以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、或るショッピングモール内の店舗への道案内を行うための店舗案内システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。しかしながら、道案内される場所は店舗に限定されない。このような場所は、例えばビル、家、ブース、部屋、売り場、区画等であってもよい。また、道案内される場所がある施設、建物又は区域はショッピングモールに限定されない。このような施設等は、例えば展示場、ショッピングセンター、スタジアム、遊園地等であってもよい。
[1.第1実施形態]
[1−1.店舗案内システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る店舗案内システムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る店舗案内システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、店舗案内システムSは、センターサーバ1と、少なくとも1つの登録装置2と、複数の案内装置3とを含んで構成されている。
センターサーバ1、登録装置2及び案内装置3はネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。ネットワークNWは、例えばLAN(Local Area Network)を少なくとも含んでもよい。登録装置2及び案内装置3はLANに接続されてもよい。センターサーバ1がショッピングモールSM内に設置される場合、センターサーバ1はLANに接続されてもよい。センターサーバ1がショッピングモールSM外に設置される場合、登録装置2及び案内装置3は、LAN及びインターネットを介してセンターサーバ1に接続されてもよい。
図2は、ショッピングモールSM内における登録装置及び案内装置の配置の一例を示す図である。図2において、P1〜P28はそれぞれ店舗を示す。また、符号U1〜U9はそれぞれショッピングモールSMを利用するユーザU1〜U9を示す。経路RT1〜RT7は、ユーザU1〜U7のそれぞれが、出発点から目的地に行くための経路である。ショッピングモールSMを利用するユーザの人数は随時変化する。図2に示すように、登録装置2はショッピングモールSMの入口付近に設置される。登録装置2は1台のみ設置されてもよいし、2台以上設置されてもよい。図2には、案内装置3の例として、案内装置3−1〜3−9が示されている。各案内装置3は、ショッピングモールSM内の例えば廊下上に設置される。例えば、案内装置3は、分岐点や曲がり角に配置されることが望ましい。案内装置は2台以上設置されればよい。センターサーバ1は、例えばショッピングモールSM内の図示せぬコンピュータ室に設置されてもよいし、ショッピングモールSM外の図示せぬコンピュータセンターに設置されてもよい。
店舗案内システムSを利用する各ユーザは携帯端末4を携帯する。携帯端末4は、例えばスマートフォン、携帯電話機、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機等であってもよい。携帯端末4は、近距離無線通信機能を有する。近距離無線通の規格は、例えばBluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、ZigBee(登録商標)、NFC(Near field radio communication)等であってもよい。携帯端末4には、案内用アプリが記憶されている。案内用アプリは、店舗案内システムS用のアプリケーションプログラムである。携帯端末4は、センターサーバ1等のサーバ装置から案内用アプリをダウンロードする。
センターサーバ1は、登録装置2及び案内装置3と通信し、店舗案内システムSを制御する。センターサーバ1は、ユーザが携帯する携帯端末4を登録するとともに、ショッピングモールSM内の店舗P1〜Pk(kは2以上の整数)の中からそのユーザの目的地となる店舗をデータベースに登録したり、案内装置が出力する案内情報をその案内装置へ送信したりする。案内情報は、例えば文字情報、画像情報又は音声情報等であってもよい。
登録装置2は、ユーザの操作に基づきそのユーザの携帯端末4及び目的地を登録するための装置である。図2に示すように、各案内装置3は、ユーザをショッピングモールSM内の目的地へ案内する案内情報を出力する。
各案内装置3は、登録装置2を用いて登録された携帯端末4を携帯するユーザがその案内装置3から所定の検出範囲内に入ると(接近すると)、その案内装置3の位置及び登録された目的地の位置に応じた案内情報を出力する。検出範囲は、案内装置3が端末IDを検出可能である携帯端末4の位置の範囲である。携帯端末4の検出には、例えば案内装置3と携帯端末4との間の近距離無線通信で実現されてもよい。これにより、ショッピングモールSMが、たとえGPS(Global Positioning System)や移動体通信ネットワークを利用することができないような電波状況が悪い場所であることにより携帯端末4がこの携帯端末4の位置情報を取得することができない場合であっても、目的地への案内が可能である。検出範囲の広さは、全案内装置3で同一であってもよいし、案内装置3ごとに定められていてもよい。一台の案内装置3に複数のユーザが接近すると、案内装置3は、これらのユーザそれぞれに対応する複数の案内情報を出力してもよいし、これらのユーザのうち一のユーザに対応する一の案内情報のみを出力してもよい。
[1−2.センターサーバの構成]
次に、センターサーバの構成について、図3(a)、図4及び図5を用いて説明する。
図3(a)は、本実施形態に係るセンターサーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図3(a)に示すように、センターサーバは、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。記憶部12は、本発明の記憶手段の一例である。
通信部11は、ネットワークNWに接続して登録装置2及び案内装置3等との通信状態を制御する。
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部12には、店舗DB12a、案内装置DB12b、案内情報DB12c、識別子DB12d、登録DB12e、案内装置制御情報DB12f等のデータベースが記憶される。「DB」は、データベースの略語である。
図4及び図5は、データベースに記憶される内容の一例を示す図である。店舗DB12aには、ショッピングモールSM内の各店舗に関する情報が記憶されている。具体的に、店舗DB12aには、店舗ID及び店舗位置情報が、店舗ごとに関連付けて記憶される。店舗IDは、店舗を示す識別情報である。店舗位置情報は、店舗の位置を示す。店舗位置情報は、例えば店舗の入口の位置を示してもよい。店舗の位置は、例えば経緯度、又は所定の場所を原点とする2次元座標等で表されてもよい。
案内装置DB12bには、ショッピングモールSM内の各案内装置に関する情報が記憶されている。具体的に、案内装置DB12bには、装置ID及び装置位置情報が、案内装置3ごとに関連付けて記憶される。装置IDは、案内装置3を示す識別情報である。装置IDは、案内装置3のMAC(Media Access Control)アドレス、IPアドレス等であってもよい。装置位置情報は、案内装置3の位置を示す。案内装置3の位置は、例えば経緯度、又は所定の場所を原点とする2次元座標等で表されてもよい。
案内情報DB12cには、案内情報が記憶される。具体的に、案内情報DB12cには、店舗位置情報、装置位置情報及び案内情報が、店舗と案内装置3との組み合わせごとに関連付けて記憶される。案内情報DB12cには、1つの店舗に対して、全案内装置3についてそれぞれ案内情報が記憶されてもよいし、1つの店舗に対して、全案内装置3のうち所定の出発点からその店舗までの経路上に位置する案内装置3についてのみそれぞれ案内情報が記憶されてもよい。所定の出発点は、例えばショッピングモールSMを利用するユーザが通常通る何れかの場所であってもよい。例えば、出発点は、入口又は登録装置2の付近であってもよい。出発点から或る店舗までの経路が複数通り考えられる場合、合理的な経路が選択される。例えば、距離が最も短かったり、移動時間が最も短かったりする経路が選択される。店舗位置情報及び装置位置情報は、組み合わせに含まれる店舗及び案内装置3それぞれの位置を示す。案内情報は、関連付けられた店舗位置情報及び装置位置情報に応じた道案内を示す。例えば、案内情報は、店舗位置情報が示す店舗の位置へ行くために、装置位置情報が示す案内装置の位置からユーザがどの方向に向かって進むべきかを示してもよい。この進むべき方向は、案内装置の正面側に位置するユーザがその案内装置に向いていると仮定した場合に、ユーザから見て進むべき方向である。進むべき方向は、例えば前方、後方、左方向、右方向等が挙げられる。案内情報は、例えば文字情報、画像情報又は音声情報等であってもよい。図4では、矢印が方向を示す。或いは、案内情報は、「次にxxxに進んでください」であってもよい。或いは、案内情報は、地図上に、装置位置情報が示す案内装置の位置と店舗位置情報が示す店舗の位置を表示したものであってもよい。ショッピングモールSMに配置された全案内装置3のうち、装置位置情報が示す案内装置3の位置が、店舗位置情報が示す店舗の位置(例えば、店舗の入口の位置)に最も近い場合、案内情報は、最も近いことを示してもよい。図4では、丸印が、最も近いことを示す。或る店舗に最も近い案内装置を、「最寄り案内装置」という。案内情報DB12cに記憶される案内情報は、例えば店舗案内システムSの管理者により登録及び更新されてもよい。或いは、案内情報は、センターサーバ1が店舗位置情報及び装置位置情報に基づいて自動的に登録及び更新してもよい。この場合、記憶部12には、各案内装置3の画面の向きを示す情報やショッピングモールSM内の通路の接続状況を示す情報が更に記憶されていてもよく、センターサーバ1は、これらの情報に基づいて案内情報を登録及び更新してもよい。
識別子DB12dには、ユーザ(携帯端末)に割り当て可能な所定の互いに異なる複数の識別子が記憶される。ユーザに割り当てられた識別子に応じて、案内装置によるそのユーザ向けの案内情報の出力態様が異なる。出力態様を異ならせる理由は、一台の案内装置3に複数のユーザが近付いたときに案内装置3が出力した案内情報が、自分向けの案内情報であるか否かを各ユーザが判断するためである。或いは、一台の案内装置3に複数のユーザが近付くことで案内装置3が複数の案内情報を出力したときに、何れの案内情報に従えばよいかを各ユーザが迷わないようにするためである。出力態様の種類の例として、色彩(例えば、黒色、黄色、赤色等)、音色(例えば、男性の声色、女性の声色等)、キャラクター(キャラクター1、キャラクター2等)が挙げられる。色彩及びキャラクターは、案内情報を表示する場合に用いられる。音色は、案内情報を音声出力する場合に用いられる。各識別子に複数種類の出力態様が関連付けられてもよい。例えば、或る第1の識別子に黒色及び男性の声色が関連付けられ、第2の識別子に黒色及び女性の声色、第3の識別子に赤色及び男性の声色が関連付けられてもよい。案内情報の出力に用いられる出力態様及び識別子の数は有限であるので、識別子の数も有限である。
登録DB12eには、ユーザによる登録装置2の操作に基づいて登録された情報が記憶されている。具体的に、登録DB12eには、端末ID及び店舗IDが、登録操作を行ったユーザごとに関連付けて登録される。端末IDは、登録操作を行ったユーザが携帯する携帯端末4を示す識別情報である。端末IDは、例えば携帯端末4のBD(Bluetooth(登録商標) Device)アドレス、MACアドレス、電話番号、店舗案内システムSへのユーザ登録時に割り当てられたユーザID等であってもよい。店舗IDは、ユーザの目的地として決定された店舗を示す。
案内装置制御情報DB12fには、案内装置に案内情報を出力させるための情報が記憶されている。具体的に、案内装置制御情報DB12fには、端末ID、装置ID、案内情報及び識別子が、登録DB12eに記憶された端末IDと案内装置3との組み合わせごとに関連付けて記憶される。これは、端末IDが示す携帯端末が、装置IDにより示される案内装置3から所定の検出範囲内に入った場合に、その案内装置3が、識別子が示す出力態様で案内情報を出力することを示す。案内装置制御情報DB12fに記憶される案内情報は、案内情報DB12cに記憶された案内情報と同一であってもよい。或いは、関連付けられた識別子が示す出力態様で出力される案内情報が案内装置制御情報DB12fに記憶されてもよい。
記憶部12には、更にOS、サーバプログラム等のプログラムが記憶される。サーバプログラムは、店舗案内システムSに関する処理を行うためのプログラムである。サーバプログラムは所定のサーバ装置からネットワークNWを介してダウンロードされてもよい。或いは、サーバプログラムは、メモリカード、光ディスク等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、サーバプログラムは、プログラム製品であってもよい。
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
システム制御部14は、CPU(Central Processing Unit)14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c等により構成されている。
[1−3.登録装置の構成]
次に、登録装置2の構成について、図6(a)を用いて説明する。
図6(a)は、本実施形態に係る登録装置2の概要構成の一例を示すブロック図である。
図6(a)に示すように、登録装置2は、ネットワーク通信部21と、近距離無線通信部22と、入力部23と、表示部24と、記憶部25と、入出力インターフェース26と、システム制御部27と、を備えている。そして、システム制御部27と入出力インターフェース26とは、システムバス28を介して接続されている。
ネットワーク通信部21は、ネットワークNWに接続してセンターサーバ1との通信を行う。
近距離無線通信部22は、数ミリメートル〜数センチメートル程度の通信距離を有する近距離無線通信機能を有する。近距離無線通の規格は、携帯端末4が有する近距離無線通信機能の規格と同一であってもよい。近距離無線通信部22は、図示せぬアンテナを介して、近距離無線通信機能を有する他の無線通信機器との間で無線通信を行う。登録装置2は、近距離無線通信部22を利用して携帯端末4との通信を行う。
入力部23は、ユーザによる操作を受け付け、操作内容に対応する信号をシステム制御部37に出力する。入力部33の例として、キー、ボタン、スイッチ、マウス、タッチパネル等が挙げられる。
表示部24は、システム制御部27の制御により、画像、文字等の情報を表示する。表示部24の例として、液晶ディスプレイ、有機EL(Light Emitting)ディスプレイ等が挙げられる。
記憶部25は、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等により構成されている。記憶部25には、OS、登録装置用プログラム等のプログラムが記憶される。登録装置用プログラムは、携帯端末及び目的地をセンターサーバ1に登録させるためのプログラムである。登録装置用プログラムは、例えばセンターサーバ1からネットワークNWを介してダウンロードされてもよい。或いは、登録装置用プログラムは、メモリカード、光ディスク等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、登録装置用プログラムは、プログラム製品であってもよい。
入出力インターフェース26は、ネットワーク通信部21〜記憶部25とシステム制御部27との間のインターフェース処理を行うようになっている。
システム制御部27は、CPU27a、ROM27b、RAM27c等により構成されている。システム制御部27は、CPU27aが、登録装置用プログラムに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、携帯端末及び目的地の登録のための処理を行う。
ショッピングモールSMに到着したユーザは、先ず、登録装置2を利用して、携帯端末4及び目的地の登録作業を行う。例えば、ユーザが携帯端末4を登録装置2の近距離無線通信部22に近付けると、案内用アプリの制御に基づき、携帯端末4は、近距離無線通で端末IDを近距離無線通信部22へ送信する。登録装置2のシステム制御部27は、近距離無線通信部22を介して端末IDを取得する。次いで、システム制御部27は、目的地を決定するための画面を表示部24に表示する。例えば、システム制御部27は、店舗の一覧の画面を表示してもよい。そして、ユーザは、登録装置2の入力部23を用いて、一覧の中から目的地とする店舗を決定してもよい。或いは、システム制御部27は、店舗を検索するための画面を表示してもよい。ユーザは、入力部を用いて例えばキーワード、商品、サービス等の条件を入力すると、登録装置2又はセンターサーバ1が、条件に合致する店舗を検索してもよい。ユーザは、条件に合致する店舗の中から目的地となる店舗を決定してもよい。なお、登録装置2ではなく、携帯端末4のディスプレイに、目的地を決定するための画面が表示されてもよい。ユーザは、携帯端末4を操作して目的地となる店舗を決定する。登録装置2は、取得した端末ID、及び目的地に決定された店舗の店舗IDをセンターサーバ1へ送信する。
[1−4.案内装置の構成]
次に、案内装置3の構成について、図6(b)を用いて説明する。
図6(b)は、本実施形態に係る案内装置3の概要構成の一例を示すブロック図である。
図6(b)に示すように、案内装置3は、ネットワーク通信部31と、近距離無線通信部32と、表示部33と、音声出力部34と、記憶部35と、入出力インターフェース36と、システム制御部37と、を備えている。そして、システム制御部37と入出力インターフェース36とは、システムバス38を介して接続されている。なお、案内装置3はスピーカを備えてもよい。
ネットワーク通信部31は、ネットワークNWに有線又は無線により接続してセンターサーバ1との通信を行う。
近距離無線通信部32は、数十センチメートル〜数メートル程度の通信距離を有する近距離無線通信機能を有する。近距離無線通信の規格は、携帯端末4が有する近距離無線通信機能の規格と同一であってもよい。近距離無線通信部32は、図示せぬアンテナを介して、近距離無線通信機能を有する他の無線通信機器との間で無線通信を行う。案内装置3は、近距離無線通信部32を利用して携帯端末4との通信を行う。登録装置2が有する無線通信機能の規格と案内装置3が有する無線通信機能の規格とは同一であってもよいし異なっていてもよい。例えば、携帯端末4は、登録装置2と通信するときはNFCを用い、案内装置3と通信するときはBluetooth(登録商標)を用いてもよい。
表示部33は、システム制御部37の制御により、画像、文字等の情報を表示する。表示部33の例として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
音声出力部34は、スピーカ等により構成されている。音声出力部34は、システム制御部37の制御により音声を出力する。
記憶部35は、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等により構成されている。記憶部35には、OS、案内装置用プログラム等のプログラムが記憶される。案内装置用プログラムは、携帯端末の検出及び案内情報の出力を行うためのプログラムである。案内装置用プログラムは、例えばセンターサーバ1からネットワークNWを介してダウンロードされてもよい。或いは、案内装置用プログラムは、メモリカード、光ディスク等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、案内装置用プログラムは、プログラム製品であってもよい。
入出力インターフェース36は、通信部31〜記憶部35とシステム制御部37との間のインターフェース処理を行うようになっている。
システム制御部37は、CPU37a、ROM37b、RAM37c等により構成されている。システム制御部37は、CPU37aが、案内装置用プログラムに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、携帯端末の検出及び案内情報の出力を行う。
システム制御部37は、近距離無線通信部32により、例えば定期的に応答要求信号を近距離無線で送信させる。応答要求信号を受信した携帯端末4は、その携帯端末4の端末IDを含む応答信号を案内装置3へ送信する。システム制御部37は、近距離無線通信部32により受信された応答信号を取得する。これにより、システム制御部37は、案内装置3から検出範囲内に位置する携帯端末4の端末IDを検出する。予め設定された送信電力で近距離無線通信部32が応答要求信号を送信することにより、案内装置3から検出範囲内に位置する携帯端末4のみが応答要求信号を受信可能となり、案内装置3は、検出範囲内に位置する携帯端末4の端末IDを検出可能である。
システム制御部37は、受信した応答信号に含まれる端末IDと、この案内装置3の装置IDとをセンターサーバ1へ送信する。システム制御部37は、これに応じてセンターサーバ1から送信されてきた案内情報及び識別子を受信する。案内装置3は、受信された案内情報を、受信された識別子が示す出力態様で出力する。例えば、システム制御部37は、表示部33に案内情報を表示してもよいし、音声出力部34により案内情報を音声で出力してもよい。
こうして、案内装置3は、携帯端末4を携帯したユーザがその案内装置3から検出範囲内に接近した場合に、そのユーザの目的地へ行くための案内情報を出力する。このとき、案内装置3は、案内情報と同時に又は案内情報に続けて広告も出力してもよい。この広告は、例えばユーザの目的地に決定された店舗に関する広告であってもよい。
一台の案内装置3から検出範囲内に複数のユーザが入った場合、その案内装置3は、これらのユーザそれぞれに対応する複数の案内情報を出力してもよい。案内装置3は、例えば複数の案内情報を同時に表示してもよい。このとき、或る案内情報の一部が他の案内情報の一部と重なって表示されてもよい。また、案内装置3は、複数の案内情報を順次繰り返し表示してもよいし、複数の案内情報を順次繰り返し音声出力してもよい。
本実施形態においては、携帯端末4から端末IDを検出する手段と、案内情報を出力手段とが案内装置3として一体化されている。しかしながら、これらの手段は検出装置及びこれに対応する出力装置として別個に構成されてもよい。検出装置は、少なくとも近距離無線通信部32を備える。出力装置は、表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方を少なくとも備える。検出装置は、端末IDを検出して、端末ID及びこの検出装置の装置IDをセンターサーバ1へ送信する。すると、出力装置は、センターサーバ1から案内情報を受信して、この案内情報を出力する。検出装置及び出力装置は別々に配置可能ではあるが、検出装置は、これに対応する出力装置の近傍に配置されることが望ましい。
[1−5.センターサーバ、登録装置、案内装置の機能概要]
次に、図3(b)、図7及び図8を用いて、センターサーバ1、登録装置2及び案内装置3の機能について説明する。
図3(b)は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14の機能ブロックの一例を示す図である。図7(a)及び図7(d)は、案内情報の出力例を示す図である。システム制御部14は、CPU14aが、サーバプログラムに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、図3(b)に示すように、取得部141、決定部142、記憶制御部143、出力制御部144、削除部145として機能する。取得部141は、本発明の取得手段の一例である。決定部14は、本発明の決定手段の一例である。記憶制御部143は、本発明の記憶制御手段の一例である。出力制御部144は、本発明の出力制御手段の一例である。削除部145は、本発明の削除手段の一例である。
取得部141は、登録装置2を利用して登録作業を行ったユーザが利用する携帯端末4の端末IDと、ショッピングモールSM内の複数の店舗のうちそのユーザの目的地に決定された店舗を示す店舗IDとを取得する。上述したように、登録装置2は、登録作業を行ったユーザが利用する携帯端末4の端末IDと、ユーザの目的地に決定された店舗を示す店舗IDをセンターサーバ1へ送信する。取得部141は、通信部11を介して登録装置2から端末ID及び店舗IDを取得する。
なお、ショッピングモールSMに来る前に、ユーザが携帯端末4を操作してインターネットを介してセンターサーバ1にアクセスして、目的地となる店舗を決定してもよい。出力制御部144は、これに応じて携帯端末4からインターネットを介して端末ID及び店舗IDを取得してもよい。
決定部142は、取得部141により取得された店舗IDに基づいて、識別子DB12dに記憶された所定の複数の識別子の中から、登録作業を行ったユーザを目的地へ案内する案内情報を出力する態様を示す識別子を決定する。上述したように、一台の案内装置3に複数のユーザが近付くことで案内装置3が複数の案内情報を出力したときに、何れの案内情報に従えばよいかを各ユーザが誤らないようにするために、識別子(出力態様)が携帯端末(ユーザ)に割り当てられる。上述したように識別子の数は有限である。ショッピングモールSMに同時に多数のユーザが訪れる可能性があるので、各携帯端末に別々の識別子を割り当てることができない場合がある。そのため、決定部142は、目的地に決定された店舗に基づいて識別子を決定する。決定部142は、或るユーザの目的地に対応する案内情報と別のユーザの目的地に対応する案内情報とが全案内装置3について同一である場合、これらのユーザに対して同一の識別子を決定してもよい。
例えば、決定部142は、或るユーザの目的地と別のユーザの目的地とが同一である場合、これらのユーザに対して同一の識別子を決定してもよい。
或いは、ショッピングモールSM内の全店舗の中で、ショッピングモールSMに配置された全案内装置3のうち最寄り案内装置が同一である複数の店舗をそれぞれ目的地とするユーザに対して同一の識別子が割り当てられてもよい。従って、決定部142は、案内装置制御情報DB12fに記憶されている端末IDの中に、全案内装置3のうち、関連付けられた店舗IDが示す店舗に最も近い案内装置3が、取得部141により取得された店舗IDが示す店舗に最も近い案内装置3と同一である端末IDがある場合、案内情報の出力態様を示す識別子を、この端末IDに関連付けて案内装置制御情報DB12fに記憶されている識別子と同一の識別子に決定する。決定部142は、案内装置制御情報DB12fに記憶されている端末IDの中にそのような端末IDがない場合、案内情報の出力態様を示す識別子を、案内装置制御情報DB12fに記憶されている識別子と異なる識別子に決定する。その理由は、最寄り案内装置が同一である複数の店舗のそれぞれへの出発点からの経路が共通しているからである。より具体的には、これらの店舗のそれぞれへの経路は、出発点から、最寄り案内装置までの経路部分又は最寄り案内装置付近までの経路部分が共通している。この共通する経路部分に配置されている1又は複数の案内装置3のそれぞれは、これらの店舗の何れが目的地であっても同一の案内情報を出力すればよいので、同一の出力態様で案内情報を出力しても問題ない。これにより、予め定義しておく異なる識別子の総数を店舗の総数よりも少なくすることができる。
例えば、図2において、案内装置3−6を最寄り案内装置とする店舗は、店舗P7〜P9である。ユーザU3の目的地は店舗P8であり、ユーザU4の目的地は店舗P9である。従って、ユーザU3及びU4に対しては同一の識別子として、例えば識別子Y1(出力態様は例えば黒色)が決定される。一方、案内装置3−3を最寄り案内装置とする店舗は、店舗P10、P13及びP24である。ユーザU2の目的地は店舗P13である。ユーザU2に対しては、識別子Y1と異なる例えば識別子Y2(出力態様は例えば黄色)が決定される。
識別子を決定すると、決定部142は、端末ID及び店舗IDを送信してきた登録装置2へ出力態様決定情報を送信する。出力態様決定情報は、決定された識別子が示す出力態様を示す情報である。登録装置2は、センターサーバ1から受信した出力態様決定情報を表示部24に表示する。例えば、図7(a)に示すように、「あなたの色は赤です。」等といった出力態様決定情報が表示される。或いは、登録装置2は、受信した出力態様決定情報を携帯端末4へ送信し、携帯端末4が出力態様決定情報を表示してもよい。
なお、一台の案内装置3に複数のユーザが近付いてもその案内装置3が一のユーザに対応する一の案内情報のみを出力する場合、決定部142及び識別子は不要である。
記憶制御部143は、取得部141により取得された端末IDを、取得部141により取得された店舗IDに関連付けて記憶部12に記憶させる。決定部142により識別子が決定された場合、記憶制御部143は、端末IDを、店舗ID及び決定された識別子に関連付けて記憶部12に記憶させる。具体的に、記憶制御部143は、取得部141により取得された端末IDと店舗IDを関連付けて登録DB12eに記憶させる。また、記憶制御部143は、店舗DB12aから、取得部141により取得された店舗IDに関連付けられた店舗位置情報を取得する。記憶制御部143は、案内情報DB12cから、取得された店舗位置情報と同一の店舗位置情報を含む全てのレコード(店舗位置情報、装置位置情報及び案内情報の組み合わせ)を取得する。記憶制御部143は、取得されたレコードごとに、レコードに含まれる装置位置情報に関連付けられた装置IDを案内装置DB12bから取得する。そして、記憶制御部143は、取得部141により取得された端末ID、案内装置DB12bから取得された装置ID、レコードに含まれる案内情報、及び決定された識別子を関連付けて案内装置制御情報DB12fに記憶させる。このとき、記憶制御部143は、識別子が示す出力態様で出力されるように、案内情報DB12cから取得された案内情報を調整又は変更して案内装置制御情報DB12fに記憶させてもよい。或いは、記憶制御部143は、案内情報DB12cから取得された案内情報を基に、識別子が示す出力態様で出力される案内情報を生成して案内装置制御情報DB12fに記憶させてもよい。
出力制御部144は、何れかの案内装置3により端末IDが検出された場合、その案内装置3により、その案内装置3の位置と、検出された端末IDに関連付けて登録DB12eに記憶された店舗IDが示す店舗の位置と、に応じた案内情報を、検出された端末IDに関連付けられた識別子が示す出力態様で出力させる。上述したように、案内装置3は、検出した端末ID及びその案内装置3の装置IDをセンターサーバ1へ送信する。出力制御部144は、ネットワーク通信部21を介してこれらの端末ID及び装置IDを取得する。出力制御部144は、案内装置制御情報DB12fに記憶されたレコード(端末ID、装置位置情報、案内情報及び識別子の組み合わせ)のうち、案内装置3から取得した端末IDと装置IDとの組み合わせと同一の組み合わせを含むレコードを検索する。出制御部144は、発見されたレコードに含まれる案内情報及び識別子を、端末IDを検出した案内装置3へ送信する。これらの情報を受信した案内装置3は、上述したように案内情報を出力する。記憶制御部143により案内装置制御情報DB12fに予め情報が記憶されているので、この案内装置制御情報DB12fに対する一回のアクセスで、出力に必要な案内情報(及び識別子)を取得することができる。従って、処理ステップの削減、処理負荷の削減及び即時性を実現することができる。出力制御部144は、案内装置3から取得した端末IDと装置IDとの組み合わせが案内装置制御情報DB12fに記憶されていない場合、案内装置3にエラー情報を出力させる。例えば、「来た道を戻ってください」、「入口に戻ってください」等のメッセージが出力される。
例えば、図7(a)に示すように、携帯端末4−7を携帯するユーザU7は、目的地として店舗P20を選択した。識別子は、赤色の出力態様に対応する。図2に示すように、出発点である登録装置2付近から店舗P20までの経路には、案内装置3−1、3−2及び3−9が存在する。図7(b)に示すように、ユーザU7が案内装置3−1の検出範囲R1に入ったとき、案内装置3−1は、案内情報G1として、例えば前方を示す矢印を赤色で表示する。その後、図7(c)に示すように、ユーザU7が案内装置3−2の検出範囲R2に入ったとき、案内装置3−2は、案内情報G2として、例えば右方向を示す矢印を赤色で表示する。その後、図7(d)に示すように、ユーザU7が案内装置3−9の検出範囲R9に入ったとき、案内装置3−9は、例えば店舗P20がこの近くにあることを示す案内情報G3を表示する。
出力制御部144は、案内装置3から所定範囲内に複数の携帯端末4が位置している場合、その複数の携帯端末4の端末IDにそれぞれ関連付けられた複数の店舗IDが示す店舗の位置に応じた案内情報をその案内装置3により出力させてもよい。
図8(a)は、複数の案内情報の表示例を示す図である。図8(a)に示すように、案内装置3−2の検出範囲R2に、携帯端末4−3を携帯したユーザU3、及び携帯端末4−7を携帯したユーザU7が入っている。ユーザU3の目的地は店舗P8であり、出力態様は黒色である。ユーザU7の目的地は店舗P20であり、出力態様は青色である。この場合、案内装置3−2は、案内情報G4及びG5を表示する。案内情報G4は、ユーザU3に対応する。案内情報G5は、前方を示す黒色の矢印である。案内情報G6は、ユーザU7に対応する。案内情報G5は、右方向を示す青色の矢印である。なお、ユーザU2は、検出範囲R2に入っていないので、案内装置3はユーザU2に対応する案内情報を出力しない。
各案内装置3は、その案内装置3から所定の検出範囲内に位置する複数の携帯端末4の端末IDのそれぞれに関連付けられた複数の識別子が互いに同一である場合、その複数の携帯端末4について一の案内情報を出力してもよい。
図8(b)は、複数の案内情報の他の表示例を示す図である。図8(b)に示すように、案内装置3−2の検出範囲R2に、携帯端末4−3を携帯したユーザU3、携帯端末4−4を携帯したユーザU4、及び携帯端末4−6を携帯するユーザU6が入っている。ユーザU3の目的地は店舗P8であり、出力態様は黒色である。ユーザU4の目的地は店舗P9であり、出力態様は黒色である。図2に示すように、店舗P8及びP9の最寄り案内装置は何れも案内装置3−6である。従って、ユーザU3及びU4に対して同一の識別子が決定されている。ユーザU6の目的地は店舗P23であり、出力態様は緑色である。この場合、案内装置3−2は、案内情報G6及びG7を表示する。案内情報G6は、ユーザU3及びU4に対応する。案内情報G6は、前方を示す黒色の矢印である。案内情報G7は、ユーザU6に対応する。案内情報G7は、前方を示す緑色の矢印である。
削除部145は、ショッピングモールSMに設置された全案内装置3のうち端末IDを検出した案内装置3が、その端末IDに関連付けられた店舗IDが示す店舗の最寄り案内装置である場合、その端末IDを記憶部12から削除する。例えば、削除部145は、登録DB12eから、検出された端末ID及びこれに関連付けられた店舗IDを削除する。また、削除部145は、案内装置制御情報DB12fから、検出された端末ID及びこれに関連付けられた装置位置情報、案内情報及び識別子を全て削除する。最寄り案内装置まで来たユーザはこのまま目的地へ進んだ場合、ユーザは何れの案内装置3にも近付かない。そして、目的地に到着したユーザは店舗案内システムSを利用する必要がない。このときに端末IDが削除されることで、記憶部12の記憶領域を効率的に利用することが可能となる。また、削除された端末IDに関連付けられていた識別子の再利用が可能となる。なお、実際には、削除部145は、最寄り案内装置の検出範囲から携帯端末を携帯したユーザが離れたとき、又は最寄り案内装置の検出範囲からユーザが離れてから所定時間が経過したときに、端末IDを記憶部12から削除してもよい。また、削除部145は、何れかの案内装置の検出範囲からユーザが離れてから所定時間が経過しても、そのユーザが何れの案内装置の検出範囲にも入らなかった場合にも、端末IDを記憶部12から削除してもよい。
[1−6.店舗案内システムの動作]
次に、店舗案内システムSの動作について、図9乃至図12を用いて説明する。図9及び図12は、センターサーバ1において実行される処理である。以下に示す処理例は、各案内情報が案内情報を表示する場合の処理例である。センターサーバ1のシステム制御部14は、サーバプログラムに含まれる各種コードに従って、これらの図に示される処理を実行する。図10及び図11は、案内装置3において実行される処理である。案内装置3のシステム制御部37は、案内装置用プログラムに含まれる各種コードに従って、これらの図に示される処理を実行する。
図9(a)は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14による登録処理の一例を示すフローチャートである。ユーザによる登録作業により、登録装置2は、ユーザが携帯する携帯端末4から端末IDを取得し、ユーザの目的地として決定された店舗の店舗IDを特定する。登録装置2は、端末ID及び店舗IDをセンターサーバ1へ送信する。センターサーバ1が登録装置2から端末ID及び店舗IDを受信したとき、システム制御部14は登録処理を実行する。
図9(a)に示すように、記憶制御部143は、受信した端末ID及び店舗IDを関連付けて登録DB12eに記憶させる(ステップS11)。次いで、記憶制御部143は、店舗DB12aから、受信された店舗IDに関連付けられた店舗位置情報を取得する。次いで、記憶制御部143は、案内情報DB12cから、取得された店舗位置情報と同一の店舗位置情報を含む全てのレコードを取得する(ステップS12)。次いで、決定部142は、識別子決定処理を実行する(ステップS13)。
図9(b)は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14による識別子決定処理の一例を示すフローチャートである。図9(b)に示すように、決定部142は、案内情報DB12cから取得されたレコードのうち、「最も近い」を示す案内情報を含むレコードを特定する。そして、決定部142は、特定されたレコードから、「最も近い」を示す案内情報に関連付けられた装置IDを、特定装置IDとして取得する(ステップS21)。次いで、決定部142は、案内装置制御情報DB12fから、「最も近い」を示す案内情報に関連付けられた装置IDを全て取得する(ステップS22)。次いで、決定部142は、取得された装置IDの中に、特定装置IDと一致する装置IDがあるか否かを判定する(ステップS23)。決定部142は、特定装置IDと一致する装置IDがあると判定した場合には(ステップS23:YES)、処理をステップS24に進める。ステップS24において、決定部142は、案内装置制御情報DB12fから、「最も近い」を示す案内情報に関連付けられた装置IDのうち、特定装置IDと一致する装置IDに関連付けられた識別子を取得する。一方、決定部142は、特定装置IDと一致する装置IDがないと判定した場合には(ステップS23:NO)、処理をステップS25に進める。ステップS25において、決定部142は、案内装置制御情報DB12fに記憶されている何れの識別子とも異なる識別子を、識別子DB12dから取得する。決定部142は、ステップS24又はS25を終えると、識別子決定処理を終了させる。
識別子決定処理が終了すると、図9(a)に示すように、記憶制御部143は、ステップS12で取得されたレコードごとに、レコードに含まれる装置位置情報に関連付けられた装置IDを案内装置DB12bから取得する。そして、記憶制御部143は、受信した端末ID、案内装置DB12bから取得された装置ID、レコードに含まれる案内情報、及び識別子決定処理で取得された識別子を関連付けて案内装置制御情報DB12fに記憶させて(ステップS14)、登録処理を終了させる。
図10及び図11は、本実施形態に係る案内装置3のシステム制御部37による案内処理の一例を示すフローチャートである。案内装置3の電源がオンとされたときに、システム制御部37は案内処理を開始する。
図10に示すように、システム制御部37は、端末リストを初期化する(ステップS31)。端末リストは、対応する案内情報が表示されている携帯端末の端末IDと、その案内情報及び識別子のリストである。電源オン時の端末リストは空である。次いで、システム制御部37は、予め設定されて記憶部35に記憶されている送信電力で、応答要求信号を近距離無線通信部32により送信させる(ステップS32)。次いで、システム制御部37は、応答要求信号の送信から所定時間内に少なくとも一の携帯端末4から、端末IDを含む応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS33)。システム制御部37は、応答信号を受信したと判定した場合には(ステップS33:YES)、処理をステップS34に進める。一方、システム制御部37は、応答信号を受信しなかったと判定した場合には(ステップS33:NO)、処理をステップS51に進める。
ステップS34において、システム制御部37は、番号iを1に設定する。次いで、システム制御部37は、端末IDiが端末リストに含まれているか否かを判定する(ステップS35)。端末IDiは、受信された応答信号のうちi番目の応答信号に含まれる端末IDである。システム制御部37は、端末IDiが端末リストに含まれていると判定した場合には(ステップS35:YES)、処理をステップS43に進める。一方、システム制御部37は、端末IDiが端末リストに含まれていないと判定した場合には(ステップS35:NO)、処理をステップS36に進める。ステップS36において、システム制御部37は、端末IDi、及びこのシステム制御部37を備える案内装置3の装置IDを含む案内情報要求をセンターサーバ1へ送信する。
図12(a)は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14による案内情報送信処理の一例を示すフローチャートである。センターサーバ1が、案内装置3から案内情報要求を受信したとき、システム制御部14は案内情報送信処理を実行する。
図12(a)に示すように、出力制御部144は、案内情報要求に含まれる端末IDと装置IDの組み合わせが案内装置制御情報DB12fに記憶されているか否かを判定する(ステップS71)。このとき、出力制御部144は、組み合わせが案内装置制御情報DB12fに記憶されていると判定した場合には(ステップS71:YES)、処理をステップS72に進める。ステップS72において、出力制御部144は、組み合わせに関連付けられた案内情報及び識別子を、案内装置制御情報DB12fから取得する。そして、出力制御部144は、取得した案内情報及び識別子を含む正常応答を、案内情報要求送信してきた案内装置3へ送信する。一方、出力制御部144は、組み合わせが案内装置制御情報DB12fに記憶されていないと判定した場合には(ステップS71:NO)、処理をステップS73に進める。ステップS73において、出力制御部144は、エラー応答を、案内情報要求送信してきた案内装置3へ送信する。ステップS72又はS73を終えると、出力制御部144は、案内情報送信処理を終了させる。
図10に示すように、システム制御部37は、センターサーバ1から正常応答又はエラー応答を受信する(ステップS37)。次いで、システム制御部37は、正常応答を受信したか否かを判定する(ステップS38)。システム制御部37は、正常応答を受信したと判定した場合には(ステップS38:YES)、処理をステップS39に進める。一方、システム制御部37は、正常応答を受信していないと判定した場合には(ステップS38:NO)、処理をステップS42に進める。ステップS42において、システム制御部37は、エラー情報を表示を表示部33に表示させて、処理をステップS43に進める。
ステップS39において、システム制御部37は、正常応答から案内情報及び識別子を取得する。そして、システム制御部37は、正常応答から取得した識別子と同一の識別子が端末リストに含まれているか否かを判定する。システム制御部37は、正常応答から取得した識別子と同一の識別子が端末リストに含まれていると判定した場合には(ステップS39:YES)、処理をステップS41に進める。一方、システム制御部37は、正常応答から取得した識別子と同一の識別子が端末リストに含まれていないと判定した場合には(ステップS39:NO)、処理をステップS40に進める。
ステップS40において、システム制御部37は、正常応答から取得した識別子が示す出力態様で、正常応答から取得した案内情報を表示部33に表示させる。既に何らかの案内情報が表示部33に表示されている場合、システム制御部37は、例えば既に表示されている案内情報と同時に新たな案内情報を表示させ、又はこれらの案内情報を順次表示させる。
次いで、システム制御部37は、端末IDi、正常応答から取得した案内情報及び識別子を関連付けて端末リストに追加する(ステップS41)。次いで、システム制御部37は、番号iが、受信した応答要求の数未満であるか否かを判定する(ステップS43)。システム制御部37は、番号iが応答要求の数未満であると判定した場合には(ステップS43:YES)、番号iを1増加させて(ステップS44)、処理をステップS35に進める。一方、システム制御部37は、番号iが応答要求の数未満ではないと判定した場合には(ステップS43:NO)、処理をステップS51に進める。
図11に示すように、ステップS51において、システム制御部37は、受信した何れの応答信号に含まれる端末IDとも異なる端末IDが端末リストに含まれているか否かを判定する。システム制御部37は、このような端末IDが端末リストに含まれていると判定した場合には(ステップS51:YES)、処理をステップS52に進める。一方、システム制御部37は、このような端末IDが端末リストに含まれていないと判定した場合には(ステップS51:NO)、処理をステップS61に進める。
ステップS52において、システム制御部37は、受信した何れの応答信号に含まれる端末IDとも異なる端末IDを、案内装置3の検出範囲からの離脱対象の端末IDとして端末リストから取得する。次いで、システム制御部37は、番号iを1に設定する(ステップS53)。次いで、システム制御部37は、端末リストにおいて、離脱対象の端末IDiに関連付けられた案内情報が「最も近い」であるか否かを判定する(ステップS54)。離脱対象の端末IDiは、離脱対象の端末IDのうちi番目の端末IDである。システム制御部37は、案内情報が「最も近い」ではないと判定した場合には(ステップS54:NO)、処理をステップS56に進める。一方、システム制御部37は、案内情報が「最も近い」であると判定した場合には(ステップS54:YES)、処理をステップS55に進める。ステップS55において、システム制御部37は、離脱対象の端末IDiを含む削除要求をセンターサーバ1へ送信する。
図12(b)は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14による削除処理の一例を示すフローチャートである。センターサーバ1が、案内装置3から削除要求を受信したとき、システム制御部14は削除処理を実行する。
図12(b)に示すように、削除部145は、登録DB12eから、削除要求に含まれる端末ID及びこれに関連付けられた店舗IDを削除する(ステップS81)。次いで、削除部145は、案内装置制御情報DB12fから、削除要求に含まれる端末IDと同一の全端末IDと、これらに関連付けられた装置ID、案内情報及び識別子とを削除して(ステップS82)、削除処理を終了させる。
図11に示すように、ステップS55の後、システム制御部37は、端末リストから、離脱対象の端末IDiと、これに関連付けられた案内情報及び識別子を削除する(ステップS56)。次いで、システム制御部37は、端末リストに、離脱対象の端末IDiに関連付けられていた識別子と同一の識別子が含まれているか否かを判定する(ステップS57)。このとき、システム制御部37は、端末リストに、離脱対象の端末IDiに関連付けられていた識別子と同一の識別子が含まれていると判定した場合には(ステップS57:YES)、処理をステップS59に進める。一方、システム制御部37は、端末リストに、離脱対象の端末IDiに関連付けられていた識別子と同一の識別子が含まれていないと判定した場合には(ステップS57:NO)、処理をステップS58に進める。
ステップS58において、システム制御部37は、離脱対象の端末IDiに対応して表示されている案内情報を表示部33から消去する。次いで、システム制御部37は、番号iが、離脱対象の端末IDの数未満であるか否かを判定する(ステップS59)。システム制御部37は、番号iが離脱対象の端末IDの数未満であると判定した場合には(ステップS59:YES)、番号iを1増加させて(ステップS60)、処理をステップS54に進める。一方、システム制御部37は、番号iが離脱対象の端末IDの数未満ではないと判定した場合には(ステップS59:NO)、処理をステップS61に進める。
ステップS61において、システム制御部37は、案内装置3の電源がオフとされたか否かを判定する。システム制御部37は、電源がオフとされていないと判定した場合には(ステップS61:NO)、処理をステップS32に進める。一方、システム制御部37は、電源がオフとされたと判定した場合には(ステップS61:YES)、案内処理を終了させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、センターサーバ1が、ユーザが利用する携帯端末4を示す端末IDと、所定の複数の店舗のうちユーザの目的地に決定された店舗を示す店舗IDと登録装置2から取得する。複数の案内装置3の表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方は、ユーザを目的地へ案内する案内情報を出力可能である。複数の案内装置3のそれぞれの表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方に対応する案内装置3の近距離無線通信部32及びシステム制御部37は、対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方から所定の検出範囲内に位置する携帯端末4からこの携帯端末4を示す端末IDを検出可能である。センターサーバ1が、何れかの案内装置3の近距離無線通信部32及びシステム制御部37により端末IDが検出された場合、端末IDを検出した近距離無線通信部32及びシステム制御部37に対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方により、この対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方の位置と、検出された端末IDとともに取得手段により取得された店舗IDが示す店舗の位置と、に応じた案内情報を出力させる。従って、ユーザが案内装置3に近付くだけで案内装置3が案内情報を出力することができる。
また、センターサーバ1が、取得された端末IDを、取得された店舗IDに関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。また、センターサーバ1が、端末IDを検出した近距離無線通信部32及びシステム制御部37に対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方により、この対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方の位置と、検出された端末IDに関連付けられた店舗IDが示す目的地への案内を示す案内情報を出力させてもよい。
また、センターサーバ1が、取得された店舗IDに基づいて、所定の互いに異なる複数の出力態様を示す複数の識別子の中から、案内情報を出力する態様を示す識別子を決定してもよい。また、センターサーバ1が、取得された端末IDを、取得された店舗ID及び決定された識別子に関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。また、センターサーバ1が、端末IDを検出した近距離無線通信部32及びシステム制御部37に対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方により、検出された端末IDに関連付けられた識別子が示す出力態様で案内情報を出力させ、対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方から所定の検出範囲内に複数の携帯端末4が位置している場合、この複数の携帯端末4の端末IDにそれぞれ関連付けられた複数の店舗IDが示す店舗の位置に応じた案内情報を、対応する表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方により出力させてもよい。この場合、所定の検出範囲内に位置する各ユーザは、案内装置3により出力された複数の案内情報のうちそのユーザに対応する案内情報を、出力態様で識別することができる。従って、一の案内装置3に複数のユーザが同時に近接している場合であっても、案内装置3は各ユーザに応じた案内情報を出力することができる。
また、センターサーバ1が、記憶部12に記憶されている端末IDの中に、複数の案内装置3のうち、関連付けられた店舗IDが示す店舗に最も近い案内装置3が、取得された店舗IDが示す店舗に最も近い案内装置3と同一である特定端末IDがある場合、案内情報を出力する態様を示す識別子を、特定端末IDに関連付けられた識別子と同一の識別子に決定し、特定端末IDがない場合、案内情報を出力する態様を示す識別子を、記憶部12に記憶されている端末IDに関連付けられた識別子と異なる識別子に決定してもよい。この場合、識別子の総数を、目的地に決定可能な店舗の総数よりも少なくすることができる。
また、複数の案内装置3のそれぞれは、案内装置3から所定の検出範囲内に位置する複数の携帯端末4の端末IDのそれぞれに関連付けられた複数の識別子が互いに同一である場合、この複数の携帯端末4について一の案内情報を出力してもよい。この場合、この複数の携帯端末4のそれぞれのユーザに対して案内装置3が一の案内情報を出力することで、案内情報の出力処理を効率化することができる。
また、センターサーバ1が、複数の案内装置3のうち、端末IDを検出した案内装置3が、この端末IDに関連付けられた店舗IDが示す店舗に最も近い場合、この端末IDを記憶部12から削除してもよい。この場合、案内システムの利用を終えるユーザに関する情報が自動的に削除されるので、記憶領域を効率的に利用することができる。
また、案内装置3のように、表示部33及び音声出力部34の少なくとも何れか一方は、近距離無線通信部32及びシステム制御部37と一体化されてもよい。
[2.第2実施形態]
[2−1.店舗案内システムの機能概要]
次に、図13を用いて、店舗案内システムSの機能について説明する。以下に説明する点を除き、第2実施形態は第1実施形態と同様である。
第1実施形態においては、各案内装置3が端末IDを検出可能な検出範囲は固定であった。しかしながら、検出範囲の広さは可変であってもよい。例えば、各案内装置3は、登録DB12eに記憶された端末IDの数に応じて、検出範囲の広さを制御してもよい。案内装置3は、応答要求信号を送信する際の送信電力を変更することにより、検出範囲の広さを変更することができる。各案内装置3が送信電力を決定してもよいし、センターサーバ1が送信電力を決定してもよい。
登録DB12eに記憶された端末IDの数に相当するユーザの人数を、登録人数という。各案内装置3は、登録人数が多くなるほど検出範囲を狭くしてもよい。図13(a)は、登録人数が1人である場合の検出範囲の一例を示す。図13(b)は、登録人数が5人である場合の検出範囲の一例を示す。登録人数が1人である場合の案内装置3−1の検出範囲R1−1は、登録人数が5人である場合の案内装置3−1の検出範囲R1−2よりも広い。図13(a)では案内装置3−1の近くにユーザU1がいる。図13(b)では案内装置3−1の近くにユーザU1及びU2がいる。図13(a)における案内装置3−1とユーザU1との間の距離は、図13(b)における案内装置3−1とユーザU1との間の距離と同一である。図13(a)において、ユーザU1は検出範囲R1−1の中にいるので、案内装置3−1は、ユーザU1に対応する案内情報G8を表示する。図13(b)において、ユーザU1は検出範囲R1−2の外にいるので、案内装置3−1は、ユーザU1に対応する案内情報を表示しない。ユーザU2は、ユーザU1よりも案内装置3−1に近くにいる。ユーザU2は検出範囲R1−2の中にいるので、案内装置3−2は、ユーザU2に対応する案内情報G9を表示する。
登録人数が多いということは、ショッピングモールSMで店舗案内システムSを利用するユーザの人数が多いということである。従って、登録人数が多いほど1台あたりの案内装置3に同時に接近するユーザの人数も多くなる。ユーザの人数が多くなるほど、案内装置3が出力する案内情報の数も多くなるので、出力態様が異なっていても、各ユーザが何れの案内情報に従えばよいかを迷う可能性が高くなる。各案内装置3が上述したように検出範囲の広さを制御することで、登録人数が比較的多くても、検出範囲内に入るユーザの人数が過多になることを抑制することができる。これによって、ユーザが案内情報を混同する可能性が低くなる。また、登録人数が比較的少ない場合には、ユーザが案内装置3から比較的遠くにいても、ユーザは案内情報の提供を受けることができる。登録人数が1人である場合、各案内装置3は検出範囲を可能な限り広くしてもよい。登録人数が0人である場合の検出範囲は、登録人数が1人である場合の検出範囲よりも広くても狭くてもよい。或いは、登録人数が0人である場合、各案内装置3は応答要求信号を送信しなくてもよい。同一の登録人数の下で全案内装置3の検出範囲の広さは同一であってもよいし、案内装置3ごとに検出範囲の広さが定められていてもよい。
[2−2.店舗案内システムの動作]
次に、店舗案内システムSの動作について、図14を用いて説明する。図14(a)は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14による電波強度レベル決定処理の一例を示すフローチャートである。システム制御部14は、サーバプログラムに含まれる各種コードに従って、図14(a)に示される処理を実行する。システム制御部14は、例えば所定時間間隔で電波強度レベル決定処理を実行してもよいし、登録人数が変化するごとに電波強度レベル決定処理を実行してもよい。例えば、図9(a)に示す登録処理のステップS11、図12(b)に示す削除処理のステップS81で登録人数が変化する。
図14(a)に示すように、システム制御部14は、登録DB12eに記憶されている端末IDの数を、登録人数としてカウントする(ステップS91)。次いで、システム制御部14は、登録人数に対応する電波強度レベルを決定する(ステップS92)。システム制御部14は、登録人数が多いほど電波強度レベルを低くする。例えば、登録人数の範囲と電波強度レベルとを関連付けたテーブルが記憶部12に予め記憶されてもよい。システム制御部14は、このテーブルから登録人数に対応する電波強度レベルを取得してもよい。システム制御部14は、決定した電波強度レベルを全案内装置3へ送信して(ステップS93)、電波強度レベル決定処理を終了させる。
図14(b)は、本実施形態に係る案内装置3のシステム制御部37による送信電力設定処理の一例である。システム制御部37は、案内装置用プログラムに含まれる各種コードに従って、図14(b)に示される処理を実行する。案内装置3がセンターサーバ1から電波強度レベルを受信したとき、システム制御部37は送信電力設定処理を実行する。
図14(b)に示すように、システム制御部37は、受信された電波強度レベルに応じた送信電力を設定する(ステップS101)。システム制御部37は、電波強度レベルが高いほど送信電力を高くする。例えば、システム制御部37は、計算式を用いて電波強度レベルから送信電力を計算してもよい。或いは、電波強度レベルと送信電力とを関連付けたテーブルが記憶部35に予め記憶されていてもよい。システム制御部37は、このテーブルから、電波強度レベルに対応する送信電力を取得してもよい。システム制御部37は、記憶部35に記憶されている現在の送信電力を、決定した送信電力で更新することにより、送信電力を設定して、送信電力設定処理を終了させる。図10に示す案内処理のステップS32において、設定された送信電力で応答要求信号が送信される。
以上説明したように、本実施形態によれば、案内装置3のシステム制御部37及び近距離無線通信部32は、センターサーバ1の記憶部12に記憶された端末IDの数に応じて、端末IDを検出可能な携帯端末4の位置の範囲の広さを制御する。従って、案内装置3が出力する案内情報の数が過大となることが抑制されるので、案内情報をユーザが混同することを防止することが可能となる。
[3.第3実施形態]
[3−1.店舗案内システムの機能概要]
次に、図15を用いて、店舗案内システムSの機能について説明する。以下に説明する点を除き、第3実施形態は第2実施形態と同様である。
各案内装置3は、登録DB12eに記憶された端末IDのうち、関連付けられた店舗IDが示す店舗への出発点からの経路が、その案内装置3の位置を含む端末IDの数に応じて、検出範囲の広さを制御してもよい。すなわち、各案内装置3は、現在店舗案内システムSを利用しているユーザのうち、店舗までの経路上にその案内装置3があるユーザの人数に応じて、検出範囲の広さを制御してもよい。
登録DB12eに記憶された端末IDのうち、関連付けられた店舗IDが示す店舗への出発点からの経路が、その案内装置3の位置を含む端末IDの数に相当する人数を、担当人数という。センターサーバ1の記憶部12には、出発点から各店舗までの経路を示す経路情報が記憶されていてもよい。この経路情報は、各経路上に位置する案内装置3の装置IDのリストを含んでいてもよい。
各案内装置3は、担当人数が多くなるほど検出範囲を狭くしてもよい。例えば、同一担当人数の下で全案内装置3の検出範囲の広さは同一であると仮定する。図15(a)は、担当人数が1人である案内装置の検出範囲の一例を示す。図15(b)は、担当人数が5人である案内装置の検出範囲の一例を示す。図2に示すように、案内装置3−9は、ユーザU1〜U7のそれぞれの目的地までの経路RT1〜RT7のうち、RT7上にある。従って、案内装置3−9の担当人数は1人である。図15(a)には、案内装置3−9の検出範囲R9が示されている。一方、案内装置3−2は、経路RT2〜RT6上にある。従って、案内装置3−2の担当人数は5人である。図15(b)には、案内装置3−2の検出範囲R2が示されている。検出範囲R2は検出範囲R9よりも狭い。
図15(a)では案内装置3−9の近くにユーザU7がいる。図15(b)では案内装置3−2の近くにユーザU2、U3及びU6がいる。図15(a)における案内装置3−9とユーザU7との間の距離は、図15(b)における案内装置3−2とユーザU2及びU6それぞれとの間の距離とほぼ等しい。ユーザU9は案内装置3−7の検出範囲R1−7の中にいるので、案内装置3−9は、ユーザU7に対応する案内情報G10を表示する。ユーザU2及びU6は案内装置3−2の検出範囲R2の外にいるので、案内装置3−2は、ユーザU2及びU6に対応する案内情報を表示しない。ユーザU3は、ユーザU2及びU6よりも案内装置3−2に近くにいる。ユーザU3は検出範囲R2の中にいるので、案内装置3−2は、ユーザU3に対応する案内情報G11を表示する。
担当人数が多い案内装置3であるほど、その案内装置3のそばを通過する蓋然性があるユーザの人数が多くなる。従って、担当人数が多いほど、その案内装置3に同時に接近するユーザの人数も多くなる。そのため、第2実施形態で説明したように、ユーザの人数が多くなるほど、案内装置3が出力する案内情報の数も多くなるので、出力態様が異なっていても、各ユーザが何れの案内情報に従えばよいかを迷う可能性が高くなる。各案内装置3が上述したように検出範囲の広さを制御することで、担当人数が比較的多くても、検出範囲内に入るユーザの人数が過多になることを抑制することができる。これによって、ユーザが案内情報を混同する能性が低くなる。また、担当人数が比較的少ない場合には、ユーザが案内装置3から比較的遠くにいても、ユーザは案内情報の提供を受けることができる。担当人数が1人である場合、各案内装置3は検出範囲を可能な限り広くしてもよい。登録人数が0人である場合の検出範囲は、登録人数が1人である場合の検出範囲よりも広くても狭くてもよい。同一の担当人数の下で全案内装置3の検出範囲の広さは同一であってもよいし、案内装置3ごとに検出範囲の広さが定められていてもよい。
[3−2.店舗案内システムの動作]
次に、店舗案内システムSの動作について、図16を用いて説明する。図16は、本実施形態に係るセンターサーバ1のシステム制御部14による電波強度レベル決定処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、システム制御部14は、各案内装置3の担当人数を0に設定する(ステップS111)。次いで、システム制御部14は、番号iを1に設定する(ステップS112)。次いで、システム制御部14は、登録DB12eに記憶されている端末IDの数を、登録人数としてカウントする。そして、システム制御部14は、番号iが登録人数未満であるか否かを判定する(ステップS113)。システム制御部14は、番号iが登録人数未満であると判定した場合には(ステップS113:YES)、処理をステップS114に進める。一方、システム制御部14は、番号iが登録人数未満ではないと判定した場合には(ステップS113:NO)、処理をステップS118に進める。
ステップS114において、システム制御部14は、登録DB12eから店舗IDiを取得する。店舗IDiは、登録DB12eに記憶されている店舗IDのうちi番目の店舗IDである。次いで、システム制御部14は、経路情報に基づいて、全案内装置3のうち、店舗IDiが示す店舗までの経路上に配置されている案内装置3を特定する(ステップS115)。次いで、システム制御部14は、特定した各案内装置3の担当人数を1増加させる(ステップS116)。次いで、システム制御部14は、番号iを1増加させて(ステップS117)、処理をステップS113に進める。
ステップS118において、システム制御部14は、各案内装置3の担当人数に対応する電波強度レベルを決定する。システム制御部14は、担当人数が多いほど電波強度レベルを低くする。例えば、担当人数の範囲と電波強度レベルとを関連付けたテーブルが記憶部12に予め記憶されてもよい。システム制御部14は、このテーブルから担当人数に対応する電波強度レベルを取得してもよい。システム制御部14は、各案内装置3へ、その案内装置3に対応して決定された電波強度レベルを送信して(ステップS119)、電波強度レベル決定処理を終了させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、案内装置3の近距離無線通信部32及びシステム制御部37は、センターサーバ1の記憶部12に記憶された端末IDのうち、関連付けられた店舗IDが示す店舗への所定の出発点からの経路が、複数の案内装置3のうち、対応する案内装置3の位置を含む端末IDの数に応じて、端末IDを検出可能な携帯端末4の位置の範囲の広さを制御する。従って、案内装置3が出力する案内情報の数が過大となることが抑制されるので、案内情報をユーザが混同することを防止することが可能となる。