JP6468595B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、メラニン生成抑制作用に優れた新規な皮膚外用剤に関する。
一般に、シミ、ソバカス、日焼け等に見られる皮膚の色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線の刺激により、皮膚内に存在するメラニン色素生成細胞がメラニン色素を過剰に生成し、これが皮膚内に沈着することが原因と考えられている。このような色素沈着を防ぐ方法の一つに、メラニンの過剰な生成を抑制する方法が知られている。従来、色素沈着の治療には、内用や外用等において、アスコルビン酸(ビタミンC)等が用いられてきた(特許文献1)。
また、皮膚は、紫外線、乾燥、寒冷、熱、薬物等のさまざまな物理的及び化学的ストレスに日々曝されている。その結果、皮膚の機能低下が引き起こされ、さまざまな皮膚の老化現象が顕在化する。皮膚の老化現象の一つに、しわがある。しわには、表皮性のしわと、真皮性のしわの二種類が存在することが知られている。表皮性のしわは小じわと呼ばれ、皮膚の乾燥により、表皮角質層中の水分量が低下することによって一時的に生じるしわである。小じわの改善方法としては、保湿効果を有する化粧品の使用が一般的である。一方、真皮性のしわは、太陽光線に含まれる紫外線や加齢によって形成されるしわである。その形成メカニズムとしては、紫外線や加齢による真皮線維芽細胞におけるコラーゲン合成能の低下や、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の増加によるコラーゲンの分解促進が挙げられる。
乾燥に起因する表皮性のしわと真皮性のしわでは、組織学的形態、発症メカニズム、治療方法が異なり、紫外線や加齢により生じる真皮性のしわは、保湿効果を有する化粧品の使用によって改善させることはできない。
これまでに、紫外線によって生じる真皮性のしわを改善することを目的として、加水分解アーモンドを有効成分とする皮膚のしわ形成防止・改善剤(特許文献2)、ジョチョウケイ、テンキシ及びキセンウの抽出物を有効成分とする紫外線照射に起因するしわの改善剤(特許文献3)が報告されている。
また、真皮には線維芽細胞やコラーゲンが存在し、I型コラーゲンが全体の80%を占める。I型コラーゲンのほかにはIII、V、XII及びXIV型コラーゲンの存在が知られている。しわやたるみの原因の一つとして、I型コラーゲンの減少があげられる。従って、I型コラーゲンの生成を促進させることが、しわ・たるみの予防・改善に有効であると考えられる。また、I型コラーゲンの生成促進は皮膚の創傷治癒の改善にも有効である。
さらに、線維芽細胞はコラーゲン等のタンパク質及びヒアルロン酸等のグリコサミノグリカンを産生して真皮結合組織を形成し、皮膚のハリを保っている。この結合組織が収縮力を失い、さらに弾力性を失う結果として皮膚のシワやタルミが発生すると考えられている。
特にヒアルロン酸は結合組織に広く分布する高分子多糖体として知られており、真皮中でゲル状の形態を呈し、肌の弾力を維持している。従って、ヒアルロン酸の変質や減少が皮膚老化において重要であると考えられている。また、ヒアルロン酸は高分子であるため、それを配合した化粧料を皮膚に直接塗布しても吸収されにくいという問題があった。そこで、これまで、線維芽細胞を活性化することで、細胞自らのコラーゲンやヒアルロン酸の合成を促進させることができる皮膚外用剤が模索されてきた(特許文献4)。また、ヒアルロン酸は、関節にも存在しており、関節の荷重の衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりする機能を果たしていることが知られている。変形性関節症、慢性関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風性関節炎等の場合は、関節液中のヒアルロン酸量が低下したり、加齢によって低下したりすることが知られている。このような疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆や保護、痛みの抑制及び病的関節液の改善若しくは正常化のために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが考えられる。例えば、慢性関節リウマチ、外傷性関節症、骨関節炎及び変形性関節症の患者にヒアルロン酸ナトリウムの関節注入療法を行うと上記症状の改善が認められることが知られている。しかし、これらの治療は長期にわたる。従って、日常生活の中で手軽に治療できるヒアルロン酸生成促進剤を含有させた医薬品が望まれている。また、熱傷後の治癒過程で、肉芽中にヒアルロン酸が著しく増加することが知られており、熱傷の初期の治療薬としても、ヒアルロン酸生成促進剤が期待されている。
コラーゲンは、哺乳動物組織の約1/3を占める主要な構造タンパク質であり、軟骨、骨、腱、及び皮膚を含む多くのマトリックス組織の必須な成分である。マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)に属するコラゲナーゼ(MMP−1)により1箇所を切断されると、通常の組織内では安定なコラーゲン分子は、変性して一本鎖のゼラチンとなり、他の様々なプロテアーゼにより分解されるようになる。その結果、マトリックス組織の構造の完全性が失われてしまう。
MMPに属するゼラチナーゼは、線維芽細胞や内皮細胞、ガン細胞等が産生する酵素であり、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン(動脈、腱、皮膚等弾性組織の特殊成分をなす構造タンパク質)等の基質を分解する。従って、ゼラチナーゼに対して阻害活性を有する物質は、ガン組織における血管新生やガンの転移を抑制する効果が期待され、ガン疾患の予防、治療に有用であると考えられる。さらにMMPはガン疾患のみならず、潰瘍形成、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、歯周炎等の種々の病態での細胞外基質の分解に関与していることが報告されている。よって、MMPの阻害活性を有すれば、ガンの転移、潰瘍形成、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、歯周炎等、MMPの亢進が原因で起こる各種疾患の治療及び改善に有用である。
また、皮膚は生体の最外層に位置し、紫外線等の影響により活性酸素が発生しやすい臓器であり、絶えずその酸素ストレスに曝されている。一方、皮膚細胞内には活性酸素消去酵素が存在しており、その能力を超える活性酸素が発生しないかぎり活性酸素の傷害から皮膚細胞を防衛している。ところが、皮膚細胞内の活性酸素消去酵素の活性は加齢とともに低下することが知られており、活性酸素による傷害がその防御反応を凌駕したとき、皮膚は酸化され、細胞機能が劣化して老化してゆくと考えられる。また、皮膚以外の臓器においても、その活性酸素消去能を越える活性酸素に曝されたとき、機能低下が起こり老化したり、ガンや心筋梗塞等様々な生活習慣病が発症したりすると考えられる。そこで、活性酸素による傷害からの防御を目的として活性酸素消去剤や抗酸化剤が検討され、SODやカタラーゼ等の活性酸素消去酵素、SOD様活性物質等の活性酸素消去剤や抗酸化剤を配合した食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品等が開発されている(特許文献5,6参照)。
しかしながら、メラニン生成抑制効果を有する植物由来の天然原料として、本発明に用いたフリチラリア インペリアリスは検討されていなかった。
特開平05−229931号公報 特開2000−119125号公報 特開2006−199611号公報 特開2007−1924号公報 特開平9−118630号公報 特開平9−208484号公報
安全で安定性に優れ、メラニン生成抑制作用に優れた素材が望まれているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
このような事情により、本発明者らは鋭意検討した結果、フリチラリア インペリアリスの抽出物が優れたメラニン生成抑制作用を持ち、安定性においても優れていることを見出した。さらに、その抽出物を含有する皮膚外用剤が、安全で安定であり、高い美白効果を有する素材と成り得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いるフリチラリア インペリアリスの抽出物とは、ユリ科バイモ属フリチラリア インペリアリス(学名:Fritillaria imperialis)の花、茎、葉、根、球根等の植物体の一部又は全草から抽出したものである。その抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。
抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈及び濾過処理、活性炭等による脱色、脱臭処理等をして用いても良い。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
本発明の外用剤には、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分を配合することもできる。
本発明の剤型としては、例えば、化粧水、クリーム、マッサージクリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、ペースト剤、プラスター剤、エッセンス、散剤、丸剤、錠剤、注射剤、坐剤、乳剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤(チンキ剤、流エキス剤、酒精剤、懸濁剤、リモナーデ剤等を含む)等が挙げられる。
本発明に用いる上記抽出物の配合量は、外用剤全量に対し、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001〜10重量%がより好ましい。さらに、0.01〜5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を越えて配合した場合、効果の増強は認められにくく不経済である。
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、処方例及び実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を、%とは重量%を示す。
製造例1 フリチラリア インペリアリスの熱水抽出物1
フリチラリア インペリアリスの球根の乾燥物30gに精製水450mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してフリチラリア インペリアリスの熱水抽出物を3.2g得た。
比較製造例1 アミガサユリの熱水抽出物
製造例1において、フリチラリア インペリアリスをアミガサユリに置き換えたものをアミガサユリ熱水抽出物とした。
製造例2 フリチラリア インペリアリスの50%エタノール抽出物1
フリチラリア インペリアリスの球根の乾燥物30gに50%エタノール水溶液450mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、フリチラリア インペリアリスの50%エタノール抽出物を3.3g得た。
比較製造例2 アミガサユリの50%エタノール抽出物
製造例1において、フリチラリア インペリアリスをアミガサユリに置き換えたものをアミガサユリの50%エタノール抽出物とした。
製造例3 フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物1
フリチラリア インペリアリスの球根の乾燥物30gにエタノール450mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物を0.3g得た。
比較製造例3 アミガサユリのエタノール抽出物
製造例1において、フリチラリア インペリアリスをアミガサユリに置き換えたものをアミガサユリのエタノール抽出物とした。
製造例4 フリチラリア インペリアリスの50%1,3−ブチレングリコール抽出物1
フリチラリア インペリアリスの球根の乾燥物20gに50%1,3−ブチレングリコール水溶液400mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、フリチラリア インペリアリスの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を370g得た。
製造例5 フリチラリア インペリアリスの熱水抽出物2
フリチラリア インペリアリスの地上部の乾燥物30gに精製水450mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してフリチラリア インペリアリスの熱水抽出物を4.9g得た。
製造例6 フリチラリア インペリアリスの50%エタノール抽出物2
フリチラリア インペリアリスの地上部の乾燥物30gに50%エタノール水溶液450mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、フリチラリア インペリアリスの50%エタノール抽出物を4.6g得た。
製造例7 フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物2
フリチラリア インペリアリスの地上部の乾燥物30gにエタノール450mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物を0.4g得た。
製造例8 フリチラリア インペリアリスの50%1,3−ブチレングリコール抽出物2
フリチラリア インペリアリスの地上部の乾燥物20gに50%1,3−ブチレングリコール水溶液400mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、フリチラリア インペリアリスの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を375g得た。
処方例1 化粧水
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスの熱水抽出物1(製造例1) 1.0
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
処方例2 クリーム
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスの50%エタノール抽出物1(製造例2)0.5
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例3 乳液
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物1(製造例3) 0.01
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例4 ゲル剤
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物2(製造例7) 1.0
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5と、成分6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
処方例5 パック
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスの50%エタノール抽出物2(製造例6)1.0
2.フリチラリア インペリアリスの
50%1,3−ブチレングリコール抽出物1(製造例4) 5.0
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3−ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜11を均一に溶解し製品とする。
処方例6 ファンデーション
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスの熱水抽出物2(製造例5) 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10〜13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14〜17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この油相に水相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
処方例7 浴用剤
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物1(製造例3) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
処方例8 軟膏
処方 配合量(部)
1.フリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物1(製造例3) 1.0
2.フリチラリア インペリアリスの
50%1,3−ブチレングリコール抽出物2(製造例8) 5.0
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分3〜6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7〜9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例1 メラニン生成抑制試験
対数増殖期にあるB16マウスメラノーマ細胞を60mm dishに3×10個播種し、各試料(最終濃度10μg/mL)を含むEagle’s MEM(10%牛胎児血清含有)培地にて、37℃、5%CO条件下で5日間培養した。次に、細胞をdishから剥離し、超音波破砕した後、4N NaOHを加え60℃で2時間の処理を行い、分光光度計でO.D.475nmを測定した。尚、超音波処理後の細胞破砕液についてLowryの方法(J.Biol.Chem.,193,265−275,1951)にてタンパク定量し、タンパク量当りのメラニン量を算出、試料未添加のメラニン生成量をコントロールとし、コントロールに対する試料添加時のメラニン生成量の値からメラニン生成抑制率を算出した。
これらの実験結果を表1に示した。その結果、本発明のフリチラリア インペリアリスの熱水抽出物1、50%エタノール抽出物1、エタノール抽出物1はいずれも優れたメラニン生成抑制作用を示した。また、いずれも同属植物であるアミガサユリから得られた抽出物と比較して、顕著に高い作用を示した。特にフリチラリア インペリアリスのエタノール抽出物1が最も優れたメラニン生成抑制作用を示した。
以上のことから、本発明のフリチラリア インペリアリスの抽出物は、優れたメラニン生成抑制作用を有し、安定性にも優れていた。よって、本発明のフリチラリア インペリアリスの抽出物は、皮膚の美白といった美容分野だけでなく、医療分野にも利用でき、化粧品、医薬部外品及び医薬品等への応用が期待される。

Claims (2)

  1. フリチラリア インペリアリス(Fritillaria imperialis)の球根部の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  2. フリチラリア インペリアリス(Fritillaria imperialis)の球根部の抽出物を含有することを特徴とする美白剤。
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