JP6475053B2 - 二相系ステンレス鋼線およびねじ製品ならびに二相系ステンレス鋼線の製造方法 - Google Patents

二相系ステンレス鋼線およびねじ製品ならびに二相系ステンレス鋼線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二相系ステンレス鋼線およびねじ製品ならびに二相系ステンレス鋼線の製造方法に係り、特に、成形性および耐食性に優れる二相系ステンレス鋼線およびそれからなるねじ製品ならびに二相系ステンレス鋼線の製造方法に関する。
従来、ステンレス鋼製のボルト、ナットまたは全ネジ等のねじ製品においては、SUS304、SUS304J3、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼が用いられてきた。近年、高強度化による材量節減、高価なNi原料を節減する省資源化の動きが出てきたことを背景に、オーステナイト系ステンレス鋼の代替となる二相系ステンレス鋼の実用化が検討されている。
しかしながら、二相系ステンレス鋼は高強度であるため、ねじ製品として使用するには成形が難しいという問題があった。そのため、二相系ステンレス鋼の成形性を向上させることを目的として、これまで様々な研究がなされてきた。
特許文献1には、高強度・高耐食ボルトを安価に製造することを目的として、安価な高耐食2相ステンレス鋼線の組織・成分・材質を制御することで冷間鍛造性とボルト製品の高強度化を付与する技術が開示されている。
また、特許文献2には、二相ステンレス鋼の成分およびボルトの加工率、熱処理を制御することにより、ボルト加工性を維持しつつも、耐応力腐食性、耐食性、強度を付与する技術が開示されている。
特開2009−91636号公報 特開2012−188727号公報
従来の方法を用いた場合でも、高強度な二相系ステンレス鋼に対して、ねじ転造によるねじ成形を施すことは可能である。しかし、本発明者らが研究を重ねた結果、従来の二相ステンレス鋼から製造したねじ製品では、塩水噴霧試験評価において、ねじ転造部から発銹することが分かった。
本発明は、成形性に優れるとともに、ねじ転造部において発銹しない、耐食性に優れる二相系ステンレス鋼線およびそれからなるねじ製品を提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決するために検討を重ねた結果、以下の知見を得るに至った。
(a)ねじ製品は、転造後に研磨することなく使用されることが多いが、転造部における発銹は、特に研磨を実施しない場合に生じやすい。
(b)発銹したねじ製品について、詳細に観察したところ、転造部において表面が部分的に剥がれかけた、ささくれ状の疵が生じていることが分かった。そして、ささくれ状の疵によって生じる隙間部分から発銹していることを見出した。
(c)転造後に研磨を行わないねじ製品においても耐食性を向上させるためには、上記の疵の発生を防止する必要がある。
(d)本発明者らが転造により疵が発生するのを防止し、耐食性を向上させる方法について、さらに検討を重ねた結果、鋼の化学組成を適正な範囲に調整するのに加えて、鋼の加工硬化指数および結晶粒の大きさを制御する必要があることを発見した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、下記の二相系ステンレス鋼線およびねじ製品ならびに二相系ステンレス鋼線の製造方法を要旨とする。
(1)質量%で、
C:0.05%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:5.0%以下、
P:0.04%以下、
S:0.03%以下、
Cr:18.0〜28.0%、
Ni:8.0%以下、および
N:0.40%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
加工硬化指数(n値)が0.10〜0.50であり、
鋼線の長手方向に垂直な断面において、重心と表面とを結ぶ線上で結晶粒界を横断する数が0.1mmあたり4〜40である、二相系ステンレス鋼線。
(2)質量%で、さらに、
Cu:2.0%以下、および
Mo:3.0%以下
から選択される1種以上を含有する、前記(1)に記載の二相系ステンレス鋼線。
(3)質量%で、さらに、
Nb:0.8%以下、および
Ti:0.5%以下
から選択される1種以上を含有する、前記(1)または(2)に記載の二相系ステンレス鋼線。
(4)質量%で、さらに、
Sn:1.0%以下
を含有する、前記(1)から(3)までのいずれかに記載の二相系ステンレス鋼線。
(5)質量%で、さらに、
W:0.5%以下、
Co:0.5%以下、
Al:0.05%以下、
Ca:0.05%以下、
V:0.5%以下、
B:0.01%以下、
Mg:0.1%以下、
Zr:0.5%以下、および
REM:0.1%以下
から選択される1種以上を含有する、前記(1)から(4)までのいずれかに記載の二相系ステンレス鋼線。
(6)ねじ製品用である、前記(1)から(5)までのいずれかに記載の二相系ステンレス鋼線。
(7)前記(6)に記載の二相系ステンレス鋼線からなる、ねじ製品。
(8)前記(1)から(5)までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼に対して、熱間線材圧延を施した後、1250〜1400℃の温度範囲において10〜30min保持する第1熱処理を行い、0.01〜0.1℃/sで850〜1050℃の温度範囲まで冷却し、その後、850〜1050℃の温度範囲において10〜30min保持する第2熱処理を行う、二相系ステンレス鋼線の製造方法。
なお、「ねじ」とは、JIS B 0101によれば「ねじ山を持った円筒又は円すい全体」、すなわち、「円筒や円すいの外面あるいは内面にらせん状の突起(ねじ山)をつけたもの」と定義され、ねじ製品の例としては、ボルト、ナット、全ねじ等が挙げられる。
本発明によれば、成形性および耐食性に優れるねじ製品に好適に使用できる二相系ステンレス鋼線を得ることができる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.05%以下
Cは、固溶強化によりマトリックスのフェライト組織の強度を高める効果を有する元素である。また、Cはオーステナイト相形成元素であるが、オーステナイト相は、溶接後においてマルテンサイト組織を生じて強度を向上させる効果を有する。さらに、Cが微細炭化物として析出することにより強度の向上に寄与し、鋼線としての高温強度を確保する効果も有する。しかしながら、C含有量が0.05%を超えると、粒界にCr炭化物が析出することにより、その周辺でCr欠乏層が生成するようになる。腐食環境では、粒界に沿ったCr欠乏層が溶解するので、いわゆる粒界腐食が発生する。したがって、C含有量は0.05%以下とする。さらに粒界腐食を防止するには、C含有量は0.015%以下とすることが好ましい。なお、上記の効果を得たい場合は、C含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
Si:1.0%以下
Siは、脱酸剤として働くだけでなく、SiOの酸化皮膜を形成し酸化の進行を抑制するため、耐高温酸化性に有用な元素である。しかしながら、Si含有量が1.0%を超えると鋼が過度に硬くなって機械的性質が劣化する。したがって、Si含有量は1.0%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Si含有量を0.1%以上とすることが好ましい。
Mn:5.0%以下
MnもCと同様に、固溶強化によりマトリックスのフェライト組織の強度を高める効果を有する。また、MnはNiの代替となるオーステナイト相形成元素である。しかしながら、Mn含有量が5.0%を超えると鋼中に残存する介在物が多くなり耐食性が劣化する。したがって、Mn含有量は5.0%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Mn含有量を0.1%以上とすることが好ましい。
P:0.04%以下
Pは、靱性等の機械的性質を劣化させるのみならず、耐食性に対しても有害な元素である。特に、P含有量が0.04%を超えるとその悪影響が顕著になるため、P含有量は0.04%以下とする。
S:0.03%以下
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、初期発銹の起点となる。またSは、結晶粒界に偏析して粒界脆化を促進する有害元素でもあるので、極力低減することが好ましい。特に、S含有量が0.03%を超えるとその悪影響が顕著になるため、S含有量は0.03%以下とする。
Cr:18.0〜28.0%
Crは、本発明における耐食性発現成分として重要な元素である。Cr含有量が18.0%未満では、ボルトとしての耐食性に必要な強固な不動態皮膜が生成され難くなる。一方、Cr含有量が28.0%を超えると、耐食性は良くなるものの、強度および硬さが過剰となり靱性不足が生じると共に加工が難しくなり、さらに、コストアップに繋がる。そのため、Cr含有量は18.0〜28.0%とする。Cr含有量は20.0%以上とすることが好ましく、23.0%以下とすることが好ましい。
Ni:8.0%以下
Niは、オーステナイト相形成元素であり、耐食性、強度および耐摩耗性を向上させる有効な元素である。しかしながら、Ni含有量が8.0%を超えると冷間鍛造性が劣化する。したがって、Ni含有量は8.0%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Ni含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
N:0.40%以下
Nは、オーステナイト相形成元素であり、オーステナイト相の耐食性を向上させる。また、マトリックスのフェライト組織の強度を高め、さらに、オーステナイト相および窒化物の生成元素であることから強度を高める効果を有する元素である。しかしながら、N含有量が0.40%を超えると成形性を劣化させる。したがって、Ni含有量は0.40%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、N含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
本発明の二相系ステンレス鋼線は、上記のCからNまでの元素を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる化学組成を有する。
ここで「不可避不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明に係る二相系ステンレス鋼線は、上記の元素に加えて必要に応じて、下記に示す量のCu、Mo、Nb、Ti、Sn、W、Co、Al、Ca、V、B、Mg、ZrおよびREMから選択される1種以上を含有させても良い。
Cu:2.0%以下
Cuは、耐食性および強度を向上させる有用な元素である。しかしながら、Cu含有量が2.0%を超えると靱性が劣化するばかりか成形性が劣化する。したがって、Cu含有量は2.0%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Cu含有量を0.2%以上とすることが好ましい。
Mo:3.0%以下
Moは、耐食性および耐摩耗性を高める元素である。しかしながら、Mo含有量が3.0%を超えるとσ相が析出しやすく脆化し、成形性が劣化する。したがって、Mo含有量は3.0%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Mo含有量を0.1%以上とすることが好ましく、0.2%以上とすることがより好ましい。
Nb:0.8%以下
固溶したNbは強度を高めるとともに、炭窒化物を形成することによって、Cr炭化物の生成を抑制する。その結果、Cr欠乏層の生成を抑制するため、粒界腐食を防止することができる。このようにNbは、耐食性を向上させる有用な元素であるが、その含有量が0.8%を超えると冷間鍛造性が劣化する。したがって、Nb含有量は0.8%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Nb含有量を0.05%以上とすることが好ましい。
Ti:0.5%以下
Tiは、Nbと同様、炭化物および窒化物を形成することによって、Cr炭化物の生成を抑制し、その結果、Cr欠乏層の生成を抑制するため、粒界腐食を防止することができる。このようにTiは、耐食性を向上させる有用な元素であるが、その含有量が0.5%を超えると成形性が劣化する。したがって、Ti含有量は0.5%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Ti含有量を0.05%以上とすることが好ましい。
Sn:1.0%以下
Snは、酸中での活性溶解を抑制させ、強度を向上させる有用な元素である。しかしながら、Sn含有量が1.0%を超えると熱間加工性が劣化する。したがって、Sn含有量は1.0%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Sn含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
W:0.5%以下
Wは、耐摩耗性および耐食性を向上させる有用な元素である。しかしながら、W含有量が0.5%を超えると靱性が劣化する。したがって、W含有量は0.5%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、W含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
Co:0.5%以下
Coは、耐摩耗性を向上させる有用な元素である。しかしながら、Co含有量が0.5%を超えると靱性が劣化する。したがって、Co含有量は0.5%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Co含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
Al:0.05%以下
Alは、脱酸剤として有用な元素である。しかしながら、Al含有量が0.05%を超えると靱性が劣化する。したがって、Al含有量は0.05%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Al含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
Ca:0.05%以下
Caは、熱間加工性を向上させる有用な元素である。しかしながら、Ca含有量が0.05%を超えると靱性が劣化する。したがって、Ca含有量は0.05%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Ca含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
V:0.5%以下
Vは、耐食性を向上させる有用な元素である。しかしながら、V含有量が0.5%を超えると靱性が劣化する。したがって、V含有量は0.5%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、V含有量を0.03%以上とすることが好ましい。
B:0.01%以下
Bは、熱間加工性を向上させる有用な元素である。しかしながら、B含有量が0.01%を超えると靱性が劣化する。したがって、B含有量は0.01%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、B含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
Mg:0.1%以下
Mgは、耐食性を向上させる有用な元素である。しかしながら、Mg含有量が0.1%を超えると靱性が劣化する。したがって、Mg含有量は0.1%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Mg含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。
Zr:0.5%以下
Zrは、耐食性および熱間加工性を向上させる有用な元素である。しかしながら、Zr含有量が0.5%を超えると効果が飽和する。したがって、Zr含有量は0.5%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、Zr含有量を0.03%以上とすることが好ましい。
REM:0.1%以下
REMは、熱間加工性を向上させる有用な元素である。しかしながら、REM含有量が0.1%を超えると靱性が劣化する。したがってREM含有量は0.1%以下とする。なお、上記の効果を得たい場合は、REM含有量を0.03%以上とすることが好ましい。
ここで、REMとは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、REMの含有量は、これらの元素の合計含有量を指す。
なお、本発明の成分は、上記説明した元素のみに限定されるものではなく、本発明の効果が得られる範囲において種々含有させても良い。そのような元素の例としては、耐磨耗性と耐食性とを向上させるためにTa:0.5%以下、耐食性と切削加工性を向上させるためにBi:0.5%以下、冷間鍛造および曲げ加工において加工性を向上させるためにGa:0.05%以下、熱間加工性を向上させるためにSr:0.05%以下、耐食性を向上させるためにSe、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Te、Hf、Re、Os、Irをそれぞれ0.05%以下、等が挙げられる。
2.加工硬化指数
加工硬化指数(n値):0.10〜0.50
加工硬化指数であるn値とは、真応力σと真歪みεとの関係から求められる値である。まず、同一の鋼について複数の引張試験片を作製し、それぞれについてJIS Z 2241(2011)で規定される方法によって引張試験を実施し、降伏伸びの終点から最大荷重点に達するまでの応力σと歪みσとの関係を測定する。そして、下記の(i)式および(ii)式に基づいて、真応力σおよび真歪みεを算出する。複数の試験結果から算出された真応力σおよび真歪みεについて、横軸がlnε、縦軸がlnσの対数目盛り上にプロットし、その傾きを求める。この時、求められた傾きの値がn値となる。
σ=(1+ε)σ ・・・(i)
ε=ln(1+ε) ・・・(ii)
n値が0.10未満では、加工硬化が小さすぎて初期変形段階から大応力を負荷しないと成形できなくなる。その結果、鋼線表面に疵が発生しすくなり、成形性および耐食性が劣化する。一方、n値が0.50を超えると、加工前の強度すなわち変形の小さい部分の強度が低くなりすぎてボルトとしての強度確保が難しくなる。また、二相系ステンレス鋼においては、n値が0.50を超えるように製造すると、コストが著しく増加する。したがって、n値は0.10〜0.50とする。n値は、0.20以上とするのが好ましく、0.30以下とするのが好ましい。
3.結晶粒径
鋼線の長手方向に垂直な断面において、重心と表面とを結ぶ線上で、0.1mmあたりに結晶粒界を横断する数:4〜40
鋼線の表面における疵は、大きな加工力を加えると共に、大きな速度で成形した際に発生する。そのため、結晶粒径を大きくして、変形に必要な強度を下げることが重要である。
鋼の結晶粒度については、例えば、JIS G 0551(2013)に規格が存在するが、二相系ステンレス鋼については、結晶粒度についての規定が存在しない。そのため、本発明においては、所定の線が結晶粒界を横断する数を、結晶粒径の指標として用いることとした。鋼線の長手方向に垂直な断面において、重心と表面とを結ぶ線上で結晶粒界を横断する数が0.1mmあたり4未満であると、結晶粒が大きくなりすぎて、転造時のオーステナイト相とフェライト相との局部的な変形挙動の差が大きくなり、疵が出やすくなって転造性が悪化し、発銹起点がが多くなって耐食性が悪化する。また、強度が低くなり、ボルトとしての強度が不足する。一方、上記の数が40を超えると強度が高くなりすぎて加工性が低下する。したがって、結晶粒界を横断する数を0.1mmあたり4〜40とする。加工性に関しては、結晶粒界を横断する数は少ないほうが好ましいため、25以下とすることが好ましい。
4.製造方法
本発明に係る二相ステンレス鋼線の製造方法については、上記の加工硬化指数および結晶粒径についての条件を満たす鋼線を製造するものであれば特に制限は設けないが、所定の化学組成を有する鋼についてビレットを作製し熱間線材圧延を行った後に、下記に説明する2段階の熱処理を施すことが望ましい。
第1熱処理では、まず、1250〜1400℃の温度範囲において10〜30min保持する。この際に、金属組織中のフェライト相の面積率を60%以上、望ましくは80%以上とする。熱処理後は、0.01〜0.1℃/sで850〜1050℃の温度範囲まで冷却する。上記の冷却過程においてオーステナイト相を析出させる。
第1熱処理における保持温度が1250℃未満では、オーステナイト相の比率を少なくする効果が小さくなる。一方、1400℃を超えるとオーステナイト相の比率を少なくする効果は得られるものの、結晶粒径が粗大となる。また、鋼材が軟化して炉内で熱変形し、ねじ転造時の変形力のかかり方が不均一になり、疵が多く出やすくなる結果、耐食性が悪化する。そのため、保持温度は1250〜1400℃とすることが望ましい。保持温度は1350℃以下であることがより望ましい。
また、保持時間は、保持温度に応じて適宜決定すれば良いが、10min未満ではオーステナイト相の比率を少なくする効果が小さくなくなり、30minを超えると炉内での変形が生じるおそれがある。
第1熱処理後の冷却速度が0.01℃/s未満では、結晶粒径が粗大となるだけでなく、冷却に時間がかかりすぎて生産性が悪化する。また、冷却速度が遅すぎると冷却時に表面酸化が進むことで、酸化スケール除去後の表面凹凸が激しくなり、転造時にねじ部表面に疵が多く出やすくなる。そして、その結果として耐食性も悪化する。一方、0.1℃/sを超えると、オーステナイト相が十分に析出しなくなるおそれがある。したがって、第1熱処理後の冷却速度は0.01〜0.1℃/sとすることが望ましい。オーステナイト相の析出をより促進するためには、冷却速度は0.05℃/s以下とすることがより望ましい。
続いての第2熱処理では、850〜1050℃の温度範囲において10〜30min保持する。第2熱処理を施すことによって、結晶粒径を大きくすることができるとともに、オーステナイト相の面積率を大きくすることができる。
フェライト系ステンレス鋼のn値は0.2程度であり、オーステナイト系ステンレス鋼のn値は0.4〜0.7程度であって、一般に、二相系ステンレス鋼のn値はフェライト系ステンレス鋼の値に近くなる。しかし、オーステナイト相の面積率を大きくし、40〜80%の範囲とすることによってn値を大きくすることができるようになる。
オーステナイト相の面積率を高めるためには、第2熱処理における保持温度を極力低くすることが望ましく、1050℃以下とすることが望ましい。しかしながら、保持温度が低すぎるとクロム窒化物が析出して靱性が劣化する。そのため、保持温度は850℃以上とすることが望ましい。
また、保持時間は、保持温度に応じて適宜決定すれば良いが、10min未満ではクロム窒化物が析出するおそれがあり、30minを超えると、オーステナイト面積率が40%未満となるおそれがある。そのため、保持時間は10〜30minとすることが望ましい。保持時間は20min以上とすることがより望ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼を300kgの真空溶解炉において溶解し、直径178mmのビレットに鋳造した。そのビレットから熱間圧延によって、直径11.5mmの線材を作製した。この際の熱間圧延終了温度は1050℃であった。それに続いて、第1熱処理として、1300℃で20min保持し、0.033℃/sの速度で950℃まで冷却した。さらに、第2熱処理として、950℃で20min保持した後、水冷した。その後、酸洗してからシュウ酸皮膜処理を施した後、冷間で伸線加工を施して直径10mmのねじ製品用の鋼線を製造した。なお、酸洗は塩酸に浸漬した後、1%HFと10%HNOとの混合酸に5min浸漬することで行った。
Figure 0006475053
その後、鋼線の引張試験および金属組織観察を行った。引張試験は、1つの鋼線試料から2つの引張試験片を採取し、JIS Z 2241(2011)に準拠して実施し、降伏伸びの終点から最大荷重点に達するまでの応力σと歪みσとの関係を測定した。そして、上記の(i)式および(ii)式に基づいて、真応力σおよび真歪みεを算出し、横軸をlnε、縦軸をlnσとした対数プロットの傾きからn値を求めた。
また、鋼線の長手方向に垂直な断面について、シュウ酸溶液中で電解エッチングを行った後、光学顕微鏡を用いて金属組織の観察を行った。そして、鋼線断面の重心と表面とを結ぶ線が結晶粒界を横断する数を数え、0.1mmあたりの数を求めた。
さらに、上記のねじ製品用鋼線について、冷間ねじ転造加工を施し、M10形状で50mmの長さの転造ままのねじ製品を作製した。そして、表面性状を走査電子顕微鏡で観察し、ねじ転造性を評価した。表面性状は、縦2.0mm、横2.5mm、拡大倍率約50倍とした1視野ごとに観察し、ねじ部50mm全長にわたって観察を行った。そして、表面が剥がれかけて隙間形状を有するような疵が2箇所以下であったものを優(◎)、3〜10箇所であったものを良(○)、11箇所以上であったものを不可(×)として評価した。
次に、塩水噴霧試験による耐食性の評価を行った。JIS Z 2371(2000)に準拠して、ねじ製品に対して、35℃の環境で5%塩水を168h噴霧する腐食試験を実施し、転造部における発銹の状況を観察することで耐食性の評価を行った。
耐食性評価においては、発銹がなかったものを優(◎)、わずかに発銹が認められ、レイティングナンバーが6以上のものを良(○)、発銹が多く認められ、レイティングナンバーが6未満のものを不可(×)とした。
以上の結果を、表2にまとめて示す。
Figure 0006475053
表2から分かるように、化学組成、n値および結晶粒径が本発明の規定を満足する本発明例である試験番号1〜23では、疵の発生がほとんど認められず、さらに発銹も生じないかわずかに認められる程度であった。
これに対して、化学組成が本発明の規定を満足しない比較例である試験番号24〜40のうち、試験番号30および33〜40では、靱性不足のため冷間鍛造を施すことができなかった。また、試験番号24〜29、31および32については、n値がいずれも本発明の規定を下回ったため耐食性が劣る結果となった。
次に熱処理条件の影響を確認するための試験を実施した。表1に化学組成を示す鋼番号1および16について、実施例1と同様に溶解した後ビレットに鋳造し、熱間圧延によって直径11.5mmの線材を作製した。その後、表3に示す条件において、2段階の熱処理を実施した。そして、実施例1と同様に酸洗し、シュウ酸皮膜処理を施した後に伸線加工を施して直径10mmのねじ製品用の鋼線を製造した。
Figure 0006475053
その後、実施例1と同様に、n値および結晶粒径を求め、さらにねじ転造性および耐食性の評価を行った。これらの結果を表4にまとめて示す。
Figure 0006475053
試験番号41〜52については、熱処理条件が適切であり、n値および結晶粒径の条件が本発明で規定する範囲となったため、ねじ転造性および耐食性の評価において、優れる結果となった。
一方、試験番号53〜68については、鋼の化学組成は本発明の規定を満足しているものの、熱処理条件が不適切であったことに起因して、n値および/または結晶粒径の条件が本発明の規定から外れていた。その結果、ねじ転造性および耐食性の双方において劣っていた。
本発明によれば、成形性および耐食性に優れるねじ製品に好適に使用できる二相系ステンレス鋼線を得ることができる。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.05%以下、
    Si:1.0%以下、
    Mn:1.50〜5.0%、
    P:0.04%以下、
    S:0.03%以下、
    Cr:18.0〜28.0%、
    Ni:1.00〜8.0%、および
    N:0.100〜0.40
    を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
    加工硬化指数(n値)が0.10〜0.50であり、
    鋼線の長手方向に垂直な断面において、重心と表面とを結ぶ線上で結晶粒界を横断する数が0.1mmあたり4〜40である、ねじ製品用二相系ステンレス鋼線。
  2. 質量%で、さらに、
    Cu:2.0%以下、および
    Mo:3.0%以下
    から選択される1種以上を含有する、請求項1に記載のねじ製品用二相系ステンレス鋼線。
  3. 質量%で、さらに、
    Nb:0.8%以下、および
    Ti:0.5%以下
    から選択される1種以上を含有する、請求項1または請求項2に記載のねじ製品用二相系ステンレス鋼線。
  4. 質量%で、さらに、
    Sn:1.0%以下
    を含有する、請求項1から請求項3までのいずれかに記載のねじ製品用二相系ステンレス鋼線。
  5. 質量%で、さらに、
    W:0.5%以下、
    Co:0.5%以下、
    Al:0.05%以下、
    Ca:0.05%以下、
    V:0.5%以下、
    B:0.01%以下、
    Mg:0.1%以下、
    Zr:0.5%以下、および
    REM:0.1%以下
    から選択される1種以上を含有する、請求項1から請求項4までのいずれかに記載のねじ製品用二相系ステンレス鋼線。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のねじ製品用二相系ステンレス鋼線からなる、ねじ製品。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のねじ製品用二相系ステンレス鋼線の製造方法であって、
    請求項1から請求項5までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼に対して、熱間線材圧延を施した後、1250〜1400℃の温度範囲において10〜30min保持する第1熱処理を行い、0.01〜0.1℃/sで850〜1050℃の温度範囲まで冷却し、その後、850〜1050℃の温度範囲において10〜30min保持する第2熱処理を行う、ねじ製品用二相系ステンレス鋼線の製造方法。
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