従来、LCDは、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor :TFT)を含む画素部が多数形成されたアレイ側基板と、カラーフィルタ及びブラックマトリクスが形成されたカラーフィルタ側基板とを互いに対向させて、それらの基板を所定の間隔でもって貼り合わせ、それらの基板間に液晶を充填、封入させることによって作製される。また、一般的に、カラーフィルタ側基板は、TFT及び画素電極に対向する側の面(液晶側の面)の全面に、画素電極との間で液晶に印加する垂直電界を形成するための共通電極が形成されている。また、LCDが画素電極と共通電極との間で液晶に印加する横電界を形成するIPS(In-Plane Switching)方式のLCDである場合、共通電極はアレイ側基板の画素電極と同じ面内に形成される。LCDが画素電極と共通電極との間で液晶に印加するフリンジ電界(端部電界)を形成するFFS(Fringe Field Switching)方式のLCDである場合、共通電極はアレイ側基板の画素部に画素電極の上方または下方に絶縁層を挟んで形成される。また、カラーフィルタ側基板の液晶側の面には、それぞれの画素部に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、それぞれの画素部を通過する光が相互に干渉することを防ぐブラックマトリクスがカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。
従来のアクティブマトリクス型のLCDの基本構成の1例を図8に示す。例えばIPS方式のLCDの場合、TFT71を含む画素部P11,P12,P13〜Pmnが多数形成されたアレイ側基板は、その上の第1の方向(例えば、行方向)に形成された複数本のゲート信号線GL1,GL2,GL3〜GLmと、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)にゲート信号線GL1,GL2,GL3〜GLmと交差させて形成された複数本の画像信号線(ソース信号線)SL1,SL2,SL3〜SLnと、ゲート信号線GL1,GL2,GL3〜GLmと画像信号線SL1,SL2,SL3〜SLnの交差部に形成されたTFT71と、液晶に印加する横電界(水平電界)を形成するための画素電極PE11,PE12,PE13〜PEmn及び共通電極(基準電極)と、それらを含む画素部P11,P12,P13〜Pmnと、共通電極に共通電圧(Vcom)を供給する共通電圧線72と、を有する構成である。なお、図8において、73はゲート信号線GL1,GL2,GL3〜GLmに順次ゲート信号を入力するゲート信号線駆動回路、74は画像信号線SL1,SL2,SL3〜SLnに順次画像信号を入力する画像信号線駆動回路、80は表示部である。IPS方式のLCDは、垂直電界によってツイステッドネマチック(Twisted Nematic :TN)液晶を駆動するLCDと比較して、コントラスト、グレー反転、色ずれ等の視野角特性を高めることができる。その結果、広視野角を得ることができるので、大型のLCDに好適に用いられている。
また、図6(a),(b)は、液晶表示パネルのカラーフィルタ側基板の表示側の面(液晶側の面と対向する面)に、投影型静電容量方式のタッチパネルを有しているLCDを示すものである。カラーフィルタ側基板41の上面すなわち表示側の面に、タッチパネルの容量検出電極線42,43が、四角形、菱形(ダイヤモンド形とも称する)等の形状の検出電極部が所定の方向に連なって伸びるようにして、直接的に形成されている。図6(a)に示すように、複数の走査側の容量検出電極線42は、それぞれY方向(例えば、列方向)に伸びるように形成されており、複数の検出側の容量検出電極線43は、それぞれX方向(例えば、行方向)に伸びるように形成されている。複数の走査側の容量検出電極線42は、人の指等の静電的な導電体が近接、接触した際の静電容量の変化を検出するための走査パルスが順次入力される駆動線(ドライブ線)として機能する。複数の検出側の容量検出電極線43は、静電容量の変化を検出する検出線(センサ線)、受信線として機能する。これらの容量検出電極線42,43は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide :ITO)等の透明電極から成る。また、容量検出電極線42,43と外部の検出回路、制御回路等との間で検出信号等の入出力を行うためのフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit :FPC)44が、カラーフィルタ側基板41の表示側の面の端部に設置されている。なお、42Lは走査側の容量検出電極線42とFPC44の接続端子を電気的に接続するための走査側の引回配線、43Lは検出側の容量検出電極線43とFPC44の接続端子を電気的に接続するための検出側の引回配線である。これらの引回配線42L,43Lは、カラーフィルタ側基板41の表示側の面の容量検出電極線42,43の周囲に形成されている。
また図6(b)は、(a)のB1−B2線における断面図である。なお、B1−B2線は、容量検出電極線42,43の交差部(ラインクロス部)45を切断して示すものである。そして、容量検出電極線42,43が短絡することを防ぐとともに容量検出電極線43の検出電極部同士を接続するためのブリッジ電極49が、形成されている。カラーフィルタ側基板41の上面と容量検出電極線43との間には、窒化珪素(SiNx),酸化珪素(SiO2)等から成る絶縁膜46が形成されており、またカラーフィルタ側基板41の上面に形成されたブリッジ電極49と容量検出電極線42との間にも絶縁膜46が形成されている。さらに、容量検出電極線42,43上には、アクリル樹脂等から成る保護膜47が形成されており、保護膜47上には偏光板48が積層されている。
そして、ブリッジ電極49は、容量検出電極線43の検出電極部とコンタクトホール等によって接続される。これにより、人の指先等の静電的な導電体が静電容量検出領域に近づいたときの容量検出電極線42及び容量検出電極線43との静電的結合(容量結合)による静電容量の変化を捉えることができる。すなわち、静電容量の変化が生じた容量検出電極線42及び容量検出電極線43を、電流値の変化として検出側の容量検出電極線43の出力から得ることができ、外部の制御IC(Integrated Circuit)、制御LSI(Large Scale Integrated Circuit)等によって特定する。これにより、静電容量検出領域における静電容量が変化した位置を、2次元的に、即ち平面内において特定することができる。このように、人の指等の静電的な導電体が静電容量検出領域の表面に触れると、その付近の容量検出電極線42及び容量検出電極線43における1pF程度の静電容量の変化を検出することによって、接触部の位置を2次元的に高精度に検出できる。この投影型静電容量方式のタッチパネルは、接触部の位置検出を行う制御IC,LSI等によって多点検出が可能であり、実用性が高いので、タブレット型携帯端末等に好適に用いられる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、図6に示す上記従来のLCDにおいては、交差部45が静電気によって破壊される場合があった。すなわち、ブリッジ電極49が金属から成る場合、ブリッジ電極49とITO等から成る容量検出電極線43との接続部は、それらの抵抗が大きく異なるために、静電気によってサージ電流が流れると接続部が破壊されて断線する場合があるという問題点があった。また、図6(b)に示すように、静電容量検出領域が多層構造であるため、LCDの製造工程が複雑化し、製造の歩留まりが低下するとともに製造コストが増大する原因となるという問題点があった。
上記の問題点を解消し得るLCDとして、特許文献2に、第1の基板の第1の面の、隣接する画素間で、第1の方向に伸びるように形成された金属製の第1の検知電極と、第1の基板の第1の面に対向する第2の面の、隣接する画素間で、第1の方向と交差する第2の方向に伸びるように形成された金属製の第2の検知電極と、を有するタッチパネル基板を備えており、タッチパネル基板と第2の基板との間に挟持された液晶層を有するLCDが開示されている。しかしながら、このLCDは、金属製の第1の検知電極と同じく金属製の第2の検知電極を用いているために、画素の開口率を低下させないように隣接する画素間に第1の検知電極と第2の検知電極を配置する必要がある。そのため、検知電極の面積を大きくして検出感度を向上させるには限度があり、また金属製の検知電極が表示面において目立ちやすく、表示品質を劣化させやすいという問題点があった。
そこで、上記問題点を解消し得る図7に示す構成のタッチパネル付LCDを、本出願の発明者等は着想した。このタッチパネル付LCDは、アレイ側基板51の一面の第1の方向(例えば、行方向)に形成された複数本のゲート信号線と、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)にゲート信号線と交差させて形成された複数本の画像信号線と、ゲート信号線と画像信号線の交差部に形成された、TFT及び画素電極64を含む画素部と、アレイ側基板51の前記一面に液晶61を挟んで一面が対向するカラーフィルタ側基板52と、カラーフィルタ側基板52の前記一面に形成された第1の容量検出電極線57と、カラーフィルタ側基板52の前記一面に対向する面に形成された第2の容量検出電極線59と、を有しており、第1の容量検出電極線57は、ゲート信号線及び画像信号線のいずれかに平面視で重なるように画素電極64間に形成されており、第2の容量検出電極線59は、平面視で第1の容量検出電極線57と交差する方向に形成された透明電極線である構成である。なお、アレイ側基板51及びカラーフィルタ側基板52は、それらの液晶61側の面の周縁部が封止材53によって接着され封止されている。
また、アレイ側基板51の液晶61側の面の一端部には画像信号線を駆動、制御するためのIC,LSI等から成る第1の半導体集積回路素子54が、COG(Chip On Glass)方式等によって実装されている。アレイ側基板51の液晶61側の面における前記一端部に隣接する他端部にはゲート信号線を駆動、制御するためのIC,LSI等から成る第2の半導体集積回路素子55が、COG方式等によって実装されている。また、アレイ側基板51の液晶61側の面の前記一端部における第1の半導体集積回路素子54よりも端側には、第1のFPC56が設置されており、第1のFPC56は画像信号を外部の駆動回路、制御回路等に入出力する。カラーフィルタ側基板52の液晶11側の面における前記一端部に対向する端部には、第2のFPC58が設置されており、第2のFPC58は走査側の容量検出電極線である第1の容量検出電極線57に、外部の走査回路等から走査パルスを入力する。カラーフィルタ側基板2の液晶61側の面と対向する面の前記他端部に対向する端部には、第3のFPC60が設置されており、第3のFPC60は第2の容量検出電極線59から出力された検出信号を外部の検出回路等に出力する。また、図7(a)のC1−C2線における断面図である図7(b)に示すように、カラーフィルタ側基板52の液晶61側の面に対向する面(図7(b)では上面)には、第2の容量検出電極線59上に第2の偏光板63が設けられている。アレイ側基板51の液晶61側の面に対向する面(図7(b)では下面)には、第1の偏光板62が設けられている。
図7に示すタッチパネル付LCDは、第1の半導体集積回路素子54と液晶表示パネルの画像信号線とを電気的に接続する多数の画素駆動用の引出配線が、第1の半導体集積回路素子54の実装部周囲に形成されているために、走査側の容量検出電極線である第1の容量検出電極線57に走査パルスを入力するための第2のFPC58を設置する必要がある。その結果、タッチパネル付LCDが大型化、複雑化し、製造コストも増大するという問題点があった。そこで、第2のFPC58を省いて、第1のFPC56に走査パルス入力信号線を設けて、第1の半導体集積回路素子54の実装部周囲に、走査パルス入力信号線と第1の容量検出電極線57を電気的に接続する走査パルス用の引出配線を形成しようとしても、上述したように多数の画素駆動用の引出配線があるために、走査パルス用の引出配線を形成することが非常に困難であった。そのため、第2のFPC58を省いてタッチパネル付LCDを小型化、簡易化することがきわめて困難であるという問題点があった。
さらに、例えば特許文献3等に開示されている図7に示すような構成のLCD、すなわち第1の容量検出電極線57に走査パルスを一方の端部側から入力する片側入力タイプのLCDにおいては、走査パルスが第1の容量検出電極線57を進むにつれて鈍り、すなわち不要な波形の崩れが発生し、第1の容量検出電極線57の走査パルス入力端部から離れるに伴って検出感度が劣化するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、液晶表示パネルに付属するFPC等の回路基板をできるだけ省いて、構成の簡易化、小型化が可能になるとともに低コストに製造できるタッチパネル付LCDとすることである。さらに、検出感度が向上するとともに、静電容量検出領域の全体において検出感度が均一なタッチパネル付LCDとし得るようにすることである。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、第1の基板の液晶側の面の表示部の外側にあって前記表示部を駆動する駆動回路部と、前記第1の基板との間に液晶を挟持して前記第1の基板と対向した状態で前記表示部の周囲で前記第1の基板に封止材によって封止された第2の基板と、前記第2の基板の液晶側の面に形成された第1の容量検出電極線と、前記第2の基板の液晶側の面と反対側の面に前記第1の容量検出電極線と交差する方向に形成された第2の容量検出電極線と、を有する静電容量検出型のタッチパネル付液晶表示装置であって、前記第1の基板は、平面視で前記第2の基板よりも外側に突出する突出部を有するとともに前記突出部に外部接続端子が形成されており、前記第1の容量検出電極線は、前記駆動回路部側からそれに対向する側にかけて形成されているとともに、前記対向する側の端部が導電性を有する前記封止材を介して前記第1の基板の液晶側の面に形成された引出配線の一端部に電気的に接続されており、前記引出配線は、その他端部が前記外部接続端子に電気的に接続されている構成である。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、好ましくは、前記第1の基板は、前記突出部の液晶側の面に前記駆動回路部及び前記外部接続端子があるとともに前記駆動回路部側の端縁部に前記駆動回路部に電気的に接続される駆動信号線を備えた可撓性回路基板が設置されている。
また本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、好ましくは、前記引出配線は、前記第1の容量検出電極線よりも低抵抗の材料から成る。
また本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、好ましくは、前記封止材の外側に補助導電材がある。
また本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、好ましくは、前記駆動回路部は、前記第1の基板と前記封止材との間の部位にある。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、第1の基板の液晶側の面の表示部の外側にあって表示部を駆動する駆動回路部と、第1の基板との間に液晶を挟持して第1の基板と対向した状態で表示部の周囲で第1の基板に封止材によって封止された第2の基板と、第2の基板の液晶側の面に形成された第1の容量検出電極線と、第2の基板の液晶側の面と反対側の面に第1の容量検出電極線と交差する方向に形成された第2の容量検出電極線と、を有する静電容量検出型のタッチパネル付液晶表示装置であって、第1の基板は、平面視で第2の基板よりも外側に突出する突出部を有するとともに突出部に外部接続端子が形成されており、第1の容量検出電極線は、駆動回路部側からそれに対向する側にかけて形成されているとともに、対向する側の端部が導電性を有する封止材を介して第1の基板の液晶側の面に形成された引出配線の一端部に電気的に接続されており、引出配線は、その他端部が外部接続端子に電気的に接続されている構成であることから、以下のような効果を奏する。すなわち、従来、第2の基板の液晶側の面における駆動回路部と対向する端縁部に設置されていた第1の容量検出電極線用の可撓性回路基板を省くことができるので、構成の簡易化、小型化が可能になるとともに低コストに製造できるタッチパネル付液晶表示装置となる。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、第1の基板は、突出部の液晶側の面に駆動回路部及び外部接続端子があるとともに駆動回路部側の端縁部に駆動回路部に電気的に接続される駆動信号線を備えた可撓性回路基板が設置されている場合、駆動回路部に電気的に接続される可撓性回路基板と同じ部位に、外部接続端子に電気的に接続される容量信号線を備えた第1の容量検出電極線用の可撓性回路基板を設置できるので、構成の簡易化、小型化が可能になるタッチパネル付液晶表示装置となる。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、引出配線は、前記第1の容量検出電極線よりも低抵抗の材料から成る場合、電流値の低下を抑えることができる。
本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、封止材の外側に補助導電材がある場合、封止材材の導電性を補うことができる。
また本発明のタッチパネル付液晶表示装置は、駆動回路部は、前記第1の基板と前記封止材との間の部位にある場合、第1の基板を小型化できる。
以下、本発明のタッチパネル付LCDの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明のタッチパネル付LCDの実施の形態における構成部材のうち、本発明のタッチパネル付LCDを説明するための主要部を示している。従って、本発明に係るタッチパネル付LCDは、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。
本発明のタッチパネル付LCDは、図1、図2に示すように、ガラス基板等から成る第1の基板としてのアレイ側基板1の液晶11側の面の表示部の外側にあって表示部を駆動する第1の駆動回路部4と、アレイ側基板1との間に液晶11を挟持してアレイ側基板1と対向した状態で表示部の周囲でアレイ側基板1に封止材3によって封止された第2の基板としてのカラーフィルタ側基板2と、カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面に形成された第1の容量検出電極線7と、カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面と反対側の面に第1の容量検出電極線7と交差する方向に形成された第2の容量検出電極線9と、を有する静電容量検出型のタッチパネル付LCDであって、アレイ側基板1は、平面視でカラーフィルタ側基板2よりも外側に突出する突出部P1,P2を有するとともに突出部P1に外部接続端子14が形成されており、第1の容量検出電極線7は、第1の駆動回路部4側からそれに対向する側にかけて形成されているとともに、前記対向する側の端部が導電性を有する封止材3を介してアレイ側基板1の液晶11側の面に形成された引出配線7Lの一端部に電気的に接続されており、引出配線7Lは、その他端部が外部接続端子14に電気的に接続されている構成であることから、以下のような効果を奏する。従来、カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面における第1の駆動回路部4と対向する端縁部に設置されていた第1の容量検出電極線7用のFPCを省くことができるので、構成の簡易化、小型化が可能になるとともに低コストに製造できるタッチパネル付LCDとなる。
本発明のタッチパネル付LCDは、アレイ側基板1は、突出部P1の液晶11側の面に第1の駆動回路部4及び外部接続端子14があるとともに第1の駆動回路部4側の端縁部に第1の駆動回路部4に電気的に接続される駆動信号線16を備えた第1のFPC6が設置されている場合、第1の駆動回路部4に電気的に接続される第1のFPC6と同じ部位に、外部接続端子14に電気的に接続される容量信号線を備えた第1の容量検出電極線7用のFPCを設置できる。その結果、構成の簡易化、小型化が可能になるタッチパネル付LCDとなる。
また本発明のタッチパネル付LCDは、図1(a)に示すように、第1のFPC6は、第1の容量検出電極線7に電気的に接続される容量信号線15、例えば走査パルス入力信号線、また第1の容量検出電極線7が検出線(センサ線)である場合には検出信号線を、さらに備えており、引出配線7Lは、他端部が外部接続端子14を介して容量信号線15に電気的に接続されていることが好ましい。この場合、第1の駆動回路部4に電気的に接続される第1のFPC6が、第1の容量検出電極線7にも電気的に接続されるので、共用化される。その結果、第1の容量検出電極線7専用のFPCが不要となり、さらなる構成の簡易化、小型化が可能になるとともに低コストに製造できるタッチパネル付LCDとなる。
本発明のタッチパネル付LCDの液晶表示パネルは以下のように作製される。TFTを含む画素部が多数形成されたアレイ側基板1と、カラーフィルタ及び遮光膜(ブラックマトリクス)36が形成されたカラーフィルタ側基板2とを互いに対向させて、それらの基板1,2を所定の間隔でもって封止材(シール材)3によって貼り合わせ、それらの基板1,2間に液晶11を充填、封入させることによって作製される。また、一般的に、カラーフィルタ側基板2は、TFT及び画素電極23に対向する側の面(液晶11側の面)の全面に、画素電極23との間で液晶11に印加する垂直電界を形成するための共通電極が形成されている。また、液晶表示パネルが画素電極23と共通電極33との間で液晶11に印加する横電界を形成するIPS方式のものである場合、共通電極33はアレイ側基板1の画素電極23と同じ面内に形成される。液晶表示パネルが画素電極23と共通電極との間で液晶に印加する端部電界(フリンジ電界)を形成するFFS方式のものである場合、共通電極はアレイ側基板1の画素部に画素電極23の上方または下方に絶縁層を挟んで形成される。また、カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面には、それぞれの画素部に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが形成されており、それぞれの画素部を通過する光が相互に干渉することを防ぐ遮光膜36がカラーフィルタの外周を囲むように形成されている。
なお、図1に示すように、アレイ側基板1の液晶11側の面の一端部には画像信号線22を駆動、制御するためのIC,LSI等の半導体集積回路素子から成る第1の駆動回路部4が、COG(Chip On Glass)方式等によって実装されている。アレイ側基板1の液晶11側の面における前記一端部に隣接する他端部にはゲート信号線21を駆動、制御するためのIC,LSI等の半導体集積回路素子から成る第2の駆動回路部5が、COG方式等によって実装されている。また、アレイ側基板1の液晶11側の面の前記一端部における第1の駆動回路部4よりも端縁側には、第1のFPC6が設置されており、第1のFPC6は画像信号を外部の駆動回路、制御回路等に入出力する。また第1のFPC6は、走査側の容量検出電極線である第1の容量検出電極線7に外部の走査回路等から走査パルスを入力するための走査パルス入力信号線(容量信号線15)を有している。カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面と反対側の面の前記他端部に対向する端縁部には、第2のFPC10が設置されており、第2のFPC10は第2の容量検出電極線9から出力された検出信号を外部の検出回路等に出力する。なお、第1の駆動回路部4及び第2の駆動回路部5は、TFTが低温ポリシリコン(Low-Temperature Poly Silicon :LTPS)から成る場合、アレイ側基板1上にLTPSの薄膜で形成することもできる。この場合、第1の駆動回路部4及び第2の駆動回路部5がアレイ側基板1と封止材3との間の部位にあるとよく、アレイ側基板1をさらに小型化できるので好ましい。またこの場合、第1の駆動回路部4及び第2の駆動回路部5は窒化珪素,酸化珪素等から成る絶縁膜によって覆われていることがよい。これにより、封止材3が導電性を有しているが、封止材3を通して、第1の容量検出電極線7に入力される走査パルスが、第1の駆動回路部4及び第2の駆動回路部5に影響を与えることを防ぐことができる。
また、図1(b)に示すように、カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面に対向する面(図1(b)では上面)には、第2の容量検出電極線9上に第2の偏光板13が設けられている。また、図2に示すように、アレイ側基板1の液晶11側の面に対向する面(図2では下面)には、第1の偏光板12が設けられている。一方、アレイ側基板1の液晶11側の面には、ゲート信号線21、窒化珪素(SiNx),酸化珪素(SiO2)等から成るゲート絶縁膜31、画像信号線22、アクリル樹脂等から成る平坦化膜32、共通電極33、窒化珪素,酸化珪素等から成る層間絶縁膜34、画素電極23が、順次形成されている。また、アレイ側基板1の液晶11側の面と封止材3との間に、引出配線7Lに電気的に接続される接続電極50が形成されている。接続電極50は、例えば、アルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),クロム(Cr),銀(Ag),銅(Cu),ネオジウム(Nd)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料、または窒化チタン,窒化タンタル,窒化モリブデン等の金属窒化物、さらには酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide :ITO)等の透明電極等の導電性を有する材料を用いて形成される。
ゲート信号線21及び画像信号線22は、例えば、アルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),クロム(Cr),銀(Ag),銅(Cu),ネオジウム(Nd)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料、または窒化チタン,窒化タンタル,窒化モリブデン等の金属窒化物等の導電性を有する材料を用いて形成される。画素電極23及び共通電極33は、例えば、ITO,インジウム亜鉛酸化物(IZO),酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO),酸化亜鉛(ZnO),リンやボロンが含まれるシリコン(Si)等の導電性材料であって、かつ透光性を有する材料を用いて形成される。
導電性部材30が封止材3である、すなわち封止材3が導電性を有する。封止材3は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、合成ゴム等から成る樹脂基材中に、銀(Ag),銅(Cu),アルミニウム(Al),亜鉛(Zn),金(Au),クロム(Cr),ニッケル(Ni)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料、その他ステンレススチール等の合金材料などから成る導電性粒子を含有させたものから成る。
本発明のタッチパネル付LCDは、液晶表示パネルのカラーフィルタ側基板2の液晶側の面に第1の容量検出電極線7が形成されており、表示側の面(液晶11側の面と対向する面)に第2の容量検出電極線9が形成されている。これらの容量検出電極線7,9によって、投影型静電容量方式のタッチパネルを構成している。図1(a)に示すように、複数の第1の容量検出電極線7は、それぞれY方向(例えば、列方向)に伸びるように線状に形成されており、複数の第2の容量検出電極線9は、それぞれX方向(例えば、行方向)に伸びるように線状に形成されている。複数の第1の容量検出電極線7は、人の指等の静電的な導電体が近接、接触した際の静電容量の変化を検出するための走査パルスが順次入力される駆動線(ドライブ線)として機能する。複数の第2の容量検出電極線9は、静電容量の変化を検出する検出線(センサ線)、受信線として機能する。第2の容量検出電極線9は、例えば、ITO,インジウム亜鉛酸化物(IZO),酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO),酸化亜鉛(ZnO),リンやボロンが含まれるシリコン(Si)等の導電性材料であって、かつ透光性を有する材料を用いて形成される。なお、第1の容量検出電極線7を駆動線(ドライブ線)とし、第2の容量検出電極線9を検出線(センサ線)、受信線としているが、この関係を逆にしてもよい。また、第1の容量検出電極線7の延伸方向(軸線方向)と第2の容量検出電極線9の延伸方向(軸線方向)を入れ替えてもよい。
本発明のタッチパネル付LCDにおいて、第1の容量検出電極線7の厚みが第2の容量検出電極線9の厚みよりも厚くなるように形成してもよい。この場合、第1の容量検出電極線7の抵抗が小さくなり、第1の容量検出電極線7に入力される走査パルスが、第1の容量検出電極線7の軸線方向に進むにつれて鈍ることを抑えることができる。なお、第1の容量検出電極線7の厚みは20nm〜200nm程度、第2の容量検出電極線9の厚みは20nm〜200nm程度であるが、これらの厚みの範囲内で第1の容量検出電極線7の厚みが第2の容量検出電極線9の厚みよりも厚くなるように形成することがよい。
また、複数の第1の容量検出電極線7の両端部を共通接続してもよく、この場合画素部よりも広面積である人の指等の被検出体を、2次元的に位置を特定して検出することが容易になる。
第2の容量検出電極線9は、その表面に凹凸が形成されて粗面化されていることがよい。この場合、第2の容量検出電極線9の表面積が大きくなり、被検出体との容量結合による静電容量が増大して検出感度がより向上する。
本発明のタッチパネル付LCDにおける接続電極50は、第1の容量検出電極線7よりも低抵抗であることがよい。この場合、導電性を有する封止材3の抵抗による検出される電流値の低下を抑えることができる。この目的のために、接続電極50が第1の容量検出電極線7よりも低抵抗の材料から成るようにする、あるいは接続電極50が第1の容量検出電極線7と同じ材料から成る場合は接続電極50の断面積が第1の容量検出電極線7の断面積よりも大きくなるように構成すればよい。また、同様の目的のために、引出配線7Lは第1の容量検出電極線7よりも低抵抗であることがよく、接続電極50の場合と同様に構成し得る。
本発明のタッチパネル付LCDにおける引出配線7Lは、アレイ側基板1の液晶11側の面における封止材3の内側に形成されていることが好ましい。この場合、アレイ側基板1の基板の面積を小さくすることができ、より小型化されたものとなる。またこの場合、引出配線7Lは、封止材3の内側であって表示部(画素部の形成部を含む領域)の外側に形成されることがよい。引出配線7Lが画素電極23に近接、接触等して表示部の表示品質に影響を与えることを防ぐためである。さらにこの場合、引出配線7Lは、導電性を有する封止材3に接触して第1の容量検出電極線7に短絡することを防ぐために、窒化珪素,酸化珪素等から成る絶縁膜によって覆われていることがよい。なお、引出配線7Lは、例えば、アルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),クロム(Cr),銀(Ag),銅(Cu),ネオジウム(Nd)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料、または窒化チタン,窒化タンタル,窒化モリブデン等の金属窒化物等の導電性を有する材料を用いて形成される。
また引出配線7Lは、図1(a)に示すように、第1のFPC6の引出配線7L側の一端部に設けられた走査パルス入力信号線に電気的に接続されることがよい。この場合、引出配線7Lは第1のFPCから直線的に引き出されてそのまま伸びることができるので、屈曲部が少なくなり、断線等が発生しにくくなる。また、画素駆動用の引出配線の形成領域が狭くならないので、画素駆動用の引出配線が狭幅化されて断線しやすくなることを抑えることもできる。
また本発明のタッチパネル付LCDは、第2の容量検出電極線9は、第1の容量検出電極線7よりも幅が大きい透明電極線であり、カラーフィルタ側基板2は、液晶11側の面に対向する面における第2の容量検出電極線9の少なくとも一端部側の端縁部に、第2の容量検出電極線9に電気的に接続される他の容量信号線を備えた他のFPCとしての第2のFPC10が設置されていることが好ましい。この場合、第1の容量検出電極線7よりも幅が大きい透明電極線である広面積の第2の容量検出電極線9によって、検出感度が向上する。また、カラーフィルタ側基板2の液晶11側の面に対向する面における第2の容量検出電極線9の両端部側の端縁部に、それぞれ第2のFPC10が設置されている場合、第2の容量検出電極線9の検出感度がより向上するとともに、静電容量検出領域の全体において検出感度が均一になりやすい。
本発明のタッチパネル付LCDは、アレイ側基板1は、液晶11側の面の第1の方向(例えば、行方向)に形成された複数本のゲート信号線21と、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)にゲート信号線21と交差させて形成された複数本の画像信号線22と、表示部のゲート信号線21と画像信号線22の交差部に形成された、TFT及び画素電極23を含む画素部と、を有し、第1の容量検出電極線7は、ゲート信号線21及び画像信号線22のいずれかに平面視で重なるように画素電極23間に形成されており、第2の容量検出電極線9は、透明電極線であるとともに、第1の容量検出電極線7よりも大きな幅とされて平面視で画素電極23に重なるように形成されていることが好ましい。この場合、以下のような効果を奏する。すなわち、第1の容量検出電極線7は、ゲート信号線21及び画像信号線22のいずれかに平面視で重なるように画素電極23間に形成されていることから、画素部の開口率の低下を防ぐことができる。また、第1の容量検出電極線7が自ずと遮光膜36に覆われることとなるので、第1の容量検出電極線7が目立たなくなり、表示品質が劣化することを抑えることができる。第2の容量検出電極線9は、透明電極線であるとともに、第1の容量検出電極線7よりも大きな幅とされて平面視で画素電極23に重なるように形成されていることから、被検出体に近い第2の容量検出電極線9の面積が大きくなり、被検出体の検出感度が向上する。また、画素電極23が第2の容量検出電極線9と平面視で重なっているので、画素電極23に対する静電気の影響を第2の容量検出電極線9によって抑えることができ、静電気を広面積の第2の容量検出電極線9に帯電させて減衰させることができる。また、第2の容量検出電極線9は、その幅が第1の容量検出電極線7の幅の5倍以上であることが好ましい。この場合、被検出体の検出感度が向上する効果及び画素電極23に対する静電気の影響を防ぐ効果がより高まる。より好ましくは、第2の容量検出電極線9の幅が画素部ピッチ(0.1mm程度)以上であることがよい。この場合、人の指等の広面積の被検出体を検出する際の検出感度が向上する効果がより高まる。また、画素電極23に対する静電気の影響を第2の容量検出電極線9によってより抑えることができ、静電気を広面積の第2の容量検出電極線9に帯電させて減衰させやすくする効果がより高まる。さらに好ましくは、第2の容量検出電極線9の幅は画素部ピッチ以上画素部ピッチの20倍程度以下であることがよく、画素部ピッチの20倍程度(2mm程度)を超えると、第1の容量検出電極線7と第2の容量検出電極線9との間の寄生容量が大きくなり検出感度に好ましくない影響を与える傾向がある。
また、第1の容量検出電極線7は、第2の容量検出電極線9と同様の透明電極線から成っていてもよいが、第1の容量検出電極線7は金属線であることが好ましい。この場合、第1の容量検出電極線7の抵抗を小さくして走査パルスの波形の鈍り、すなわち波形の不必要な崩れを抑えることができる。その結果、被検出体の検出感度が静電容量検出領域の全体でより均一になるようにすることができる。また、第1の容量検出電極線7の抵抗が小さくなるので、上述したように第1の容量検出電極線7に一方側から走査パルスを入力する片側入力タイプとすることができる。すなわち、本発明のタッチパネル付LCDの構成の簡易化、小型化に資することができる。なお、この場合、第1の容量検出電極線7は、例えば、アルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),クロム(Cr),銀(Ag),銅(Cu),ネオジウム(Nd)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料、または窒化チタン,窒化タンタル,窒化モリブデン等の金属窒化物等の導電性を有する材料を用いて形成される。
また、第1の容量検出電極線7は、金属線とそれを覆う透明電極線とから成ることが好ましい。この場合、第1の容量検出電極線7の抵抗を小さくして、走査パルスが第1の容量検出電極線7の軸線方向に進むにつれて波形が鈍ること、すなわち波形の不必要な崩れを抑えることができる。その結果、被検出体の検出感度が静電容量検出領域の全体で均一になるようにすることができる。また、金属線が透明電極線で覆われていることから、第1の容量検出電極線7の形成位置がフォトリソグラフィ工程で用いるマスクの位置ずれ等によってずれて、透明電極線が画素部にわずかにはみ出したとしても、画素部の開口率を低下させないようにすることができる。また、第1の容量検出電極線7の抵抗が小さくなるので、上述したように第1の容量検出電極線7に一方側から走査パルスを入力する片側入力タイプとすることができる。すなわち、本発明のタッチパネル付LCDの構成の簡易化、小型化に資することができる。なお、この透明電極線は、例えば、ITO,インジウム亜鉛酸化物(IZO),酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO),酸化亜鉛(ZnO),リンやボロンが含まれるシリコン(Si)等の導電性材料であって、かつ透光性を有する材料を用いて形成される。
また、第1の容量検出電極線7は、その幅が遮光膜36の幅よりも小さいことが好ましい。この場合、第1の容量検出電極線7が絶縁材料から成る遮光膜36で覆われるので、第1の容量検出電極線7が画像信号線22及び画素電極23に容量結合等して表示品質を劣化させることを抑えることができる。また、第1の容量検出電極線7が目立たなくなるので、その点でも表示品質を劣化させることを抑えることができる。また第1の容量検出電極線7は好ましくは、平面視で画素電極23間に形成されるが、画素電極23と共通電極33との間の印加電圧によって液晶11に加わる電界への影響が小さい場合であれば、第1の容量検出電極線7は平面視で画素電極23間から若干はみだして画素電極23に一部重なっていてもよい。さらに第1の容量検出電極線7は、その表面が平坦面であることがよい。この場合、第1の容量検出電極線7の表面の表面積が小さくなり、画像信号線22及び画素電極23に容量結合したときの静電容量(寄生容量)を小さくすることができる。
また、液晶表示パネルが画素電極23と共通電極との間で液晶11に印加する横電界を形成するIPS方式のものである場合、第2の容量検出電極線9が画素電極23に対するシールド電極としても機能するので、本発明の構成はIPS方式の液晶表示パネルを有するタッチパネル付LCDについて好適である。すなわち、一般にIPS方式の液晶表示パネルのカラーフィルタ側基板2の表示側の面(液晶11側の面に対向する面)に備わっているシールド導体用の裏面ITOに替えて第2の容量検出電極線9をシールド導体として用いることができる。その結果、シールド導体を形成する工程を追加する必要がなくなり、低コストに製造できる液晶表示パネルとなる。なお、TN方式の液晶表示パネル等のように共通電極が画素電極23と対向する位置にある場合、共通電極は、例えばカラーフィルタ側基板2の液晶11側の面における第1の容量検出電極線7同士の間に形成される、あるいは第1の容量検出電極線7上に絶縁膜を介して形成される。また、IPS方式の液晶表示パネルの場合と同様に、液晶表示パネルが画素電極23と共通電極との間で液晶に印加する端部電界(フリンジ電界)を形成するFFS方式のものである場合にも、本発明の構成は好適である。
図3は、本発明のタッチパネル付LCDについて実施の形態の他例を示す図であり、図1(b)のT部の拡大断面図である。図3に示すタッチパネル付LCDは、図2の構成のタッチパネル付LCDにおいて、導電性を有する封止材3の外側表面に補助導電材3aが形成されている構成である。補助導電材3aは、封止材3の導電性が充分でない場合に設けることができる。この補助導電材3aは、導電性粒子の含有割合を封止材3よりも多くしたものであってもよい。また補助導電材3aは、上述の金属材料、合金材料等から成る線状部材、帯状部材であってもよい。なおこの場合、導電性を有する封止材3及び補助導電材3aが導電性部材30となる。
図4に示すタッチパネル付LCDは、絶縁性樹脂等から成る封止材3の外側表面に導電性部材3b(30)を設けた比較例の構成である。この導電性部材3bは、導電性粒子を樹脂基材中に含有させたもの、上述の金属材料、合金材料等から成る線状部材、帯状部材であってもよい。この場合、導電性部材3bは、封止材3の外側表面における第1の容量検出電極線7に接続される部位にのみ第1の容量検出電極線7の本数分設ければよいので、封止材3全体に導電性粒子を含有させる必要がなく、製造コストを低減化できる。また、封止材3全体が導電性を有する場合に、封止材3と引出配線7Lとが接触し短絡することを回避するための絶縁膜を引出配線7L上に新たに形成する必要が生じる場合があるが、その絶縁膜を省くこともできる。
図5に示すタッチパネル付LCDは、絶縁性樹脂等から成る封止材3の内側表面に導電性部材3c(30)を設けた比較例の構成である。この導電性部材3cは、導電性粒子を樹脂基材中に含有させたもの、上述の金属材料、合金材料等から成る線状部材、帯状部材であってもよい。この場合、図4の構成と同様に、導電性部材3cは、封止材3の内側表面における第1の容量検出電極線7に接続される部位にのみ第1の容量検出電極線7の本数分設ければよいので、封止材3全体に導電性粒子を含有させる必要がなく、製造コストを低減化できる。また、封止材3全体が導電性を有する場合に、封止材3と引出配線7Lとが接触し短絡することを回避するための絶縁膜を引出配線7L上に新たに形成する必要が生じる場合があるが、その絶縁膜を省くこともできる。
なお、本発明のタッチパネル付LCDは、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良を含んでいてもよい。