JP6467254B2 - 赤外線センサ - Google Patents
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さらに、第1および第2の赤外線吸収部を断熱部上に配置することにより、赤外線吸収部における赤外線の吸収量が小さい場合であっても、赤外線吸収部の温度を十分に高くすることができるので、赤外線の強度差の測定感度をより高くすることができる。また、サーモパイルの温接点を断熱部上に配置し、冷接点を非断熱部上に配置することにより、第1および第2の赤外線吸収部を熱的に分離することがより容易となる。そのため、一方の赤外線吸収部から他方の赤外線吸収部への熱の伝達を抑制し、2つの赤外線吸収部の温度上昇量の差をより正確に求めることが可能となるので、赤外線の強度差の測定感度をさらに高くすることができる。
加えて、サーモパイルを、第1の赤外線吸収部の近傍に温接点が形成された第1および第2のサーモパイルと、第2の赤外線吸収部の近傍に温接点が形成された第3および第4のサーモパイルとで構成するとともに、第1のサーモパイルと第2のサーモパイルとを直列接続する第1のサーモパイル接続線と、第3のサーモパイルと第4のサーモパイルとを直列接続する第2のサーモパイル接続線とのそれぞれを、測定部と補償部との境界部において非断熱部を跨ぐように形成することにより、2つの赤外線吸収部の一方から他方に向かって伝達される熱の大部分をサーモパイル接続線を介して非断熱部に伝達させることができる。そのため、測定部と補償部とが熱的に分離されるので、赤外線の強度差の測定感度をさらに高くすることができる。
A1.吸光式ガス検出装置:
図1は、本発明の一実施形態としての吸光式ガス検出装置1の構成を示す説明図である。吸光式ガス検出装置1は、赤外線センサ10と、ランプユニット30と、チョッパ40と、測定セル50とを有している。ランプユニット30は、白熱ランプ31を放物面鏡32の焦点に配置するとともに、放物面鏡32の開口端に赤外線透過窓33を設けることにより、ほぼ平行な赤外線を赤外線透過窓33からチョッパ40に向かって射出する。チョッパ40は、モータ41により開口部49が設けられたブレード42を回転させ、ランプユニット30が射出する赤外線を断続(チョッピング)する。チョッパ40によりチョッピングされた赤外線は、測定セル50に入射する。また、図示しないが、チョッパ40は、チョッピングのタイミングを表す同期信号を出力する。
図2は、赤外線センサ10の構成を示す説明図である。図2(a)は、図2(b)の一点鎖線C1における赤外線センサ10の断面を示している。上述の通り、赤外線センサ10では、センサチップ100が、ヘッダ11とキャップ20とからなるパッケージ19内に実装されている。キャップ20に設けられた2つの開口部28,29のそれぞれの位置には、測定光を透過するフィルタ21と、参照光を透過するフィルタ22が取り付けられている。これにより、センサチップ100は、パッケージ19内に封止されている。センサチップ100は、その基板110がダイボンド材15によりヘッダ11に接着されることにより、ヘッダ11に固定されている。なお、以下では、特に断らない限り、図2(a)におけるキャップ20側を上と謂い、ヘッダ11側を下と謂う。
図3は、センサチップ100の構造を示す説明図である。図3(a)は、センサチップ100を上面から見た様子を示しており、図3(b)および図3(c)は、それぞれ、図3(a)の切断線A−A’および切断線B−B’におけるセンサチップ100の断面を示している。
図4は、センサチップ100の機能的な構成を示す説明図である。図4(a)は、図3(a)と同様に、センサチップ100を上面から見た様子を示している。但し、図4(a)および図4(b)においては、図示の便宜上、保護膜150のハッチングを省略している。図4(b)は、図4(a)において二点鎖線で囲んだ領域RXの拡大図である。
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
上記実施形態では、半導体膜130として形成された半導体熱電素子131と、導電膜140として形成された金属熱電素子143とを接続することにより、サーモパイルTP1〜TP4を構成しているが、サーモパイルは、極性の異なる2つの半導体膜として形成された2種の半導体熱電素子を接続するものとしても良い。この場合、サーモパイルの熱起電力が高くなるので、赤外線強度差の測定感度や検出対象ガスの検出感度をより高くすることができる。但し、センサチップを製造するための工程数の増加を抑制することができる点で、半導体膜130として形成された半導体熱電素子131と、導電膜140として成された金属熱電素子143とを接続して、サーモパイルTP1〜TP4を構成するのが好ましい。また、材質の異なる2つの導電膜として形成された2種の金属熱電素子を接続して、サーモパイルを構成するものとしても良い。但し、出力信号をより大きくすることができる点で、少なくとも一方の熱電素子を半導体で形成するのが好ましい。
上記実施形態では、測定部RMと補償部RCとのそれぞれにおいて、2つのサーモパイルを設けているが、サーモパイルの数は、任意の数とすることができる。例えば、測定部RMと補償部RCとのそれぞれにおいて、単一のサーモパイルを設けるものとしても良く、また、さらにサーモパイルを増やすものとしても良い。但し、2つの赤外線吸収膜161,162の温度差を表す出力信号をより大きくすることができる点で、測定部RMと補償部RCとのそれぞれに複数のサーモパイルを設けるのが好ましい。
上記実施形態では、測定部RMと補償部RCとを熱的に分離するため、測定部RMと補償部RCとの境界部である中心線C2の下に放熱部(板状部112)を設けているが、他の方法により測定部RMと補償部RCとを熱的に分離することも可能である。例えば、2つのメンブレン121,122に替えて単一のメンブレンを形成した後、当該メンブレンを分割するように、外枠部を跨ぐスリット穴をメンブレンに設けても良い。このようにしても、測定部と補償部とは、熱的に分離される。また、放熱部やスリット穴の形成を省略することも可能である。この場合、上記実施形態のようにサーモパイル接続線144を、測定部RMと補償部RCとの境界部において、非断熱部である外枠部111を跨ぐように形成すれば良い。この場合においても、赤外線吸収膜161,162の一方から他方に向かって伝達される熱は、その大部分がサーモパイル接続線144を介して外枠部に伝達されるので、測定部と補償部とは熱的に分離される。なお、測定部と補償部とは、必ずしも熱的に分離する必要はない。但し、赤外線強度差の測定感度や検出対象ガスの検出感度をより高くすることができる点で、測定部と補償部とを熱的に分離するのが好ましい。
上記実施形態では、サーモパイルTP1〜TP4の温接点HJを、赤外線吸収膜161,162の下に配置し、サーモパイルTP1〜TP4の冷接点CJを外枠部111の上部に配置しているが、サーモパイルの温接点を測定部の赤外線吸収膜の近傍に配置し、冷接点を補償部の赤外線吸収膜の近傍に配置するものとしても良い。サーモパイルは、本来冷接点と温接点との温度差を表す信号を出力するので、2つの赤外線吸収膜の温度差を表す信号を出力するようにサーモパイルを構成することがより容易となる。なお、この場合、2つの赤外線吸収膜の間での熱の伝達を抑制するため、2種の半導体熱電素子を接続したサーモパイルを用いるのが好ましい。
上記実施形態では、パッケージ19(図2)を構成するキャップ20にフィルタ21,22を設け、測定部RMの赤外線吸収膜161が測定光を吸収し、補償部RCの赤外線吸収膜162が参照光を吸収するようにしているが、一般的には、互いに異なる波長の赤外線を吸収する2つの赤外線吸収部を、それぞれ測定部と補償部とに設ければ良い。例えば、フィルタに替えて赤外線透過窓(広帯域フィルタ)を用い、測定部および補償部の赤外線吸収膜が、それぞれ測定光および参照光を選択的に吸収するようにしても良い。例えば、波長が約10μmの赤外線を吸収するSiO2からなる膜と、波長が約13μmの赤外線を吸収するSi3N4からなる膜とのそれぞれを、赤外線吸収膜として使用することもできる。この場合、吸収線の波長が10μmあるいは13μm前後の検出対象ガスを検出することができる。また、ポリエチレンやナイロン等の吸収スペクトルの異なる樹脂からなる膜のそれぞれを赤外線吸収膜として使用することもできる。この場合、吸収線が各樹脂の吸収線の波長に近いガスを検出することができる。さらに、SiO2あるいはSi3N4からなる膜と、樹脂からなる膜とのそれぞれを赤外線吸収膜として使用しても良い。
上記実施形態では、断熱部として、基板自体に設けられた空洞部、もしくは、基板上に形成された空洞部を用いているが、断熱部は必ずしも空洞である必要はない。断熱部は、例えば、基板自体に設けられた空洞部に、多孔質材や樹脂等の断熱材を埋め込むことにより形成することができる。多孔質材としてSiO2を用いる場合には、周知の低比誘電率(Low-k)絶縁膜やシリカエアロゲルの形成技術により空洞部に多孔質SiO2を埋め込むことができる。断熱材として樹脂を用いる場合には、当該樹脂のモノマやプレポリマを空洞部に充填し、その後、熱や紫外線によりモノマやプレポリマを重合させれば良い。また、断熱部として、基板上に多孔質材や樹脂等の断熱膜を形成するものとしても良い。この場合、上述した基板上に空洞部を形成する工程と同様に、基板もしくは絶縁膜120上に多孔質材や樹脂等の断熱膜を形成し、形成した断熱膜を残存させることにより断熱部を形成することができる。また、基板上に断熱膜を形成するためのポリシリコン膜を形成し、当該ポリシリコン膜を陽極酸化により多孔質化しても良い。さらに、断熱部として、基板自体に多孔質部を形成するものとしても良い。多孔質部は、例えば、基板としてSi基板を用いている場合には、基板自体に空洞部を形成する工程と同様に、基板の下面側もしくは基板の上面側から、空洞部に相当する領域を陽極酸化により多孔質化することで形成することができる。なお、空洞でない断熱部を用いる場合において、断熱部の材料が導電性を有する場合には、断熱部と、半導体膜あるいは導電膜との間には絶縁膜が追加される。このように、空洞でない断熱部を用いることにより、断熱部上に形成された機能膜の破損が抑制される。
上記実施形態では、本発明をガスの検出に適用しているが、本発明は、互いに波長が異なる赤外線の強度の差を測定する赤外線センサであれば、波長の種々の用途において使用される赤外線センサに適用することができる。例えば、本発明が適用された赤外線センサは、波長が異なる赤外線を放射あるいは反射する対象物の判別や、対象物の温度変化の検出に使用することができる。この場合、レンズ等により対象物の像を赤外線センサの上面に形成し、赤外線センサが出力する2つの赤外線吸収膜の温度差を表す信号に基づいて、対象物の判別や温度変化の検出を行うことができる。また、本発明が適用された赤外線センサは、種類の異なる樹脂のように、波長が異なる赤外線を吸収する対象物を判別する用途にも使用可能である。この場合、当該対象物に赤外線光源から射出される赤外線を導入し、対象物を透過した赤外線を赤外線センサに入射させれば良い。
Claims (1)
- 赤外線センサであって、
断熱部および非断熱部と、
前記断熱部上において第1の波長の赤外線を吸収する第1の赤外線吸収部が形成された測定部と、
前記断熱部上において前記第1の波長と異なる第2の波長の赤外線を吸収する第2の赤外線吸収部が形成された補償部と、
冷接点が前記非断熱部上に配置され、前記第1および第2の赤外線吸収部の温度差を表す信号を出力するように構成されたサーモパイルと、
を備え、
前記サーモパイルは、前記第1の赤外線吸収部の近傍の前記断熱部上に温接点が形成された第1および第2のサーモパイルと、前記第2の赤外線吸収部の近傍の前記断熱部上に温接点が形成された第3および第4のサーモパイルと、を有しており、
前記第1のサーモパイルと前記第2のサーモパイルとを直列接続する第1のサーモパイル接続線と、前記第3のサーモパイルと前記第4のサーモパイルとを直列接続する第2のサーモパイル接続線とは、それぞれ、前記測定部と前記補償部との境界部において前記非断熱部を跨ぐように形成されている、
赤外線センサ。
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