しかし、上記特許文献1に開示された技術によると、基準となる電源端子及びグランド端子は端子切替の対象外であり、その端子位置は固定されている。従って、不正コピーを企てる第三者は、全ての外部端子のうち電源端子及びグランド端子として機能する外部端子を容易に特定でき、その結果、電源端子及びグランド端子を除く残りの外部端子を、データ端子として容易に特定することができる。従って、コンテンツデータの不正コピーを効果的に防止するためには、データ端子の配置切替とは異なる手法によって、第三者によるデータ解析を困難化させるような改良が望まれる。
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、ホスト装置とメモリ装置との間で送受信されるデータの電圧値を変動させることにより、第三者によるデータ解析を困難化することが可能なデータ処理システムを得ることを目的とするものである。
本発明の第1の態様に係るデータ処理システムは、ホスト装置と、前記ホスト装置に接続されるメモリ装置と、を備え、前記ホスト装置は、前記メモリ装置に接続される複数のホスト側外部端子と、前記ホスト側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するデータ処理部と、前記データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記ホスト側外部端子から出力する、ホスト側電圧変換部と、を有し、前記メモリ装置は、前記ホスト側外部端子に接続される複数のメモリ側外部端子と、前記メモリ側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するメモリ部と、前記ホスト側電圧変換部による電圧変換制御に対応して、前記メモリ側外部端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記メモリ部のデータ端子に入力する、メモリ側電圧変換部と、を有し、前記メモリ側電圧変換部は、前記メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を反転するメモリ側反転処理部と、前記メモリ側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加するメモリ側オフセット処理部と、を有し、前記ホスト側電圧変換部は、前記ホスト側外部端子から入力されたデータの電圧値を反転するホスト側反転処理部と、前記ホスト側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して前記所定のオフセット電圧を付加するホスト側オフセット処理部と、を有することを特徴とするものである。
第1の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側電圧変換部は、データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換してホスト側外部端子から出力する。従って、不正コピーを企てる第三者がプローブ等の外部機器を用いてホスト側外部端子からメモリ側外部端子へ送信されるデータを抜き取ったとしても、ホスト側電圧変換部によって当該データの電圧値は変換されているため、第三者は当該データを正しく解析することができない。その結果、第三者によるデータ解析が困難となるため、メモリ装置に格納されたコンテンツデータの不正コピーを効果的に防止することが可能となる。
また、第1の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部は、データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加する。このように、オフセット電圧を付加するという簡易な処理によって、データの電圧値を変換することが可能となる。
本発明の第2の態様に係るデータ処理システムは、ホスト装置と、前記ホスト装置に接続されるメモリ装置と、を備え、前記ホスト装置は、前記メモリ装置に接続される複数のホスト側外部端子と、前記ホスト側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するデータ処理部と、前記データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記ホスト側外部端子から出力する、ホスト側電圧変換部と、を有し、前記メモリ装置は、前記ホスト側外部端子に接続される複数のメモリ側外部端子と、前記メモリ側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するメモリ部と、前記ホスト側電圧変換部による電圧変換制御に対応して、前記メモリ側外部端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記メモリ部のデータ端子に入力する、メモリ側電圧変換部と、を有し、前記ホスト側電圧変換部は、前記データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を反転するホスト側反転処理部と、前記ホスト側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加するホスト側オフセット処理部と、を有し、前記メモリ側電圧変換部は、前記メモリ側外部端子から入力されたデータの電圧値を反転するメモリ側反転処理部と、前記メモリ側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して前記所定のオフセット電圧を付加するメモリ側オフセット処理部と、を有することを特徴とするものである。
第2の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側電圧変換部は、データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換してホスト側外部端子から出力する。従って、不正コピーを企てる第三者がプローブ等の外部機器を用いてホスト側外部端子からメモリ側外部端子へ送信されるデータを抜き取ったとしても、ホスト側電圧変換部によって当該データの電圧値は変換されているため、第三者は当該データを正しく解析することができない。その結果、第三者によるデータ解析が困難となるため、メモリ装置に格納されたコンテンツデータの不正コピーを効果的に防止することが可能となる。
また、第2の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側反転処理部は、データ処理部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を反転し、ホスト側オフセット処理部は、ホスト側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加する。このように、オフセット電圧を付加するという簡易な処理によって、データの電圧値を変換することが可能となる。また、オフセット電圧を付加する前に反転処理を行うことにより、送信側のホスト装置と受信側のメモリ装置とで同一極性のオフセット電圧を使用することが可能となる。
本発明の第3の態様に係るデータ処理システムは、ホスト装置と、前記ホスト装置に接続されるメモリ装置と、を備え、前記メモリ装置は、前記ホスト装置に接続される複数のメモリ側外部端子と、前記メモリ側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するメモリ部と、前記メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記メモリ側外部端子から出力する、メモリ側電圧変換部と、を有し、前記ホスト装置は、前記メモリ側外部端子に接続される複数のホスト側外部端子と、前記ホスト側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するデータ処理部と、前記メモリ側電圧変換部による電圧変換制御に対応して、前記ホスト側外部端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記データ処理部のデータ端子に入力する、ホスト側電圧変換部と、を有し、前記メモリ側電圧変換部は、前記メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加するメモリ側オフセット処理部を有し、前記ホスト側電圧変換部は、前記ホスト側外部端子から入力されたデータの電圧値に対して、前記所定のオフセット電圧と逆極性のオフセット電圧を付加するホスト側オフセット処理部を有することを特徴とするものである。
第3の態様に係るデータ処理システムによれば、メモリ側電圧変換部は、メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換してメモリ側外部端子から出力する。従って、不正コピーを企てる第三者がプローブ等の外部機器を用いてメモリ側外部端子からホスト側外部端子へ送信されるデータを抜き取ったとしても、メモリ側電圧変換部によって当該データの電圧値は変換されているため、第三者は当該データを正しく解析することができない。その結果、第三者によるデータ解析が困難となるため、メモリ装置に格納されたコンテンツデータの不正コピーを効果的に防止することが可能となる。
また、第3の態様に係るデータ処理システムによれば、メモリ側オフセット処理部は、メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加する。このように、オフセット電圧を付加するという簡易な処理によって、データの電圧値を変換することが可能となる。
本発明の第4の態様に係るデータ処理システムは、ホスト装置と、前記ホスト装置に接続されるメモリ装置と、を備え、前記メモリ装置は、前記ホスト装置に接続される複数のメモリ側外部端子と、前記メモリ側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するメモリ部と、前記メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記メモリ側外部端子から出力する、メモリ側電圧変換部と、を有し、前記ホスト装置は、前記メモリ側外部端子に接続される複数のホスト側外部端子と、前記ホスト側外部端子に接続される複数のデータ端子を有するデータ処理部と、前記メモリ側電圧変換部による電圧変換制御に対応して、前記ホスト側外部端子から入力されたデータの電圧値を変換して前記データ処理部のデータ端子に入力する、ホスト側電圧変換部と、を有し、前記メモリ側電圧変換部は、前記メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を反転するメモリ側反転処理部と、前記メモリ側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加するメモリ側オフセット処理部と、を有し、前記ホスト側電圧変換部は、前記ホスト側外部端子から入力されたデータの電圧値を反転するホスト側反転処理部と、前記ホスト側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して前記所定のオフセット電圧を付加するホスト側オフセット処理部と、を有することを特徴とするものである。
第4の態様に係るデータ処理システムによれば、メモリ側電圧変換部は、メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を変換してメモリ側外部端子から出力する。従って、不正コピーを企てる第三者がプローブ等の外部機器を用いてメモリ側外部端子からホスト側外部端子へ送信されるデータを抜き取ったとしても、メモリ側電圧変換部によって当該データの電圧値は変換されているため、第三者は当該データを正しく解析することができない。その結果、第三者によるデータ解析が困難となるため、メモリ装置に格納されたコンテンツデータの不正コピーを効果的に防止することが可能となる。
また、第4の態様に係るデータ処理システムによれば、メモリ側反転処理部は、メモリ部のデータ端子から入力されたデータの電圧値を反転し、メモリ側オフセット処理部は、メモリ側反転処理部から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加する。このように、オフセット電圧を付加するという簡易な処理によって、データの電圧値を変換することが可能となる。また、オフセット電圧を付加する前に反転処理を行うことにより、送信側のメモリ装置と受信側のホスト装置とで同一極性のオフセット電圧を使用することが可能となる。
本発明の第5の態様に係るデータ処理システムは、第1〜第4のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、オフセット電圧値を変更可能であることを特徴とするものである。
第5の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、オフセット電圧値を変更可能である。固定値のオフセット電圧値を用いるのではなくオフセット電圧値を様々に変更することにより、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第6の態様に係るデータ処理システムは、第5の態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部がオフセット電圧値の変更処理を実行する実行条件には、前回の変更処理が完了してから、予め設定された所定時間が経過したことが含まれることを特徴とするものである。
第6の態様に係るデータ処理システムによれば、前回の変更処理が完了してから予め設定された所定時間が経過した場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、時間の経過に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第7の態様に係るデータ処理システムは、第5又は第6の態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部がオフセット電圧値の変更処理を実行する実行条件には、変更処理の実行を指示する所定のコマンドが前記ホスト装置から前記メモリ装置に送信されたことが含まれることを特徴とするものである。
第7の態様に係るデータ処理システムによれば、変更処理の実行を指示する所定のコマンドがホスト装置からメモリ装置に送信された場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、変更処理の実行を指示する専用コマンドがホスト装置から発行された場合にオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が不定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第8の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第7のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部がオフセット電圧値の変更処理を実行する実行条件には、予め設定された所定値のデータが前記ホスト装置と前記メモリ装置との間で送受信されたことが含まれることを特徴とするものである。
第8の態様に係るデータ処理システムによれば、予め設定された所定値のデータがホスト装置とメモリ装置との間で送受信された場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、両装置間で送受信されるデータの内容に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が不定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第9の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第8のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト装置及び/又は前記メモリ装置は、所定の外部環境要因を測定する測定部をさらに有し、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部がオフセット電圧値の変更処理を実行する実行条件には、前記測定部による測定値が所定のしきい値を超えたことが含まれることを特徴とするものである。
第9の態様に係るデータ処理システムによれば、測定部による外部環境要因の測定値が所定のしきい値を超えた場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、外部環境要因の測定結果に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が不定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第10の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第9のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト装置及び/又は前記メモリ装置は、前記ホスト側外部端子と前記メモリ側外部端子との間に外部機器が接続されているか否かを検出する検出部をさらに有し、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、前記検出部が前記外部機器を検出している場合には、前記検出部が前記外部機器を検出していない場合よりも、オフセット電圧値の変更処理の実行頻度を高く設定することを特徴とするものである。
第10の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、ホスト側外部端子とメモリ側外部端子との間に外部機器が接続されていることを検出部が検出している場合には、検出部が外部機器を検出していない場合よりも、オフセット電圧値の変更処理の実行頻度を高く設定する。このように、プローブ等の外部機器が接続されていることが検出された場合には、オフセット電圧値の変更処理の実行頻度を高く設定することにより、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第11の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第10のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト装置及び前記メモリ装置は、オフセット電圧の設定値が複数記述されたテーブルデータを格納するデータ格納部をさらに有し、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、前記テーブルデータに基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することを特徴とするものである。
第11の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト装置及びメモリ装置のデータ格納部には、オフセット電圧の設定値が複数記述されたテーブルデータが格納されており、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、当該テーブルデータに基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、オフセット電圧の設定値が複数記述されたテーブルデータを予め準備してデータ格納部に格納しておくことにより、当該テーブルデータに基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、ランダムな設定値をテーブルデータに記述できるため、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。
本発明の第12の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第10のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、共通のアルゴリズムによってオフセット電圧の設定値をそれぞれ生成し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することを特徴とするものである。
第12の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、共通のアルゴリズムによってオフセット電圧の設定値をそれぞれ生成し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部が同一の設定値をそれぞれ生成することにより、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、オフセット電圧の設定値が複数記述されたテーブルデータが不要となるため、当該テーブルデータを格納するデータ格納部を省略することが可能となる。さらに、乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。また、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部が設定値をそれぞれ生成するため、ホスト装置とメモリ装置との間で設定値を送受信する必要がない。そのため、設定値の外部漏洩を防止することが可能となる。
本発明の第13の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第10のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部は、オフセット電圧の設定値を生成し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行し、前記メモリ側オフセット処理部は、前記オフセット電圧の設定値を前記ホスト側オフセット処理部から取得し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することを特徴とするものである。
第13の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部は自ら生成した設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行し、メモリ側オフセット処理部はホスト側オフセット処理部から取得した設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、ホスト側オフセット処理部が設定値を生成することにより、ホスト装置及びメモリ装置の双方において、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、設定値が複数記述されたテーブルデータが不要となるため、当該テーブルデータを格納するデータ格納部を省略することが可能となる。さらに、ホスト側オフセット処理部が乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。しかも、ホスト側オフセット処理部は、設定値を生成するためのアルゴリズムを任意に変更することが可能となる。
本発明の第14の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第10のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記メモリ側オフセット処理部は、オフセット電圧の設定値を生成し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行し、前記ホスト側オフセット処理部は、前記オフセット電圧の設定値を前記メモリ側オフセット処理部から取得し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することを特徴とするものである。
第14の態様に係るデータ処理システムによれば、メモリ側オフセット処理部は自ら生成した設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行し、ホスト側オフセット処理部はメモリ側オフセット処理部から取得した設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、メモリ側オフセット処理部が設定値を生成することにより、メモリ装置及びホスト装置の双方において、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、設定値が複数記述されたテーブルデータが不要となるため、当該テーブルデータを格納するデータ格納部を省略することが可能となる。さらに、メモリ側オフセット処理部が乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。しかも、メモリ側オフセット処理部は、設定値を生成するためのアルゴリズムを任意に変更することが可能となる。
本発明の第15の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第10のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、オフセット電圧の設定値を生成する生成装置をさらに備え、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、前記オフセット電圧の設定値を前記生成装置から取得し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することを特徴とするものである。
第15の態様に係るデータ処理システムによれば、生成装置がオフセット電圧の設定値を生成し、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、生成装置から取得した設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、生成装置がオフセット電圧の設定値を生成することにより、ホスト装置及びメモリ装置の双方において、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に切り替えることが可能となる。また、設定値が複数記述されたテーブルデータが不要となるため、当該テーブルデータを格納するデータ格納部を省略することが可能となる。さらに、生成装置が乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。しかも、生成装置は、設定値を生成するためのアルゴリズムを任意に変更することが可能となる。
本発明の第16の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第15のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、前記データ処理部の複数のデータ端子及び前記メモリ部の複数のデータ端子の各々に対して、オフセット電圧値を個別に設定可能であることを特徴とするものである。
第16の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、データ処理部の複数のデータ端子及びメモリ部の複数のデータ端子の各々に対して、オフセット電圧値を個別に設定可能である。このように、各データ端子に対してオフセット電圧値を個別に設定することにより、オフセット電圧値をデータ端子毎に異ならせることができるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明の第17の態様に係るデータ処理システムは、第5〜第16のいずれか一つの態様に係るデータ処理システムにおいて特に、前記ホスト側オフセット処理部及び前記メモリ側オフセット処理部は、オフセット電圧値として、連続的に変動するアナログ信号の電圧値を使用することを特徴とするものである。
第17の態様に係るデータ処理システムによれば、ホスト側オフセット処理部及びメモリ側オフセット処理部は、オフセット電圧値として、連続的に変動するアナログ信号の電圧値を使用する。その結果、ホスト側外部端子とメモリ側外部端子との間で送受信されるデータの電圧値は連続的に変動するため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
本発明によれば、ホスト装置とメモリ装置との間で送受信されるデータの電圧値を変動させることにより、第三者によるデータ解析を困難化することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るデータ処理システム1の構成を示す図である。図1に示すようにデータ処理システム1は、ホスト装置2と、ホスト装置2に着脱自在に外部接続されるメモリ装置3とを備えて構成されている。
ホスト装置2は、CPU等のデータ処理部11と、電圧変換部12と、データ格納部13と、複数の外部端子B(この例では10個の外部端子B0〜B9)とを備えて構成されている。データ処理部11は、複数の内部端子A(この例では10個の内部端子A0〜A9)を有している。この例において、内部端子A0は電源電圧VCCを供給する電源端子であり、内部端子A9はグランド端子であり、内部端子A1〜A8はデータ端子(入力端子、出力端子、又は入出力端子)であるものとする。内部端子A0,A9は外部端子B0,B9にそれぞれ接続されており、内部端子A1〜A8は、電圧変換部12を介して外部端子B1〜B8にそれぞれ接続されている。以下の説明では、内部端子A0及び外部端子B0を「電源端子」とも称し、内部端子A9及び外部端子B9を「グランド端子」とも称し、内部端子A1〜A8及び外部端子B1〜B8を「データ端子」とも称する。なお、第三者によってデータ処理部11と電圧変換部12との間の送受信データが解析されないようにするために、データ処理部11と電圧変換部12とはワンチップ化されているのが望ましい。
メモリ装置3は、メモリコントローラ及びメモリアレイを有するメモリ部21と、電圧変換部22と、データ格納部23と、複数の外部端子C(この例では10個の外部端子C0〜C9)とを備えて構成されている。メモリ部21は、複数の内部端子D(この例では10個の内部端子D0〜D9)を有している。この例において、内部端子D0は電源端子であり、内部端子D9はグランド端子であり、内部端子D1〜D8はデータ端子(入力端子、出力端子、又は入出力端子)であるものとする。内部端子D0,D9は外部端子C0,C9にそれぞれ接続されており、内部端子D1〜D8は、電圧変換部22を介して外部端子C1〜C8にそれぞれ接続されている。以下の説明では、内部端子D0及び外部端子C0を「電源端子」とも称し、内部端子D9及び外部端子C9を「グランド端子」とも称し、内部端子D1〜D8及び外部端子C1〜C8を「データ端子」とも称する。なお、第三者によってメモリ部21と電圧変換部22との間の送受信データが解析されないようにするために、メモリ部21と電圧変換部22とはワンチップ化されているのが望ましい。
図2は、データ格納部13,23に格納されているテーブルデータ100を示す図である。テーブルデータ100には、複数のオフセット電圧値(この例では256個のオフセット電圧値V0〜V255)が設定されている。インデックス値を指定することにより、対応するオフセット電圧値を任意に選択することができる。
図1を参照して、同一のテーブルデータ100が予めデータ格納部13,23に格納されていても良いし、データ格納部13,23の一方のみに予めテーブルデータ100が格納されていても良い。テーブルデータ100が予めデータ格納部13のみに格納されている場合には、データ処理システム1の起動時にメモリ装置3がホスト装置2から外部端子B,Cを介してテーブルデータ100を取得して、当該テーブルデータ100をデータ格納部23に格納する。テーブルデータ100が予めデータ格納部23のみに格納されている場合には、データ処理システム1の起動時にホスト装置2がメモリ装置3から外部端子B,Cを介してテーブルデータ100を取得して、当該テーブルデータ100をデータ格納部13に格納する。なお、テーブルデータ100を送受信する際には、テーブルデータ100を暗号化することが望ましい。また、システム起動時にテーブルデータ100の送受信を実行するのではなく、ホスト装置2が専用コマンドを発行することによって、テーブルデータ100の送受信を実行しても良い。また、テーブルデータ100を送受信するための専用外部端子を、外部端子B,Cとは別に設けても良い。また、メモリ部21内のメモリアレイの一部の領域を、データ格納部23として使用しても良い。
ホスト装置2からメモリ装置3へデータを送信する場合には、電圧変換部12は、データ処理部11のデータ端子Aから入力されたデータの電圧値を変換し、変換後のデータをデータ端子Bから出力する。また、電圧変換部22は、データ端子Cから入力されたデータの電圧値を逆変換し、逆変換後のデータをメモリ部21のデータ端子Dに入力する。
図3,4は、ホスト装置2からメモリ装置3へデータを送信する場合における、電圧変換部12,22の処理を示す図である。図3に示すように、電圧変換部12はオフセット処理部31を有しており、電圧変換部22はオフセット処理部41を有している。
データ処理システム1が起動されると、オフセット処理部31,41は、データ格納部13,23に格納されているテーブルデータ100を参照することにより、インデックス値「0」で示される先頭のオフセット電圧値V0を取得して設定する。本実施の形態において、オフセット処理部31,41は、互いに逆極性のオフセット電圧値を付加する。以下の例では、オフセット処理部31はプラスのオフセット電圧値を付加し、オフセット処理部41はマイナスのオフセット電圧値を付加する。
図4を参照して、オフセット処理部31は、データ端子Aから入力されたデータS11の電圧値に対してオフセット電圧値+Voff(この場合はオフセット電圧値+V0)を付加することにより、データS11をデータS12に変換し、変換後のデータS12をデータ端子Bに入力する。データS12は、データ端子Bからデータ端子Cに送信される。オフセット処理部41は、データ端子Cから入力されたデータS12の電圧値に対して、逆極性のオフセット電圧値−Voff(この場合はオフセット電圧値−V0)を付加することにより、データS12をデータS11と同一のデータS13に逆変換し、逆変換後のデータS13をデータ端子Dからメモリ部21に入力する。
前回の電圧変換処理(つまりオフセット処理部31,41によるオフセット電圧値V0の設定処理)が完了してから、予め設定された所定時間(第三者によるデータ解析の所要時間より短い時間に設定されている)が経過すると、オフセット処理部31,41は、テーブルデータ100を参照することにより、次のインデックス値「1」で示されるオフセット電圧値V1を取得して設定する。
図5,6は、メモリ装置3からホスト装置2へデータを送信する場合における、電圧変換部12,22の処理を示す図である。
この例では、オフセット処理部31,41は、インデックス値「1」で示されるオフセット電圧値V1を設定しているものとする。
図6を参照して、オフセット処理部41は、データ端子Dから入力されたデータS21の電圧値に対してオフセット電圧値−Voff(この場合はオフセット電圧値−V1)を付加することにより、データS21をデータS22に変換し、変換後のデータS22をデータ端子Cに入力する。データS22は、データ端子Cからデータ端子Bに送信される。オフセット処理部31は、データ端子Bから入力されたデータS22の電圧値に対して、逆極性のオフセット電圧値+Voff(この場合はオフセット電圧値+V1)を付加することにより、データS22をデータS21と同一のデータS23に逆変換し、逆変換後のデータS23をデータ端子Aからデータ処理部11に入力する。
以降は同様にオフセット処理部31,41は、前回の電圧変換処理が完了してから所定時間が経過する度に、次のインデックス値で示されるオフセット電圧値をテーブルデータ100から取得して設定する。また、末尾のオフセット電圧値V255の次には、先頭のオフセット電圧値V0が設定される。
図2を参照して、オフセット電圧値V0〜V255としてはランダムな値が設定されていることが望ましい。また、オフセット電圧値の最大値をVmaxとすると、電圧変換部12,22には、−Vmax(V)から+VCC+Vmax(V)までの電圧を供給する必要がある。例えば、電源電圧VCCが2.0(V)、オフセット電圧値の最大値Vmaxが3.0(V)である場合には、−3.0(V)から+5.0(V)までの電圧を電圧変換部12,22に供給する必要がある。
なお、テーブルデータ100の開始位置は必ずしも先頭のオフセット電圧値V0である必要はなく、システムの起動時にデータ処理部11が専用コマンドを発行し、当該専用コマンド内でインデックス値を指定することによって、テーブルデータ100の開始位置を任意に指定しても良い。この場合、データ処理部11は、任意の乱数生成アルゴリズムを用いることにより、あるいは、システム起動処理の開始時刻等の任意の変動要因を用いることにより、システムの起動処理毎に異なるインデックス値を指定することが望ましい。
図7は、ホスト装置2のデータ端子Bからメモリ装置3のデータ端子Cに送信されるデータの一例を示す図である。図7の(A)には、電圧変換処理を行わない場合の例が示されている。この例では電源電圧VCCが2.0(V)であり、送信データの電圧値は、二値論理の「0」又は「1」に対応して0(V)又は2.0(V)となる。
図7の(B)には、(A)と同じ送信データに対して電圧変換処理を行った場合の例が示されている。この例においてオフセット電圧値Voffは、時刻t0〜t1の期間では2.0(V)に、時刻t1〜t2の期間では最大値Vmaxである3.0(V)に、時刻t2〜t3の期間では0.0(V)に、時刻t3〜t4の期間では1.0(V)に、それぞれ設定されている。送信データの電圧値は、二値論理の「0」又は「1」と、オフセット電圧値Voffとに対応して、0(V)〜5.0(V)の範囲内で様々に変動している。その結果、コンテンツデータの不正コピーを企てる第三者が、電源電圧値未満の一定のしきい値電圧との比較によって二値論理の「0」又は「1」を判定する解析装置(ロジックアナライザ等)を用いてデータ解析を行った場合には、ほとんどの期間において「1」と判定されるため、第三者によるデータ解析が困難となる。
なお、変形例として、オフセット電圧値Voffを変動させるのではなく、固定値としても良い。例えば、図7の(C)に示すようにオフセット電圧値Voffを電源電圧値と同じ値に固定しても良い。この例においてオフセット電圧値Voffは、時刻t0〜t1及び時刻t3〜t4の各期間では2.0(V)に、時刻t1〜t2及び時刻t2〜t3の各期間では0.0(V)に、それぞれ設定されている。図7の(B)では、時刻t3において送信データの電圧値が電源電圧値未満の1.0(V)だけ上昇しており、このタイミングで何らかの電圧制御が行われたことが第三者に推測される可能性がある。これに対して図7の(C)では、送信データの電圧値の一回の変動幅は電源電圧値の倍数(この例では0.0(V)、2.0(V)、及び4.0(V)のいずれか)となるため、何らかの電圧制御が行われていること及びその制御タイミングが第三者に推測されにくい。
また、オフセット電圧値Voffの固定値としては、電源電圧値とは異なる任意の値を用いても良い。固定値は、メモリ装置3の全ての個体で共通の値としても良いし、個体毎に異なる値に設定しても良い。
さらに、オフセット電圧値Voffを変動させる場合の更新タイミングとしては、予め定められた所定時間が経過する度に更新するのではなく、システムの起動毎に更新しても良い。
このように本実施の形態に係るデータ処理システム1によれば、ホスト装置2の電圧変換部12は、データ処理部11のデータ端子Aから入力されたデータの電圧値を変換して外部端子Bから出力する。また、メモリ装置3の電圧変換部22は、メモリ部21のデータ端子Dから入力されたデータの電圧値を変換して外部端子Cから出力する。従って、不正コピーを企てる第三者がプローブ等の外部機器を用いて外部端子B,C間の送受信データを抜き取ったとしても、電圧変換部12,22によって当該データの電圧値は変換されているため、第三者は当該データを正しく解析することができない。その結果、第三者によるデータ解析が困難となるため、メモリ装置3に格納されたコンテンツデータの不正コピーを効果的に防止することが可能となる。
また、本実施の形態に係るデータ処理システム1によれば、ホスト装置2のオフセット処理部31は、データ処理部11のデータ端子Aから入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧値+Voffを付加する。また、メモリ装置3のオフセット処理部41は、メモリ部21のデータ端子Dから入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧値−Voffを付加する。このように、オフセット電圧を付加するという簡易な処理によって、データの電圧値を変換することが可能となる。
また、本実施の形態に係るデータ処理システム1によれば、オフセット処理部31,41は、オフセット電圧値を変更可能である。固定値のオフセット電圧値を用いるのではなくオフセット電圧値を様々に変更することにより、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
また、本実施の形態に係るデータ処理システム1によれば、前回の変更処理が完了してから予め設定された所定時間が経過した場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、時間の経過に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
また、本実施の形態に係るデータ処理システム1によれば、データ格納部13,23には、オフセット電圧の設定値が複数記述されたテーブルデータ100が格納されており、オフセット処理部31,41は、当該テーブルデータ100に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、オフセット電圧の設定値が複数記述されたテーブルデータ100を予め準備してデータ格納部13,23に格納しておくことにより、当該テーブルデータ100に基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、ランダムな設定値をテーブルデータ100に記述できるため、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。
<実施の形態2>
以下、上記実施の形態1との相違点を中心に、本発明の実施の形態2に係るデータ処理システム1について説明する。
図8,9は、ホスト装置2からメモリ装置3へデータを送信する場合における、電圧変換部12,22の処理を示す図である。図8に示すように、電圧変換部12はオフセット処理部31及び反転処理部32を有しており、電圧変換部22はオフセット処理部41及び反転処理部42を有している。
データ処理システム1が起動されると、オフセット処理部31,41は、データ格納部13,23に格納されているテーブルデータ100を参照することにより、インデックス値「0」で示される先頭のオフセット電圧値V0を取得して設定する。本実施の形態において、オフセット処理部31,41は、互いに同一極性のオフセット電圧値を付加する。以下の例では、オフセット処理部31,41はいずれもプラスのオフセット電圧値を付加する。
図9を参照して、反転処理部32は、データ端子Aから入力されたデータS31の電圧値を反転することにより、データS32を生成する。オフセット処理部31は、反転処理部32から入力されたデータS32の電圧値に対してオフセット電圧値+Voff(この場合はオフセット電圧値+V0)を付加することにより、データS32をデータS33に変換し、変換後のデータS33をデータ端子Bに入力する。データS33は、データ端子Bからデータ端子Cに送信される。反転処理部42は、データ端子Cから入力されたデータS33の電圧値を反転することにより、データS34を生成する。オフセット処理部41は、反転処理部42から入力されたデータS34の電圧値に対してオフセット電圧値+Voff(この場合はオフセット電圧値+V0)を付加することにより、データS34をデータS31と同一のデータS35に変換し、変換後のデータS35をデータ端子Dからメモリ部21に入力する。
図10,11は、メモリ装置3からホスト装置2へデータを送信する場合における、電圧変換部12,22の処理を示す図である。
この例では、オフセット処理部31,41は、インデックス値「1」で示されるオフセット電圧値V1を設定しているものとする。
図11を参照して、反転処理部42は、データ端子Dから入力されたデータS41の電圧値を反転することにより、データS42を生成する。オフセット処理部41は、反転処理部42から入力されたデータS42の電圧値に対してオフセット電圧値+Voff(この場合はオフセット電圧値+V1)を付加することにより、データS42をデータS43に変換し、変換後のデータS43をデータ端子Cに入力する。データS43は、データ端子Cからデータ端子Bに送信される。反転処理部32は、データ端子Bから入力されたデータS43の電圧値を反転することにより、データS44を生成する。オフセット処理部31は、反転処理部32から入力されたデータS44の電圧値に対してオフセット電圧値+Voff(この場合はオフセット電圧値+V1)を付加することにより、データS44をデータS41と同一のデータS45に変換し、変換後のデータS45をデータ端子Aからデータ処理部11に入力する。
本実施の形態において、オフセット電圧値の最大値をVmaxとすると、電圧変換部12,22には、オフセット電圧値の付加方向がプラス方向である場合には−Vmax(V)から+Vmax(V)までの電圧を供給する必要があり、オフセット電圧値の付加方向がマイナス方向である場合には−VCC−Vmax(V)から+VCC+Vmax(V)までの電圧を供給する必要がある。例えば、電源電圧VCCが2.0(V)、オフセット電圧値の最大値Vmaxが3.0(V)、オフセット電圧値の付加方向がマイナス方向である場合には、−5.0(V)から+5.0(V)までの電圧を電圧変換部12,22に供給する必要がある。但し、オフセット電圧値の最大値Vmaxが電源電圧VCC未満である場合には、−VCC(V)から+VCC(V)までの電圧を電圧変換部12,22に供給すればよい。
このように本実施の形態に係るデータ処理システム1によれば、ホスト装置2からメモリ装置3へデータを送信する場合には、反転処理部32は、データ処理部11のデータ端子Aから入力されたデータの電圧値を反転し、オフセット処理部31は、反転処理部32から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加する。また、メモリ装置3からホスト装置2へデータを送信する場合には、反転処理部42は、メモリ部21のデータ端子Dから入力されたデータの電圧値を反転し、オフセット処理部41は、反転処理部42から入力されたデータの電圧値に対して所定のオフセット電圧を付加する。このように、オフセット電圧を付加するという簡易な処理によって、データの電圧値を変換することが可能となる。また、オフセット電圧を付加する前に反転処理を行うことにより、ホスト装置2とメモリ装置3とで同一極性のオフセット電圧を使用することが可能となる。
<第1の変形例>
上記実施の形態1,2では、オフセット処理部31,41はデータ格納部13,23に格納されているテーブルデータ100に基づいてオフセット電圧の付加処理(オフセット処理)を実行したが、テーブルデータ100を参照するのではなく、オフセット処理部31,41の双方が自らオフセット電圧の設定値を生成しても良い。
図12は、第1の変形例に係るデータ処理システム1の構成を示す図である。図1に示した構成からデータ格納部13,23が省略されている。
オフセット処理部31,41は、共通のアルゴリズムによってオフセット電圧の同一の設定値をそれぞれ作成し、当該設定値に基づいてオフセット処理を実行する。オフセット電圧の設定値を生成するためのアルゴリズムとしては、例えば、任意の乱数生成アルゴリズムを用いることができる。
第1の変形例に係るデータ処理システム1によれば、オフセット処理部31,41は、共通のアルゴリズムによってオフセット電圧の設定値をそれぞれ生成し、当該設定値に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行する。このように、オフセット処理部31,41が同一の設定値をそれぞれ生成することにより、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、テーブルデータ100が不要となるため、当該テーブルデータ100を格納するデータ格納部13,23を省略することが可能となる。さらに、乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。また、オフセット処理部31,41が設定値をそれぞれ生成するため、ホスト装置2とメモリ装置3との間で設定値を送受信する必要がない。そのため、設定値の外部漏洩を防止することが可能となる。
<第2の変形例>
上記実施の形態1,2では、オフセット処理部31,41はデータ格納部13,23に格納されているテーブルデータ100に基づいてオフセット処理を実行したが、テーブルデータ100を参照するのではなく、オフセット処理部31,41の一方がオフセット電圧の設定値を生成しても良い。
第2の変形例に係るデータ処理システム1の構成は、図12と同様である。
オフセット処理部31がオフセット電圧の設定値を生成する第1の例として、オフセット処理部31は、任意の乱数生成アルゴリズムによって乱数を生成し、当該乱数を用いてランダムな設定値を作成する。
オフセット処理部31がオフセット電圧の設定値を生成する第2の例として、オフセット処理部31は、メモリ装置3に送信するコマンド内又はメモリ装置3から受信したデータ内の特定領域の値を抽出し、抽出値をそのまま用いることにより、あるいは抽出値に対して所定の演算を行うことにより、オフセット電圧の設定値を生成する。
オフセット処理部31がオフセット電圧の設定値を生成する第3の例として、オフセット処理部31は、上記実施の形態1と同様のテーブルデータ100を内部に保持しておき、上記抽出値をインデックス値として用いて、そのインデックス値に対応するオフセット電圧値をテーブルデータ100から読み出すことによって、オフセット電圧の設定値を生成する。
オフセット処理部31がオフセット電圧の設定値を生成する第4の例として、図13に示すように、温度、湿度、照度、又は音圧等の任意の外部環境要因を測定する測定部51をホスト装置2に実装しておき、オフセット処理部31は、測定部51から出力されたアナログの測定値をA/D変換することによって得られるディジタルの電圧値をそのまま用いることにより、あるいは当該電圧値に対して所定の演算を行うことにより、オフセット電圧の設定値を生成する。
上記第1〜第4の例は任意に組み合わせて適用可能であり、また、他の任意の例を組み合わせることもできる。
オフセット処理部31は、上記の例で自ら生成したオフセット電圧の設定値に基づいてオフセット処理を実行する。また、オフセット処理部41は、外部端子B,Cを介して、あるいはオフセット電圧の設定値を送受信するための専用外部端子を介して、オフセット処理部31からオフセット電圧の設定値を取得する。そして、オフセット処理部31から取得した設定値に基づいてオフセット処理を実行する。なお、オフセット電圧の設定値を送受信する際には、当該設定値を暗号化することが望ましい。また、オフセット電圧の設定値は、リードコマンド又はライトコマンド等の通常のコマンド内に埋め込んで送受信しても良いし、オフセット電圧の設定値を送受信するための専用コマンドによって送受信しても良い。また、上記第3の例においては、オフセット処理部41内にもオフセット処理部31と同様のテーブルデータ100を保持しておくことにより、オフセット処理部31からオフセット処理部41にインデックス値のみを送信すればよい。
第2の変形例に係るデータ処理システム1によれば、オフセット処理部31は自ら生成した設定値に基づいてオフセット処理を実行し、オフセット処理部41はオフセット処理部31から取得した設定値に基づいてオフセット処理を実行する。このように、オフセット処理部31が設定値を生成することにより、ホスト装置2及びメモリ装置3の双方において、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に変更することが可能となる。また、テーブルデータ100が不要となるため、当該テーブルデータ100を格納するデータ格納部13,23を省略することが可能となる。さらに、オフセット処理部31が乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。しかも、オフセット処理部31は、設定値を生成するためのアルゴリズムを任意に変更することが可能となる。
なお、以上の説明ではオフセット処理部31がオフセット電圧の設定値を生成し、オフセット処理部41はオフセット処理部31から設定値を取得する例について述べたが、これとは逆に、オフセット処理部41がオフセット電圧の設定値を生成し、オフセット処理部31がオフセット処理部41から当該設定値を取得する構成としても良く、上記と同様の効果を得ることができる。
<第3の変形例>
上記実施の形態1,2では、オフセット処理部31,41はデータ格納部13,23に格納されているテーブルデータ100に基づいてオフセット処理を実行したが、テーブルデータ100を参照するのではなく、ホスト装置2及びメモリ装置3の外部においてオフセット電圧の設定値を生成しても良い。
図14は、第3の変形例に係るデータ処理システム1の構成を示す図である。図1に示した構成からデータ格納部13,23が省略されるとともに、ホスト装置2及びメモリ装置3の外部に、オフセット電圧の設定値を生成する生成装置4が追加されている。
生成装置4は、任意の乱数生成アルゴリズムによって乱数を生成し、当該乱数を用いてランダムな設定値を生成する。
オフセット処理部31は、オフセット電圧の設定値を生成装置4から取得する。また、オフセット処理部41は、当該設定値を、生成装置4からホスト装置2を介して取得する。具体的に、オフセット処理部41は、外部端子B,Cを介して、あるいはオフセット電圧の設定値を送受信するための専用外部端子を介して、オフセット処理部31から設定値を取得する。なお、上記の例とは逆に、オフセット処理部41が、オフセット電圧の設定値を生成装置4から取得し、オフセット処理部41が、当該設定値を生成装置4からメモリ装置3を介して取得しても良い。
第3の変形例に係るデータ処理システム1によれば、生成装置4がオフセット電圧の設定値を生成し、オフセット処理部31,41は、生成装置4から取得した設定値に基づいてオフセット処理を実行する。このように、生成装置4がオフセット電圧の設定値を生成することにより、ホスト装置2及びメモリ装置3の双方において、当該設定値に基づいてオフセット電圧値を能動的に切り替えることが可能となる。また、テーブルデータ100が不要となるため、当該テーブルデータ100を格納するデータ格納部13,23を省略することが可能となる。さらに、生成装置4が乱数生成アルゴリズムによってランダムな設定値を生成することにより、オフセット電圧値のランダム性を向上することが可能となる。しかも、生成装置4は、設定値を生成するためのアルゴリズムを任意に変更することが可能となる。
<第4の変形例>
上記実施の形態1,2では、オフセット処理部31,41は、前回の電圧変換処理が完了してから所定時間が経過することによってオフセット電圧値の変更処理を実行したが、経過時間以外の要因に基づいて変更処理を実行しても良い。
第4の変形例に係るデータ処理システム1の構成は、図1と同様である。
第1の例として、オフセット処理部31,41は、オフセット電圧値の変更処理の実行を指示する専用コマンドがホスト装置2からメモリ装置3に送信されたことを条件として、変更処理を実行する。当該専用コマンドは、外部端子B,Cを介して、あるいは当該専用コマンドを送受信するための専用外部端子を介して、ホスト装置2からメモリ装置3に送信される。
第2の例として、オフセット処理部31,41は、予め設定された所定値のデータがホスト装置2とメモリ装置3との間で送受信されたことを条件として、変更処理を実行する。例えば、上記所定値のデータとして8ビットの「5E」(h)が設定されている場合において、メモリ装置3からホスト装置2に送信されたデータが「5E」(h)である場合に、オフセット処理部31,41は変更処理を実行する。
第3の例として、図15に示すように、温度、湿度、照度、又は音圧等の任意の外部環境要因を測定する測定部52をホスト装置2(又はメモリ装置3)に実装しておき、測定部52から出力された測定値が所定のしきい値を超えた場合に、オフセット処理部31,41は変更処理を実行する。なお、ホスト装置2及びメモリ装置3の双方に測定部52を実装しておき、両者の測定値の差が所定のしきい値を超えた場合に変更処理を実行する構成としても良い。
第4の例として、図16に示すように、静電容量又は負荷の測定等によってプローブ等の外部機器が外部端子B,C間に接続されているか否かを検出する検出部53を、ホスト装置2及びメモリ装置3の少なくとも一方に実装しておき、検出部53が外部機器の接続を検出している場合には、オフセット処理部31,41は、変更処理の実行頻度を通常時(非検出時)よりも高く設定する。例えば、通常時には1秒間隔で変更処理を実行している場合において、検出部53が外部機器の接続を検出した場合には変更処理の実行間隔を0.5秒に設定する。あるいは、通常時にはオフセット電圧値の変更処理を実行せず、検出部53が外部機器の接続を検出した場合に所定の時間間隔で変更処理を実行しても良い。
上記第1〜第4の例は任意に組み合わせて適用可能であり、また、他の任意の例を組み合わせることもできる。
第4の変形例に係るデータ処理システム1によれば、変更処理の実行を指示する所定のコマンドがホスト装置2からメモリ装置3に送信された場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、変更処理の実行を指示する専用コマンドがホスト装置2から発行された場合にオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が不定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
また、第4の変形例に係るデータ処理システム1によれば、予め設定された所定値のデータがホスト装置2とメモリ装置3との間で送受信された場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、両装置間で送受信されるデータの内容に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が不定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
また、第4の変形例に係るデータ処理システム1によれば、測定部52による外部環境要因の測定値が所定のしきい値を超えた場合に、オフセット電圧値の変更処理が実行される。このように、外部環境要因の測定結果に基づいてオフセット電圧値の変更処理を実行することにより、オフセット電圧値が不定期的に変更されるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
また、第4の変形例に係るデータ処理システム1によれば、オフセット処理部31,41は、外部端子B,C間に外部機器が接続されていることを検出部53が検出している場合には、検出部53が外部機器を検出していない場合よりも、オフセット電圧値の変更処理の実行頻度を高く設定する。このように、プローブ等の外部機器が接続されていることが検出された場合には、オフセット電圧値の変更処理の実行頻度を高く設定することにより、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
<第5の変形例>
上記実施の形態1,2では、複数セット(上記の例では8セット)のデータ端子に対して共通のオフセット電圧値が設定されたが、データ端子のセット毎にオフセット電圧値を個別に設定しても良い。
図17は、第5の変形例に係る電圧変換部12,22の構成を示す図である。電圧変換部12は、オフセット処理部311〜318を有しており、電圧変換部22はオフセット処理部411〜418を有している。例えば、オフセット処理部311,411はデータ端子A1〜D1のセットに関してオフセット処理を実行し、オフセット処理部312,412はデータ端子A2〜D2のセットに関してオフセット処理を実行する。
オフセット処理部311〜318,411〜418は、データ端子のセット毎に、オフセット電圧値を個別に設定する。また、オフセット電圧値に加えて、オフセット電圧の更新タイミングをセット毎に個別に制御しても良い。
第5の変形例に係るデータ処理システム1によれば、オフセット処理部311〜318,411〜418は、データ端子のセット毎にオフセット電圧値を個別に設定可能である。これにより、オフセット電圧値をデータ端子のセット毎に異ならせることができるため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
<第6の変形例>
上記実施の形態1,2では、オフセット処理部31,41は、一定の時間間隔毎にオフセット電圧値の変更処理を実行したが、連続的に変更処理を実行しても良い。
図18は、第6の変形例に係るデータ処理システム1の構成を示す図である。図1に示したデータ格納部13,23に代えて、アナログ発振回路61,62が実装されている。
アナログ発振回路61,62は、連続的に変動するアナログ信号を生成する。例えば、アナログ発振回路61は、振幅、周期、及び位相が一定の正弦波W1を生成し、アナログ発振回路62は、正弦波W1に対して振幅及び周期が同一で位相が180度異なる正弦波W2を生成する。なお、正弦波W1,W2の振幅及び周期は、定期的又は不定期的に変更しても良い。また、本変形例を実施の形態2に適用する場合には、振幅、周期、及び位相が同一の正弦波W1,W2が使用される。
オフセット処理部31は、正弦波W1の電圧値をオフセット電圧値として用いて、オフセット処理を実行する。同様に、オフセット処理部32は、正弦波W2の電圧値をオフセット電圧値として用いて、オフセット処理を実行する。
図19は、ホスト装置2からメモリ装置3へデータを送信する場合における、電圧変換部12,22の処理を模式的に示す図である。
オフセット処理部31には、図19の(A)に示す二値論理の入力データが、データ処理部11のデータ端子Aから入力される。また、オフセット処理部31には、図19の(B)に示す正弦波W1が、アナログ発振回路61から入力される。
オフセット処理部31は、正弦波W1の電圧値をオフセット電圧値として用いて入力データのオフセット処理を実行することにより、図19の(C)に示す送信データをデータ端子Bからメモリ装置3に送信する。
オフセット処理部41には、図19の(C)に示す送信データが、データ端子Cから入力される。また、オフセット処理部41には、図19の(D)に示す正弦波W2が、アナログ発振回路62から入力される。
オフセット処理部62は、正弦波W2の電圧値をオフセット電圧値として用いて送信データのオフセット処理を実行することにより、図19の(E)に示すデータ(図19の(A)に示した入力データと同一のデータとなる)を再生し、当該データをデータ端子Dからメモリ部21に入力する。
なお、正弦波に限らず、連続的に変動する任意のアナログ信号を使用することができる。
また、メモリ装置3側のアナログ発振回路62を省略するとともに、ホスト装置2側のアナログ発振回路61が生成した正弦波W1を反転することによってホスト装置2内で正弦波W2を生成し、当該正弦波W2をホスト装置2からメモリ装置3に入力しても良い。また、実施の形態2に適用する場合には、アナログ発振回路61が生成した正弦波W1をホスト装置2からメモリ装置3に入力すれば良い。これにより、アナログ発振回路61,62間で正弦波W1,W2の同期をとる必要がないため、オフセット処理に用いるアナログ信号の自由度を向上できる。
第6の変形例に係るデータ処理システム1によれば、オフセット処理部31,41は、オフセット電圧値として、連続的に変動するアナログ信号の電圧値を使用する。その結果、データ端子B,C間で送受信されるデータの電圧値は連続的に変動するため、第三者によるデータ解析をさらに困難化することが可能となる。
なお、上述した第1〜第6の変形例は、必要に応じて適宜に組み合わせて適用することが可能である。