JP6475475B2 - コラーゲン産生促進剤 - Google Patents
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Description
・ラクトバチルス・プランタラムYIT10278株(NITE P−01714、寄託日:2013年10月9日)
・ラクトバチルス・ペントーサスYIT10266株(NITE P−01713、寄託日:2013年10月9日)
・ラクトバチルス・ブレビスYIT10281株(NITE P−01715、寄託日:2013年10月9日)
それぞれの菌株は、各菌種の基準株との16SrRNA遺伝子の相同性が97%以上であったことから、それらの菌種に同定した。
発酵物の調製:
クロレラ(C.regularis)を噴霧乾燥して得られたクロレラ粉末10g、水1000mL、グルコース5gを混合したものを培地とした。これを105℃、100分間加熱殺菌後、以下の表1に示す乳酸菌の前培養液(1×106〜8cfu/ml)をそれぞれ1%接種し、30℃、72時間静置培養した。なお、培養前の培地のpHは約6.8であった。培養終了後に遠心分離およびろ過によりクロレラおよび乳酸菌を除去して発酵物を得た。なお、培養終了時の発酵物のpHは3.2〜4.2であった。また、培養終了時の菌数を、発酵物をMRS培地(ベクトンディッキンソン社製)で混釈培養し、計数した。その結果を表1に示した。培養終了時の菌数から、どの乳酸菌を使用しても十分に発酵が進んでいることが確認された。
発酵物の調製:
実施例1において、乳酸菌を表2に記載された株に代える以外は同様にして発酵物を得た。培養終了時の菌数を表2に示した。
コラーゲン産生促進作用の評価:
(1)ヒト皮膚線維芽細胞の培養
10%ウシ胎児血清含有DMEM培地(シグマ社製)を用い、ヒト皮膚線維芽細胞(CCD45SK:DSファーマ社製)を96ウェルプレートに1×104/Wellで播種し、5%CO2環境下、37℃、24時間培養した。その後、培地を無血清DMEM培地に交換してから、実施例1および比較例1で得た発酵物を最終濃度で10%となるよう添加し、5%CO2環境下、37℃、3日間培養して培養物を得た。なお、発酵物に代えてRO水を添加して得た培養物をコントロールとした。また、コラーゲン産生促進作用が報告(特開2002−80340号公報)されている乳酸菌をスキムミルク培地で培養した発酵物を別途調製し、この発酵物についても上記と同様に培養物を得た。発酵物の調製は、実施例1において培地を1%スキムミルク培地に代え、乳酸菌としてラクトバチルス・ペントーサスYIT10266を用いる以外は同様にして行った。なお、培養終了時の菌数は1.2×108(cfu/ml)であった。
上記(1)で得たヒト皮膚線維芽細胞の培養物の上清中のI型コラーゲン量を、ELISAキット(Procollagen Type I C-peptide(PIP) EIA kit:タカラバイオ社製)を用いて測定した。なお、発酵物のコラーゲン産生促進率は、コントロールのコラーゲン産生量を100%として算出した。
各発酵物のコラーゲン産生促進率は、ラクトバチルス・ペントーサスYIT10266を用いたものが262%、ラクトバチルス・ペントーサスYIT10289を用いたものが216%、ラクトバチルス・プランタラムYIT10278を用いたものが222%、ラクトバチルス・プランタラムYIT0132を用いたものが178%、ラクトバチルス・ブレビスYIT10281を用いたものが235%、ラクトバチルス・ブレビスYIT0076を用いたものが174%、ラクトバチルス・カゼイYIT10136を用いたものが217%、ラクトバチルス・ファビフェランタスYIT12095を用いたものが194%であった。一方、ラクトバチルス・クリスパータスYIT0212を用いたものは147%、ラクトバチルス・アシドフィルスYIT0070を用いたものは140%、ラクトバチルス・ケフィリYIT0222を用いたものは140%、ラクトバチルス・マリYIT0451を用いたものは148%であった。なお、未発酵クロレラエキス(乳酸菌を接種しないこと以外は実施例1と同様に作製)のコラーゲン産生促進率は127%であり、また1%スキムミルク培地でラクトバチルス・ペントーサスYIT10266を培養して得られた発酵物のコラーゲン産生促進率は123%であった。これらの結果から、本発明の発酵物には優れたコラーゲン産生促進効果があることが確認された。また、この効果は未発酵クロレラエキスやスキムミルク培地を乳酸菌で発酵させた発酵物よりも非常に高く、これらを組み合わせた場合よりも、さらに顕著な効果であることが確認された。また、特に、ラクトバチルス・プランタラムYIT10278株、ラクトバチルス・ペントーサスYIT10266株、ラクトバチルス・ブレビスYIT10281株を用いて得られた発酵物のコラーゲン産生促進率が高いことが確認された。
発酵物の調製:
クロレラ(C.regularis)を噴霧乾燥して得られたクロレラ粉末50g、水1000mL、グルコース5gを混合したものを培地とした。これを105℃、100分間加熱殺菌後、ラクトバチルス・ペントーサスYIT10266、ラクトバチルス・プランタラムYIT10278またはラクトバチルス・ブレビスYIT10281の前培養液(1×106〜8cfu/ml)をそれぞれ1%接種し、30℃、72時間静置培養した。培養終了後に遠心分離およびろ過によりクロレラおよび乳酸菌を除去して発酵物を得た。培養終了時の菌数を表3に示した。
発酵物の調製:
実施例2において、クロレラ(C.regularis)をクロレラ(C.pyrenoidosa)に代える以外は同様にして発酵物を得た。培養終了時の菌数を表4に示した。
実施例2において、クロレラ(C.regularis)をクロレラ(C.vulgaris)に代える以外は同様にして発酵物を得た。培養終了時の菌数を表5に示した。
コラーゲン産生促進作用の評価:
試験例1において、ヒト皮膚線維芽細胞としてCCD45SKの代わりにNHDF(Lonza社製)を用いる以外は同様にして、実施例2〜4で得られた発酵物のコラーゲン産生促進率を算出した。その結果を表6に示した。
化粧水:
下記組成の化粧水を製造した。
<組成> (質量%)
(1)エタノール 4.5
(2)1−3ブチレングリコール 2.0
(3)ヒアルロン酸 0.2
(4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.05
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)発酵物※ 5.0
(7)精製水 全体で100となる量
※実施例1に記載のラクトバチルス・ペントーサスYIT10266を用いて得られた発酵物
(7)に(3)と(6)を分散し、これに(1)、(2)、(4)及び(5)を加えて十分撹拌することにより化粧水を得た。
乳液:
下記組成の乳液を製造した。
<組成> (質量%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)スクワラン 2.0
(4)ソルビタンモノステアレート 1.5
(5)ポリオシキエチレン(20) 2.0
ソルビタンモノステアレート
(6)パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
(7)グリセリン 2.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)発酵物※ 3.0
(10)精製水 全体で100となる量
※実施例1に記載のラクトバチルス・プランタラムYIT10278を用いて得られた発酵物
(10)に(7)〜(9)を加え、これに80℃で(1)〜(6)を加えて乳化し、室温まで冷却して乳液を得た。
クリーム:
下記組成のクリームを製造した。
<組成> (質量%)
(1)流動パラフィン 22.0
(2)ワセリン 7.0
(3)セタノール 1.0
(4)ステアリン酸 2.0
(5)ミツロウ 2.0
(6)ソルビタンモノステアレート 3.5
(7)ポリオシキエチレン(20) 2.5
ソルビタンモノステアレート
(8)パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
(9)ヒアルロン酸 0.1
(10)1−3ブチレングリコール 1.0
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(12)発酵物※ 1.0
(13)精製水 全体で100となる量
※実施例1に記載のラクトバチルス・ブレビスYIT10281を用いて得られた発酵物
(13)に(10)〜(12)を加え、これに(9)を分散せしめて分散液を得る。次いでこれを80℃で(1)〜(8)を加えて乳化し、室温まで冷却してクリームを得た。
以 上
Claims (8)
- クロレラ属に属する微細藻類から選ばれる1種または2種以上の微細藻類および/またはその処理物を含有する培地中で、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・ファビフェランタス(Lactobacillus fabiferentans)およびラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)からなる群から選ばれる1種または2種以上の乳酸菌を培養して得られる発酵物を有効成分とするコラーゲン産生促進剤。
- 乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)およびラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤。
- 乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムYIT10278株(NITE P−01714)、ラクトバチルス・ペントーサスYIT10266株(NITE P−01713)およびラクトバチルス・ブレビスYIT10281株(NITE P−01715)からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載のコラーゲン産生促進剤。
- 微細藻類および/またはその処理物を含有する培地が、更に、乳酸菌が資化可能な糖類を1種または2種以上含有するものである請求項1〜3の何れか1項記載のコラーゲン産生促進剤。
- 請求項1〜4の何れか1項記載のコラーゲン産生促進剤を含有する皮膚外用剤。
- ラクトバチルス・プランタラムYIT10278株(NITE P−01714)。
- ラクトバチルス・ペントーサスYIT10266株(NITE P−01713)。
- ラクトバチルス・ブレビスYIT10281株(NITE P−01715)。
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