JP6473911B2 - シアノアクリレート含有組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、2−シアノアクリレート(以下、「シアノアクリレート」という)を含有した組成物に関する。
シアノアクリレートは、水のように粘性の低い液体である。シアノアクリレートは、水分と接触すると、瞬時にアニオン重合を開始してポリマーとなる。シアノアクリレートを含有した瞬間又は速乾性接着剤は、電子工業、電気工業、及び自動車産業等の様々な産業分野で並びに一般家庭で広く使用されている。例えば、特許文献1には、シアノアクリレート接着剤を、髪又はまつ毛エクステンションに用いることが記載されている。
シアノアクリレートは、貯蔵中に、空気中の水分により増粘することが知られている。そのため、シアノアクリレート含有組成物である瞬間又は速乾性接着剤には、十分な貯蔵安定性を達成するための対策が必要である。
米国特許出願公開第2012/0247497号明細書
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れたシアノアクリレート含有組成物を提供することにある。
本発明者らは、シアノアクリレートにフラーレンを添加すると、その貯蔵安定性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の一側面によると、シアノアクリレートとフラーレンとを含む組成物が提供される。
前記組成物において、前記フラーレンはナノ粒子化されたフラーレンであることが好ましい。前記組成物は、好ましくは、シアノアクリレート100質量部に対し0.01乃至10質量部の量で前記フラーレンを含む。また、前記組成物は、カーボンブラックを更に含むことができる。
本発明の一側面に係るシアノアクリレート含有組成物は、接着剤組成物として使用することができる。前記接着剤組成物は、美容用接着剤組成物及びまつ毛エクステンション用接着剤組成物として使用することができる。
本発明によると、貯蔵安定性に優れたシアノアクリレート含有組成物が提供される。
本発明の実施形態に係るシアノアクリレート含有組成物は、シアノアクリレートと、フラーレンとを含んでいる。ここでは、一例として、このシアノアクリレート含有組成物は、着色組成物、特には、まつ毛エクステンションに用いられる着色接着剤であるとする。
なお、この着色組成物又は着色接着剤の色は、典型的には、フラーレンの色、又は、フラーレンの色と他の色との混色によって得られる色である。一例によれば、この着色組成物又は着色接着剤の色は、茶色乃至黒色又は灰色乃至黒色である。
シアノアクリレートは、シアノアクリル酸エステルとも呼ばれる、一般式CH2=C(CN)COORで表されるモノマーである。ここで、Rは、例えば、炭素数が1乃至16の、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アリル基及びハロアルキル基から選択される。
シアノアクリレートは、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、プロピルシアノアクリレート、ブチルシアノアクリレート、エトキシエチルシアノアクリレート、オクチルシアノアクリレート、アリルシアノアクリレート、β−メトキシエチルシアノアクリレート及びこれらの組合せから選択されることが好ましい。特に好ましいシアノアクリレートは、エチルシアノアクリレート、ブチルシアノアクリレート、エトキシエチルシアノアクリレート、オクチルシアノアクリレート又はこれらの組合せである。
フラーレンは、シアノアクリレートの貯蔵安定性を高める安定剤としての役割を果たしている。また、フラーレンは、着色剤としての役割も果たし得る。
フラーレンとは、複数の炭素原子からなり、各炭素原子が隣接する3つの炭素原子と結合している、閉じた擬球構造を持つ分子を指す。フラーレンには、炭素数の異なる様々な分子がある。代表的なフラーレンの例として、C36、C60、C70、C74、C76、C78、C80、C84、C88、C90、C80、C92、C96、C98、及びC100が挙げられる。好ましいフラーレンは、C60、C70、又はC60とC70との混合物である。なお、複数のフラーレンが互いに結合した多量体も存在する。ここでは、フラーレン、フラーレンの多量体、及びそれらの混合物のいずれも使用できる。
フラーレンとしては、粉末状のものを使用することができる。フラーレンとして、ナノ粒子化されたものを用いてもよい。ここで、「ナノ粒子化されたフラーレン」とは、動的光散乱法によって測定した平均粒径が約1.0乃至約100nmの範囲内にあるフラーレンを意味している。フラーレンをナノ粒子化することで、シアノアクリレート含有組成物中でのフラーレンの分散性を高めることができる。また、フラーレンをナノ粒子化すると、その安定剤としての性能が向上する。
フラーレンをナノ粒子化する方法としては、粉末状のフラーレンと有機溶媒とを含んだ混合液を分散処理する方法が挙げられる。分散処理としては、例えば、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、ビーズ混合機、高圧ホモジナイザー、高速撹拌型分散機、超音波分散機、超音波洗浄機、又はペイントシェイカーを用いることができる。特に好ましい分散処理は、ペイントシェイカーを用いる方法である。ペイントシェイカーに使用するビーズ粒径の好ましい範囲は、0.03乃至10mmである。特に好ましいビーズ粒径の範囲は、1.0乃至2.5mmである。
なお、粉末状フラーレンと有機溶媒との混合液を分散処理した場合、これによって得られるフラーレン分散液をシアノアクリレートと混合することができる。
上記の分散処理に使用する有機溶媒は、例えば、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオクタン、ノルマルデカン、メタノール、エタノール、ブタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、TBA(ターシャリーブタノール)、ブタンジオール、エチルヘキサノール、ヘプタノール、ベンジルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、ブチルカルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ヘキシルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、NMP(N−メチルピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、スルホラン、DEC(ジエチルカーボネート)、アセトニトリル、ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)、又はそれらの混合物である。好ましい有機溶媒は、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、及び乳酸エチルである。特に好ましい有機溶媒は、乳酸エチルである。乳酸エチルは、毒性が低く、有機溶剤中毒予防規則の対象物質ではない。
シアノアクリレート含有組成物におけるフラーレンの量は、シアノアクリレート100質量部に対して、好ましくは0.01乃至10質量部であり、より好ましくは0.10乃至5.0質量部であり、更に好ましくは0.20乃至2.0質量部である。フラーレンの量とシアノアクリレートの量との比を過剰に大きくすると、シアノアクリレートに由来する接着効果が低下する。また、この比を小さくすると、フラーレンを添加することによる効果が小さくなる。
このシアノアクリレート含有組成物は、他の成分、例えば、カーボンブラックや、瞬間又は速乾性接着剤において使用する添加剤を更に含有することができる。
カーボンブラックは、代表的な黒色顔料の1つである。カーボンブラックは、シアノアクリレート含有組成物の色、特には明度や色調の調整に利用できる。例えば、シアノアクリレート含有組成物の色を暗色とする場合であって、フラーレンだけでは着色が不十分であるときには、カーボンブラックと必要に応じて他の着色剤とを添加することにより、所望の色が得られる。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、分散性や発色性を向上させるために表面処理を行ったカーボンブラック又はそれらの混合物を使用することができる。動的光散乱法によって測定したカーボンブラックの平均粒径は、好ましくは0.05乃至50μmの範囲内にあり、より好ましくは0.075乃至1.0μmの範囲内にある。
カーボンブラックとしては、粉末状のものを使用することができる。また、カーボンブラックは、粉末の形態で、シアノアクリレートなどの他の成分と混合してもよい。或いは、粉末状のカーボンブラックと有機溶媒との混合液を分散処理したものを、シアノアクリレートなどの他の成分と混合してもよい。分散処理としては、例えば、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、ビーズ混合機、高圧ホモジナイザー、高速撹拌型分散機、超音波分散機、超音波洗浄機、又はペイントシェイカーを用いることができる。カーボンブラックの分散処理には、例えば、フラーレンの分散処理について例示した有機溶媒を使用することができる。
このシアノアクリレート含有組成物を、暗色、例えば茶色乃至黒色に着色する場合、シアノアクリレート含有組成物におけるカーボンブラックの量は、シアノアクリレート100質量部に対して、好ましくは0.01乃至10質量部であり、より好ましくは0.05乃至5.0質量部であり、更に好ましくは0.10乃至1.0質量部である。カーボンブラックの量とシアノアクリレートとの比を過剰に大きくすると、シアノアクリレートに由来する接着効果が低下する。また、この比を小さくすると、カーボンブラックを添加することによる効果が小さくなる。なお、カーボンブラックを使用することなしに所望の色を得ることができる場合には、シアノアクリレート含有組成物はカーボンブラックを含んでいなくてもよい。
フラーレンとカーボンブラックとの合計量に占めるカーボンブラックの割合は、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。カーボンブラックは、シアノアクリレートの貯蔵安定性を低下させる可能性がある。それ故、貯蔵安定性の観点では、上記割合を小さくすることが望ましい。
瞬間又は速乾性接着剤において使用する添加剤とは、例えば、充填材、増粘剤、顔料、染料、接着促進剤、耐熱促進剤、及び耐水促進剤である。このシアノアクリレート含有組成物は、これらの添加剤を、一般的な瞬間又は速乾性接着剤と同様に含有することができる。
このシアノアクリレート含有組成物は、フラーレン以外の安定剤を更に含有していてもよく、そのような安定剤を含有していなくてもよい。フラーレン以外の安定剤としては、瞬間又は速乾性接着剤において一般に使用されている安定剤、例えば、ハイドロキノン及びブチル化ヒドロキシアニソールを使用することができる。フラーレンとそれ以外の安定剤との合計量に占めるフラーレン以外の安定剤の量の割合は、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。一般に、フラーレン以外の安定剤は、フラーレンほどの高い安定化効果を得られず、大量に使用するとシアノアクリレートの性能を低下させる可能性がある。それ故、シアノアクリレートの性能の観点では、上記割合を小さくすることが望ましい。
このシアノアクリレート含有組成物は、上記の通り、フラーレンを含有している。フラーレンは、シアノアクリレートの貯蔵安定性を向上させる安定剤として、優れた性能を発揮する。即ち、このシアノアクリレート含有組成物は、貯蔵安定性に優れている。
また、フラーレンは、着色剤としての役割も果たす。それ故、フラーレンを使用すると、例えば、着色剤としてカーボンブラックのみを使用し、安定剤としてフラーレン以外の化合物のみを使用した場合と比較して、着色剤と安定剤との合計量を低減できる。シアノアクリレート以外の成分の量を減らすと、接着力が向上する。
ここでは、シアノアクリレート含有組成物の例として、まつ毛エクステンション用の着色接着剤について説明したが、このシアノアクリレート含有組成物は、他の美容目的で使用してもよいし、美容目的以外の他の目的で使用してもよい。他の美容目的として、例えば、このシアノアクリレート含有組成物は、頭髪、髭若しくは眉毛接着用、二重瞼形成用、又はつけ爪接着用の着色接着剤として使用してもよい。また、美容目的以外の他の目的として、例えば、このシアノアクリレート含有組成物は、自動車製造、自動車部品製造、電子部品組み立て、医療、医療器具、半導体製造、スポーツ用具製造、プラスティック加工、各種外装部品業、雑貨類製造、歯科、歯科技工、建築、農業、水産、楽器製造、製本、3Dプリンター関連、特殊メイク、又は食品関連の分野において着色接着剤として使用してもよい。
また、ここでは、シアノアクリレート含有組成物の例として、着色組成物について説明したが、シアノアクリレート含有組成物は、着色していることが要求されない用途に用いてもよい。更に、ここでは、シアノアクリレート含有組成物を接着剤として使用することを説明したが、このシアノアクリレート含有組成物は、接着剤以外の用途に、例えば、被膜の原料として用いてもよい。
以下に本発明の実施例及び比較例を示す。
スラリー状分散液(A)の調製
1)100mLのガラス容器に20gのフラーレン(nanom mix、フロンティアカーボン株式会社製混合フラーレン、C60が約60重量%、C70が約25重量%で残部が高次フラーレンの混合物)と80gの有機溶媒(シクロヘキサノン)を入れ、超音波洗浄機(装置名SONO CLEANER 50D、株式会社カイジョー製)またはペイントシェーカー(東洋精機株式会社)によって分散を行った。超音波分散の条件は、シクロヘキサノンの温度が30℃、超音波の出力が38kHz、50Wで、分散処理の時間が30分間であった。またペイントシェーカーの条件はジルコニアビーズ(粒径1.75mm)と一緒に60分間処理を行った。いずれも添加後分散前のフラーレンは黒褐色固体であったが、分散処理により褐色を呈するスラリー状の分散液(A)になった。
黒色分散液(B)の調整
100mLのガラス容器に3.0gのカーボンブラック(Microlith(登録商標) Black 0066 K、BASF)と100gの有機溶剤を入れ、超音波洗浄機(装置名SONO CLEANER 50D、株式会社カイジョー)によって分散を行った。超音波分散の条件は出力が38kHz、50Wで、分散処理の時間が30分間であった。分散により得られた溶液は、黒色を呈する低粘度の分散液(B)になった。
[実施例1]
(1)スラリー状分散液(A)5.0gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し茶褐色のシアノアクリレート含有組成物(以下、分散液ともいう)を得た。実施例1において、フラーレンは、2−シアノアクリル酸エチル混合物100質量部に対し、1質量部の量で添加された。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、色調、分散性、安定性、及び接着性の評価を行った。分散性及び安定性については、試験容器に密封した状態で評価を行った。
得られたシアノアクリレート含有組成物の色調については、目視で塗布後の組成物を観察し、下記の基準に従って評価した。
○:色ムラがなく、隠ぺい性に優れる。
△:多少の色ムラがあり、分散性に多少の難がある。
×:着色剤が分離して、色ムラが激しい。
得られたシアノアクリレート含有組成物の分散性については、1週間室温下で静置した後に、目視で分散液の外観を観察し、下記表1の基準に従って評価した。
Figure 0006473911
得られたシアノアクリレート含有組成物の安定性については、1週間室温下で静置し、目視で分散液の粘度変化の観察及び分散液の固化までの時間計測を行い、下記の基準に従って評価した。
○:1週間後に、ほぼ粘度が変化しなかった。
△:1週間後に、やや粘度が上昇したが、着色接着剤としての使用には問題なかった。
×:1週間後に、着色接着剤としての使用には問題がある程度に、粘度が上昇した。
××:1週間以内に、粘度が上昇し、固化した。
得られたシアノアクリレート含有組成物の接着性については、引張接着強さ試験方法(JIS K 6861)を用いて、下記の基準に従って評価した。
○:引張荷重20N/mm2に対して、接着性があった。
×:引張荷重20N/mm2に対して、接着性がなかった。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加も観察されなかった(表2参照)。安定性については、最長3か月の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例2]
(1)スラリー状分散液(A)1.0gと黒色分散液(B)4.0gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加もほぼ観察されなかった(表2参照)。安定性については、最長3か月の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例3]
(1)スラリー状分散液(A)0.5gと黒色分散液(B)4.5gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加もほぼ観察されなかった(表2参照)。安定性については、最長3か月の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例4]
(1)スラリー状分散液(A)0.1gと黒色分散液(B)4.9gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で1週間保存するとやや粘度が上昇し、塊状の沈殿物または浮遊物がわずかに観察された(表2参照)。ここでの、わずかな粘度の上昇及びわずかな沈殿物や浮遊物は、着色接着剤としての使用には問題を及ぼさなかった。
[比較例1]
(1)黒色分散液(B)1.0gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で1週間保存すると粘度が上昇し、分散状態の変化はほとんど観測されなかった。(表2参照)
[比較例2]
(1)黒色分散液(B)3.0gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で1週間保存すると粘度が上昇し、分散状態の変化はほとんど観測されなかった。(表2参照)。
[比較例3]
(1)黒色分散液(B)5.0gを2−シアノアクリル酸エチル混合物(EZ300、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で放置すると徐々に粘度が上昇し、24時間後には糸を引くよう高粘度液体に変化し、1週間後には完全に固化した。(表2参照)。完全に固化したため、分散性については評価できなかった。
下記表2に、上記試験で用いたシアノアクリレート含有組成物の配合及び評価結果をまとめて示す。
Figure 0006473911
[実施例5]
(1)スラリー状分散液(A)5.0gを2−シアノアクリル酸ブチル混合物(Z26、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し茶褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。実施例5において、フラーレンは、2−シアノアクリル酸ブチル混合物100質量部に対し、1質量部の量で添加された。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加も観察されなかった(表3参照)。安定性については、最長3か月間の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例6]
(1)スラリー状分散液(A)1.0gと黒色分散液(B)4.0gを2−シアノアクリル酸ブチル混合物(Z26、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加も観察されなかった(表3参照)。安定性については、最長3か月間の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例7]
(1)スラリー状分散液(A)0.5gと黒色分散液(B)4.5gを2−シアノアクリル酸ブチル混合物(Z26、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加もほぼ観察されなかった(表3参照)。安定性については、最長3か月間の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例8]
(1)スラリー状分散液(A)0.1gと黒色分散液(B)4.9gを2−シアノアクリル酸ブチル混合物(Z26、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒褐色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で保存をしてもほぼ粘度は変化せず、塊状の沈殿物または浮遊物の増加もほぼ観察されなかった(表3参照)。安定性については、最長3か月間の期間、粘度が変化しないことを確認した。
[実施例9]
(1)スラリー状分散液(A)0.05gと黒色分散液(B)4.95gを2−シアノアクリル酸ブチル混合物(Z26、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で1週間保存するとやや粘度が上昇し、塊状の沈殿物または浮遊物がわずかに観察された(表3参照)。ここでの、わずかな粘度の上昇及びわずかな沈殿物や浮遊物は、着色接着剤としての使用には問題を及ぼさなかった。
[比較例4]
(1)黒色分散液(B)5gを2−シアノアクリル酸ブチル混合物(Z26、株式会社アルテコ)100gに滴下して、メカニカルスターラーで10分間撹拌し黒色のシアノアクリレート含有組成物を得た。
(2)得られたシアノアクリレート含有組成物について、実施例1と同様の手法に従って色調、分散性、安定性、及び接着性を評価した。
(3)得られたシアノアクリレート含有組成物は、室温下で放置すると徐々に粘度が上昇し、24時間後には糸を引くよう高粘度液体に変化し、1週間後には完全に固化した。(表3参照)。完全に固化したため、分散性については評価できなかった。
下記表3に、上記試験で用いたシアノアクリレート含有組成物の配合及び評価結果をまとめて示す。
Figure 0006473911
上記表2及び3から、次のことが明らかである。
実施例1及び実施例5の結果から明らかなように、シアノアクリレート100質量部に対し、フラーレンを1.0質量部含有するシアノアクリレート含有組成物は、色調、分散性、安定性、及び接着性のすべてにおいて良好な結果が得られた。すなわち、フラーレンは、シアノアクリレートの貯蔵安定剤及び着色剤としての効果を有している。
一方、比較例1乃至3の結果から明らかなように、シアノアクリレートとカーボンブラックとからなるシアノアクリレート含有組成物において、カーボンブラックの割合が増大すると、シアノアクリレート含有組成物の安定性が低下する傾向がみられた。
しかしながら、実施例2乃至4及び6乃至9の結果から明らかなように、シアノアクリレートとカーボンブラックとからなるシアノアクリレート含有組成物にフラーレンを配合すると、シアノアクリレート含有組成物の安定性の低下も分散性の低下も起こらなかった。この結果は、カーボンブラックによるシアノアクリレートの安定性低下作用をフラーレンが抑制できることを示している。
シアノアクリレート100質量部に対し、フラーレンを0.01質量部以上の量で添加すると(実施例9)、カーボンブラックを含むシアノアクリレート含有組成物の安定性の低下を防止できる。すなわち、カーボンブラック100質量部に対し、フラーレンを6.9質量部以上の量で添加すると(実施例9)、カーボンブラックを含むシアノアクリレート含有組成物の安定性の低下及び分散性の低下を防止することができる。
したがって、フラーレンは、その機構は明らかではないが、カーボンブラックを含有するシアノアクリレートの貯蔵安定剤及びシアノアクリレートに含まれるカーボンブラックの分散剤としての役割を果たしていると考えられる。
また、実施例1乃至9のシアノアクリレート含有組成物は、まつ毛エクステンション用接着剤として使用することができた。

Claims (7)

  1. シアノアクリレートとフラーレンとを含む組成物。
  2. 前記組成物は接着剤組成物である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記フラーレンはナノ粒子化されたフラーレンである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記組成物はカーボンブラックを更に含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記組成物は美容用接着剤組成物である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記美容用接着剤組成物はまつ毛エクステンション用接着剤組成物である請求項5に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、前記シアノアクリレート100質量部に対し0.01乃至10質量部の量で前記フラーレンを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
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