JP6467864B2 - 成形材料およびその製造方法、ならびに成形品 - Google Patents

成形材料およびその製造方法、ならびに成形品 Download PDF

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Description

本発明は、高温成形プロセスにおいて取り扱い性に優れ、優れた力学特性を有する成形品を得ることができる成形材料およびその製造方法、ならびにそれを用いた成形品に関する。
強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料は、軽量で優れた力学特性を有するために、スポーツ用品用途、航空宇宙用途および一般産業用途に広く用いられている。これらの成形材料に使用される強化繊維は、その使用用途によって様々な形態で成形品を強化している。これらの強化繊維には、アルミニウム繊維やステンレス繊維などの金属繊維、アラミド繊維やPBO繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイド繊維などの無機繊維や炭素繊維などが使用されているが、比強度、比剛性および軽量性のバランスの観点から炭素繊維が好適であり、その中でもポリアクリロニトリル系炭素繊維が好適に用いられる。
さらに、連続した強化繊維束と熱可塑性樹脂をマトリックスとする成形材料として、熱可塑性のプリプレグ、ヤーン、ガラスマット(GMT)など多種多様な形態が公知である。このような成形材料は、熱可塑性樹脂の特性を活かして成形を容易にし、熱硬化性樹脂のような貯蔵の負荷を必要とせず、また得られる成形品の靭性が高く、リサイクル性に優れるといった特徴がある。とりわけ、ペレット状に加工した成形材料は、射出成形やスタンピング成形などの経済性、生産性に優れた成形法に適用でき、工業材料として有用である。
しかしながら、成形材料を製造する過程で、熱可塑性樹脂を連続した強化繊維束に含浸させるには、経済性、生産性の面で問題があり、それほど広く用いられていないのが現状である。例えば、樹脂の溶融粘度が高いほど強化繊維束への含浸は困難とされることはよく知られている。靱性や伸度などの力学特性に優れた熱可塑性樹脂は、とりわけ高分子量体であり、熱硬化性樹脂に比べて粘度が高く、またプロセス温度もより高温を必要とするため、成形材料を容易に、生産性よく製造することには不向きであった。
一方、含浸の容易さから低分子量の、すなわち低粘度の熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂に用いると、得られる成形品の力学特性が大幅に低下するという問題がある。
特許文献1には、低分子量の熱可塑性重合体と連続した強化繊維からなる複合体に、高分子量の熱可塑性樹脂が接するように配置されてなる成形材料が開示されている。
この成形材料では、連続した強化繊維束への含浸には低分子量体、マトリックス樹脂には高分子量体を使い分けることで、経済性、生産性と力学特性の両立を図っている。また、この成形材料を射出成形法による成形をおこなうと、成形時の材料可塑化の段階で強化繊維の折損を最小限に抑えつつマトリックス樹脂と容易に混合され、繊維の分散性に優れた成形品を製造することができる。従って、得られた成形品は、強化繊維の繊維長を従来よりも上げることができ、良好な力学特性と、優れた外観品位を合わせ持つことができる。
しかし、近年になり、繊維強化複合材料の注目度が大きくなり、また用途も多岐に細分化されるようになったことで、より成形性、取扱性、得られる成形品の力学特性に優れた成形材料が要求されるようになり、また工業的にもより高い経済性、生産性が必要になってきた。例えば、低分子量体の含浸性をより高めることで、工程上の負荷を低減したり、耐熱性をより高めた成形材料を提案したり、成形時の繊維分散性をより向上させることで繊維長をさらに上げて力学特性を高めたり、表面外観の更なる向上を図るなど、多種多様な技術開発が必要となってきた。
特に、マトリックス樹脂の中でも、耐熱性の高い樹脂、例えばガラス転移温度が140℃以上のポリカーボネート樹脂や、スーパーエンジニアリングプラスチックと分類される耐熱性の極めて高い熱可塑性樹脂が、自動車分野では車体軽量化の目的として金属の代替材料に使用され、電気・電子分野では環境面から鉛フリーハンダの使用が多くなり、ハンダを溶融させるのにより高温が必要となり、その結果使用する樹脂材料にはより厳しい耐熱性を求められる場面が多くなったことから、使用される機会が増えている。
耐熱性樹脂の使用が広まる一方で、これらの樹脂を成形する場合、当然ながら高いプロセス温度が必要であり、このようなプロセスにおいても、作業性や取り扱い性の良好な成形材料が必要となってきた。
特許文献2には、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーと連続した強化繊維からなる複合体に、高分子量の熱可塑性樹脂が接するように配置されてなる成形材料が開示されている。ポリアリーレンスルフィドプレポリマーは強化繊維束に容易に含浸するため成形材料の生産性を高め、さらに成形工程においてマトリックス樹脂に容易に分散あるいは相溶することで強化繊維の成形品への分散を高める優れた材料である。しかしながら、強化繊維とマトリックス樹脂の界面強度の点では課題が残り、さらなる力学特性の向上が望まれていた。
特開平10−138379号公報 特開2008−231291号公報
本発明は、従来技術が有する問題点に鑑み、高力学特性の成形品を製造できる成形材料であって、耐ブロッキング性に優れ、取り扱い性に優れた成形材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記課題を解決することができる、次の成形材料およびその製造方法、ならびに成形品を発明するに至った。すなわち、下記成分(A)〜(C)の合計を100質量部として、
サイジング剤(s)が付着された強化繊維(A)5〜50質量部、
50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)を含む成分(B)1〜20質量部、
主鎖の繰返し単位構造中に炭素以外の元素を含む熱可塑性樹脂(C)30〜94質量部
からなる成形材料であり、成分(A)に成分(B)が含浸された複合繊維束(D)が成分(C)で被覆された複合体である成形材料である。
本発明の成形材料は、耐ブロッキング性に優れ、取り扱い性に優れる。また、本発明の成形材料を成形した成形品は、極めて高い力学特性を有する。本発明の成形材料を用いて成形された成形品は、電気・電子機器、OA機器、家電機器、または自動車の部品、内部部材および筐体などの各種部品・部材に極めて有用である。
本発明で得られる複合繊維束の横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明に係る成形材料の耐ブロッキング性の測定方法を説明するための模式図であり、(a)メスシリンダー内に計量した成形材料を投入した状態を示す模式図、(b)おもりを載せ、成形材料に荷重を負荷した状態を示す模式図、(c)おもりを外し、耐ブロッキング性の測定開始前の状態を示す模式図、(d)メスシリンダーを反転させ、耐ブロッキング性の測定開始直後の状態を示す模式図である。
本発明は、成分(A)〜(C)の合計を100質量部として、サイジング剤(s)が付着された強化繊維(A)5〜50質量部、50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)を含む成分(B)1〜20質量部、主鎖の繰返し単位構造中に炭素以外の元素を含む熱可塑性樹脂(C)30〜94質量部からなる成形材料であり、成分(A)に成分(B)が含浸された複合繊維束(D)が成分(C)で被覆された、長さ1〜50mmの複合体である成形材料である。まず、これらの構成要素について説明する。
なお、本発明において、複合繊維束(D)とは、強化繊維(A)に、成分(B)(以下、被含浸剤ともいう)が含浸されたものをいう。
本発明に用いられる成分(A)を構成する強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維などの高強度、高弾性率繊維が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、成形品の軽量化効果の観点から好ましく、得られる成形品の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。また、導電性を付与する目的では、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。
さらに炭素繊維としては、X線光電子分光法により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比[O/C]が0.05〜0.5であるものが好ましく、より好ましくは0.08〜0.4であり、さらに好ましくは0.1〜0.3である。表面酸素濃度比が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の官能基量を確保でき、熱可塑性樹脂とより強固な接着を得ることができる。また、表面酸素濃度比の上限には特に制限はないが、炭素繊維の取扱い性、生産性のバランスから一般的に0.5以下とすることが例示できる。
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めるものである。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
ここで、表面酸素濃度比とは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出する。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用いる場合には、感度補正値を1.74とする。
表面酸素濃度比[O/C]を0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法をとることができ、中でも電解酸化処理が好ましい。
また、強化繊維の平均繊維径は特に限定されないが、得られる成形品の力学特性と表面外観の観点から、1〜20μmの範囲内であることが好ましく、3〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
強化繊維束の単繊維数には、特に制限はなく、100〜350,000本の範囲内で使用することができ、とりわけ1,000〜250,000本の範囲内で使用することが好ましい。また、本発明によれば、単繊維数が多い強化繊維束であっても、十分に含浸された複合繊維束を得ることができるため、20,000〜100,000本の範囲で使用することが、生産性の観点からも好ましい。
また、成分(A)はサイジング剤(s)が付着されていることが必要である。サイジング剤(s)が付着されていることにより、集束性、耐屈曲性や耐擦過性を改良し、成分(B)の含浸工程において、毛羽、糸切れの発生を抑制でき、生産性を向上することができる。特に、炭素繊維の場合、サイジング剤を付与することで、炭素繊維表面の官能基などの表面特性に適合させて接着性およびコンポジット総合特性を向上させることができる。
サイジング剤の付着量は、特に限定しないが、強化繊維のみの質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%以下がより好ましく、0.1〜2質量%付与することがさらに好ましい。0.01質量%未満では接着性向上効果が現れにくく、10質量%を越える付着量では、成分(B)の含浸性に影響を与え、成形品の物性を低下させることがある。
さらに、サイジング剤の質量は、成分(B)の質量1に対して0.001〜0.5であることが好ましい。より好ましくは、0.005〜0.1であり、さらに好ましくは、0.01〜0.05である。サイジング剤の質量をこの範囲内で用いることで、界面接着性、繊維分散性、機械特性をバランス良く向上することができるため好ましい。
サイジング剤(s)としては、成分(B)の含浸工程において、毛羽、糸切れの発生を抑制できるものであれば特に限定されないが、強化繊維とマトリックス樹脂の接着性を高める観点から、カルボキシル基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を1分子中に2個以上有する化合物であることが好ましい。前記官能基は1分子中に2種類以上が混在しても良く、1種類の官能基を1分子中に2個以上有する化合物を2種類以上併用しても良い。サイジング剤(s)は脂肪族化合物であることが好ましい。サイジング剤(s)を脂肪族化合物とすることで、成分(A)および成分(B)との親和性が高まるため力学特性に優れた成形品が得られるため好ましい。
サイジング剤(s)の具体例としては、多官能エポキシ樹脂、アクリル酸系ポリマー、多価アルコール、ポリエチレンイミンなどが挙げられ、とりわけ成分(A)の表面官能基や成分(B)の双方との反応性が高い多官能エポキシ樹脂が好ましい。
多官能エポキシ樹脂としては、3官能以上の脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、脂肪カルボジイミド化合物との親和性の観点から3官能以上の脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。なお、3官能以上の脂肪族エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基を3個以上有する脂肪族エポキシ樹脂を意味する。
3官能以上の脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アラビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。これら脂肪族エポキシ樹脂の中でも、反応性の高いエポキシ基を1分子中に多く含み、かつ水溶性が高く、強化繊維(A)への塗布が容易なことから、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルが本発明では好ましく用いられる。
アクリル酸系ポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸の重合体であって、1分子中にカルボキシル基を3個以上含有するポリマーの総称である。具体的には、ポリアクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体、あるいはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。さらに、アクリル酸系ポリマーは、前記官能基の数が1分子中に3個以上となる限り、カルボキシル基をアルカリで部分的に中和した(即ち、カルボン酸塩とした)ものであっても良い。前記アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。アクリル酸系ポリマーとしては、カルボキシル基を1分子中により多く含むポリアクリル酸が好ましく用いられる。
多価アルコールの具体例としては、ポリビニルアルコール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、ソルビトール、アラビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。なかでも水酸基を1分子中により多く含むポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
ポリエチレンイミンとしては、エチレンイミンを開環重合して得られる、1級、2級、3級アミノ基による分岐構造を有するポリアミンが挙げられ、なかでも、アミノ基を1分子中により多く含むポリエチレンイミンが好ましく用いられる。
サイジング剤(s)は、その質量平均分子量を1分子中の前記官能基の数(カルボキシル基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基の総数)で除した値が40〜150であることが好ましい。かかる範囲とすることで、強化繊維(A)の表面官能基や成分(B)の官能基との反応点の密度をより均一とすることができ、得られる繊維強化複合材料の曲げ強度といった力学特性をより高めることができる。
サイジング剤(s)の付与手段としては特に限定されるものではないが、例えばローラーを介してサイジング液に浸漬する方法、サイジング液の付着したローラーに接する方法、サイジング液を霧状にして吹き付ける方法などがある。また、バッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。この際、強化繊維に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に強化繊維を超音波で加振させることはより好ましい。
乾燥温度と乾燥時間は化合物の付着量によって調整すべきであるが、サイジング剤の付与に用いる溶媒の完全な除去、乾燥に要する時間を短くし、一方、サイジング剤の熱劣化を防止し、サイジング剤が付着された強化繊維(A)が固くなって束の拡がり性が悪化するのを防止する観点から、乾燥温度は、150℃以上350℃以下であることが好ましく、180℃以上250℃以下であることがより好ましい。
サイジング剤の付与に使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメリルアセトアミド、アセトンなどが挙げられるが、取扱いが容易で防災の観点から水が好ましい。従って、水に不溶、若しくは難溶の化合物をサイジング剤として用いる場合には、乳化剤、界面活性剤を添加し、水分散して用いるのが良い。具体的には、乳化剤、界面活性剤としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、オレフィン−無水マレイン酸共重合体、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダなどのアニオン系乳化剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾリンなどのカチオン系乳化剤、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステル共重合体、ソルビタンエステルエチルオキサイド付加物などのノニオン系乳化剤などを用いることができるが、相互作用の小さいノニオン系乳化剤が多官能化合物の接着性効果を阻害しにくく好ましい。
ここで、成分(A)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計を100質量部として、5〜50質量部であることが必要である。好ましくは10〜40質量部であり、より好ましくは、13〜33質量部である。成分(A)をこの範囲内で用いることにより、成形材料を成形加工して得られる成形品の力学特性が高く、成形加工の際の流動性も十分となるので好ましい。
成分(B)は、50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)を含むものである。
ここでいう、50℃で固形状とは、50℃において流動性を有していない状態のことである。流動性の有無の判定としては、溶融粘度が指標となる。本発明では、粘弾性測定器を用い、40mmのパラレルプレートを用い、0.5Hzにて、50℃における溶融粘度測定をしたときの粘度が10000Pa・sを超える場合に流動性を有しておらず、50℃で固形状とする。
なお、50℃で固形状であるためには、融点または軟化点は50℃よりも高いことが好ましい。
ポリカルボジイミド化合物(B−1)としては、脂肪族系ポリカルボジイミド、芳香族系ポリカルボジイミドが挙げられる。脂肪族系ポリカルボジイミドとは、一般式 −N=C=N−R1 − (式中、R1 はシクロヘキシレンなどの脂環式化合物の2価の有機基、またはメチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレンなどの脂肪族化合物の2価の有機基、キシリレンなどの窒素原子と結合した炭素原子が不飽和結合を有さない2価の有機基を示す)で表される繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。芳香族系ポリカルボジイミドとは、一般式 −N=C=N−R2 − (式中、R2 はベンゼン、トルエン、キシレン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンなどの環状不飽和化合物の2価の有機基を示す)で表される繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上含有するホモポリマーまたはコポリマーである。
脂肪族系ポリカルボジイミドと芳香族系ポリカルボジイミドは構造が類似しているが、一般式−N=C=N−で表されるカルボジイミド基の反応性が大きく異なる。カルボジイミド基周辺の置換基による立体障害の効果もあるため一概には言えないが、一般には、共鳴安定化効果があるため、芳香族系ポリカルボジイミドは脂肪族系ポリカルボジイミドよりも反応性に劣ることが知られている。熱可塑性樹脂(C)との反応性の観点からは、脂肪族系ポリカルボジイミドが好ましく用いられる。一方で、成分(B)の溶融安定性の観点からは、芳香族系ポリカルボジイミドが好ましく用いられる。もちろん、成分(B)として、脂肪族系ポリカルボジイミドと芳香族系ポリカルボジイミドを混合して用いることもできる。その場合、混合比は熱可塑性樹脂(C)との反応性と、成分(B)の溶融安定性のバランスをとって、適宜選択することができる。
成分(B)には、50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)を含む必要がある。50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物を含まなかった場合、成形材料の耐ブロッキング性が低下することがあり、成形材料の取り扱い性の観点から好ましくない。
ポリカルボジイミド化合物の代わりに、カルボジイミド基を分子内に1つのみ有するモノカルボジイミド化合物、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどを用いた場合には、高い力学特性を発現する成形材料が得られないことがある。
ポリカルボジイミド化合物の合成法は特に限定されるものではないが、例えば有機ポリイソシアナートを、イソシアナート基のカルボジイミド化反応を促進する触媒(以下「カルボジイミド化触媒」ともいう)の存在下で反応させることにより、ポリカルボジイミド化合物を合成することができる。
このポリカルボジイミド化合物の合成に用いられる有機ポリイソシアナートとしては、有機ジイソシアナートが好ましい。このような有機ジイソシアナートとしては、例えば、シクロブチレン−1,3−ジイソシアナート、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキシレン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアナート、1−メチルシクロヘキシレン−2,4−ジイソシアナート、1−メチルシクロヘキシレン−2,6−ジイソシアナート、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,3−ビス(メチルイソシアナート)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチルイソシアナート)、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアナート、ドデカメチレン−1,12−ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステルなどや、これらの有機ジイソシアナートの化学量論的過剰量と2官能性活性水素含有化合物との反応により得られる両末端イソシアナートプレポリマーなどを挙げることができる。これらの有機ジイソシアナートは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
また、場合により有機ジイソシアナートとともに使用される他の有機ポリイソシアナートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,3,5−トリイソシアナート、シクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアナート)、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアナート)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアナート)、ジシクロヘキシルメタン−2,4,2′−トリイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−2,4,4′−トリイソシアナートなどの3官能以上の有機ポリイソシアナートや、これらの3官能以上の有機ポリイソシアナートの化学量論的過剰量と2官能以上の多官能性活性水素含有化合物との反応により得られる末端イソシアナートプレポリマーなどを挙げることができる。
前記他の有機ポリイソシアナートは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもでき、その使用量は、有機ジイソシアナート100質量部あたり、好ましくは0〜40質量部であり、より好ましくは0〜20質量部である。
さらに、ポリカルボジイミド化合物の合成に際しては、必要に応じて有機モノイソシアナートを添加することにより、得られる脂肪族カルボジイミド化合物の分子量を適切に制御することができる。
このような有機モノイソシアナートとしては、例えばメチルイソシアナート、エチルイソシアナート、n−プロピルイソシアナート、n−ブチルイソシアナート、ラウリルイソシアナート、ステアリルイソシアナートなどのアルキルモノイソシアナート類、シクロヘキシルイソシアナート、4−メチルシクロヘキシルイソシアナート、2,5−ジメチルシクロヘキシルイソシアナートなどのシクロアルキルモノイソシアナート類を挙げることができる。
これらの有機モノイソシアナートは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもでき、その使用量は、ポリカルボジイミド化合物の所望の分子量などにより変わるが、有機ポリイソシアナート成分100質量部あたり、好ましくは0〜40質量部であり、より好ましくは0〜20質量部である。
また、カルボジイミド化触媒としては、例えば1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−メチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィドや、これらの3−ホスホレン異性体などのホスホレン化合物、ペンタカルボニル鉄、ノナカルボニル二鉄、テトラカルボニルニッケル、ヘキサカルボニルタングステン、ヘキサカルボニルクロムなどの金属カルボニル錯体、ベリリウム、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、鉄などの金属のアセチルアセトン錯体、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリ−t−ブチルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステルなどを挙げることができる。
前記カルボジイミド化触媒は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。この触媒の使用量は、有機ポリイソシアナート成分100質量部あたり、好ましくは、0.001〜30質量部であり、より好ましくは0.01〜10質量部である。
ポリカルボジイミド化合物の合成反応の温度は、有機ポリイソシアナートや有機モノイソシアナート、カルボジイミド化触媒の種類に応じて適宜選定されるが、通常、20〜200℃である。ポリカルボジイミド化合物の合成反応に際して、有機ポリイソシアナートおよび有機モノイソシアナート成分は、反応前に全量添加しても、あるいはその一部または全部を反応中に、連続的あるいは段階的に添加してもよい。
また、イソシアナート基と反応し得る化合物を、ポリカルボジイミド化合物の合成反応の初期から後期に至る適宜の反応段階で添加して、ポリカルボジイミド化合物の末端イソシアナート基を封止し、得られる脂肪族カルボジイミド化合物の分子量を調節することもでき、また脂肪族カルボジイミド化合物の合成反応の後期に添加して、得られるポリカルボジイミド化合物の分子量を所定値に規制することもできる。このようなイソシアナート基と反応し得る化合物としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、ポリエチレングリコールなどのアルコール類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ベンジルアミンなどのアミン類を挙げることができる。
また、50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)に関し、芳香族系ポリカルボジイミドとしては、ラインケミー社製“スタバクゾール(登録商標)”Pやラインケミー社製“スタバクゾール(登録商標)”P400などがあり、脂肪族系ポリカルボジイミドとしては、日清紡ケミカル社製“カルボジライト(登録商標)”HMV−15CA、HMV−8CA 、LA−1 、10M−SPなどがある。
成分(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で、50℃で液状のポリカルボジイミド化合物(B−1)以外の添加剤を含むことができる。添加剤の例としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、粘度調整剤、あるいは、カップリング剤が挙げられる。
特に、成分(B)を強化繊維(A)に含浸させる工程において、溶融粘度を調整する観点から、粘度調整剤を添加することは好ましい。
粘度調整剤としては、特に限定されないが、50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)と相溶性が良好で、反応性が比較的低い、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。また、カルボジイミド基の自己反応温度以下で成分(B)を塗布する場合は、相溶性が良好であるため、50℃で液状のポリカルボジイミド化合物を用いても良い。
ここでいう、エポキシ樹脂とは、グリシジル基を有する化合物である。また、ここでいうエポキシ樹脂には、実質的に硬化剤が含まれておらず、加熱しても、いわゆる三次元架橋による硬化をしないものをいう。
ここで、グリシジル基を有する化合物としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、アミノフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、3,4エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレートなどが挙げられる。
また、50℃で液状のポリカルボジイミド化合物としては、日清紡ケミカル社製“カルボジライト(登録商標)”V−02B、V−04B 、V−05 、“エラストスタブ(登録商標)”H01などがある。
成分(B)に50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)以外の添加剤を含む場合、成分(B)のうち、成分(B−1)は20〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜100質量%であり、さらに好ましくは50〜100質量%である。すなわち、成分(B−1)の量が20質量%以上である場合、成形材料の耐ブロッキング性に優れ、高い力学特性を有する成形品が得られるため、好ましい。
また、成分(B)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計を100質量部として、1〜20質量部であることが必要である。好ましくは、2〜15質量部であり、より好ましくは、4〜12質量部である。成分(B)をこの範囲内で用いることにより、成形加工の際に、成分(A)の流動性が良好で、高い力学特性を有する成形品が得られるため、好ましい。
また、成分(A)と成分(B)が、成分(A)/成分(B)=5/1〜3/1(質量比)の範囲内であることが、効率よく繊維分散性を向上でき、高い力学特性を有する成形品が得られるため、好ましい。
熱可塑性樹脂(C)は、極性を高めて強化繊維(A)や成分(B)との親和性を大きくする観点から、主鎖の繰返し単位構造中に炭素以外の元素を含むことが必要であり、強化繊維との界面接着性や繊維強化複合材料の成形性の観点から、より具体的にはポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂(C)は、強化繊維(A)や成分(B)との接着性の観点からカルボキシル基、水酸基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を分子中に少なくとも1個有することが好ましい。
熱可塑性樹脂(C)は、その質量平均分子量が、好ましくは10,000〜80,000であり、より好ましくは10,000〜60,000であり、さらに好ましくは10,000〜40,000である。質量平均分子量の小さい熱可塑性樹脂(C)ほど溶融粘度が低く、得られる繊維強化複合材料が成形加工性に優れる為好ましい。
また、本発明の成形材料は、質量平均分子量の小さい熱可塑性樹脂(C)ほど、得られる繊維強化複合材料の曲げ強度といった力学特性が向上する傾向がある。この理由は、成形材料の成形工程において、熱可塑性樹脂(C)が有する官能基がポリカルボジイミド化合物の官能基と化学反応しており、質量平均分子量の小さい熱可塑性樹脂(C)ほど末端に存在する官能基が相対的に増加し、ポリカルボジイミド化合物との反応点が増加するためであると推測している。こうした理由から、本発明の成形材料において、熱可塑性樹脂(C)の質量平均分子量を10,000〜40,000の範囲とすることが、得られる繊維強化複合材料の力学特性を高レベルで達成でき、成型加工性と両立できる為とりわけ好ましい。
なお、熱可塑性樹脂(C)の質量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定することができる。SECでは、ポリスチレン換算の質量平均分子量を算出することで求めることができる。
ここで、成分(C)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計を100質量部として、30〜94質量部であることが必要である。好ましくは、45〜88質量部であり、より好ましくは、55〜83質量部である。この範囲内で用いることで、力学特性に優れる成形品を得ることができる。
ここで、本発明の成形材料は、成分(A)に成分(B)が含浸された複合繊維束(D)が成分(C)で被覆された複合体である必要がある。
ここで、複合繊維束(D)の製造工程は、成分(A)に成分(B)を供給し、成分(A)に30〜300℃の溶融状態で成分(B)を接触させる工程(I)と、成分(B)と接触している成分(A)を加熱して成分(B)の供給量の80〜100質量%を成分(A)に含浸させる工程(II)を有する。かかる複合繊維束(D)の製造工程を含むことで本発明の成形材料を効率よく製造することができる。
工程(I)としては、公知の製造方法を用いることができ、中でも、ディッピング、もしくは、コーティングが好ましく、具体的なコーティングとしては、リバースロール、正回転ロール、キスロール、スプレイ、カーテンが好ましく用いられる。
ここで、ディッピングとは、ポンプにて成分(B)を溶融バスに供給し、該溶融バス内で成分(A)を通過させる方法をいう。成分(A)を成分(B)の溶融バスに浸すことで、確実に成分(B)を成分(A)に付着させることができる。また、リバースロール、正回転ロール、キスロールとは、ポンプで溶融させた成分(B)をロールに供給し、成分(A)に成分(B)の溶融物を塗布する方法をいう。さらに、リバースロールは、2本のロールが互いに逆方向に回転し、ロール上に溶融した成分(B)を塗布する方法であり、正回転ロールは、2本のロールが同じ方向に回転し、ロール上に溶融した成分(B)を塗布する方法である。通常、リバースロール、正回転ロールでは、成分(A)を挟み、さらにロールを設置し、成分(B)を確実に付着させる方法が用いられる。一方で、キスロールは、成分(A)とロールが接触しているだけで、成分(B)を付着させる方法である。そのため、キスロールは比較的粘度の低い場合の使用が好ましいが、いずれのロールの方法を用いても、加熱溶融した成分(B)の所定量を塗布させ、成分(A)を接触させながら走らせることで、繊維束の単位長さ当たりに所定量の成分(B)を付着させることができる。スプレイは、霧吹きの原理を利用したもので、溶融した成分(B)を霧状にして成分(A)に吹き付ける方法であり、カーテンは、溶融した成分(B)を小孔から自然落下させ塗布する方法、または溶融槽からオーバーフローさせ塗布する方法である。塗布に必要な量を調節しやすいため、成分(B)の損失を少なくできる。
また、成分(B)を供給する際の溶融温度としては100〜300℃が好ましい。100℃未満では、成分(B)の粘度が高くなり、供給する際に、付着むらが発生することがある。また、300℃を越えると、長時間にわたり製造した場合に、成分(B)が熱分解する可能性がある。
次いで、工程(II)として、工程(I)で得られた、成分(B)と接触した状態の成分(A)を、加熱して成分(B)の供給量の80〜100質量%を成分(A)に含浸させる。具体的には、成分(B)と接触した状態の成分(A)に対して、成分(B)が溶融する温度において、ロールやバーで張力をかける、拡幅、集束を繰り返す、圧力や振動を加えるなどの操作で成分(B)を成分(A)の内部まで含浸するようにする工程である。より具体的な例として、加熱された複数のロールやバーの表面に繊維束を接触するように通して拡幅などを行う方法を挙げることができ、中でも、絞り口金、絞りロール、ロールプレス、ダブルベルトプレスを用いて含浸させる方法が好適に用いられる。ここで、絞り口金とは、進行方向に向かって、口金径の狭まる口金のことであり、強化繊維束を集束させながら、余分に付着した成分(B)を掻き取ると同時に、含浸を促す口金である。また、絞りロールとは、ローラーで強化繊維束に張力をかけることで、余分に付着した成分(B)を掻き取ると同時に、含浸を促すローラーのことである。また、ロールプレスは、2つのロール間の圧力で連続的に強化繊維束内部の空気を除去するのと同時に、含浸を促す装置であり、ダブルベルトプレスとは、強化繊維束の上下からベルトを介してプレスすることで、含浸を促す装置である。
また、工程(II)において、成分(B)の供給量の80〜100質量%が成分(A)に含浸されていることが好ましい。収率に直接影響するため、経済性、生産性の観点から高いほど好ましい。より好ましくは、85〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%である。また、80質量%未満では、経済性の観点からだけでなく、成分(B)が工程(II)において、揮発成分を発生させている可能性があり、成分(A)内部にボイドが残存する場合がある。
成分(B)の最高温度が150〜400℃であることが好ましい。好ましくは150〜350℃であり、より好ましくは150℃〜300℃である。150℃未満では、成分(B)を十分に溶融できず、含浸不足の強化繊維束になる可能性があり、400℃を越えると、成分(B)の架橋反応や分解反応を起こすなどの好ましくない副反応が生じる場合がある。
工程(II)における加熱方法としては、特に限定しないが、具体的には、加熱したチャンバーを用いる方法や、ホットローラーを用いて加熱と加圧を同時に行う方法が例示できる。
また、成分(B)の架橋反応や分解反応などの好ましくない副反応の発生を抑制する観点から、非酸化性雰囲気下で加熱することが好ましい。ここで、非酸化性雰囲気とは酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を含有しない雰囲気、すなわち、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱いの容易さの面から、窒素雰囲気が好ましい。
また、複合繊維束(D)の引取速度は、工程速度に直接影響するため、経済性、生産性の観点から高いほど好ましい。具体的には、引取速度としては、10〜100m/分が好ましい。より好ましくは、20〜100m/分であり、さらに好ましくは30〜100m/分である。引取方法としては、ニップローラーで引き出す方法や、ドラムワインダーで巻き取る方法や、直接ストランドカッターなどで、一定長に切断しながら複合繊維束(D)を引き取る方法が挙げられる。
図1は、本発明における複合繊維束(D)の横断面形態の一例を示す概略図である。なお、本発明において、横断面とは、軸心方向に直交する面での断面を意味する。工程(I)、(II)から得られる複合繊維束(D)は、成分(A)に成分(B)を塗布、含浸せしめて形成されている。この複合繊維束(D)の形態は図1に示すようなものであり、成分(A)の各単繊維間に成分(B)が満たされている。すなわち、成分(B)の海に、成分(A)の各単繊維が島のように分散している状態である。
成分(B)が成分(A)に良好に含浸した複合繊維束(D)とすることで、例えば、熱可塑性樹脂(C)と共に射出成形すると、射出成形機のシリンダー内で溶融混練された、成分(B)が、成分(C)に拡散し、成分(A)が成分(C)に分散することを助け、同時に成分(C)が成分(A)に置換、含浸することを助ける、いわゆる含浸助剤・分散助剤としての役割を持つ。
また、複合繊維束(D)においては、成分(A)が成分(B)によって完全に含浸されていることが望ましいが、現実的にそれは困難であり、複合繊維束(D)にはある程度の空隙(成分(A)も成分(B)も存在しない部分)が存在する。特に成分(A)の含有率が大きい場合には空隙が多くなるが、ある程度の空隙が存在する場合でも含浸・繊維分散促進の効果は示される。ただし空隙率が40%を超えると顕著に含浸・繊維分散促進の効果が小さくなるので、空隙率は40%未満が好ましい。より好ましい空隙率の範囲は20%以下である。空隙率は、複合繊維束(D)をASTM D2734(1997)試験法により測定するか、または複合繊維束(D)または複合体の横断面において、成分(A)と成分(B)により形成される複合部の全面積と空隙部の全面積とから次式を用いて算出することができる。
空隙率(%)=空隙部の全面積/(複合部の全面積+空隙部の全面積)×100。
本発明の成形材料は、上記のようにして得られた複合繊維束(D)が成分(C)で被覆されて複合体として形成されている。なお、本発明において、成形材料とは、成形品を射出成形などで成形する際に用いる原材料を意味する。
複合繊維束(D)を成分(C)で被覆する方法は特に限定されないが、具体的には、押出機と電線被覆法用のコーティングダイを用いて、連続的に複合繊維束(D)の周囲に成分(C)を被覆する方法や、ロールなどで扁平化した複合繊維束(D)の両面から押出機とTダイを用いて溶融したフィルム状の成分(C)を配置し、ロールなどで一体化させる方法を挙げることができる。
図2は、本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。なお、本発明において、縦断面とは、軸心方向を含む面での断面を意味する。本発明の成形材料の一例は、図2に示すように、成分(A)が成形材料の軸心方向にほぼ平行に配列され、かつ成分(A)の長さは成形材料の長さと実質的に同じ長さである。
ここで言う、「ほぼ平行に配列されて」いるとは、成分(A)の長軸の軸線と、成形材料の長軸の軸線とが、同方向を指向している状態を示し、軸線同士の角度のずれが、好ましくは20°以下であり、より好ましくは10°以下であり、さらに好ましくは5°以下である。また、「実質的に同じ長さ」とは、例えばペレット状の成形材料において、ペレット内部の途中で成分(A)が切断されていたり、ペレット全長よりも有意に短い成分(A)が実質的に含まれたりしないことである。特に、そのペレット全長よりも短い成分(A)の量について規定されているわけではないが、ペレット全長の50%以下の長さの成分(A)の含有量が30質量%以下である場合には、ペレット全長よりも有意に短い成分(A)が実質的に含まれていないと評価する。さらに、ペレット全長の50%以下の長さの成分(A)の含有量は20質量%以下であることが好ましい。なお、ペレット全長とはペレット中の成分(A)配向方向の長さである。成分(A)が成形材料と同等の長さを持つことで、成形品中の強化繊維長を長くすることが出来るため、優れた力学特性を得ることができる。
図3〜5はそれぞれ、本発明の成形材料の縦断面形態の一例を模式的に表したものであり、図6〜9はそれぞれ、本発明の成形材料の横断面形態の一例を模式的に表したものである。
成形材料の断面形態は、成分(A)と成分(B)からなる複合繊維束(D)が成分(C)で被覆されていれば図に示されたものに限定されないが、好ましくは図3〜5に示されるように、複合繊維束(D)が芯材となり成分(C)で層状に挟まれて配置されている構成が好ましい。
また図6〜8に示されるように、複合繊維束を芯構造として、その周囲を成分(C)で被覆されるような芯鞘構造に配置されている構成が好ましい。また、図9に示されるような複数の複合繊維束が成分(C)で被覆される場合、複合繊維束(D)の数は2〜6程度が望ましい。
複合繊維束(D)と成分(C)の境界は接着され、境界付近で部分的に成分(C)が複合繊維束(D)の一部に入り込み、複合繊維束(D)を構成する成分(B)と相溶しているような状態、あるいは強化繊維(A)に含浸しているような状態になっていてもよい。
本発明の成形材料は、1〜50mmの範囲の長さであるのが好ましく、そのため、前記した製造方法では、複合繊維束(D)に、成分(C)を接触させて複合体を得た後に、1〜50mmの長さに切断する工程を含むことが好ましい。この長さに調製することにより、成形時の流動性、取扱性を十分に高めることができる。このように適切な長さに切断されてなる成形材料としてとりわけ好ましい態様は、射出成形用の長繊維ペレットが例示できる。
本発明で得られる成形材料を用いた成形方法としては、特に限定しないが、射出成形、オートクレーブ成形、プレス成形、スタンピング成形などの生産性に優れた成形方法に適用でき、これらを組み合わせて用いることもできる。また、インサート成形、アウトサート成形などの一体化成形も容易に実施できる。さらに、成形後にも加熱による矯正処置や、熱溶着、振動溶着、超音波溶着などの生産性に優れた接着工法を活用することもできる。
本発明の成形材料を成形して得られる成形品は、次のような用途に好適に使用される。
上記成形品は、電子機器筐体として好適であり、コンピューター(パーソナルコンピューターを含む)、携帯電話、テレビ、カメラ、オーディオプレイヤーなどの筐体に好適に使用され、また、パーソナルコンピューターの内部でキーボードを支持する部材であるキーボード支持体に代表されるような電気・電子機器用部材にも好適に使用される。特に、強化繊維として、導電性を有する炭素繊維束を使用した場合、このような電気・電子機器用部材では、電磁波シールド性が付与されるためより好ましく使用される。
上記成形品は、電気電子部品用途に好適であり、コネクター、LEDランプ、ソケット、光ピックアップ、端子板、プリント基板、スピーカー、小型モーター、磁気ヘッド、パワーモジュール、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーターなどに好適に使用される。
上記成形品は、家庭・事務電気製品部品に好適であり、電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、電子レンジ、音響機器、トイレタリー用品、“レーザーディスク(登録商標)”、冷蔵庫、エアコンなどに好適に使用される。
上記成形品は、自動車用部品や車両関連部品、部材および外板に好適であり、安全ベルト部品、インストルメントパネル、コンソールボックス、ピラー、ルーフレール、フェンダー、バンパー、ドアパネル、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、ガーニッシュ、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、ウィンドウォッシャーノズル、ワイパー、バッテリー周辺部品、ワイヤーハーネスコネクター、ランプハウジング、ランプリフレクター、ランプソケット、ドアビーム、アンダーカバー、ペダルハウジング、ラジエータサポート、スペアタイヤカバー、フロントエンド、シリンダーヘッドカバー、ベアリングリテーナ、ペダルなどに好適に使用される。
上記成形品は、航空機関連部品、部材および外板に好適であり、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリング、リブなどに好適に使用される。
上記成形品は、建材として好適であり、土木建築物の壁、屋根、天井材関連部品、窓材関連部品、断熱材関連部品、床材関連部品、免震制振部材関連部品、ライフライン関連部品などに好適に使用される。
上記成形品は、工具類として好適であり、モンキー、レンチなどに好適に使用される。
上記成形品は、スポーツ用品として好適であり、ゴルフクラブのシャフト、ゴルフボールなどのゴルフ関連用品、テニスラケットやバトミントンラケットなどのスポーツラケット関連用品、アメリカンフットボールや野球、ソフトボールなどのマスク、ヘルメット、胸当て、肘当て、膝当てなどのスポーツ用身体保護用品、釣り竿、リール、ルアーなどの釣り具関連用品、スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツ関連用品などに好適に使用される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
まず、本実施例で用いる各種特性の測定方法について説明する。
(1)成形材料の耐ブロッキング性の測定
図10(a)に示す内径が60mmのメスシリンダー5を用いて成形材料を300cc計量し、成形材料の質量(M1)も合わせて測定した。測定後、図10(b)に示すように蓋7をして1kgのおもり8を乗せ、5分間荷重を負荷した状態とした。その後、図10(c)および図10(d)に示すようにメスシリンダーを反転させ、30秒ほど放置した。このとき、メスシリンダーに残存した成形材料の質量(M2)を測定した。これらの質量と次式(1)より、成形材料の耐ブロッキング性を測定した。
耐ブロッキング性の判定は以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:100%
B:90%以上100%未満
C:70%以上90%未満
D:70%未満。
(2)成形材料を用いて得られた成形品の曲げ試験
ASTM D790(1997)に準拠し、3点曲げ試験冶具(圧子10mm、支点10mm)を用いて支持スパンを100mmに設定し、クロスヘッド速度5.3mm/分の試験条件にて曲げ強度を測定した。試験機として、“インストロン(登録商標)”万能試験機4201型(インストロン社製)を用いた。
曲げ強度の判定は以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:300MPa以上
B:270MPa以上300MPa未満
C:240MPa以上270MPa未満
D:240MPa未満。
続いて、本実施例で用いる材料について説明する。
実施例および比較例に用いた強化繊維(A)は、以下の通りである。
(強化繊維−1)ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体を用いて、紡糸、焼成処理、および表面酸化処理を行うことによって、総単糸数12,000本の連続した炭素繊維ストランドを得た。この炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
引張強度:4,900MPa
引張弾性率:240GPa
引張伸度:2%
比重:1.8
単糸直径:7μm
表面酸素濃度比[O/C]:0.12
ここで、表面酸素濃度比は、表面酸化処理を行ったあとの炭素繊維を用いて、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
実施例および比較例に用いたサイジング剤(s)は、以下の通りである。
(s)−1 グリセロールトリグリシジルエーテル(和光純薬工業社製)
質量平均分子量:260
1分子当たりのエポキシ基数:3
質量平均分子量を1分子当たりのカルボキシル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、水酸基の総数で除した値:87
(s)−2 ビスフェノールAジグリシジルエーテル(SIGMA−ALDRICH社製)
質量平均分子量:340
1分子当たりのエポキシ基数:2
質量平均分子量を1分子当たりのカルボキシル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、水酸基の総数で除した値:170
(s)−3 (3−グリシジルオキシプロピル)トリエトキシシラン(SIGMA−ALDRICH社製)
質量平均分子量:278
1分子当たりのエポキシ基数:1
質量平均分子量を1分子当たりのカルボキシル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、水酸基の総数で除した値:278
(s)−4 N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬工業社製)(カルボジイミド基当量206、質量平均分子量206)。
実施例および比較例に用いた成分(B)を構成する成分は、以下の通りである。なお、50℃の粘度は測定方法(1)に従い測定し、軟化温度はカタログ記載の値を示した。
(B−1)50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物
(B−1)−1 脂肪族系ポリカルボジイミド“カルボジライト(登録商標)” HMV−15CA(日清紡ケミカル社製)(50℃で固形、軟化温度70℃)
(B−1)−2 芳香族系ポリカルボジイミド “スタバクゾール(登録商標)”P(ラインケミー社製)(50℃で固形、軟化温度60℃〜90℃)
(B−2)成分(B)を構成するその他の成分
(B−2)−1 脂肪族系ポリカルボジイミド“カルボジライト(登録商標)”V−04K(日清紡ケミカル社製)(50℃の粘度0.68Pa・s)
(B−2)−2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂“jER(登録商標)” 828(三菱化学(株)製)(50℃の粘度0.69Pa・s)
(B−2)−3 N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬工業社製)(50℃の粘度0.02Pa・s)((s)−4と同じ化合物)
実施例および比較例に用いた(C)成分は、以下の通りである。
(C)−1 融点285℃、質量平均分子量30,000、酸末端品、クロロホルム抽出量0.5質量%のポリフェニレンスルフィド
(C)−2 ポリカーボネート“ユーピロン(登録商標)”H−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)(ガラス転移温度145℃、質量平均分子量34,500)。
(参考例1)強化繊維へのサイジング剤の付与方法
強化繊維(A)の繊維束を連続的に引き取り、サイジング剤(s)を1質量%含む水系のサイジング母液に浸漬し、次いで230℃で加熱乾燥することで、サイジング剤(s)が付着した強化繊維(A)を得た。乾燥後のサイジング剤(s)−1の付着量は、強化繊維(A)100質量部に対して0.5質量部に調整した。
(参考例2)複合繊維束(D)の製造方法
塗布温度に加熱されたロール上に、被含浸剤(成分(B))を加熱溶融した液体の被膜を形成させた。ロール上に一定した厚みの被膜を形成するためリバースロールを用いた。このロール上を連続した成分(A)を接触させながら通過させて被含浸剤を付着させた。次に、含浸温度に加熱されたチャンバー内にて、5組の直径50mmのロールプレス間を通過させた。この操作により、被含浸剤を繊維束の内部まで含浸させ、所定の配合量とした複合繊維束(D)を形成した。なお、複合繊維束(D)製造時の引取速度は、30m/分とした。
(参考例3)成形材料の製造方法
参考例2で得られた複合繊維束(D)を、日本製鋼所(株)TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=32)の先端に設置された電線被覆法用のコーティングダイ中に通し、押出機からダイ内に溶融させた成分(C)を吐出させて、複合繊維束(D)の周囲を被覆するように連続的に配置した。この際、所望の強化繊維含有率になるように、複合繊維束(D)と成分(C)量を調整した。得られた連続状の成形材料を冷却後、カッターで切断して7mmの長繊維ペレット状の成形材料とした。なお、成形材料製造時の引取速度は、30m/分とした。
(参考例4)成形品の成形方法
得られた成形材料を140℃、5時間以上真空下で乾燥させた。乾燥させて得られた成形材料を、日本製鋼所(株)製J150EII−P型射出成形機を用いて、各試験片用の金型を用いて成形を行った。射出成形条件は、成分(C)がポリフェニレンスルフィドの場合はシリンダー温度:320℃、金型温度:150℃で行い、成分(C)がポリカーボネートの場合はシリンダー温度:300℃、金型温度:120℃で行った。また、射出成形の際の最大圧力を射出成形圧とした。120℃で3時間アニール処理した後に、デシケーター中で室温、3時間保管した乾燥状態の試験片について評価を行った。
(実施例1〜14、比較例1〜3および比較例5)
表1および表2に記載の組成について、表中に示す諸条件にて、参考例1〜3に従い、長繊維ペレットを作製し、参考例4に従い特性評価用試験片(成形品)を射出成形した。なお、いずれの実施例・比較例においても、参考例2の工程と参考例3の工程は連続してオンラインで行った。なお、実施例10〜12は実験例10〜12と読み替える。

評価結果を、まとめて表1および表2に示した。
(比較例4)
表2記載の組成について、表中に示す諸条件にて、参考例1に従いサイジング剤を付着させた強化繊維(A)を、成分(B)を使用せず、そのまま参考例3の複合繊維束(D)の代わりに用い、長繊維ペレットの作製を試みた。成分(C)の強化繊維束への含浸性が悪く、ペレタイズ時に毛羽が大量に発生し、成形材料を得ることができなかった。
以上のように、実施例1〜14においては、耐ブロッキング性が良好であり、取り扱い性に優れた成形材料が得られた。また、得られた成形材料を成形した成形品は、高い曲げ強度を示し、優れた力学特性を有した。
一方比較例1〜5においては、成形材料が製造できないか、もしくは製造できた場合も、実施例1〜14と比較し成形材料の耐ブロッキング性もしくは成形品の曲げ強度が低く、取り扱い性と良好な力学特性を両立できる成形材料は得られなかった。
本発明の成形材料は、強化繊維に50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物を含む成分が含浸された複合繊維束が主鎖の繰返し単位構造中に炭素以外の元素を含む熱可塑性樹脂により被覆されることにより、成形材料の耐ブロッキング性に優れ、取り扱い性に優れるものである。また、本発明の成形材料は、成形加工性に優れ、力学特性、特に曲げ強度に優れた成形品を得ることが可能であり、種々の用途に展開できる。特に自動車部品、電気・電子部品、家庭・事務電気製品部品に好適である。
1 強化繊維の単繊維
2 成分(B)
3 複合繊維束(D)
4 熱可塑性樹脂(C)
5 メスシリンダー
6 成形材料
7 蓋
8 おもり

Claims (9)

  1. 成分(A)〜(C)の合計を100質量部として、
    サイジング剤(s)が付着された強化繊維(A)5〜50質量部、
    50℃で固形状のポリカルボジイミド化合物(B−1)を含む成分(B)1〜20質量部、
    主鎖の繰返し単位構造中に炭素以外の元素を含む熱可塑性樹脂(C)30〜94質量部
    からなる成形材料であり、
    成分(B)のうち、成分(B−1)を00質量%含み、
    成分(C)がポリカーボネート、フェニレンスルフィドらなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、
    成分(A)に成分(B)が含浸された複合繊維束(D)が成分(C)で被覆された複合体である成形材料。
  2. 長さが1〜50mmである、請求項1に記載の成形材料。
  3. 成分(A)と成分(B)が、成分(A)/成分(B)=5/1〜3/1(質量比)の範囲内である、請求項1または2に記載の成形材料。
  4. 成分(C)がカルボキシル基、水酸基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を分子中に少なくとも1個有する熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の成形材料。
  5. 成分(A)に付着したサイジング剤(s)が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を1分子内に2個以上有する化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の成形材料。
  6. 成分(A)が炭素繊維である、請求項1〜5のいずれかに記載の成形材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の成形材料の製造方法において、成分(A)に、100〜300℃の溶融状態で成分(B)を接触させ、さらに加熱して成分(B)供給量の80〜100質量%を成分(A)に含浸させた複合繊維束(D)に、成分(C)を接触させて複合体を得る工程を含む、成形材料の製造方法。
  8. 複合繊維束(D)に、成分(C)を接触させて複合体を得た後に、1〜50mmの長さに切断する工程を含む、請求項7に記載の成形材料の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の成形材料、または請求項7または8に記載の方法で得られた成形材料が成形されてなる成形品。
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