本発明は、娯楽的要素を提供してそれによりヨーヨー玩具で遊ぶ際の娯楽的エクスペリエンスを向上させる先進的な電気的、機械的及び電気機械的なコンポーネントを組み込むコンピュータ化されたヨーヨーに関する。特定の実施形態に関連して本発明が説明されているが、本発明の諸原理は、具体的に開示された実施形態を超えて適用することができる。また、以下の詳細な説明においては、本発明の独創的な観点を不明確にしないために特定の詳細事項は省略されている。省略された詳細事項は当業者の有する知識の範疇に属する。
添付図面及びそれに伴う詳細な説明は、本発明の例示的実施形態を表しているに過ぎない。簡潔性を確保するために、本発明の諸原理を利用する他の実施形態は本明細書にて具体的には論じられておらず、図面において具体的には図示していない。別段の説明がない限り、図面における同様の又は対応する要素は、対応する参照符号によって示す。
本発明は、全体として又は部分的に、フリスビーやコマ(或いはスピントップ)やドレイデルや他の任意の回転する玩具若しくは装置等の他の類似の回転系玩具にも利用されることができる。
どのようなゲームであってもその目的は、ゲームのプレイヤに娯楽を与えることである。したがって、多くの特徴及び選択肢を有するゲームはより面白い場合がある;即ち、より良好な娯楽的エクスペリエンスを提供し得る。図1は、単純な伝統的ヨーヨーの概略図を示す。伝統的ヨーヨーのボディ100は、木材やセラミック等の伝統的な素材で構成されていることができ、又は、合金やプラスチックや他の任意の素材等の現代的な素材で構成されていることができる。ヨーヨーのボディ100は、丸みを帯びた2つの半部からなり、これらは平面的、球面的、円錐的な形状又は他の任意の丸みを帯びた適切な形状であることができる。ヨーヨーの軸130は、ヨーヨーのボディ100の丸みを帯びた2つの半部を連結するのであり、したがってヨーヨーは回転系玩具に適した回転対象形状を呈している。ストリング110の一方の端部はヨーヨーの軸130に取り付けられており、他方の端部は保持リング120に取り付けられている。保持リング120は任意の適切な素材で構成されていることができ或いはストリング110の端部に設けられた単なるループであることができる。ヨーヨーの軸130に取り付けられているストリング110の端部は、固く結ばれているか或いはヨーヨーの軸130の周りの緩いループとすることができる。
ストリング110の端部がヨーヨーの軸130の周りに固く結ばれている場合、ヨーヨーのゲームは相当に単純である。まず、プレイヤは、ヨーヨーのボディ100の丸みを帯びた2つの半部の間にある狭いリセス内にストリング110をコイルする。(本明細書において、「コイル」又は「再コイル」との用語は、ヨーヨーの軸130又は後述するヨーヨーの他の部分の周りにストリング110を巻き付けて、ゲームの開始のために必要なストリング110のループを幾重にも作ることを表すのに用いる。)そして、プレイヤは、保持リング120を握りつつ、ヨーヨーのボディ100を遠方方向又は下方向へ向かって投げるか放り出す。コイルされたストリング110の伸長によって得られた引く力はヨーヨーのボディ100を回転させ、ストリング110が伸びきった際にはストリングは自らをヨーヨーの軸130の周りに再コイルさせ始めるのであり、ヨーヨーのボディ100はプレイヤの手へ向かって上方へ回転しながら戻り始めるのであり、プレイヤはヨーヨーをキャッチすることができる。プレイヤは、ヨーヨーに慣性を加えるため又はヨーヨーの上下運動を反復するために、手の動きを用いることもできる。このヨーヨーのゲームは、限定的な娯楽的エクスペリエンスしかプレイヤにもたらすことができない
他方、ストリング110の端部がヨーヨーの軸130の周りの緩いループとされる場合、ヨーヨーのゲームはより面白くなり得るのであり、したがってより良好な娯楽的エクスペリエンスを提供し得る。単純なゲームの場合と同様に、プレイヤはストリング110をコイルしてからヨーヨーのボディ100を遠方方向又は下方向へと投げるか放り出す。一旦ストリング110が伸びきると、ストリング110の端部にあるヨーヨーの軸130の周りの緩いループが、ヨーヨーのボディ100が回転し続けることを可能とするのであり、この間ストリング110は完全に伸びたままである。ヨーヨーをプレイする者の用語でいえば、この状態は「スリープ」状態と称され、ヨーヨーが「スリープ」しているとか、「スリープ中」である等と表現する。ヨーヨーが「スリープ」している間にプレイヤはヨーヨーの「トリック」(技)を実行することができ、これはプレイヤの技量及びアジリティを表出するヨーヨーの運動のシーケンスであり、全てのトリックはヨーヨーが十分に速く回転している間はその向きが維持されるという事実に基づいている(即ち、ジャイロスコープと似たようにヨーヨーはその角運動量を保存するのである。)。トリックのセットが完了したならば、プレイヤはストリング110の端部にあるヨーヨーの軸130の周りの緩いループを摩擦で締め付けさせる素早いかつ鋭いフリックを腕、手又は指で行ってヨーヨーの軸130の周りにストリング110を再コイルさせることができ、これによりヨーヨーのボディ100はプレイヤの手に向かって上方へ回転して戻り始める。ヨーヨーのこの操作は「ウェーキングアップ」と称され、ヨーヨーが「ウェークアップ」するとか「ウェーキングアップ」していると表現する。
言うまでもなく、「スリープ」状態中では、ストリング110の端部にある緩いループとヨーヨーの軸130との間の摩擦及びストリング110とヨーヨーのボディ100の2つの半部のインナーウォールとの間の摩擦によって、ヨーヨーはその回転速度の一部を失う。現代的なヨーヨー玩具は、ボールベアリングを用いて「スリープ」状態中の回転速度の減少を軽減する場合がある。図2は、ボールベアリングを有するヨーヨーの概略的な側面図である。伝統的ヨーヨーと同様に、このヨーヨーはヨーヨーの軸130で連結されたヨーヨーのボディ100からなる。しかし、このヨーヨーに関しては、ボールベアリング210はヨーヨーの軸130の周りに配置されている。ボールベアリング210は、ヨーヨーの軸130に取り付けられているインナーリングと、ストリング110が固く結びつけられているアウターケースと、インナーリングとアウターケースとが相対的に低摩擦で回転できるようにするインナーリングとアウターケースとの間を転動することができるボール又はシリンダとを備える。ボール又はシリンダを有さない他の装置であっても、内側の部分が外側の部分との関係で最低限の摩擦で円滑に回転できるようにするという同一の目的をその装置が担う限り、それはボールベアリングとみなされることができる。そのような他の装置は、テフロン(登録商標)、シリコン、若しくは他のポリマーによるコーティング又は任意の他の方法を用いて内側の部分と外側の部分との間の摩擦を低減させて、これら2つの部分が最低限の摩擦で円滑に回転できるようにすることができる。もちろんのこと、ヨーヨーの軸130がボールベアリング210のインナーリングを形成するようにボールベアリング210を作ることもできる。ボールベアリング型ヨーヨーは、ストリング110の端部にあるヨーヨーの軸130の周りの緩いループを有する伝統的ヨーヨーと類似の挙動を示す。しかし、ボールベアリング210がストリング110とヨーヨーの軸130との間の摩擦を殆ど消失させるため、ボールベアリング型ヨーヨーは伝統的ヨーヨーに比べて遙かに緩やかに回転速度を失うのであり、プレイヤはより多くのヨーヨーのトリックを行ったり又はより長期の「スリープ」状態の時間を単に楽しんだりすることができる。したがって、ボールベアリング型ヨーヨーは、伝統的ヨーヨーに比して向上した娯楽的エクスペリエンスを提供する。
ボールベアリング型ヨーヨーは伝統的ヨーヨーよりも長期にわたって回転速度を維持し得るが、通常はボールベアリング型ヨーヨーの「ウェーキングアップ」は伝統的ヨーヨーの「ウェーキングアップ」よりも困難である。手による短いフリックは、ボールベアリングの摩擦を十分に増加させることを確実にする必要があり、この摩擦の増加はストリング110に関して小さな新規のループ及び/又はノットを生じさせるものであり、また、この新規のループ及び/又はノットがヨーヨーのボディ100のインナーウォールの一方との関係で十分な初期摩擦を発生させて軸130の周りでのストリング110の再コイリングを開始させてそれによりヨーヨーの上方への回転運動を惹起させるものである必要がある。(図2に示すボールベアリング型ヨーヨーは、ヨーヨーの軸130寄りのボディ100のインナーウォールの表面に関して粗面化を用いてヨーヨーを「ウェークアップ」するための初期摩擦の発生を支援することができる。)この点にボールベアリング型ヨーヨー設計の興味深いジレンマが現れる。一方では、ヨーヨーのボディ100の両半部の間の間隙が広いほどにストリング110とヨーヨーのボディ100との間の「スリープ」状態中の摩擦が低減される。他方では、間隙が広すぎる場合ヨーヨーを「ウェークアップ」することがより困難になる。なぜならば、ストリング110とヨーヨーのボディ100との間で十分な初期摩擦を発生させるためにより「トリッキー」な手の動作が必要とされ得るからである。このジレンマは、本発明の幾つかの実施形態によって緩和される。
図3は、コンピュータ化されたヨーヨー300内に組み込むことができる装置についての概略図である。コンピュータ化されたヨーヨー300の物理的構造は図2に示したボールベアリング型ヨーヨーと類似していることができるが、コンピュータ化されたヨーヨー300は本願明細書にて説明される追加の装置を含む。本発明は、図3に示す装置についての動作用サブセットをもって実施されることができ、又は、図3に示す装置全てを伴って実施されることができる。
コンピュータ化されたヨーヨー300の中枢は演算・制御装置305である。演算・制御装置305は、コンピュータ化されたヨーヨー300の運動を示す計測値を、一括的に又は個別的に、センシング装置、加速度計測装置315及び張力計装置350から受信するように構成されている。演算・制御装置305は、光ディスプレイ装置320、音声再生装置325、補助装置330、電気クラッチ装置335及び電気モータ装置340等の娯楽的エクスペリエンスを向上させるコンピュータ化されたヨーヨー300の構成要素(「娯楽的構成要素」という。)の動作を制御する制御信号を生成するように構成されている。演算・制御装置305は、娯楽的構成要素の各々から、それらの状態及び機能性に関してのフィードバック情報を受信することもできる。演算・制御装置305は、通信装置345に接続されていることもでき、該装置は演算・制御装置305のために外部装置からデータを受信し、また、演算・制御装置305から外部装置へとデータを送信することができる。(通信装置345は、張力計装置350とデータを送受信することもできる。)外部装置は、スマートフォン又はタブレット等のハンドヘルド装置であることができ、これがワイヤレス接続によって通信装置345と接続されていることができ、該ワイヤレス接続はWiFi(登録商標)(IEEE802.11プロトコル)、ブルートゥース(登録商標)、又は外部装置とコンピュータ化されたヨーヨー300の通信装置345との間で通信リンクを提供する他の任意の通信プロトコルであることができる。演算・制御装置305及び通信装置345は別個に実装されるか又は例えばTexas Instrument CC2541 SimpleLink Bluetooth Smart and Proprietary Wireless MCU等、単一のソリッドステート電子マイクロチップを用いて実装されることができる。
電池310は、コンピュータ化されたヨーヨー300内の他の装置に電力を供給し、また、コンピュータ化されたヨーヨー300の特定の実施形態において組み込まれている他の装置に接続されている。簡潔性のため、図3においては電池の接続は明示的に表されていない。1つより多くの電池をコンピュータ化されたヨーヨー300にて用いることができる。電池310は有線又は無線の電力供給源を用いて充電することができ、又は、電気モータ装置340を発電機として用いて充電することができる。
加速度計測装置315は、コンピュータ化されたヨーヨー300の加速度値を計測して、また、計測された加速度値を演算・制御装置305へと送信する。コンピュータ化されたヨーヨー300の加速度値は、時系列における加速度に関しての計測値であり、これはコンピュータ化されたヨーヨー300の1部分又は異なる複数の部分で計測される。加速度値は、加速度、加速度変化率又は加速度を決定するために用いることのできる他の任意の関数又は値を表すことができる。加速度計の技術は周知技術である。加速度計測装置は市場に広く出回っており、特に圧電セラミック素材で構成される加速度計測装置に関しては特注品の加速度計測装置も業界においてはありふれている。加速度計測装置315は圧縮型若しくは曲げ型の圧電セラミック素材で構成されることができるが、該装置は任意の機械型、電気型、圧電型、ピエゾ抵抗型、ソリッドステート型の素材で構成され又は加速度計測装置315を製造するに際して適切な他の任意の技術をもって構成されることができる。
図4は、コンピュータ化されたヨーヨー300の加速度計測装置315内の加速度計の随意的な配列を示す概略図である(図4は正確な縮尺とは限らない。)。加速度計測装置315は、ヨーヨーのボディ100の中心に配置されることができる。図4の4つの個別的な加速度計コンポーネントは410A、410B、410C、410Dとして示されているが、任意の個数の加速度計コンポーネントを用いることができる。加速度計コンポーネント410A〜410Dの各々は、(各空間的次元についての)3つの異なる加速度計ユニットを有する加速度計測装置であることができるか、又は、1つの方向(図4の場合は放射方向)に関しての加速度を計測する単一の加速度計ユニットであることができる。ヨーヨーのボディ100がヨーヨーの軸130の周りで回転し、上下にローリングし、されど横方向へ動かないのであれば、図4に示す構成は、これらの動きについての加速度値を計測するのに足りるものである。しかし、ヨーヨーは制御不能な態様でふらつく可能性もあるので、ヨーヨーが回転する主平面に直交する方向の加速度を計測することが有益たり得る。図4の加速度計コンポーネント410A〜410Dがそれぞれ単一の加速度計ユニットであり、それぞれが1つの方向(放射方向)における加速度のみ計測できる場合、追加の加速度計コンポーネント(図4において不図示)を用いてヨーヨーが回転する主平面に直交する方向の加速度値を計測することができる。追加の加速度計コンポーネントは、加速度計コンポーネント410A〜410Dと比べて異なる特性を有することができる。なぜならば、放射方向の値に比べて直交方向の加速度値の方が遙かに小さい値をとると期待されるからである。
加速度値はコンピュータ化されたヨーヨー300のプレイ中の運動に依存するのであり、また、加速度値を計測する目的はコンピュータ化されたヨーヨー300の運動について情報を抽出することである。抽出された情報は、娯楽的構成要素に制御を及ぼすために用いられることができ、また、さらなる分析・記憶・表示のために外部装置へと送信されることができる。運動についての情報は、コンピュータ化されたヨーヨー300の任意の部分における加速度、コンピュータ化されたヨーヨー300の任意の部分における加速度変化率、コンピュータ化されたヨーヨー300の中心の位置、コンピュータ化されたヨーヨー300の中心のスピード、コンピュータ化されたヨーヨー300の回転スピード、又は、娯楽的構成要素を制御するのに用いることができる他の任意の情報若しくはさらなる分析・記憶・表示のために外部装置によって用いられることができる他の任意の情報であることができる。
計測された加速度値は、コンピュータ化されたヨーヨー300の状態についての情報を抽出するために用いられることができるのであり、ここで状態とはある時刻のイベントにおいてコンピュータ化されたヨーヨー300が特定の位置にあるのか、特定の方向に動いているのか、又は、特定のゲームコンフィギュレーションにて使用されているのかを表し、後述の例を参照することにより明らかとなる。例としては、次の7状態のシーケンスを伴うボールベアリング型ヨーヨーのゲームを挙げる:
状態1:ヨーヨーをホールドしている状態
状態2:プレイヤがヨーヨーを放り投げている状態
状態3:ヨーヨーの下降
状態4:ストリングの端部にての下降の停止
状態5:「スリープ」状態
状態6:ヨーヨーを「ウェークアップ」するための短いヤンキング
状態7:ヨーヨーの上昇
図5は加速度曲線の例を示し、これは上述したゲームシーケンスに関しての加速度計コンポーネント410A〜410Dの1つについての、加速度計の値を時間軸で表したものである。図5のx軸は単位をmsとした時間であり、y軸は単位をm/s2とした加速度値である。
図5ではS1と表示される状態1にある間は、加速度値は極めて小さいものである(ただし、ヨーヨーが硬質な他の物体に叩きつけられた場合や強く手に置かれた場合や落下中から床に衝突した場合等においては、例外的に短期であるが高い加速ピークを伴い得る。)。状態1は、メジアンフィルターされた加速度値の平均が低いレベルを示していることによって検出されることができる。
図5ではS2と表示される状態2にある間は、腕又は手又は手首の鋭い動作でプレイヤがヨーヨーを放り投げており、ヨーヨーは遠方方向又は下方向へ加速される。このステップでの加速は、滑らかな曲線で特徴付けられており、曲線の振幅及び緩やかに変化する傾斜(加速度の微分係数)はプレイヤの体力及び技量に依存する。状態2は、加速度値の平均に関しての大きな増加が加速スパイクを伴わずに現れた場合に検出されることができる。
状態3は、腕又は手又は手首の放り投げる動作が終了して、プレイヤの手からヨーヨーが放たれ、及び、ヨーヨーが高速で下方向へローリングを開始すると、始まる。図5ではS3と表示されるこの状態では、放射方向に配置された(図4のそれに類似する)加速度計コンポーネントによって計測された加速度値は1500m/s2又はそれ以上の値に達し得る。ヨーヨーが下方向へ移動するに伴って重力による引力がヨーヨーの回転速度を上昇させる。区間S3においては、ヨーヨーの回転は準周期的な摂動によって示されるのであり、これは地球の重力による引力によって惹起されるのであり、これは半周期毎に加速度計コンポーネントに対して反対方向の影響を与える。回転速度の上昇は、加速度値の振幅の増加及び準周期的摂動の時間間隔の短縮によって表される。状態3は、加速度曲線の微分係数の大きなかつ瞬間的増加とそれに続く準周期的な摂動であって平均振幅の増加と周波数の増加を伴う摂動によって検出されることができるのであり、これは加速度曲線上の最小点及び最大点を識別することによって検出されることができる。
状態4は、ストリングが完全に伸びてそれによる張力がヨーヨーの下方向への運動を停止させることによって発生する。図5ではS4と表示されるこのステップでは、ヨーヨーの下方向への運動が突然断絶されることによって、加速度曲線には極度に鋭敏なピークが結果として生じる。区間S4における加速度ピークの実際の値は、初期の放り投げの強度、ヨーヨーの質量、及びストリングの弾性等の複数の要素に依存する。状態4は、加速度曲線中の極度に大きいピークによって検出されることができる。
状態5は「スリープ」状態であり、図5では区間S5として示されている。状態3の後期と似ており、状態5の加速度曲線は地球の重力による引力によって惹起される準周期的な摂動を示している。摩擦による回転速度の緩やかな減少は、加速度曲線の振幅の緩慢な減少及び準周期的な摂動間の時間間隔の増大によって示されている。S5区間は図5に図示の長さよりも遙かに長いものであることが大いにあり得るのであり、ヨーヨーの「スリープ」状態から始まる他のヨーヨー動作(ヨーヨートリック)をヨーヨーのプレイヤがこの間実行し得る。状態5は、加速度曲線の滑らかな平均によって、また、加速度曲線の最小点及び最大点を識別することによって検出されることができる。
図5ではS6と表示される状態6は、プレイヤがヨーヨーを手に戻すと決定して腕又は手又は指による素早い下方及び上方へのフリックを行ってヨーヨーを「ウェークアップ」した際に生じる。下方への短い動作はストリングを解放し、また、上方への短い動作はループを締め及び/又はヨーヨーのボディのインナーウォールに十分近接して結び目を作るのであり、これによって軸の周りにストリングを再コイルさせた上で結果ヨーヨーの上方への運動が生じる。初期の下方へのフリックは、加速度に関しての最小点及び最大点の差に短い減少をもたらし得る。なぜならば、ヨーヨーは短期的には殆ど自由落下の状態にあるからである。そして、これに続いて、ヨーヨーの運動の突然の変化によって、加速度曲線には鋭いピークが生じる。状態6の始まりは、加速度曲線の最小点及び最大点の差の短期的な減少によって検出されることができるのであり、これに続いて加速度曲線には大きなピークが生じる。
図5ではS7と表示される状態7は、ヨーヨーの上方へのローリング状態である。加速度曲線は、状態3及び状態5と同様の周期的摂動を示す。状態7は、状態6と比較して加速度のばらつきが大幅により低いものとして検出されることができる。
図5は、加速度値を分析することによって、ヨーヨーの運動及び状態についての情報を決定することができるということを示す。分析のためには、加速度の微分係数、最大点及び最小点の位置及び値、並びにパラメータの変化点の位置等のパラメータの抽出が必要となる。このようなパラメータは、ヨーヨーの中心の位置、ヨーヨーの中心速度、ヨーヨーの回転速度、又は、ヨーヨーを制御するために用いることのできる若しくはヨーヨーの位置・運動・状態に関しての情報を提供する任意の他のパラメータ等の他のパラメータを抽出(即ち、算出)するために利用されることができる。図5は加速度計コンポーネント410A〜410Dの1つについての加速度曲線の例を提供するのであるが、異なる加速度計コンポーネントからの加速度値を組み合わせてヨーヨーの位置、運動、又は状態の分析に使用することができる。例えば、加速度計コンポーネント410A〜410Dの全てについての平均化を行うことにより、ヨーヨーの中心の運動についての情報が得られ得る。上述のパラメータを「状態パラメータ」と呼ぶのであり、これらは演算・制御装置305によって抽出されてコンピュータ化されたヨーヨー300の他の装置を制御するために用いられることができるのであり、また、通信装置345を用いて外部装置へと送信されることもできる。状態パラメータは、初期的には、加速度値に基づいて抽出された任意のパラメータであることができ、非限定的な例示としては加速度値それ自体も含まれる。
低精度の加速度計をヨーヨー300にて利用することは可能であり、娯楽的目的が達成されるのであればこれはより廉価となり得る。例えこのような低精度加速度計がコンピュータ化されたヨーヨー300の正確な位置及び正確な運動を決定するために必要な精度での加速度値の計測値を常時提供しないものであっても、このような低精度加速度計は十分な精度の状態パラメータの抽出に関しては十分たり得る。
張力計装置350を用いて、ホールディングバンド120付近のストリング110の端部における張力を計測することによってヨーヨーの運動及び状態の検出を向上し得るのであり、これにより張力値が演算・制御装置305へと提供される。張力計装置350は単一の圧電セラミック素子によって構成されることができるが、任意の機械型、電気型、圧電型、ピエゾ抵抗型、ソリッドステート型の素材で構成され又は張力計装置350を製造するに際して適切な他の任意の技術をもって構成されることができる。電力の供給及びデータの伝送はストリング110を介して行うことができ、或いは、張力計装置350は電力供給のためのマイクロ電池を含んでかつヨーヨー通信装置345と通信するための補助通信装置を含むことができる。特に、状態3、4、6の初期に大きな張力値の増加が張力計装置350にて発現し得るのであり、それ故この事象がこれらの状態の始期検出に貢献し得る。したがって、状態パラメータは張力値及び張力値に基づいて抽出された任意のパラメータをも含み得る。
演算・制御装置305は、加速度計測装置315からの加速度値(或いは張力計装置350からの張力値を一緒に又は個別に)、抽出された状態パラメータ及び受信されたセットアップパラメータ(後述する)を用いて光ディスプレイ装置320、音声再生装置325、補助装置330、電気クラッチ装置335、及び電気モータ装置340等のコンピュータ化されたヨーヨー300の娯楽的構成要素を作動させるための制御信号を生成することができる。
光ディスプレイ装置320は非限定的に例示すればLED又はレーザー等の任意の個数の発光コンポーネントを備えるのであり、これらはヨーヨーのボディ100の内部又は表面の任意の場所に配置されることができる。光ディスプレイ装置320は、配線、電子スイッチ、ディマー、パワーアンプ、若しくは任意の他のコンポーネント並びに発光コンポーネントを作動させるために用いることのできる必要とされる任意のコンポーネント間接続をも含むことができる。光ディスプレイ装置320のコンポーネントは、ヨーヨーのボディ100の内部又は表面上の任意の場所に配置されることができる。光ディスプレイ装置320は分離可能な装置として実装されることもでき、このことは後述される。光ディスプレイ装置320を非限定的に例示すれば次の態様が挙げられる:コンピュータ化されたヨーヨー300をホールドしている際(状態1)の弱い又は柔らかい光、並びに、コンピュータ化されたヨーヨー300が投げられた際(状態2から状態3)、ストリング110の端部に到達した際(状態4)及び「ウェークアップ」した際(状態6)の光のフラッシュ。他の例では、発光コンポーネントの構成並びにコンピュータ化されたヨーヨー300の運動及び状態に基づいてライトをヨーヨーの運動に同調させて娯楽的な効果を提供することができ、例えばコンピュータ化されたヨーヨー300の回転にもかかわらず静止しているように見える光のフラッシュや、静止しているように見え又は面白いパターンで動くように見える図形やキャラクタの表示が挙げられる。さらに、音声再生装置325と同調させて光ディスプレイ装置が音声再生装置325によって再生される音声のビート及び/又は強弱と同調するようにもできる。光のパターンは固定とされ又は可変、読み込み可能若しくはプログラマブルとされることができるのであり後述も参照されたい。
音声再生装置325は、可聴な音を発生させるために用いることができる電気型、電気機械型、電磁気型又は圧電型のコンポーネントを備えることができる。このようなコンポーネントにはスピーカー、予め格納されている若しくは読み込み可能な音声ファイル若しくは(MIDI等の)音声フォーマットを格納するためのメモリコンポーネント、D/A変換器、パワーアンプ、又は、他の任意の構成要素並びに必要とされるこれらコンポーネント間の接続が含まれる。音声再生装置325のコンポーネントは、ヨーヨーのボディ100の内部又は表面上の任意の場所に配置されていることができる。音声再生装置325は分離可能な装置として実装されることもでき、後述も参照されたい。音声再生装置325は、プレイヤがコンピュータ化されたヨーヨー300でプレイするに際して娯楽的音声を再生するために使うことができ、音楽、音響効果、人間の声、動物の音又は他の任意の娯楽的及びエキサイティングなオーディオ及びサウンド等が含まれる。非限定的に例示すれば、音声再生装置325の動作例としては、コンピュータ化されたヨーヨー300がホールドされている際(状態1)にはソフトな音楽を再生し、コンピュータ化されたヨーヨー300が投げられた際(状態2から状態3)、ストリング110の端部に到達した際(状態4)又は「ウェークアップ」した際(状態6)にうるさい轟音を発することができる。別の例では、コンピュータ化されたヨーヨー300の回転速度に対応するビートで音声を再生することができる。録音音声(音楽、声、音等)、MIDIフォーマットデータ若しくは他の任意の音声データ等の娯楽的な音声情報は固定とされてメモリコンポーネント内に予め格納されていることができ、又は、音声情報を可変、読み込み可能若しくはプログラマブルとすることができるのであり、後述も参照されたい。
コンピュータ化されたヨーヨー300を固定の娯楽的構成要素を伴って作成することができ、例えば、コンピュータ化されたヨーヨー300の片側に光ディスプレイ装置320を設けて及びコンピュータ化されたヨーヨー300の他方の側に音声再生装置325を設けることができ、或いは、光ディスプレイ装置320と音声再生装置325とを組み合わせる装置を併せてコンピュータ化されたヨーヨー300の各側に設けることもでき、或いは、このような娯楽的構成要素についての他の任意の配置又は構成を採用することができる。しかし、これらの娯楽的構成要素(補助装置330を含む、後述も参照。)を分離可能として、コンピュータ化されたヨーヨー300に異なるタイプの分離可能な装置を取り付けて随意に他の分離可能な装置と交換できるようにすれば向上した娯楽的エクスペリエンスを達成することができる。
図6A、6B、6Cは、ヨーヨーのボディ100、特にヨーヨーのボディ100の丸みを帯びた半部の片方又は双方、に作り込まれることのできる、分離可能な装置のためのラッチングベース605の実装例を説明する。ラッチングベース605は、ヨーヨーのボディ100内のリセス空間をもって形成されることができ、また、分離可能な装置はラッチングベース605に挿入されてラッチ610A、610B、610C、610Dによって保持されることができる。ラッチングベース605は接続パッド615及びパッディングリング620を含むことができる。ラッチングベース605内の接続パッド615は銅等の金属片で構成されていることができ、これによってヨーヨーのボディ100からラッチングベース605にラッチされた分離可能な装置への電気信号及び電力を供給することができる。パッディングリング620はゴム又はシリコンで構成されて緩衝性
及び抵抗を提供することができる。ラッチの1つ、例えばラッチ610Aは、可動として構成することができ、押し出しバネ630がラッチ610Aをラッチングベース605の中心に向かって押すことができる。分離可能な装置は、ラッチ610B、610C、610Dの下を通してラッチングベース605内へと挿入されることができ、押し出しバネ630の押し出しを受けてラッチ610Aによって堅固に固定される。当然ではあるが、分離可能な装置についての固定、ラッチング又は接続に関しての他の任意の構成も可能である。非限定的に例示すれば、ラッチングベース605のリセス空間は正方形、長方形、六角形又は他の任意の形状とすることができる。さらに、ラッチングベース605としてリセス空間を使う代わりに、分離可能な装置をヨーヨーのボディ100内のスリットに挿入することができるのであり、これはラッチングベース605の別の実施形態として機能し得る。別の構成では、リセス空間をなくしてヨーヨーのボディ100の丸みを帯びた半部の一方又は双方の外面に分離可能な装置をラッチすることができる。任意の個数のラッチを用いることができ、非限定的に例示すればラッチをピン、穴、溝、スクリュー、又は分離可能な装置を堅固に固定する他の任意の機構で代替することができる。任意の個数のラッチに押し出しバネ630を伴わせることができ、押し出しバネ630は分離可能な装置のラッチングを支援する他の任意の機構で代替することができる。ラッチングベース605の接続パッド615は、分離可能な装置に電気信号による接続をもたらし及び電力を供給できる任意の材質及び形状とすることができるのであり、非限定的に例示すれば、電気的接続のために金属の穴に差し込まれる金属ピン等が挙げられる。さらに、単一の接続パッド615に代えて複数の接続パッドを用いることができる。パッディングリング620は、緩衝性及び抵抗を提供する限り、任意の形状及び材質とすることができ、パッディング面等のリングでない形状も含まれる。ラッチングベース605が分離可能な装置をヨーヨーのボディ100に接続して固定できる限り、図6A、6B、6Cの任意の1以上の要素を伴わずにしてラッチングベース605を実装することが可能である。
図7は、分離可能な装置としての光ディスプレイ装置320についての第1の可能な実施形態を示すのであり、丸みを帯びた円盤として実装されている。分離可能な装置用接続パッド710は分離可能な装置の下側に配置されており、これがラッチングベース605の接続パッド615との電気的接続を提供する。電気的接続を提供するために、双方のパッドは他方をそれぞれ相補するように構成されているべきである。非限定的に例示すればLED等の発光コンポーネント720を、任意の個数、分離可能な装置の上面に配置することができ、配置、サイズ、配色、又は発光コンポーネント720の他の任意の属性に関して発光コンポーネント720を所望の配列で配することができる。非限定的に例示すれば、メモリ、スイッチ、ディマー、インピーダンス変換器、パワーアンプ若しくは光ディスプレイ装置320及び発光コンポーネント720の動作のために必要な他の任意のコンポーネント等の他の補助コンポーネントは、分離可能な装置の内部又は表面上に又はヨーヨーのボディ100の内部又は表面上に配置することができる。
図8は、分離可能な装置としての光ディスプレイ装置320についての第2の可能な実施形態を示すのであり、これも丸みを帯びた円盤として実装されている。分離可能な装置の上面に任意の個数のレーザーを配置することができ、これには例えばレーザー810が含まれる。以下のレーザー810に関しての議論はこの実施形態の他の任意のレーザーにも妥当する。レーザー810はホルダー820によって分離可能な装置の上面に取り付けられており、圧電アクチュエータの上に配置、取り付け又は接着されている。したがって、レーザー810をオンオフするのに加えて、電気的信号を圧電アクチュエータ830に印加する及び印加しないことによってレーザー810の光ビームを一定の範囲の角度内にて偏向することができる。圧電アクチュエータ830は、任意の機械的若しくは電気機械的若しくは電磁気的機構又はレーザー810の光ビーム一定の範囲の角度内にて偏向することに使用できる他の任意の技術で代替することができる。さらに、レーザー810を分離可能な装置の上に又はその中に配置することができ、レーザー810の光ビームの偏向は、レーザー810を動かす代わりに1以上のミラーを作動させることによって達成できる。非限定的に例示すれば、メモリ、スイッチ、ディマー、インピーダンス変換器、パワーアンプ又は光ディスプレイ装置320、レーザー810及び圧電アクチュエータ830の作動に必要な他の任意のコンポーネント等の補助コンポーネントは、分離可能な装置のボディの内部若しくは表面又はヨーヨーのボディ100の内部又は表面に配置することができる。光ディスプレイ装置320に関してのこの第2の可能な実施形態は、図8には図示されていない分離可能な装置用接続パッド710の実装例を含む
図9は、分離可能な装置としての音声再生装置325についての実施形態の一例を示すのであり、該装置は丸みを帯びた円盤として実装されている。音声再生装置325の実施形態はメンブレン910とメンブレン910を電気信号に従って駆動するための機構(図9には不図示)とを必要とする。音声再生装置325は圧電機構を用いてメンブレン910を駆動することができるが、非限定的に例示すれば電磁的又は静電的な機構等の他任意の機構を用いることができる。非限定的に例示すれば、メモリ、D/A変換器、インピーダンス変換器、パワーアンプ又は音声再生装置325及びメンブレン910の作動に必要な他の任意のコンポーネント等の補助コンポーネントは、分離可能な装置のボディの内部若しくは表面又はヨーヨーのボディ100の内部又は表面に配置することができる。音声再生装置325に関してのこの可能な実施形態は、図9には図示されていない分離可能な装置用接続パッド710の実装例を含む。
光ディスプレイ装置320又は音声再生装置325のためにラッチングベース605にラッチした分離可能な装置を用いることは複数の利点をもたらし、例えば、同じコンピュータ化されたヨーヨー300を異なる新規なタイプの分離可能な装置と用いることができる可能性が挙げられ、又は、分離可能な装置に関して性能と価格について良好な商業的トレードオフを達成し得るという点が挙げられる。もっとも、ラッチングベース605は別のタイプの分離可能な装置を保持するのにも用いることができ、係る装置は補助装置330と呼ぶ。補助装置330は、使い捨ての又は準使い捨ての分離可能な装置とすることができ、コンピュータ化されたヨーヨー300に追加的な娯楽的価値をもたらし得る。図10は補助装置330について可能な例の図であり、形状を丸みを帯びた円盤とした分離可能な装置として実装されている。複数の娯楽用ペイロード1010が分離可能な装置の上面に配されている。娯楽的ペイロード1010はミニチュア花火ペイロード、着色発煙ペイロード、着色粉体ペイロード、又は芳香ペイロードとすることができる。また、娯楽的ペイロード1010は、菓子若しくはアクセサリー等の小型のトリートを内包する小型のカプセル又はコンピュータ化されたヨーヨー300のプレイヤに娯楽的エクスペリエンスを提供するような他の任意のペイロードとすることができる。娯楽的ペイロード1010は、花火による機構又は他の任意の発動機構を用いて、花火の着火、煙・粉体・芳香の放出、カプセルの解放、又は娯楽的ペイロード1010の他の任意の特性を発動させることができる。分離可能な装置の上面における娯楽的ペイロード1010の配置は図10に示す態様とすることができる一方、任意のパターン及び形状によって分離可能な装置の表面又は内部に配することもできる。補助装置330及び娯楽的ペイロード1010の作動に必要な他のコンポーネントは、分離可能な装置の表面又は内部に配置されることができ、又はヨーヨーのボディ100の表面又は内部に配置することができる。補助装置330に関してのこの可能な実施形態は、図10には図示されていない分離可能な装置用接続パッド710の実装例を含む。
もちろんのこと、娯楽的エクスペリエンスを向上させるという課題の下、多種の異なるタイプの分離可能な装置を設計することができ、また、ラッチングベース605にこれらをラッチすることができる。分離可能な装置のタイプとしては、任意の特定の実施形態の光ディスプレイ装置320、任意の特定の実施形態の音声再生装置325、又は、任意の特定の実施形態の補助装置330が挙げられる。異なるタイプの分離可能な装置をラッチングベース605にラッチすることができるため、演算・制御装置305は、ラッチングベース605にラッチされた分離可能な装置を識別するための識別機構を使用するように構成されることができる。そして、演算・制御装置305は、分離可能な装置について識別されたタイプに基づいた制御信号であって、識別した分離可能な装置についてのタイプにとって所望の娯楽的エクスペリエンスを実現するために適切な、制御信号を生成することができる。識別機構は、分離可能な装置の異なるタイプ毎に異なる抵抗値が与えられる等のアナログな機構であることができ、この場合演算・制御装置305によって抵抗値を計測してラッチングベース605にどのタイプの分離可能な装置がラッチされているかを識別することができる。また、識別機構は、分離可能な装置の異なるタイプ毎に異なる識別コードを格納するメモリコンポーネント等のデジタルな機構であることができ、この場合演算・制御装置305が識別コードを読み取ってラッチングベース605にどのタイプの分離可能な装置がラッチされているかを識別することができる。識別機構は、ラッチングベース605にどのタイプの分離可能な装置がラッチされているかを識別するために演算・制御装置305が使用できる任意の機構であることができる。
識別されたタイプの分離可能な装置を用いる第1の例としては、図7に示すように演算・制御装置305が分離可能な装置を光ディスプレイ装置320として識別しており、かつ、加速度値がコンピュータ化されたヨーヨー300の回転速度がR(例えば、回転/秒の単位で計測)であると示している場合、演算・制御装置305は発光コンポーネント720がFR=4Rフラッシュ/秒でフラッシュするような光ディスプレイ装置320にとって適切な制御信号を生成することができる。識別されたタイプの分離可能な装置を用いる第2の例としては、図9に示すように演算・制御装置305が分離可能な装置を音声再生装置325として識別しており、かつ、加速度値がコンピュータ化されたヨーヨー300の回転速度がR(例えば、回転/秒の単位で計測)であると示している場合、演算・制御装置305はメンブレン910がBR=R(ビート/秒)で発振するような音声再生装置325にとって適切な制御信号を生成することができる。
演算・制御装置305は、検出された分離可能な装置のタイプに基づいて、ラッチングベース605にラッチされた分離可能な装置を作動させるための既定の制御信号を生成することができる;即ち、特定のタイプの分離可能な装置は、ラッチングベース605にラッチされる度に似た態様で作動することになる。しかし、多くの異なる制御信号セットを用いることによって、特定のタイプの分離可能な装置を多くの異なる態様で作動させることが可能となり、異なる娯楽的エクスペリエンスを実現することができる。また、演算・制御装置305が適切な制御信号を持っていないタイプの新規な分離可能な装置が使用されることもあり得る。したがって、演算・制御装置305に新たな制御信号を読み込むことができるか、又は、セットアップパラメータを用いて演算・制御装置305に新たな信制御信号を生成させることができれば、有益となり得る。セットアップパラメータは、分離可能な装置を作動させるために演算・制御装置305が用いることのできる完全な制御信号とする、又は演算・制御装置305が分離可能な装置についての制御信号を生成するために使用することのできるパラメータとすることができる。したがって、通信装置345は、外部装置からセットアップパラメータを受信して、また、受信されたセットアップパラメータを演算・制御装置305へと送信するように構成されることができる。非限定的に例示すれば、セットアップパラメータは、光ディスプレイ装置320のための発光パターン、音声再生装置325のための音声データ、又は補助装置330のアクティベーションのためのタイミング及び条件等とすることができる。別の例では、セットアップパラメータは、複数のプレイヤのうち誰が現在コンピュータ化されたヨーヨー300でプレイしているかを表すことができる。
セットアップパラメータは外部装置から受信された任意の情報であることができ、状態パラメータの抽出、制御信号の生成、及び、娯楽的要素の作動のいずれにも使用することができる、例えば、セットアップパラメータがプレイヤAが現在コンピュータ化されたヨーヨー300をプレイしていると示しており、及び、加速度値がコンピュータ化されたヨーヨー300が「ウェークアップ」を行っていると示す場合、抽出された状態パラメータ及び生成された制御信号を用いて光ディスプレイ装置320を制御して該装置を赤色にフラッシュさせることができる。他方で、セットアップパラメータがプレイヤBがコンピュータ化されたヨーヨー300をプレイしていると示しており、及び、加速度値がコンピュータ化されたヨーヨー300が「ウェークアップ」を行っていると示す場合、抽出された状態パラメータ及び生成された制御信号を用いて光ディスプレイ装置320を制御して該装置を黄色にフラッシュさせることができる。
外部装置は任意のソースからセットアップパラメータを受信することができるのであり、例えば任意の記憶媒体又はインターネットからセットアップパラメータを読み込むことができる。さらに、外部装置又は任意の装置上で特定のプログラム又はアプリケーションを用いることによって、ユーザは任意の娯楽的要素及び任意のタイプの分離可能な装置について神域かつ面白いセットアップパラメータを生成することができるのであり、これを演算・制御装置305へと送信してコンピュータ化されたヨーヨー300内の任意の娯楽的要素を新規で面白くて娯楽的でエキサイティングな態様で作動させることができる。
また、演算・制御装置305は、通信装置345を用いて外部装置へ、ヨーヨーの運動及び状態に関する情報を送信することができる。演算・制御装置305は、加速度計測装置315からの加速度値(或いは張力計装置350からの張力値を一緒に又は個別に)及び娯楽的要素から受信する他の任意の情報を用いて状態パラメータを抽出して、通信装置345を介して状態パラメータを外部装置へと送信することができる。例えば、状態パラメータは、ラッチングベース605にラッチされた分離可能な装置の識別情報及びコンピュータ化されたヨーヨー300の任意の装置又は要素の状態に関する情報を含むことができる。したがって、状態パラメータは、演算・制御装置305によって受信されたパラメータ又は演算・制御装置305によって抽出されたパラメータ又は演算・制御装置305によって生成されたパラメータのいずれも含む。外部装置は、演算・制御装置305から受信する状態パラメータを用いて次のような追加的な娯楽的エクスペリエンスを付与することができる:非限定的に例示すれば、ヨーヨーの回転速度を表示すること、2人のプレイヤのうちどちらが最大の投擲速度を達成したかを宣言すること、若しくはどちらがより長期のプレイをコンピュータ化されたヨーヨー300で行ったか若しくはどちらが所定のゲーム要求により良く準拠したかを宣言すること、又はプレイヤにとっての娯楽的エクスペリエンスを向上させる態様で行うコンピュータ化されたヨーヨー300の運動・状態・コンディションに関する情報の他の任意の用途での使用。さらに、外部装置は、演算・制御装置305から受信したヨーヨーの運動・状態・コンディションについての情報を用いて、演算・制御装置305の演算能力を超えるより強力な演算能力を必要とする複雑な制御パラメータを算出することもでき、そして算出された複雑な制御パラメータを演算・制御装置305へと送り戻すことができるのであり、これによって所望の娯楽的エクスペリエンスを提供するための娯楽的要素に関しての制御信号を生成することについて貢献することができる。
光ディスプレイ装置320、音声再生装置325、及び、補助装置330は、コンピュータ化されたヨーヨー300の運動・状態・コンディションに応答することによってプレイヤのために娯楽的エクスペリエンスを作出することができる。しかし、コンピュータ化されたヨーヨー300の運動を制御及び操作できればさらに向上した娯楽的エクスペリエンスを実現することができる。図11はボールベアリング210と電気クラッチ335とを有するコンピュータ化されたヨーヨー300に関しての概略図である。図2のボールベアリング型ヨーヨーと似ており、コンピュータ化されたヨーヨー300の実施形態はヨーヨーの軸130に取り付けられたインナーリングとアウターケースとを含む。電気クラッチ装置335は圧電クラッチコンポーネント1105からなることができ、これはヨーヨーのボディ100に取り付けられていることができ、ヨーヨーの軸130からボールベアリング210のアウターケースまでの距離と同じくらいの距離に配置されることができる。圧電クラッチコンポーネント1105は電気信号を印加する又は印加しないことによって伸縮させることができる。図11は、4つのクラッチコンポーネント1105を示しており、ヨーヨーのボディ100の各側に2つずつあるが、任意の個数のクラッチコンポーネント1105を任意の配置で用いることができる。さらに、クラッチコンポーネント1105を実装するのに他の任意技術を用いることができ、非限定的に例示すれば、磁気的又は電磁的技術等も含まれる。電気クラッチ装置335及びクラッチコンポーネント1105の作動に必要な他の要素は、非限定的に例示すれば、配線、スイッチ、パワーアンプ、及び他の任意の要素は図11に示されていない。
クラッチコンポーネント1105は、電気信号が印加された際(或いは電気信号が印加されていないとき)に収縮するように構成されることができ、これによりクラッチコンポーネント1105とボールベアリング210のアウターケースとの間の任意の接触又は摩擦が除去されるのであり、この状態を「アンロックド」という。クラッチコンポーネント1105は、電気信号が印加されていないとき(或いは電気信号が印加された際)に拡大するようにさらに構成されることができ、これによりボールベアリング210のアウターケースとの間で接触及び摩擦が発生するのであり、この状態を「ロックド」という。クラッチコンポーネント1105とボールベアリング210のアウターケースとの間の接触及び摩擦は、ヨーヨーのボディ100とボールベアリング210のアウターケースとの間の摩擦力を生じさせるのであり、この力はヨーヨーのボディ100とボールベアリング210のアウターケースとの間の相対運動に影響(減速)を及ぼす。摩擦力は、ヨーヨーのボディ100とボールベアリング210のアウターケースとの間の相対運動を制御するために用いることができ、従ってヨーヨーのボディ100とストリング110との間でも同様にできる。例えば、クラッチコンポーネント1105がアンロックされているのであれば、ボールベアリング210のアウターケースは自由に回転することができるのであり、即ちコンピュータ化されたヨーヨー300の動きは図2にて説明したボールベアリング型ヨーヨーの動きと同様のものとなる。また別の例では、クラッチコンポーネント1105がロックされているのであれば、ボールベアリング210のアウターケースはヨーヨーのボディ100と共に回転するのであり、即ちコンピュータ化されたヨーヨー300の動きは図1にて説明したストリング110の端部がヨーヨー軸130の周りに固く結ばれている単純なヨーヨーの動きと同様のものとなる。もっとも、電気クラッチ装置335の動作が演算・制御装置305によって生成された制御信号によって制御されるのであれば、向上された娯楽的エクスペリエンスを実現することができる。電気クラッチ装置335のための制御信号(電気クラッチ制御信号)は、加速度計測装置315からの加速度値(或いは張力計装置350からの張力値を一緒に又は個別に)、演算・制御装置305によって抽出された状態パラメータ、又は外部装置から受信されたセットアップパラメータに基づくことができるのであり、これらは一緒に又は個別に加味されることができる。例えば、プレイヤがコンピュータ化されたヨーヨー300を投げるときに際して電気クラッチ制御信号はクラッチコンポーネント1105をロックするように制御して、そして、加速度計測装置315からの加速度値が(或いは張力計装置350からの張力値を一緒に又は個別に)ストリング110の伸びきりを示すと同時に電気クラッチ制御信号はクラッチコンポーネント1105をアンロックするように制御することができる。この例では、「スリープ」状態中の回転速度が増加したという意味で、図2のボールベアリング型ヨーヨーに比べてより高い効率性が得られる。(ボールベアリング型ヨーヨーに関しては、ストリング110が伸びきる前にストリング110とヨーヨーのボディ100のインナーウォールとの間の摩擦が失われることがあり得る。)別の例では、電気クラッチ制御信号はクラッチコンポーネント1105がアンロックされるように制御してコンピュータ化されたヨーヨー300は「スリープ」状態に入り、そして、加速度計測装置315からの加速度値が(或いは張力計装置350からの張力値を一緒に又は個別に加味して)プレイヤによるヨーヨーに対しての「ウェークアップ」を示す場合には演算・制御装置305がクラッチコンポーネント1105をロックさせる電気クラッチ制御信号を生成して制御を行う。この場合、図2のボールベアリング型ヨーヨーの「ウェークアップ」に比較してより迅速かつ容易なコンピュータ化されたヨーヨー300の「ウェークアップ」が結果としてもたらされ得る。(ボールベアリング型ヨーヨーに関しては、プレイヤは、ストリング110とヨーヨーのボディ100との間に十分な摩擦を生成するようにストリングを操作する必要がある。)また別の例では、コンピュータ化されたヨーヨー300はクラッチコンポーネント1105がアンロックされている「スリープ」状態にあり、プレイヤが外部装置に対して「アップ」等の音声コマンドを発する場合を想定する。音声コマンドは外部装置によって認識されて該装置は通信装置345を介して適切なセットアップパラメータを演算・制御装置305へと送信することができ、演算・制御装置305は電気クラッチ制御信号を生成してクラッチコンポーネント1105をロックさせるように制御してコンピュータ化されたヨーヨー300を上方へローリングさせることができる。仮にヨーヨーのプレイヤが、ゲーム中のコンピュータ化されたヨーヨー300の動きに対しての電気クラッチ装置335による支援又は介入を望んでいなくても、ゲームを再スタートさせるためにストリング110の再コイリングを単に支援するために電気クラッチ装置335を用いることは可能である。この例では、プレイヤがヨーヨーのコントロールを失った場合等に発生する局面、即ちストリング110が伸びきっておりかつコンピュータ化されたヨーヨー300がもはや回転していない場合、を想定するのであり、この場合ゲームを再スタートさせるにはプレイヤはストリング110を再コイルする必要がある。図2のボールベアリング型ヨーヨーに関しては、この再コイリング手順は単純ではない。なぜならば、再コイリングを可能ならしめる初期摩擦を生成するためにはプレイヤが注意深くストリング110を操作する必要があるからである。電気クラッチ装置335を有するコンピュータ化されたヨーヨー300に関しては、プレイヤは、「ロック」等の音声コマンドを単に発するだけでよい。音声コマンドは外部装置によって認識されて、該装置は通信装置345を介して適切なセットアップパラメータを演算・制御装置305へと送信することができ、演算・制御装置305はクラッチコンポーネント1105をロックさせるように制御するための電気クラッチ制御信号を生成することができる。同様に、第1の運動パターンの認識に基づいてクラッチコンポーネント1105がロックされることができる。一旦クラッチコンポーネント1105がロックされたならば、プレイヤは容易にストリング110を再コイルすることができ、「アンロック」等の第2の音声コマンドを発することができ、これによりクラッチコンポーネント1105はアンロックされ、そしてプレイヤは単純にヨーヨーのゲームを再開することができる。同様に、第2の運動パターンの認識に基づいてクラッチコンポーネント1105がアンロックされることができる。
さらに、電気クラッチ装置335におけるクラッチコンポーネント1105に対して異なるレベルの電気クラッチ制御信号を用いることによって、クラッチコンポーネント1105とボールベアリング210のアウターケースとの間で異なる度合いの摩擦を生じさせることができ、したがって、ヨーヨーのボディ100とボールベアリング210のアウターケースとの間で異なる度合いの摩擦力を生じさせることができる。異なる度合いの摩擦力は、コンピュータ化されたヨーヨー300の運動を円滑に制御するために活用することができ、例えば、コンピュータ化されたヨーヨー300の回転速度を緩やかに減少させたり、又は、コンピュータ化されたヨーヨー300が「ウェークアップ」に際して上方へ動く場合の回転速度を制御したりすること等ができる。
既述のように、ヨーヨーのボディ100の2つの丸みを帯びた半部の間隙の幅は、「スリープ」状態中に関してはストリング110とヨーヨーのボディ100のインナーウォールとの間の摩擦を低減させること(このためには広い間隙が必要である)、及び、ヨーヨーを容易に「ウェークアップ」させること(このためには狭い間隙が必要である)、の妥協となる。図12には、本問題を解決することを支援するための内部ディスク1220をさらに組み込んでいるボールベアリング210のアウターケースを伴うコンピュータ化されたヨーヨー300を示している。図11と同様に、このコンピュータ化されたヨーヨー300は、クラッチコンポーネント1105によって実装される電気クラッチ装置335を有している。もちろん、クラッチコンポーネント1105がアンロックされている場合にはプレイヤは図12に示したコンピュータ化されたヨーヨー300を放り投げることができ、ストリング110が伸びきった際には、図12に示すコンピュータ化されたヨーヨー300は「スリープ」状態に入る。もっとも、図12に示すコンピュータ化されたヨーヨー300を、プレイヤが腕や手や指の動きを使って「ウェークアップ」するのは無理である。なぜならば、ストリング110とヨーヨーのボディ100のインナーウォールとの間で摩擦を作ることできないからである。なぜならば、ヨーヨーのボディ100のインナーウォールが内部ディスク1220の外側サイドにあるからである。もっとも、クラッチコンポーネント1105は演算・制御装置305によって制御されることができるため、クラッチコンポーネント1105をロックさせることによってコンピュータ化されたヨーヨー300を「ウェークアップ」することが可能たり得る。特に留意すべきなのは、図12に示すコンピュータ化されたヨーヨー300に関してはストリング110と内部ディスク1220とは「スリープ」状態中には相対的に移動しないということである。よって、ストリング110とヨーヨーのボディ100のインナーウォールとの間の「スリープ」状態中の摩擦は除去される。このことは、内部ディスク1220を有する図12に示したコンピュータ化されたヨーヨー300が、「スリープ」状態中により長い間回転し続けられるという意味でより効率的であることを意味する。電気クラッチ装置335及びクラッチコンポーネント1105を作動させるために必要な他の要素を非限定的に例示すれば、配線、スイッチ、パワーアンプ、及び他の任意の要素等が含まれるのであり、これらは図12には図示されていない。
ヨーヨーが「スリープ」状態にあり、かつ、十分に速く回転している場合、プレイヤはヨーヨー「トリック」を行うことができるのであり、トリックとはプレイヤの技量及びアジリティを示すヨーヨーの運動シーケンスである。しかし、摩擦によって回転速度が減じられていくと、ヨーヨートリックを行う余地が減殺又は失われる。図13は、向上された娯楽的エクスペリエンスを生成するための電気クラッチ装置335と電気モータ装置340とを備えるコンピュータ化されたヨーヨー300を示す。電気モータ装置340は、図2、11、12のボールベアリング210と似た態様で軸130にマウントされている電気モータ1310を備える。電気モータ1310は、電気コイルを有する内部コンポーネント(ボールベアリング210のインナーリングに対応)と、固定磁石を有する外部ケース(ボールベアリング210のアウターケースに対応)とを有することができる。クラッチコンポーネント1105がアンロックされていると仮定すると、電気モータ1310に対して何ら制御信号が印加されていない場合、内部コンポーネントは、外部ケースとの関係で円滑にかつ最低限の摩擦を伴って回転することができる。電気モータ1310に制御信号が印加されると、電気モータ1310の内部コンポーネントと外部ケースとの間で回転力が発生する場合がある。電気モータ1310の内部コンポーネントがヨーヨーの軸130に取り付けられており、該軸がヨーヨーのボディ100に取り付けられているため、生成された回転力は電気モータ1310の外部ケースからヨーヨーのボディ100へと作用する。初期的に、ヨーヨーのボディ100と電気モータ1310の外部ケースとが相対的に回転していない場合、回転力がこれらの間での回転運動を生じさせる場合がある。ヨーヨーのボディ100と電気モータ1310の外部ケースとが既に相対的に回転しているのであれば、回転力はこの回転を増加若しくは減少させることができ、又は、回転力がこの回転の方向を反転させる場合がある。ストリング110は、図2、11、12のボールベアリング210のアウターケースとして機能する電気モータ1310の外部ケースに結ばれていることができる。
電気クラッチ装置335及び電気モータ装置340は演算・制御装置305によって制御されることができ、演算・制御装置305は電気クラッチ制御信号及び電気モータ装置340のための制御信号(電気モータ制御信号)を生成することができ、これらの信号は加速度計測装置315からの加速度値(或いは張力計装置350からの張力値を一緒に又は個別に加味して)、演算・制御装置305によって抽出された状態パラメータ、又は、外部装置から受信されたセットアップパラメータに基づいている(なお、これら要素は一緒に又は個別に加味され得る)。例えば、図13に示したコンピュータ化されたヨーヨー300をプレイヤが放り投げた後、クラッチコンポーネント1105はアンロックされることができ、電気モータ装置340が作動して下降に際してコンピュータ化されたヨーヨー300の回転速度を増加させることができる。また別の例では、ストリング110が伸びきっておりかつ図13に示したコンピュータ化されたヨーヨー300が「スリープ」状態にある場合、電気モータ装置340は制御を受けて回転速度を一定に保つように作動することができるのであり、これによってプレイヤが長いヨーヨートリック要素のシーケンスを実行することが可能となる。また別の例では、プレイヤがトリック要素を完了した際に、クラッチコンポーネント1105によって生成された摩擦力によって又は電気モータ1310によって生成された回転力によって図13に示したコンピュータ化されたヨーヨー300を「ウェークアップ」することが可能となり得る。また別の例では、プレイヤがヨーヨートリック要素を行うに際して、プレイヤが外部装置に対して「増速」、「減速」、「アップ」、「ダウン」等の音声コマンドを発することができ、これらコマンドが外部装置によって認識されて、外部装置は通信装置345を介してセットアップパラメータを演算・制御装置305へと送信することができ、それによって電気クラッチ装置335を制御する電気クラッチ制御信号を生成し及び電気モータ装置340を制御する電気モータ制御信号を生成することができ(これらは一緒に又は個別に生成され得る)、これにより発せられた音声コマンドに基づいてコンピュータ化されたヨーヨー300の運動又は状態を制御することができる。電気クラッチ装置335、電気モータ装置340、クラッチコンポーネント1105、及び電気モータ1310を作動させるために必要な他の要素を非限定的に例示すれば、配線、スイッチ、パワーアンプ及び他の任意の要素等が含まれるのであり、これらは図13には図示されていない。
電気モータ制御信号が生成されて電気モータ装置340に印加されることによって電気モータ装置340がコンピュータ化されたヨーヨー300の運動に影響を及ぼす回転力を必要に応じて生成できるように機能する限り、電気モータ装置340に関しての他の実施形態もあり得る。さらに、電気モータ装置340はその機能を反転させて、発電機として動作して電池310を充電することができる。
本発明の幾つかの特徴及び異なる態様を個別的に図3〜13にて提示した。しかし、本発明の任意の特徴及び異なる態様の任意のものを組み合わせる任意の実施形態をもってコンピュータ化されたヨーヨー300を実施することができる。例えば、非限定的な例ではあるが、コンピュータ化されたヨーヨー300の実施形態は分離可能なタイプの装置である光ディスプレイ装置320、音声再生装置325又は補助装置330をラッチすることができるラッチングベース605を備えることができる。コンピュータ化されたヨーヨー300についての同じ実施形態は、コンピュータ化されたヨーヨー300の運動に関しての制御を提供する電気クラッチ装置335及び電気モータ装置340をさらに備えることができる。