JP6467854B2 - 把持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、把持部の開閉によって把持対象物を把持することができる把持装置に関する。
例えば産業用ロボットの手先部分に取り付けられる装置として、いわゆるチャックと称される把持装置がある。把持装置は、開閉可能な把持部を備え、この把持部が閉じることで、把持対象物を把持することができる。このような把持装置では、把持部を動作させる駆動部として、例えばエアシリンダやソレノイドなどがよく用いられる。エアシリンダやソレノイドは、二つの移動端の間において直線往復運動が可能な駆動軸などの可動部を備えている。そして、可動部の直線方向への移動が、把持部の開閉方向への移動に変換されて把持部に伝わることで、把持部が開閉される。
このような把持装置では、把持部に発生する把持力と把持部の開閉量とは、相関を有している。すなわち、把持部に発生する把持力は、可動部の移動量に対する把持部の開閉量に比例する。この場合、可動部の移動距離に対して把持部の開閉距離を短く設定すると、把持部に発生する把持力が大きくなる。一方、可動部の移動距離に対して把持部の開閉距離を長く設定すると、把持部に発生する把持力が小さくなる。したがって、把持力を優先して大きく設定する場合は、把持部の開閉量が小さくなり、逆に把持部の開閉量を優先して大きく設定する場合は、把持部に発生する把持力が小さくなる。
このように、従来の把持装置では、把持力と開閉量とのいずれか一方を優先する場合、他方を犠牲にしなければならないため、把持部の把持力と開閉量とのバランスを取ることが難しい。また、把持部の把持力と開閉量との両方を大きく設定しようとすると、可動部の移動距離を長くする必要がある。その結果、駆動部の大型化や省エネ性能の低下に繋がる。
特開2011−79070号公報
そこで、直線方向への移動を開閉方向への移動に変換して把持部を開閉させる把持装置において、駆動部の大型化や省エネ性能の低下を抑制しつつ、把持部の開閉量及び把持力の両方を確保することができる持装置を提供する。
請求項1の把持装置は、駆動部と、把持部と、伝達機構と、を備える。駆動部は、二つの移動端の間で直線往復運動が可能な可動部を有している。把持部は、可動部の移動に伴って可動部の移動方向と異なる方向へ開閉され、閉状態で把持対象物を把持することができる。伝達機構は、可動部の移動を、可動部の移動方向と異なる方向に変換して把持部に伝える。伝達機構は、案内溝部と、案内部と、を有する。案内溝部は、把持部にあって可動部の移動方向及び把持部の移動方向のいずれに対しても傾斜するようにして延びる溝形状に形成されている。
案内部は、可動部から突出して設けられ案内溝部に挿入されて、案内溝部に沿って摺動することで移動部の移動を把持部に伝える。案内溝部は、可動部の移動方向に対する角度が相互に異なる第1領域及び第2領域を有している。案内部が第1領域の端部側へ移動すると把持部が開状態になり、案内部が第2領域の端部側へ移動すると前記把持部が閉状態になる。可動部の移動方向と第1領域が延びる方向との成す角度は、可動部の移動方向と第2領域が延びる方向との成す角度よりも大きい。
これによれば、可動部の移動による力は、案内部が案内溝部を摺動することで把持部が開閉する方向へ変換されて、把持部に伝達される。ここで、案内溝部が延びる方向と可動部の移動方向との成す角度が小さくなるにつれて、案内部が摺動溝部を介して把持部に伝える力のうち把持部の閉方向へ向う力は大きくなるが、一方で案内部の移動に対する把持部の開閉量は小さくなる。
そこで、案内溝部は、可動部の移動方向に対する角度が相互に異なる第1領域及び第2領域を有している。可動部の移動方向と第1領域が延びる方向との成す角度は、可動部の移動方向と第2領域が延びる方向との成す角度よりも大きい。すなわち、移動部の移動に対する把持部の開閉量は、案内部が第2領域を摺動する場合に比べて、案内部が第1領域を摺動している場合の方が大きい。そのため、把持装置は、第1領域において把持部の開閉量を大きく確保することができる。この場合、案内部が第1領域にあるときには把持部は開状態であるため、把持部はワークを把持していない。そのため、第1領域において把持力が弱くなることは余り問題とならない。
また、把持部に生じる把持力は、可動部の移動による力を、案内溝部の傾斜に対して把持部の閉方向へ分解した分力となる。そのため、可動部の移動方向と案内溝部とのなす角度が小さくなるほど、把持力は大きくなる。そして、本把持装置において、可動部の移動方向と第2領域が延びる方向との成す角度は、可動部の移動方向と第1領域が延びる方向との成す角度よりも小さい。したがって、把持部の把持力は、案内部が第1領域を摺動する場合に比べて、案内部が第2領域を摺動している場合の方が大きい。そのため、把持装置は、第2領域において把持対象物を把持する際に把持力を大きく確保することができる。この場合、案内部が第2領域にあるときには把持部は把持対象物を把持し、それ以上閉じることが不可となっている。そのため、第2領域において把持部の閉じ量が小さくなることは余り問題とならない。
このように、上記の把持装置によれば、案内溝部を、角度の異なる第1領域及び第2領域で構成することで、案内部が第1領域を摺動する際は、把持部の開閉量を優先して大きくすることができ、案内部が第2領域を摺動する際は、把持部の把持力を優先して大きくすることができる。したがって、可動部の移動距離を長くすることなく、把持力と開閉量との両方を増大することができる。すなわち、この把持装置によれば、可動部の移動距離を長くしたり駆動部の出力を大きいものにしたりすることなく、把持部の開閉量を大きく確保しつつ把持力も大きく確保することができる。
換言すれば、本把持装置によれば、従来構成と同等の開閉量及び把持力を確保する場合、可動部の移動距離を短くしたり駆動部の出力を小さいものにしたりすることができるため、従来構成に比べて駆動部の駆動に必要なエネルギーを低減することができる。すわち、本把持装置によれば、小型の駆動部つまり可動部の移動距離が短くかつ出力の小さな駆動部でも、従来と同等の開閉量及び把持力を発揮することができる。その結果、同じ開閉量及び把持力を発揮する把持装置に比べて、駆動部の小型化や省エネ性能の向上を図ることができる。
請求項2の把持装置において、第2領域の長さは第1領域よりも長い。例えば把持対象物は、通常、把持対象物を製造する際の寸法誤差を有している。また、把持装置が取り付けられるロボットは、通常、把持装置を目的の位置つまり把持対象物を把持する位置へ移動させる際の位置決め誤差を有している。そのため、把持部の開閉量には、これらの誤差を考慮して余裕を持たせる必要がある。そこで、第2領域の長さを第1領域よりも長くすることで、案内部が第2領域を摺動する際の把持部の開閉量を大きくすることができる。これにより、把持装置は、把持対象物の製造誤差やロボットの位置決め誤差を、把持部の開閉量によって吸収することができる。その結果、把持装置は、把持対象物を安全かつ確実に把持することができる。
請求項3の把持装置において、駆動部は、ソレノイドである。例えば駆動部に空圧式のエアシリンダを採用した場合、周辺機器として、動力源である圧縮エアを供給するための配管や、圧縮エアを制御するためのスピードコントローラ、レギュレータ等が必要になる。一方、例えばロボットを制御するロボットコントローラは、ロボットが本来備える駆動軸以外の駆動軸、いわゆる付加軸を制御することができる機能を備えているものが多い。したがって、駆動部に電気式のソレノイドを採用すれば、ソレノイドの制御を既存のロボットコントローラで行うことができる。そのため、本把持装置のように、駆動部にソレノイドを採用することで、周辺機器の削減を容易に行うことができ、その結果、周辺機器を設置するためのスペースも削減することができる。
また、エアシリンダの動力源となる圧縮エアは、電気を動力としたコンプレッサで空気を圧縮して作られる。そのため、駆動部に圧縮エアを動力とするエアシリンダを採用すると、圧縮エアを作るために電力が消費される。一方、ソレノイドは、電気を動力にしている。したがって、駆動部に電気式のソレノイドを採用することで、動力となる電力を、コンプレッサ等を介すことなく直接利用することができる。したがって、コンプレッサによる電力消費を削減することにより、全体としての電力消費を低減することができ、その結果、省エネ性能を向上させることができる。
請求項4の把持装置において、駆動部は、エアシリンダである。これによれば、配管やスピードコントローラ等の周辺機器は必要になるものの、把持装置自体の構成を比較的単純かつ軽量にすることができる。その結果、把持装置の取扱いを容易なものにすることができる。
第1実施形態について、把持部が開いた状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の1B−1B線に沿う断面図、(C)は(B)の1C−1C線に沿う断面図 第1実施形態について、把持部が閉じた状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の2B−2B線に沿う断面図 第1実施形態について、把持部が把持対象物の把持を開始した直後の状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の3B−3B線に沿う断面図 第1実施形態について、把持部が把持対象物を把持した状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の4B−4B線に沿う断面図 第1実施形態について、右爪部材の案内溝部の詳細を示す図 第1実施形態について、案内部が案内溝部に与える力及び爪部材の移動の概念を示す図 第1実施形態について、案内部の移動によって把持部が閉じる際の様子を(1)〜(3)の順に経時的に示す図。 第2実施形態について、把持部が開いた状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の8B−8B線に沿う断面図 第2実施形態について、把持部が閉じた状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の9B−9B線に沿う断面図 第2実施形態について、把持部が把持対象物を把持した状態の把持装置を示すもので、(A)は正面図、(B)は(A)の10B−10B線に沿う断面図
以下、複数の実施形態による把持装置について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図1〜図4に示す把持装置10は、基板ケース11と、駆動部として周知のソレノイド20と、を備えている。基板ケース11は、断面がL字状のブロックに構成されており、詳細は図示しないが、内部にソレノイド20を動作させるための回路基板が収容されている。ソレノイド20は、基板ケース11のL字状の内側の面に固定されている。ソレノイド20は、例えば自己保持型であり、外部から電力が供給されることにより駆動される。ソレノイド20は、ケース21、永久磁石22、第1コイル23、第2コイル24、第1ストッパ25、第2ストッパ26、可動鉄心27、及びシャフト28を有している。
ケース21は、ソレノイド20の外郭を構成するものであり、一方向に長く、内部に空間を有する筒状に形成されている。この場合、ケース21は、例えば外形が矩形であり、内側が円筒形に形成されている。なお、以下の説明において、説明の便宜上、ケース21の長手方向を、把持装置10の上下方向と定義する。また、上下方向に対して直角方向を、水平方向と定義する。また、水平方向のうち、図1(A)で示す基板ケース11の面に沿った方向を左右方向と定義する。図1等に示す把持装置10の姿勢は、例えば把持装置10が図示しないロボットに装着されて通常使用される姿勢であるが、把持装置10の使用時の姿勢は図1等に示すものに限られない。
永久磁石22、第1コイル23、第2コイル24、第1ストッパ25、及び第2ストッパ26は、ケース21の内部に設けられている。永久磁石22、第1コイル23、及び第2コイル24は、環状に形成されている。第1コイル23は、ケース21の長手方向の一端側、この場合上端部側に設けられている。第2コイル24は、ケース21の長手方向の他端側、この場合下端部側に設けられている。
永久磁石22は、第1コイル23と第2コイル24との間に設けられている。第1ストッパ25及び第2ストッパ26には、中心部にシャフト28を通すことができる穴が形成されている。第1ストッパ25は、ケース21の長手方向の一端部側、この場合上端部側にあって、第1コイル23の環状の内側に設けられている。第2ストッパ26は、ケース21の長手方向の他端部側、この場合下端部側にあって、第2コイル24の環状の内側に設けられている。
可動鉄心27は、二つの移動端の間で直線往復運動が可能な可動部に相当する。可動鉄心27は、例えば鋼材などの磁性体によって、ケース21の長手方向この場合上下方向に長い円柱状に構成されている。可動鉄心27は、ケース21の内部において、永久磁石22、第1コイル23、及び第2コイル24の円環状の内側に設けられている。可動鉄心27は、第1ストッパ25と第2ストッパ26との間で摺動可能である。シャフト28は、ケース21の長手方向この場合上下方向に長い棒状に構成されている。シャフト28は、例えば可動鉄心27の両端側から可動鉄心27の外方へ突出するように設けられ、可動鉄心27と一体的に移動するこができる。シャフト28の両端部は、それぞれ第1ストッパ25及び第2ストーパ26の中心部の穴を通って、ケース21の外部に露出している。
第1コイル23が通電されると、第1コイル23に磁力が生じる。これにより、可動鉄心27は、第1コイル23に吸引されて、第1ストッパ25に係止されるまで一方側、この場合、第1ストッパ25側つまり上側へ移動する。この可動鉄心27が第1ストッパ25に係止される位置を、第1移動端とする。同様に、第2コイル24が通電されると、第2コイル24に磁力が生じる。これにより、可動鉄心27は、第2コイル24に吸引されて、第2ストッパ26に係止されるまで他方側、この場合、第2ストッパ26側つまり下側へ移動する。この可動鉄心27が第2ストッパ26に係止される位置を、第2移動端とする。このように、ソレノイド20は、第1コイル23及び第2コイル24に対して通電と断電とを切り替えることによって、二つの移動端の間で上下方向への直線往復運動が可能となる。また、可動鉄心27は、第1移動端又は第2移動端のいずれかに位置しているときにコイル23、24への通電が遮断されると、永久磁石22の磁力によって現在の位置に保持される。
把持装置10は、ベース31、把持部32、及び開閉案内機構33を備えている。ベース31は、板状に構成されており、ソレノイド20のケース21に図示しないネジなどによって固定されている。ベース31は、一方側の端部この場合下端部に幅広部311を有している。幅広部311は、ソレノイド20のケース21よりも下方へ延びており、ケース21の左右方向の幅よりも広い幅に設定されている。幅広部311には、複数の貫通穴部312が形成されている。例えば図示しないネジなどを貫通穴部312に通し、そのネジを図示しないロボットの取り付け部にねじ込むことで、把持装置10が、ロボットに取り付けられる。
把持部32は、把持対象物を把持するためのもので、右爪部材321と左爪部材322とから構成されている。把持部32は、右爪部材321と左爪部材322とが離接する方向へ移動することにより開閉可能に構成されている。この場合、把持部32は、可動鉄心27の移動方向と異なる方向、つまり左右方向へ開閉可能である。以下の説明では、右爪部材321と左爪部材322とが相互に接近する方向へ移動する動作を、把持部32の閉動作と称する。また、右爪部材321と左爪部材322とが相互に離れる方向へ移動する動作を、把持部32の開動作と称する。把持装置10は、把持部32の閉動作によって、把持対象物を把持する。
右爪部材321と左爪部材322とは、左右対称に構成されている。右爪部材321及び左爪部材322は、それぞれ例えば一枚の矩形の板を切削加工して形成されており、主部323、先端部324、及び案内溝部325を有している。先端部324は、主部323の下端部から下方へ突出している。先端部324の左右方向の幅は、主部323の左右方向の幅よりも狭い。なお、本実施形態では、先端部324が把持対象物と接触してその把持対象物に把持力を伝達するが、これに限られず、例えば先端部324にさらに他の部材を取り付け、当該他の部材が把持対象物に接触する構成でもよい。
案内溝部325は、主部323に形成された溝である。本実施形態の場合、案内溝部325は、主部323を厚み方向へ貫いて形成されたいわゆる長穴である。なお、案内溝部325は、必ずしも主部323を貫いている必要はない。案内溝部325は、ソレノイド20の可動鉄心27の移動方向つまり上下方向に対して傾斜している。また、案内溝部325は、把持部32の開閉方向つまり左右方向に対しても傾斜している。すなわち、案内溝部325は、可動鉄心27の移動方向及び把持部32の移動方向のいずれに対しても傾斜するようにして延びている。
また、案内溝部325は、下方へ向かうほど左右方向の外側へ広がるように形成されている。つまり、右爪部材321と左爪部材322とに形成された案内溝部325は、下方へ向かうほど両者の距離が大きくなるように設定されている。案内溝部325が延びる方向つまり案内溝部325の長手方向と、可動鉄心27の移動方向との成す角度は、45°未満になるように設定されている。すなわち、右爪部材321と左爪部材322とに形成された2つの案内溝部325の長手方向の成す角度は、90°未満に設定されている。
開閉案内機構33は、把持部32を、ベース31に対して上下方向の移動を不可にするとともに左右方向の移動を可能にして支持するものである。開閉案内機構33は、例えば1つのガイドレール331及び2つの摺動部332から構成されている。ガイドレール331は、左右方向へ延びるようにして、ベース31の幅広部311であって把持部32側の面に設けられている。摺動部332は、ガイドレール331に沿って、ガイドレール331上を滑らかに移動することができる。2つの摺動部332は、それぞれ右爪部材321及び左爪部材322において、ベース31側の面に設けられている。これにより、右爪部材321の左爪部材322は、それぞれベース31に対して上下方向の移動が規制されつつ、左右方向へ滑らかに移動することができる。
なお、開閉案内機構33は、右爪部材321と左爪部材322とをそれぞれベース31に対して上下方向の移動が規制しつつ左右方向へ滑らかに移動させることができれば、他の構成でもよい。例えば、摺動部332をベース31に設け、ガイドレール331を右爪部材321と左爪部材322とのそれぞれに設ける構成でもよい。また、開閉案内機構33を、例えば次のような構成にしてもよい。すなわち、右爪部材321と左爪部材322とのそれぞれに、左右方向へ延びる長穴又は溝を設ける。また、ベース31の幅広部311に、ベース31の面に対して直角方向つまり左右方向へ突出するピンを設ける。そして、ベース31に設けられたピンを、右爪部材321及び左爪部材322に形成されたそれぞれの長穴又は溝部に挿入する。これにより、右爪部材321及び左爪部材322は、それぞれピンに支持された状態で、左右方向への移動が可能になる。
把持装置10は、伝達機構35を備えている。伝達機構35は、可動鉄心27の上下方向への移動を、上下方向と異なる方向、この場合左右方向へ変換して把持部32に伝え、これにより把持部32を開閉させるためのものである。伝達機構35は、連結部材36、移動部37、及び弾性部材38を有している。また、爪部材321、322の案内溝部325も、伝達機構35を構成している。
連結部材36は、全体として可動鉄心27の移動方向この場合上下方向に長い円柱状に構成されている。連結部材36は、シャフト28の一方の端部この場合下端部に設けられている。これにより、連結部材36は、シャフト28を介して、可動鉄心27の一端側この場合下端側に連結されている。連結部材36は、可動鉄心27及びシャフト28と一体的に移動可能である。
連結部材36は、主軸部361、第1受け部362、及び第2受け部363を有している。主軸部361は、上下方向に長い円柱状に構成されている。第1受け部362は、主軸部361の上端部つまり可動鉄心27側に設けられている。第2受け部363は、主軸部361の下端部つまり可動鉄心27と反対側に設けられている。第1受け部362及び第2受け部363の外形つまり横断面の形状は、例えば円形であって主軸部361の外形つまり主軸部361の横断面の形状よりも大きい。
移動部37は、第1受け部362と第2受け部363との間に設けられ、連結部材36に対して移動可能に構成されている。移動部37は、例えばいわゆるフランジ形状に形成されている。移動部37は、板状部371、筒状部372、及び2つの案内部373を有している。板状部371は、可動鉄心27の移動方向に対して直角方向の面、この場合水平面を有する板状の部材である。板状部371は、例えば図1(c)に示すように、左右方向に長い矩形の板において、把持部32と反対側の2つの角部を切り欠いたような六角形に形成されている。
筒状部372は、可動鉄心27の移動方向と同じ方向へ延びる円筒状に形成されている。すなわち、筒状部372は、板状部371の面から直角方向であってソレノイド20側つまり上方へ突出するように設けられている。板状部371及び筒状部372の中心部には、板状部371及び筒状部372を上下方向に円形に貫いて貫通穴374が形成されている。
移動部37は、貫通穴374に連結部材36の主軸部361を通して、連結部材36の第1受け部362と第2受け部363との間に設けられる。貫通穴374の内径は、連結部材36の主軸部361の外径よりも若干大きい。したがって、移動部37は、連結部材36の主軸部361に沿って、主軸部361の軸方向つまり上下方向へ移動することができる。なお、連結部材36の主軸部361に対して、移動部37が滑らかに移動この場合摺動できればよいため、連結部材36の貫通穴374の内形と、主軸部361の外形とは、必ずしも円形でなくてもよい。
案内部373は、例えば円柱軸状に構成されている。2つの案内部373は、それぞれ右爪部材321及び左爪部材322の案内溝部325に対応して設けられている。2つの案内部373は、それぞれ板状部371の側面つまり厚み方向の面から把持部32側へ突出し、右爪部材321及び左爪部材322の案内溝部325に挿入されている。
弾性部材38は、連結部材36の第1受け部362と、移動部37の板状部371との間に設けられている。弾性部材38は、例えば圧縮コイルバネであり、その内側に、連結部材36の主軸部361と移動部37の筒状部372が通されている。これにより、弾性部材38は、可動鉄心27の移動によって連結部材36に作用する力を移動部37に伝えることができる。
連結部材36に対する移動部37及び弾性部材38の取り付けは、次のようにして行うことができる。例えば、主軸部361及び第2受け部363を一体に形成する。また、第1受け部362を、主軸部361及び第2受け部363とは別体に構成する。そして、主軸部361を、移動部37の貫通穴374及び弾性部材38の内側に通した後、主軸部361に対して第1受け部362を取り付ける。
図5は、右爪部材321に形成された案内溝部325の詳細を示すものである。なお、左爪部材322に形成された案内溝部325は、図5に対して左右対称となる。本実施形態において、案内溝部325は、図5に示すように、第1領域326と第2領域327とから構成されている。第1領域326及び第2領域327は、可動鉄心27の移動方向つまり上下方向に対する傾斜角度が相互に異なっている。
本実施形態において、可動鉄心27の移動方向と第1領域326が延びる方向との成す角度は、可動鉄心27の移動方向と第2領域327が延びる方向との成す角度よりも大きい。すなわち、可動鉄心27の移動方向と第1領域326が延びる方向との成す角度をθ1、可動鉄心27の移動方向と第2領域327が延びる方向との成す角度をθ2とすると、θ1>θ2となる。なお、以下の説明では、θ1を第1領域326の角度と称し、θ2を第2領域327の角度と称する。また、案内溝部325が延びる方向と、可動鉄心27の移動方向との成す角度について、第1領域326と第2領域327を区別しない場合は、単にθと称する。
また、第1領域326の上下方向の長さをStL1とし、第2領域327の上下方向の長さをStL2とする。そして、第1領域326の左右方向の長さをStW1とし、第2領域327の左右方向の長さをStW2とする。本実施形態において、第2領域327の長さ寸法は、第1領域326の長さ寸法よりも長く設定されている。例えば、第1領域326及び第2領域327は、StL2>StL1で、かつ、StW1=StW2となるように設定されている。この場合、例えば各長さの比が、StW1=StW2=1とし、StL1=3、StL2=7となるように設定されている。
次に作用について説明する。
図1は、把持部32が開状態になっている場合の把持装置10を示している。把持部32が開状態になっているとき、可動鉄心27は、第1コイル23側つまり第1移動端に位置している。図2は、把持部32が無負荷つまり何も把持せずに閉状態になった場合の把持装置10を示している。図1に示す開状態で第1コイル23が断電されるとともに第2コイル24に通電されると、可動鉄心27は、図2に示すように第2コイル24側つまり第2移動端まで移動する。これにより、連結部材36は、シャフト28を介して可動鉄心27と一体的に下方へ移動する。このとき、連結部材36は、下方への力つまり移動部37を第2受け部363側へ押し付ける力を、弾性部材38を介して移動部37に加える。
移動部37は、可動鉄心27から受けた下方へ向う力を、案内溝部325に挿入された案内部373を介して、右爪部材321及び左爪部材322に伝達する。この場合、移動部37は、可動鉄心27の移動による下方への力を、右爪部材321及び左爪部材322が相互に接近する方向つまり閉じる方向へ変換する。この場合、可動鉄心27が第2移動端側へ移動する力は、第1受け部362から弾性部材38及び移動部37を介して把持部32が閉じる閉方向への力に変換されて把持部32に伝わる。把持部32が無負荷の状態では、把持部32の開方向への移動が規制されておらず、把持部32は自由に開動作を行うことができる。
すなわち、把持部32が無負荷の状態において、右爪部材321及び左爪部材322は、ガイドレール331に沿って自由に左右方向における相互に接近する方向へ移動することができる。そのため、把持部32が無負荷の状態において、可動鉄心27が第2移動端側つまり下方へ移動すると、移動部37は、連結部材36及び弾性部材38とともに一体的に下方へ移動する。
把持装置10は、例えば図3に示すように、把持対象物100(以下、ワーク100と称する)を把持する際、まず、開状態の把持部32の2つの先端部324の間にワーク100を位置させる。その後、把持装置10は、図3に示すように、第2コイル24の通電によって可動鉄心27を第2端側つまり下方へ移動させ、これにより把持部32を閉じる。このとき、左右の先端部324がワーク100に接触すると、爪部材321、322は、ワーク100によってそれぞれ左右方向つまり相互に接近する方向への移動が規制される。そして、爪部材321、322の移動が規制されることに伴って、移動部37の下方への移動も規制される。
その後、可動鉄心27は、図4に示すように、更に第2コイル24に吸着されて下方へ移動する。そして、連結部材36は、可動鉄心27の下方への移動による力を、弾性部材38を介して移動部37へ伝達する。この場合、移動部37の下方への移動は規制されているため、連結部材36の第1受け部362は、弾性部材38を圧縮しながら、移動部37に接近する。このとき、弾性部材38の圧縮量の増大に伴って、移動部37から把持部32に伝わる力も増大し、これにより、把持部32によるワーク100の把持力も増大する。そして、可動鉄心27が第2移動端に達すると、移動部37の移動が規制される。これにより、把持部32は、ワーク100を強固に把持した状態になる。
把持部32がワーク100を把持する際、爪部材321、322がワーク100に接触すると、弾性部材38が圧縮されて弾性力を蓄積しながら、爪部材321、322がワーク100を把持していく。これにより、把持装置10の弾性部材38は、爪部材321、322がワーク100に衝突する際の衝撃を吸収することができる。すなわち、連結部材36、移動部37、弾性部材38、及び爪部材321、322の案内溝部325を有する伝達機構35は、把持部32がワーク100を把持する際の衝撃を緩衝する緩衝機構いわゆるショックアブソーバとしても機能する。
また、把持装置10は、把持部32の開動作を行う際、第2コイル24を断電して第1コイル23に通電する。すると、第1コイル23の吸着力によって、可動鉄心27が第1端部側つまり上方向へ移動する。移動部37は、可動鉄心27から受けた上方へ向う力を、案内溝部325に挿入された案内部373を介して、右爪部材321及び左爪部材322に伝達する。この場合、移動部37は、可動鉄心27の移動による上方への力を、右爪部材321及び左爪部材322が相互に離反する方向つまり開く方向へ変換する。つまり、可動鉄心27が第1移動端へ移動する力は、第2受け部363から移動部37を介して把持部32が開く開方向への力に変換されて把持部32に伝わる。その際、弾性部材38は、圧縮されることなく、連結部材36及び移動部37とともに、上方向へ移動する。
次に、把持部32の開閉量つまり左右の爪部材321、322の移動量と、把持部32の把持力との関係について説明する。把持装置10において、可動鉄心27が上下方向へ移動する力は、案内部373が案内溝部325を摺動することで、爪部材321、322が左右方向へ移動する力に変換されて、爪部材321、322に伝達される。本実施形態では、可動鉄心27の移動に伴って案内部373が案内溝部325の上端側つまり第1領域326の端部側へ移動すると、把持部32が開状態になる。また、可動鉄心27の移動に伴って案内部373が案内溝部325の下端側つまり第2領域327の端部側へ移動すると、把持部32が閉状態になる。
ここで、図6に示すように、案内部373が下方へ向かう力、つまり可動鉄心27が下方へ向かう力をF1とする。すなわち、可動鉄心27の移動により案内部373が案内溝部325に加える力をF1とする。また、爪部材321、322が案内部373から受けた力のうち爪部材321、322が左右方向へ向かう力をF2とする。この場合、案内部373の左右方向への移動が規制されていることから、案内部373が案内溝部325に作用させる力F1と、その力F1を受けて把持部32を開閉させる力F2との関係は、角度θを用いて次の(1)式で表される。下記の(1)式によれば、F1が一定値である場合、θが小さくなるほど、F2が大きくなる。
F2=F1/tan(θ)・・・(1)
また、可動鉄心27の移動距離、つまり可動鉄心27の移動によって案内部373が移動する距離をStLとする。そして、案内部373が距離StL移動することで片側の爪部材321、322が移動する距離をStWとする。この場合、案内部373の移動距離StLと片側の爪部材321、322の移動距離StWとは、角度θを用いて次の(2)式で表される。下記の(2)式によれば、StLが一定値である場合、θが大きくなるほど、StWも大きくなる。
StW=StL×tan(θ)・・・(2)
以上から次のことがわかる。ここで、案内部373の移動距離StL、及び案内溝部325が案内部373から受ける力F1が一定である場合、把持部32の把持力F2を優先させて大きくしたければ、θを小さくすればよい。この場合、爪部材321、322の移動距離StLつまり把持部32の開閉量が小さくなる。一方、把持部32の開閉量を優先させて大きくしたい場合、θを大きくすればよい。この場合、把持部32の把持力F2が小さくなる。
また、本実施形態において、図5に示すように、第1領域326の角度θ1は、第2領域327の角度θ2よりも大きい。これにより、第1領域326を、把持部32の把持力F2と開閉量StWとのうち開閉量StWを優先した領域にすることができる。その一方で、第2領域327を、把持部32の把持力F2と開閉量StWとのうち把持力F2を優先した領域にすることができる。つまり、第1領域326を、主に把持部32の開閉量StWを確保するための移動領域として機能させることができ、第2領域327を、主にワーク100を把持するための把持領域として機能させることができる。
具体的には、本実施形態の場合、上述したように、StL1=3、StL2=7、StW1=StW2=1に設定されている。そのため、tan(θ1)=StW1/StL1=1/3、tan(θ2)=StW2/StL2=1/7となる。ここで、案内部373が第1領域326に位置しているときの力F2をF2(θ1)とし、案内部373が第2領域327に位置しているときの力F2をF2(θ2)とする。この場合、F2(θ1)=F1/3、F2(θ2)=F1/7となる。すなわち、本実施形態の場合、把持部32の把持力F2は、案内部373が第1領域326を摺動する場合に比べて、案内部373が第2領域327を摺動する場合の方が7/3倍大きくなる。
また、移動部37の移動に対する把持部32の開閉量StWは、案内部373が第1領域326を摺動する際にStW=StL/3となり、案内部373が第2領域327を摺動する際にStW=StL/7となる。すなわち、本実施形態の場合、移動部37の移動に対する把持部32の開閉量StWは、案内部373が第2領域327を摺動する場合に比べて、案内部373が第1領域326を摺動する場合の方が7/3倍大きくなる。
そして、案内溝部325は、把持部32がワーク100を把持する際、図7(1)、(2)に示すように、把持部32の開状態から先端部324がワーク100に接触するまでは、案内部373が第1領域326を摺動するように構成されている。これにより、把持部32の把持力F2は弱いものの、案内部373の移動距離StLに対する爪部材321、322の移動量StWつまり把持部32の開閉量StWを大きくすることができる。そして、案内溝部325は、図7(2)、(3)に示すように、先端部324がワーク100に近づいた後は、案内部373が第2領域327を摺動するように構成されている。これにより、案内部373の移動距離StLに対する把持部32の開閉量StWは小さくなるものの、把持部32の把持力F2を大きくすることができる。
これによれば、案内溝部325を、角度の異なる第1領域326及び第2領域327で構成することで、案内部373が第1領域326を摺動する際は、把持部32の開閉量StWを優先して大きくすることができる。また、案内部373が第2領域327を摺動する際は、把持部32の把持力F2を優先して大きくすることができる。したがって、可動鉄心27の移動距離StLを長くすることなく、把持力F2と開閉量StWとの両方を増大することができる。その結果、同じ開閉量及び把持力を発揮する把持装置に比べて、駆動部であるソレノイド20の小型化や省エネ性能の向上を図ることができる。
また、第2領域327の長さは第1領域326よりも長い。すなわち、例えばワーク100は、通常、当該ワーク100を製造する際の寸法誤差を有している。また、把持装置10が取り付けられる図示しないロボットは、通常、把持装置10を目的の位置つまりワーク100を把持する位置へ移動させる際の位置決め誤差を有している。そのため、把持部32の開閉量StWには、これらの誤差を考慮して余裕を持たせる必要がある。そこで、第2領域327の長さを第1領域326よりも長くすることで、案内部373が第2領域327を摺動する際の把持部32の開閉量StWを大きくすることができる。これにより、把持装置10は、ワーク100の製造誤差やロボットの位置決め誤差を、把持部32の開閉量StWによって吸収することができる。その結果、把持装置10は、ワーク100を安全かつ確実に把持することができる。
また、把持装置10は、駆動部としてソレノイド20を備えている。例えば駆動部にソレノイド20に換えて空圧式のエアシリンダを採用した場合、周辺機器として、動力源である圧縮エアを供給するための配管や、圧縮エアを制御するためのスピードコントローラ、レギュレータ等が必要になる。一方、例えばロボットを制御するロボットコントローラは、ロボットが本来備える駆動軸以外の駆動軸、いわゆる付加軸を制御することができる機能を備えているものが多い。そのため、駆動部に電気式のソレノイド20を採用すれば、ソレノイドの制御を既存のロボットコントローラで行うことができる。そのため、駆動部にソレノイド20を採用することで、周辺機器の削減を容易に行うことができ、その結果、周辺機器を設置するためのスペースも削減することができる。
また、エアシリンダの動力源となる圧縮エアは、電気を動力としたコンプレッサで空気を圧縮して作られる。そのため、駆動部に圧縮エアを動力とするエアシリンダを採用すると、圧縮エアを作るための電力ロスが生じる。一方、ソレノイド20は、電気を動力にしている。したがって、駆動部に電気式のソレノイド20を採用することで、動力となる電力を、コンプレッサ等を介すことなく直接利用することができる。このため、上記構成の把持装置10によれば、圧縮エアを作る際の電力消費を低減することができ、その結果、省エネ性能を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。
把持装置40は、上記実施形態における移動部37に相当する構成を備えていない。この場合、把持装置40は、連結部材41を備えている。つまり、本実施形態において、伝達機構35は、連結部材41、弾性部材38、及び爪部材321、322に形成された案内溝部325から構成されている。連結部材41は、把持装置10の連結部材36及び移動部37の相互に部分的に類似した構成である。すなわち、連結部材41は、主軸部411、板状部412、及び2つの案内部373を有している。主軸部411は、上下方向に長い円柱状に構成されている。この場合、連結部材41の主軸部411の長さ寸法は、連結部材36の主軸部361の長さ寸法よりも短い。
板状部412は、把持装置10の移動部37の板状部371と同様の形状に形成されている。主軸部411は、板状部412の上面から上方つまりシャフト28側へ突出している。主軸部411は、シャフト28の下端部に固定されている。これにより、連結部材41と可動鉄心27とが、シャフト28を介して一体的に移動可能に連結されている。案内部373は、把持装置10の案内部373と同様に、例えば円柱軸状に構成されている。そして、2つの案内部373は、それぞれ右爪部材321及び左爪部材322の案内溝部325に対応して設けられ、それぞれ爪部材321、322の案内溝部325に挿入されている。本実施形態の案内溝部325も、上記第1実施形態と同様に、第1領域326と第2領域327とを有している。
弾性部材38の内側には、シャフト28及び連結部材41の主軸部411が通されている。弾性部材38は、連結部材41の上方向への移動に伴って、ケース21の底面つまり連結部材41側の面と、連結部材41の板状部412との間で圧縮され弾性変形する。すなわち、可動鉄心27が第1端部に位置して把持部32が開状態になっているとき、弾性部材38は、図8に示すように、ケース21の底面と、連結部材41の板状部412との間で圧縮されている。したがって、把持部32が開状態の場合、可動鉄心27には、連結部材41及びシャフト28を介して弾性部材38による弾性力が加えられている。
図9に示すように、把持部32がワーク100を把持していない無負荷の状態において、第1コイル23が断電されて第2コイル24が通電されると、可動鉄心27は、弾性部材38の弾性力及び第2コイル24の吸引力によって、第2端部側へ移動する。すると、連結部材41は、可動鉄心27から受けた力を、案内溝部325に挿入された案内部373を介して、爪部材321、322に伝達する。これにより、爪部材321、322が互いに接近する方向へ移動し、把持部32が閉じる。
一方、図10に示すように、把持部32がワーク100を把持する場合、爪部材321、322の先端部324がワーク100に接触すると、爪部材321、322は、ワーク100によってそれぞれ左右方向つまり相互に接近する方向への移動が規制される。そして、爪部材321、322の移動が規制されることに伴って、連結部材41の下方への移動も規制される。この場合、連結部材36は、シャフト28を介して可動鉄心27と一体的に下方へ移動するため、連結部材36の下方への移動が規制されると、可動鉄心27の下方への移動も規制される。そのため、可動鉄心27は、第2端部に至ることなく、下方への移動の途中で保持される。
一般に、ソレノイド20は、可動鉄心27が移動端に位置しているときに、本来の保持力を発揮するように設計されている。したがって、可動鉄心27を移動途中で保持した場合の保持力は、移動端での保持力に比べて大幅に小さい。つまり、把持装置40の把持部32がワーク100を把持する際、可動鉄心27は、移動途中で保持されるため、本来の保持力を発揮することができない。そのため、把持装置40の把持部32がワーク100を把持する際に生じる把持力は、主に弾性部材38の弾性力によって発揮される。
本実施形態の把持装置40によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、把持装置40は、図8に示すように把持部32が開状態のとき、図7(1)、(2)と同様に、案内部373が第1領域326を摺動するようになっている。したがって、把持装置40は、把持部32がワーク100に接触するまで、案内部373の移動距離StLに対する把持部32の開閉量StWが大きくなるように設定されている。一方、把持装置40は、図10に示すように把持部32がワーク100を把持するとき、図7(2)、(3)に示すように、案内部373が第2領域327を摺動するようになっている。したがって、把持装置40は、把持部32がワーク100に接触した後は、把持部32の把持力F2が大きくなるように設定されている。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。上記各実施形態において、把持装置10、40は、駆動部に上記実施形態のソレノイド20に換えてエアシリンダを採用することもできる。これによれば、エアシリンダに動力源となる圧縮エアを供給するための配管や、圧縮エアを制御するためのスピードコントローラ等の周辺機器は必要になるものの、把持装置自体の構成を比較的単純かつ軽量にすることができる。その結果、把持装置10、40の取扱いを容易なものにすることができる。
開閉案内機構33は、ガイドレール331を把持部32に設け、摺動部332をベース31に設ける構成にしてもよい。また、開閉案内機構33は、右爪部材321及び左爪部材322の左右方向への移動を案内することができればよく、ガイドレール331及び摺動部332に限られない。ベース31は、基板ケース11と一体に構成してもよい。すなわち、基板ケース11の下端部をケース21から下方へ延びるように設け、その延びた部分に開閉案内機構33を設ける構成でもよい。
また、把持部32の移動方向は、可動鉄心27の移動方向に対して必ずしも直角方向でなくてもよい。例えば把持部32の移動方向は、図1等における左右水平方向に対して上方又は下方へ傾斜していても良い。
上記実施形態において、2つの案内溝部325は、下方へ向かうほど相互に左右方向の外側へ広がるように形成されているが、これに限られない。例えば、2つの案内溝部325を、上方へ向かうほど相互に左右方向の外側へ広がるように形成してもよい。この場合、第1領域326及び第2領域327の配置が上下逆になる。また、可動鉄心27の移動方向に対する把持部32の開閉が、上記実施形態と逆になる。すなわち、この場合、可動鉄心27が上方へ移動すると把持部32が閉じ、可動鉄心27が下方へ移動すると把持部32が開く。この場合、第1端部及び第2端部は、可動鉄心27の移動方向と把持部32の開閉方向との関係に応じて適宜変更することができる。
図面中、10、40は把持装置、20はソレノイド(駆動部)、27は可動鉄心(可動部)、32は把持部、325は案内溝部、326は第1領域、327は第2領域、35は伝達機構、37は移動部、373、413は案内部、を示す。

Claims (4)

  1. 二つの移動端の間で直線往復運動が可能な可動部を有する駆動部と、
    前記可動部の移動に伴って前記可動部の移動方向と異なる方向へ開閉され、閉状態で把持対象物を把持することができる把持部と、
    前記可動部の移動を、前記可動部の移動方向と異なる方向に変換して前記把持部に伝える伝達機構と、を備え、
    前記伝達機構は、
    前記把持部にあって前記可動部の移動方向及び前記把持部の移動方向のいずれに対しても傾斜するようにして延びる溝形状に形成された案内溝部と、
    前記可動部に連結されて前記可動部と一体的に移動可能であって前記可動部側に設けられた第1受け部と前記可動部とは反対側に設けられた第2受け部とを有する連結部材と、
    前記第1受け部と前記第2受け部との間に設けられ前記連結部材に対して移動可能であってかつ前記可動部と一体に移動可能な移動部と、
    前記第1受け部と前記移動部との間に設けられ前記可動部の移動によって前記連結部材に作用する力を前記移動部に伝える弾性部材と、
    前記移動部から突出して設けられ、前記案内溝部に挿入されて前記案内溝部に沿って摺動することで前記移動部の移動を前記把持部に伝える案内部と、を有し、
    前記案内溝部は、前記可動部の移動方向に対する角度が相互に異なる第1領域及び第2領域を有し、
    前記案内部が第1領域の端部側へ移動すると前記把持部が開状態になり、前記案内部が前記第2領域の端部側へ移動すると前記把持部が閉状態になり、
    前記可動部の移動方向と前記第1領域が延びる方向との成す角度は、前記可動部の移動方向と前記第2領域が延びる方向との成す角度よりも大きい、
    把持装置。
  2. 前記第2領域の長さは前記第1領域よりも長い請求項1に記載の把持装置。
  3. 前記駆動部は、ソレノイドである請求項1又は2に記載の把持装置。
  4. 前記駆動部は、エアシリンダである請求項1又は2に記載の把持装置。
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