JP6471107B2 - セルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置に関する。
セルロースアシレートフィルムは偏光板保護フィルムなどの様々な用途に用いられている。
偏光板は、通常、偏光子と偏光板保護フィルムとを含んでなり、偏光子は一般的にはヨウ素で染色されたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムを延伸することにより作成されている。偏光板は液晶表示装置などに用いられる。
特許文献1には、バルビツール酸誘導体を含有するセルロースアシレートフィルムが記載されており、このセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることで、高温高湿環境下での偏光板の耐久性を向上させることが記載されている。ここで、偏光板の耐久性(偏光板耐久性)が優れるとは、高温高湿環境下に一定時間放置する前と放置した後で、2枚の偏光板のそれぞれの吸収軸を直交させて配置した状態又はそれに準ずる原理を用いた装置で測定した光線透過率(直交透過率)の変化量が少ないことを表す。
特許文献2には、セルロースアシレートフィルムにウレタン結合を有する化合物を添加することで、表面硬度を向上させることが記載されている。
国際公開第2014/148559号 国際公開第2015/151683号
近年、液晶表示装置の薄型化に加え、液晶表示装置が室外で使用される機会が増加し、高温高湿環境下での偏光板の耐久性の更なる向上が求められている。
また、偏光板保護フィルムには、環境湿度の変化による寸法変化(湿度寸法変化)が少なく、かつ光学的特性に優れる(特に、VA(Vertically Aligned)モードの液晶セルに好適な光学的特性である)ことが求められている。
特許文献1には、バルビツール酸誘導体を用いることで高温高湿環境下での偏光板の耐久性を向上させることが記載されているが、更なる耐久性の向上の余地がある。また、環境湿度の変化による寸法変化の抑制、及び光学的特性についてはなんら記載されていない。
特許文献2にはウレタン結合を有する化合物を用いることが記されているが、高温高湿環境下での偏光板の耐久性の向上、湿度変化による寸法変化の抑制、及び光学的特性については言及されていない。
本発明の課題は、高温高湿環境下での耐久性に優れた偏光板を提供でき、環境湿度の変化による寸法変化が少なく、かつ光学的特性に優れたセルロースアシレートフィルム、このセルロースアシレートフィルムを含む偏光板、及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は鋭意検討し、下記手段により上記課題を解決できることを見出した。
<1>
平均アシル基置換度が2.00以上、2.65未満のセルロースアシレートと、
下記要件a1及びa2を満たす化合物Aと、
下記一般式(I)で表される化合物Bと、
下記要件c1及びc2を満たす化合物Cと、
を含有し、
Rth/dが2.2以上、5.5未満である、セルロースアシレートフィルム。
Rth/dはRthをdで除した値を示し、Rthは波長590nmにおけるセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレタデーション[単位:nm]であり、dはセルロースアシレートフィルムの膜厚[単位:μm]である。
a1:−C(=O)−NH−Arで表される構造を分子内に少なくとも1つ有する。Arは無置換の芳香環を表す。
a2:化合物Aの分子量を化合物Aの分子内に含まれる芳香環の数で除した値が、220以下である。
一般式(I)
Figure 0006471107
一般式(I)中、R26はアルキル基、アルキニル基又は芳香族炭化水素基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は芳香族ヘテロ環基を表し、R29は水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表す。R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
c1:化合物BのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(1)が1.0MPa1/2以上である。
c2:セルロースアシレートのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(2)が1.5MPa1/2以下である。
ただし、SP値は、Hoy法で測定した溶解度パラメーターの値を表す。
<2>
上記化合物Aの含有率が、上記セルロースアシレートの全質量に対して、15質量%以上30質量%以下である<1>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<3>
上記化合物Aが、下記一般式(J)で表される化合物である<1>又は<2>に記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(J):Z−(L12−L11−O−C(=O)−NH−Ar)n1
一般式(J)中、Arは無置換の芳香環を表す。L11は単結合又はアルキレン基を表し、上記アルキレン基は置換基を有していてもよい。L12は単結合又は−O−、−NR−、−S−、−C(=O)−、及びこれらの組み合わせからなる連結基から選ばれる連結基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Zはn1価の基を表す。n1は1〜6の整数を表し、L11、L12及びArが複数存在する場合は、複数のL11、L12及びArは互いに同一でも異なっていてもよい。
<4>
上記L11、上記L12、及び上記Zの分子量の総和が40以上100以下である<3>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<5>
上記化合物Cが、重量平均分子量800以上のポリエステルである<1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<6>
上記化合物Cの含有率が、上記セルロースアシレートの全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下である<1>〜<5>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<7>
<1>〜<6>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを有する偏光板。
<8>
<7>に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
本発明によれば、高温高湿環境下での耐久性に優れた偏光板を提供でき、環境湿度の変化による寸法変化が少なく、かつ光学的特性に優れたセルロースアシレートフィルム、このセルロースアシレートフィルムを含む偏光板、及び液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。
以下に記載する説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、Rthは、波長590nmにおけるセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレタデーション[単位:nm]を表す。Rthは、Axo Scan(Axometrics社製)において波長590nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定することができる。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel(登録商標)Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを用いることによって求めることができる。溶離液は特に述べない限り、臭化リチウム10mmol/LのN−メチルピロリジノン(NMP)溶液を用いて測定したものとする。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、
平均アシル基置換度が2.00以上、2.65未満のセルロースアシレートと、
下記要件a1及びa2を満たす化合物Aと、
下記一般式(I)で表される化合物Bと、
下記要件c1及びc2を満たす化合物Cと、
を含有し、
Rth/dが2.2[nm/μm]以上、5.5[nm/μm]未満である、セルロースアシレートフィルム。
Rth/dはRthをdで除した値を示し、Rthは波長590nmにおけるセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレタデーション[単位:nm]であり、dはセルロースアシレートフィルムの膜厚[単位:μm]である。
a1:−C(=O)−NH−Arで表される構造を分子内に少なくとも1つ有する。Arは無置換の芳香環を表す。
a2:化合物Aの分子量を化合物Aの分子内に含まれる芳香環の数で除した値が、220以下である。
一般式(I)
Figure 0006471107
一般式(I)中、R26はアルキル基、アルキニル基又は芳香族炭化水素基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は芳香族ヘテロ環基を表し、R29は水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表す。R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
c1:化合物BのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(1)が1.0MPa1/2以上である。
c2:セルロースアシレートのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(2)が1.5MPa1/2以下である。
ただし、SP値は、Hoy法で測定した溶解度パラメーターの値を表す。
[化合物A]
本発明のセルロースアシレートフィルムに含まれる化合物Aについて、以下に説明する。
化合物Aは、下記要件a1及びa2を満たす。
a1:−C(=O)−NH−Arで表される構造を分子内に少なくとも1つ有する。Arは無置換の芳香環を表す。
a2:化合物Aの分子量を化合物Aの分子内に含まれる芳香環の数で除した値が、220以下である。
偏光板は高温高湿環境での色抜けにより偏光度が低下(耐久性が低下)することが知られており、その原因として、偏光子中のヨウ素が偏光板保護フィルムであるセルロースアシレートフィルム中に拡散することが考えられる。したがって、ヨウ素が拡散しにくいセルロースアシレートフィルムを用いることで、偏光板の耐久性を向上させることができると考えられる。
化合物Aが要件a1を満たすことで、−C(=O)−NH−Arで表される構造中のNH基とセルロースアシレートのカルボニル基との水素結合性相互作用により、セルロースアシレートフィルム中の自由体積を小さくし、偏光子からセルロースアシレートフィルム中にヨウ素が拡散しにくくなると考えられ、また、環境湿度が変化してもセルロースアシレートのポリマー鎖の距離が変化しにくく、寸法が安定するものと考えられる。
−C(=O)−NH基に直結した芳香環(Ar)は剛直な構造でセルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートの動きを抑えることにより、ヨウ素が拡散しにくくするはたらきがあると考えられる。また、芳香環に置換基を有さない(無置換である)ことで、セルロースアシレートの分子鎖との距離が充分近くなると考えられる。さらに、要件a2を満たすことにより、芳香環数が一定割合存在することで、延伸配向させたセルロースアシレートフィルム中で屈折率異方性を高め、適度な光学発現性(優れた光学的特性)を発揮すると考えられる。
Arはベンゼン環であることが好ましい。
化合物Aは、下記一般式(J)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(J):Z−(L12−L11−O−C(=O)−NH−Ar)n1
一般式(J)中、Arは無置換の芳香環を表す。L11は単結合又はアルキレン基を表し、上記アルキレン基は置換基を有していてもよい。L12は単結合又は−O−、−NR−、−S−、−C(=O)−、及びこれらの組み合わせからなる連結基から選ばれる連結基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Zはn1価の基を表す。n1は1〜6の整数を表し、L11、L12及びArが複数存在する場合は、複数のL11、L12及びArは互いに同一でも異なっていてもよい。
11がアルキレン基を表す場合のアルキレン基としては、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよく、1つ以上の環状アルキレン基(シクロアルキレン基)と1つ以上の直鎖または分岐のアルキレン基とが連結したアルキレン基でもよい。直鎖または分岐のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基などが挙げられる、直鎖または分岐のアルキレン基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基、エチレン基、またはプロピレン基が最も好ましい。環状アルキレン基としては、置換基を有していてもよいシクロへキシレン基が好ましい。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基が有していてもよい置換基としては、下記置換基群Tから選ばれる置換基が挙げられる。これらの中でも、アルキレン基が有する置換基としては、アルキル基、アシル基、アリール基、アルコキシ基、カルボニル基が好ましい。
直鎖または分岐のアルキレン基は置換基を有していない方が好ましい。環状アルキレン基は置換基を有していることが好ましい。
12は単結合または−O−、−NR−、−S−、−C(=O)−のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる基を表し、中でも単結合、酸素原子、−NR−、または−C(=O)−であることが好ましい。Rは、水素原子または置換基を表し、置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基が挙げられ、水素原子または、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素数6〜18のアリール基(例えば、フェニル基及びナフチル基)が好ましく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
12は、単結合、−O−*、−OC(=O)−*、−C(=O)O−*、−NR−*、−RN−*であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。ここで*は、Zとの結合位置、または隣接する基とZ側で結合する位置を表す。
置換基群T:
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレタン基、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシル基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、及びシリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が2つ以上ある場合は、2つ以上の置換基は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
Zは、n1価(1〜6価)の連結基を表し、2〜6価の連結基であることが好ましく、2〜4価の連結基であることがより好ましく、2又は3価の連結基であることが更に好ましい。すなわち、n1は1〜6の整数を表し、2〜6の整数を表すことが好ましく、2〜4の整数を表すことがより好ましく、2又は3を表すことが更に好ましい。
Zは、直鎖、分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1種のみからなっていてもよいし、これらの基と、酸素原子、直鎖または分岐のアルキレン基との組み合わせであることも好ましい。Zとして含まれる脂肪族基は飽和脂肪族基であることが好ましい。
分岐または環状の脂肪族基および芳香族基の少なくとも1種を含む基とすることにより、剛直な構造となるため、この化合物を含むことでフィルムの表面硬度が更に向上する傾向にある。Zに含まれる炭素数は1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜12が更に好ましい。
Zは、置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記置換基群Tから選ばれる置換基が挙げられるが、置換基を有さない方が好ましい。
一般式(J)で表される化合物は、L11、L12、及びZである部分構造の分子量の総和(すなわち、Zの分子量+n1個のL11のそれぞれの分子量の和+n1個のL12のそれぞれの分子量の和)が40以上100以下であることが好ましく、50以上95以下がより好ましく、60以上90以下が更に好ましい。
具体的には、以下に例示される連結基が好ましい。なお、*はL12と結合する位置を表す。
Figure 0006471107
Figure 0006471107
化合物Aは、−C(=O)−NH−Arで表される構造を少なくとも1つ有するが、−C(=O)−NH−Arで表される構造の数は2〜6つであることが好ましく、2〜4つであることがより好ましく、2つ又は3つであることが更に好ましい。
化合物Aについては、国際公開第2014/133041号、及び国際公開第2015/151683号に記載されている事項も本発明において参照することができる。
化合物Aは、分子中に一定量の芳香環数を含むことが光学発現性を得る上で望ましい。化合物Aの分子量を化合物Aの分子内に含まれる芳香環の数で除した値は143以上220以下が好ましく、150以上200以下であることが更に好ましく、155以上180以下であることが特に好ましい。
以下、本発明で好ましく用いられる化合物Aを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、(1−1−k)における「k」は、1〜10の整数であり、例えば、k=2のとき、化合物番号は、(1−1−2)となり、化合物中の−(CH−のkが2であることを意味している。
Figure 0006471107
Figure 0006471107
Figure 0006471107
セルロースアシレートフィルム中に含有される上記化合物Aの含有率は、セルロースアシレートの全質量に対して15質量%以上であることが好ましい。化合物Aの含有率を、15質量%以上にすることでセルロースアシレートフィルム中へのヨウ素の拡散を抑制することができるため、偏光板耐久性を向上させることができ、かつ湿度変化に伴う寸法変化を抑制することができる。
化合物Aの含有率はセルロースアシレートの全質量に対して16質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、化合物Aの含有率は、セルロースアシレートの全質量に対して30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、24質量%以下であることが更に好ましい。
[化合物B]
本発明のセルロースアシレートフィルムに含まれる化合物Bについて、以下に説明する。
化合物Bは一般式(I)で表される化合物である。
一般式(I)
Figure 0006471107
一般式(I)中、R26はアルキル基、アルキニル基又は芳香族炭化水素基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は芳香族ヘテロ環基を表し、R29は水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表す。R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
一般式(I)中のR26、R27、R28又はR29が表すアルキル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、アルケニル基、及び芳香族ヘテロ環基について以下に説明する。
アルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。直鎖状のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。分岐状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、3〜5がさらに好ましい。環状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8がさらに好ましく、5または6が特に好ましい。環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられ、シクロヘキシル基が特に好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。
芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。芳香族炭化水素基は、単環であってもよいし、多環であってもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。例えば、ビニル基、アリル基が挙げられる。
芳香族ヘテロ環基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。芳香族ヘテロ環基は、単環であってもよいし、多環であってもよい。
26、R27、R28およびR29はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限はなく、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26)、スルホニル基(好ましくは炭素数は1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数は20以下)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数は0〜20)、スルファモイル基(好ましくは炭素数は0〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、カルバモイル基(好ましくは炭素数は1〜20)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20)、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、ハロゲン原子等が挙げられる。上記の置換基は、さらに上記の置換基で置換されていてもよい。
一般式(I)で表される化合物は、R26、R27、R28およびR29の少なくともいずれか1つが環構造を有する基が置換したアルキル基であることが好ましい。なかでも、R26またはR29が環構造を有する基が置換したアルキル基であることが好ましい。ここで、環構造を有する基の環は、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、含窒素ヘテロ芳香環(例えば、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、インドール環、イソインドール環)が好ましい。また、一般式(I)で表される化合物は、R26、R27、R28およびR29のうちの少なくとも2つが、置換基として環構造を有するアルキル基であることが好ましい。さらに、R26およびR27が、各々独立に、アルキル基または芳香族基であることが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、R26、R27、R28およびR29の置換基に存在する環構造の合計が4個以下であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物の分子量は250〜1200が好ましく、300〜800がより好ましく、350〜600がさらに好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006471107
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一般式(I)で表される化合物を水和物、溶媒和物もしくは塩の形態で用いることもできる。なお、水和物は有機溶媒を含んでいてもよく、また溶媒和物は水を含んでいてもよい。
式(I)で表される化合物は、尿素誘導体とマロン酸誘導体とを縮合させるバルビツール酸の合成法を用いて合成できる。窒素原子上に置換基を2つ有するバルビツール酸は、N,N’−二置換型尿素とマロン酸クロリドを加熱するか、N,N’−二置換型尿素と、マロン酸と無水酢酸等の活性化剤とを混合して加熱することにより得られる。例えば、Journal of the American Chemical Society,第61巻,1015頁(1939年)、Journal of Medicinal Chemistry,第54巻,2409頁(2011年)、Tetrahedron Letters,第40巻,8029頁(1999年)、国際公開第2007/150011号パンフレット等に記載の方法を好ましく用いることができる。
セルロースアシレートフィルム中の一般式(I)で表される化合物Bの含有率は、セルロースアシレートに対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましく、0.3〜5質量%がさらに好ましい。
[化合物C]
本発明のセルロースアシレートフィルムに含まれる化合物Cについて、以下に説明する。
化合物Cは、下記要件c1及びc2を満たす化合物である。
c1:化合物BのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(1)が1.0MPa1/2以上である。
c2:セルロースアシレートのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(2)が1.5MPa1/2以下である。
ただし、SP値は、Hoy法で測定した溶解度パラメーターの値を表す。
詳細は明らかではないが、上記要件c1を満たすことで、セルロースアシレートフィルムと偏光子とが貼合されてなる偏光板において、化合物Bが高温高湿環境下で偏光子中により拡散しやすくなり、偏光子中の色素を安定化させると考えている。また、上記要件c2を満たすことで、高温高湿環境下でも化合物Cがフィルム内に存在し、化合物Bの偏光子への拡散に寄与すると考えられる。
ΔSP(1)は、好ましくは1.0MPa1/2以上2.5MPa1/2以下であり、より好ましくは1.2MPa1/2以上2.2MPa1/2以下であり、更に好ましくは1.5MPa1/2以上2.0MPa1/2以下であり、特に好ましくは1.7MPa1/2以上2.0MPa1/2以下であり、最も好ましくは1.8MPa1/2以上2.0MPa1/2以下である。
ΔSP(2)は、好ましくは0.0MPa1/2以上1.5MPa1/2以下であり、より好ましくは0.0MPa1/2以上1.0MPa1/2以下であり、更に好ましくは0.0MPa1/2以上0.8MPa1/2以下であり、特に好ましくは0.0MPa1/2以上0.6MPa1/2以下である。
SP値は、Hoy法によって算出した溶解度パラメーターの値であり、Hoy法は、POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITION(著者:Brandrup,J./Brandrup,J.(EDT)/Immergut,Edmund H./Grulke,Eric A./Abe,Akihiro/Bloch,Daniel R.、出版元:Wiley、出版時期:2003年5月)に記載がある。たとえば、この算出方法により算出されたセルロースアシレート(置換度2.4)のSP値は23.0MPa1/2である。
化合物Cとしては、公知の可塑剤、ポリマーが使用でき、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリスチレン、炭水化物誘導体が挙げられるが、偏光板耐久性改善の効果から特にポリエステルが好ましい。
ポリエステルとしては、ジカルボン酸とジオールとから得られる重縮合ポリエステルであることが好ましく、少なくとも一種の芳香環を有するジカルボン酸(芳香族ジカルボン酸とも呼ぶ)と、少なくとも一種のジオールとから得られる重縮合ポリエステルがより好ましい。すなわち、少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸残基と、少なくとも一種のジオール残基とを含む重縮合ポリエステルがより好ましい。
(芳香族ジカルボン酸残基)
本明細書中では、残基とは、重縮合ポリエステルの部分構造で、重縮合ポリエステルを形成するための単量体に由来する部分構造を表す。例えばジカルボン酸HOOC−R−COOH(Rは炭化水素基を表す)より形成されるジカルボン酸残基は−OC−R−CO−である。
重縮合ポリエステルにおける芳香族ジカルボン酸残基の含有比率(芳香族ジカルボン酸残基比率)は、重縮合ポリエステルに含まれるすべてのジカルボン酸残基に対して、40mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることが更に好ましい。
芳香族ジカルボン酸残基を形成するために用いられる芳香族ジカルボン酸は1種でも、2種以上でもよい。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、フタル酸、テレフタル酸がより好ましく、テレフタル酸がさらに好ましい。
重縮合ポリエステルは芳香族ジカルボン酸残基として、フタル酸残基、テレフタル酸残基、及びイソフタル酸残基から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、より好ましくはフタル酸残基、及びテレフタル酸残基から選ばれる少なくとも1種を含み、さらに好ましくはテレフタル酸残基を含む。
重縮合ポリエステルのジカルボン酸残基中のテレフタル酸残基の含有量は40mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることが更に好ましい。詳細は分かっていないが、芳香族ジカルボン酸残基比率を40mol%以上とすることで、セルロースアシレートとの親和性が高く高温高湿環境下でのブリードアウトが生じにくく、また十分な光学異方性を示すセルロースアシレートフィルムが得られる。
(脂肪族ジカルボン酸残基)
重縮合ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸残基に加えて、脂肪族ジカルボン酸残基を含んでもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸は1種でも、2種以上を用いてもよく、2種用いる場合は、コハク酸とアジピン酸を用いることが好ましい。1種用いる場合は、コハク酸を用いることが好ましい。これは、ジオール残基の平均炭素数を所望の値に調整することができ、セルロースアシレートとの相溶性の点で好ましい。
(脂肪族ジオール残基)
重縮合ポリエステルを形成するためのジオールとしては芳香族ジオール及び脂肪族ジオールが用いられ、少なくとも脂肪族ジオールが用いられることが好ましい。
重縮合ポリエステルは脂肪族ジオール残基を含むことが好ましい。例えばジオールHO−R−OHより形成されるジオール残基は−O−R−O−である。
重縮合ポリエステルには平均炭素数が2.5以上7.0以下の脂肪族ジオール残基を含むことが好ましく、より好ましくは平均炭素数が2.5以上4.0以下の脂肪族ジオール残基である。
脂肪族ジオール残基を形成するための脂肪族ジオールとしては、アルキルジオール又は脂環式ジオール類を挙げることができ、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等があり、これらはエチレングリコールとともに1種又は2種以上の混合物として使用されることが好ましい。好ましい脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールの少なくとも1種であり、特に好ましくはエチレングリコール、及び1,2−プロパンジオールの少なくとも1種である。重縮合ポリエステルには、原料として用いたジオールによりジオール残基が形成される。
(末端封止)
重縮合ポリエステルの末端は、未封止の状態、すなわち水酸基又はカルボキシル基であるか、モノカルボン酸類又はモノアルコール類を反応させて封止された状態、すなわちアシル基又はアルコキシ基若しくはアリールオキシ基であることが好ましい。
末端封止に用いるモノカルボン酸類としては酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸等が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸が最も好ましい。封止に用いるモノアルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が好ましく、メタノールが最も好ましい。
重縮合エステルの末端はより好ましくは水酸基、アセチル基、又はプロピオニル基である。
重縮合ポリエステル可塑剤の合成は、常法によりジオールとジカルボン酸とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法、もしくは、これら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によって容易に合成できる。なお、重縮合エステルは、村井孝一編者「可塑剤その理論と応用」(株式会社幸書房,昭和48年3月1日初版第1版発行)に詳細に記載されており、これらの化合物を使用することもできる。
重縮合ポリエステルの重量平均分子量は800以上であることが好ましく、800〜2000であることがより好ましく、800〜1500が更に好ましく、1000〜1200が特に好ましい。
重縮合ポリエステルの含有率は、セルロースアシレートに対して0.5〜10質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%がさらに好ましい。
重縮合ポリエステルの酸価は、1mgKOH/g未満であることが好ましい。重縮合エステルの酸価は、有機酸の酸価の場合と同様の方法で測定することができる。
〔セルロースアシレート〕
次に、本発明のセルロースアシレートフィルムに含まれるセルロースアシレートについて説明する。
セルロースアシレートは、セルロースとカルボン酸のエステルであり、カルボン酸としては、炭素原子数が2〜22の脂肪酸が好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸であるセルロースアシレートが更に好ましく、炭素原子数が2のセルロースアセテートが最も好ましい。
セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
セルロースアシレートは、セルロースの水酸基にアシル基が置換したものであり、アシル基の炭素数は2〜22が好ましい。炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく、1種類でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、又は芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、へプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、i−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基がより好ましい。更に好ましい基はアセチル基、プロピオニルで基あり、最も好ましい基はアセチル基である。
セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であることが好ましく、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法{宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁(1962年)}により測定できる。この方法は特開平9−95538号公報にも詳細に記載されている。
セルロースアシレートの分子量分布は、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel(登録商標)Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを用いて評価される。溶離液は臭化リチウム10mmol/LのNMP溶液を用いる。多分散性指数Mw/Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることがさらに好ましく、2.3〜3.4であることが最も好ましい。
(セルロースアシレートのアシル基置換度)
本発明に用いられるセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたものであり、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度の測定については、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTM D−817−91に準じて実施することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、平均アシル基置換度2.00以上、2.65未満であるセルロースアシレートを含有してなる。セルロースアシレートの平均アシル基置換度が2.00以上であることで、偏光板耐久性及び湿度寸法変化の観点で好ましく、2.65未満であることで、光学特性の観点で好ましく、セルロースアシレートの平均アシル基置換度は、2.2以上、2.6以下であることが好ましく、2.3以上、2.5以下であることがより好ましい。
セルロースアシレートの含有率は、セルロースアシレートフィルムの全質量に対して60〜90質量%であることが好ましく、70〜85質量%であることがより好ましく、75〜80質量%であることが更に好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明ではセルロースアシレートフィルムの添加剤として、公知の添加剤を用いることができ、具体的には、Rth制御剤、劣化防止剤、紫外線防止剤、剥離促進剤、可塑剤、赤外線吸収剤、マット剤等を挙げることができる。
セルロースアシレートフィルムの膜厚は、54〜20μmであることが好ましく、50〜23μmであることがより好ましく、45〜35μmであることが更に好ましい。
セルロースアシレートフィルムのRthは、110〜130nmであることが好ましく、114〜126nmであることがより好ましく、118〜122nmであることが更に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、Rth/dが2.2[nm/μm]以上、5.5[nm/μm]未満である。Rth/dはRthをdで除した値を示し、Rthは波長590nmにおけるセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレタデーション[単位:nm]であり、dはセルロースアシレートフィルムの膜厚[単位:μm]である。
セルロースアシレートフィルムのRth/dが2.2[nm/μm]以上、5.5[nm/μm]未満であることで、フィルム全体の薄さと液晶表示装置の黒表示時の光漏れ低減の観点で好ましい。セルロースアシレートフィルムのRth/dは、2.4[nm/μm]以上、4.0[nm/μm]以下であることが好ましく、2.6[nm/μm]以上、3.4[nm/μm]以下であることがより好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)のセルロースアシレートフィルムも含まれる。
〔セルロースアシレートフィルムの製造方法〕
本発明のセルロースアシレートフィルムは公知の方法に従って製造でき、平均アシル基置換度2.0以上、2.65未満のセルロースアシレートと、溶媒と、化合物A、B、及びCを含有するポリマー溶液をフィルム状に形成する工程と、上記フィルムを延伸する工程を含むことが好ましい。以下これらの詳細について説明する。
セルロースアシレートフィルムの製造方法は、セルロースアシレートを含むフィルムを溶液流延製膜法または溶融製膜法を利用して製膜することができる。フィルムの面状を改善する観点から、セルロースアシレートフィルムの製造方法は、セルロースアシレートを含むフィルムを溶液流涎製膜により製膜する工程を含むことが好ましい。
以下、溶液流延製膜法を用いる場合を例に説明するが、セルロースアシレートフィルムの製造方法は溶液流延製膜法に限定されるものではない。なお、セルロースアシレートフィルムの製造方法として上記溶融製膜法を用いる場合については、公知の方法を用いることができる。
<<ドープ>>
セルロースアシレートを有機溶媒に溶解することによってドープ(セルロースアシレート溶液)を製造することができる。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒として2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールを使用することもできる。ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は1又は2であることが好ましく、ハロゲン化炭化水素のハロゲンは塩素であることが好ましい。メチレンクロリドが代表的なハロゲン化炭化水素である。
2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
セルロースアシレート溶液は、0℃以上の温度(常温又は高温)で処理する方法で製造することができる。溶液の調製は、通常の溶液流延製膜方法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌することが好ましい。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜120℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。流延前のドープは、固形分量が15〜30質量%となるように濃度を調整することが好ましい。溶液流延製膜方法における流延及び乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
<<ドープ溶液を流涎する工程>>
得られたドープを、金属支持体としての平滑なバンド上またはドラム上に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数のセルロースアシレート溶液を流延してもよい。
複数のセルロースアシレート溶液を流延する場合、金属支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414号、特開平1−122419号、特開平11−198285号の各公報などに記載の方法が適応できる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延することによってもフィルム化することでもよく、例えば特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、特開平6−134933号の各公報に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高,低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出すセルロースアシレートフィルム流延方法でもよい。更に又、特開昭61−94724号、特開昭61−94725号の各公報に記載の表面側の溶液が内側の溶液よりも貧溶媒であるアルコール成分を多く含有させることも好ましい態様である。
共流延の場合、内側の層(コア層)と表面側の層(スキン層)の厚さは特に限定されないが、好ましくは表面側の層が全膜厚の1〜50%であることが好ましく、より好ましくは2〜30%の厚さである。ここで、3層以上の共流延の場合は流延用金属支持体に接した最外層と空気側に接した最外層のトータル膜厚を表面側の層の厚さと定義する。
共流延の場合、平均アシル基置換度の異なるセルロースアシレート溶液を共流延して、積層構造のセルロースアシレートフィルムを作製することもできる。
<<フィルムを乾燥する工程>>
乾燥は、一般的には、金属支持体(ドラム又はベルト)の表面側、つまり金属支持体上にあるウェブ(金属支持体上にドープを流延した以降のドープ膜を「ウェブ」とも呼ぶ)の表面から熱風を当てる方法、ドラム又はベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によりドラム又はベルトを加熱し表面温度をコントロールする裏面液体伝熱方法などがある。特に、裏面液体伝熱方式が好ましい。
乾燥温度は、80℃〜160℃が好ましく、100〜140℃がより好ましい。乾燥時間は、5分〜1時間が好ましく、10分〜30分がより好ましい。
<<フィルムを延伸する工程>>
乾燥後のフィルムを「ガラス転移温度(Tg)−20℃」以上の温度で延伸することが、Rth発現性の観点から好ましい。本発明のフィルムの延伸方向はフィルム搬送方向と搬送方向に直交する方向(巾方向)のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの延伸倍率は、5%以上200%以下が好ましく、10%以上100%以下がさらに好ましい。
なお、ここでいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
[偏光板]
本発明の偏光板は、少なくとも1枚の本発明のセルロースアシレートフィルムと、偏光子とを有する。本発明の偏光板は、好ましくは、偏光子と、上記偏光子の両面を保護する2枚の保護フィルムを有する偏光板であって、上記保護フィルムの少なくとも一方が本発明のセルロースアシレートフィルムである。他方の偏光板保護フィルムとしては、公知のセルロースアシレートフィルム、アクリルフィルム、又はポリエステルフィルムを用いることができる。
本発明の偏光板は偏光板耐久性に優れるものである。
本発明の偏光板を、粘着剤を介して、本発明のセルロースアシレートフィルムがガラス側になるようにガラスの上に貼り付けた積層体(測定用試料)を作成し、日本分光(株)製、自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて直交透過率を測定した。温度25℃、相対湿度60%の環境下で2時間放置した後で測定した透過率を直交透過率(T1)とし、その後、温度90℃、相対湿度90%の環境下で200時間放置した後で測定した透過率を直交透過率(T2)とし、下記式より算出される偏光体耐久性が、15%以下であることが好ましく、14%以下であることがより好ましく、13%以下であることが更に好ましく、12%以下であることが特に好ましい。
偏光板耐久性=T2−T1
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光子の液晶セル側の偏光板保護フィルム(インナー側フィルム)として用いられることが好ましい。
偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子、及びポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子及び染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムと同様、本発明の偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、偏光板の幅は1330mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板では、偏光子の膜厚が3〜25μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
本発明の偏光板の総厚みは、40〜180μmであることが好ましく、45〜160μmであることがさらに好ましく、50〜150μmであることが特に好ましい。ここでの総厚みとは、偏光子、偏光子の両側に貼り合わされる偏光板保護フィルムに加え、偏光板保護フィルムを貼りあわせる接着剤層を含む厚みである。
本発明の偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、上記本発明のセルロースアシレートフィルム又は偏光板と、を含む。また、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を含む液晶表示装置であって、2枚の偏光板のうち少なくとも1枚が本発明の偏光板であることがより好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置において、少なくとも1枚の偏光板の偏光子の液晶セル側に配置されることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルム、上記フィルムを用いた偏光板は、様々な表示モードの液晶セル、液晶表示装置に用いることができる。液晶セルとしては、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)などの様々な表示モードが提案されている。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルが、VAモード又はTNモードの液晶セルであることが好ましく、VAモードの液晶セルであることがより好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有する液晶表示装置に特に適した光学的特性を有しており、それによって、表示性能の向上に寄与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(セルロースアシレートの調製)
特開平10−45804号公報、同08−231761号公報に記載の方法で、セルロースアシレートを合成し、そのアシル基置換度を測定した。具体的には、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル基の原料となるカルボン酸(酢酸)を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の量を調整することでアシル基(アセチル基)の置換度を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレート(セルロースアセテート)の低分子量成分をアセトンで洗浄し除去し、種々の平均アシル基置換度を有するセルロースアシレートを得た。
<化合物A1、A2、A3、A4、A5の合成>
化合物Aとして用いた化合物A1、A2、A3、A4、A5は国際公開第2015/151683号に記載の方法と類似の方法またはそれに準じた方法により合成した。合成した化合物の構造式を下記表1に示す。
Figure 0006471107
<化合物B1、B3、B5、B6、B21、B22、B25の合成>
化合物Bとして用いた化合物B1、B3、B5、B6、B21、B22、B25は国際公開第2015/005398号に記載の方法と類似の方法またはそれに準じた方法により合成した。合成した化合物の構造式及びSP値(単位:MPa1/2)を下記表2に示す。
Figure 0006471107
化合物Cとして用いた化合物を下記に示す。表3には、化合物Cとして用いた重縮合ポリエステルの合成に用いたジカルボン酸とジオール及びそれらの含有モル比並びに各化合物のSP値(単位:MPa1/2)を記載した。Acはアセチル基を表す。
Figure 0006471107
Figure 0006471107
Bzはベンゾイル基を表す。
比較例で使用した化合物を下記に示す。
Figure 0006471107
Figure 0006471107
[実施例1]
<コア層形成用ドープの調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、コア層形成用ドープを調製した。
(コア層形成用ドープの組成)
・セルロースアセテート(置換度2.4) 100質量部
・A1(添加剤(1)) 20質量部
・B6(添加剤(2)) 2.0質量部
・C2(添加剤(3)) 5.0質量部
・メチレンクロライド 392質量部
・メタノール 58.5質量部
<スキン層形成用ドープの調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、セルロースアセテートを溶解し、スキン層形成用ドープを調製した。
(スキン層形成用ドープの組成)
・セルロースアセテート(置換度2.8) 100質量部
・メチレンクロライド 440質量部
・メタノール 65.8質量部
<セルロースアシレートフィルムの作製>
バンド流延装置を用い、調製したコア層形成用ドープ及びスキン層形成用ドープをスキン層、コア層、スキン層の順に積層するように三層共流延した。乾燥後のコア層の膜厚が39μm、各スキン層の膜厚が1μmとなるようにした。得られたフィルム(ウェブ)をバンドから剥離し、クリップに挟み、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が20〜5質量%の状態のときにテンターを用いて140℃で1.08倍の延伸倍率で横延伸(幅方向に延伸)した。その後にフィルムからクリップを外して140℃で20分間乾燥させた後、更にテンターを用いてフィルムのTg(ガラス転移温度)−5℃で1.15倍の延伸倍率で横延伸しセルロースアシレートフィルムを作製した。得られたセルロースアシレートフィルムの膜厚は40μmであった。
なお、「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
なお、Tgは動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδが最大値となる温度である。損失正接tanδは動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製DVA−200)を用いて、あらかじめ温度25℃、相対湿度60%雰囲気下で2時間以上調湿したフィルム試料について、下記条件において、E”(損失弾性率)とE’(貯蔵弾性率)を測定し、tanδ(=E”/E’)とその最大値を求め、Tgを測定した。
装置:アイティー計測制御株式会社製 DVA−200
試料:5mm、長さ50mm(ギャップ20mm)
測定条件:引張りモード
測定温度:−25℃〜220℃
昇温条件:5℃/min
周波数:1Hz
また、残留溶媒量は下記の式にしたがって求めた。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを120℃で2時間乾燥させた時の質量である。
[実施例2〜25、比較例1〜17]
セルロースアシレート、添加剤(1)の種類、添加剤(2)の種類、添加剤(3)の種類、並びに、添加剤(1)、添加剤(2)、及び添加剤(3)の含有率を下記表6に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜25、比較例1〜17のセルロースアシレートフィルムを作製した。
なお、下記表6において、添加剤(1)、添加剤(2)、及び添加剤(3)の含有率は、それぞれのセルロースアシレートフィルム中のセルロースアシレートに対する添加剤(1)、添加剤(2)、及び添加剤(3)の含有率(質量)%である。
実施例及び比較例で作製した各セルロースアシレートフィルムについて、以下のように評価した。
<Rth/d>
作製したセルロースアシレートフィルムの膜厚(d 単位:μm)は、(株)ミツトヨ製高精度デジタル測長機(VL−50−B)を用いて測定した。
また、各セルロースアシレートフィルムについて、前述の方法でRth(単位:nm)を測定した。
得られた値より、Rth/dの値を算出し、下記表6に示した。
<湿度寸法変化>
各セルロースアシレートフィルムの遅相軸方向と平行な方向に長さ12cm(測定方向)、幅3cmのフィルム試料を切り出し、試料の長手方向と平行に10cmの間隔でピン孔を空け、温度25℃、相対湿度60%の環境下で2時間保持した後、ピン孔の間隔をピンゲージで測長し、測定値をL60とする。次いで、温度25℃、相対湿度10%の環境下に24時間調湿後、ピン孔の間隔をピンゲージで測長し、測定値をL10とする。これらの測定値を用いて下記式により湿度寸法変化率を算出する。
湿度寸法変化率[%]=|L60−L10|/L60
<偏光板の作製>
各セルロースアシレートフィルムを、接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光子と貼合した。偏光子の反対側表面(セルロースアシレートフィルムを貼合していない表面)に、フジタック(登録商標)TD80(富士フイルム株式会社製)を貼合して、偏光板を作製した。
<偏光板耐久性>
上記で作製した各実施例及び比較例の偏光板について、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を測定した。温度25℃、相対湿度60%の環境下で2時間放置した後で測定した透過率を直交透過率(T1)とし、その後、温度90℃、相対湿度90%の環境下で200時間放置した後で測定した透過率を直交透過率(T2)とし、下記式より偏光板耐久性を算出した。
偏光板耐久性=T2−T1
Figure 0006471107
上記表6より、実施例のセルロースアシレートフィルムは、比較例のセルロースアシレートフィルムに対して、光学的特性に優れ、かつ、湿度寸法変化が少なかった。また、実施例のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いて作製された偏光板は、比較例のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いて作製された偏光板に対して、高温高湿環境下での偏光板耐久性に優れていた。
また、実施例4、比較例13〜15より、化合物Aを含有し、化合物B及びCを含有しないセルロースアシレートフィルム(比較例14)に対して、化合物Cのみを添加した場合(比較例13)、偏光板耐久性は改善せずに、むしろ低下することが分かる。また、化合物Bのみを添加した場合(比較例15)に比べ、化合物Bと化合物Cを両方添加することで、偏光板耐久性が大幅に改善することが分かる(実施例4)。

Claims (8)

  1. 平均アシル基置換度が2.00以上、2.65未満のセルロースアシレートと、
    下記要件a1及びa2を満たす化合物Aと、
    下記一般式(I)で表される化合物Bと、
    下記要件c1及びc2を満たす化合物Cと、
    を含有し、
    Rth/dが2.2以上、5.5未満である、セルロースアシレートフィルム。
    Rth/dはRthをdで除した値を示し、Rthは波長590nmにおけるセルロースアシレートフィルムの膜厚方向のレタデーション[単位:nm]であり、dはセルロースアシレートフィルムの膜厚[単位:μm]である。
    a1:−C(=O)−NH−Arで表される構造を分子内に少なくとも1つ有する。Arは無置換の芳香環を表す。
    a2:化合物Aの分子量を化合物Aの分子内に含まれる芳香環の数で除した値が、220以下である。
    一般式(I)
    Figure 0006471107

    一般式(I)中、R26はアルキル基、アルキニル基又は芳香族炭化水素基を表し、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族炭化水素基又は芳香族ヘテロ環基を表し、R29は水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表す。R26、R27、R28及びR29はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。
    c1:化合物BのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(1)が1.0MPa1/2以上である。
    c2:セルロースアシレートのSP値と化合物CのSP値の差の絶対値ΔSP(2)が1.5MPa1/2以下である。
    ただし、SP値は、Hoy法で測定した溶解度パラメーターの値を表す。
  2. 前記化合物Aの含有率が、前記セルロースアシレートの全質量に対して、15質量%以上30質量%以下である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 前記化合物Aが、下記一般式(J)で表される化合物である請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム。
    一般式(J):Z−(L12−L11−O−C(=O)−NH−Ar)n1
    一般式(J)中、Arは無置換の芳香環を表す。L11は単結合又はアルキレン基を表し、前記アルキレン基は置換基を有していてもよい。L12は単結合又は−O−、−NR−、−S−、−C(=O)−、及びこれらの組み合わせからなる連結基から選ばれる連結基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Zはn1価の基を表す。n1は1〜6の整数を表し、L11、L12及びArが複数存在する場合は、複数のL11、L12及びArは互いに同一でも異なっていてもよい。
  4. 前記L11、前記L12、及び前記Zの分子量の総和が40以上100以下である請求項3に記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 前記化合物Cが、重量平均分子量800以上のポリエステルである請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 前記化合物Cの含有率が、前記セルロースアシレートの全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを有する偏光板。
  8. 請求項7に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
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