JP2006157845A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型のアンテナを有するアンテナ装置であって、従来に比べて低い下限周波数を得ることができる、設計自由度の高い、高利得、広帯域のアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ本体部10に設けられる放射導体14a,14bは、半円形状の第1の形状要素11a,11bと、第1の形状要素11a,11bからX方向に沿って突出した第2の形状要素12a,12bとを有する。第2の形状要素12a,12bの端部に接続される接続導体15は、放射導体14bと並行するようにX方向に沿って配設された第1の直線部分15aと、Y方向に沿って配設された第2の直線部分15bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ装置、特に通信用、測距用又は放送用に用いられるマイクロ波領域(3GHz〜30GHz)及びミリ波領域(30〜300GHz)のアンテナ装置に関する。
従来より、動作周波数帯域が広帯域のアンテナとして、非特許文献1に開示されるディスクモノポールアンテナが知られている。図26は、このディスクモノポールアンテナを示す図である。このディスクモノポールアンテナは、同軸線路102に接続された平面ディスクモノポール101を備えて構成される。具体的には、平面ディスクモノポール101は金属平板103から所定の距離L離れた位置に、金属平板103に対して垂直に立設するように配設される。そして、距離Lを調整することで、所望の特性を有するように最適なマッチングが可能となっている。
また、図27に示すように、下記特許文献1に開示されるアンテナも知られている。このアンテナは、略半円状の放射板111a,111bを対にして配することにより構成されるダイポールアンテナである。放射板111a,111bは、半円形状の2枚の導体板をそれより小さい同心円状の略半円部を切除して形成される略半円形状の切り欠き部141a,141bが設けられている。これらの2枚の放射板111a,111bはそれぞれの円弧の頂点部121a,121bが対向するように配置され、放射板111a,111bの頂点部121a,121bで給電が行われる。また、同軸ケーブル131は放射板111bの中心線Oxに沿って配置されている。特許文献1では、別の給電方法として、図28に示すように一対の平行な給電線132を用いた給電方法も開示されている。一対の給電線132は中心線線Oxに対して直交する方向に形成され、放射導体111a,111bの頂点部121a,121bで給電が行われる。
さらに、図29に示すように、板状のセラミック板150に半円形状の放射導体151をプリントし、この放射導体151の半円形状の端部152を信号線路と接続する給電点を設けた構成のアンテナ153が下記非特許文献2に開示されている。放射導体151の端部152の近傍には、細いスリット154が設けられ、アンテナ特性の調整に用いられる。これにより動作周波数帯域が広帯域のアンテナを実現するとしている。
また、図30に示すように、下記特許文献2に開示されるアンテナも知られている。このアンテナは、誘電体基体161に矩形形状の放射導体164を構成し、グランド導体162を設けることにより、モノポールアンテナとして動作するものである。
M. Hammoud et al, "Matching The Input Impedance of A Broadband Disc Monopole", Electron. Lett., Vol.29, No.4, pp.406-407, 1993 特許第3273463号公報 Do-Hoon Kwon, Yongjin Kim et al,"A Small Ceramic Chip Antenna for Ultra-Wideband Systems", UWBST & IWUWBS 2004 Conference Proceedings, TA4-3,pp.307-311, 2004 US2004/100408A1
ところで、図26に示されるアンテナはモノポールアンテナである。このアンテナは、上記平面ディスクモノポール101からなる放射素子と金属平板103からなるグランド導体とを有して構成される。この放射素子とグランド導体とは垂直かつ直交するように配設される。このため、放射素子はグランド導体に対して3次元配置となって立設し、3次元構造体のアンテナとして3次元的に空間を占有する。その際、金属平板103の大きさは、平面ディスクモノポール101の放射導体の直径の約10倍程度の大きさが必要とされ、例えば300mm×300mmとなって形状が大きくなる。このため、図26に示すアンテナは立体的な構造体を成し、グランド導体の形状も大きくなるため、小型のアンテナ装置には適さない。
図27に示されるアンテナでは、放射板111a,111bの形状を直径150mmの半円形状としたとき、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)が略2以下となる下限周波数は600MHzである。この下限周波数(600MHz)における波長λは略500mmである。したがって、電波の使用対象とする動作周波数帯域において、放射板111a,111bの上記直径は少なくとも略0.3波長分の長さが必要であることがわかる。このように半円形状の放射板は、少なくとも略0.3波長分の長さの直径を持つことが必要となるため、アンテナ装置の外形は大きな占有面積、すなわち略0.3波長×0.3波長分のアンテナ面積が必要となる。したがって、動作周波数帯域の下限周波数を下げようとすると、アンテナ装置の外形は大型化しなければならず、小型のアンテナ装置には適さない。
また、同軸ケーブル131から頂点部121a,121bへ給電しているため、インピーダンス調整を行うのが困難となっており、設計自由度の高いアンテナとはいえない。
一方、図28に示されるアンテナはダイポールアンテナである。このアンテナから放射される電磁波は中心線Oxに平行な偏波、すなわち垂直偏波であり、中心線Oxに直交する面では無指向性の特性を有する。しかし、図28に示す給電方法では、一対の給電線132は中心線Oxと直交するため、この直交する方向にグランド導体を伴った回路基板を備えると無指向性の特性が崩れる。これより無指向性の特性を確保するためには、回路基板をアンテナから十分に離す必要が生じるが、回路基板をアンテナから十分に離すことによってアンテナ装置は大型化する。
以上より、図27、図28に示す構造のアンテナは、小型のアンテナ装置には適さない。
一方、図29に示すアンテナ153はモノポールアンテナである。このためアンテナとして機能するためにはグランド導体(不図示)が必要である。放射導体151は、直径10mmの半円形状とすると、グランド導体は30mm×30mmの矩形形状となり、アンテナ153の外形は40mm×30mmの矩形形状となる。このとき、VSWRが略2.3以下となる下限周波数は3.1GHzである。したがって、外形で40mm×30mmのアンテナ153は、下限周波数3.1GHzの波長(96.8mm)に対して略0.4波長×0.3波長分の大きさの面積が必要である。このため、動作周波数帯域幅を拡げるために下限周波数を下げようとすると、アンテナ153の外形を大きくしてアンテナ153の占有面積を広くしなければならず、小型のアンテナ装置には適さない。
また、図29に示すアンテナ153は、放射導体151が半円形状に固定されているため、動作周波数帯域の下限周波数を下げることのできる設計自由度の高いアンテナ装置には適さない。
さらに、図30に示すアンテナもモノポールアンテナであり、グランド導体が必要である。放射導体164は8mm×10mmとするとグランド導体162は20mm×35mmの矩形形状となり、アンテナ163の外形は28mm×45mmの矩形形状となる。このとき、VSWRが略2以下となる下限周波数は3GHzである。したがって、外形で28mm×45mmのアンテナ163は、下限周波数3.1GHzの波長に対して略0.28波長×0.45波長分の大きさの面積が必要である。このため、動作周波数帯域幅を拡げるために下限周波数を下げようとすると、アンテナ163の外形を大きくしてアンテナ163の占有面積を広くしなければならない。この結果、図30に示すアンテナも、小型のアンテナ装置には適さない。
そこで、本発明は、従来のアンテナのような立体構造体として占有体積を占めることがなく、かつ略平面構造体としても占有面積を大きく占めることもなく、従来に比べて低い下限周波数を得ることができる、設計自由度の高い、広帯域の小型のアンテナ装置、さらには、アンテナを回路基板の絶縁性基板の表面に実装する場合、絶縁性基板のグランド導体に近接して実装できる小型のアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一対の平面状の放射導体と該一対の放射導体に給電する略平行な一対の信号線とが誘電体基体に設けられたアンテナ装置であって、該一対の放射導体のそれぞれは、導体形状を規定する第1の形状要素及び第2の形状要素により構成されており、該一対の放射導体の第1の形状要素のそれぞれは、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、多角形及び略多角形の中から選ばれる形状、又は該形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、該一対の放射導体の第2の形状要素のそれぞれは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すように第1の形状要素の縁部から一方向に沿って、互いに向き合うように突出して設けられ、さらに、該信号線の2線のそれぞれは、該一対の放射導体の第2形状要素に給電するように設けられ、該信号線の2線のそれぞれは、該一対の放射導体のうちの一方の放射導体と並行して該方向に沿って配設された第1の直線部分と、該方向と直交する方向から第2の形状要素に給電するために、該方向から該方向と略直交する方向に向きを変えて配設された第2の直線部分とを有して略L字状を成していることを特徴とするアンテナ装置を提供する。
また、本発明は、一対の平面状の放射導体が誘電体基体に設けられたアンテナ装置であって、該一対の放射導体のそれぞれは、導体形状を規定する第1の形状要素及び第2の形状要素により構成されており、該一対の放射導体のうち、第1の放射導体の第1の形状要素は、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、多角形及び略多角形の中から選ばれる形状、又は該形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、第2の放射導体の第1の形状要素は、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる形状と、この形状の一辺と同じ長さの辺を有する矩形形状又は略矩形形状とが、該辺同士が接合されて接合した形状を有し、第1の放射導体及び第2の放射導体の第2の形状要素のそれぞれは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すようにそれぞれの第1の形状要素の縁部から一方向に沿って、互いに向き合うように突出して設けられていることを特徴とするアンテナ装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の平面状の放射導体が誘電体基体に設けられたアンテナ装置であって、該一対の放射導体のそれぞれは、導体形状を規定する第1の形状要素及び第2の形状要素により構成されており、該一対の放射導体のうち第1の放射導体の第1の形状要素は、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、多角形及び略多角形の中から選ばれる形状、又は該形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、第2の放射導体の第1の形状要素は、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を有し、第1の放射導体及び第2の放射導体の第2の形状要素のそれぞれは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すようにそれぞれの第1の形状要素の縁部から一方向に沿って、互いに向き合うように突出して設けられていることを特徴とするアンテナ装置を提供する。
本発明のアンテナ装置では、第1の形状要素と第2の形状要素とからなる一対の放射導体によりダイポールアンテナを構成し、第1の形状要素及び第2の形状要素の適宜調整することにより、アンテナ面積を小さくすることができる。しかも、従来に比べて低い下限周波数を得ることができる。例えば、放射導体に切り欠き部を設け、又放射導体に付加形状要素を設けて放射導体の形状を適宜調整することにより、アンテナ面積を小さくすることができ、従来に比べて低い下限周波数を得ることができる。
また、一対の放射導体が平面構造となるため、アンテナの占有空間を小さくすることができ、アンテナを回路基板等の絶縁性基板の表面に実装する表面実装型のアンテナ装置を提供することができる。
さらに、アンテナを上記構成とするので、又信号線を第1の直線部分と第2の直線部分によりL字状とするので、一対の放射導体及び信号線を設けた誘電体基体を、アンテナ本体部として絶縁性基板の端部付近に配することができる。これより、絶縁性基板におけるアンテナ本体部の実装面積を小さくすることができ、従来に比べて小型で動作周波数帯域の広いアンテナ装置を実現できる。
さらに、放射導体における第1の形状要素の大きさに応じて第2の形状要素の形状を適宜調整することで、又は、間隔Dを適宜調整することで、広帯域にわたって最適なインピーダンスのマッチングを実現でき、比帯域幅を向上できる。例えば、第1の形状要素と第2の形状要素の配設方向に対して直交する方向における各形状要素の最大長さを、第1の形状要素、第2の形状要素の順に小さくすることにより形状の調整を行う。
また、上記アンテナ本体部を絶縁性基板の端部付近に配することができるため、回路基板に周辺回路を配置する領域を広く確保することができ、通信装置全体の小型化ができる。
以下、本発明のアンテナ装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のアンテナ装置の一実施形態であるアンテナ装置1に用いられるアンテナ本体部10の平面図である。図2は、アンテナ装置1の平面図である。図3は、図2に示すアンテナ装置1を図2中のA−A’線に沿って切断した矢視断面図である。
アンテナ本体部10は、電波の送受信を行うアンテナ装置1の主要部分である。アンテナ本体部10は、誘電体基体16に平面状の金属導体である放射導体14及び信号線15a,15bが設けられて構成され、絶縁性基板22(図2参照)の表面に実装されて表面実装型のアンテナとして機能する。
放射導体14は、同一形状を成した放射導体14a,14bによって構成され、誘電体基体16の内部に同一平面上に設けられている。このため、図1,2では、放射導体14a,14bは破線で示されている。放射導体14aは、導体形状を規定する第1の形状要素11a及び第2の形状要素12aによって形状が規定されている。放射導体14bは、第1の形状要素11a及び第2の形状要素12aと同様に第1の形状要素11b及び第2の形状要素12bによって形状が規定されている。
放射導体14aの第1の形状要素11a及び第2の形状要素12aは、図1中のX方向に沿って配設されている。第1の形状要素11aは半円形状を有し、第2の形状要素12aは、帯状を成すように第1の形状要素11aの縁部からX方向に沿って突出して配設されている。一方、放射導体14bの第1の形状要素11bも半円形状を有し、第2の形状要素12bは帯状を成すように第1の形状要素11bの縁部からX方向に沿って突出して配設されている。
さらに、放射導体14a及び放射導体14bは、放射導体14aの第2の形状要素12aと放射導体14bの第2の形状要素12bとが互いに向き合うように配設されている。すなわち、放射導体14a及び放射導体14bは、第2の形状要素12a及び12bの端が互いに離間して対向するように配設されている。
半円形状の第1の形状要素11a,11bのうち直線状の一辺を成した縁部(弦)がX方向に略平行になるように配設されている。帯状の第2の形状要素12a,12bは、第1の形状要素の一辺を成した上記縁部から真っ直ぐに伸張するようにX方向に(図1中、第2の形状要素12aは下方向に、第2の形状要素12bは上方向に)に沿って伸びて配設されている。
すなわち、第2の形状要素12a,12bの直線状の一辺は、第1の形状要素11a,11bの直線状の一辺を仮に伸長したとき、伸張した線と一直線上にある。なお、第2の形状要素12a,12bの直線状の一辺は、第1の形状要素11a,11bの一辺を伸長した線と、平行若しくは略平行であってもよい。
なお、図1ではアンテナ本体部10の第1の形状要素11a,11bのX方向の長さをそれぞれL,Lとして定めている。
互いに対向する第2の形状要素12a,12bの端部の位置(第2の形状要素12a,12bが相互に最接近する部分又は該部分の近傍)には、図3に示すようにビア13a,13bが設けられ、給電点を成している。放射導体14a,14bは、図2,3に示すように、後述する回路基板等の絶縁性基板22に設けられた伝送線路の信号線21a,21bと、信号線15a,15bを介して接続されている。このように放射導体14a,14bは、誘電体基体16内部の同一の平面上に、第2の形状要素12a,12bの端が互いに対向するように配されてダイポール型アンテナを構成する。
信号線15a,15bは、放射導体14a,14bに給電するように、第2形状要素12a,12bの端に、ビア13a,13bを介して接続された略平行な2線の導体線であり、誘電体基体16の内部に設けられている。信号線15a,15bは、放射導体14bと並行するようにX方向に沿って配設された第1の直線部分17aと、X方向と直交するY方向から第2の形状要素14a,14bに給電するように、X方向からY方向に直角に向きを変えて配設された第2の直線部分17bとを有する。すなわち、信号線15a,15bは、第1の直線部分17aと第2の直線部分17bとにより略L字状を成している。
信号線15a,15bは、図3に示すように放射導体14の設けられる平面に対して平行な、放射導体14と異なる平面に設けられ、放射導体14の平面に対して垂直方向に設けられたビア13a,13bを介して放射導体14に給電する。また、信号線15a,15bは、図3に示すように垂直方向に設けられたビア24a,24bを介して2線の信号線21a,21bと接続される。信号線15a,15bの第1の直線部分17aは、図1に示すように、第1の形状要素11b及び第2の形状要素12bの直線形状の部分に対して、間隔D離れて略平行に設けられている。ここで、間隔Dは、0.3mm以上10mm以下であることが好ましい。間隔Dは、より好ましくは0.3mm以上9mm以下、更に好ましくは0.3mm以上7mm以下、最も好ましくは0.3mm以上5mm以下である。
誘電体基体16は、図3に示すように、異なる比誘電率を有する3種類の誘電体層(第1の誘電体層16a,第2の誘電体層16b,第3の誘電体層16c)によって構成されている。
誘電体基体16内部の、誘電体基体16の厚さ方向の略中央の部分、すなわち第2の誘電体層16bの内部には、放射導体14が設けられている。第3の誘電体層16cには、信号線15a,15bが設けられている。この信号線15a,15bは、ビア13a,13bを介して放射導体14a,14bの第2の形状要素12a,12bと接続されている。さらに、信号線15a,15bは、ビア24a,24bを介して絶縁性基板22に設けられた信号線21a,21bと接続されている。
以上のようにアンテナ本体部10は構成される。
アンテナ本体部10における放射導体14a,14bは上述したように設けられるが、本発明における放射導体は以下のように形状が設けられていればよい。
第1の形状要素11a,11bは、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、四角形、略四角形、五角形及び略五角形の中から選ばれる形状、又はこの形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有すればよい。好ましくは、第1の形状要素11a,11bは、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形及び略弓形の中から選ばれる形状を有すればよい。
第1の形状要素11a,11bが、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形及び略弓形の中から選ばれる場合、以下のような形状を有することが好ましい。
具体的には、第1の形状要素11a,11bの弦を第2形状要素12a,12b側にそれぞれ伸長したと想定し、この伸長した部分をそれぞれ想定弦とする。このとき、一対の想定弦は相互に一直線上にあるか、又は、平行若しくは略平行であることが好ましい。さらに、放射導体14aを放射導体A、放射導体14bを放射導体Bとしたとき、放射導体Aの第2形状要素を第2形状要素Aとし、放射導体Aの想定弦を想定弦Aとする。また、放射導体Bの第2形状要素を第2形状要素Bとし、放射導体Bの想定弦を想定弦Bとする。このとき、想定弦A側の第2形状要素Aの一辺と、想定弦Aとが重なるか、又は、ほぼ重なり、想定弦B側の第2形状要素Bの一辺と、想定弦Bとが重なるか、又は、ほぼ重なることが好ましい。
図1に示す放射導体14a,14bでは、一対の放射導体14a,14b(放射導体A,B)の一対の想定弦A,Bが相互に一直線上にあり、想定弦A側の第2形状要素14a(第2形状要A)の一辺と、想定弦Aとが重なり、想定弦B側の第2形状要素14b(第2形状要B)の一辺と、想定弦Bとが重なっている形状となっている。
また、一対の放射導体14a,14bの第1の形状要素11a,11bのそれぞれが、図5(a)に示す形状のように、形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有してもよい。この場合、切り欠いた部分は、上記弦に対して平行であり、それぞれ切り欠いた部分がそれぞれこの弦側とは反対側にあることが好ましい。また、第1の形状要素11a,11bの弦と、信号線15a,15bとの間のそれぞれの間隔D1のうち、最も短い間隔は、0.3mm以上10mm以下であることが好ましい。
さらに、図5(b)に示すように、放射導体14bにおいて、第2の形状要素12bの突出基部から突出途中までの領域に、放射導体14bのY方向の幅を拡げるように付加形状要素18が設けられてもよい。この付加形状要素18は、第2の形状要素12bの突出基部からの途中の領域で、付加形状要素18が帯状の第2の形状要素12bに対して段差を有する突部を成している。付加形状要素18は、信号線15a,15bが設けられる側と反対側に、第2の形状要素12bと第1の形状要素11bとに接合するように設けられている。すなわち、付加形状要素18は、放射導体14bにおいてコブ状に飛び出した形状を成している。
一方、第2の形状要素12a,12bは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すように第1の形状要素11a,11bの縁部から一方向に沿って突出して設けられればよい。
図4では、第1の形状要素11a,11bのX方向の長さ(半円形状の第1の形状要素11a,11bを有する放射導体14の弦の長さ)をL,L2として定めている。また、第2形状要素12a,12bの長さをL3として定めている。さらに、第1の形状要素11aと第2の形状12aの合計の最大長さをL5として定め、第1の形状要素11bと第2の形状要素12bの合計の最大長さをL6として定めている。さらに、第1の形状要素11aと第2の形状要素11bの、図中のY方向の最大長さをW, W2として定めている。
その際、一対の放射導体14a,14bはともに下記条件(1)を満足するように構成されていることが好ましい。
> W (1)
第1の形状要素11a,11bの最大長さWは、アンテナ装置1の動作周波数の下限周波数fLに対する波長をλLとしたとき、0.2・λL以下であることが好ましく、より好ましくは0.15・λL以下、特に好ましくは0.1・λL以下に設定される。その際、上記条件(1)を満足するように、第2の形状要素12a,12bの最大長さWを選択することにより、アンテナインピーダンスの調整を最適に行うことができる。さらに、上記条件(1)を満足するように最大長さWを選択することにより、第2の形状要素12a,12bは放射導体14a,14b全体に電流を分布させることができる。これにより、効率よく電波を放射させるアンテナエレメントとして機能する。さらに、上記条件(1)の他に、下記条件(2)、好ましくは下記条件(3)を満たすことが好ましい。
0.01・W≦ W ≦ 0.5・W (2)
0.01・W≦ W ≦ 0.3・W (3)
これによりアンテナの動作周波数帯域は広くすることができる。
また、放射導体14a,14bは同じ大きさであるが、必ずしも同じ大きさでなくてもよい。例えば、上述したように、接続導体15が並行するように設けられた側の第1の形状要素11bの長さLを、その反対側の第1の形状要素11aの長さLと同等かそれより短くすること、すなわち比L/Lの値が0.5以上1.0以下であることが好ましい。比L/Lの値が0.5より小さくなると動作周波数の下限周波数が高くなり広帯域の動作周波数を得られない。一方、比L/Lの値を1.0より大きくすると、コモン反射係数が−10dBより大きくなり、ダイポールアンテナとしての動作特性が得られない。比L/Lの値は、好ましくは0.55以上1.0以下、更に好ましくは0.5以上0.95以下、最も好ましくは0.6以上0.9以下である。
誘電体基体16は、異なる比誘電率を有する3種類の誘電体層によって構成されるが、2又は4種類の誘電体層で構成されてもよい。
誘電体基体16が2種類の誘電体層から構成される場合、信号線15a,15bは低誘電率を有する誘電体層内に設けることが好ましい。低誘電体率を有する誘電体層は比誘電率が5〜15であることが、動作周波数の下限周波数を低くする点から好ましい。より好ましくは、比誘電率が5〜10である。さらに、誘電体基体16は1つの比誘電率を有する1種類の誘電体層から構成されてもよい。誘電体基体16は積層基体としてもよい。誘電体基体16に積層基体を用いる場合、積層基体の表面層に放射導体14を設けてもよく、また、2層目、3層目などの内層に設けてもよい。この場合、放射導体14を2つの層で挟み込むように形成するとよい。
このように誘電体基体16の内部に放射導体14を設けることで、誘電体の波長短縮効果を用いてアンテナ本体部10の小型化が可能となる。この場合、放射導体14の設置位置や誘電体基体16の比誘電率、又は2種類以上の比誘電率の組み合わせに応じて、実効的な比誘電率が決まる。したがって、実効的な比誘電率に応じて波長短縮効果が可能となり、この実効的な比誘電率を適宜選択、調整することによって動作周波数帯域の広いアンテナ本体部10を実現することができる。
また、放射導体14は、図3に示すように誘電体基体16の内部に設けられるが、誘電体基体16の表面に設けてもよい。さらに、放射導体14は、誘電体基体16に限らず絶縁性基板22の基板表面上に設けてもよい。前述したように波長短縮効果をさらに得る場合、絶縁性基板22の基板表面上に設けた放射導体14の上に誘電体基体を別途設けるとよい。放射導体14を絶縁性基板22の表面上に設ける場合、放射導体14へ給電するための信号線及び信号線15a,15bと放射導体14とを同じ絶縁性基板22の面上に設けることができる。
一方、信号線15a,15bは、図3に示すように、ビア24a,24bを用いて別の信号線21a,21bと接続するが、誘電体基体16の端に信号線のパターンを設け、このパターンを介して接続してもよい。
アンテナ本体部10は、図2,3に示すように、絶縁性基板22の表面に実装され、アンテナとして動作するアンテナ装置1を構成する。アンテナ本体部10の実装される絶縁性基板22の面には伝送線路であるカップルド・マイクロストリップ伝送線路の信号線21a,21bが設けられ、アンテナ本体部10への給電が行われる。一方、アンテナ本体部10の実装される面と反対側の面には、グランド導体23が設けられている。
アンテナ本体部10への給電は一対の放射導体14a,14bの配設方向(X方向)に沿った接続導体15を用いる。一方、従来技術である図14に示す放射板111a,111bへの給電は放射板111a,111bの配設方向(中心線Oxの方向)と直交する方向に沿った給電線132を用いて行われる。この点で従来の給電方法と異なる。
なお、カップルド・マイクロストリップ伝送線路などの信号線は絶縁性基板22の表面にプリント印刷により形成される。絶縁性基板22は積層基板を用いることもできる。
アンテナ本体部10を形成する誘電体基体16の表面や絶縁性基板22には、アンテナ本体部10をはんだ付けなどで絶縁性基板22に固定実装するための端子を設けてもよい。このような端子を数カ所設けることで、無線通信装置などの通信用機器に用いる場合でも、取り扱い中にアンテナ本体部10が絶縁性基板22から脱落することを防ぐことができる。また、このような端子は、例えば、絶縁性基板22に設けられた信号線21a,21bと誘電体基体16に設けられた放射導体14とをはんだ付けなどで接続する場合に用いてもよい。この場合、脱落防止と電気的な接続を同時に実現できる。
このようなアンテナ装置1は、直線偏波の送受信を行なうアンテナ装置として好適に用いることができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明のアンテナ装置の他の実施形態であるアンテナ装置1に用いられるアンテナ本体部10の平面図である。図7は、アンテナ装置1の平面図である。図8は、放射導体の形状寸法を説明する図である。
アンテナ本体部10は、電波の送受信を行うアンテナ装置1の主要部分である。アンテナ本体部10は、誘電体基体16に平面状の金属導体である放射導体14及び信号線15a,15bが設けられて構成され、絶縁性基板22(図7参照)の表面に実装されて表面実装型のアンテナとして機能する。図6に示すアンテナ本体部10は、放射導体14a及び信号線15a,15bが、図1に示すアンテナ本体部10の放射導体14a及び信号線15a,15bと同じ形状及び構成を有するものである。
放射導体14は、形状の異なる放射導体14a,14bによって構成され、誘電体基体16の内部に同一平面上に設けられている。このため、図6,7では、放射導体14a,14bは破線で示されている。放射導体14aは、導体形状を規定する第1の形状要素11aと第2の形状要素12aによって形状が規定されている。放射導体14bは、導体形状を規定する第1の形状要素11bと第2の形状要素12bによって形状が規定されている。
放射導体14aの第1の形状要素11a及び第2の形状要素12aは、図6中のX方向に沿って配設されている。放射導体14aは、第1の形状要素11aと第2の形状要素12aとが接合するような1つの形状を成している。
放射導体14bの第1の形状要素11b及び第2の形状要素12bは、図6中のX方向に沿って配設されている。放射導体14bは、第1の形状要素11bと第2の形状要素12bとが接合するような1つの形状を成している。
また、放射導体14a及び放射導体14bは、放射導体14aの形状要素の配設方向と放射導体14bの形状要素の配設方向とが互いに反対方向を向いて対を成すように配されている。すなわち、第2の形状要素12a及び12bの端が互いに離間して対向するように設けられている。
放射導体14aの第1の形状要素11aは、半円形状を有し、第2の形状要素11bは、帯状形状を有する。一方、第1の形状要素11bは、第1の形状要素11aとは異なる1/4円形状と矩形形状の組み合わせである形状を有し、第2の形状要素12bは帯状形状を有する。
第2の形状要素12a,12bは、第1の形状要素11a,11bの縁から突出するように設けられている。
また、第1の形状要素11a,11bのうち直線状の一辺を成した縁部がX方向に略平行になるように配設されている。帯状の第2の形状要素12a,12bは、第1の形状要素の直線状の一辺を成した上記縁部から真っ直ぐに伸張するようにX方向(図6中、第2の形状要素12aは下方向に、第2の形状要素12bは上方向)に沿って伸びて配設されている。すなわち、第2の形状要素12a,12bの直線状の一辺は、第1の形状要素11a,11bの直線状の一辺を仮に伸長したとき、伸張した直線と一直線上にある。なお、第2の形状要素12a,12bの直線状の一辺は、第1の形状要素11a,11bの一辺を伸長した線と、平行若しくは略平行であってもよい。
また、放射導体14bにおいて、第2の形状要素12bの突出基部から突出途中までの領域に、放射導体14bのY方向の幅を拡げるように付加形状要素18が設けられている。この付加形状要素18は、第2の形状要素12bの突出基部から突出途中の領域で、付加形状要素18が帯状の第2の形状要素12bに対して段差を有する突部を成している。付加形状要素18は、信号線15a,15bが設けられる側と反対側に、第2の形状要素12bと第1の形状要素11bとに接合するように設けられている。すなわち、付加形状要素18は、放射導体14bにおいてコブ状に飛び出した形状を成している。
付加形状要素18は、帯状の第2の形状要素12bに対してY方向に段差を成すように延びる辺と、この辺に対して屈曲して第1の形状要素11bの側に延びる辺とによって突部を構成すればよい。付加形状要素18を構成する上記2つの辺は、直線状の辺の他、円弧又は楕円の弧を成す辺であってもよい。
付加形状要素18は、例えば正方形、略正方形、1/2正方形、1/2略正方形、長方形、略長方形、三角形、略三角形から選ばれる形状が用いられる。その際、選ばれる形状と第1の形状要素11bとに間隙がある場合、この間隙を埋める残余の形状が付加されて構成される。
さらに、第1の形状要素11bには、1/4楕円形状を切り欠き形状とする切り欠き部19が信号線15a,15bの側に、信号線15a,15bから離れる側に向かって設けられている。
このような放射導体14は、誘電体基体16内に、図3と同じ構成で配置されている。
誘電体基体16には、互いに対向する第2の形状要素12a,12bの端部の位置(第2の形状要素12a,12bが相互に最接近する部分又は該部分の近傍)に、ビア13a,13bが設けられており、この端部が給電点を成している。放射導体14a,14bは、図7に示すように、後述する回路基板等の絶縁性基板22(図9参照)に設けられた伝送線路の信号線21a,21bと、誘電体基体16内の信号線15a,15bを介して接続されている。このように放射導体14a,14bは、誘電体基体16内部の同一の平面上に、第2の形状要素12a,12bの端が互いに対向するように配されて非対称なダイポール型アンテナを構成する。
図8では、第1の形状要素11a,11bのX方向の長さをL,L2として定めている。また、第2形状要素12a,12bの長さをL3として定めている。さらに、第1の形状要素11aと第2の形状12aの合計の最大長さをL5として定め、第1の形状要素11bと第2の形状要素12bの合計の最大長さをL6として定めている。さらに、第1の形状要素11aと第1の形状要素11bの、図中のY方向の最大長さ(仮に放射導体に切り欠き部を設けないとしたときのY方向における放射導体の最大長さ)をW, W2として定めている。さらに、上述の付加形状要素18と第2の形状要素12bの、Y方向の合計の幅のうち最大長さをW5(図8参照)として定めている。なお、第2の形状要素12a,12bの、第1の形状要素11a,11bの端から突出した部分の長さをL3として定めている。
その際、第1の形状要素の最大長さW、第2の形状要素の最大長さW、付加形状要素18と第2の形状要素12bの合計の最大長さW5は、下記条件(4)を満足するように放射導体14a,14bが設けられる。
> W5 > W2 (4)
最大長さWは、アンテナ14の動作周波数の下限周波数(詳細は後述)に対する波長をλLとしたとき、好ましくは0.2・λL以下、より好ましくは0.15・λL以下、特に好ましくは0.1・λL以下である。条件(4)から、付加形状要素18にアンテナインピーダンスの容量性調整機能を、第2の形状要素12a,12bにアンテナインピーダンスの誘導性調整機能を持たせることができる。すなわち、上記条件(4)を満足するようにW,W5を選択することにより、アンテナインピーダンスの調整を最適に行うことができる。さらに、上記条件(4)を満足するようにW,W5を選択することにより、第2の形状要素12a,12b及び付加形状要素18は、放射導体14全体に電流を分布させ、効率よく電波を放射させるアンテナエレメントとして機能する。
具体的には、条件(4)の他に、0.07W≦W5≦0.6W、好ましくは0.1W≦W5≦0.5Wを満足することが好ましい。さらに、条件(4)の他に、0.01W≦W2≦0.06W、好ましくは、0.01W≦W2≦0.05Wを満足すようにW,W5を選択することが好ましい。これにより、アンテナの動作周波数帯域は広くなる。
切り欠き部19の形状は、図6に示すように、一対の信号線の第1の直線部分17aと第2の放射導体14bとの間の距離が、給電点から離れるにしたがって拡がるように、切り欠き部19の少なくとも一部分の形状は曲線形状を成していることが好ましい。
その際、切り欠き部19における最大の切り欠き幅W(図8参照)は切り欠き部19がないとした場合の最大長さW以下となることが好ましい。より具体的には、0.03≦W4/W1≦1であり、好ましくは0.05≦W4/W1≦1であり、さらに好ましくは、0.1≦W4/W1≦1であり、最も好ましくは、0.2≦W4/W1≦1である。
なお、切り欠き部19は、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる弧を成す形状を切り欠き形状とすることが好ましい。1/4楕円又は1/4略楕円の場合、長軸を成す直線状の一辺が、図6中X方向に平行になるように配した形状が切り欠き形状とされる。なお、切り欠き形状は、弧を成す形状の弧の部分が給電点の側(放射導体14a,14bの相互に最接近する側)に向くように配された形状であり、第1の形状要素11bのX方向の途中の位置から、第2の形状要素12bと反対側の方向(図6中では下方向)に向かって第1の形状要素11bの端部まで延びていることが好ましい。
又、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる弧を成す形状に、矩形形状が接合して組み合わされた形状を切り欠き形状としてもよい。1/4楕円又は1/4略楕円の場合、短軸を成す直線状の一辺が、この辺と同じ長さを有する矩形形状の一辺と接合し、長軸を成す直線状の別の一辺と、この一辺に隣接する、矩形形状の別の一辺とが図6中のX方向に平行になるように配した形状が切り欠き形状とされる。なお、切り欠き形状は、弧を成す形状の弧の部分が給電点の側に、矩形形状が給電点と反対側に向くように配された形状であり、第1の形状要素11bのX方向の途中の位置から、第2の形状要素12bと反対側の方向(図6中では下方向)に向かって第1の形状要素11bの端部まで延びていることが好ましい。
また、放射導体14a,14bのうち信号線15a,15bの2線が並行する側の放射導体14bに、1/4楕円形状を切り欠き形状とする切り欠き部19を設けないとした場合、放射導体14bは、本来切り欠き部19が設けられる部分に、図6中のX方向に直線状の辺(図6中の仮想線Q)を有する。その際、切り欠き部19の1/4楕円形状の中心位置は、上記直線状の辺(仮想線Q)上、又は上記直線状の辺の近傍に位置することが好ましい。
アンテナ本体部10における放射導体14bは上述したように設けられるが、放射導体は以下のように形状が設けられていればよい。
放射導体14bの第1の形状要素11bは、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる形状と、この形状の直線状の一辺と同じ長さの辺を有する矩形形状又は略矩形形状とが、この辺同士が接合されて接合した形状を有すればよい。第1の形状要素11bが1/4楕円又は1/4略楕円の場合、図6に示すとおり、第1の形状要素11bは短軸を成す直線状の一辺が矩形形状又は略矩形形状と接合するようにし、長軸を成す直線状の一辺が図6中のX方向に平行になるように配することが好ましい。その際、接合した1つの形状の一部を、曲線を含む形状で切り欠いた切り欠き部が設けられてもよい。
なお、切り欠き部19は、給電点13bから離れるにしたがって、信号線15a,15bと放射導体14bとの間隙が拡がるような形状であることが好ましい。
さらに、図8では、図中の上下方向の、第1の形状要素11a,11bの最大長さL1と第2の形状要素12a,12bの最大長さL2をそれぞれ加えた合計の長さを、それぞれ放射導体14a、14bの最大長さとして、L5,L6を定めている。この放射導体14a,14bにおける最大長さL5,L6は、図6に示すアンテナ本体部10では、同じ長さ(L5=L6)であるが、必ずしも同じ長さでなくてもよい。比L5/L6の値は好ましくは0.5以上1.5以下、更に好ましくは0.55以上1.0以下、特に好ましくは0.5以上0.95以下、最も好ましくは0.6以上0.9以下である。
また、誘電体基体16は、図3に示すような異なる比誘電率を有する3種類の誘電体層によって構成されるが、2又は4種類の誘電体層で構成されてもよい。
誘電体基体16が2種類の誘電体層から構成される場合、信号線15a,15bは低誘電率を有する誘電体層内に設けることが好ましい。低誘電体率を有する誘電体層は比誘電率が5〜15であることが、動作周波数の下限周波数を低くする点から好ましい。より好ましくは、比誘電率が5〜10である。さらに、誘電体基体16は1つの比誘電率を有する1種類の誘電体層から構成されてもよい。誘電体基体16は積層基体としてもよい。誘電体基体16に積層基体を用いる場合、積層基体の表面層に放射導体14を設けてもよく、また、2層目、3層目などの内層に設けてもよい。この場合、放射導体14を2つの層で挟み込むように形成するとよい。
このように誘電体基体16の内部に放射導体14を設けることで、誘電体の波長短縮効果を用いてアンテナ本体部10の小型化が可能となる。この場合、放射導体14の設置位置や誘電体基体16の比誘電率、又は2種類以上の比誘電率の組み合わせに応じて、実効的な比誘電率が決まる。したがって、実効的な比誘電率に応じて波長短縮効果が可能となり、この実効的な比誘電率を適宜選択、調整することによって動作周波数帯域の広いアンテナ本体部10を実現することができる。
また、放射導体14は、誘電体基体16の内部に設けられるが、誘電体基体16の表面に設けてもよい。さらに、放射導体14は、誘電体基体16に限らず絶縁性基板22の基板表面上に設けてもよい。前述したように波長短縮効果をさらに得る場合、絶縁性基板22の基板表面上に設けた放射導体14の上に誘電体基体を別途設けるとよい。放射導体14を絶縁性基板22の表面上に設ける場合、放射導体14へ給電するための信号線及び信号線15a,15bと放射導体14とを同じ絶縁性基板22の面上に設けることができる。この場合、誘電体基体16のY方向の長さL7(図6参照)をさらに小さくすることができる。
一方、誘電体基体16内の信号線15a,15bは、ビア24a,24bを用いて信号線21a,21bと接続するが、誘電体基体16の端に信号線のパターンを設け、このパターンを介して接続してもよい。
アンテナ本体部10は、図7に示すように、絶縁性基板22の表面に実装され、アンテナとして動作するアンテナ装置1を構成する。アンテナ本体部10の実装される絶縁性基板22の面には伝送線路であるカップルド・マイクロストリップ伝送線路の信号線21a,21bが設けられ、アンテナ本体部10への給電が行われる。一方、アンテナ本体部10の実装される面と反対側の面には、グランド導体23が設けられている。
アンテナ本体部10への給電は一対の放射導体14a,14bの配設方向に沿った信号線15a,15bを用いる。一方、従来技術である図28に示す放射板111a,111bへの給電は放射板111a,111bの配設方向(中心線Oxの方向)と直交する方向に沿った給電線132を用いて行われる。この点で従来の給電方法と異なる。
なお、カップルド・マイクロストリップ伝送線路などの信号線は絶縁性基板22の表面にプリント印刷により形成される。絶縁性基板22は積層基板を用いることもできる。
アンテナ本体部10を形成する誘電体基体16の表面や絶縁性基板22には、アンテナ本体部10をはんだ付けなどで絶縁性基板22に固定実装するための端子を設けてもよい。このような端子を数カ所設けることで、無線通信装置などの通信用機器に用いる場合でも、取り扱い中にアンテナ本体部10が絶縁性基板22から脱落することを防ぐことができる。また、このような端子は、例えば、絶縁性基板22に設けられた信号線21a,21bと誘電体基体16に設けられた放射導体14とをはんだ付けなどで接続する場合に用いてもよい。この場合、脱落防止と電気的な接続を同時に実現できる。
このようなアンテナ装置1は、直線偏波の送受信を行なうアンテナ装置として好適に用いることができる。
図9は、図6に示す放射導体14bとは形状の異なる放射導体を有するアンテナ本体部10を示す図である。
図9に示す放射導体14bは、矩形形状の第1の形状要素に、帯状の第2形状要素が突出するように設けられ、第2の形状要素の、信号線15a,15bと反対側に、付加形状要素18が設けられている。矩形形状の第1の形状要素には、1/4楕円形状を切り欠き形状とする切り欠き部19が設けられている。
放射導体14a,14bの第1の形状要素11a,11bのうち直線状の一辺を成した縁部がX方向に略平行になるように配設されている。帯状の第2の形状要素12a,12bは、第1の形状要素の一辺を成した上記縁部から真っ直ぐに伸張するようにX方向に(図9中、第2の形状要素12aは下方向に、第2の形状要素12bは上方向に)に沿って伸びて配設されている。すなわち、第2の形状要素12a,12bの直線状の一辺は、第1の形状要素11a,11bの直線状の一辺を仮に伸長したとき、伸張した直線と一直線上にある。なお、第2の形状要素12a,12bの直線状の一辺は、第1の形状要素11a,11bの一辺を伸長した線と、平行若しくは略平行であってもよい。
なお、図9に示すアンテナ装置10は、放射導体14bの形状が異なるのみで、他は図6に示すアンテナ本体部10と同じ形状及び構成を有するので、説明は省略する。
このようなアンテナ本体部10を実装したアンテナ装置1は、本発明のアンテナ装置として好適に用いることができる。
さらに、図10(a),(b)に示すように、放射導体14bに付加形状要素18が設けられない構成のアンテナ本体部10を用いることもできる。図10(a)に示すアンテナ本体部10は、図6に示すアンテナ本体部10から付加形状要素18を取り除いたものであり、図10(b)に示すアンテナ本体部10は、図8に示すアンテナ本体部10から付加形状要素18を取り除いたものである。
(第3の実施形態)
図11は、本発明のアンテナ装置の他の実施形態であるアンテナ装置3に用いられるアンテナ本体部30の平面図である。図12は、アンテナ装置3の平面図である。
アンテナ本体部30は、電波の送受信を行うアンテナ装置3の主要部分である。アンテナ本体部30は、誘電体基体36に平面状の金属導体である放射導体34が設けられて構成され、絶縁性基板32(図12参照)の表面に実装されて表面実装型のアンテナとして機能する。
放射導体34は、形状の異なる放射導体34a,34bによって構成され、誘電体基体36の内部に同一平面上に設けられている。このため、図12では、放射導体34a,34bは破線で示されている。放射導体34aは、導体形状を規定する第1の形状要素31aと第2の形状要素32aによって形状が規定されている。放射導体31bは、第1の形状要素31bと第2の形状要素32bによって形状が規定されている。第2の形状要素32bは、第2の形状要素32aと同様の形状を成している。
放射導体34aの第1の形状要素31a及び第2の形状要素32aは、図11中のX方向に沿って配設されている。放射導体34aは、第1の形状要素31aと第2の形状要素12aとが接合するような1つの形状を成している。
放射導体34bの第1の形状要素31b及び第2の形状要素32bは、図11中のX方向に沿って配設されている。放射導体34bは、第1の形状要素31bと第2の形状要素32bとが接合するような1つの形状を成している。
また、放射導体34a及び放射導体34bは、放射導体34aの形状要素の配設方向と放射導体34bの形状要素の配設方向とが互いに反対方向を向いて対を成すように配されている。すなわち、第2の形状要素12a及び12bの端が互いに離間して対向するように設けられている。
ここで、第1の形状要素31bは、第1の形状要素31aと形状が異なっており、非対称形状となっている。
第1の形状要素31aは半円形状を有し、第2の形状要素32aは、帯状形状を成すように第1の形状要素31aの縁部から右方向に沿って突出して配設されている。一方、第1の形状要素31bは、矩形形状31cと1/4円形状31dとを組み合わせた形状を有する。第1の形状要素31bにおける1/4円形状31dの一辺の長さと矩形形状31cの一辺の長さとは等しく、第1の形状要素31bの形状は、この辺同士が互いに接合された形状を成している。第2の形状要素32bは、帯状形状を成すように第1の形状要素31bの縁部から左側の方向に沿って突出して配設されている。
このような第1の形状要素31a,31bの円弧を有する形状のうち、弦に対応する直線状の一辺がお互いに平行になるように配設されている。帯状形状の第2の形状要素32a,32bは、第1の形状要素31a,31bの弦に対応する直線状の一辺から真っ直ぐに伸張するように図11中の左右方向に沿って伸びて配設されている。すなわち、第2の形状要素32a,32bの直線状の一辺は、第1の形状要素31a,31bの直線状の一辺を仮に伸長したとき、伸張した線と一直線上にある。なお、第2の形状要素32a,32bの直線状の一辺は、第1の形状要素31a,31bの一辺を伸長した線と、平行若しくは略平行であってもよい。
放射導体34a,34bは、第2の形状要素32a,32bの端部(第2の形状要素32a、32bが相互に最接近する部分又は該部分の近傍)にビア33a,33bが設けられる。図12に示されるように、絶縁性基板42に設けられたコプレーナストリップ線路の信号線やカップルド・マイクロストリップ線路等の平衡線路の信号線41a,41bに、ビア33a,33bを介して接続することができる。このように放射導体34a,34bは、誘電体基体36上の同一の平面上に、第2の形状要素32a,32bの端が互いに対向するように誘電体基体36内に配されて、非対称のダイポール型アンテナを構成している。
誘電体基体36は、異なる比誘電率を有する3種類の誘電体層によって構成される。誘電体基体36内部の、誘電体基体36の厚さ方向の略中央の部分に、放射導体34が設けられている。
放射導体34a,34bは、上述したように構成されるが、さらに、以下のように導体形状を説明することができる。
本発明では、第1の形状要素31aは、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、矩形、略矩形、台形、略台形、矩形、略矩形、多角形及び略多角形又は該形状の一部を切り欠いた形状の中から選ばれる形状を有すればよい。第1の形状要素31bは、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる形状と、この形状の一辺と同じ長さの辺を有する矩形形状(正方形及び長方形を含む)又は略矩形形状とが、この辺同士が接合されて接合した形状を有すればよい。第2の形状要素32a、32bは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を有すればよい。
また、第1の形状要素31a,31b、第2の形状要素32a,32bの各形状要素の配設方向と直交する方向(図12中の上下方向)における最大長さW,Wは、上記条件(1)(W>W)を満足するように放射導体34a,34bが設けられる。この他に、上記条件(2)、好ましくは上記条件(3)を満たすことが好ましい。
図11,12に示すアンテナ本体部30では、誘電体基体36の内部に放射導体34を設けるが、誘電体基体36の表面に設けてもよい。また、誘電体基体36は積層基体としてもよい。積層基体を用いる場合、積層基体の表面層に放射導体34を設けてもよく、また、2層目、3層目などの内層に設けてもよい。この場合、放射導体34を2つの層で挟み込むように形成してもよい。誘電体基体36が積層基体の場合、この積層基体は1つの比誘電率を持つ1種類の誘電体層を積層したものでもよく、2種類以上の異なる比誘電率を持つ誘電体層を積層したものでもよい。
誘電体基体36に放射導体34を設けることで、誘電体の波長短縮効果を用いてアンテナ本体部30の小型化が可能となる。この場合、放射導体34の設置位置や誘電体基体36の比誘電率、又は2種類以上の比誘電率の組み合わせに応じて、実効的な比誘電率が決まる。したがって、実効的な比誘電率に応じて波長短縮効果が可能となり、この実効的な比誘電率を適宜選択、調整することによって動作周波数帯域の広いアンテナ本体部30を実現することができる。
このようなアンテナ本体部30を備えたアンテナ装置3は、直線偏波の送受信を行なうアンテナ装置として好適に用いることができる。
また、図13は、アンテナ本体部30における放射導体34bの他の形状を示す図である。
図13に示す放射導体34aは、図11に示す放射導体34aと同じ形状を有する。一方、放射導体34bは、第1の形状要素31bが、図11に示す矩形形状31cと1/4円形状31dとを組み合わせた形状ではなく、長方形形状を有する。第2の形状要素32bは帯状形状を有し、第1の形状要素31bの縁部から図中左側の方向に突出するように設けられている。
また、図14は、アンテナ本体部30の放射導体34bの他の形状を示す図である。
図14に示す放射導体34aは、図11に示す放射導体34aと同じ形状を有する。一方、放射導体34bは、第1の形状要素31bが、図11に示す矩形形状31cと1/4円形状31dとを組み合わせた形状を有する。第2の形状要素32bは帯状形状を有する。また、第2の形状要素32bの突出基部から突出途中までの領域に、、幅を拡げるように付加形状要素38が設けられている。付加形状要素38は、第2の形状要素32bと第1の形状要素31bとに接合するように設けられ、第2の形状要素32bの突出途中の領域で、帯状の第2の形状要素32bに対して段差を有する突部を成している。すなわち、付加形状要素38は、放射導体34bにおいてコブ状に飛び出した形状を成している。
また、図15は、アンテナ本体部30における放射導体34bの他の形状を示す図である。
図15に示す放射導体34aは図11に示す放射導体34aと同じ形状を有する。一方、放射導体34bは、第1の形状要素31bが、図13に示す矩形形状の第1の形状要素31bを有する。第2の形状要素32bは帯状形状を有する。また、第2の形状要素12bの突出基部から突出途中までの領域に、幅を拡げるように付加形状要素38が設けられている。付加形状要素38は、第2の形状要素32bと第1の形状要素31bとに接合するように設けられ、第2の形状要素32bの突出途中の領域で、帯状の第2の形状要素32bに対して段差を有する突部を成している。すなわち、付加形状要素38は、放射導体34bにおいてコブ状に飛び出した形状を成している。
このように放射導体34bは、第2の形状要素34aに対してコブ状に飛び出した付加形状要素38が設けられてもよい。
このような種々のアンテナ本体部30を備えたアンテナ装置3は、直線偏波の送受信を行なうアンテナ装置として好適に用いることができる。
次に、本発明におけるアンテナ装置の送受信特性について説明する。
図16は、図1,2に示すアンテナのVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)の周波数特性の一例を示している。一般に伝送線路にアンテナ等の負荷が接続されたり、別の特性インピーダンスを持つ伝送線路等が接続された場合、接続部分の不連続性により伝送される信号の進行波の一部が反射されて後退波が発生する。そして、この後退波が進行波と同一伝送線路上に共存して定在波が作られる。VSWRはこのときの定在波として現れる電圧信号の最小値に対する最大値の比率をいう。したがってVSWRが1に近づくほどアンテナ本体部10のインピーダンスマッチングが良好に行なわれ、この結果アンテナ本体部10のリターンロスが小さくなり特性が向上するといえる。
図16は、アンテナ装置(後述する例1)のVSWRの周波数特性の例を示している。
図16に示すVSWRの周波数特性では、VSWRを縦軸に、周波数を横軸にとっている。したがって、広帯域にわたる動作周波数を有するには、VSWRが1に近い周波数の範囲が広いことが必要である。VSWRが3.0より小さい場合、良好な送受信特性を有し、アンテナの動作上問題はない。そこで、VSWRの周波数特性において、VSWRが3.0より小さい周波数帯域幅を用いて広帯域にわたる動作周波数を有するか否かを判定することができる。そこで、VSWRが3より小さい上限の周波数をfH、下限の周波数をfLとすると下記式にて定める比帯域幅により動作周波数帯域の広狭を判定することができる。
比帯域幅 = 2・{(fH−fL)/(fH+fL)}×100(%)
比帯域幅が大きいほど動作周波数帯域幅が広いことを意味する。
次に、本発明のアンテナ装置の特性について、アンテナ装置の例1〜7に基づいて説明する。図16〜25は、アンテナ装置の特性を示すグラフである。これらの特性はいずれもFI(Finite-Integration)法による電磁界シミュレーションにより算出されたものである。
(例1:実施例)
例1は、図1に示すアンテナ本体部10を有するアンテナ装置1を用いた例である。第1の形状要素11a,11bは半円形状を有する。第2の形状要素12a,12bは第1の形状要素11a,11bの縁部からX方向に沿って帯状を成すように突出した形状を有する。放射導体14は、誘電体基体16の厚さ方向のほぼ中央に配設している。なお、アンテナ本体部10は、図2に示すように絶縁性基板22の一方の面の端部付近に実装した。各形状要素及び誘電体基体16の寸法を、後述する例2〜7とともに下記表1に示す。
Figure 2006157845
なお、例1〜7に用いる誘電体基体16,36には、いずれも図3に示すような3層の誘電体層からなる誘電体基体を用いる。第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16cの構成は下記の通りである。
第1の誘電体層16a
比誘電率 7.2、
厚さ(mm) 0.25、
第2の誘電体層16b
比誘電率 20、
厚さ(mm) 0.5、
第3の誘電体層16c
比誘電率 7.2、
厚さ(mm) 0.25。
図16は、例1におけるVSWRの周波数特性を示している。
例1において、VSWRが3.0より小さくなる比帯域幅は115%であり、下限周波数fLは1.9GHzである。このときの下限周波数に対応する波長λLは、略158mmである。放射導体14と接続導体15の面積は、30.3mm×9.7mm(X方向の長さ×Y方向の長さ)となり、このため、アンテナ面積として、略0.19波長×0.06波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。
また、前述した特許文献1、非特許文献2の従来のアンテナ(図13〜15)と比較するために、VSWRが2.3より小さくなる下限周波数fL及びVSWRが2.0より小さくなる下限周波数fLを調べた。それぞれの下限周波数fLは、2.2GHz、2.3GHzである。VSWRが2.3より小さくなる場合の下限周波数2.2GHzに対応する波長λLは、略136mmである。この場合、放射導体14と接続導体15は、アンテナ面積として、略0.22波長×0.07波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。VSWRが2.0より小さくなる場合の下限周波数2.3GHzに対応する波長λLは、略130mmである。放射導体14と接続導体15は、アンテナ面積として略0.23波長×0.07波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。
これらのアンテナ面積は、いずれも、前述した特許文献1、非特許文献2の従来のアンテナ(図27〜29)の面積、0.3波長×0.3波長や0.4波長×0.3波長と比べて小さい。このため、従来と比べて、下限周波数fLに対してサイズの小さいアンテナ装置を実現することができる。
一方、図17は、間隔D(図1参照)変化させたときの比帯域幅の変化を示すグラフである。
比帯域幅は100%以上になると十分に広いと考えられる。これより、間隔Dは、0.3mm以上10mm以下、より好ましくは0.3mm以上9mm以下、更に好ましくは0.3mm以上7mm以下、最も好ましくは0.3mm以上5mm以下である。このように、間隔Dを適宜調整することにより、比帯域幅を広くすることができる。さらに、第1の形状要素11a,11bを半楕円形状としたアンテナ装置においても半円形状とした場合と同様に広い比帯域幅を有することを確認している。
(例2:実施例)
例2は、図1に示すアンテナ本体部10を有するアンテナ装置1を用いた例である。例2における放射導体14a,14bの形状は例1における放射導体14a,14bと異なり、第1の形状要素11aは半円形状であるが、第1の形状要素11bは半楕円形状とした例である。第2の形状要素12a,12bは帯状形状を有する。放射導体14a,14bは、誘電体基体16の厚さ方向の略中央に配設している。誘電体基体16は、例1に用いる3層(第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16c)からなる誘電体基体を用いる。アンテナ本体部10は、図2に示すように絶縁性基板22の一方の面の端部付近に実装した。各形状要素及び誘電体基体16の寸法は上記表1に示す通りである。
図18は、例2におけるVSWRの周波数特性を示している。
例2において、VSWRが3.0より小さくなる比帯域幅は99%であり、下限周波数fLは2.6GHzである。このときの下限周波数に対応する波長λLは、略115mmである。放射導体14と接続導体15の面積は、26.3mm×9.7mm(X方向の長さ×Y方向の長さ)となり、このため、アンテナ面積として、略0.23波長×0.08波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。
また、前述した特許文献1、非特許文献2の従来のアンテナ(図27〜29)と比較するために、VSWRが2.3より小さくなる下限周波数fL及びVSWRが2.0より小さくなる下限周波数fLを調べた。それぞれの下限周波数fLは、それぞれ2.8GHz、2.9GHzである。VSWRが2.3より小さくなる場合の下限周波数2.8GHzに対応する波長λLは、略107mmである。放射導体14と接続導体15は、アンテナ面積として略0.25波長×0.09波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。VSWRが2.0より小さくなる場合の下限周波数2.9GHzに対応する波長λLは、略103mmである。放射導体14と接続導体15は、アンテナ面積として、略0.25波長×0.09波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。
これらのアンテナ面積は、前述した特許文献1、非特許文献2の従来のアンテナ(図13〜15)の面積、0.3波長×0.3波長や0.4波長×0.3波長と比べて小さい。このため、従来と比べて、下限周波数fLに対してサイズの小さいアンテナ装置を実現することができる。
一方、図19は、第1の形状要素11aの長さL(図1参照)第1の形状要素11bの長さL(図1参照)の比L/Lを変化させたときの下限周波数fLの変化を示すグラフである。図20は、比L/Lを変化させたときのコモンモードの反射係数Sの変化を示すグラフである。
図19、図20では、長さLを変化させずに長さLを短くして比L/Lを変化させている。
図19からわかるように、長さLを短くすることで放射導体14のX方向の長さが短くなるため、比L/Lを小さくすると下限周波数fLが大きくなる。すなわち、比L/Lを小さくすると下限周波数fLが大きくなり、アンテナ面積を大きくしなければならずアンテナ装置の小型化が困難となる。
一方、図20からわかるように、比L/Lを小さくするとコモンモードの反射係数(コモン反射係数)Sが小さくなる。コモンモードとは、ダイポールアンテナに給電する際に通常逆相で給電するディファレンシャルモードに対する同相成分のモードをいう。コモン反射係数Sはディファレンシャルモードで入力したパワーに対して、コモンモードで反射してくるパワーの反射係数である。したがって、コモン反射係数Sが小さいほどダイポールアンテナとしての放射動作が良く機能することを示す。図20から比L/Lを小さくするとコモン反射係数Sが小さくなることから、比L/Lを小さくすることでダイポールアンテナの放射動作を良く機能させることができる。
したがって、図19、20の結果より、比L/Lの好ましい範囲の下限は下限周波数fLから、上限はコモン反射係数Sから定めることができる。下限周波数fLを略3GHz以上とし、コモン反射係数Sが−10dB以下とするには、比L/Lの値は、0.5以上1.0以下であり、好ましくは0.55以上1.0以下、更に好ましくは0.5以上0.95以下、最も好ましくは0.6以上0.9以下である。
このように放射導体14a,14bの比L/Lを適宜調整することにより、アンテナの下限周波数fLを低くし、かつダイポールアンテナとして良好に動作させることができる。
(例3:実施例)
例3は、図5(a)に示すアンテナ本体部10を有するアンテナ装置を用いた例である。例3における放射導体14a,14bの形状は例1における放射導体14a,14bと異なり、第1の形状要素11a,11bは、半円形状の円弧部分を直線状に切り欠いた形状を有する例である。第2の形状要素12a,12bは帯状形状である。放射導体14a,14bは、誘電体基体16の厚さ方向の略中央に配設している。誘電体基体16は、例1に用いる3層(第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16c)からなる誘電体基体を用いる。アンテナ本体部10は、図2に示すように絶縁性基板22の一方の面の端部付近に実装した。各形状要素及び誘電体基体16の寸法は上記表1に示す通りである。
図21は、例3におけるVSWRの周波数特性を示している。
例3において、VSWRが3.0より小さくなる比帯域幅は122%であり、下限周波数fLは1.7GHzである。このときの下限周波数に対応する波長λLは、略176mmである。放射導体14と接続導体15の面積は、30.3mm×7.9mm(X方向の長さ×Y方向の長さ)となり、このため、アンテナ面積として、略0.17波長×0.04波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。
また、前述した特許文献1、非特許文献2の従来のアンテナ(図27〜29)と比較するために、VSWRが2.3より小さくなる下限周波数fL及びVSWRが2.0より小さくなる下限周波数fLを調べた。それぞれの下限周波数fLは、1.9GHz、2.0GHzである。VSWRが2.3より小さくなる場合の下限周波数1.9GHzに対応する波長λLは、略158mmである。放射導体14と接続導体15は、アンテナ面積として、略0.195波長×0.05波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。VSWRが2.0より小さくなる場合の下限周波数2.0GHzに対応する波長λLは、略150mmである。放射導体14と接続導体15は、アンテナ面積として、略0.20波長×0.05波長(X方向の長さ×Y方向の長さ)の面積が必要である。
下記表2には、例1〜3の他、以降に示す例4〜7における下限周波数及びアンテナ面積をまとめて示す。
Figure 2006157845
(例4:実施例)
例4は、図11に示すアンテナ本体部30を用いた例である。第1の形状要素31aは半円形状、第1の形状要素31bは1/4円形状と正方形の形状とを組み合わせた形状を有する。第2の形状要素32a,32bは帯状形状である。放射導体34は、誘電体基体36の厚さ方向のほぼ中央に配設している。なお、アンテナ本体部30は、グランド導体を有する絶縁性基板(不図示)の一方の面に、グランド導体(不図示)とアンテナ本体部30をY方向に1mm離して実装している。誘電体基体36は、例1に用いる3層(第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16c)からなる誘電体基体を用いる。各形状要素及び誘電体基体36の寸法は上記表1の通りである。
図22は、例4におけるVSWRの周波数特性を示している。
例4における下限周波数及びアンテナ面積については下記表2に示す。
(例5:実施例)
例5は、図13に示すアンテナ本体部30を用いた例である。図13に示すように、例5は、例4における第1の形状要素31bを矩形形状に変更したものである。第2の形状要素32a,32bは帯状形状である。放射導体34は、誘電体基体36の厚さ方向のほぼ中央に配設している。誘電体基体36は、例1に用いる3層(第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16c)からなる誘電体基体を用いる。各形状要素及び誘電体基体36の寸法は上記表1に示す通りである。
図23は、例5におけるVSWRの周波数特性を示している。
例5における下限周波数及びアンテナ面積については下記表2に示す。
(例6:実施例)
例6は、図10(a)に示すアンテナ本体部10を有するアンテナ装置1を用いた例である。アンテナ本体部10は、例1における第1の形状要素11bの形状を変更したものである。例6における放射導体14bの第1の形状要素11bは、1/4円形状と正方形とを組み合わせた形状に、1/4楕円形状を切り欠き形状とする切り欠き部19を設けた形状である。放射導体14は、誘電体基体16の厚さ方向のほぼ中央に配設している。誘電体基体16は、例1に用いる3層(第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16c)からなる誘電体基体を用いる。各形状要素及び誘電体基体16の寸法は上記表1に示す通りである。また、放射導体14bと信号線24bの間隔Dは0.3mmである。
図24は、例6におけるVSWRの周波数特性のグラフを示している。
例6における下限周波数及びアンテナ面積については下記表2に示す。
(例7:実施例)
例7は、図10(b)に示すように、例6における第1の形状要素11bの形状を変更したものである。例7における放射導体14bは、矩形形状に、1/4楕円形状を切り欠き形状とする切り欠き部19を設けた形状である。放射導体14は、誘電体基体16の厚さ方向のほぼ中央に配設している。誘電体基体16は、例1に用いた3層(第1の誘電体層16a、第2の誘電体層16b及び第3の誘電体層16c)からなる誘電体基体を用いる。各形状要素及び誘電体基体16の寸法は上記表1に示す通りである。また、放射導体14bと信号線24bの間隔Dは0.3mmである。下限周波数及びアンテナ面積については下記表2に示す。
図25は、例7におけるVSWRの周波数特性のグラフを示している。
例7における下限周波数及びアンテナ面積については下記表2に示す。
上記表2によれば、例1〜例7のアンテナ面積は、いずれも前述した特許文献1、非特許文献2の従来のアンテナ(図27〜29)の値、0.3波長×0.3波長や0.4波長×0.3波長と比べて、いずれも小さい。このため、従来と比べて、下限周波数fLに対してサイズの小さいアンテナ装置を実現することができる。
このように、例1〜3では、第1の形状要素11aと第2の形状要素12aとからなる放射導体14aと、第1の形状要素11bと第2の形状要素12bとからなる放射導体14bとが、第2の形状要素12aと第2の形状要素12bとをX方向に沿って配設してダイポールアンテナを構成することにより、アンテナ面積を小さくして小型のアンテナを実現できる。しかも、低い下限周波数を得ることができる。さらに、例4〜7についても、第1の形状要素31aと第2の形状要素32aとからなる放射導体34aと、第1の形状要素31bと第2の形状要素32bとからなる放射導体34bとが、第2の形状要素32aと第2の形状要素32bとをX方向に沿って配設してダイポールアンテナを構成することにより、アンテナ面積を小さくして小型のアンテナを実現できる。しかも、低い下限周波数を得ることができる。
また、放射導体における第1の形状要素11a,11bの大きさに応じて第2の形状要素12a,12bの形状を適宜調整することで、又信号線24a,24bと放射導体14bとの間の間隔Dを適宜調整することで、広帯域にわたって最適なインピーダンスのマッチングを実現でき、比帯域幅を向上させることができる。すなわち、設計自由度の高い、広帯域のアンテナ装置を実現できる。
以上、本発明のアンテナ装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のアンテナ装置の一実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 図1に示すアンテナ本体部を実装したアンテナ装置の平面図である。 図2中のA−A’線に沿って切断したアンテナ装置の矢視断面図である。 本発明のアンテナ装置に用いる放射導体の形状を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 図6に示すアンテナ本体部を実装したアンテナ装置の平面図である。 本発明のアンテナ装置に用いる放射導体の形状を説明する図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態の平面図である。 (a)及び(b)は、本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の一例を示す図である。 本発明のアンテナ装置の間隔Dを変化させたときの比帯域幅の変化を示す図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の他の例を示す図である。 本発明のアンテナ装置の比L/Lの値を変化させたときの下限周波数の変化を示す図である。 本発明のアンテナ装置の比L/Lの値を変化させたときのコモン反射係数の変化を示す図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の他の例を示す図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の他の例を示す図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の他の例を示す図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の他の例を示す図である。 本発明のアンテナ装置のVSWRの周波数特性の他の例を示す図である。 本発明のアンテナ装置の他の実施形態におけるアンテナ本体部の平面図である。 従来のディスクモノポールアンテナを示す図である。 従来のアンテナの一例を示す図である。 従来のアンテナの一例を示す図である。 従来のアンテナの一例を示す図である。
符号の説明
1,3 アンテナ装置
10,30 アンテナ本体部
11a,11b,31a,31b 第1の形状要素
12a,12b,32a,32b 第2の形状要素
13a,13b,24a,24b,33a,33b,ビア
14,14a,14b,34a,34b 放射導体
15a,15b,21a,21b,41a,41b 信号線
16,36 誘電体基体
16a 第1の誘電体層
16b 第2の誘電体層
16c 第3の誘電体層
17a,17b 直線部分
18,38 付加形状要素
22,42 絶縁性基板
23 グランド導体
101 平面ディスクモノポール
102 同軸線路
103 金属平板
111a,111b 放射板
121a,121b 頂点部
131 同軸ケーブル
132 給電線
141a,141b 切り欠き部
150 セラミック
151 放射導体
152 端部
153 アンテナ
154 スリット

Claims (25)

  1. 一対の平面状の放射導体と該一対の放射導体に給電する略平行な一対の信号線とが誘電体基体に設けられたアンテナ装置であって、
    該一対の放射導体のそれぞれは、導体形状を規定する第1の形状要素及び第2の形状要素により構成されており、
    該一対の放射導体の第1の形状要素のそれぞれは、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、多角形及び略多角形の中から選ばれる形状、又は該形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、
    該一対の放射導体の第2の形状要素のそれぞれは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すように第1の形状要素の縁部から一方向に沿って、互いに向き合うように突出して設けられ、
    さらに、該信号線の2線のそれぞれは、該一対の放射導体の第2形状要素に給電するように設けられ、
    該信号線の2線のそれぞれは、該一対の放射導体のうちの一方の放射導体と並行して該方向に沿って配設された第1の直線部分と、該方向と直交する方向から第2の形状要素に給電するために、該方向から該方向と略直交する方向に向きを変えて配設された第2の直線部分とを有して略L字状を成していることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記信号線は、前記誘電体基体の、前記一対の放射導体と異なる平面上に設けられ、該一対の放射導体の平面に対して垂直方向に設けられた導体を介して、該一対の放射導体に給電する請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記一対の放射導体の前記第1の形状要素のそれぞれが、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形及び略弓形から選ばれる形状である場合、該一対の第1の形状要素の弦を仮に前記第2形状要素側にそれぞれ伸長したと想定し、この伸長した部分をそれぞれ想定弦という場合に、
    該一対の想定弦が相互に一直線上にあるか、又は、平行若しくは略平行であり、
    一対の放射導体をそれぞれ放射導体A,放射導体Bといい、放射導体Aの第2形状要素を第2形状要素Aといい、放射導体Aの想定弦を想定弦Aといい、放射導体Bの第2形状要素を第2形状要素Bといい、放射導体Bの想定弦を想定弦Bというとき、
    想定弦A側の第2形状要素Aの一辺と、想定弦Aとが重なるか、又は、ほぼ重なり、
    想定弦B側の第2形状要素Bの一辺と、想定弦Bとが重なるか、又は、ほぼ重なる請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記一対の放射導体の前記第1の形状要素のそれぞれが前記形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、
    該直線が前記弦に対して平行又は略平行であり、それぞれ切り欠いた部分がそれぞれ該弦側とは反対側にある請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記一対の第1の形状要素の弦と、前記一対の信号線との間のそれぞれの間隔のうち、最も短い間隔をDとするとき、
    間隔Dは、0.3mm以上10mm以下である請求項3又は4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記一対の信号線との間が最も短い間隔Dとなる弦を有する前記放射導体が前記放射導体Bである場合、
    前記放射導体Aの弦の長さをLといい、放射導体Bの弦の長さをLというとき、L/Lの値が0.5以上1.0以下である請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記一対の放射導体と前記一対の信号線が前記誘電体基体の表面に、又は該誘電体基体の内部に設けられてアンテナ本体部が構成されており、
    該アンテナ本体部が絶縁性基板に実装されており、
    該絶縁性基板の実装面には、前記信号線に接続される別の信号線が設けられており、
    該絶縁性基板の、該誘電体基体とは反対側の面又は該絶縁性基板の内部には、グランド導体が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1の形状要素は、該第1の形状要素の縁部に前記方向に略平行な一辺を有し、
    前記第2の形状要素は、該一辺を仮に伸長した線と一直線上にあるか、又は、平行若しくは略平行である一辺を該第2の形状要素の縁部に有し、
    前記一対の信号線の第1の直線部分は、第1の形状要素及び第2の形状要素の該一辺に対して、間隔D離れて、略平行に配設されており、
    該間隔Dは、0.3mm以上10mm以下である請求項1,2又は7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記一対の放射導体におけるそれぞれの前記第1の形状要素の、前記方向に沿った長さのうち、前記信号線の第1の直線部分が配設された側にある第1の形状要素の長さをL、他方の側にある第1の形状要素の長さをLとしたとき、L/Lの値が0.5以上1.0以下である請求項1,2,7又は8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記一対の放射導体のうち前記一対の信号線と並行して設けられる側の放射導体は、該一対の信号線と反対側の、第2の形状要素の突出基部から突出途中までの領域に、前記方向と直交する方向の幅を拡げるように第2の形状要素に付加形状要素が接合して設けられ、さらに該突出基部において該付加形状要素は第1の形状要素と接合しており、
    該付加形状要素は、前記方向と直交する方向において、第2の形状要素に対して突部を成している請求項1〜9のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  11. 一対の平面状の放射導体が誘電体基体に設けられたアンテナ装置であって、
    該一対の放射導体のそれぞれは、導体形状を規定する第1の形状要素及び第2の形状要素により構成されており、
    該一対の放射導体のうち、第1の放射導体の第1の形状要素は、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、多角形及び略多角形の中から選ばれる形状、又は該形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、
    第2の放射導体の第1の形状要素は、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる形状と、この形状の直線状の一辺と同じ長さの辺を有する矩形形状又は略矩形形状とが、該辺同士が接合されて接合した形状を有し、
    第1の放射導体及び第2の放射導体の第2の形状要素のそれぞれは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すようにそれぞれの第1の形状要素の縁部から一方向に沿って、互いに向き合うように突出して設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
  12. 一対の平面状の放射導体が誘電体基体に設けられたアンテナ装置であって、
    該一対の放射導体のそれぞれは、導体形状を規定する第1の形状要素及び第2の形状要素により構成されており、
    該一対の放射導体のうち第1の放射導体の第1の形状要素は、半円形、略半円形、半楕円形、略半楕円形、弓形、略弓形、台形、略台形、多角形及び略多角形の中から選ばれる形状、又は該形状の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、
    第2の放射導体の第1の形状要素は、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を有し、
    第1の放射導体及び第2の放射導体の第2の形状要素のそれぞれは、帯状、略帯状、矩形形状及び略矩形形状の中から選ばれる形状を成すようにそれぞれの第1の形状要素の縁部から一方向に沿って、互いに向き合うように突出して設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
  13. 前記一対の放射導体のうち第2の放射導体は、第2の形状要素の突出基部から突出途中までの領域に、前記方向と直交する方向の幅を拡げるように第2の形状要素に付加形状要素が接合して設けられ、さらに該突出基部において第1の形状要素と接合しており、
    該付加形状要素は、前記方向と直交する方向において第2の形状要素に対して突部を成している請求項11又は12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記付加形状要素は、第2の形状要素に対して段差を成すように、前記方向と直交する方向に延びる辺と、この辺に対して屈曲して第1の形状要素の側に向かって延びる辺とによって前記突部を構成する請求項10又は13に記載のアンテナ装置。
  15. 前記一対の第2の形状要素が相互に最接近する部分又は該部分の近傍にそれぞれ給電点が設けられている請求項10〜14のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  16. 前記一対の放射導体のそれぞれの前記第2の形状要素の給電点には、一対の信号線のそれぞれが接続しており、
    該一対の信号線のそれぞれは、該一対の放射導体のうちの一方の放射導体と並行して該方向に沿って配設された第1の直線部分と、該方向と直交する方向から第2の形状要素に給電するために、該方向から該方向と略直交する方向に向きを変えて配設された第2の直線部分とを有して略L字状を成している請求項15に記載のアンテナ装置。
  17. 前記一対の信号線は、前記誘電体基体の、前記一対の放射導体と異なる平面上に設けられ、該一対の放射導体の平面に対して垂直方向に設けられた導体を介して、該一対の放射導体に給電する請求項16に記載のアンテナ装置。
  18. 前記一対の放射導体のうち前記一対の信号線が並行する側の放射導体の、前記信号線側の領域に、切り欠き部が設けられている請求項16又は17に記載のアンテナ装置。
  19. 前記一対の放射導体のうち前記一対の信号線が並行する側の放射導体と前記一対の信号線の第1の直線部分との間の距離が、前記給電点から離れるにしたがって拡がるように、前記切り欠き部の少なくとも一部分の形状は曲線形状を成している請求項18に記載のアンテナ装置。
  20. 前記切り欠き部は、前記一対の信号線が並行する側の放射導体の第1の形状要素に設けられ、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる弧を成す形状を切り欠き形状として有し、該切り欠き形状は、該弧を成す形状の直線状の一辺を、前記方向に平行又は略平行に配し、かつ、該弧を成す形状の該弧の部分が、前記一対の放射導体の相互に最接近する側に向くように配した形状であり、
    該切り欠き部は、該放射導体の前記方向に沿った途中の位置から、前記一対の放射導体の相互に最接近する部分と反対側の方向に向かって、第2の放射導体の端部まで設けられている請求項18又は19に記載のアンテナ装置。
  21. 前記切り欠き部は、前記一対の信号線が並行する側の放射導体の第1の形状要素に設けられ、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる弧を成す形状と、該弧を成す形状の直線状の一辺と同じ長さの辺を有する矩形形状又は略矩形形状とが、該辺同士が接合されて接合した形状を切り欠き形状として有し、
    該切り欠き形状は、該弧を成す形状のさらに別の直線状の一辺と、該一辺に隣接する、矩形形状又は矩形形状のさらに別の直線状の一辺とを前記方向に平行又は略平行に配し、かつ該弧を成す形状の該弧の部分が、前記一対の放射導体の相互に最接近する側に向くように配した形状であり、
    該切り欠き部は、該放射導体の前記方向に沿った途中の位置から、前記一対の放射導体の相互に最接近する部分と反対側の方向に向かって、該放射導体の端部まで設けられている請求項18〜20のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  22. 仮に、前記一対の放射導体のうち前記一対の信号線が並行する側の放射導体に前記切り欠き部が設けられないとした場合、該放射導体は、該切り欠き部が本来設けられる部分に、前記方向に平行な又は略平行な直線状の辺を有し、
    該放射導体の前記切り欠き部の切り欠き形状として全部又は一部を構成する、1/4円、1/4略円、1/4楕円及び1/4略楕円の中から選ばれる弧を成す形状の元となる円、略円、楕円又は略楕円の中心位置は、該辺上、又は該辺の近傍に位置する請求項20又は21に記載のアンテナ装置。
  23. 前記切り欠き部を設けた放射導体は、前記方向に平行又は略平行の直線状の一辺から前記一対の信号線から離れる側に向かって切り欠かれており、
    前記切り欠き部の、前記方向と直交する方向における最大切り欠き幅をW4とし、さらに、仮に該放射導体に該切り欠き部を設けないとしたときの前記方向と直交する方向における放射導体の最大長さをW1とする場合、該最大切り欠き幅W4のW1に対する比W4/W1は、0.03≦W4/W1≦1を満足する請求項20〜22のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  24. 前記一対の放射導体のうち、前記方向における一方の放射導体の最大長さをL5、前記方向における他方の放射導体の最大長さをL6とする場合、L5,L6は0.5≦L6/L5≦1.5を満足する請求項1〜23のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  25. 前記一対の放射導体が、前記一対の信号線により給電される場合、
    前記一対の放射導体のうち、該一対の信号線と並行する側の放射導体の、前記方向における最大長さをL6とし、他方の側の放射導体の、前記方向における最大長さをL5とする場合、L5,L6は0.5≦L6/L5≦1.5を満足する請求項1〜10のいずれか1項、又は請求項16〜22のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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