JP6470991B2 - 室内用輻射式冷暖房システム - Google Patents

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本発明は、輻射熱を利用して室内の冷房と、必要な場合には暖房をも行うことのできる室内用輻射式冷暖房システムに関する。
現在、室内の冷暖房はエアコンなどによる強制対流方式が主流である。強制対流方式は、特に冷房時において、冷風が直接人に当たることから、冷房病などを引き起こす恐れがあり、慎重な運転が求められる。また、送風音の発生やチリやホコリが舞うのを避けることができない。
強制対流方式に変わる室内用冷暖房システムとして、輻射式の冷暖房システムが提案されている。輻射式の冷暖房システムは、前記した強制対流方式が持つ不都合を回避することができ、高い有効性を持つ。しかしながら、輻射による室内冷房は、結露発生の問題があり、十分には実用化されていない。
結露の問題を解決した輻射冷房方式の空気調和装置が特許文献1に記載されている。そこでは、圧縮機と膨張弁を備えた空気調和装置に結露が発生するのを防止することを目的としており、フィン構造の第1の室内熱交換器と、冷輻射パネルとなる第2の室内熱交換器を有し、冷媒をこの順で通過させている。また、室内空気の露点温度と冷輻射パネル表面温度を検知し、第1の室内熱交換器での室内空気との熱伝達量を変え、冷媒温度を調節できるように、第1の室内熱交換器近傍のファンの回転数を制御するようにしている。
特許文献1に記載のシステムでは、フィン構造の第1の室内熱交換器(ラジエータ)を冷媒が通ることで、室内空気の除湿と冷却が行われるので、冷媒温度は露点温度以上に上昇する。この冷媒が冷房用の輻射パネルとなる第2の室内熱交換器を通ることで、第2の室内熱交換器の表面温度を室内空気の露点温度より高く保つことができ、第2の室内熱交換器の表面に結露の発生を抑制することができる。
特開平5−346261号公報
特許文献1に記載される輻射冷房方式の空気調和装置は、冷房運転時に第2の室内熱交換器に結露が発生するのを抑制できる利点がある。しかし、その輻射冷房方式は、膨張弁からの冷媒が第1の室内熱交換器を通り室内空気を冷却、除湿するとともに、温度が上昇し、温度の上昇した冷媒が第2の室内熱交換器の冷媒配管を通り輻射パネルを冷却して、輻射冷房を行い、冷媒は圧縮機を通って、室外熱交換器に戻される形態であり、冷媒には、通常、R410Aのような材料が用いられるが、そのような冷媒を用いた機器は制御系が複雑であるとともに、冷媒を送る範囲も自ずと制約を受けるのを避けられない。そのために、特許文献1に記載されるものを、例えば床面の輻射冷房のように、広い面積での輻射冷房に用いるのは、現実性に欠け、用いるとすれば、機器として、特別に設計したものを用いることが必要となる。また、特許文献1に記載の輻射冷房方式の空気調和装置は、冬季での室内暖房については特に配慮がなされてなく、冬季においては、別途、暖房用の機器を用意する必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、輻射熱を利用しての室内冷房と、必要な場合には、輻射熱を利用しての室内暖房とを、従来知られている既存の機器をほぼそのまま用いて行うことができ、同時に、床冷暖房のように広い面積での輻射冷暖房を可能とした、より改良された室内用輻射式冷暖房システムを提供することを課題とする。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムは、冷水発生器とラジエータと冷温水マットとを有し、前記冷水発生器で生成した冷水が前記ラジエータを通過し前記冷温水マットを通過した後に前記冷水発生器に戻る冷水循環路を備えていることを特徴とする。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムでは、基本的に、冷水発生器によって生成された冷水が冷水循環路を循環するようになっており、冷水を利用した既存のラジエータおよび冷温水マットをそのまま利用することができる。また、冷水を利用することから、通常の冷媒を用いるものと比較して、流量などの制御が容易であり、かつ送れる範囲も広くとれる。そのために、システム設計の自由度が大きくなり、広い床面の輻射冷房などに有効に用いることができる。また、既存の機器をほぼそのまま利用できることから、システムの構築は容易であり、かつコストも低減できる。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムにおいて、好ましくは、前記ラジエータを室内の壁面に沿って配置し、前記冷温水マットを床面に配置する。ラジエータ内を冷水発生器が生成した冷水が通過することで、室内空気の冷却と除湿が進行する。ラジエータ内を通過することで昇温した冷水は床面に配置した冷温水マット内を通過して冷水発生器に戻る。冷水が通過することで冷却した冷温水マットからの輻射により室内空気はさらに冷却されるとともに、冷温水マットに接している人は、接触による心地よい冷感も得ることができる。通常、ラジエータ内を通過することで昇温した冷水の温度は当該室内空気の露点温度以上となり、冷温水マットに結露が生じるのを回避できる。
本発明において、冷水発生器には特に制限はなく、任意の冷水発生器を用いることができる。一例として、ヒートポンプを備えた従来知られた空調機器と該空調機器の冷媒と循環水とが熱交換する熱交換器を備え、熱交換器で冷媒と熱交換することで冷水が成形される形態の冷水発生器を挙げることができる。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムの他の態様では、温水発生器をさらに備え、前記温水発生器で生成した温水が前記冷温水マットを通過し前記ラジエータを通過した後に前記温水発生器に戻る温水循環路をさらに備えていることを特徴とする。
この態様では、夏場の室内冷房を必要とするときは、前記した冷水を冷水循環路に流す輻射冷房運転を行い、冬場の室内暖房を必要とするときは、前記した温水を温水循環路に流す輻射暖房運転を行う。この運転態様を採用することにより、ラジエータと冷温水マットとを季節を問わずに通年で使用することが可能となり、冷水循環路のみを備えた単機能式の室内用輻射式冷房システムと比較して、温水端末(ラジエータと冷温水マット)の利用効率が向上する。また、輻射暖房運転時には、温水発生器が生成する温水が冷温水マットを通過することで室内空気の昇温が生じ、冷温水マット内を通過した後の温水がさらにラジエータ内を通過することで、冷温水マットとラジエータの双方からの輻射熱を室内暖房に利用することができる。また、温水循環路内における温水温度差が大きくとれることにより、熱源機効率の高い暖房が可能となる。
この態様において、用いる温水発生器には特に制限はなく、任意の温水発生器を用いることができる。好ましくは、限定されないが、ガスによる給湯暖房システムに備えられた温水発生器等が用いられる。従来知られている燃料電池を備えた発電給湯システムを温水発生器として用いることもできる。
上記態様の室内用輻射式冷暖房システムにおいて、ラジエータと冷温水マットとを1本の配管で接続するのみで、その接続配管を輻射冷房運転時にはラジエータから冷温水マットへの冷水流路として利用し、輻射暖房運転時には冷温水マットからラジエータへの温水流路として利用することができる。それにより、施工性の向上および構成の簡素化も可能となる。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムの他の態様では、前記冷水発生器の熱源を利用する除湿器をさらに備えることを特徴とする。この態様では、除湿器により積極的に室内の除湿を図ることで、輻射冷房運転時に、冷温水マットに結露が生じるのをより確実に回避することが可能となる。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムの他の態様では、前記ラジエータを通過した後の冷水であって前記冷温水マットに入る前の冷水を加熱する補助加熱手段をさらに備えることを特徴とする。冷水がラジエータを通過することで得られる室内の除湿効果および冷水の温度上昇程度が十分でなく、そのままで冷水を冷温水マットに流入させると、冷温水マット表面に結露が生じることが予測される場合に、上記態様のシステムでは、前記補助加熱手段によって冷温水マットに流入する冷水の温度を所要温度に昇温させることができ、結露の発生を回避することができる。
上記の態様において、補助加熱手段に特に制限はなく、任意の熱源機を用いることができる。前記温水発生器が燃料電池を備えた発電給湯システムである態様においては、その発電給湯システムの排熱を利用することもできる。
本発明によれば、従来の機器をほぼそのまま利用することが可能であり、かつ設計の自由度も大きく、広い面積の輻射冷房、および必要な場合には輻射暖房が可能な、より改良された室内用輻射式冷暖房システムが提供される。
本発明による室内用輻射式冷暖房システムの第1の形態を示す基本構成図。 本発明による室内用輻射式冷暖房システムの第2の形態を示す基本構成図。 本発明による室内用輻射式冷暖房システムの第3の形態を示す基本構成図であり、特に、輻射冷房運転時の態様を示している。 図3に示す室内用輻射式冷暖房システムの輻射冷房運転時での制御フロー図(その1)。 図3に示す室内用輻射式冷暖房システムの輻射冷房運転時での制御フロー図(その2)。 図3に示す室内用輻射式冷暖房システムの輻射冷房運転時での制御フロー図(その3)。 図3に示す室内用輻射式冷暖房システムの輻射暖房運転時での制御フロー図。 図3に示す室内用輻射式冷暖房システムの輻射冷暖運転と輻射暖房運転との切り替え時の制御フロー図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
[第1の形態]
図1は、本発明による室内用輻射式冷暖房システムの第1の形態を示す基本構成図であり、冷房専用機としての室内用輻射式冷暖房システムである。
室内用輻射式冷暖房システムA1は、冷水発生器10と、ラジエータ20と、冷温水マット30とを備える。冷水発生器10は、基本的に、従来知られた任意の冷水発生器であってよいが、この例では、ヒートポンプ11と該ヒートポンプ11の冷媒と循環水とが熱交換を行う熱交換器12を備えた冷水発生器10を用いている。ラジエータ20も従来知られた形態の吸放熱フィンを備えたラジエータであってよい。冷温水マット30は、上下のシート間に通水管を巡らせた形態の従来知られた冷温水マットであってよい。通常、冷水発生器10は室外に設置され、ラジエータ20は輻射冷房を行おうとする室内の壁面に配置され、冷温水マット30は、従来から床暖房として知られているように、室内の床面に配置される。
冷水発生器10を構成する前記熱交換器12で生成された、例えば流量1.8l/min、18℃程度の冷水は、冷水往き管路13を通って、ラジエータ20に流入し、室内の空気から吸熱することで、例えば24℃程度に昇温する。夏場の室内の空気が、例えば30℃、70%RH程度である場合、室内空気はラジエータ20によって輻射冷却されるとともに、ラジエータ20に結露が発生することで、湿度も低下する。この結露水は、植裁などに利用することができる。
ラジエータ20を通過することで、例えば24℃程度に昇温した冷水は、ラジエータ20の出側と冷温水マット30の入側を接続する接続配管21を通って、床面に配置された冷温水マット30内に流入する。冷温水マット30を通過中に、冷水は室内の空気から吸熱することで、例えば28℃程度に昇温し、室内空気は輻射冷却される。室内空気は、ラジエータ20に結露が生じたことによって湿度が低くなっており、通常の場合、24℃程度の冷水が冷温水マット30内を通過して冷温水マット30の表面が冷却されても、表面温度は露点以上の温度であり、冷温水マット30の表面に結露は生じない。
28℃程度に昇温した冷水は、冷温水マット30の出側から、冷水還り管路31を通って冷水発生器10に戻され、そこで、熱交換器12によって再度18℃程度に冷却された後、冷水往き管路13を通ってラジエータ20に流入する。以下、冷水は、この循環を繰り返す。
必須ではないが、図1に示す例では、室内に除湿器40が備えられており、該除湿器40には、ヒートポンプ11の冷媒が、熱交換器12を経由して循環する。循環する冷媒によって室内空気の除湿が行われることで、冷温水マット30の表面に結露が発生するのを一層確実に回避することができるようになる。
なお、実際の運転に当たっては、室内空気の温度と湿度環境から露点が求められるので、その露点以上となるように、循環する冷水の温度やラジエータ20の吸熱面積などを設定する。室内用輻射式冷暖房システムA1は、コントローラ50および図示しない制御部を備えており、使用者は適宜の冷房温度環境をコントローラ50により設定できるようになっている。そして、コントローラ50からの指令を受けて、制御部は、その設定温度でも結露が生じないように運転を行う。例えば、湿り空気線図に基づくロジックと能力計算に基づくロジックに従い、最大流量を流しても冷温水マット30の表面に結露を生じさせない冷水温度を設定する。使用者はコントローラ50あるいはリモコンにより所望の冷房能力(例えば、大・中・小など数段階)を設定する。その設定を受けて制御部は、デューティ比を変更し、冷水温度を変えることなく、冷水流量を変化させる。例えば、冷房能力設定が大のときは、冷水往き管路13に備えた図示しない弁の開の時間が長く、閉の時間が短くなるように制御し、冷房能力設定が小のときは、弁の開の時間が短く、閉の時間が長くなるように制御する。なお、このような制御部を備えたコントローラ自体は知られたものであり、詳細な説明は省略する。
[第2の形態]
図2は、本発明による室内用輻射式冷暖房システムの第2の形態を示す基本構成図であり、この室内用輻射式冷暖房システムA2は、温水循環路をさらに備えており、輻射冷房と輻射暖房の双方を選択的に実行することができる。なお、この室内用輻射式冷暖房システムA2が備える輻射冷房にかかる構成は、図1に示した第1の形態の室内用輻射式冷暖房システムA1とほぼ同じであり、同じ部材に対しては同じ符号を付すことで、説明は省略する。
室内用輻射式冷暖房システムA2は、適宜の温水発生器60を備えており、該温水発生器60が生成した、例えば60℃程度の温水が、温水往き管路61を通って、床面に配置された冷温水マット30内に流入する。温水が通過することで冷温水マット30は昇温し、室内の輻射暖房が進行する。冷温水マット30内を通過することで、例えば50℃程度となった温水は、輻射冷房運転時に使用したラジエータ20と冷温水マット30とを接続する接続配管21を通って、ラジエータ20内に流入する。なお、図示では、冷水と温水の流れ方向を見やすくするために、2本の接続配管21、21が示されるが、実際のシステムにおいては、1本の接続配管21で所期の目的を達成できる。
50℃程度の温水がラジエータ20内を通過することで、さらに室内の輻射暖房が進行する。ラジエータ20内を通過して例えば42℃程度となった温水は、温水還り管路22を通って、熱源機である温水発生器60に戻され、そこで再び60℃程度に昇温された後、再度、温水往き管路61に流入する。
室内用輻射式冷暖房システムA2において、温水発生器60には従来知られた任意の温水発生器を用いることができる。図示の例では、従来知られた燃料電池を備えた発電給湯システムを用いており、該発電給湯システムによって生成される貯湯タンク(不図示)内の温水と温水循環路内を循環する温水とを熱交換して用いている。
上記のように、第2の形態である室内用輻射式冷暖房システムA2では、夏季には冷水発生器10を稼働して冷水循環路内に冷水を循環させることで、室内、特に壁面の輻射冷房を行うことができ、冬季には温水発生器60を稼働して温水循環路内に温水を循環させることで、室内の輻射暖房を行うことができる。
図示の室内用輻射式冷暖房システムA2において、上記輻射冷房運転と輻射暖房運転の切り替えは適宜のコントローラ50によって行われる。コントローラ50と温水発生器60および冷水発生器10は、通信線51、52によって接続しており(無線による接続であってもよい)、コントローラ50は、使用者側の選択する温度条件や室内の環境空気条件などに応じて、冷水発生器10と温水発生器60の使用の切り替え、温水発生器60の運転条件の設定を行う。なお、このような機能を備えたコントローラ自体は知られたものであり、詳細な説明は省略する。
なお、図2に示す室内用輻射式冷暖房システムA2において、前記した冷水往き管路13には熱動弁14が取り付けられ、冷水還り管路31には停止弁15が取り付けられる。また、前記した温水往き管路61には熱動弁62が取り付けられ、温水還り管路22には停止弁23が取り付けられる。前記コントローラ50は、輻射冷房運転時には、停止弁23を閉、停止弁15を開とし、輻射暖房運転時には、停止弁23を開とし、停止弁15を閉とする。それにより、輻射冷房運転と輻射暖房運転の切り替えが行われる。
さらに、コントローラ50は、設定温度にあわせて、輻射冷房運転時には冷水発生器10側の熱動弁14を、また、暖房利用時には温水発生器60側の熱動弁62を、デューティ制御により開閉させ、冷温水の流量を変更できるようになっており、それによって、冷暖房の出力制御を行うようにしている。
前記したように、図示の室内用輻射式冷暖房システムA2では、ラジエータ20と冷温水マット30とを接続する接続配管21を、輻射冷房運転時での冷水のラジエータ20から冷温水マット30への移動路、および、輻射暖房運転時での温水の冷温水マット30からラジエータ20への移動路として共用することができるので、システムの構築も容易となる。
[第3の形態]
図3は、本発明による室内用輻射式冷暖房システムの第3の形態を示す基本構成図であり、この室内用輻射式冷暖房システムA3は、ラジエータ20と冷温水マット30とを接続する接続配管21を流れる冷水の温度を昇温させるための補助加熱手段70がさらに備えられている点で、図2に示した室内用輻射式冷暖房システムA2と相違している。他の構成は室内用輻射式冷暖房システムA2と同じであり、同じ部材には同じ符号を付すことで、説明は省略する。
補助加熱手段70は、前記接続配管21に取り付けられる熱交換器71と、該熱交換器71と温水発生器60との間で熱交換用の熱源を循環させるための往き配管72および還り配管73とで構成される。図示の例では、温水発生器60として従来知られた燃料電池を備えた発電給湯システムを用いており、そこで発生する排熱を往き配管72を介して熱交換器71に送給するようにしている。もちろん、燃料電池を備えた発電給湯システムの排熱は、熱交換器71に送給する熱源機の一例であって、適宜の熱源機からの熱を利用することができる。
輻射冷房運転時に、冷水がラジエータ20を通過することで得られる室内の除湿効果および冷水の温度上昇程度が十分でなく、そのままの温度で冷水を冷温水マット30に流入させると、冷温水マット30の表面に結露が生じることが起こりうる。そのような温湿度となったときに、図示しない制御部は、自動的にまたはコントローラ50からの指令を受けて、温水発生器60である燃料電池を備えた発電給湯システムからの排熱を熱交換器71に送給する。その排熱との熱交換によって前記接続配管21を透過する冷水の温度を露点以上に昇温させることが可能となり、冷温水マット30の表面に結露が生じるのを回避することができる。
前記接続配管21にはそこを流れる冷水の温度を計測する温度センサ74が取り付けられ、その近傍には環境湿度を計測する湿度センサ75が取り付けられる。また、前記冷水往き管路13には流量センサ76が取り付けてあり、コントローラ50にも室内温度を計測する温度センサと室内湿度を計測する湿度センサが取り付けられている。これらからの情報に基づき、図示しない制御部は、湿り空気線図に基づくロジックに従い、露点および結露を生じさせない温度を演算し、その温度にまで冷水温度が上昇するのに必要な量の熱量を熱交換器71に送給する。
なお、前記接続配管21に熱交換器71を設けて接続配管21を透過する冷水の温度を露点以上に昇温させる構成は、図1に示した冷房単機能型の室内用輻射式冷暖房システムA1にも適用することができる。その場合には、熱交換器71への適宜の熱供給源(熱源機)を別途備えることが必要となる。
次に、図3に示した室内用輻射式冷暖房システムA3を例として、その制御フローの一例を説明する。
[制御フロー1]
図4〜図6は、輻射冷房運転を行うときの制御フローである。最初に装置の電源を入れる(S101)。図示しない制御部は、温水発生器60である熱源機側の熱動弁62および停止弁23が正常に閉止しているかどうかを判断する(S102)。正常でない場合にはエラー点滅し(S103)、制御部は運転を停止する。正常の場合には、制御部は各センサ74、75、76等が正常かどうかを判断する(S104)。正常でない場合にはエラー点滅し(S105)、制御部は運転を停止する。正常の場合には、制御部は冷水発生器10が正常かどうかを判断する(S106)。正常でない場合にはエラー点滅し(S107)、制御部は運転を停止する。正常の場合には、制御部は運転ランプを点灯させる(S108)。そして、熱動弁14を全開するとともに、一定時間(Amin)のコールドダッシュ運転に入る(S109)。なお、ここでコールドダッシュ運転とは、システム起動時での運転態様であり、ラジエータ20の往き冷水温度を下げる運転態様をいう。
次に、制御部は温水発生器60である燃料電池を備えた発電給湯システムでの排熱が利用可能かどうかを判断する(S110)。利用可能でない場合には、他の熱源機の利用を試みる(S111)。また、室内湿度X%以上かどうかを判断する(S112)。室内湿度X%以上でない場合であってコントローラ50が除湿設定ありかどうかを判断し(S113)、除湿設定ありおよび室内湿度X%以上の場合には、室内除湿器40の運転設定があるかどうかを判断する(S114)。
室内除湿器40の運転設定ありの場合には、室内除湿器40での除湿を開始する(S115)。制御部は室内温度が設定温度以下かどうかを判断する(S116)。設定温度以下の場合にはアメニティドライ運転に入り(S117)、冷水発生器10は製造冷水温度Z℃となる運転を行う(S118)。なお、ここでアメニティドライ運転とは、温熱を用いることで除湿時の室温低下を抑える運転態様をいう。
前記S113でコントローラ50が除湿設定なし、前記S116で室内温度が設定温度以上の場合にも、冷水発生器10は製造冷水温度Z℃となる運転を行う(S118)。前記S114で、室内除湿器40の運転設定なしの場合は、冷水発生器10は製造冷水温度Y℃となる運転を行う(S119)。なお、ここで、Y℃はZ℃よりも低い温度である。
この段階で、Z℃またはY℃の冷水が冷温水マット30に供給されるが、制御部は冷温水マット30への往き温水温度が露点以上かどうかを判断する(S120)。露点以上でない場合は、燃料電池排熱または他の熱源機による熱交換器71を利用した冷水の加熱を行い(S121)、冷温水マット30への往き温水温度を露点以上とする。
使用者は、コントローラ50により設定温度を数段階から選択する(S122)。その時点で、コールドダッシュ運転中かどうかを判断し(S123)、コールドダッシュ運転中の場合は、コールドダッシュAminが経過するのを待つ(S124)。S123でコールドダッシュ中でない場合、およびS124でAminが経過した場合に、制御部は設定温度に応じたデューティ制御を行い(S125)、S110に戻る。S124でAminが経過していない場合には、制御部は熱動弁14を全開にした運転を行い(S126)、S110に戻る。
[制御フロー2]
図7は、輻射暖房運転を行うときの制御フローである。最初に装置の電源を入れる(S201)。図示しない制御部は、冷水発生器10側の熱動弁14および停止弁15が正常に閉止しているかどうかを判断する(S202)。正常でない場合にはエラー点滅し(S203)、制御部は運転を停止する。正常の場合には、制御部は温湿度センサ等が正常かどうかを判断する(S204)。正常でない場合にはエラー点滅し(205)、制御部は運転を停止する。正常の場合には、制御部は温水発生器60である熱源機が正常かどうかを判断する(S206)。正常でない場合にはエラー点滅し(207)、制御部は運転を停止する。正常の場合には、制御部は運転ランプを点灯し(S208)、熱動弁62を全開するとともに、一定時間(Bmin)のホットダッシュ運転に入る(S209)。なお、ここでホットダッシュ運転とは、システム起動時での運転態様であり、冷温水マット30への往き温水温度を上げる運転態様をいう。
使用者は、コントローラ50により設定温度を数段階から選択する(S210)。その時点で、制御部は、ホットダッシュ運転中かどうかを判断し(S211)、ホットダッシュ運転中の場合は、ホットダッシュBminが経過するのを待つ(S212)。S211でホットダッシュ中でない場合、およびS212でBminが経過した場合に、制御部は設定温度に応じたデューティ制御を行い(S213)、S210に戻る。S212でBminが経過していない場合には、制御部は熱動弁62を全開にした運転を行い(S214)、S210に戻る。
[制御フロー3]
図8は、輻射冷房運転と輻射暖房運転の切り替えを行うときの制御フローである。最初に装置の電源を入れる(S301)。図示しない制御部は、冷水発生器10側の熱動弁14および停止弁15が閉止しているかどうかを判断する(S302)。閉止している場合には、熱源機である温水発生器60側の熱動弁62および停止弁23が閉止しているかどうかを判断する(S303)。閉止している場合は、エラー点滅を行う(S304)。S303で閉止していない場合には、使用者はコントローラ50で冷房または暖房を選択する(S305)。
S302で閉止していない場合には、熱源機である温水発生器60側の熱動弁62および停止弁23が閉止しているかどうかを判断する(S306)。閉止していない場合は、エラー点滅を行う(S307)。閉止している場合は、使用者はコントローラ50で冷房または暖房を選択する(S305)。
S305で暖房に設定されたかどうかを制御部は判断する(S308)。暖房設定された場合には、冷水発生器10側の熱動弁14および停止弁15を閉止し(S309)、熱源機である温水発生器60側の熱動弁62および停止弁23を開く(S310)。そして、S302に戻る。S308で暖房設定されない場合(冷房に設定された場合)には、熱源機である温水発生器60側の熱動弁62および停止弁23を閉止し(S311)、冷水発生器10側の熱動弁14および停止弁15を開く(S312)。そして、S302に戻る。
[その他の形態]
図1に示したヒートポンプ11を用いる形態において、ヒートポンプ11が温水を生成するように運転することで、システムを室内用輻射式暖房システムとして用いることもできる。ただし、その場合には、除湿器40への温水の循環を停止するか、除湿器40そのものを除去したシステムとする。
運転の一態様では、ヒートポンプ11が生成した温水と熱交換して例えば60℃程度に昇温した温水を、最初に、床面に配置された冷温水マット30内に送り込む。温水が通過することで冷温水マット30は昇温し、室内の輻射暖房が進行する。冷温水マット30内を通過することで、例えば50℃程度となった温水を、次いで、ラジエータ20内に送り込む。50℃程度の温水がラジエータ20内を通過することで、さらに室内の輻射暖房が進行する。ラジエータ20内を通過して例えば42℃程度となった温水は、ヒートポンプ11が生成した温水と再び熱交換して60℃程度に昇温され、再度、冷温水マット30内に流入する。
上記とは逆に、ヒートポンプ11が生成した温水と熱交換して例えば60℃程度に昇温した温水を、最初にラジエータ20に送り、次いで冷温水マット30に流入する経路で温水を循環させる運転態様も可能である。
A1〜A3…本発明による室内用輻射式冷暖房システム、
10…冷水発生器、
11…ヒートポンプ、
12…熱交換器、
13…冷水往き管路、
14…熱動弁、
15…停止弁、
20…ラジエータ、
21…ラジエータの出側と冷温水マットの入側を接続する接続配管、
22…温水還り管路、
23…停止弁、
30…冷温水マット、
31…冷水還り管路、
40…除湿器、
50…コントローラ、
51、52…通信線、
60…温水発生器、
61…温水往き管路、
62…熱動弁、
70…補助加熱手段、
71…熱交換器、
72…往き配管、
73…還り配管、
74…温度センサ、
75…湿度センサ、
76…流量センサ。

Claims (3)

  1. 室内用輻射式冷暖房システムであって、冷水発生器とラジエータと冷温水マットとを有し、前記冷水発生器で生成した冷水が前記ラジエータを通過し前記冷温水マットを通過した後に前記冷水発生器に戻る冷水循環路を備え
    温水発生器をさらに備え、前記温水発生器で生成した温水が前記冷温水マットを通過し前記ラジエータを通過した後に前記温水発生器に戻る温水循環路をさらに備え、
    前記ラジエータを通過した後の冷水であって前記冷温水マットに入る前の冷水を加熱する補助加熱手段をさらに備え、
    前記補助加熱手段は、前記温水発生器の排熱を利用していることを特徴とする室内用輻射式冷暖房システム。
  2. 請求項に記載の室内用輻射式冷暖房システムであって、前記温水発生器は燃料電池を備えた発電給湯システムであることを特徴とする室内用輻射式冷暖房システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の室内用輻射式冷暖房システムであって、前記冷水発生器の熱源を利用する除湿器をさらに備えることを特徴とする室内用輻射式冷暖房システム。
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