JP6464949B2 - 状態推定方法、湯面レベル制御方法および状態推定装置 - Google Patents

状態推定方法、湯面レベル制御方法および状態推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、状態推定方法および状態推定装置に関し、特に、連続鋳造機の鋳型内の湯面変動の状態を推定する状態推定方法、状態推定方法における推定結果に基づく湯面レベル制御方法、および連続鋳造機の鋳型内の湯面変動の状態を推定する状態推定装置に関する。
鋼の連続鋳造において、操業安定化、品質向上のため、鋳型内湯面をレベル計で測定し、測定値を目標値に保つようノズル開閉操作による湯面レベル制御が行われている。通常湯面の測定は、一基のレベル計を用いて行われる。
従来知見により、湯面の高さは幅方向に不均一に時間変動しており、湯面高さの時間変動が特に大きい位置では鋳片欠陥が多く発生することが知られている。しかしながら、1基の湯面レベル計の測定値からは湯面レベル計の直下の湯面高さしか知り得ず、湯面レベル計が設置されていない位置も含めた幅方向任意の位置での湯面高さを知ることは困難であった。なお、本明細書では、幅方向特定の点における湯面位置を、湯面高さと定義するものとする。このため、高品質な鋳片製造を実現するために、湯面高さ分布を適正化する操業条件を把握することも困難であった。
ここで、湯面高さの鋳型内幅方向位置に対する分布を湯面形状と呼び、湯面形状の時間的変動を湯面形状変動と呼ぶ。また、湯面形状変動に、鋳型内溶鋼収支差により鋳型内幅方向全体で均一に発生する湯面全体の上下動(湯面レベルの変動)を含めた時間的変動を、湯面変動と呼ぶ。
前記のごとく、湯面レベル制御では、レベル計直下の湯面高さを鋳型幅方向で均一な湯面高さとみなし、ノズルの開閉操作により溶鋼の注入量を制御する。しかしながら、湯面レベル計の測定値には、抑制対象である湯面の全体上下動(鋳型内溶鋼の体積変動)だけではなく、湯面の波立ちによる定在波や、溶鋼流動の影響による湯面の盛り上がり、観測雑音などによる外乱成分が重畳されている。このように、1基の湯面レベル計の測定値が必ずしも湯面の全体上下動を正確に表現していないために、これに基づいてノズルの開閉操作等を実施しても、適切に湯面の全体上下動を抑制することは困難であった。
このような課題に対して、例えば、特許文献1には、単一の湯面レベル計の時系列データから、全体上下動成分と定在波変動とをリアルタイムに分離する方法が記載されている。より具体的には、特許文献1には、所定位置における湯面変動の定在波成分を、鋳型幅から算出される周波数で正弦関数および余弦関数を用いて記述するにあたり、係数(振幅)を湯面レベル計の測定値から推定する技術が記載されている。
また、上記の課題に対して、特許文献2には、定在波による湯面変動のモデルを2次振動系で表し、単一の湯面レベル計で測定したレベル測定値から1次〜3次の定在波成分を抽出および除去することによって、本来制御すべきバルジング性湯面変動だけを抽出し、それを湯面レベル制御に用いることによって高精度の湯面レベル制御を実現する技術が記載されている。
特開2009−241150号公報 特開2012−170999号公報
しかしながら、上記の特許文献1,2に記載されたような技術は、湯面レベル計の設置位置での全体上下動成分を精度よく算出しようとするものであるため、湯面レベル計が設置されていない位置をも含む湯面形状を算出することはできない。また、上記の通り、湯面レベル計の測定値には、全体上下動成分および定在波成分に加えて、定在波とは異なる周期で変動する、溶鋼流動の影響による湯面の盛り上がりや観測雑音などの外乱成分が含まれる。上記の特許文献1,2に記載されたような技術では、専ら定在波について考慮しているため、例えば湯面レベル計の測定値からこのような外乱成分の影響を除去することはできない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高品質な鋳片製造実現のために、鋳型内の湯面形状をより正確に推定することが可能な、新規かつ改良された状態推定方法、湯面レベル制御方法および状態推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、連続鋳造機の鋳型内の湯面高さの鋳型幅方向位置に対する分布である湯面形状を推定する状態推定方法であって、任意の時刻および鋳型幅方向任意の位置における湯面高さを、全体上下動成分、および鋳型の両端が波の腹となる波長2W/n(但しWは鋳型の幅、nは1以上の整数)の正弦波の波長成分の重ね合わせにより得られる線型方程式によって表現するステップと、鋳型内の湯面高さを少なくとも2つの異なる測定点で測定するステップと、各測定点で測定された湯面高さを記述する少なくとも2つの上記線型方程式を含む連立方程式を解くことによって、上記線型方程式における波長成分の展開係数を推定するステップとを含む状態推定方法が提供される。
上記の状態推定方法において、少なくとも2つの異なる測定点は、湯面レベル制御用の湯面レベル計の設置位置と、鋳型の幅方向端部と、であってもよい。
また、上記の状態推定方法は、推定された展開係数を用いて上記任意の時刻および上記任意の位置における湯面高さを推定するステップをさらに含んでもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の状態推定方法に於いて、推定された展開係数を用いて、任意の時刻および任意の位置における湯面高さを全体上下動成分と波長成分とに分離して記述するステップをさらに含み、全体上下動成分に基づいて、鋳型への溶鋼注入量または鋳型からの鋳片引き抜き速度を制御するステップをさらに含む、湯面レベル制御方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、連続鋳造機の鋳型内の湯面高さの鋳型幅方向位置に対する分布である湯面形状を推定する状態推定装置であって、鋳型内の湯面高さを異なる位置で測定する少なくとも2つの湯面レベル計から測定結果を取得する測定値取得部と、任意の時刻および鋳型幅方向任意の位置における湯面高さを、全体上下動成分、および鋳型の両端が波の腹となる波長2W/n(但しWは鋳型の幅、nは1以上の整数)の正弦波の波長成分の重ね合わせにより得られる線型方程式によって表現し、各測定点で測定された湯面高さを記述する少なくとも2つの上記線型方程式を含む連立方程式を解くことによって、上記線型方程式における波長成分の展開係数を推定する演算部とを備える状態推定装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、鋳型内の湯面形状をより正確に推定することができ、それによって高品質な鋳片製造が実現される。
本発明の一実施形態におけるシステム構成の例を示す図である。 図1に示すシステムにおける湯面レベル計の配置例について説明するための図である。 本発明の一実施形態における湯面形状の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る状態推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る状態推定装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第1の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第1の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第1の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第1の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第1の実施例におけるRMSEの計算結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第2の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第2の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。 本発明の第2の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とを示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(1.システム構成)
図1は、本発明の一実施形態におけるシステム構成の例を示す図である。図1を参照すると、システム1は、連続鋳造機の鋳型2に配置される湯面レベル計3と、状態推定装置4と、表示/印刷装置5と、記録装置6と、連続鋳造制御装置7とを含む。湯面レベル計3は、例えば渦流式のレベル計であり、鋳型2の所定の位置における湯面高さを測定する。なお、後述するように、本実施形態では複数の湯面レベル計3が設置される。状態推定装置4は、湯面レベル計3の測定値に基づいて、鋳型2内の湯面形状を推定する。湯面形状の推定結果は、表示/印刷装置5、記録装置6、または連続鋳造制御装置7の一部または全部に送信される。
表示/印刷装置5は、状態推定装置4による湯面形状の推定結果を、例えばディスプレイへの表示や紙媒体への印刷によってリアルタイムに出力する。例えば、湯面形状をグラフとしてディスプレイに表現する場合、図示されているように、湯面形状は、湯面レベル計3による湯面高さの実測値と、状態推定装置4による湯面高さの推定値とによって表現されてもよい。表示/印刷装置5による出力は、例えば、湯面変動が特に大きい位置で発生する鋳片欠陥の鋳片幅方向での分布を鋳造の完了前に把握するために利用される。これによって、鋳片品質管理の迅速化を図ることができる。
記録装置6は、状態推定装置4による湯面形状の推定結果を記録する。記録装置6による記録は、例えば、表示/印刷装置5による出力のバックアップとして機能し、表示/印刷装置5によるリアルタイムの出力で鋳片欠陥の発生が看過されたような場合に、事後的に鋳片欠陥の発生およびその原因を特定するために利用される。また、表示/印刷装置5によるリアルタイムでの出力を実施しない場合でも、鋳片欠陥の発生後に、その原因を特定するために記録装置6によって記録された湯面形状の推定結果が参照されてもよい。
前記湯面全体の上下動は鋳型内溶鋼収支差により発生するので、連続鋳造制御装置7は、状態推定装置4による湯面全体の上下動の推定結果に基づいて、例えば鋳型2に溶鋼を注入する浸漬ノズル8や、鋳型2の下方から引き抜くピンチロール(図示せず)などの制御を実施する。より具体的には、状態推定装置4による推定結果は湯面高さの全体上下動成分を含み、連続鋳造制御装置7は、全体上下動成分に基づいて、浸漬ノズル8の開閉制御や、ピンチロールの回転速度制御をリアルタイムで実施してもよい。
図2は、図1に示すシステムにおける湯面レベル計の配置例について説明するための図である。図2には、鋳型2の幅方向断面が示されている。本実施形態では、鋳型2の幅方向両端部、つまり鋳型2の断面における両方の短辺に、2基の湯面レベル計3a,3bが設置される。ここで、湯面レベル計3の設置位置は、検出対象になる波長成分の腹に近い位置であることが望ましい。後述するように、鋳型2の幅方向両端部は、各波長成分の腹になる位置であるため、湯面レベル計3の設置位置として好適である。なお、波長成分の意味については後述する。
通常、湯面レベル制御用に、鋳型2には湯面レベル計が1基設置されている。操業上のメンテナンス性および維持コストの都合上、本実施形態で用いる為に増設する湯面レベル計の数は、できるだけ少ないことが望ましい。それゆえ、既に制御用の湯面レベル計が用いられている場合には、当該制御用湯面レベル計を本実施の形態で用いる湯面レベル計3のうちの1基とすることが望ましい。制御用に設置する湯面レベル計は、通常、浸漬ノズルを避けて、鋳型中央から離れた位置に取り付けられる。例えば、制御用の湯面レベル計は、鋳型幅の1/4の位置に取り付けられている。かかる制御用の湯面レベル計に加えて2基目の湯面レベル計を設置する場合、例えば、すべての波長成分について腹の位置である鋳型2の幅方向の一方の端部に取り付けることが望ましい。
なお、上記のような制御用の湯面レベル計が設置されていない場合や、設置されていてもこれを利用しない場合には、鋳型2の幅方向両端部に2基の湯面レベル計を新たに設置してもよい。
なお、推定の精度をさらに上げるために、3基以上の湯面レベル計3を設置してもよい。第3の湯面レベル計3についても、検出対象の波長成分の腹に近い位置に設置されることが望ましい。上記の例のように、鋳型幅の1/4の位置などに取り付けられる制御用の湯面レベル計を利用し、新たな湯面レベル計を鋳型2の幅方向の一方の端部に新たに湯面レベル計を設置した場合、3基目の湯面レベル計は、2基目の湯面レベル計とは反対側の鋳型2の幅方向端部に取り付けることが望ましい。また、既に1基目、2基目の湯面レベル計が鋳型2の幅方向両端部に設置されている場合には、鋳型2の幅方向両端部以外で全ての波長成分の腹になる位置はないため、検出対象の波長成分を特定し、該波長成分の腹になる位置に湯面レベル計3を設置すればよい。例えば、一般に、波長の長い成分ほどよく観測されるため、鋳型2の幅Wに対して、2W、W、2W/3など、波長のより長い成分の腹に近い位置に、第3の湯面レベル計3を設置してもよい。また、第1および第2の湯面レベル計3(上記の湯面レベル計3a,3b)についても、何らかの理由で鋳型2の幅方向両端部に設置することが困難である場合には、それ以外で検出対象の波長成分の腹に近い位置に設置してもよい。
(2.湯面形状の推定)
続いて、上記のシステム1において状態推定装置4によって実行される湯面形状の推定処理について、さらに説明する。
引き続き図2を参照して、湯面形状を構成する波長成分について説明する。図2には、鋳型2内の湯面形状を構成する、1次から3次までの波長成分S〜Sの波形が示されている(説明のため、各波長成分の振幅は均等になっている)。なお、ここで、鋳型2の高さは幅に比べて十分に大きいため、湯面形状のモデル化にあたっては深水波近似を利用することができる。また、鋳型2の幅は厚みに比べて十分に大きいため、モデル化にあたっては湯面高さの厚み方向での変動を考慮せず、幅方向での変動のみ考慮することができる。
湯面の鋳型両短辺の境界では溶鋼の水平方向速度=0が常に成り立つため、任意の時刻tおよび鋳型2内の幅方向の任意の位置xにおける湯面高さy(x,t)を波長λn=2W/n(鋳型幅W,n=1,2,・・・)の正弦波形状を図2に示すような基底関数とする線形モデルで表すことができる。なお、本発明では、鋳型の両端が波の腹となる、波長2W/n(n=1,2,・・・)の正弦波形状の基底関数f(x)をn次の波長成分とよぶ。
n:偶数 f(x)=cos(2πnx/2W)、
n:奇数 f(x)=sin(2πnx/2W)
この結果、任意の時刻における湯面形状は、鋳型2の幅方向の両端を腹とする波長成分の重ね合わせによって表現される。ここで、1次波長成分Sの波長λ=2W、2次波長成分Sの波長λ=W、3次波長成分Sの波長λ=2W/3である。
上記のように波長成分を定義すると、N次までの波長成分を考慮した(n=1,2,…,N)任意の時刻tおよび鋳型2内の幅方向の任意の位置xにおける湯面高さは、以下の式(1)のような線型方程式によって表現できる。a(t)は湯面高さに含まれる全体上下動成分を示す。また、f(x)は湯面高さに含まれるn次波長成分の正弦/余弦関数部分を示し、a(t)はn次波長成分の展開係数を示す。
Figure 0006464949
各波長成分の波長は鋳型2の幅Wから求められるため、f(x)は任意の時刻について算出可能である。従って、n次波長成分の展開係数a(t),a(t),・・・,a(t)および全体上下動成分a(t)が求められれば、任意の時刻における湯面形状を推定することができる。
ここで、鋳型2の幅方向位置x(測定点)に設置されるi番目の湯面レベル計3(i=1,2,・・・,L)によって時刻tに測定された湯面高さy(x,t)を上記の式(1)を用いて記述すると、以下の式(2)のようになる。
Figure 0006464949
各測定点(i=1,2,・・・,L)についてそれぞれ記述された上記の式(2)の線型方程式からなる連立方程式を行列表現すると、以下の式(3)のようになる。
Figure 0006464949
さらに、上記の式(3)を簡略化表記すると、式(4)のようになる。なお、式(4)における行列F、およびベクトルy(t),a(t)は、式(5)、(6)、および(7)のように定義される。
Figure 0006464949
上記の式(4)によって示される連立方程式を解くことによって、湯面レベル計3の測定値の集合であるベクトルy(t)から、展開係数ベクトルa(t)を推定することができる。なお、本実施形態では、湯面レベル計3の配置が、行列Fがランク落ち(rank deficient)にならないように設定される。これによって、L<N+1の場合には行列Fが行フルランク(rank(F)=L)になり、L≧N+1の場合には行列Fが列フルランク(rank(F)=N+1)になる。
上記の連立方程式を解くためには、例えば一般化逆行列が利用される。一般化逆行列は、逆行列の概念を、非正則行列または非正方行列に対しても一般化したものであり、非正則行列または非正方行列を係数行列とする連立方程式の解を求めるために利用される。なお、一般化逆行列については、例えば伊理正夫著,「線形代数汎論」,朝倉書店,2009年8月などに記載されている。
一般化逆行列を利用した上記の連立方程式の解法について、以下で(i)N+1>Lの場合、(ii)N+1<Lの場合、および(iii)N+1=Lの場合に分けて説明する。
(i)N+1>Lの場合
一般化逆行列Fは、式(8)のように表される。この一般化逆行列Fを用いて、展開係数ベクトルa(t)は、式(9)のように求められる。この解法は、上記の式(4)を満たすベクトルa(t)の中から、二乗ノルムが最小になる解を求めるものである。なお、この解は、後述する正則化最小二乗問題の解とは一致しない。
Figure 0006464949
(ii)N+1<Lの場合
一般化逆行列Fは、式(10)のように表される。この一般化逆行列Fを用いて、展開係数ベクトルa(t)は、式(11)のように求められる。なお、この解は、後述する正則化最小二乗問題において、正則化パラメータμを0とおいたものに等しい。
Figure 0006464949
(iii)N+1=Lの場合
一般化逆行列Fは、式(12)のように表される。この場合、一般化逆行列Fは、行列Fの逆行列に等しい。この一般化逆行列Fを用いて、展開係数ベクトルa(t)は、式(13)のように求められる。なお、この解は、後述する正則化最小二乗問題において、正則化パラメータμを0とおいたものに等しい。
Figure 0006464949
上記の式(4)によって示される連立方程式の別の解法として、正則化項を考慮した最小二乗解によって展開係数ベクトルa(t)を求めてもよい。この解法は、上記の(i)、(ii)、および(iii)のそれぞれの場合について適用可能である。この解法では、正則化項を考慮することによって、上記の(ii)および(iii)の場合について、一般化逆行列による解法と比較して推定値が過剰に大きくなることを防ぐことができる。
より具体的には、最小二乗解による解法では、以下の式(14)の正則化最小二乗問題を逐次的に解くことによって、式(15)に示すように展開係数ベクトルa(t)の最適解が求められる。なお、μは正則化パラメータであり、μ>0である。
Figure 0006464949
上記の最小二乗解による解法において、正則化パラメータμに代えて、対角行列M(正則化パラメータ行列)が用いられてもよい。この場合、上記の式(14)は式(16)のように書き換えられる。対角行列Mは、式(17)のように定義される。また、展開係数ベクトルa(t)の最適解は、式(18)に示すように求められる。
Figure 0006464949
ここで、正則化パラメータμまたは対角行列Mについては、例えば予め定められた値を固定値として用いることができる。また、正則化パラメータμまたは対角行列Mについて、以下で説明するような方法によって、各時刻において調整された値が用いられてもよい。正則化パラメータμまたは対角行列Mの値の調整には、例えば、ベイズ線形回帰などの機械学習の手法を利用することができる。このような手法によれば、各時刻において、湯面レベル計3の測定値からパラメータを決定することができる。なお、ベイズ線形回帰の手法については、例えばChristopher M. Bishop,“Pattern Recognition and Machine Learning”,Springer,2006などに記載されている。
図3は、本発明の一実施形態における湯面形状の推定処理を示すフローチャートである。本実施形態において、推定処理は、湯面レベル計3の測定値のサンプリング(Step1)と、式(7)で示す、各サンプリング時刻における全体上下動成分および波長成分の展開係数ベクトルa(t)の算出(Step2)と、算出された全体上下動成分および波長成分の展開係数ベクトルa(t)に基づく湯面形状の推定(Step3)とを含む。
ここで、Step2における全体上下動成分および波長成分の展開係数ベクトルa(t)の算出には、例えば上記で式(8)〜式(13)を参照して説明した一般化逆行列を用いた解法や、式(14)〜式(18)を参照して説明した正則化最小二乗問題を解く解法などが利用される。これらの解法によって全体上下動成分および波長成分の展開係数ベクトルa(t)が算出されれば、Step3において、上記の式(1)に従って、任意の時刻における湯面形状を推定することができる。このとき、式(3)に示されるように、各位置の湯面高さは、全体上下動成分と波長成分とに分離して記述されてもよい。
以上で説明したように、本発明の一実施形態では、不規則に変動する湯面形状の時間発展を考慮するのではなく、任意の時刻において、境界条件を満たす正弦波形状を有する波長成分の重ね合わせ(線型方程式)として鋳型幅方向の任意の位置における湯面高さをモデル化する。従って、本実施形態では、任意の時刻における湯面形状を推定する問題を、線型方程式に含まれる各波長成分の展開係数を推定する問題に変換することができる。これらの展開係数は、複数の測定点における湯面レベル計3の測定値(瞬時値)を用いて、例えば一般化逆行列、または波長成分の展開係数を説明変数とする正則化回帰手法と用いることによって、少ない計算量で容易に算出することができる。
(3.状態推定装置の構成)
図4は、本発明の一実施形態に係る状態推定装置の構成を示すブロック図である。図4を参照すると、本実施形態においてシステム1に設けられる状態推定装置4は、測定値取得部41と、演算部42と、出力部43と、記憶部44とを含む。以下、各部の機能について説明する。
測定値取得部41は、湯面レベル計3から測定値を受信する通信装置によって実現される。上記のように、本実施形態では複数の湯面レベル計3(例えば図2に示された湯面レベル計3a,3b)が設置されるため、測定値取得部41は、複数の湯面レベル計3からそれぞれ測定値を取得する。
演算部42は、CPU(Central Processing Unit)などの処理回路によって実現される。演算部42では、上記の図3においてStep2およびStep3として説明したような湯面形状の推定処理が実行される。より具体的には、演算部42は、任意の時刻および鋳型幅方向任意の位置における湯面高さを、全体上下動成分、および鋳型2の両端が波の腹となる波長2W/n(但しWは鋳型の幅、nは1以上の整数)の正弦波の波長成分の重ね合わせにより得られる線型方程式によって表現し、測定値取得部41から入力される各測定点で測定された湯面高さを記述する少なくとも2つの線型方程式を含む連立方程式を解くことによって、上記の線型方程式における波長成分の展開係数を推定する処理を実行する。
出力部43は、CPUなどの処理回路と、外部装置に信号を送信する通信装置によって実現される。例えば、出力部43は、演算部42による推定結果、より具体的には湯面形状や全体上下動成分、各波長成分の展開係数などを数値やグラフとして表示するための情報を、表示/印刷装置5に出力する。出力部43は、同様の情報を、記録装置6に出力してもよい。また、例えば、出力部43は、演算部42によって推定された湯面高さの全体上下動成分などの情報を、連続鋳造制御装置7に出力してもよい。連続鋳造制御装置7は、例えば、推定された全体上下動成分に基づいて、鋳型2への溶鋼注入量または鋳型2からの鋳片引き抜き速度を、前記全体上下動(すなわち湯面レベルの変動)を抑制するように制御する。
記憶部44は、各種のROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)によって実現される。記憶部44には、例えば、演算部42による湯面形状の推定処理に使用される各種のパラメータや、状態推定処理の途中経過など、各種のデータが格納される。また、記憶部44には、演算部42による湯面形状の推定結果が、一時的に、または永続的に格納されてもよい。上記の通り、この推定結果は、出力部43によって、表示/印刷装置5、記録装置6、および連続鋳造制御装置7に出力されてもよい。
以上、本実施形態に係る状態推定装置4の機能の一例について説明した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアによって構成されていてもよい。また、複数の構成要素の機能を、CPUが一括して実現してもよい。なお、状態推定装置4を実現するための構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更されうる。
また、上述のような本実施形態に係る状態推定装置4の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータなどに実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することが可能である。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどでありうる。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
(4.ハードウェア構成について)
図5は、本発明の一実施形態に係る状態推定装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図5の例において、状態推定装置4は、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。状態推定装置4は、さらに、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、またはリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、状態推定装置4内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。これらはCPUバスなどの内部バスによって構成されるバス907によって相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線や電波などを利用したリモートコントローラであってもよいし、状態推定装置4の操作機能を有するタブレット端末などの外部接続機器923であってもよい。さらに、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザによって入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。状態推定装置4のユーザは、この入力装置909を操作することによって、状態推定装置4に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、液晶やCRTなどを用いたディスプレイ、ランプなどのインジケータ、スピーカもしくはヘッドホンなどの音声出力装置、またはプリンタ装置などがある。出力装置911は、例えば、状態推定装置4が行った各種処理によって得られた結果を出力する。例えば、ディスプレイは、状態推定装置4が行った各種処理によって得られた結果を、テキストまたはイメージとして画面表示する。また、例えば、音声出力装置は、状態推定装置4が行った各種処理によって得られた結果を、アラームまたはダイアログとして音声出力する。
ストレージ装置913は、状態推定装置4の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどによって構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、状態推定装置4に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。
接続ポート917は、機器を状態推定装置4に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポートなどがある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、状態推定装置4は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、LAN(Local Area Network)用の通信カードを含みうる。また、通信装置919は、各種有線通信用のルータまたはモデムなどを含んでもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IPなどの所定のプロトコルに則して信号などを送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線または無線によって接続されたネットワークなどによって構成され、例えば、インターネットやLANなどを含みうる。
以上、本発明の実施形態に係る状態推定装置4の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアによって構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
本発明の第1の実施例について説明する。本実施例では、溶鋼流動の水モデル実験(実験条件:鋳造速度1.6m/min、鋳型幅1630mm)を実施し、本発明の有効性を確認した。画像解析により、幅方向任意位置での水面高さ時系列を算出した。
なお、水モデル実験とは、透明なアクリル樹脂板を用いて実寸大の鋳型の模型を作成し、溶鋼の代わりに水を満たすことで、溶鋼湯面の変動を模擬する実験である。水は溶鋼と流体力学的特性が近いため、鋳型に満たす液体として水が用いられることが多い。
実験データ解析では、水面のビデオカメラによる撮像画像の解析結果から測定した水面高さ測定値(以降、測定値と呼ぶ)のうちの、湯面レベル計設置位置に対応する位置の測定値を、仮想的に水面高さの測定値として、3点、および2点測定したものとした。測定位置は、鋳型中心を原点とする座標系でx=−0.80[m](鋳型2の幅方向端部に対応)、−0.26[m](通常操業時の制御用湯面レベル計取り付け位置に対応)、0.80[m](鋳型2の幅方向のもう一方の端部に対応)位置とした。2点測定したものとした場合は、x=−0.26[m]、0.80[m]位置の測定値を用いた。さらに、湯面形状の推定にあたって考慮するのは4次までの波長成分とした(つまりN=4)。
本実施例では、上記で式(16)〜式(18)を参照して説明された、正則化パラメータ行列Mを用いて正則化最小二乗問題を解く解法によって、各サンプリング時刻における全体上下動成分および波長成分の展開係数ベクトルa(t)を算出した。なお、式(18)における正則化パラメータ行列Mは、式(19)に示されるように、水面形状の推定値と画像解析による検出した水面形状との二乗誤差を最小化する数値最適化によって求めた。また、水面形状の推定値は、式(20)のように、展開係数ベクトルa(t)の推定値を用いて算出した。展開係数ベクトルa(t)の推定値は、式(21)によって算出した。なお、ベクトルy(t)は、上記の式(4)に示されたものと同様の湯面レベル計の測定値である。
Figure 0006464949
図6A〜図6Dに、第1の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とをそれぞれプロットする(1秒間隔で4枚表示している)。これらの結果により、正則化最小二乗問題を解く解法によって、3点の測定値を用いて水面形状を良好に推定できることが確認された。
次に、上記の画像解析によって検出した水面形状と、本発明により計算した水面形状の推定結果の測定期間における平均二乗誤差(RMSE:Root Mean Square Error)を定量的に評価した。RMSEを式(22)のように定義する。
Figure 0006464949
ここで、
・Tは、時間方向のサンプリング点数、
・Δtは、サンプリング間隔、
・Pは、撮影画像中幅方向の総画素数、
・yimage(p,kΔt)は、画像解析で検出した水面のサンプリング時刻t=kΔtにおける幅方向p画素目位置の水面高さ、
・yestimate(p,kΔt)は本発明により推定したサンプリング時刻t=kΔtにおける幅方向p画素目位置の水面高さ
を、それぞれ表す。
上記の水モデル実験時150秒間のデータを用いて、測定点数を1点、2点、3点とした3つのケースについてRMSEを算出した。なお、測定点数が1点の場合には、制御用レベル計取り付け位置の水面高さを全体の水面高さとみなすものとした。
図7に、上記の150秒間のデータを用いてRMSEを計算した結果を示す。測定点数を1点、2点、3点と増やすにつれ、RMSEがそれぞれ2.20mm、1.30mm、1.12mmと減少することを確かめた。例えば、3点の測定値を用いる場合のRMSE1.12mmは、操業上望ましい精度である。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例でも、上記の第1の実施例と同様に溶鋼流動の水モデル実験の結果と本発明による水面形状の推定結果とを比較した。第2の実施例における水面高さの測定位置は第1の実施例と同じである。第2の実施例では、第1の実施例とは異なり、上記で式(8)〜式(13)を参照して説明された、一般化逆行列を用いる解法によって、各サンプリング時刻における全体上下動成分および波長成分の展開係数ベクトルa(t)を算出した。
図8A〜図8Dに、第2の実施例において画像解析により検出した水面形状と、3点の測定値を用いて計算した水面形状とをそれぞれプロットする(1秒間隔で4枚表示している)。なお、本実施例において、画像解析によって検出した水面形状と、本発明により計算した水面形状の推定結果の測定期間におけるRMSEは1.15mmであった。RMSE1.15mmは、操業上望ましい精度である。これらの結果により、一般化逆行列を用いる解法によっても、3点の測定値を用いて水面形状を良好に推定できることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 システム
2 鋳型
3 湯面レベル計
4 状態推定装置
41 測定値取得部
42 演算部
43 出力部
44 記憶部
5 表示/印刷装置
6 記録装置
7 連続鋳造制御装置
8 浸漬ノズル

Claims (5)

  1. 連続鋳造機の鋳型内の湯面高さの鋳型幅方向位置に対する分布である湯面形状を推定する状態推定方法であって、
    任意の時刻および鋳型幅方向任意の位置における湯面高さを、全体上下動成分、および前記鋳型の両端が波の腹となる波長2W/n(但しWは鋳型の幅、nは1以上の整数)の正弦波の波長成分の重ね合わせにより得られる線型方程式によって表現するステップと、
    前記鋳型内の湯面高さを少なくとも2つの異なる測定点で測定するステップと、
    前記各測定点で測定された湯面高さを記述する少なくとも2つの前記線型方程式を含む連立方程式を解くことによって、前記線型方程式における前記波長成分の展開係数を推定するステップと
    を含む、状態推定方法。
  2. 前記少なくとも2つの異なる測定点は、湯面レベル制御用の湯面レベル計の設置位置と、前記鋳型の幅方向端部と、である、請求項1に記載の状態推定方法。
  3. 前記推定された展開係数を用いて前記任意の時刻および前記任意の位置における前記湯面高さを推定するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の状態推定方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の状態推定方法に於いて、前記推定された展開係数を用いて、前記任意の時刻および前記任意の位置における前記湯面高さを前記全体上下動成分と前記波長成分とに分離して記述するステップをさらに含み、
    前記全体上下動成分に基づいて、前記鋳型への溶鋼注入量または前記鋳型からの鋳片引き抜き速度を制御するステップをさらに含む、湯面レベル制御方法。
  5. 連続鋳造機の鋳型内の湯面高さの鋳型幅方向位置に対する分布である湯面形状を推定する状態推定装置であって、
    前記鋳型内の湯面高さを異なる位置で測定する少なくとも2つの湯面レベル計から測定結果を取得する測定値取得部と、
    任意の時刻および鋳型幅方向任意の位置における前記湯面高さを、全体上下動成分、および前記鋳型の両端が波の腹となる波長2W/n(但しWは鋳型の幅、nは1以上の整数)の正弦波の波長成分の重ね合わせにより得られる線型方程式によって表現し、前記各測定点で測定された湯面高さを記述する少なくとも2つの前記線型方程式を含む連立方程式を解くことによって、前記線型方程式における前記波長成分の展開係数を推定する演算部と
    を備える、状態推定装置。
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