配置されているので、液晶パネルによる画像の一部が実体物により遮られて見えなくなることを回避できる。よって、液晶パネルに実体物を組み合わせて奥行き感を付与させつつも、液晶パネルの表示面全体を有効に利用できる。
さらに上記発明によれば、加飾部材が背面側に位置する部分の特定画素領域の透過率が、他の画素領域より高いので、特定画素領域を透過して実体物が視認され易くなる。一方、他の画素領域については、液晶パネルの背面側に存在する物が視認され難くなる。そのため、特定画素領域を透して視認される加飾部材が目立つようになり、加飾部材に視線が惹きつけられることが促進される。つまり、加飾部材への誘目性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る表示装置の正面図であって、実体物表示モードによる表示内容を示す図。 図1の断面図。 図2の分解斜視図。 図1の実体物表示モードを別の実体物表示モードに切り替えて表示させた状態を示す図。 図1の実体物表示モードを実体物非表示モードに切り替えて表示させた状態を示す図。 図2のマイコンによる制御対象を示すブロック図。 図2のマイコンによる表示制御の手順を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る表示装置の正面図であって、実体物表示モードによる表示内容を示す図。 図8の断面図。 本発明の第3実施形態に係る表示装置の断面図であって、実体物表示モードによる照明の状態を示す図。 第3実施形態に係る実体物表示モードにおいて、表示装置を模式的に示す分解斜視図。 第3実施形態に係る表示装置の正面図であって、実体物表示モードによる表示内容を示す図。 第3実施形態に係る表示装置の断面図であって、実体物非表示モードによる照明の状態を示す図。 第3実施形態の実体物非表示モードにおいて、表示装置を模式的に示す分解斜視図。 第3実施形態に係る表示装置の正面図であって、実体物非表示モードによる表示内容を示す図。 本発明の第4実施形態に係る表示装置の断面図であって、実体物表示モードによる照明の状態を示す図。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1に示す表示装置Dは、車両のインストルメントパネルに組み付けられた車両用の表示装置である。表示装置Dは、車両の走行速度や車載バッテリの電力残量等、車両の状態を表した各種物理量の変化を表示したり、各種の異常が生じた場合にその旨を表示したり、演出画像を表示したりする。
図2に示すように、表示装置Dは主に、ケース10、液晶パネル20、バックライト30、加飾リング420、加飾ボス部材430、および回路基板60を備えて構成されている。ケース10は遮光性を有する樹脂製であり、液晶パネル20、バックライト30および回路基板60等を内部に収容して保持する。
液晶パネル20は、液晶が保持された液晶層、液晶層の両側に配置された一対の電極、カラーフィルタ基板、および一対の偏光フィルムを有して構成された、TFT液晶パネルである。電極は、行電極および列電極を組合せたマトリクス電極であり、画素毎に設けられた透明電極で構成され、電極に印加される電圧は薄膜トランジスタにより制御される。カラーフィルタ基板は、赤色フィルタ、緑色フィルタおよび青色フィルタを有し、各フィルタは画素毎(電極毎)に配置されている。また、各画素をオンオフする図示しない薄膜トランジスタ(TFT)を備えている。偏光フィルムは、所定方向に振動する光を透過して光の振動方向を所定方向に規制するフィルタである。一対の偏光フィルムは、振動方向が90度ずれるように配置されている。このTFT液晶パネルは公知の構造である。
バックライト30は、導光板31、反射板32、拡散板33および光源34(図3参照)を有して構成されている。光源34には発光ダイオードが採用され白色光を発光するものであり、複数の光源34が導光板31の側面に対向する位置に配置されている。光源34から射出された光は、導光板31へ側面から入射した後、反射板32で反射しながら導光板31の内部を進み、導光板31の正面側(図2の上側)から出射する。導光板31から出射した光は、拡散板33にて乱反射しながら透過する。これにより、拡散板33の全体が面発光した状態になり、液晶パネル20の全面に対して均一でムラの少ない光が、バックライト30から液晶パネル20へ射出される。
反射板32は導光板31の背面側に密着して配置されているのに対し、拡散板33は、導光板31の正面側に所定の隙間を空けて配置されている。なお、この隙間は空けなくともよい。また、液晶パネル20は、拡散板33の正面側に所定の隙間40aを空けて配置されており、この隙間40aに、実体物である加飾リング420および加飾ボス部材430が配置されている。加飾リング420および加飾ボス部材430は、拡散板33の正面側の面に接触した状態で固定されている。
図3に示すように、加飾ボス部材430は、液晶パネル20の側に向けて凸となる向きに配置された円錐形状であり、円錐面にメッキが施された樹脂製である。該メッキは、後述する指針画像G14と同じ色に反射着色される。例えば、加飾リング420の内周側エッジ420aから出射したLED光赤色に反射着色される。加飾ボス部材430は、加飾リング420の中央に配置されている。
加飾リング420は、透光性を有する樹脂で形成されたリング状(環状)であり、本実施形態に係る加飾リング420は円環状である。加飾リング420は、拡散板33との接触面から正面側に隆起した形状である。加飾リング420の正面側の面には、複数の溝が形成されており、これらの溝は、加飾リング420の径方向に延びる筋状であり、指針画像G14に指し示される目盛り421として機能する。
加飾リング420には導光部422が設けられており、加飾リング420および導光部422は、樹脂により一体に形成されている。導光部422の側面には、発光ダイオードによる光源423が取り付けられている。光源423から射出された光は、導光部422の側面から入射した後、導光部422および加飾リング420の内部を進み、目盛り421を形成する溝で反射して、加飾リング420の正面側(図2の上側)から出射する。目盛り421で反射した光は、液晶パネル20の後述する特定画素領域G10を透過してユーザに視認されることとなる。
したがって、光源423を点灯させると目盛り421の部分が光って見える。光源423には赤、緑、青の3種類が設けられており、各々の光源423の輝度をマイコン61が制御することで、加飾リング420から射出される光の色を調整できる。つまり、目盛り421を所望の色で視認させることができる。
液晶パネル20はフレキシブル配線板21を有しており、フレキシブル配線板21の先端に形成された端子21aは、マイクロコンピュータ(マイコン61)が実装された回路基板60に接続されている。マイコン61は、中央処理演算装置およびメモリ等を有し、予め記憶されているプログラムにしたがって各種の演算処理を実行する。回路基板60から液晶パネル20へ出力される画像信号は、フレキシブル配線板21を介して液晶パネル20の電極へ送信される。要するに、液晶パネル20の表示面20aに表示される画像の内容は、マイコン61により制御される。
回路基板60は、車両に搭載された電子制御装置のうち表示装置Dの外部に設けられた電子制御装置から各種情報を取得し、取得した情報に基づき液晶パネル20の表示内容を制御する。上記情報の具体例としては、車両の走行速度や車載バッテリの電力残量等、車両の状態を表した各種物理量の変化を表した情報、および各種異常が生じた旨の情報が挙げられる。
図2に示すように、ケース10は、液晶パネル20の正面側に位置する見返し板11を有し、見返し板11には開口部11aが形成されている。これにより、液晶パネル20の表示面20aのうち、開口部11aの内側に位置する部分が視認可能領域となり、この視認可能領域は見返し板11により仕切られて特定される。また、液晶パネル20の外縁部分P1(図2参照)が、見返し板11により覆い隠されることとなる。ケース10には、見返し板11を正面側から覆うカバー12が取り付けられている。カバー12は透光性を有する樹脂製である。
バックライト30の光源34を点灯させると、拡散板33の正面側の面(発光面33b)から射出される光は液晶パネル20を透過し、開口部11aおよびカバー12を通じて表示装置Dの正面側に射出される。これにより、液晶パネル20が透過照明され、表示面20aに表示される画像がユーザに視認されるようになる。詳細には、液晶パネル20の画素毎に配置された電極への印加電圧に応じて、該当する画素に対する光の透過率(光透過性)は変化する。
例えば、赤色フィルタ、緑色フィルタおよび青色フィルタに対応する電極の全てについて、透過率が最大になるように印加電圧を制御すると、各々のフィルタを透過する光の輝度が最大になる。その結果、該当する画素は白色に視認される。つまり、拡散板33の発光色で視認される。一方、各フィルタに対応する電極の全てについて、透過率が最小になるように印加電圧を制御すると、各々のフィルタを透過する光の輝度が最小になる。その結果、該当する画素は黒色に視認される。
表示面20aのうち、上述の如く透過率が高くされた領域(特定画素領域G10)については、その領域の背面側に位置する物体、つまり加飾リング420、加飾ボス部材430または拡散板33が、液晶パネル20を透かして視認可能になる。具体的には、バックライト30から射出した光のうち、加飾ボス部材430のメッキ部分で反射した光、および加飾リング420の内周側エッジ420aから射出した光が、特定画素領域G10を透過してユーザに視認される。さらに、光源423から射出して目盛り421で反射した光が、特定画素領域G10を透過して視認される。さらに、バックライト30のうち加飾リング420の内周側に位置する部分から射出した光が、特定画素領域G10を透過して背景画像としてユーザに視認される。
一方、表示面20aのうち特定画素領域G10に比べて透過率が低く制御された領域(他の画素領域G20)では、その領域の背面側に位置する物体は視認できなくなる。換言すれば、実体物である加飾リング420または加飾ボス部材430から液晶パネル20に向かう光は、他の画素領域G20を透過しないのでユーザに視認されない。なお、図1、図3、図4および図5に示す斜線は、断面ハッチングを意味するものではなく、他の画素領域G20、G400または画素領域G410の範囲を意味する。
透過率を高く制御するほど、実体物からの光が液晶パネル20を透過する度合いが大きくなり、加飾ボス部材430、内周側エッジ420aおよび目盛り421が鮮明に視認されるようになる。一方、透過率を低くするほど、加飾ボス部材430、内周側エッジ420aおよび目盛り421からの光が液晶パネル20を透過する度合いが小さくなり、ぼやけて視認されるようになる。
要するに、液晶パネル20による透過率を制御することで、実体物が視認される実体物表示モード(図1および図4参照)と、実体物が視認されない実体物非表示モード(図5参照)とに切り替えることができる。また、実体物表示モードでは以下の態様で表示装置Dを視認させることもできる。例えば、液晶パネル20による透過率の度合いに応じて実体物の鮮明度合い(ぼやける度合い)を制御できるので、その透過率を調整することで、実体物がぼやけて視認される度合いを調整できる。また、特定画素領域G10に表示される画像と実体物とを重ねて視認させることができる。また、特定画素領域G10のうち実体物と重なる部分を他の部分とは異なる色で表示することで、実体物がその表示色であるかのように錯覚させることができる。
図1に示す実体物表示モードでは、表示面20aのうち加飾リング420および加飾ボス部材430の全体を含む領域を特定画素領域G10として設定しており、特定画素領域G10の外側全体を他の画素領域G20として設定している。特定画素領域G10には、目盛り421を指し示す指針画像G14、目盛り421に対応する数値を表した数字画像G13、および影画像G12が表示される。影画像G12は、レーダをイメージさせる態様で指針の残像を表す画像である。車速に応じて指針画像G14の表示位置を制御することで、指針画像G14と目盛り421との組み合わせにより車速が表示される。
影画像G12は、指針画像G14から回転方向逆側に延びる影を模した画像である。よって、指針画像G14の表示位置に応じて影画像G12の表示位置も変化することとなる。なお、影画像G12の回転方向長さは、指針画像G14の回転速度が速いほど長く設定される。
要するに、図1に示す実体物表示モードでは、他の画素領域G20に表示された黒色画像を背景とし、拡散板33、加飾リング420、加飾ボス部材430、指針画像G14、数字画像G13および影画像G12が組み合わさって視認される。また、表示面20aと実体物と拡散板33とでは、視認方向における光路長が異なるので、焦点距離の違いによる視差が生じる。つまり、実体物は表示面20aの視認方向奥側(背面側)に存在するように視認され、拡散板33は実体物のさらに奥側に存在するように視認される。
他の画素領域G20には黒色の背景画像が表示される。さらに他の画素領域G20には、ウインカーが操作された向きを表示する方向指示画像G22、および各種異常を警告表示する警告画像G23が、背景画像を背景として表示されている。他の画素領域G20に表示される全ての画像、つまり方向指示画像G22、警告画像G23および黒色の背景画像は、透過率が不透過(RGBが全てオフ)となるように設定されている。一方、特定画素領域G10に表示される白色の背景画像は、透過率が全透過(RGBが全てオン)となるように設定されている。
図4に示す実体物表示モードでは、表示面20aのうち加飾リング420および加飾ボス部材430を含む領域を特定画素領域G300として設定し、特定画素領域G300の外側全体を他の画素領域G400として設定している。特定画素領域G300には、バッテリ電力残存量を表す電力残量画像G320、および加飾リング420と同一の形状のリング画像G301が表示される。加飾ボス部材430を中心にリング画像G301が回転するように表示させることで、加飾リング420が実際に回転しているように錯覚させる。これにより、充電中である旨をユーザに認識させる。
他の画素領域G400には黒色の背景画像が表示される。さらに他の画素領域G400には、車速を数値で表した車速画像G401が、背景画像を背景として表示されている。背景画像および車速画像G401は、透過率が所定値未満となるように設定されている。一方、特定画素領域G300に表示されるリング画像G301は、透過率が所定値以上となるように設定されている。なお、図4の例では電力残量画像G320の透過率を所定値未満に設定しているため、加飾ボス部材430は視認されない。よって、電力残量画像G320が表示される領域は、実体物を視認させない他の画素領域の一部である。
図5に示す実体物非表示モードでは、表示面20aの全体が、実体物を視認できない程度の低い透過率で表示される画素領域G410に設定されている。画素領域G410の中には、所定値未満の低透過率に設定された演出画像G411が表示されている。したがって、加飾リング420および加飾ボス部材430の両方がユーザに視認できない状態となる。なお、図5に示す実体物非表示モードは、終了演出モードまたは開始演出モードの一例である。
図6に示す駆動回路63は、回路基板60に実装されたものであり、マイコン61から出力された指令信号にしたがって、液晶パネル20が有する先述した薄膜トランジスタの駆動を制御する。電源回路64は、回路基板60に実装されたものであり、バックライト30が有する光源34への電力供給量を、マイコン61から出力された指令信号にしたがって制御する。具体的には、光源34への電力供給のオンオフを制御する。
回路基板60に実装されたマイコン61、メモリ62、入力処理回路、出力処理回路等により、制御装置600が構成されている。この制御装置600は、駆動回路63を制御することで液晶パネル20の表示画像を制御するとともに、電源回路64を制御することでバックライト30のオンオフを制御していると言える。
メモリ62には、液晶パネル20に表示される各種の画像を表した画像データが記憶されている。マイコン61は、車両の状態に応じて表示モードを切り替える切替手段61aとしても機能する。例えば、イグニッションスイッチ(IGSW601)がオン操作されると、バックライト30への電力供給をオンにして、実体物を視認させないようにしつつ演出画像を表示する開始演出モードで液晶パネル20を表示させる。IGSW601がオフ操作された場合にも、実体物を視認させないようにしつつ演出画像を表示する終了演出モードで液晶パネル20を表示させ、その後、バックライト30への電力供給をオフにする。
開始演出モードの終了後、IGSW601がオフ操作されるまでの期間において、通常時には、センサ602により検出された車速等の物理量に基づき、該物理量を指し示すように指針画像G14の表示位置を制御する。具体的には、図1に示す実体物表示モードで液晶パネル20を表示させる。この場合、液晶パネル20の表示レイアウトはユーザの好みに応じて変更可能である。但し、他の画素領域G20の透過率は所定値未満とする。
車載バッテリの電力残存量が所定値未満になっている場合や、ユーザが表示の切り替えを要求した場合等、所定の条件を満たすイベントが発生した時には、図4に例示される実体物表示モードに切り替える。図4の例では、加飾ボス部材430を視認させないようにするべく、液晶パネル20の表示面20aのうち加飾ボス部材430が背面側に位置する部分が、他の画素領域となるように表示制御する。車速画像G401は、センサ602により検出された車速を表した画像に制御される。また、他のイベントが発生した時には、図5に例示される実体物非表示モードに切り替える。図5の例では、加飾リング420および加飾ボス部材430の両方を視認させないようにするべく、表示面20aの全面が低透過率となるように表示制御する。
図7は、マイコン61が有する中央処理演算装置により所定周期で繰返し実行される処理の手順を示すフローチャートであり、先ず、ステップS10にて実体物表示モードが要求されているか否かを判定する。実体物をユーザに視認させる実体物表示モードが要求される例としては、加飾リング420の目盛り421を指針画像G14で指し示すことにより物理量を表示する場合が挙げられ、具体的には、図1に示す如く車速を表示する場合が挙げられる。また、図4に示す如く加飾ボス部材430を視認させずに加飾リング420を視認させる場合が、実体物表示モードの具体例として挙げられる。
一方、加飾リング420および加飾ボス部材430の両方をユーザに視認させない実体物非表示モードが要求される例としては、液晶パネル20に表示されている画像に注目させる場合が挙げられる。具体的には、表示装置Dの起動時に表示されるオープニング画像(図5参照)、表示装置Dの作動終了時に表示されるエンディング画像等に注目させる場合が挙げられる。
ステップS10にて非表示モードと判定された場合には、続くステップS11において、液晶パネル20を以下のように表示させて全ての実体物を視認させないようにする演出制御を実行する。すなわち、表示面20aの全面に、実体物が視認できない程度に透過率の低い画像を表示させる。つまり、先述した背景画像および演出画像G411を表示させる。非表示モードでは、表示面20aの全面を低透過率にする必要はなく、少なくとも実体物が背面側に位置する部分の表示領域を低透過率にすればよい。
ステップS10にて表示モードと判定された場合には、続くステップS12において、液晶パネル20を以下のように表示させて、全ての実体物の少なくとも一部を視認させるように、特定画素領域G10の透過率を制御する。特定画素領域G10は、加飾リング420および加飾ボス部材430を含むように設定されている。また、特定画素領域G10に、指針画像G14、数字画像G13および影画像G12を表示させる。これにより、指針画像G14が目盛り421を指し示すことで車速等の物理量が表示されることとなる。
特定画素領域G10のうち実体物が存在しない領域、かつ、指針画像G14、数字画像G13および影画像G12が表示されていない領域は、拡散板33が視認されることとなる。この領域の透過率が100%であれば、この場合の拡散板33は光源34の色で面発光しているように視認される。つまり、拡散板33を背景として、実体物、指針画像G14、数字画像G13および影画像G12が視認されるようになる。他の画素領域G20については、特定画素領域G10よりも低い透過率に制御する。なお、ステップS10の処理を実行している時のマイコン61は、実体物表示モードと実体物非表示モードとに切り替える「切替手段」に相当する。
以上により、本実施形態によれば、液晶パネル20に表示される画像を加飾する加飾部材(実体物)としての加飾リング420および加飾ボス部材430が、液晶パネル20とバックライト30の間に配置されている。そのため、液晶パネル20の正面側に実体物を配置した場合に生じる「液晶パネル20による画像の一部が実体物により遮られて見えなくなる」といった問題を回避できる。よって、液晶パネル20に実体物としての加飾部材を組み合わせて表示装置Dに奥行き感を付与させつつも、液晶パネル20の表示面20a全体を有効に利用できるようになる。
また、本実施形態によれば、液晶パネル20による画像の奥側に実体物が視認され、さらにその実体物の奥側に拡散板33が視認される。したがって、少なくとも3層のレイヤー表示を実現でき、奥行きのある見栄えにすることを向上できる。
さらに本実施形態によれば、実体物が背面側に位置する部分の特定画素領域G10の透過率が、他の画素領域G20より高いので、特定画素領域G10を透過して実体物が視認され易くなる。一方、他の画素領域G20については、液晶パネル20の背面側に存在する物(拡散板33)が視認され難くなる。そのため、特定画素領域G10を透して視認される実体物が目立つようになり、実体物に視線が惹きつけられることが促進される。
さらに本実施形態では、バックライト30とは別に、加飾リング420(加飾部材)を照明する光源423を備える。そのため、加飾リング420の目盛り421と、液晶パネル20に表示される各種画像との視差で浮遊感を生じさせるにあたり、目盛り421を鮮明に視認させることができるので、視差が強調されて浮遊感を向上できる。
さらに本実施形態では、実体物としての目盛り421が、指針画像G14により指し示される。そのため、目盛り421が指針画像G14の奥側に視認され、奥行きのある見栄えにすることを向上できる。さらに、目盛り421の奥側に、指針画像G14の背景となる拡散板33が視認されるので、奥行き感を向上できる。
さらに本実施形態によれば、他の画素領域G20が黒色画像になるように液晶パネル20を制御する。そのため、他の画素領域G20では拡散板33が視認されなくなり、かつ、特定画素領域G10の輝度が他の画素領域G20の輝度よりも高くなるので、加飾リング420および加飾ボス部材430への誘目性をより一層向上できる。
さらに本実施形態によれば、加飾リング420および加飾ボス部材430の両方を非表示にする非表示モード(図5参照)と、加飾ボス部材430を非表示にしつつ、加飾リング420を表示する表示モード(図4参照)とを切り替える。このように、実体物を液晶パネル20の背面側に配置しているので、液晶パネル20による低輝度領域(他の領域)を変更することで、所望の実体物を非表示にすることを容易に実現できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図8および図9に示すように、実体物には、表示面20aの視認可能領域の外縁に沿って延びる壁部材400、および指針40が含まれている。視認可能領域の外縁は、見返し板11の開口部11aの壁面により特定される。壁部材400は、上記外縁に沿って環状に延びる筒形状であり、液晶パネル20に近づくほど開口面積が拡大する形状である。壁部材400の筒形状内部に指針40は位置する。壁部材400は透光性を有する樹脂製である。
指針40は、指針部41とボス部42を有する。指針部41およびボス部42は透光性を有する樹脂により一体に形成されている。ボス部42には回転軸51が固定されている。回転軸51は、導光板31、反射板32および拡散板33に形成された貫通穴31a、32a、33aに挿入配置されており、電動モータ50により回転する。電動モータ50は回路基板60に取り付けられている。マイコン61が電動モータ50の駆動を制御することにより、指針40の回転位置が制御される。
壁部材400の内周面は凹凸形状に形成されており、凹凸に応じて屈折した光が、液晶パネル20を透して視認される。具体的には、図9に示すように、壁部材400の内周面に、環状に延びる4本の凸部401が4つ並べて形成されている。液晶パネル20の表示面20aのうち、壁部材400が背面側に位置する部分の画素領域は、他の画素領域G20に比べて透過率の高い特定画素領域G100に設定されている。そのため、壁部材400は特定画素領域G100を透して図8のように視認されることとなる。なお、非表示モードにおいては、液晶パネル20のうち壁部材400および指針40に対向する位置の透過率を低くして、これら実体物は視認されない。
以上により、本実施形態によれば、液晶パネル20の奥側に、指針40および壁部材400が視認されるようになる。よって、液晶パネル20の正面側に壁部材および指針を配置した場合に生じる「液晶パネル20による画像の一部が壁部材により遮られて見えなくなる」といった問題を回避できる。よって、液晶パネル20に実体物としての壁部材400および指針40を組み合わせて表示装置Dに奥行き感を付与させつつも、液晶パネル20の表示面20a全体を有効に利用できるようになる。
(第3実施形態)
図10に示すように、本実施形態では、バックライト30と液晶パネル20との間に加飾板440が配置されている。加飾板440は透光性を有する樹脂製の板であり、加飾板440の所定領域には、光の透過を遮断する遮光領域P50が設けられている。図中の網点は遮光領域P50を示す。例えば、加飾板440のうち、黒色等の不透光性を有する塗料を所定領域に塗布することで遮光領域P50が形成され、塗布されていない部分が透光領域P50a、P50b、P51、P52に相当する。
加飾板440は、バックライト30に対して平行に配置されており、光源34を点灯させるとバックライト30により透過照明される。そして、透光領域P50a、P50b、P51、P52から射出される透過光を正面側(図10の上側)から見ることで、正面側から透光領域P50a、P50b、P51、P52の形状が視認される。例えば、符号P50aに示す透光領域は、メータ表示される物理量の数値や文字、記号等を表す形状に形成される。符号P50bに示す透光領域は、後述する指針画像G52aにより指示される目盛りを表す形状に形成される(図12参照)。そして、加飾板440のうち透光領域P50a、P50bおよび遮光領域P50の部分は、液晶パネル20を通して視認される実体物(加飾部材)に相当する。
加飾板440と液晶パネル20との間には、液晶パネル20へ背面側から光を照射する第2バックライト300が配置されている。第2バックライト300は、導光板310、および第2光源340を有して構成されている。第2光源340には発光ダイオードが採用され白色光を発光するものであり、複数の第2光源340が導光板310の側面310aに対向する位置に配置されている。
導光板310は、透光性を有する樹脂で板形状に形成されている。導光板310は、加飾板440と液晶パネル20との間に配置され、かつ、加飾板440および液晶パネル20に対して平行に配置されている。導光板310の背面は加飾板440と接触し、導光板310の表面は液晶パネル20と離間する。
導光板310の背面には、導光板310の内部に導かれた光を液晶パネル20へ向けて反射する反射面310bが形成されている。反射面310bは、乱反射して光を拡散させる凹凸形状に形成されている。例えば、導光板310にシボ加工を施すことで反射面310bが形成されている。
これにより、図13に示すように第2光源340を点灯させると、第2光源340から射出された光は、導光板310の側面310aから入射した後、導光板310の背面(反射面310b)および表面で反射しながら導光板31の内部を進む。そして、反射面310bで乱反射した光の一部が、導光板310から液晶パネル20へ向けて射出される。これにより、導光板310の全体が面発光した状態になり、液晶パネル20の全面に対して均一でムラの少ない光が、第2バックライト300から液晶パネル20へ射出される。
本実施形態においても図6に示す第1実施形態と同様にして、光源34の作動は、制御装置600のマイコン61により制御される。そして、第2光源340も上記マイコン61により制御される。これら第2光源340および光源34の作動を制御している時のマイコン61は「照明制御手段61b」に相当する。照明制御手段61bは、第2バックライト300の消灯時にはバックライト30を点灯させ(図10参照)、第2バックライト300の点灯時にはバックライト30を消灯させる(図13参照)ように制御する。以下、図10の表示モードを2層表示モードと呼び、図13の表示モードを1層表示モードと呼ぶ。
2層表示モードでは、図11に示す表示画像を液晶パネル20に表示させ、バックライト30により照明される加飾板440と、液晶パネル20による表示画像とが組み合わさって、図12のように視認される。
2層表示モードにおいて、液晶パネル20の表示面20aのうち、加飾板440の遮光領域P50および透光領域P50a、P50bの部分(加飾部材)が背面側に位置する部分の画素領域は、特定画素領域G50に相当する。表示面20aのうち図11中の斜線を付した部分の画素領域、つまり、加飾板440の透光領域P51、P52の部分が背面側に位置する部分の画素領域は、他の画素領域G51、G52に相当する。2層表示モードでは、特定画素領域G50が他の画素領域G51、G52に比べて光の透過率が高くなるように、制御装置600は液晶パネル20を制御する。
具体的には、特定画素領域G50では、液晶パネル20の赤色フィルタ、緑色フィルタおよび青色フィルタによる光の透過率を最大にする。これにより、バックライト30で透過照明される加飾板440のうち、遮光領域P50および透光領域P50a、P50bの部分が、特定画素領域G50を透かして視認される。
他の画素領域G51、G52では、バックライト30から射出された光のうち、透光領域P51、P52を透かして液晶パネル20に入射する光をバックライト光源として液晶表示される。他の画素領域G51には、各種の数字、文字、記号、目盛り等の画像が、黒色の背景画像とともに表示される。他の画素領域G51に表示される画像は、加飾板440の遮光領域P50を背景として視認される(図12参照)。
他の画素領域G52には、指針画像G52aおよびボス画像G52bが黒色の背景画像とともに表示される。指針画像G52aは、加飾板440の透光領域P50bにより視認される目盛りを指し示すよう、ボス画像G52bを中心に回転表示される。要するに、加飾板440の透光領域P50a、P50bによる目盛りおよび数字と、液晶パネル20の他の画素領域G52とが組み合わさって、スピードメータおよびタコメータとして視認される(図12参照)。これらのメータは、加飾板440の遮光領域P50を背景として視認される。
透光領域P52のうち遮光領域P50と隣接する部分には、遮光領域P50に近づくにつれ徐々に透光率が低下するグラデーション領域P52cが形成されている。また、液晶パネル20のうちグラデーション領域P52cと対向する部分の画素領域G52cでは、遮光領域P50に近づくにつれ徐々に表示輝度を低下させるように、制御装置600は液晶パネル20を制御する。
表示装置を真正面から見た場合には、グラデーション領域P52cの一部は、他の画素領域である画素領域G52cと重畳し、グラデーション領域P52cの一部は特定画素領域G50と重畳する。したがって、グラデーション領域P52cの一部と画素領域G52cとが隣接して視認され、かつ、視認者が頭を動かして視点位置を移動させると、グラデーション領域P52cの見える範囲が変化することとなる。
さて、2層表示モードでは、加飾板440の遮光領域P50を視認させるべく、光の透過率を高く設定した特定画素領域G50を設けることを要する。換言すれば、特定画素領域G50については、遮光領域P50によりバックライト30の光が遮断されるので、光源レスとなり液晶表示できない。
これに対し、1層表示モードでは、第2バックライト300の光が液晶パネル20の全面に入射するので、表示面20aの全体を液晶表示できる。なお、加飾板440は第2バックライト300の背面側に配置されているので透過照明されない。また、バックライト30は消灯しているので、加飾板440はバックライト30によっても照明されない。よて、図14に示すように、液晶パネル20の背面側に加飾板440が存在しているにも拘らず、加飾板440は視認されない。
図14および図15に示す液晶パネル20の表示例では、第1実施形態に係る図5と同様にして、画素領域G410を背景とした演出画像G411が表示されている。但し、第1実施形態では、表示面20aの全体が、実体物を視認できない程度の低い透過率で表示されている。これに対し、本実施形態では、このような透過率に設定することは不要であり、透過率を高く設定しても、先述したように加飾板440(実体物)は視認されない。
要するに、第2バックライト300およびバックライト30の作動状態を制御することで、実体物が視認される実体物表示モード(2層表示モード)と、実体物が視認されない実体物非表示モード(1層表示モード)とに切り替えることができる。
以上により、本実施形態では、液晶パネル20と加飾板440(加飾部材)との間に配置された第2バックライト300を備え、加飾板440はバックライト30により透過照明される。そして、第2バックライト300は、内部に導かれた光を液晶パネル20へ向けて反射する反射面310bが形成された導光板310を有する。これによれば、加飾板440(実体物)をバックライト30で照明し、導光板310を透かして視認させることができる。また、液晶パネル20を第2バックライト300で照明し、以下に説明するように液晶パネル20をフル表示できるようになる。
すなわち、バックライト30と液晶パネル20との間には加飾板440(実体物)が存在するので、バックライト30で液晶パネル20を照明しようとすると、加飾板440の影になって十分に照明できない箇所が生じる。これに対し本実施形態では、液晶パネル20と加飾板440の間に第2バックライト300を備えるので、第2バックライト300で液晶パネル20を照明すれば、上記影の箇所が生じない。よって、実体物非表示モードにおいて、液晶パネル20の表示面20aの全面をフル表示できる。
さらに本実施形態では、加飾板440に透光領域P51、P52を形成し、液晶パネル20のうち透光領域P51、P52に対向する部分には、画素領域G51、G52を表示させている。そのため、液晶パネル20に実体物を組み合わせて奥行き感を付与させることができる。
さらに本実施形態では、第2バックライト300の消灯時にはバックライト30を点灯させ、第2バックライト300の点灯時にはバックライト30を消灯させるように制御する照明制御手段61bを備える。これによれば、実体物表示モード(2層表示モード)と実体物非表示モード(1層表示モード)とを容易に切り替えることができる。そして、実体物非表示モードにはバックライト30を消灯させるので、無駄な電力消費を低減できる。
さらに本実施形態では、加飾板440は、バックライト30の光を透過する透光領域P50a、P50b、P51、P52、およびバックライト30の光を遮断する遮光領域P50を有する。そして、透光領域のうち遮光領域P50と隣接する部分には、遮光領域P50に近づくにつれ徐々に透光率が変化するグラデーション領域P52cが形成されている。一方、表示面20aのうちグラデーション領域P52cと対向する部分の画素領域G52cでは、遮光領域P50に近づくにつれ徐々に表示輝度を変化させるように、液晶パネル20は表示制御される。これによれば、加飾板440によるグラデーションと液晶パネル20によるグラデーションとが、視認者から見て手前側と奥側とで重なって視認される。そして、視認者が頭の位置を動かして視点位置を変えて両グラデーションの境目を見た場合に、手前側と奥側との視差を強調して視認させることができ、立体感を強調できる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、第2バックライト300の点灯時には、バックライト30を消灯させている。これに対し本実施形態では、第2バックライト300の点灯時にも、バックライト30を点灯させている。但し、バックライト30の色を第2バックライト300とは異ならせている。
より詳細に説明すると、図16に示す照明制御手段61cは、第2バックライト300の消灯時にはバックライト30を点灯させる。よって、第3実施形態と同様にして、バックライト30により照明される加飾板440と、液晶パネル20による表示画像とが組み合わさって視認される。
一方、照明制御手段61cは、第2バックライト300の点灯時にはバックライト30も点灯させる(図16参照)。第2バックライト300の第2光源340は赤色光を射出し、バックライト30の光源34は白色光を射出する。その結果、加飾板440の透光領域P50a、P50b、P51、P52を透過して、光源34による白色光が液晶パネル20に入射する。また、導光板310の全面からは、第2光源340による赤色光が液晶パネル20に入射する。
したがって、液晶パネル20のうち、透光領域P50a、P50b、P51、P52に対向する部分(淡赤部分)は白色光と赤色光の両方により照明され、それ以外の部分(赤部分)は赤色光により照明される。つまり、液晶パネル20の全体が赤みを帯びた表示になり、特に赤部分は淡赤部分に比べて鮮明な赤色に表示される。
以上により、本実施形態によれば、第2バックライト300の消灯時および点灯時のいずれにおいてもバックライト30を点灯させるよう、バックライト30および第2バックライト300の作動を制御する照明制御手段61cを備える。これによれば、上記第3実施形態と同様の効果が発揮されることに加え、以下の効果が発揮される。すなわち、表示装置のうちバックライト30の色で視認させる部分については、バックライト30の光で色を表現できるようになる。よって、液晶パネル20のカラーフィルタにより色を表現する場合に比べて、鮮明な色で表現できる。
(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
バックライト30の発光面33bは、液晶パネル20の表示面20aよりも大きく形成されていることが望ましい。これによれば、表示面20aの全面を低透過率にした場合に、バックライト30のうち発光面33bよりも外側の部分P2(図2参照)が、液晶パネル20を透かして視認されてしまうおそれを低減できる。よって、表示装置Dの見栄えが損なわれるおそれを低減できる。
図1に示す実施形態では、目盛り画像G11を特定画素領域G10に表示させているが、他の画素領域G20に表示させてもよい。
図3に示す実施形態では、加飾リング420に光源423を取り付けているが、該光源423を廃止してもよい。また、図9に示す実施形態において、指針40に光源を取り付けて、該光源で指針40を照明させてもよい。特定画素領域G10、G100、G300は、実体物の全体が見えるように設定されてもよいし、実体物の一部が見えるように設定されてもよい。
特定画素領域G10、G100、G300と他の画素領域G20、G400との境界は、輝度が徐々に変化するグラデーション表示の画像にすることが望ましい。
上記各実施形態に係る実体物を任意に組み合わせて表示装置Dに備えさせてもよい。例えば、加飾リング420と指針40の両方を備えさせてもよいし、加飾ボス部材430や壁部材400を任意に組み合わせてもよい。
図8に示す実施形態では、壁部材400を環状に形成しているが、壁部材400は環状に限られるものではない。また、各実施形態において実体物を透明の樹脂で形成しているが、着色された樹脂を採用してもよい。また、バックライト30が有する反射板32に、文字または図形を表す印刷や凹部を形成し、反射板32を文字板として機能させてもよい。
上記第1実施形態に係る加飾部材は、リング形状の加飾リング420であるが、本発明に係る加飾部材はリング形状に限定されるものではなく、例えば、指針画像G14や指針40の回動方向に延びる円弧形状であってもよい。
上記各実施形態では、他の画素領域G20に表示される背景画像を黒色に制御しているが、上記背景画像は黒色に限定されるものではなく、特定画素領域G10よりも低透過率であれば、背景画像の色や輝度は任意に設定すればよい。
また、各実施形態では液晶パネル20はフルカラータイプであるが、モノクロタイプであってもよい。また、行電極および列電極を備えたマトリックス型でなく、所定形状のセグメント電極を備えてそれに対応する画素による画像を表示するセグメント液晶パネルにも適用可能である。
また、上記各実施形態では、液晶パネル20の表示面20aのうち加飾部材が背面側に位置する部分の画素領域である特定画素領域においては、他の画素領域に比べて光の透過率が高くなるように制御している。そして、加飾部材の全体が特定画素領域から目視可能となるように、特定画素領域の範囲や光透過率を制御している。しかしながら、加飾部材が部分的に目視可能となるように、特定画素領域の範囲や光透過率を制御してもよいことは勿論である。
上記各実施形態では、車両のインストルメントパネルに組み付けられた表示装置Dに本発明を適用させているが、本発明は該適用に限定されるものではなく、例えば、車両に搭載された電子ミラーに適用させてもよい。なお、電子ミラーとは、フロントウインドシールドやドアトリムに取り付けられて、ミラーに映る像を模した画像を表示させるものであり、車両後方の映像を表示させるものである。また、本発明は車両に搭載された表示装置に限定されるものではなく、例えば、パチンコやスロットル等の遊技機等や、家電製品に搭載された表示装置であってもよい。
上記第3実施形態では、加飾板440に透光領域P51、P52を形成し、実体物表示モード時に、バックライト30の光が液晶パネル20へ入射可能に構成している。これに対し、加飾板440のうち透光領域P51、P52に相当する部分に貫通穴を形成し、該貫通穴を通じて、バックライト30の光が液晶パネル20へ入射可能に構成してもよい。
上記第3実施形態に係るグラデーション領域P52cでは、遮光領域P50に近づくにつれ徐々に透光率を低下させている。これに対し、遮光領域P50に近づくにつれ徐々に透光率を上昇させてもよい。
20…液晶パネル、20a…表示面、30…バックライト、400…環状壁(実体物)、420…加飾リング(実体物としての加飾部材)、430…加飾ボス部材(実体物としての加飾部材)、600…制御装置、D…表示装置、G10、G100、G300…特定画素領域、G20、G400…他の画素領域。

Claims (10)

  1. 画像が表示される表示面(20a)を形成する液晶パネル(20)と、
    前記液晶パネルへ背面側から光を照射するバックライト(30)と、
    前記表示面に、特定画素領域(G10、G100、G300、G50)と、他の画素領域(G20、G400、G51、G52)と、を設定し、前記特定画素領域では、前記他の画素領域に比べて光の透過率が高くなるように、前記液晶パネルを制御する制御装置(600)と、
    前記液晶パネルと前記バックライトとの間に配置され、前記特定画素領域及び前記他の画素領域のうち、前記特定画素領域を通して視認される実体物であって、前記画像を加飾する加飾部材(400、420、430、440)と、
    前記液晶パネルと前記加飾部材との間に配置され、前記液晶パネルへ背面側から光を照射する、前記バックライトとは別の第2バックライト(300)と、を備え、
    前記他の画素領域は、前記特定画素領域を囲む態様にて前記液晶パネルの前記表示面に配置されており、
    前記加飾部材には、前記バックライトにより透過照明される加飾板(440)が含まれており、
    前記第2バックライトは、内部に導かれた光を前記液晶パネルへ向けて反射する反射面(310b)が形成された導光板(310)を有することを特徴とする表示装置。
  2. 画像が表示される表示面(20a)を形成する液晶パネル(20)と、
    前記液晶パネルへ背面側から光を照射するバックライト(30)と、
    前記液晶パネルと前記バックライトとの間に配置され、前記液晶パネルを通して視認される実体物であって、前記画像を加飾する加飾部材(400、420、430、440)と、
    前記表示面のうち前記加飾部材が背面側に位置する部分の画素領域である特定画素領域(G10、G100、G300、G50)では、他の画素領域(G20、G400、G51、G52)に比べて光の透過率が高くなるように、前記液晶パネルを制御する制御装置(600)と、
    前記液晶パネルと前記加飾部材との間に配置され、前記液晶パネルへ背面側から光を照射する、前記バックライトとは別の第2バックライト(300)と、を備え、
    前記加飾部材には、前記バックライトにより透過照明される加飾板(440)が含まれており、
    前記第2バックライトは、内部に導かれた光を前記液晶パネルへ向けて反射する反射面(310b)が形成された導光板(310)を有することを特徴とする表示装置。
  3. 前記第2バックライトの消灯時には前記バックライトを点灯させ、前記第2バックライトの点灯時には前記バックライトを消灯させるよう、前記バックライトおよび前記第2バックライトの作動を制御する照明制御手段(61b)を備えることを特徴とする請求項またはに記載の表示装置。
  4. 前記第2バックライトの消灯時および点灯時のいずれにおいても前記バックライトを点灯させるよう、前記バックライトおよび前記第2バックライトの作動を制御する照明制御手段(61c)を備えることを特徴とする請求項またはに記載の表示装置。
  5. 前記加飾板は、前記バックライトの光を透過する透光領域(P50a、P50b、P51、P52)、および前記バックライトの光を遮断する遮光領域(P50)を有し、
    前記透光領域のうち前記遮光領域と隣接する部分には、前記遮光領域に近づくにつれ徐々に透光率が変化するグラデーション領域(P52c)が形成され、
    前記表示面のうち前記グラデーション領域と対向する部分の画素領域(G52c)では、前記遮光領域に近づくにつれ徐々に表示輝度を変化させるように、前記制御装置は前記液晶パネルを制御することを特徴とする請求項のいずれか1つに記載の表示装置。
  6. 前記バックライトとは別に、前記加飾部材を照明する光源(423)を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の表示装置。
  7. 前記加飾部材(420)は、指針(G14)により指し示される目盛り(421)を表示することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の表示装置。
  8. 前記指針は、前記液晶パネルに表示される前記画像であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
  9. 前記特定画素領域の透過率を、前記実体物が視認可能となる程度に高くする実体物表示モードと、前記実体物が視認できない程度に低くする実体物非表示モードとに切り替える切替手段(61a)を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の表示装置。
  10. 前記制御装置は、前記他の画素領域に黒色の背景画像を表示させるように前記液晶パネルを制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の表示装置。
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