JP6468592B2 - スパイラルアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は螺旋状の放射素子を備えたスパイラルアンテナに関する。
近年、多様なワイヤレスシステムに対応するため広い周波数帯域に適応できる広帯域アンテナの用途が広がっている。そのような広帯域アンテナとして、円偏波を放射する、螺旋状の放射素子を備えたスパイラルアンテナが知られている。
スパイラルアンテナは、通常、180オーム程度の入力インピーダンスを有するため、50オームまたは75オームの同軸ケーブルで給電するにはインピーダンス変換を行う整合回路が必要になる。
図12は背景技術のスパイラルアンテナの構成を示す斜視図であり、図13は図12に示したスパイラルアンテナの側断面図である。
図12に示すように、背景技術のスパイラルアンテナは、プリント基板101の一方の面に螺旋状の導体線から成る2つの放射素子102及び103が形成された構成である。放射素子102及び103には、プリント基板101の他方の面側に配置された同軸ケーブル104及び整合回路107を介して給電部105から給電される。
図13に示すように、整合回路107は、プリント基板99の一方の面に形成された給電線108と、プリント基板99の他方の面に形成されたテーパ状のグランドパターン109とから成るマイクロストリップラインで構成されている。同軸ケーブル104の中心導体110は給電線108の一端に接続され、同軸ケーブル104の外部導体111は、テーパ状のグランドパターン109の幅の広い一端に接続される。また、給電線108の他端は接続導体106を介して放射素子102と接続され、グランドパターン109の幅の狭い他端は接続導体106を介して放射素子103と接続される。通常、同軸ケーブル104の外部導体111は接地されているため、グランドパターン109も接地電位となる。
図12及び図13に示したスパイラルアンテナは、周知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング加工技術を用いてプリント基板101上に所定形状の導体パターンから成る放射素子を形成するため、比較的安価に製造できる。しかしながら、整合回路107が必要であり、部品点数が増えるため、コストを十分に低減することができない。また、整合回路107と放射素子102及び103とを接続導体106で接続する構成では、振動等によって接続導体106が外れ易く、耐久性や信頼性の低下を招いてしまう。さらに、同軸ケーブル104のインピーダンスを、それよりも高い放射素子102及び103のインピーダンスと整合させるには、幅の狭い給電線108及び接続導体106を用いて放射素子102と接続する必要がある。また、マイクロストリップライン109についても放射素子103と接続する他端の幅を狭くする必要がある。したがって、整合回路107に大きな高周波電流を流すことができないため、大電力の送信に用いることができない。
そこで、スパイラルアンテナの給電部の強度を向上させるための構成が、例えば特許文献1で提案されている。特許文献1には、整合回路と放射素子とを接続する接続導体をU字状または円弧状に形成し、該接続導体を緩衝体として機能させることで、振動等に対する強度を向上させた構成が記載されている。
ところで、上述したように、整合回路はスパイラルアンテナの入力インピーダンスと同軸ケーブルのインピーダンスとに差があることで必要となる。したがって、入力インピーダンスが50〜75オーム程度のスパイラルアンテナを実現できれば、整合回路が不要となり、放射素子へ同軸ケーブルから直接給電できるようになる。また、マイクロストリップラインや同軸ケーブル等の給電線は、インピーダンスが低い程、導体幅が広くなるため、入力インピーダンスが50〜75オーム程度になれば、スパイラルアンテナに流す高周波電流を大きくできる。すなわち、入力インピーダンスが50〜75オーム程度のスパイラルアンテナを実現すれば、上述した背景技術のスパイラルアンテナの課題を解決できると考えられる。
例えば、非特許文献1及び2には、帯状の2つの放射素子を電波の放射面に対して垂直に、かつ螺旋状に配置することで、50〜75オーム程度の入力インピーダンスを実現したスパイラルアンテナが記載されている。
特許第5299335号公報
岡部洋介、山内潤治、中野久松著、「垂直板状角型スパイラルアンテナ」、2000年電子情報通信学会総合大会、B−1−104、p.104、2000年3月7日 倉本晶夫、山口誠、関谷加津雄著、「放射面に垂直な帯状導体を用いたスパイラルアンテナの特性」、2013年電子情報通信学会ソサエティ大会、B−1−110、p.110、2013年9月3日
上述した特許文献1に記載されたスパイラルアンテナは、振動等に強い構造を実現できるため、耐久性や信頼性を向上させることができる。しかしながら、整合回路を必要とする構成には変わりがないため、コストを十分に低減することができない。
一方、非特許文献1や非特許文献2に記載されたスパイラルアンテナは、整合回路が不要となることで、振動等に強い構造を実現することが可能であり、耐久性や信頼性を向上させることができる。また、比較的大きな高周波電流を流すことが可能になるため、大電力の送信にも利用できる。
しかしながら、非特許文献1及び2に記載された、帯状の放射素子を電波の放射面に対して垂直に、かつ螺旋状に配置する構成は、図12や図13に示した背景技術のスパイラルアンテナと比べて放射素子を安価に形成できない。そのため、スパイラルアンテナのコストが上昇してしまう。
本発明は上述したような背景技術の問題を解決するためになされたものであり、コストの上昇を抑制しつつ、構造が簡単で耐久性や信頼性を向上させることが可能であり、大電力の送信で使用可能なスパイラルアンテナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のスパイラルアンテナは、誘電体から成るプリント基板と、
前記プリント基板の一方の面に螺旋状に配置された、該一方の面と平行な帯状の導体線から成る第1の放射素子と、
前記プリント基板の他方の面に螺旋状に配置された、該他方の面と平行な帯状の導体線から成る第2の放射素子と、
前記第1の放射素子と中心導体が接続され、前記第2の放射素子と外部導体が接続される、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子へ給電するための同軸ケーブルと、
を有し、
前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したとき、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、螺旋中心を対称点として点対称に配置され、
前記第1の放射素子の幅と前記第2の放射素子の幅とが異なる構成である。
または、誘電体から成るプリント基板と、
前記プリント基板の一方の面に螺旋状に配置された、該一方の面と平行な帯状の導体線から成る第1の放射素子と、
前記プリント基板の他方の面に螺旋状に配置された、該他方の面と平行な帯状の導体線から成る第2の放射素子と、
前記第1の放射素子と中心導体が接続され、前記第2の放射素子と外部導体が接続される、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子へ給電するための同軸ケーブルと、
を有し、
前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したとき、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、螺旋中心を対称点として点対称に配置され、
前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における端部が互いに重なる重なり部を有して配置された構成である。
または、誘電体から成るプリント基板と、
前記プリント基板の一方の面に螺旋状に配置された、該一方の面と平行な帯状の導体線から成る第1の放射素子と、
前記プリント基板の他方の面に螺旋状に配置された、該他方の面と平行な帯状の導体線から成る第2の放射素子と、
前記第1の放射素子と中心導体が接続され、前記第2の放射素子と外部導体が接続される、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子へ給電するための同軸ケーブルと、
を有し、
前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したとき、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、螺旋中心を対称点として点対称に配置され、
前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における互いの境界部が一致するように配置された構成である。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつ、構造が簡単で耐久性や信頼性を向上させることが可能であり、大電力の送信で使用可能なスパイラルアンテナが得られる。
第1の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す斜視図である。 図1に示したスパイラルアンテナの平面図である。 図2のX−X’線から見た側断面図である。 図2のY−Y’線から見た側断面図である。 図2に示した放射素子が形成されるプリント基板の要部を拡大した側断面図である。 第2の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す側断面図である。 第3の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す側断面図である。 第4の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す断面図である。 第5の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す平面図である。 図9に示したスルーホール部を拡大した様子を示す側断面図である。 本発明のスパイラルアンテナの実施例を示すグラフである。 背景技術のスパイラルアンテナの構成を示す斜視図である。 図12に示したスパイラルアンテナの側断面図である。
次に本発明について図面を用いて説明する。
まず、本発明のスパイラルアンテナの原理について説明する。
一般に、スパイラルアンテナは、給電部から給電された高周波信号が導体線を進行する間に徐々に電波として放射されながら減衰していく進行波型アンテナと考えることができる。すなわち、スパイラルアンテナは、2本の導体線が螺旋状に配置された平衡二線式の給電線から構成されるアンテナと考えてよい。
このような平衡二線式の導体線のインピーダンスをZとし、2つの導体線間の誘導成分(インダクタンス)をLとし、2つの導体線間の容量成分(キャパシタンス)をCとすると、Zは
に比例する。したがって、スパイラルアンテナの入力インピーダンスを低下させるには、2つの放射素子間の静電容量Cを増大させればよい。
図12や図13に示した背景技術のスパイラルアンテナのように、2つの放射素子をプリント基板101の同一面上に配置する構成の場合、2つの放射素子を近づければ、該放射素子間の静電容量Cを大きくすることができる。しかしながら、同一面上に配置される2つの放射素子を近づけるには限界があるため、図12や図13に示した構成ではスパイラルアンテナの入力インピーダンスを50〜75オーム程度まで低下させるのは難しい。
そこで、本発明では、誘電体から成るプリント基板の一方の面と他方の面とに放射素子をそれぞれ配置する。このようにプリント基板の一方の面と他方の面とに放射素子を配置すれば、導体線である放射素子間に誘電体(プリント基板)が位置する構成となるため、該放射素子間の静電容量Cを増大させることができる。したがって、スパイラルアンテナの入力インピーダンスを低下させることが可能になる。
なお、スパイラルアンテナの入力インピーダンスを50〜75オーム程度に設定するには、誘電体から成るプリント基板の材料や厚さに応じて2つの(上下の)放射素子間の静電容量Cを調整する必要がある。
例えば、誘電体から成るプリント基板が厚い場合は、2つの放射素子間の静電容量Cが小さくなるため、該放射素子間の静電容量Cをより大きくするための工夫が必要となる。一方、誘電体から成るプリント基板が薄い場合は、2つの放射素子間の静電容量Cが大きくなるため、2つの放射素子間の静電容量Cが必要以上に大きくならないようにする必要がある。以下に記載する第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、プリント基板の一方の面と他方の面とに放射素子を形成すると共に、該放射素子間の静電容量Cを調整するための構成例を提案する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す斜視図であり、図2は図1に示したスパイラルアンテナの平面図である。図2は、図1に示すプリント基板1を一方の面から透視したときの様子を示し、プリント基板1の一方の面に形成された放射素子2と他方の面に形成された放射素子3とをそれぞれ記載している。
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態のスパイラルアンテナは、円形状(円板状)のプリント基板1の一方の面に螺旋状の放射素子(第1の放射素子)2が配置され、プリント基板1の他方の面に螺旋状の放射素子(第2の放射素子)3が配置された構成である。放射素子2及び3は、電波の放射面であるプリント基板1の一方の面及び他方の面と平行に形成された帯状の導体線で構成される。本実施形態の放射素子2及び3は、幅及び形状が同一である等ピッチ螺旋の導体線から成り、螺旋中心を対称点として180度回転させたときに位置や形状が一致する、点対称に配置されている。放射素子2及び3は、プリント基板1の一方の面及び他方の面と平行な導体線を形成すればよいため、周知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング加工技術を用いて形成できる。
図2に示すように、第1の実施の形態のスパイラルアンテナは、等ピッチ螺旋の導体線から成る放射素子2及び放射素子3が点対称に配置されることで、一方の導体線間に他方の導体線が位置する構成である。さらに、第1の実施の形態のスパイラルアンテナでは、放射素子2及び3が、幅方向における端部が互いに重なる重なり部7を有して配置されている。重なり部7は、図2で示すようにプリント基板1を一方の面から透視したとき、あるいはプリント基板1を図2のX−X’線またはY−Y’線の切断面から見たときに(図3〜5参照)認識できる部位である。重なり部7は、誘電体から成るプリント基板1を導体線から成る放射素子2及び3の一部で挟んだキャパシタ構造を実現するものあり、放射素子2と放射素子3とを導通させる部位ではない。
図3は図2のX−X’線から見た側断面図であり、図4は図2のY−Y’線から見た側断面図である。
図3に示すように、放射素子2及び3に給電するための同軸ケーブル4は、放射素子3が形成されたプリント基板1の下面(他方の面)側に配置されて固定される。図4に示すように、同軸ケーブル4の中心導体5は、給電部6近傍の貫通穴(不図示)を通してプリント基板1の他方の面から一方の面まで引き出され、逆L字状に折り曲げられて給電部6にて放射素子2と接続される。同軸ケーブル4の外部導体8は逆L字状の接続導体9を用いてプリント基板1の下面(他方の面)側にて放射素子3と接続される。
図5は、図2に示した放射素子が形成されるプリント基板の要部を拡大した側断面図である。図5に示すように、放射素子2と放射素子3とは、それぞれの導体線が交互に位置するように配置され、幅方向において互いに重なる部位である重なり部7を有している。
なお、本実施形態では、放射素子2及び3が形成されるプリント基板1が円形状(円板状)である例を示しているが、プリント基板1は円形状である必要は無く、楕円形状、四角形状、多角形状等、任意の形状でもよい。
また、プリント基板1には、通常、テフロン基板、ガラスエポキシ基板等が用いられるが、これらの材料に限定されるものではなく、誘電体であれば、その他の材料を用いてもよい。プリント基板1には、フレキシブルプリント基板(FPC)等を使用することも可能である。
また、本実施形態では、放射素子2及び3が円形の螺旋状に配置される例を示しているが、放射素子2及び3は螺旋状であればよく、螺旋の外形は、楕円形状、四角形状、多角形状等、どのような形状でもよい。
また、放射素子2及び3には、同軸ケーブル4の中心導体5や接続導体9がはんだ付けで接続されるが、これらの接続には、ボンディング、圧着、導電性接着剤等、電気的な導通が得られれば、周知のどのような方法を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、放射素子2及び3がその螺旋中心から給電される構成例を示しているが、放射素子2及び3には螺旋の途中部位から給電してもよく、放射素子2及び3の給電位置は制限されない。
本実施形態によれば、誘電体から成るプリント基板1の一方の面と他方の面とに放射素子2及び3が配置されるため、放射素子2及び3間の静電容量Cを増大させることができる。そのため、入力インピーダンスが50〜75オーム程度のスパイラルアンテナを実現できる。
また、本実施形態のスパイラルアンテナでは、放射素子2及び3が幅方向において互いに重なる重なり部7を有して配置されている。このような構成は、誘電体(プリント基板1)を2つの導体線で挟むキャパシタ構造を含むため、放射素子2及び3間の静電容量Cをより増大させることが可能であり、重なり部7の幅で放射素子2及び3間の静電容量Cを調整できる。
さらに、プリント基板1の一方の面と他方の面とに放射素子2及び3が配置される構成は、放射素子2及び3を背景技術のスパイラルアンテナよりも幅の広い導体線で形成できる。そのため、入力インピーダンスを低下させることが可能になると共に、大電力の送信にも利用可能なスパイラルアンテナを実現できる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す側断面図である。
上述したようにプリント基板1の一方の面と他方の面とに配置される2つの放射素子間の静電容量Cを調整する場合、該2つの放射素子の幅は同一である必要はなく、異なる幅でも2つの放射素子間の静電容量Cを調整できる。
図6に示すように、第2の実施の形態のスパイラルアンテナは、プリント基板1の上面(一方の面)に形成された放射素子12と、下面(他方の面)に形成された放射素子13との幅が異なる構成である。ここでは、放射素子12の幅W1と放射素子13の幅W2とがW1<W2である例を示す。
このように放射素子12の幅と放射素子13の幅が異なっていても、放射素子12及び13の螺旋ピッチを同じにすれば、放射素子12及び13の導体線に沿って同じ幅の重なり部7が得られる。その他の構成は第1の実施の形態のスパイラルアンテナと同様であるため、その説明は省略する。
第2の実施の形態のスパイラルアンテナにおいても、第1の実施の形態のスパイラルアンテナと同様に、誘電体から成るプリント基板1を挟んで配置される放射素子12及び13間の静電容量Cを増大させることが可能である。また、重なり部7の幅で静電容量Cを調整できる。
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す側断面図である。
上述した第1及び第2の実施の形態では、プリント基板1の上面(一方の面)に形成された放射素子と下面(他方の面)に形成された放射素子とに重なり部7を備える例を示した。第3の実施の形態のスパイラルアンテナは、プリント基板1の上面に形成された放射素子22と下面に形成された放射素子23とに重なり部7が無い例である。
図7に示すように、第3の実施の形態のスパイラルアンテナは、放射素子22と放射素子23とが、幅方向における互いの境界部が一致するように(隙間が無いうように)配置された構成である。放射素子22と放射素子23との境界部は、プリント基板1を一方の面から透視したとき、あるいは図7に示すようにプリント基板1の切断面から見たときに認識できる部位である。図7に示す放射素子22と放射素子23とは、幅が同じでもよく、異なっていてもよい。その他の構成は第1または第2の実施の形態のスパイラルアンテナと同様であるため、その説明は省略する。
(第4の実施の形態)
図8は、第4の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す断面図である。
第4の実施の形態のスパイラルアンテナは、第3の実施の形態のスパイラルアンテナと同様に、プリント基板1の上面に形成された放射素子32と下面に形成された放射素子33とに重なり部7が無い例である。
図8に示すように、第4の実施の形態のスパイラルアンテナは、放射素子32と放射素子33とが幅方向における端部が互いに離間する隔たり部34を有して配置された構成である。隔たり部34は、プリント基板1を一方の面から透視したとき、あるいは図8に示すようにプリント基板1の切断面から見たときに認識できる部位である。図8に示す放射素子32及び33は、幅が同じでもよく、異なっていてもよい。その他の構成は第1または第2の実施の形態のスパイラルアンテナと同様であるため、その説明は省略する。
上述した第1及び第2の実施の形態は、例えば誘電体から成るプリント基板1が厚く、2つの放射素子間の静電容量Cが小さい場合に、該放射素子間の静電容量Cをより大きくするための構成例である。一方、第4の実施の形態は、プリント基板1が薄く、2つの放射素子間の静電容量Cが大きい場合に、該放射素子間の静電容量Cが必要以上に大きくならないようにするための構成例である。第3の実施の形態は、2つの放射素子間の静電容量を、第1及び第2の実施の形態と第4の実施の形態の中間の値に調整するための構成例である。
本発明では、誘電体から成るプリント基板1の材料や厚さに応じて、第1〜第4の実施の形態で示した構成を採用することで、放射素子間の静電容量Cを最適に調整することが可能になる。
(第5の実施の形態)
上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、プリント基板1の一方の面と他方の面とに放射素子を形成することで放射素子間の静電容量Cを増大させると共に、放射素子間の静電容量を調整するための構成例を示した。第5の実施の形態では、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示したスパイラルアンテナが備える放射素子の変形例を示す。
図9は第5の実施の形態のスパイラルアンテナの一構成例を示す平面図であり、図10は図9に示したスルーホール部を拡大した様子を示す側断面図である。図9は、プリント基板1を一方の面から透視したときの様子を示し、プリント基板1の一方の面に形成された放射素子42と他方の面に形成された放射素子43とをそれぞれ記載している。
第5の実施の形態のスパイラルアンテナは、プリント基板1の上面(一方の面)に形成された放射素子42と下面(他方の面)に形成された放射素子43とを導通させる(直流的に接続する)スルーホール部44を備えた構成である。その他の構成は上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様である。なお、図9及び図10は第1の実施の形態と同様構成のスパイラルアンテナにスルーホール44を備えた構成例を示している。
図9及び図10に示すように、スルーホール44は、例えば螺旋状に形成された放射素子42及び43の最外周端部に配置されて、放射素子42と放射素子43とを直流的に接続する。スルーホール44は、放射素子42及び43の最外周端部に設ける必要はなく、放射素子42及び43の任意の場所に設けてもよい。
第5の実施の形態のスパイラルアンテナにおいても、上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態で示した構成を採用することで、同様の効果を得ることができる。
第5の実施の形態のスパイラルアンテナは、アンテナに直流的な短絡構造が要求される場合に有効である。例えば、雷が多発する地域でアンテナを備えた送信機や受信機を使用する場合、該送信機や受信機の近くで落雷が発生すると、該落雷によりアンテナで誘導起電力が誘起することがある。その場合、該アンテナに接続された送信機や受信機に誘導起電力によるサージ電流が流れて送信機や受信機の故障や破損を招くおそれがある。第5の実施の形態のスパイラルアンテナによれば、放射素子42及び43間が短絡(直流的に接続)されているため、落雷等により誘導起電力が発生しても、該誘導起電力がアンテナに接続された送信機や受信機に印加されることが無い。そのため、落雷等によりアンテナで発生する誘導起電力から送信機や受信機を保護できる。
以下では、本発明のスパイラルアンテナが当業者にとって容易に想到し難い理由を説明する。
スパイラルアンテナは、円偏波を放射するアンテナであり、2つの放射素子に対して、振幅が同じであり、位相が180°異なる高周波信号が給電される。
ここで、本発明のようにプリント基板1の一方の面と他方の面とに放射素子を配置した構成では、電波の放射方向に対して2つの放射素子がプリント基板1の厚さだけずれて位置することになる。このような構成では、2つの放射素子から放射される電波がプリント基板1の厚さに相当する位相だけずれて放射されるため、この位相ずれがスパイラルアンテナの軸比特性を劣化させてしまう。
また、一般的に、アンテナでは、電波の放射方向に導体が存在すると、該導体が電波の放射を阻害するため、アンテナとしての放射効率が劣化すると考えられている。図1〜図10に示したスパイラルアンテナでは、プリント基板1の一方の面及び他方の面と垂直な方向へ電波が放射されるため、第1及び第2の実施の形態のように重なり部7を備える構成は放射効率を劣化させてしまう。
したがって、スパイアルアンテナを熟知する当業者にとって、2つの放射素子から放射される電波の位相ずれを増大させて軸比特性を劣化させる第1〜第5の実施の形態で示した放射素子の配置例は採用し難いと言える。また、スパイアルアンテナの放射効率を劣化させる重なり部7を備える構成も当業者にとって採用し難いと言える。
但し、本発明の構成を採用しても、上述したようにプリント基板1が厚くなると、2つの放射素子間の静電容量Cが小さくなるため、上記軸比特性を大きく劣化させるような厚さのプリント基板1を用いることはない。また、放射効率が大きく劣化するのは、幅の広い重なり部7を有する構成であり、該幅の広い重なり部7を要する構成は厚いプリント基板1を用いるときである。すなわち、本発明の構成を採用しても、軸比特性や放射効率を大きく劣化させる構成となることはない。本発明は、軸比特性や放射効率を大きく劣化させることなく、上述した整合回路が不要になることで得られる多くの効果が期待できる。
以上のことから、本発明は背景技術のアンテナの理論からは容易に想到し難い構造であると言える。
(実施例)
次に、本発明のスパイラルアンテナを実際に試作して特性を測定した例を示す。
図11は、本発明のスパイラルアンテナの実施例を示すグラフである。
図11は、図1に示した第1の実施の形態のスパイラルアンテナを試作し、その特性を実測した例である。試作したスパイラルアンテナには50オームの同軸ケーブルで給電した。試作したスパイラルアンテナのパラメータは以下の通りである。
プリント基板1の素材:テフロン基板、プリント基板1の厚さ:0.8mm、プリント基板1の比誘電率:2.6、プリント基板1の直径:90mm、放射素子の中心線におけるスパイラル係数:0.89mm/rad、放射素子の幅:3.5mm、放射素子の初期半径(内輪郭):1mm、放射素子のターン数(巻き数):6.5回。
図11に示すグラフの横軸は周波数を示し、左縦軸はリターンロス(Return Loss)を示し、右縦軸は軸比(Axial Ratio)を示している。
図11に示すように、試作したスパイラルアンテナは、周波数1.35GHz〜2.7GHzにおけるリターンロスが−9.5dB以下である。この値は、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)に換算すると2.0以下である。また、周波数1.35GHz〜6GHzにおけるリターンロスは−8.5dB以下であり、VSWRに換算すると2.2以下である。したがって、本発明のスパイラルアンテナは、広帯域にわたって低いVSWRが得られることが分かる。
一方、図11に示すように、試作したスパイラルアンテナは、周波数1.5GHz〜6GHzにおける軸比が4.3dB以下である。さらに、周波数3GHz〜6GHzにおける軸比が3dB以下の値である。したがって、本発明のスパイラルアンテナは、広帯域にわたって良好な軸比特性が得られることが分かる。
以上説明したように、本発明によれば、誘電体から成るプリント基板1の一方の面と他方の面とに放射素子を配置することで、2つの放射素子間の静電容量Cを増大させることができる。そのため、入力インピーダンスが50〜75オーム程度のスパイラルアンテナを実現できる。
したがって、整合回路が不要になるため、振動等に強い構造を実現することが可能であり、耐久性や信頼性を向上させることができる。また、比較的大きな高周波電流を流すことが可能になるため、大電力の送信にも利用できる。
さらに、周知のフォトリソグラフィ技術を利用してプリント基板1上に放射素子を形成できるため、上記非特許文献1及び2に記載された背景技術のスパイラルアンテナと比べて放射素子を安価に形成できる。
よって、コストの上昇を抑制しつつ、構造が簡単で耐久性や信頼性を向上させることが可能であり、大電力の送信で使用可能なスパイラルアンテナが得られる。
なお、本発明の具体的な構成は上述した各実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更があっても本発明に含まれる。
本発明は、衛星通信、レーダ装置、ジャミング装置等で使用可能な広帯域なスパイラルアンテナを提供する。さらに、本発明は、広帯域、円偏波の電波を必要とする様々な無線システムでも使用可能である。具体的には、多様な通信方式に適合した、コグニティブ無線システム、ソフトウエア無線システムへの応用も可能である。
1 プリント基板
2、3、12、13、22、23、32、33、42、43 放射素子
4 同軸ケーブル
5 中心導体
6 給電部
7 重なり部
8 外部導体
9 接続導体
34 隔たり部
44 スルーホール

Claims (7)

  1. 誘電体から成るプリント基板と、
    前記プリント基板の一方の面に螺旋状に配置された、該一方の面と平行な帯状の導体線から成る第1の放射素子と、
    前記プリント基板の他方の面に螺旋状に配置された、該他方の面と平行な帯状の導体線から成る第2の放射素子と、
    前記第1の放射素子と中心導体が接続され、前記第2の放射素子と外部導体が接続される、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子へ給電するための同軸ケーブルと、
    を有し、
    前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したとき、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、螺旋中心を対称点として点対称に配置され、
    前記1の放射素子の幅と前記第2の放射素子の幅とが異なるスパイラルアンテナ。
  2. 誘電体から成るプリント基板と、
    前記プリント基板の一方の面に螺旋状に配置された、該一方の面と平行な帯状の導体線から成る第1の放射素子と、
    前記プリント基板の他方の面に螺旋状に配置された、該他方の面と平行な帯状の導体線から成る第2の放射素子と、
    前記第1の放射素子と中心導体が接続され、前記第2の放射素子と外部導体が接続される、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子へ給電するための同軸ケーブルと、
    を有し、
    前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したとき、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、螺旋中心を対称点として点対称に配置され、
    前記1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における端部が互いに重なる重なり部を有して配置されたスパイアルアンテナ。
  3. 誘電体から成るプリント基板と、
    前記プリント基板の一方の面に螺旋状に配置された、該一方の面と平行な帯状の導体線から成る第1の放射素子と、
    前記プリント基板の他方の面に螺旋状に配置された、該他方の面と平行な帯状の導体線から成る第2の放射素子と、
    前記第1の放射素子と中心導体が接続され、前記第2の放射素子と外部導体が接続される、前記第1の放射素子及び前記第2の放射素子へ給電するための同軸ケーブルと、
    を有し、
    前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したとき、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、螺旋中心を対称点として点対称に配置され、
    前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における互いの境界部が一致するように配置されたスパイアルアンテナ。
  4. 前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における端部が互いに重なる重なり部を有して配置された請求項1記載のスパイアルアンテナ。
  5. 前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における互いの境界部が一致するように配置された請求項1記載のスパイアルアンテナ。
  6. 前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とが、前記プリント基板の前記一方の面または前記他方の面から透視したときに認識される、幅方向における端部が互いに離間する隔たり部を有して配置された請求項1記載のスパイアルアンテナ。
  7. 前記第1の放射素子と前記第2の放射素子とを導通させるスルーホール部を有する請求項1からのいずれか1項記載のスパイアルアンテナ。
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