JP6464804B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6464804B2
JP6464804B2 JP2015031911A JP2015031911A JP6464804B2 JP 6464804 B2 JP6464804 B2 JP 6464804B2 JP 2015031911 A JP2015031911 A JP 2015031911A JP 2015031911 A JP2015031911 A JP 2015031911A JP 6464804 B2 JP6464804 B2 JP 6464804B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
power
output
voltage circuit
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015031911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016153277A (ja
Inventor
貝原 邦明
邦明 貝原
誠 蒲地
誠 蒲地
宏幸 酒井
宏幸 酒井
谷口 秀明
秀明 谷口
淳 児玉
淳 児玉
翔平 川野
翔平 川野
耕輔 岡田
耕輔 岡田
勇也 鈴木
勇也 鈴木
河野 貴之
貴之 河野
洋史 矢倉
洋史 矢倉
宮本 直樹
直樹 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2015031911A priority Critical patent/JP6464804B2/ja
Publication of JP2016153277A publication Critical patent/JP2016153277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6464804B2 publication Critical patent/JP6464804B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/10Technologies relating to charging of electric vehicles
    • Y02T90/14Plug-in electric vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両駆動用の電動機とこれに給電する発電機とが配された高電圧回路の電力を用いて、車両駆動用のバッテリを昇温させる車両の制御装置に関する。
車両に搭載される車両駆動用のバッテリの性能は、使用環境の温度に応じて変動する。例えば、バッテリ温度が低温であるときの充放電電力は、常温のときよりも低下する。そのため、バッテリのケース内には温度センサや電気ヒータが設けられ、バッテリ温度が所定範囲内となるように管理される。
一方、エンジン駆動の発電機による発電電力とバッテリの蓄電電力とを併用して電動機(車両駆動用モータ)を駆動するハイブリッド車両では、バッテリ温度の低温時に発電電力を電動機の駆動電力に宛がうことができる。そこで、発電機の発電電力を利用して車両を走行させつつ、バッテリを昇温させる技術が提案されている。
例えば、発電電力を電動機と電気ヒータとに供給して、バッテリを昇温させながら車両を走行させることが考えられる。あるいは、バッテリの充放電に伴って発生するジュール熱を利用して、バッテリを昇温させることも考えられる(特許文献1参照)。これらの手法を用いることで、車両の走行性を維持しつつバッテリを昇温させることができる。
特開2012-214142号公報
しかしながら、例えばバッテリが氷点下を大幅に下回る極低温環境では、バッテリの充放電特性が大きく低下し、特に充電操作による劣化が進行しやすい。そのため、バッテリが極度に冷えた状態で充放電を繰り返すと、電池寿命が短縮するおそれがある。また、車両の走行中は、たとえ発電機による発電を停止した状態であっても、電動機で生じる回生電力によってバッテリが充電されてしまうことが考えられる。したがって、車両を走行させつつ、バッテリが充電されないように電力の流れを制御することが望まれる。
一方、低温のバッテリを電気回路から電気的に切断することによって、充放電ができない状態を形成すれば、このようなバッテリの劣化は防止される。しかしこの場合、電気回路上からバッテリが切り離されることになるため、バッテリのバッファ効果(電力変動の抑制効果)を利用することができなくなり、車両の走行性が低下しうる。例えば、車両の加速時に電動機の目標出力が発電機の発電出力を上回ると、電力不足により加速度が小さくなる。同様に、車両の減速時に電動機の目標出力が発電機の発電出力を下回ると、電力が過剰な状態となり減速度が小さくなる。
また、電動機や発電機が配される高電圧回路上にヒータを接続し、このヒータに電力のバッファ機能を負担させることも考えられる。すなわち、ヒータでの消費電力を増減させることで、高電圧回路の電力変動を吸収させる手法である。この場合、ヒータをバッテリに内蔵させれば、バッテリの早期昇温を図りつつバッファ効果を利用することが可能となる。
しかしながら、ヒータの消費電力はヒータ自体の温度に応じて変動しうる。特に、温度が上昇するほど抵抗が増大する特性を持ったPTCヒータを用いた場合には、ヒータ温度が上昇するに連れてヒータでの消費電力(すなわちヒータ出力)が減少し、ヒータで吸収できる電力変動幅が小さくなる。これにより、電気回路上の電動機,発電機,コンバータ,インバータ類が負荷変動の影響を直接的に被ることになり、動作不良を招くおそれがある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、バッテリ及び回路上に設けられる接続機器の保護性を向上させつつ、車両の走行性を確保した車両の制御装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する車両の制御装置は、車両駆動用の電動機とエンジンに駆動される発電機とを高電圧回路に配し、車両駆動用のバッテリを前記高電圧回路よりも低い電位の中電圧回路に配するとともに、前記高電圧回路と前記中電圧回路との間に変圧器を介装した車両の制御装置である。
本制御装置は、前記高電圧回路の電力で作動し前記バッテリを昇温させるヒータと、前記ヒータの温度を検出する温度センサとを備える。また、本制御装置は、前記温度センサで検出された前記温度に基づいて前記ヒータの最大出力を算出するとともに、前記最大出力に所定比率を乗じた値を目標出力として前記ヒータを制御するヒータ制御部を備える。
なお、前記変圧器は、前記高電圧回路と前記中電圧回路との間での昇圧,降圧を行うものであり、アップ・ダウンコンバータ(アップ・ダウンバータ)とも呼ばれる。
また、前記ヒータは、温度が上昇するほど抵抗が増大する特性〔PTC(Positive Temperature Coefficient)特性〕を持つものであることが好ましい。
(2)前記ヒータ制御部は、前記ヒータの温度が高温であるほど、前記最大出力を小さい値として算出することが好ましい。
(3)前記ヒータ制御部が、前記発電機の発電電力と前記電動機の消費電力との出力差に関する変動特性に基づき、前記所定比率を設定することが好ましい。
例えば、前記出力差が正方向に増加しやすい場合には、前記所定比率を小さめに設定することが好ましい。反対に、前記出力差が負方向に増加しやすい場合には、前記所定比率を大きめに設定することが好ましい。
(4)前記ヒータ制御部が、前記所定比率を0.5に設定することが好ましい。この場合、前記目標出力は前記最大出力の半分となる。
(5)前記ヒータと前記高電圧回路とを接続する回路上に介装され、前記高電圧回路の直流電流をパルス信号に変調して前記ヒータへと出力する変調器を備えることが好ましい。前記変調器の具体例としては、PWM(Pulse Width Modulation)方式で出力を制御するPWMコントローラ,PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式で出力を制御するPAMコントローラ,PPM(Pulse Position Modulation)方式で出力を制御するPPMコントローラなどを用いることができる。
(6)前記ヒータ制御部が、前記発電機の発電電力と前記電動機の消費電力との出力差と前記目標出力との合算値を用いて前記変調器を制御することが好ましい。
開示の車両の制御装置によれば、バッテリへの充電を防止しつつ発電機で発生した電力で電動機及びヒータを駆動することができ、かつ、高電圧回路の電力バッファとしてヒータを活用することができる。さらに、ヒータ温度に基づいて最大出力を算出し、その最大出力に所定比率を乗じた値を目標出力にすることで、その時点で使用可能な総バッファ容量を考慮してヒータの消費電力を制御することができ、バッファ容量を有効に活用することができる。したがって、バッテリ及び接続機器の保護性を向上させつつ、車両の走行性を確保することができる。
実施形態の装置構成を模式的に示す図である。 (A),(B)はバッテリの内部構造を示す模式図である。 ヒータの温度と出力との関係を示すグラフである。 低温時制御の手順を説明するためのフローチャートである。 ヒータ出力の制御手順を説明するためのフローチャートである。 ヒータ出力の制御手順を説明するためのフローチャートである。 ヒータ冷却制御の手順を説明するためのフローチャートである。 (A)〜(E)はヒータ冷却制御の内容を説明するためのグラフである。
図面を参照して、実施形態としての車両の制御装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.車両]
本実施形態の制御装置は、図1に示す車両10に適用される。この車両10はシリーズ式ハイブリッド自動車であり、パワートレーンにモータ1(電動機),ジェネレータ2(発電機)及びエンジン11を搭載する。エンジン11は、ジェネレータ2を駆動して発電させる原動機であり、必要に応じて、エンジン効率の高い回転数領域で運転を継続するように制御される。ジェネレータ2で生成される発電電力は、高電圧回路6を介してモータ1へと直接的に供給可能であり、アップ・ダウンバータ4(変圧器)を介して駆動用バッテリ3(バッテリ)へと充電可能でもある。
モータ1は、バッテリ3に蓄えられた充電電力やジェネレータ2で生成された発電電力を用いて車輪を駆動する電動機である。バッテリ3は、高電圧回路6よりも最大電圧が低い中電圧回路7に接続される。バッテリ3のバッテリケース内には、複数の電池セルをユニット化した電池パック20とその温度(バッテリ温度)を検出するバッテリ温度センサ15が設けられる。ここで取得されたバッテリ温度の情報は、後述する電子制御装置9に伝達される。
高電圧回路6には、ヒータ16及びPWMコントローラ17(変調器)が介装される。ヒータ16は、バッテリ3を昇温させるための抵抗を内蔵する加熱器であり、バッテリケースに内蔵される。本実施形態のヒータ16は、温度が上昇するほど抵抗が増大する特性〔PTC(Positive Temperature Coefficient)特性〕を持つPTCヒータである。また、ヒータ16の発熱体の近傍には、ヒータ16の温度Tを検出するヒータ温度センサ19が設けられる。ここで取得されたヒータ温度Tの情報は、電子制御装置9に伝達される。
PWMコントローラ17は、高電圧回路6の直流電流をパルス信号に変調してヒータ16に出力するものである。ここでは、PWM(Pulse Width Modulation)方式で変調されるパルス信号のパルス幅が調節されて、ヒータ16側に出力される電流(電力)の大きさが自在に制御される。つまり、ヒータ16を作動させるための電力は、高電圧回路6内の電力で賄われる。また、PWMコントローラ17の作動状態(ヒータ16の出力)は、電子制御装置9で制御される。
図1に示すように、バッテリ3のバッテリケース内には、ファン18,熱交換器21,バルブ22が設けられ、バッテリ3の外側には、バッテリケースの外表面を冷却する車外ファン23が設けられる。ファン18は、ヒータ16の発熱体に向けて冷却風を供給する送風機であり、ヒータ16の近傍に配置される。熱交換器21は、バッテリケース内の空気(ヒータ16の冷却風)を冷却するための冷却装置である。バルブ22は、バッテリケース内での冷却風の流れを制御する切換弁である。
バッテリ3の内部には、冷却風が循環する通路として二つの通路が設けられる。第一の通路は、冷却風を電池パック20とヒータ16との間で循環させる通路であり、第二の通路は、電池パック20を迂回するように冷却風を循環させる通路である。ここで、前者を第一通路31と呼び、後者を第二通路32と呼ぶ。第二通路32は、第一通路31における電池パック20の上流側で分岐し、電池パック20の下流側で合流する形状に形成される。また、バルブ22は、第一通路31と第二通路32との分岐箇所に配置され、第一通路31へ流れる冷却風流量と第二通路32へ流れる冷却風流量とを同時に調整する機能を持つ。
図2(A)に黒矢印で示すように、バルブ22が第二通路32側を閉鎖した状態では、冷却風が電池パック20とヒータ16との間で循環する流路が形成される。一方、図2(B)に白抜き矢印で示すように、バルブ22が第一通路31側を閉鎖した状態では、冷却風が電池パック20を迂回する流路が形成される。バルブ22の開度は連続的に調整される。これにより、第一通路31側の流量と第二通路32側の流量との比率を任意に制御可能である。例えば、第一通路31側の流量は0%から100%まで調整可能であり、これに対応するように、第二通路32側の流量は100%から0%まで調整されるようになっている。また、熱交換器21は、第二通路32上に介装される。
中電圧回路7と高電圧回路6との間の変圧状態は、アップ・ダウンバータ4によって双方向に制御される。また、中電圧回路7上には、中電圧回路7の電力を降圧して低電圧回路8上の各種電装品(補機類)へと供給するダウンバータ5(降圧器)が介装される。上記の各種電装品として、図1に補機バッテリ12,空調装置13,電子制御装置9,その他の車載制御装置14を例示する。また、車両10の任意の位置には、車速Vを検出する車速センサ24が設けられる。ここで検出された車速Vの情報も、電子制御装置9に伝達される。
上記の高電圧回路6,中電圧回路7,低電圧回路8に関して、各々の回路における最大電圧は高電圧回路6が最も高く、低電圧回路8が最も低い。高電圧回路6の電圧は、モータ1の駆動電圧やジェネレータ2の発電電圧に応じて変動し、例えば最大で600[V]前後まで上昇しうる。また、中電圧回路7の電圧は、バッテリ3の充放電電圧に応じて変動し、例えば200〜300[V]の範囲内で変動する。一方、低電圧回路8の電圧は、各種電装品の駆動に係る電圧であって、例えば11〜12[V]程度である。
本実施形態では、バッテリ温度が所定温度未満である場合に、バッテリ3への充電を防止しつつバッテリ3を昇温させ、かつ、車両10の走行状態を維持する低温時制御が実施される。バッテリ3の充放電状態は、バッテリ電圧と中電圧回路7の電圧との大小関係によって決定される。例えば、ダウンバータ5の停止時にアップ・ダウンバータ4がバッテリ電圧よりも高圧の電力を高電圧回路6から中電圧回路7へと供給すれば、その電力がバッテリ3に充電される。一方、アップ・ダウンバータ4で生成される電圧がバッテリ電圧よりも低圧であれば、バッテリ3は充電されない。
また、ダウンバータ5の作動時であって、低電圧回路8上の各種電装品が負荷として作用する状態では、中電圧回路7側の電力が低電圧回路8側で消費される。このときバッテリ3が充電中であれば、低電圧回路8での消費電力とバッテリ3の充電電力とを加算したものが、高電圧回路6側から入力される電力に相当する。一方、バッテリ3が放電中であれば、低電圧回路8の消費電力は、高電圧回路6側から入力される電力とバッテリ3の放電電力とを加算したものに相当する。
したがって、低電圧回路8での消費電力に対して、高電圧回路6側から入力される電力を同一値に設定することで、バッテリ3が充電も放電もしない状態を維持することが可能となる。電子制御装置9は、このような特性を踏まえて、低温時制御におけるジェネレータ2での発電電力やアップ・ダウンバータ4から中電圧回路7に供給される電力を増減制御する。これにより、車両10のパワートレーンにおける電力の供給状態は、車両10の走行状態が維持された状態であって、バッテリ3が充電されない状態に制御される。
また、本実施形態では、ヒータ16に電力のバッファ機能を負担させて、高電圧回路6における電力の過不足をヒータ16で吸収させる制御が実施される。すなわち、ジェネレータ2で実際に生成された実発電電力と、モータ1で実際に消費された実モータ消費電力との出力差に基づいて、ヒータ16で消費される電力(ヒータ出力)が制御される。ただし、ヒータ16で消費される電力は、ヒータ16自体の温度に応じて変動するため、ヒータ16の過熱を抑制するためのヒータ冷却制御を併せて実施する。
ヒータ16の最大出力PMAXは、図3中に太実線で示すように、ヒータ温度Tが上昇するに連れて減少する。これは、ヒータ温度Tが上昇するほど抵抗が増大し、同一の電圧を与えたときにヒータ16の発熱体を流れる電流が減少するからである。ここで、ヒータ16の目標出力PTGTを図3中に細実線で示せば、横軸と細実線との間の垂直距離が、ヒータ出力を減少させることで吸収しうる出力調整代に相当し、細実線と太実線との間の垂直距離が、ヒータ出力を増加させることで吸収しうる出力調整代に相当する。したがって、ヒータ温度Tがより低い状態でヒータ16を作動させ続けることで、出力調整代の幅を大きくすることが可能となる。ヒータ冷却制御では、ヒータ温度Tが第一所定温度T1未満の範囲に収まるように、ヒータ16が冷却される。第一所定温度T1は、ヒータ出力がジェネレータ2の実発電電力とモータ1の実モータ消費電力との出力差を相殺しうる大きさとなる温度である。
[2.電子制御装置]
電子制御装置9(制御装置)は、パワートレーン内の各種装置を総合的に制御するコンピュータであり、例えばマイクロプロセッサやROM,RAMなどを集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスである。本実施形態では低温時制御及びヒータ冷却制御について説明する。低温時制御におけるおもな制御対象は、モータ1,ジェネレータ2,エンジン11,アップ・ダウンバータ4,ダウンバータ5,PWMコントローラ17であり、それぞれの作動状態はバッテリ温度センサ15で取得されたバッテリ温度に応じて制御される。
低温時制御の開始条件は、バッテリ温度が所定温度未満であることである。バッテリ温度が所定温度以上である場合には、バッテリ3の充電電力やジェネレータ2での発電電力を併用しながら車両10を走行させる通常の制御が実施され、ヒータ16及びPWMコントローラ17は非作動とされる。一方、低温時制御では、ジェネレータ2での発電電力を利用して、低電圧回路8上の各種電装品を作動させつつ車両10を走行させる制御が実施される。これに加えて、モータ1で実際に消費される実モータ消費電力とジェネレータ2で実際に発電される実発電電力との出力差を利用して、ヒータ16及びPWMコントローラ17を作動させる制御が実施される。これらの低温時制御の実施中は、バッテリ3のバッファ効果を考慮して、バッテリ3が中電圧回路7から切断されていない状態が維持される。
電子制御装置9には、低温時制御を実施するための機能要素として、電動機制御部9A,発電機制御部9B,変圧器制御部9C,降圧器制御部9D,ヒータ制御部9E,冷却風制御部9Fが設けられる。これらの要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、あるいはソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
電動機制御部9Aは、モータ1で消費される電力(消費電力,目標モータ出力)が、運転者の要求出力に対応する大きさとなるように、モータ1の作動状態を制御する機能を持つ。モータ出力の大きさは、例えばアクセルペダルの踏み込み量や車速V,路面勾配,外気温,外気圧などに基づいて算出,設定される。また、電動機制御部9Aは、モータ1で実際に消費された実モータ消費電力を算出する機能を持つ。実モータ消費電力は、前回の演算周期で算出された要求出力やモータ1の実回転速度,実トルクなどに基づいて算出される。要求出力及び実モータ消費電力の算出,設定手法には、公知の各種手法を適用することができる。
発電機制御部9Bは、ジェネレータ2及びエンジン11の作動状態を制御することで発電電力を増減させる機能を持つ。低温時制御下でのジェネレータ2での発電電力(ジェネレータ出力)の大きさは、少なくとも、モータ1の消費電力とアップ・ダウンバータ4が中電圧回路7側に供給する出力電力との加算値以上の値とされる。これにより、バッテリ3の電力の持ち出しが防止される。
また、発電機制御部9Bは、ジェネレータ2で実際に生成された実発電電力を算出する機能を持つ。実発電電力は、前回の演算周期で算出された発電電力やジェネレータ2の実回転速度,実トルク,エンジン11の実回転速度,実トルクなどに基づいて算出される。発電電力及び実発電電力の算出手法には、公知の各種手法を適用することができる。
変圧器制御部9Cは、アップ・ダウンバータ4の作動状態を制御して、高電圧回路6側から中電圧回路7側に供給される出力電力(アップ・ダウンバータ出力,変圧器出力)の大きさを増減させる機能を持つ。低温時制御下におけるアップ・ダウンバータ4の出力電力の大きさは、基本的にはダウンバータ5が低電圧回路8側に供給する出力電力と同一値とされる。つまり、低温時制御下では、低電圧回路8側で消費される電力が中電圧回路7に供給されるように、アップ・ダウンバータ4の出力電力の大きさが制御される。これにより、中電圧回路7に接続されたバッテリ3は充放電がなされない状態となり、そのバッファ効果が獲得される。
また、変圧器制御部9Cは、低温時制御下で実発電電力が実モータ消費電力を下回る場合に、不足分の電力をバッテリ3から持ち出す機能を持つ。不足分の電力は、実モータ消費電力から実発電電力を減じることで求められる。また、ダウンバータ出力から不足分の電力を減じたものをアップ・ダウンバータ出力とすることで、バッテリ3から不足分の電力が持ち出される。このように、低電圧回路8側で消費される電力よりも若干少ない電力が中電圧回路7に供給されるように、アップ・ダウンバータ4の出力電力の大きさを制御することで、バッテリ3が微小放電状態となる。なお、実発電電力が実モータ消費電力を下回る場合であっても、不足分の電力を高電圧回路6内で賄うことができるときには(例えば、ヒータ16の発熱電力がその直前まで大きかった場合には)、バッテリ3の放電は不要であり、アップ・ダウンバータ4の出力電力をダウンバータ5の出力電力に一致させてもよい。
降圧器制御部9Dは、中電圧回路7側から低電圧回路8側に供給される出力電力(ダウンバータ出力,降圧器出力)の大きさが各種電装品の要求出力に対応する大きさとなるように、ダウンバータ5の作動状態を制御する機能を持つ。各種電装品の要求出力は、その時点で作動している電装品の種類や、各電装品の作動状態などに基づいて算出,設定される。この要求出力の算出,設定手法に関しても、公知の各種手法を適用することができる。
ヒータ制御部9Eは、低温時制御下において、高電圧回路6からPWMコントローラ17を介してヒータ16側に供給される電力(すなわち、ヒータ16の発熱電力)を制御する機能を持つ。ここでは、ジェネレータ2で実際に生成された実発電電力と、モータ1で実際に消費された実モータ消費電力との出力差に基づいて、ヒータ16で消費される電力が「発熱電力」として算出される。出力差に基づく発熱電力の算出手法として、二つの算出手法を説明する。
第一の手法は、実発電電力から実モータ消費電力を減じた電力を発熱電力とするものである。この手法は演算が容易であり制御構成を簡素化できる。しかし、実発電電力と実モータ消費電力とが一致するときには、ヒータ16が通電されない。また、実発電電力が実モータ消費電力未満になったときには高電圧回路6の電力が不足することになり、バッテリ3から不足分の電力を持ち出すことになる。
第二の手法は、低温時制御中は常にヒータ16で所定の基準電力を消費させておき、実モータ消費電力から発電電力を減じた電力と基準電力との加算値を、ヒータ16での発熱電力として算出するものである。つまり、実モータ消費電力と発電電力との出力差の変動幅をカバーすべく、ヒータ16の通電量を予め設定しておく。この場合、ジェネレータ2の実発電電力に対してモータ1の実モータ消費電力が相対的に小さい場合には、余剰の出力差が大きいほどヒータ16の発熱電力を増大させればよい。反対に、ジェネレータ2の実発電電力に対してモータ1の実モータ消費電力が相対的に大きい場合には、不足の出力差が大きいほどヒータ16の発熱電力を減少させればよい。
なお、第二の手法において、ヒータ16の発熱電力がゼロを下回る場合には、不足する電力をバッテリ3からの持ち出し電力で補うこととしてもよい。つまり、モータ1の消費電力がジェネレータ2の発電電力を上回る場合には、不足分の電力をバッテリ3に負担させてもよい。バッテリ低温時には、たとえ僅かな電力であっても充電することは望ましくないが、放電に関しては、僅かな電力であれば許容される。このようなバッテリ特性を利用して、高電圧回路の電圧変動を解消するための電力のみをバッテリ3に負担させることとしてもよい。
本実施形態のヒータ制御部9Eは、第二の手法に基づいてヒータ16の出力を制御する。すなわち、ヒータ温度センサ19で検出されたヒータ温度Tに基づいてヒータ16の最大出力PMAXを算出し、最大出力PMAXに所定の比率Rを乗じたものをヒータ16の目標出力PTGTとして算出する。この目標出力PTGTが上記の「所定の基準電力」となり、その情報がPWMコントローラ17に伝達される。また、実モータ消費電力と発電電力との出力差の情報も、PWMコントローラ17に伝達される。PWMコントローラ17では、目標出力PTGTと出力差との合算値に基づいてパルス信号のパルス幅が調節され、出力変動が吸収,相殺される。
最大出力PMAXは、図3に示すようなPTCヒータの温度特性に合致するように、ヒータ温度Tが高温であるほど小さい値として算出される。また、最大出力PMAXに乗算される比率Rの値は、任意に設定可能である。例えば、目標出力PTGTを最大出力PMAXの半分の値(中央値)に設定したい場合には、比率Rを0.5にすればよい。これにより、高電圧回路6で電力が過剰な場合であっても、あるいは不足した場合であっても、同じ出力調整代を確保することができ、ヒータ16の容量を有効に活用できる。また、高電圧回路6における電力の過不足に偏りがあるような場合には、その偏りに適した値の比率Rを設定すればよい。
ここで、比率Rの設定手法について詳述する。
車両10の加速時にモータ1の実モータ消費電力が増加し、これに遅れてジェネレータ2の実発電電力が増加したとき、実モータ消費電力と実発電電力との出力差に相当する電力が高電圧回路6で不足する。同様に、車両10の減速時には、実モータ消費電力と実発電電力との出力差に相当する電力が高電圧回路6で過多となる。
一方、実モータ消費電力の変化速度が実発電電力の変化速度と比較して小さい場合には、加速時の不足電力が相対的に小さくなり、減速時の過多電力が相対的に大きくなる。反対に、実発電電力の変化速度が実モータ消費電力の変化速度と比較して小さい場合には、加速時の不足電力が相対的に大きくなり、減速時の過多電力が相対的に小さくなる。つまり、電力の過不足量はモータ1,ジェネレータ2の特性によって変化する。
上記のような出力差の変動特性を踏まえて、加速時の不足電力が相対的に大きい場合(すなわち、実モータ消費電力に対する実発電電力の出力差が負方向に増加しやすい場合)には、比率Rの値を大きく設定すればよい。これにより、図3中での目標出力PTGTのグラフが上方に移動することになり、不足電力を補填するための出力調整代(ヒータ出力の減少分)が増加する。
反対に、減速時の過多電力が相対的に大きい場合(すなわち、実モータ消費電力に対する実発電電力の出力差が正方向に増加しやすい場合)には、比率Rの値を小さく設定すればよい。これにより、図3中での目標出力PTGTのグラフが下方に移動することになり、過多電力を相殺するための出力調整代(ヒータ出力の増加分)が増加する。
このように、モータ1,ジェネレータ2の出力差の変動特性に応じて、最大出力PMAXに対する目標出力PTGTの比率を設定することで、出力調整代の増加分と減少分とを適正化することができ、加速,減速の何れの場合であっても、ヒータ16の容量を有効に活用できるようになる。
冷却風制御部9Fは、低温時制御下でヒータ温度Tが高温になった場合に、ヒータ冷却制御を実施するものである。ヒータ冷却制御では、ヒータ16の抵抗を小さくすべく、発熱体が冷却される。ヒータ16を冷却するための手段としては、ファン18,熱交換器21,バルブ22,車外ファン23などが使用される。ヒータ冷却制御の開始条件は、ヒータ温度Tが第一所定温度T1以上であることとされ、終了条件は、ヒータ温度Tが第一所定温度よりも低い基準温度T0以下であることとされる。
本実施形態では、制御用の閾値として第一所定温度T1,第二所定温度T2,第三所定温度T3が設定される。閾値の大小関係はT1≦T2≦T3とする。ファン18は、ヒータ温度Tが第一所定温度T1以上の場合に駆動される。また、バルブ22の開度はヒータ温度Tが第二所定温度T2以上の場合に第二通路32側を開放するように調整され、熱交換器21はヒータ温度Tが第三所定温度T3以上の場合に駆動される。このように、ヒータ温度Tが高いほどヒータ16の冷却度合いを段階的に強めることで、ヒータ16の冷却性が向上し、ヒータ16の電力バッファが確保されやすくなる。なお、第一所定温度T1,第二所定温度T2,第三所定温度T3を同一値とすれば、ヒータ冷却制御が開始された時点でファン18,熱交換器21,バルブ22の全てを作動させることができ、ヒータ16が冷却されるまでの時間を短縮することができる。
また、車両10の走行時には走行風によってバッテリ3が冷却されやすいのに対し、車両10の停止時には外気による冷却効果が低下する。そこで、車速Vが所定車速V1未満である場合には、車外ファン23を作動させてバッテリケースの外表面を冷却する。これにより、バッテリ3の全体が冷却され、ヒータ16に供給される冷却風の温度が低下しやすくなるため、ヒータ16の冷却性が向上する。
[3.フローチャート]
図4は、低温時制御の手順を例示するフローチャートである。図4のフローは、各種接続機器の目標となる出力を算出し、制御を実施するフローである。このフローは、例えば車両10のメイン電源がオンのときに繰り返し実施される。エンジン11は、始動している状態であるものとする。まず、電動機制御部9Aでは、目標とするモータ出力(実モータ消費電力)が算出され(ステップA1)、降圧器制御部9Dでは、各種電装品の要求出力がダウンバータ出力として算出される(ステップA2)。
バッテリ温度が所定温度未満であるとき(ステップA3)、変圧器制御部9Cでは、ダウンバータ出力と同一値の出力がアップ・ダウンバータ出力として算出される(ステップA4)。そして、発電機制御部9Bでは、モータ出力とアップ・ダウンバータ出力との加算値が発電電力として算出され(ステップA5)、その後、モータ1,ジェネレータ2,アップ・ダウンバータ4,ダウンバータ5といった各種接続機器の動作が制御される(ステップA6)。一方、バッテリ温度が所定温度以上であれば、通常の制御が実施される(ステップA7)。通常の制御の具体的な内容については公知技術を適用することができ、説明を省略する。
図5は、第一の手法を用いてヒータ16を制御する場合のフローであり、図4のフローと並行して繰り返し実行される。まず、電動機制御部9Aにおいてモータ1の実モータ消費電力が算出されるとともに(ステップB1)、発電機制御部9Bにおいてジェネレータ2の実発電電力が算出される(ステップB2)。実発電電力が実モータ消費電力以上であるとき(ステップB3)、ヒータ制御部9Eでは、実発電電力から実モータ消費電力を減じた電力がヒータ16の発熱電力(ヒータ消費電力)として算出される(ステップB4)。そして、この発熱電力がヒータ16で消費されるように、PWMコントローラ17から出力されるパルス信号のパルス幅が制御される(ステップB5)。
また、実発電電力が実モータ消費電力未満であるとき、ヒータ16の発熱電力がゼロ以下となるため、PWMコントローラ17は非作動とされる。一方、変圧器制御部9Cでは、実モータ消費電力から実発電電力を減じた電力が不足電力として算出される(ステップB6)。そして、この不足電力がバッテリ3から出力されるように、ダウンバータ出力から不足電力を減じたものがアップ・ダウンバータ出力として算出され、アップ・ダウンバータ4が制御される(ステップB7)。これにより、不足分の電力がバッテリ3から持ち出され、高電圧回路6のモータ1や低電圧回路8の各種補機類の駆動に使用される。
図6は、第二の手法を用いてヒータ16を制御する場合のフローであり、図4のフローと並行して繰り返し実行される。まず、電動機制御部9Aにおいてモータ1の実モータ消費電力が算出されるとともに(ステップC1)、発電機制御部9Bにおいてジェネレータ2の実発電電力が算出される(ステップC2)。一方、ヒータ制御部9Eではヒータ16の基準電力が算出される(ステップC3)
実発電電力及び基準電力の加算値が実モータ消費電力以上であるとき(ステップC4)、ヒータ制御部9Eでは、実発電電力及び基準電力の加算値から実モータ消費電力を減じた電力がヒータ16の発熱電力(ヒータ消費電力,実出力PHEAT)として算出される(ステップC5)。つまり、ヒータ16の実際の出力は、実発電電力と実モータ消費電力との出力差に目標出力を加算した合算値に基づいて設定される。そして、この発熱電力(実出力PHEAT)がヒータ16で消費されるように、PWMコントローラ17から出力されるパルス信号のパルス幅が制御される(ステップC6)。これにより、ヒータ16で実際に消費される電力は、実発電電力と実モータ消費電力との出力差に応じて変動する。また、仮に実発電電力が不足した場合であってもその分、基準電力が削減されてモータ1の駆動に宛がわれるため、高電圧回路6内の電力収支が均衡する。
実発電電力及び基準電力の加算値が実モータ消費電力未満であるとき、ヒータ16の発熱電力がゼロ以下となるため、PWMコントローラ17は非作動とされる。また、変圧器制御部9Cでは、実モータ消費電力から実発電電力と基準電力とを減じた電力が不足電力として算出される(ステップC7)。そして、この不足電力がバッテリ3から出力されるように、ダウンバータ出力から不足電力を減じたものがアップ・ダウンバータ出力として算出され、アップ・ダウンバータ4が制御される(ステップC8)。これにより、不足分の電力がバッテリ3から持ち出され、高電圧回路6のモータ1や低電圧回路8の各種補機類の駆動に使用される。
図7は、冷却風制御部9Fで実施されるヒータ冷却制御の手順を例示するフローチャートであり、低温時制御が実施されている間に、図4〜図6に示すようなフローと並行して実施される。なお、フロー中のフラグFは、ヒータ冷却制御の実施状態を表す。例えば、ヒータ冷却制御の開始条件が成立したときにF=1となり、その後、終了条件が成立したときにF=0となる。
冷却風制御部9Fでは、ヒータ温度センサ19,車速センサ24で検出されたヒータ温度T,車速Vの情報が取得される(ステップD1)。ヒータ冷却制御が開始されていない場合(ステップD2)、ヒータ冷却制御の開始条件として、ヒータ温度Tが第一所定温度T1以上であるか否かが判定される(ステップD3)。この条件が成立するとフラグFがF=1に設定され、ファン18が駆動される(ステップD4〜D9)。なお、ヒータ冷却制御がすでに開始されている場合には、ステップD5以降の温度判定が実施される。
すなわち、ヒータ温度Tが第二所定温度T2以上の場合には(ステップD5))バルブ22において第二通路32側が開放され(ステップD9)、ヒータ温度Tが第三所定温度T3以上の場合には(ステップD6)熱交換器21が駆動される(ステップD8)。さらに、車速Vが所定車速V1未満であれば、車外ファン23が駆動される(ステップD10〜D11)。これらの冷却操作を通じてヒータ温度Tが低下し、基準温度T0以下になると(ステップD12)フラグFがF=0に設定されてヒータ冷却制御が終了する(ステップD13〜D14)。本フローは、ヒータ冷却制御の終了条件が成立するまでは繰り返し実行される。
[4.作用]
図8(A),(B)に示すように、高電圧回路6における電力の過不足は、モータ1で消費される実モータ消費電力とジェネレータ2で生成される実発電電力との大小関係に応じて決定される。例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込んだときに、ジェネレータ2の応答がモータ1よりも遅れると、実発電電力が実モータ消費電力よりも小さくなり、電力が不足する。反対に、運転者がアクセルペダルを踏み戻したときには、実発電電力が実モータ消費電力よりも大きくなり、電力に余剰が生じる。これらの電力の過不足は、ヒータ16での消費電力を増減させることによって吸収,相殺される。しかし、ヒータ16で吸収できる電力の大きさは、必ずしも一定ではない。例えば、通電時間が長引くに連れてヒータ温度Tが上昇し、ヒータ16の最大出力PMAXが低下する。そのため、通電時間が経過するほど、ヒータ16によるバッファ効果が弱まり、図8(B)に示す出力変動の過不足を吸収しにくくなる。
これに対し、本実施形態では、ヒータ温度Tが第一所定温度T1以上になるとヒータ冷却制御が実施され、図8(C)に示すように、ヒータ温度Tが基準温度T0から第一所定温度T1の間で変動する。図8(C)中の破線は、ヒータ冷却制御を実施しなかった場合におけるヒータ温度Tの上昇を示す。また、ヒータ16の最大出力PMAXはこれに対応して、図8(D)中に太実線で示すように、所定出力範囲P0〜P1で推移する。なお、図8(D)中の破線は、ヒータ冷却制御を実施しなかった場合における最大出力PMAXの低下を示す。破線と太実線とで挟まれた部分の垂直距離は、ヒータ冷却制御によって確保された出力の余裕分に相当する。
また、ヒータ制御部9Eでは、図8(D)中に細実線で示すように、最大出力PMAXに所定の係数を乗じた値が目標出力PTGTとして算出される。これにより、ヒータ16の出力を増加させたい場合であっても減少させたい場合であっても、出力調整代が確保される。すなわち、図8(B)に示す出力変動の過不足を吸収するには、その過不足に相当する出力(実モータ消費電力と発電電力との出力差)と目標出力PTGTとを合算し、その合算値をヒータ16の実出力PHEATとすればよい。ヒータ16の出力調整代が確保されていれば、実出力PHEATが最大出力PMAXを超えることはなく、ゼロを下回ることもない。したがって、図8(E)に示すように、ヒータ16による電力のバッファ機能が保全される。
[5.効果]
(1)上記の電子制御装置9では、高電圧回路6の電力を利用してバッテリ3を昇温させるヒータ16を、高電圧回路6の電力バッファとして機能させることができ、モータ1及びジェネレータ2の負荷変動に伴う高電圧回路6の電圧変動を抑制することができる。
また、ヒータ制御部9Eでは、ヒータ温度Tに基づいてヒータ16の最大出力PMAXが算出され、最大出力PMAXに所定の比率Rを乗じた値が目標出力PTGTとして設定される。したがって、その時点で使用可能な総バッファ容量(その時点でのヒータ16の電力バッファ能力)を考慮してヒータ16の消費電力を制御することができ、ヒータ16のバッファ容量を有効に活用することができる。したがって、バッテリ3及び接続機器の保護性を向上させつつ、車両10の走行性を確保することができる。
さらに、低温時制御の実施中であっても、バッテリ3が中電圧回路7から切断された状態にはならないため、中電圧回路7のバッファ効果を確保することができ、アップ・ダウンバータ4やダウンバータ5の保護性を向上させることができる。
(2)上記のヒータ制御部9Eでは、ヒータ温度Tが高温であるほど最大出力PMAXが小さい値として算出される。これにより、PTCヒータの温度特性に合わせて目標出力PTGTを設定することができる。したがって、ヒータ温度Tに関わらず、出力調整代の増加分と減少分とをともに確保することができ、電力バッファ機能を適正化できる。
(3)また、実モータ消費電力と実発電電力との出力差に関する変動特性に基づいて比率Rを設定すれば、電力不足に対するバッファ容量と電力過多に対するバッファ容量とをともに適正化することができ、ヒータ16のバッファ容量をより有効活用することができる。例えば、比率Rの値を大きく設定すれば、加速時の不足電力をより確実に補填することができる。また、比率Rの値を小さく設定すれば、減速時の過多電力をより確実に相殺することができる。
(4)なお、比率Rを0.5に設定すれば、ヒータ16の総バッファ容量が均等に分割される目標出力PTGTを設定することができる。すなわち、電力不足に対するバッファ容量と電力過多に対するバッファ容量とを等しくすることができ、偏りがなくバランスのよい電力バッファ機能を提供することができる。
(5)上記の電子制御装置9では、高電圧回路6の直流電流をPWMコントローラ17でパルス信号に変調してヒータ16に供給している。これにより、ヒータ16での消費電力を自在に変更可能となり、電力バッファを容易に調節することができる。したがって、高電圧回路6の電圧変動を抑制しやすくすることができる。
(6)上記のヒータ制御部9Eでは、図6のステップC5に示すように、実発電電力と実モータ消費電力との出力差に目標出力を加算した合算値に基づいてPWMコントローラ17が制御され、ヒータ16の発熱電力(実出力PHEAT)が調節される。これにより、高電圧回路6における電力の過不足をヒータ16で吸収,相殺することができ、モータ1,ジェネレータ2の負荷変動に伴う高電圧回路6の電圧変動を効果的に抑制することができる。
[6.変形例]
上述の実施形態では、ヒータ16に供給される電流(電力)をPWMコントローラ17で制御するものを例示したが、これに代えて(あるいは加えて)PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式で出力を制御するPAMコントローラや、PPM(Pulse Position Modulation)方式で出力を制御するPPMコントローラなどを用いることができる。少なくとも、高電圧回路6内の高電圧の電力をヒータ16の抵抗値に適合するように変調するものであれば、任意のコントローラ,電子回路,半導体装置などを適用することができる。
上記のヒータ冷却制御では、ヒータ温度Tに応じてファン18の作動状態(作動,非作動)を切り替える制御が実施されているが、このような制御に加えて、ヒータ温度Tに応じてファン18の回転数を制御することも可能である。この場合、ヒータ温度Tが高温であるほどファン18の回転数を増加させることで、ヒータ16の冷却効率を高めることができる。同様に、ヒータ温度Tが高温であるほどバルブ22の開度を増大させて第二通路32側の冷却風流量を増大させてもよいし、ヒータ温度Tが高温であるほど熱交換器21の設定温度(冷却温度)を低下させてもよい。
上記の低温時制御は、単一の電子制御装置9内で制御が実施されることを前提として説明したが、車両10に搭載される各種制御装置に機能を分散させて制御を実施させてもよい。例えば、エンジン11を制御するエンジンECU,モータ1を制御するモータECUなどを備えた車両10の場合、各ECUに発電機制御部9B,電動機制御部9Aを分散して配置してもよい。また、バッテリ温度を取得するための具体的な構成に関しても同様であり、バッテリ3の状態を管理するバッテリECUで演算されたバッテリ温度を用いて低温時制御の開始条件を判断してもよい。なお、基準電力の値は、予め設定された固定値であってもよいし、車両10の走行状態やバッテリ温度に応じて設定される可変値であってもよい。
1 モータ(電動機)
2 ジェネレータ(発電機)
3 バッテリ
4 アップ・ダウンバータ(変圧器)
6 高電圧回路
9 電子制御装置
9A 電動機制御部
9B 発電機制御部
9C 変圧器制御部
9D 降圧器制御部
9E ヒータ制御部
9F 冷却風制御部
10 車両
11 エンジン
15 バッテリ温度センサ
16 ヒータ
17 PWMコントローラ(変調器)
18 ファン
19 ヒータ温度センサ
20 電池パック
21 熱交換器
22 バルブ
23 車外ファン
24 車速センサ
31 第一通路
32 第二通路

Claims (6)

  1. 車両駆動用の電動機とエンジンに駆動される発電機とを高電圧回路に配し、車両駆動用のバッテリを前記高電圧回路よりも低い電位の中電圧回路に配するとともに、前記高電圧回路と前記中電圧回路との間に変圧器を介装した車両の制御装置において、
    前記高電圧回路の電力で作動し前記バッテリを昇温させるヒータと、
    前記ヒータの温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出された前記温度に基づいて前記ヒータの最大出力を算出するとともに、前記最大出力に所定比率を乗じた値を目標出力として前記ヒータを制御するヒータ制御部と、
    を備えたことを特徴とする、車両の制御装置。
  2. 前記ヒータ制御部は、前記ヒータの温度が高温であるほど、前記最大出力を小さい値として算出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記ヒータ制御部が、前記発電機の発電電力と前記電動機の消費電力との出力差に関する変動特性に基づき、前記所定比率を設定する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両の制御装置。
  4. 前記ヒータ制御部が、前記所定比率を0.5に設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記ヒータと前記高電圧回路とを接続する回路上に介装され、前記高電圧回路の直流電流をパルス信号に変調して前記ヒータへと出力する変調器を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記ヒータ制御部が、前記発電機の発電電力と前記電動機の消費電力との出力差と前記目標出力との合算値を用いて前記変調器を制御する
    ことを特徴とする、請求項5記載の車両の制御装置。
JP2015031911A 2015-02-20 2015-02-20 車両の制御装置 Active JP6464804B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015031911A JP6464804B2 (ja) 2015-02-20 2015-02-20 車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015031911A JP6464804B2 (ja) 2015-02-20 2015-02-20 車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016153277A JP2016153277A (ja) 2016-08-25
JP6464804B2 true JP6464804B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=56761048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015031911A Active JP6464804B2 (ja) 2015-02-20 2015-02-20 車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6464804B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112874295A (zh) * 2021-01-11 2021-06-01 代军 一种电动汽车储能助力缓冲器
KR102529824B1 (ko) * 2021-06-10 2023-05-08 한국항공우주연구원 하이브리드 동력 시스템을 이용한 무인 비행체 및 그 제어 방법

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05256208A (ja) * 1992-03-11 1993-10-05 Toyota Motor Corp エンジン関係部品の暖機装置
JP2005130629A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Toyota Motor Corp 自動車
US20080271937A1 (en) * 2007-05-01 2008-11-06 Ford Global Technologies, Llc System and method for powering a power consuming vehicle accessory during an off state of the vehicle
JP5126003B2 (ja) * 2008-11-11 2013-01-23 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置および制御方法
JP5480670B2 (ja) * 2010-03-02 2014-04-23 本田技研工業株式会社 充電制御装置および充電制御装置が搭載された車両
JP2012044813A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Denso Corp 車両用電源装置
JP5835922B2 (ja) * 2011-03-31 2015-12-24 三菱重工業株式会社 ハイブリッド車両
JP6048278B2 (ja) * 2013-03-28 2016-12-21 マツダ株式会社 車両の充電制御装置
JP6405644B2 (ja) * 2014-02-24 2018-10-17 三菱自動車工業株式会社 車両の制御装置
JP2015168282A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 三菱自動車工業株式会社 車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016153277A (ja) 2016-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6137067B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP5510116B2 (ja) ハイブリッド車の回生制御装置
JP4478900B1 (ja) 蓄電器加温装置
US6630810B2 (en) Hybrid vehicle and control method therefor
JP5981748B2 (ja) モータ冷却装置
JP5895893B2 (ja) 車両
JP6545435B2 (ja) 車両制御装置、車両、及び車両の制御方法
CN110857086A (zh) 电气分配系统部件保护系统和方法
JP2013018420A (ja) 電気駆動車両の暖房装置
US20130173105A1 (en) Controller for Vehicle and Vehicle Including the Controller
JP2017100521A (ja) 車両用電源装置
JP6183133B2 (ja) 電池暖機システム
JP2015168282A (ja) 車両の制御装置
JP6405644B2 (ja) 車両の制御装置
CN108099691A (zh) 用于控制电动机的方法和系统
JP6464804B2 (ja) 車両の制御装置
EP4173877A1 (en) A braking system for a vehicle
KR101294064B1 (ko) 친환경 차량의 파워모듈 냉각장치 및 방법
JP5419745B2 (ja) シリーズハイブリッド車両の制御装置
JP6447225B2 (ja) 車両の制御装置
JP4626161B2 (ja) 車両に搭載された電気機器の冷却装置
JP2013103645A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2017114179A (ja) 車両の空調装置
JP6007707B2 (ja) ハイブリッド型荷役車両
JP2012183860A (ja) 電動車両のバッテリ充電制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181224

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6464804

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350