JP6467843B2 - 繊維・ゴム用接着剤および繊維・ゴム用接着剤の製造方法 - Google Patents

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本発明は繊維・ゴム用接着剤に関するものである。詳しくは繊維とゴムを良好に接着させ、かつ、自動車ホース等のゴム製品製造時の工程通過性、すなわち、繊維表面の樹脂の脱落を改善した繊維・ゴム用接着剤に関するものである。
繊維は高強度・高弾性率などの優れた物理的特性を有しており、タイヤコード、動力伝達ベルトおよびゴムホースなどの補強材として従来から使用されている。
繊維をゴムの補強材として用いる場合、その機能を十分発揮させるために、繊維とゴムとを強固に接着させる必要がある。一般に、繊維とゴムとを接着させる場合、繊維にレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物(RF)とゴムラテックスの混合物からなる接着処理液(以下、RFLと略すことがある。)を付与し、乾燥しベーキングして接着剤付着繊維を得た後、この接着剤付着繊維とゴムとを加硫接着するという手法が用いられる。
しかし、近年ホース用途を中心に、繊維としてはポリエステル繊維やアラミド繊維が、ゴムとしてはEPDMゴムやブチルゴムが使用されることが多くなっており、接着剤との反応性の乏しいこれらの素材では高い接着力を得ることが難しくなっている。
接着性を改善する手段としては、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物、メラミン樹脂などのホルムアルデヒドと反応する樹脂、ゴムラテックス、ブロックドイソシアネートの4者を混合した接着剤にて繊維を処理する手法が提案されている(特許文献1参照。)。また別に、パラクロロフェノール・レゾルシン・ホルムアルデヒド共縮合物、ゴムラテックス、レゾルシン・ホルムアルデヒドの初期縮合物の3者を混合した接着剤にて処理する手法が提案されている(特許文献2参照。)。さらに、メチロール基を有するフェノール類とアルデヒド類の縮合物のスルホメチル化物もしくはスルフィメチル化物、ゴムラテックス、レゾルシン・ホルムアルデヒドの初期縮合物の3者を混合した接着剤にて処理する手法が提案されている(特許文献3参照。)
特開2009−174105号公報(特許請求の範囲) 特開2003−206461号公報(特許請求の範囲) 特開2000−034455号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、上記特許文献の提案では、いずれも接着性の改善は認められるものの十分ではないか、ホース編組時のRFLの脱落があり工程通過性が悪いという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来技術の背景に鑑み、ゴムと繊維の接着性が良好であり、かつ、工程通過性を改善された繊維・ゴム用接着剤を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、次の手段を採用するものである。
すなわち、本発明の繊維・ゴム用接着剤はレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とゴムラテックスを含む繊維・ゴム用接着剤であって、レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物が2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を添加してなるものであり、前記2種類以上のレゾルシン−ホルムアルデヒド共重合物がレゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物およびノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含むものであり、前記ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物(A)の前記レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物(B)に対する質量比[A/B]がA/B=1/1〜1/5であって、前記ゴムラテックスが、ゴムラテックス全体の固形分のうち、30質量%以上のクロロプレンラテックスを含むものである繊維・ゴム用接着剤である。
本発明の繊維・ゴム用接着剤において、以下の(1)がさらに好ましい条件であり、これらを適用することによって、さらに優れた効果を期待することができる。
(1)前記レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物がレゾルシンおよびホルムアルデヒドのみからなるレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物であること。
本発明はまた、レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とゴムラテックスを含む繊維・ゴム用接着剤を製造するに際し、2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を混合する前記の繊維・ゴム用接着剤の製造方法である。
本発明によれば、従来のゴム補強用繊維において、これまで達成できなかった繊維の接着性が良好であり、かつ、繊維表面のRFLの脱落等の、自動車ホース等の製品製造時の工程通過性を改善するゴム補強用繊維を与え得る繊維・ゴム用接着剤が得られる。
図1は、繊維コードの工程通過性を評価する摩擦試験機を示す模式図である。
次に、本発明の繊維・ゴム用接着剤について詳細に説明する。
本発明の繊維・ゴム用接着剤は、レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とゴムラテックスを含む接着剤であり、レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物として2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を添加してなるものである。
レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物は、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させたものであって、レゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)のモル比(R/F)が、R/F=1/0.5〜1/3の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1/1〜1/2.5の範囲である。R/Fのモル比がR/F=1/0.5〜1/3の範囲から外れると、接着性が低下したり工程通過性が悪化したりすることがある。
レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物は、レゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)を縮合させたものである。用い得るレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物としては、レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物、ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物等が挙げられる。
上記レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物はアルカリ触媒の存在下で、レゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)とをR/Fのモル比としてR/F=1/1〜1/3の範囲で反応させたレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物である。なかでも、R/Fのモル比はR/F=1/1〜1/2.5であることが好ましい。
上記アルカリ触媒としては、アルカリ金属水酸化物が好適に用いられ、より好ましくは、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ触媒水分散液の濃度は、好ましくは1〜10モル濃度程度である。
レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物は、上記のようにアルカリ触媒の存在下で、レゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)とを反応させるべく熟成させるが、その熟成条件は、20〜30℃の条件下で0.5〜6.0時間とすることが好ましい。上記の熟成条件とすることで工程通過性・接着性に特にすぐれ、粘度が増大することもなく、容易に繊維に接着剤を均一に塗布することできる。
上記ノボラック型共重合物は無触媒または酸性触媒の下でレゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)とをR/Fのモル比としてR/F=1/0.3〜1/1の範囲で反応させたレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物である。中でも酸性触媒の下でR/Fのモル比をR/F=1/0.7〜1/1の範囲として反応させたレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物であることが好ましい。酸触媒としては、特に制限はないが、塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸などが好適に使用される。酸触媒はレゾルシン1モルに対し、0.0001モル〜1モルの範囲内にあることが好ましい。
ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物は、上記のように無触媒または酸触媒の存在下で、レゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)とを反応させるが、その熟成条件は、100〜200℃の条件下で常圧で加熱還流させることが望ましい。その際の反応時間としては、0.1〜6.0時間とすることが好ましい。上記の熟成条件とすることで工程通過性・接着性に特にすぐれ、粘度が増大することなく、容易に繊維に接着剤を均一に塗布することができる。
ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物としては、レゾルシン1モルに対する、ホルムアルデヒドの比率が前記好ましい範囲よりも小さい比率で重合したノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物として用いることもできる。その場合には重合して得られたレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物をアルカリ触媒水分散液に溶解後、ホルムアルデヒドを添加し、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比を好ましい範囲に調整して熟成させることで好ましい比率で共重合した共重合物を得ることができる。例えば、レゾルシン1モルに対してホルムアルデヒド0.7モル以下とで反応した化合物(例えば、商品名“スミカノール”700(S)(登録商標)、住友化学(株)製)等が市販されている。このようなレゾルシンに対してホルムアルデヒド使用量が少ない化合物を用いて、レゾルシン(R)とホルムアルデヒド(F)のモル比を上記したさらに好ましい範囲としたい場合、上記したレゾルシンとホルムアルデヒドのノボラック型共重合物をアルカリ触媒水分散液に溶解後、ホルムアルデヒドを添加し、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比を調整することが好ましい態様である。
本発明においては2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を用いるが、同じ組成であっても熟成度の異なるレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を用いてもよいし、異なる組成のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を用いてもよい。さらにこれらの組み合わせで用いてもよい。例えば2種以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物が、レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含む場合、同じ型のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物であっても、レゾルシンとホルムアルデヒドの共重合比等、組成が異なるレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含む場合、同じ組成であっても熟成度が異なるレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含む場合等が挙げられる。
なかでもレゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含む場合、同じ組成であっても熟成度が異なるレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含む場合がより好ましく、レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含む場合がさらに好ましい。最も好ましいのは、レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物であって、かつこれらが異なる熟成時間で調整されたものを含む場合である。
本発明においてレゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を用いる場合はノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物(A)と、レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物(B)の固形分質量比A/Bが、A/B=1/1〜1/5の範囲にあることが好ましい。上記の範囲内である場合、特に優れた接着力が得られ、工程通過性にも特に優れる。
本発明において、同じ組成で熟成度の異なるレゾルシン−ホルムアルデヒド共重合物の組み合わせとする場合、例えば熟成時間に差をつけることが好ましい。また、より好ましくは熟成度の高いRF縮合物と熟成度の低いRF縮合物で、2時間以上熟成時間に差があることが好ましい。熟成時間の差を2時間より長くすることによって、接着性がより向上する。
また、レゾール型ゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とノボラック型共ゾルシン・ホルムアルデヒド重合物を組み合わせとする場合においてもそれぞれを熟成させる際、熟成時間に差をつけることが好ましい。特にレゾール型ゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物の方の熟成時間が短いことが、接着力がよりいっそう向上する点で好ましい。
レゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックスで使用されるゴムラテックスとしては、特に制限はないが、例として、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、およびエチレン−プロピレン−非共役ジエン系三元共重合体ゴムラテックスなどが挙げられ、なかでもクロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックスなどが好ましい。これらゴムラテックスは単独または混合して使用することができる。
本発明では、工程通過性の観点から、クロロプレンゴムラテックスをラテックス全体の固形分のうち、30質量%以上用いることが好ましい態様である。組み合わせるラテックスとしては、接着性向上の観点からスチレン−ブタジエンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系三元共重合体ゴムラテックスなどが好ましく、さらにはビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックスなどが好ましい。
なお、これらのラテックスには、安定性等の諸特性の改善のためカルボキシル基が導入されていても良い。カルボキシル基は、エチレン性不飽和エステル単量体またはエチレン系不飽和酸無水物単量体を共重合した後に加水分解することによってゴムラテックスに導入することができる。この場合のエチレン系不飽和酸エステル単量体やエチレン系不飽和酸無水物単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸およびブテントリカルボン酸などの不飽和カルボン酸のモノエステル、ジエステルおよびトリエステル、およびマレイン酸無水物などが例示され、これらの一種または二種以上が使用される。
さらに、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックスのレゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)と、ゴムラテックス(L)の配合比は、固形分質量比でRF/L=1/3〜1/15であることが好ましく、より好ましくは1/5〜1/12であり、さらに好ましくは1/7〜1/10である。RF/L比がこの範囲を外れると、接着性が低下したり工程通過性が悪化したりすることがある。
また、RFLの熟成条件は、20〜30℃の条件下で14〜35時間であることが好ましく、より好ましくは16〜30時間である。熟成条件がこの範囲外になると、接着性が低下することがある。
また、本発明で用いられる接着剤には、接着性を向上させる観点から、イソシアネート、ブロックドポリイソシアネート、エチレン尿素化合物、ハロゲン化フェノール誘導体およびカーボンブラック等の接着助剤、充填剤、架橋剤、加硫剤、および加硫促進剤等を混合することができる。これらの混合物は、接着剤の全固形分100質量%に対して、合計が30質量%を超えない範囲で混合することが好ましい。混合割合が30質量%を超えると、接着力が低下したり、工程通過性が悪化したり、コードが硬くなる可能性がある。
本発明で得られた繊維・ゴム用接着剤が適用される繊維においては、特に制約はなく、木綿、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、アラミドなどが挙げられる。ポリエステルやアラミドなどの、接着剤との反応性の低い繊維を用いる場合は、前処理しておくことが望ましい。前処理としては通常の方法でよく、好ましい具体例としてはポリエポキシド化合物やブロックドイソシアネート化合物などによる処理が挙げられる。
本発明で使用される接着剤を、繊維に付与するには、浸漬、ノズル噴霧およびローラーによる塗布などの任意の方法を採用することができる。このため、例えば、リツラー社製のコンピュートリーターまたは多錘型コードセッター機を用いて処理することができる。
本発明においては、上記有機繊維コードに接着剤組成物を含浸付着させた後、加熱処理するが、この際の加熱処理温度としては、該有機繊維コードに、接着性を効果的に付与する観点から、210〜265℃が好ましく、235〜255℃がより好ましい。
また、該有機繊維コードに対する接着剤組成物の付着量(乾燥後の含浸処理済コードの質量を基準として、接着剤組成物による増加質量)は0.5〜5.0質量%であることが好ましい。
次に、実施例により、本発明の繊維・ゴム用接着剤について、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
また、実施例における各特性値の測定方法および評価方法は、次に示すとおりである。
<評価方法>
(1)表1に示した配合組成のEPDM系ゴムシート(5mm厚み)の上にコードを平行に並べ(打ち込み本数36本/2.54cm)、プレス加硫を行った(150℃、30分、ゴムとコードの面圧300N/cm)。放冷後、20℃の環境下で50mm/分の速度で、ゴムからコードを引き剥がす剥離試験を実施した。この時に剥離に要した力をN/2.54cmで表示した。
Figure 0006467843
(2)処理剤付着量:
JIS L1017(2002)8.15 b)の質量法によって求めた。
(3)工程通過性:
繊維コードを、図1に示す東レ・エンジニアリング(株)製摩擦試験機に走行させ、ガイド類へのRFLカスの付着状況を指標とした。図1は、繊維コードの工程通過性を評価する摩擦試験機を示す模式図である。測定用の繊維コードサンプル1から繊維コードを取り出し、糸送り用のニップローラー2を経て、荷重3を付与し、梨地クロムメッキ加工管4の表面に一部巻き付け走行させ、糸送り用のニップローラー5を経て巻き取り、その際の糸送り用のニップローラー2および5へのRFL付着量を測定した。カスの発生の極端に少ないものは◎、少ないものは○、多量のカスが発生するものは×と表示し、いずれも判定し難いものは△と表示した。本発明では◎と○と△を実用に耐え得る工程通過性の合格点としたが、◎の方が実用上優れるものである。
(実施例1)
苛性ソーダ水溶液に、レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物:“スミカノール”700(S)”(登録商標)(住友化学(株)製、65%水溶液)を添加して十分に攪拌し分散させる。これに、ホルムアルデヒド(F)をR/F比が1/2(モル比)になるように添加して均一に混合し、温度25℃で5時間熟成させた(RF−1液とする)。次に苛性ソーダ水溶液に、レゾルシン(R)を添加し十分に攪拌し分散させる。これに、ホルムアルデヒド(F)をR/F比が1/1.5(モル比)になるように添加して均一に混合し、温度25℃で2時間熟成させた(RF−2液とする)。次に、RF−1液とRF−2液を混合したものにクロロプレンゴムラテックス(“ショウプレン” (登録商標)650(昭和電工(株)製)及びビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス(“ニッポール” (登録商標)2518FS(日本ゼオン(株)製)を混合したもの(クロロプレンゴムラテックス/ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス=50/50(固形分重量比))を、前記のレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物混合液と固形分比率(RF/L比)で1/9の割合で混合し、十分攪拌して、25℃の温度で20時間熟成した。最終処理液濃度は、10%であった。
一方、製糸工程において紡糸油剤としてポリエポキシド化合物を混合する方法で、ポリエポキシド化合物(ソルビトールポリグリシジルエーテル)を予め付与したポリエステル繊維(東レ(株)製、T707C(1100dTex)のマルチフィラメント1本を10t/10cmの片撚りを施して撚糸コードを得た。
該コードをコンピュートリーター処理機(CAリッツラー(株)製、タイヤコード処理機)を用いて前記の接着剤に浸漬したのち、温度120℃で0%のストレッチ条件下で2分間乾燥し、続いて240℃で1%のストレッチ条件下で1分間熱処理、続いて240℃で2%のリラックスを与えながら1分間熱処理した(トータルストレッチ率−1%)。コードには処理剤の固形分が2.3質量%付着していた。このようにして得られたコードを上記のように、コード剥離接着力および工程通過性を測定した。結果を表2に示す。
実施例1、5及び6並びに比較例3〜8
実施例1において、使用ラテックス、RF種、熟成時間およびRF−1/RF−2比を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で処理し、同様にして評価した。評価結果を、表2に併せて示す。
(比較例1〜2)
実施例1において、使用ラテックス、RF種、熟成時間を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で処理し、同様にして評価した。評価結果を、表2に併せて示す。比較例1および2は異なる2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を用いなかった接着剤である。
Figure 0006467843
実施例1、5、6および比較例1〜8で用いたラテックスは、次のとおりである。
・CRラテックス:“ショウプレン“(登録商標)CR650:クロロプレンゴムラテックス(昭和電工(株)製)
・VPラテックス:“ニッポール” (登録商標)2518FS:ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン(株)製)
・SBRラテックス:“ニッポール” (登録商標)LX110:スチレン・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン(株)製)
表2に示す評価結果から、本発明による繊維・ゴム用接着剤は、接着性が良好であり、かつ、工程通過性が良好であることがわかる。
1:測定用の繊維コードサンプル
2:糸送り用のニップローラー
3:荷重
4:梨地クロムメッキ加工管
5:糸送り用のニップローラー

Claims (3)

  1. レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とゴムラテックスを含む繊維・ゴム用接着剤であって、レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物が2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を添加してなるものであり、前記2種類以上のレゾルシン−ホルムアルデヒド共重合物がレゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物およびノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を含むものであり、前記ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物(A)の前記レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物(B)に対する質量比[A/B]がA/B=1/1〜1/5であって、前記ゴムラテックスが、ゴムラテックス全体の固形分のうち、30質量%以上のクロロプレンラテックスを含むものである繊維・ゴム用接着剤。
  2. 前記レゾール型レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物がレゾルシンおよびホルムアルデヒドのみからなるレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物である請求項1に記載の繊維・ゴム用接着剤。
  3. レゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物とゴムラテックスを含む繊維・ゴム用接着剤を製造するに際し、2種類以上のレゾルシン・ホルムアルデヒド共重合物を混合する請求項1または2に記載の繊維・ゴム用接着剤の製造方法。
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