JP6476642B2 - 真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材に関するものである。
断熱技術は、古くから人間の衣食住の各場面において、快適さの追及などを目的として、さまざまな工夫や発明がなされ、人間生活にとって不可欠の技術となっている。加えて近年では、地球環境保全への関心の高まりを背景に省エネルギーが推進され断熱技術も一層重要性を増している。
断熱技術は、熱の伝導を遮断ないしは抑制する技術であって、熱の伝導のタイプによってその遮断、抑制の方法が異なる。熱の伝わり方のうち、伝導については物体あるいは気体の中を高温から低温に熱が転移する現象であり、例えば発泡ウレタンやグラスウールなどは熱伝導率が小さく、熱伝導を遮断、抑制することが可能であり建材として広く用いられている。一般住宅の場合はこれによって、居住の快適性が増し冷暖房のエネルギーコストの削減にもつながる。
他の熱の伝導に対流によるものがある。これは気体や液体などの流動体が加熱され、その物質が流動することによって熱が移動する現象であり、遮断、抑制するには流動体の対流の起こりにくい構造とするか、流動体そのものをなくす方法が有効である。伝導、対流、いずれの場合においても、熱源との間が真空であれば熱伝導を遮断、抑制ができるのであり、真空断熱材が考案されている。
真空断熱材とは、フィルムなどで被覆した多孔質構造の芯材を、内部を減圧して真空状態で封止したもので、気体伝導率がゼロになり、断熱材内部で対流が起こらないために優れた断熱材として用いられている。前記発泡ウレタンやグラスウールに比べると、同レベルの断熱性能を真空断熱材の場合にはより薄い構成で実現できる利点がある。
このような特徴を有することから、真空断熱材は冷蔵庫や炊飯器、温水器、風呂、便座、クーラーボックス、ボトルケースなど冷熱に関連して生活に密着した分野で用いられている。また住宅建材、自動車、車両、空調機器、コンテナ、保冷車、など大型の用途にも用いることができる。
真空の持つ優れた断熱性能を生かした真空断熱材であるが、熱伝導のうち輻射に対しては、熱が電磁波として伝わることにより真空中でも熱が伝導してしまうため、断熱に加えて遮熱といわれる方法をとる必要がある。
遮熱のためには電磁波を反射あるいは吸収することが必要で、一般に真空断熱材においては、反射材としてアルミニウム箔や金属箔を、真空断熱材の被覆フィルムにラミネートして用いる方法がとられてきた。特許文献1に記載された発明はこれに当たる。真空断熱材と金属箔の組み合わせによって、伝導、および対流の熱伝導を遮断、抑制しかつ輻射熱を遮熱することができるためトータルの熱伝導率を低く抑えることができる。
一方でアルミニウム箔などの金属箔を用いる場合には、金属箔を用意して被覆フィルムとのラミネート工程を別に設けなくてはならず煩雑であり、またコスト的にも不利であった。さらに環境保護的な観点からは、断熱材を廃棄した後焼却される場合には、アルミニウム箔や金属箔の残渣が残ることや燃焼の際に高温を発して焼却炉を傷める恐れがあるなどの問題もあった。
また金属箔を用いることによって、ヒートブリッジと呼ばれる熱伝導を起こし、トータルの熱伝導率を大きくしてしまう作用を引き起こすことも問題とされ、金属箔の代わりに、アルミニウムなどの金属蒸着フィルムを用いる場合には高温や多湿環境下で腐食、劣化する問題がある。
しかしながらアルミニウム箔や金属箔、金属蒸着フィルムの欠点をなくすために、アルミニウム箔や金属箔、金属蒸着フィルムを用いずに透明なフィルムを被覆に用いる場合には、断熱材の熱伝導率のうち輻射による成分は残らざるを得なかった。
特許第4353185号公報 特開2009−263547号公報 特開2005−330466号公報
本発明はかかる状況に鑑み、アルミニウム箔あるいは金属箔・金属蒸着フィルムを用いることなく輻射熱を遮熱することのできる真空断熱材被覆用の積層体及びそれを用いた真空断熱材を、安価に提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第一の透明バリアフィルムと、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第二の透明バリアフィルムと、シーラント層とが、この順で積層されてなる真空断熱材用積層体において、前記バリア層は無機化合物からなり、第一の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線反射印刷層が設けられており、第二の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線吸収印刷層が設けられており、前記赤外線反射印刷層と前記赤外線吸収印刷層が接着剤層を介して向かい合わせの配置で貼り合わされていることを特徴とする真空断熱材用積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記赤外線吸収印刷層は樹脂中に顔料を分散して構成されており、顔料の粒径が0.04μm〜5.0μm、樹脂に対する顔料の比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用積層体である。
また、請求項3に記載の発明は、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第一の透明バリアフィルムと、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第二の透明バリアフィルムと、シーラント層とが、この順で積層されてなる真空断熱材用積層体において、前記バリア層は無機化合物からなり、第一の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線反射印刷層が設けられており、第一の透明バリアフィルムに設けた前記赤外線反射印刷層と第二の透明バリアフィルムに設けたバリア層とが、赤外線吸収粒子を含む接着剤層を介して向かい合わせの配置で貼り合わされていることを特徴とする真空断熱材用積層体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記接着剤は樹脂中に前記赤外線吸収粒子を分散して構成されており、前記粒子の粒径が0.04μm〜5.0μm、接着剤の固形成分に対する前記粒子の比率は0.5%〜2.0%であることを特徴とする請求項3に記載の真空断熱材用積層体である。
また、請求項に記載の発明は、赤外線反射印刷層は樹脂中に顔料を分散して構成されており、顔料の粒径が0.2μm〜5.0μm、樹脂に対する顔料の比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の真空断熱材用積層体である。
また、請求項に記載の発明は、第一の透明バリアフィルムのバリア層と、第二の透明バリアフィルムのバリア層の少なくとも一方が、蒸着法を用いて形成した無機化合物の層と、コーティング法を用いて形成した無機化合物の層との両方を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の真空断熱材用積層体である。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の積層体を用いて構成されることを特徴とする真空断熱材である。
請求項1〜7に記載の発明によれば、アルミニウム箔あるいは金属箔・金属蒸着フィルムを用いることなく輻射熱を遮熱することのできる真空断熱材被覆用の積層体を、安価に提供することができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、アルミニウム箔あるいは金属箔・金属蒸着フィルムを用いることなく輻射熱を遮熱することのできる真空断熱材を提供することができる。
図1は本発明に係る真空断熱材の構成を示す断面模式図である。 図2は本発明に係る真空断熱材用積層体の一実施形態の部分断面模式図である。 図3は本発明に係る真空断熱材用積層体の他の実施形態の部分断面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について図1〜図3を参照しながら詳細に説明を加える。
図1は本発明に係る真空断熱材の構成を示す断面模式図である。真空断熱材(1)は芯材(3)を2枚の真空断熱材用積層体(2)で被覆して構成される。2枚の真空断熱材用積層体は各々のヒートシール層を対向させて加熱し、ヒートシール部(4)を形成し貼り合わせられる。
図2は本発明に係る真空断熱材用積層体の一実施形態の部分断面模式図である。第一の透明バリアフィルム(15)は基材フィルム(5)にバリア層(8)を設けて構成される。この第一の透明バリアフィルム(15)のバリア層(8)上に赤外線反射印刷層(9)を設ける。
一方第二の透明バリアフィルム(16)は基材フィルム(12)にバリア層(8)を設けて構成される。この第二の透明バリアフィルム(16)のバリア層(8)上に、赤外線吸収印刷層(11)を設ける。
これらは接着剤層(10)を介して貼り合わせられ、さらにシーラント層(14)を、
接着剤層(13)を介して第二の透明バリアフィルム(10)と貼り合わせ、真空断熱材用積層体(2)が構成される。
本発明においては、赤外線反射印刷層(9)と赤外線吸収印刷層(11)とを設けて赤外線の透過を防ぐことができるが、赤外線反射印刷層(9)を本発明による真空断熱材を使用する際に外側(17)である高温側に配置することによって、より効果的に透過を防ぐことができる。
また第一の透明蒸着バリアフィルム(15)および第二の透明蒸着バリアフィルム(16)は、それぞれに設けられた印刷層を対向させる配置で貼り合せることにより第一の透明蒸着バリアフィルムのフィルム面が外側(17)になり、バリア層および印刷層の保護層となる点で好ましい。
本発明に係る真空断熱材用積層体の透明蒸着バリアフィルムについてさらに説明を加える。第一の透明蒸着バリアフィルム(15)および第二の透明蒸着バリアフィルム(16)はそれぞれ基材フィルム(5)および基材フィルム(12)にバリア層(8)を設けて構成される。バリア層(8)は、蒸着法による無機化合物層(6)、およびコーティング法による無機化合物層(7)の少なくとも一方を含む。
(基材フィルム)
基材フィルム(5)および基材フィルム(12)は高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
(バリア層)
蒸着法による無機化合物層(6)を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を蒸着法を用いて基材フィルム上に蒸着法による無機化合物層(6)を形成することができる。また水溶性高分子と、(A)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(B)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層(7)を蒸着法による無機化合物層(6)に重ねて形成しバリア層(8)とすることができる。
これら2層の複合により、蒸着法による無機化合物層(6)とコーティング法による無機化合物層(7)との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層(7)が蒸着法による無機化合物層(6)に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、真空断熱材用積層体としての適性も具備することができる。
(接着剤層)
接着剤層(10)は第一の透明バリアフィルム(15)と第二の透明バリアフィルム(16)との貼り合わせに用いるが、残留臭気や用途別に求められる安全性、また接着性を考慮すれば特に材料の種類を限定するものではない。貼り合わせには接着剤を用いたドライラミネート法やエクストルーダーによる樹脂の押し出し法などを用いることができる。
接着剤層(12)は第二の透明バリアフィルム(16)とシーラント層(14)の貼り
合わせに用いるが、残留臭気や用途別に求められる安全性、また接着性を考慮すれば特に材料の種類を限定するものではない。接着剤層の形成はドライラミネート法やエクストルーダーによる樹脂の押し出し法などを用いることができる。
(シーラント層)
シーラント層は、ポリエチレン樹脂をフィルムで用いることもでき、エクストルーダーによる押し出しで形成するのでもよい。たとえば直鎖状ポリエチレンフィルムを用いることができる。2枚の積層体はシーラント層同士を対向させて熱融着させ真空断熱材の被覆材として用いることができる。
(赤外線反射印刷層)
輻射熱を遮熱するには、放射された赤外領域の電磁波を反射、遮断することが効果的である。赤外線反射印刷層を形成するための塗料は、粒径0.2μm〜5.0μmの顔料を含み、その樹脂に対する比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5である。赤外線反射印刷層の形成に当たっては、既知のコーティング法や印刷法を用いて行うことができる。顔料として、酸化チタン、クレイ、タルク、カオリン、珪藻土、亜鉛華、硫酸バリウム粉、アルミニウム粉末、ステンレス粉末のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。特に酸化チタンは化学的に安定で安全性も高く、隠蔽効果も高いため好ましい。
本発明における赤外線反射顔料の平均粒子径が0.2μm未満の場合は赤外線反射性が劣り、5.0μmを超える場合は、塗料化が困難となる。また赤外線反射顔料と樹脂の配合比は、質量比で赤外線反射顔料:樹脂=1〜10:3〜5である。赤外線反射顔料の配合比がこれより少ないと十分な赤外線反射性が出せず、多いと塗料化が困難となる。版深度20μm〜30μmの版を用いて膜厚1.0〜30μmの赤外線反射印刷層を形成する。1.0μm未満の場合は赤外線反射性が劣り、30μmを超える場合には塗工が困難となる。^
真空断熱材の用途のひとつである冷蔵庫や給湯器は発熱体として0℃〜100℃の範囲と想定され、高温側から低温側に向かって輻射熱が電磁波として放射される。放射される電磁波のピーク波長は、ウイーンの変位則より7μm〜10μmである。また、Mieの理論によって、波長の約半分の粒子径において散乱が最も大きくなることから、赤外線反射印刷層に用いる顔料の粒子径は3μm〜5μmの範囲がより好ましい。
(赤外線吸収印刷層)
赤外線吸収印刷層を形成するための塗料は、粒径0.04μm〜5.0μmの顔料を含み、その樹脂に対する比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5である。赤外線吸収印刷層の形成に当たっては、既知のコーティング法や印刷法を用いて行うことができる。赤外線吸収のための顔料として、カーボンブラック、酸化鉄、銅とクロムの複合酸化物、銅、クロム、亜鉛の複合酸化物のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。特にカーボンブラックは輻射された赤外線の吸収率が高いので好ましい。赤外線吸収印刷層は赤外線反射印刷層で反射しきれずに透過した赤外線を吸収して透過することを防ぐ働きをする。
本発明における赤外線吸収顔料の平均粒子径が0.04μm未満の場合は発色性が不安定で5.0μmを超える場合は塗料化が困難となる。また赤外線吸収顔料と樹脂の配合比は、質量比で赤外線反射顔料:樹脂=1〜10:3〜5である。赤外線吸収顔料の配合比がこれよりも少ないと充分な赤外線吸収性が出せず、多いと塗料化が困難となる。版深度20μm〜30μmの版を用いて膜厚1.0〜30μmの赤外線吸収印刷層を形成する。1.0μm未満の場合は赤外線吸収性が劣り、30μmを超える場合には塗工が困難となる。
赤外線吸収印刷層は独立して層を設けるのではなく、接着剤層(10)に赤外線吸収粒子を含む接着剤を用いるのでもよい。この場合も粒径0.04μm〜5.0μmの顔料を含み、接着剤の固形成分に対する配合比率は0.5%〜2%である。
図3は本発明に係る真空断熱材用積層体の他の実施形態の部分断面模式図であり、接着剤層に赤外線吸収粒子を含む接着剤を用いた例である。ここでは接着剤層(22)は赤外線吸収粒子(21)を含み、赤外線反射印刷層を設けた第一の透明バリアフィルムと第二の透明バリアフィルムを接着する機能と、赤外線吸収の機能を兼ね備えた層となっている。
以下のとおりの材料と手順で真空断熱材用積層体を作成した。図2は、本発明の真空断熱材用積層体の一実施形態を模式的に示した断面図である。
<実施例1>
まず基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、第一の透明バリアフィルム(15)を作成し、バリア層の側に印刷法を用いて赤外線反射印刷層(9)を設けた。次に基材としてポリアミドフィルムを用い第二の透明バリアフィルムを(16)作成し、バリア層の側に印刷法を用いて赤外線吸収印刷層(11)を設けた。
さらに第一の透明バリアフィルム(15)と第二の透明バリアフィルム(16)の印刷面同士を対向させて貼り合わせたのち、シーラント層(14)と第二の透明バリアフィルムのフィルム面とを貼り合せ、外側から第一の透明バリアフィルム(15)、第二の透明バリアフィルム(16)、シーラント層(14)の順に積層した。
具体的な材料構成は以下のとおりである。
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層を形成した。
次いで下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃ 1分間乾燥させ厚さ0.5μmの被膜層を形成し第一の透明バリアフィルム(15)とした。コーティング剤の組成は、「1液」と「2液」を配合比(wt%)で60/40に混合したものである。
「1液」:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO換算)の加水分解溶液
「2液」:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
平均粒子径3.0μmの酸化チタンを樹脂、溶剤、助剤と5:15:40:1の比率で混合し、赤外線反射塗料を得た。この赤外線反射塗料を前記第一の透明バリアフィルム(15)の前記被膜層面に版深度25μmの版を用いて塗布し、膜厚20μmの赤外線反射印刷層(9)を形成した。
基材として、厚さ15μmの2軸延伸ポリアミドフィルムの片面に、前記蒸着薄膜層を形成した。次いで前記被膜層を形成し第二の透明バリアフィルム(16)とした。
平均粒子径50nmのカーボンブラックを樹脂、溶剤、助剤と5:15:40:1の比率で混合し、赤外線吸収塗料を得た。この赤外線吸収塗料を前記第二の透明バリアフィル
ム(16)の前記被膜層面に版深度25μmの版を用いて塗布し、膜厚20μmの赤外線吸収印刷層(11)を形成した。
前記第一の透明バリアフィルム(15)の赤外線反射層面と前記第二の透明バリアフィルム(16)の赤外線吸収層面を、ウレタン系接着剤からなる接着剤層(10)を介して積層、接着した。次いで、シーラント層(14)である厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムと、前記積層体の前記第二の透明バリアフィルム(16)の基材フィルム(12)とを貼り合わせて、真空断熱材用積層体(2)を得た。
<実施例2>
第二の透明バリアフィルム(16)には赤外線吸収印刷層(11)を設けずに、第一の透明バリアフィルム(15)と第二の透明バリアフィルム(16)を貼り合わせる前記接着剤に、前記カーボンブラックを接着剤の固形成分に対して1%添加した以外は実施例1と同様である。
<比較例1>
第二の透明バリアフィルム(16)に赤外線吸収印刷層(11)を設けていない点を除いて実施例1と同様である。
<比較例2>
第一の透明バリアフィルム(15)に赤外線反射印刷層(9)を設けていない点を除いて実施例1と同様である。
<比較例3>
第一の透明バリアフィルムに(15)赤外線反射印刷層(9)を設けておらず、第二の透明バリアフィルム(16)にも赤外線吸収印刷層(11)を設けていない点を除いて実施例1と同様である。
<評価方法>
FT/IR−410(日本分光)を用いて、7500cm−1での透過率を測定した。
<評価結果>
実施例1〜2、比較例1〜3の7500cm−1での透過率を表1に示す。
<結果の考察>
表1の結果から、本発明による実施例1〜2と比較例1〜3の差は顕著であり、本発明によってアルミニウム箔あるいは金属箔を用いることなく輻射熱を遮熱することのできる真空断熱材被覆用の積層体及びそれを用いた真空断熱材を、安価に提供できることを検証することができた。
1・・・真空断熱材
2・・・真空断熱材用積層体
3・・・芯材
4・・・ヒートシール部
5・・・基材フィルム
6・・・蒸着法による無機化合物層
7・・・コーティング法による無機化合物層
8・・・バリア層
9・・・赤外線反射印刷層
10・・・接着剤層
11・・・赤外線吸収印刷層
12・・・基材フィルム
13・・・接着剤層
14・・・シーラント層
15・・・第一の透明バリアフィルム
16・・・第二の透明バリアフィルム
17・・・外側
21・・・赤外線吸収粒子
22・・・接着剤層

Claims (7)

  1. 基材フィルム上にバリア層を形成して成る第一の透明バリアフィルムと、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第二の透明バリアフィルムと、シーラント層とが、この順で積層されてなる真空断熱材用積層体において、前記バリア層は無機化合物からなり、第一の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線反射印刷層が設けられており、第二の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線吸収印刷層が設けられており、前記赤外線反射印刷層と前記赤外線吸収印刷層が接着剤層を介して向かい合わせの配置で貼り合わされていることを特徴とする真空断熱材用積層体。
  2. 前記赤外線吸収印刷層は樹脂中に顔料を分散して構成されており、顔料の粒径が0.04μm〜5.0μm、樹脂に対する顔料の比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用積層体。
  3. 基材フィルム上にバリア層を形成して成る第一の透明バリアフィルムと、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第二の透明バリアフィルムと、シーラント層とが、この順で積層されてなる真空断熱材用積層体において、前記バリア層は無機化合物からなり、第一の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線反射印刷層が設けられており、第一の透明バリアフィルムに設けた前記赤外線反射印刷層と第二の透明バリアフィルムに設けたバリア層とが、赤外線吸収粒子を含む接着剤層を介して向かい合わせの配置で貼り合わされていることを特徴とする真空断熱材用積層体。
  4. 前記接着剤は樹脂中に前記赤外線吸収粒子を分散して構成されており、前記粒子の粒径
    が0.04μm〜5.0μm、接着剤の固形成分に対する前記粒子の比率は0.5%〜2.0%であることを特徴とする請求項3に記載の真空断熱材用積層体。
  5. 赤外線反射印刷層は樹脂中に顔料を分散して構成されており、顔料の粒径が0.2μm〜5.0μm、樹脂に対する顔料の比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の真空断熱材用積層体。
  6. 第一の透明バリアフィルムのバリア層と、第二の透明バリアフィルムのバリア層の少なくとも一方が、蒸着法を用いて形成した無機化合物の層と、コーティング法を用いて形成した無機化合物の層との両方を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の真空断熱材用積層体。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の積層体を用いて構成されることを特徴とする真空断熱材。
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