JP6476642B2 - 真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材 - Google Patents
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Description
接着剤層(13)を介して第二の透明バリアフィルム(10)と貼り合わせ、真空断熱材用積層体(2)が構成される。
基材フィルム(5)および基材フィルム(12)は高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
蒸着法による無機化合物層(6)を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を蒸着法を用いて基材フィルム上に蒸着法による無機化合物層(6)を形成することができる。また水溶性高分子と、(A)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(B)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層(7)を蒸着法による無機化合物層(6)に重ねて形成しバリア層(8)とすることができる。
接着剤層(10)は第一の透明バリアフィルム(15)と第二の透明バリアフィルム(16)との貼り合わせに用いるが、残留臭気や用途別に求められる安全性、また接着性を考慮すれば特に材料の種類を限定するものではない。貼り合わせには接着剤を用いたドライラミネート法やエクストルーダーによる樹脂の押し出し法などを用いることができる。
合わせに用いるが、残留臭気や用途別に求められる安全性、また接着性を考慮すれば特に材料の種類を限定するものではない。接着剤層の形成はドライラミネート法やエクストルーダーによる樹脂の押し出し法などを用いることができる。
シーラント層は、ポリエチレン樹脂をフィルムで用いることもでき、エクストルーダーによる押し出しで形成するのでもよい。たとえば直鎖状ポリエチレンフィルムを用いることができる。2枚の積層体はシーラント層同士を対向させて熱融着させ真空断熱材の被覆材として用いることができる。
輻射熱を遮熱するには、放射された赤外領域の電磁波を反射、遮断することが効果的である。赤外線反射印刷層を形成するための塗料は、粒径0.2μm〜5.0μmの顔料を含み、その樹脂に対する比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5である。赤外線反射印刷層の形成に当たっては、既知のコーティング法や印刷法を用いて行うことができる。顔料として、酸化チタン、クレイ、タルク、カオリン、珪藻土、亜鉛華、硫酸バリウム粉、アルミニウム粉末、ステンレス粉末のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。特に酸化チタンは化学的に安定で安全性も高く、隠蔽効果も高いため好ましい。
真空断熱材の用途のひとつである冷蔵庫や給湯器は発熱体として0℃〜100℃の範囲と想定され、高温側から低温側に向かって輻射熱が電磁波として放射される。放射される電磁波のピーク波長は、ウイーンの変位則より7μm〜10μmである。また、Mieの理論によって、波長の約半分の粒子径において散乱が最も大きくなることから、赤外線反射印刷層に用いる顔料の粒子径は3μm〜5μmの範囲がより好ましい。
赤外線吸収印刷層を形成するための塗料は、粒径0.04μm〜5.0μmの顔料を含み、その樹脂に対する比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5である。赤外線吸収印刷層の形成に当たっては、既知のコーティング法や印刷法を用いて行うことができる。赤外線吸収のための顔料として、カーボンブラック、酸化鉄、銅とクロムの複合酸化物、銅、クロム、亜鉛の複合酸化物のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。特にカーボンブラックは輻射された赤外線の吸収率が高いので好ましい。赤外線吸収印刷層は赤外線反射印刷層で反射しきれずに透過した赤外線を吸収して透過することを防ぐ働きをする。
まず基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、第一の透明バリアフィルム(15)を作成し、バリア層の側に印刷法を用いて赤外線反射印刷層(9)を設けた。次に基材としてポリアミドフィルムを用い第二の透明バリアフィルムを(16)作成し、バリア層の側に印刷法を用いて赤外線吸収印刷層(11)を設けた。
さらに第一の透明バリアフィルム(15)と第二の透明バリアフィルム(16)の印刷面同士を対向させて貼り合わせたのち、シーラント層(14)と第二の透明バリアフィルムのフィルム面とを貼り合せ、外側から第一の透明バリアフィルム(15)、第二の透明バリアフィルム(16)、シーラント層(14)の順に積層した。
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層を形成した。
次いで下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃ 1分間乾燥させ厚さ0.5μmの被膜層を形成し第一の透明バリアフィルム(15)とした。コーティング剤の組成は、「1液」と「2液」を配合比(wt%)で60/40に混合したものである。
「2液」:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
ム(16)の前記被膜層面に版深度25μmの版を用いて塗布し、膜厚20μmの赤外線吸収印刷層(11)を形成した。
第二の透明バリアフィルム(16)には赤外線吸収印刷層(11)を設けずに、第一の透明バリアフィルム(15)と第二の透明バリアフィルム(16)を貼り合わせる前記接着剤に、前記カーボンブラックを接着剤の固形成分に対して1%添加した以外は実施例1と同様である。
第二の透明バリアフィルム(16)に赤外線吸収印刷層(11)を設けていない点を除いて実施例1と同様である。
第一の透明バリアフィルム(15)に赤外線反射印刷層(9)を設けていない点を除いて実施例1と同様である。
第一の透明バリアフィルムに(15)赤外線反射印刷層(9)を設けておらず、第二の透明バリアフィルム(16)にも赤外線吸収印刷層(11)を設けていない点を除いて実施例1と同様である。
FT/IR−410(日本分光)を用いて、7500cm−1での透過率を測定した。
<評価結果>
実施例1〜2、比較例1〜3の7500cm−1での透過率を表1に示す。
表1の結果から、本発明による実施例1〜2と比較例1〜3の差は顕著であり、本発明によってアルミニウム箔あるいは金属箔を用いることなく輻射熱を遮熱することのできる真空断熱材被覆用の積層体及びそれを用いた真空断熱材を、安価に提供できることを検証することができた。
2・・・真空断熱材用積層体
3・・・芯材
4・・・ヒートシール部
5・・・基材フィルム
6・・・蒸着法による無機化合物層
7・・・コーティング法による無機化合物層
8・・・バリア層
9・・・赤外線反射印刷層
10・・・接着剤層
11・・・赤外線吸収印刷層
12・・・基材フィルム
13・・・接着剤層
14・・・シーラント層
15・・・第一の透明バリアフィルム
16・・・第二の透明バリアフィルム
17・・・外側
21・・・赤外線吸収粒子
22・・・接着剤層
Claims (7)
- 基材フィルム上にバリア層を形成して成る第一の透明バリアフィルムと、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第二の透明バリアフィルムと、シーラント層とが、この順で積層されてなる真空断熱材用積層体において、前記バリア層は無機化合物からなり、第一の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線反射印刷層が設けられており、第二の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線吸収印刷層が設けられており、前記赤外線反射印刷層と前記赤外線吸収印刷層が接着剤層を介して向かい合わせの配置で貼り合わされていることを特徴とする真空断熱材用積層体。
- 前記赤外線吸収印刷層は樹脂中に顔料を分散して構成されており、顔料の粒径が0.04μm〜5.0μm、樹脂に対する顔料の比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用積層体。
- 基材フィルム上にバリア層を形成して成る第一の透明バリアフィルムと、基材フィルム上にバリア層を形成して成る第二の透明バリアフィルムと、シーラント層とが、この順で積層されてなる真空断熱材用積層体において、前記バリア層は無機化合物からなり、第一の透明バリアフィルムのバリア層上に赤外線反射印刷層が設けられており、第一の透明バリアフィルムに設けた前記赤外線反射印刷層と第二の透明バリアフィルムに設けたバリア層とが、赤外線吸収粒子を含む接着剤層を介して向かい合わせの配置で貼り合わされていることを特徴とする真空断熱材用積層体。
- 前記接着剤は樹脂中に前記赤外線吸収粒子を分散して構成されており、前記粒子の粒径
が0.04μm〜5.0μm、接着剤の固形成分に対する前記粒子の比率は0.5%〜2.0%であることを特徴とする請求項3に記載の真空断熱材用積層体。 - 赤外線反射印刷層は樹脂中に顔料を分散して構成されており、顔料の粒径が0.2μm〜5.0μm、樹脂に対する顔料の比率は質量比で、顔料:樹脂=1〜10:3〜5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空断熱材用積層体。
- 第一の透明バリアフィルムのバリア層と、第二の透明バリアフィルムのバリア層の少なくとも一方が、蒸着法を用いて形成した無機化合物の層と、コーティング法を用いて形成した無機化合物の層との両方を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材用積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を用いて構成されることを特徴とする真空断熱材。
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