JP6464765B2 - 熱処理装置、熱処理方法及び記憶媒体 - Google Patents

熱処理装置、熱処理方法及び記憶媒体 Download PDF

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本発明は、回転テーブル上に載置された基板に成膜を行う際に、当該回転テーブルの温度を測定する技術に関する。
熱処理装置の一種であり、基板に薄膜を成膜する成膜装置として、真空容器内に配置された回転テーブル上に、その回転軸を囲むようにして複数の基板を載置し、回転テーブルの上方側の所定の位置に処理ガスが供給されるようにガス供給領域を配置したものがある。この成膜装置において、回転テーブルを回転させると、各基板が回転軸の周りを公転しながらガス供給領域を繰り返し通過し、これら基板の表面で処理ガスが反応することにより成膜が行われる。
前記回転テーブルの下方側には、加熱部であるヒーターが配置され、このヒーターからの熱放射(輻射熱)を利用して回転テーブルを加熱することにより、その上面に載置された基板が加熱され、処理ガスの反応が進行する。
ここで、回転テーブルに熱電対などの温度計を設けることが難しい場合には、例えば特許文献1に示すように、回転テーブルの下方側に位置するヒーターの配置領域に設けた熱電対の測定結果に基づいて基板の温度が把握される。
しかしながら、回転テーブルの温度を直接測定しない場合には、回転テーブルと熱電対の熱容量の違いなどに起因して、熱電対による測定温度の上昇から遅れて回転テーブルの温度が上昇する。このため、熱電対にて測定した温度が設定温度に到達した後、十分な時間の経過を待ってから処理ガスの供給を開始する必要があり、真空容器への基板の搬入から搬出に至るまでの処理時間全体が長くなってしまう。このように、回転テーブルの実温度を測定できないことは、基板の処理時間を短縮するうえでの障害となっている。
ここで特許文献2には、成膜時の基板の表面の温度分布を把握するため、放射温度計を用いて回転テーブル上の基板の温度を測定する技術が記載されているが、回転テーブル本体の温度を測定する手法は開示されていない。特に、物質の放射率には温度依存性があり、その物質の温度変化に伴って放射率も変化する。このため、回転テーブルの昇温を行う際に、放射温度計を用いてその正確な温度を把握するは、回転テーブルの放射率の変化も把握しなければならない。これに対して引用文献2には、回転テーブルの昇温が完了し、成膜が行われている基板の面内の微妙な温度の違いを測定する技術が記載されているものであり、放射率が未知、または比較的大きく変化する物体に対して放射温度計を用いて温度測定を行う手法は記載されていない。
特開2010− 59496号公報:段落0022、0051、図3 特開2012−248634号公報:段落0024、図4
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、成膜対象の基板が載置され、加熱部によって加熱される回転テーブルの温度をより正確に測定することが可能な熱処理装置、熱処理方法及びこの方法を記憶した記憶媒体を提供することにある。
本発明の熱処理装置は、基板に対して熱処理を行う熱処理装置において、
真空容器内に配置され、その一面側に設けられる載置領域に基板を載置して公転させるために設けられ、温度に応じて放射率が変化する材料によって構成された回転テーブルと、
前記回転テーブルを加熱する加熱部と、
前記回転テーブルの熱放射の放射強度を検出し、当該回転テーブルの見かけの温度を測定する第1の放射温度計と、
前記回転テーブルの構成材料の放射率に対応して、温度に応じて放射率が変化する材料からなり、前記真空容器内にて、前記加熱部によって加熱される位置に配置された温度補正用部材と、
前記温度補正用部材に接触して当該温度補正用部材の接触測定温度を測定する接触式温度計と、
前記温度補正用部材の熱放射の放射強度を検出し、当該温度補正用部材の見かけの温度を測定する第2の放射温度計と、
前記放射率の変化に伴って変化する、前記温度補正用部材の見かけの温度と接触測定温度との対応関係に基づいて、前記第1の放射温度計にて測定した前記回転テーブルの見かけの温度に、当該回転テーブルの見かけの温度を測定した際の放射率を反映した実温度を算出する温度補正部と、を備えたことを特徴とする。
また、他の発明に係る熱処理装置は、基板に対して熱処理を行う熱処理装置において、
真空容器内に配置され、その一面側に設けられる載置領域に基板を載置して公転させるために設けられ、温度に応じて放射率が変化する材料によって構成された回転テーブルと、
前記回転テーブルを加熱する加熱部と、
前記回転テーブルの熱放射の放射強度の検出結果と、回転テーブルの放射率とに基づき、当該回転テーブルの実温度を測定する第1の放射温度計と、
前記回転テーブルの構成材料の放射率に対応して、温度に応じて放射率が変化する材料からなり、前記真空容器内にて、前記加熱部によって加熱される位置に配置された温度補正用部材と、
前記温度補正用部材に接触して当該温度補正用部材の接触測定温度を測定する接触式温度計と、
前記温度補正用部材の熱放射の放射強度の検出結果と、温度補正用部材の放射率とに基づき、当該温度補正用部材の実温度を測定する第2の放射温度計と、
前記温度補正用部材の接触測定温度と実温度との対応関係に基づいて、前記第2の放射温度計に用いられる温度補正用部材の放射率を補正する放射率補正部と、を備え、
前記第1の放射温度計は、前記回転テーブルの放射強度の検出と並行して前記温度補正用部材の放射強度を検出した結果を用いて前記放射率補正部にて補正された温度補正用部材の放射率を、当該回転テーブルの温度の変化に伴って変化する放射率として用いることを特徴とする。
前記成膜装置は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記第1の放射温度計及び第2の放射温度計は真空容器の外部に配置され、前記真空容器には各放射温度計に向けて、これらの放射温度計にて検出される波長を透過する透過窓が設けられていること。また、前記第1の放射温度計に対応して設けられた透過窓は、前記回転テーブルの回転中心から径方向に向けて、異なる位置の熱放射の放射強度を検出できるように設けられていること。
(b)前記加熱部は、前記回転テーブルの下方側に配置され、熱放射によって当該回転テーブルの加熱を行い、前記温度補正用部材は、前記加熱部と共に回転テーブルの下方側に配置されていること。
(c)前記加熱部の出力を増減する加熱制御部を備え、前記加熱制御部は、前記回転テーブルの実温度と、予め定めた設定温度との差分値に基づいて前記加熱部の出力を増減すること。さらに、前記加熱部は、前記回転テーブルの下方側に配置され、熱放射によって当該回転テーブルの加熱を行い、前記加熱部が配置されている領域の温度を測定する加熱部温度計をさらに備え、前記加熱制御部は、前記回転テーブルの実温度と、予め定めた設定温度との差分値に基づいて前記加熱部温度計の出力の目標温度を求め、当該加熱部温度計にて測定された測定温度と、前記目標温度との差分値に基づき前記加熱部の出力を増減するカスケード制御を行うこと。
(d)前記温度補正用部材は、前記回転テーブルと共通の材料により構成されていること。
(e)前記第1の放射温度計と第2の放射温度計とが共通化されていること。
本発明は、回転テーブルに載置された基板に対する成膜が行われる真空容器内に、前記回転テーブルに対応する放射率を有する材料からなる温度補正用部材が配置されている。この温度補正用部材に対しては、接触式の温度計及び放射温度計(第2の放射温度計)の2種類の温度計を利用して当該の接触測定温度と見かけの温度と測定することができるので、これら見かけの温度と接触測定温度との対応関係を把握することが可能となる。この対応関係を利用すると、放射温度計(第1の放射温度計)にて回転テーブルを測定して得た見かけの温度から、回転テーブルの実温度を算出することや、当該実温度を得るための放射率を算出することが可能となり、より正確に回転テーブルの温度を把握できる。
本発明の実施の形態に係る成膜装置の縦断側面図である。 前記成膜装置の横断平面図である。 前記成膜装置の内部構造を示す分解斜視図である。 放射温度計と対向して配置されている、成膜装置の下部領域の分解斜視図である。 熱電対により温度測定が行われる領域の分解斜視図である。 透過窓及び温度補正用の石英片の配置状態を模式的に示す平面図である。 回転テーブルの実温度を知る1つ目の方法に対応する成膜装置の説明図である。 前記1つ目の方法に係る放射率の補正機構の一例を示すブロック図である。 回転テーブルの実温度を知る2つ目の方法に対応する成膜装置の説明図である。 放射温度計にて測定した見かけの温度と実温度との関係を示す補正線図である。 回転テーブルの温度制御機構の一例を示すブロック図である。 加熱開始時における回転テーブルの温度の経時変化の例を示す説明図である。 回転テーブルの温度制御機構の他の例を示すブロック図である。
本発明の熱処理装置の一実施形態として、ALD(Atomic Layer Deposition)法により、基板であるウエハWに対してSiO膜を成膜する成膜装置1について説明する。本例の成膜装置1にて実施されるALD法の概要について述べておくと、Si(シリコン)を含む原料ガスとしてBTBAS(ビスターシャルブチルアミノシラン)ガスをウエハWに吸着させた後、当該ウエハWの表面に、前記BTBASを酸化する酸化ガスであるオゾン(O)ガスを供給してSiO(酸化シリコン)の分子層を形成する。しかる後、プラズマ発生用ガスから発生させたプラズマにウエハWを曝し、前記分子層を改質する処理を行う。1枚のウエハWに対してこの一連の処理を複数回、繰り返し行うことにより、SiO膜が形成される。原料ガスや酸化ガスは、本実施の形態の処理ガスに相当する。
図1、図2に示すように、成膜装置1は、概ね円形の扁平な真空容器11と、真空容器11内に設けられた円板状の回転テーブル2と、を備えている。真空容器11は、天板12と、真空容器11の側壁及び底部をなす容器本体13と、により構成されている。
回転テーブル2は、例えば石英ガラス(以下、単に「石英」という)により構成され、その中心部には鉛直下方へ伸びる金属製の回転軸21が設けられている。回転軸21は、容器本体13の底部に形成された開口部14を有するスリーブ141に内に挿入され、スリーブ141の下端部に、真空容器1を気密に塞ぐように設けられた回転駆動部22に接続されている。回転テーブル2は、回転軸21を介して真空容器11内に水平に支持され、回転駆動部22の作用により、上面側から見て例えば時計回りに回転する。
また、スリーブ141の上端部には、回転テーブル2の上面側から下面側への原料ガスや酸化ガスなどの回りこみを防ぐために、スリーブ141や容器本体13の開口部14と、回転軸21との隙間にN(窒素)ガスを供給するガスノズル15が設けられている。
一方で、真空容器11を構成する天板12の下面には、回転テーブル2の中心部に向けて対向するように突出し、平面視形状が円環状の中心部領域Cと、この中心部領域Cから回転テーブル2の外側に向かって広がるように2箇所に形成された平面視形状が扇形の突出部17と、が形成されている。言い替えると、これら中心部領域C及び突出部17は、天板12の下面に、その外側領域に比べて低い天井面を形成しているといえる。
中心部領域Cと回転テーブル2の中心部との隙間はNガスの流路18を構成している。このガス流路18には、天板12に接続されたガス供給管からNガスが供給され、流路18内に流れ込んだNは、回転テーブル2の上面と中心部領域Cとの隙間から、その全周に亘って回転テーブル2の径方向外側に向けて吐出される。このNガスは、回転テーブル2上の互いに異なる位置(後述の吸着領域R1及び酸化領域R2)にて供給された原料ガスや酸化ガスが、回転テーブル2の中心部(流路18)をバイパスとして互いに接触することを防いでいる。
図3の斜視図は、成膜装置1から天板12及び回転テーブル2を取り外した状態を示している。図3に示すように回転テーブル2の下方に位置する容器本体13の底面には、前記回転テーブル2の周方向に沿って、扁平な円環状の凹部31が形成されている。この凹部31の底面には、回転テーブル2の下面全体に対向する領域に亘ってヒーター33が配置されている。
例えば図4、図5に示すように、ヒーター33は十数cm〜数十cm程度の長さの円弧形状に形成された、細長い管状のカーボンワイヤヒータからなる多数のヒーターエレメント331を組み合わせて構成されている。これら円弧状のヒーターエレメント331を複数組み合わすことにより、ヒーター33は回転軸21を中心とした複数の同心円を描くように凹部31内に配置されている。
各ヒーター33は、側面から見ると凹部31の底面とほぼ平行となるように当該底面から浮いた状態で配置され、その両端は下方側へと屈曲され、容器本体13の底板を貫通する接続ポート332を介して、真空容器11の外部に設けられた給電部333に接続されている(給電部333については図7、図9参照)。この結果、円環状に形成されたヒーター33の配置領域を径方向に複数に分割して、同心円状の分割領域毎にヒーター33の出力を調整することができる。なお、図4、図5以外の各図においては、ヒーター33の屈曲部や接続ポート332の記載は省略してある。
これらヒーター33が配置された凹部31の上面は、例えば石英からなる円環形状の板部材であるシールド34によって塞がれている(図1、図7、図9参照)。
また、前記凹部31の外周側に位置する容器本体13の底面には、真空容器11内を排気する排気口35、36が開口している。排気口35、36には、真空ポンプなどにより構成された図示しない真空排気機構が接続されている。
さらに図2、図3に示すように、容器本体13の側壁にはウエハWの搬入出口37と、当該搬入出口37を開閉するゲートバルブ38とが設けられている。外部の搬送機構に保持されたウエハWは、この搬入出口37を介して真空容器11内に搬入される。回転テーブル2の上面には、中心部の流路18の回りを囲むように、ウエハWの載置領域を成す複数の凹部25が形成され、真空容器11内に搬入されたウエハWは、各凹部25内に載置される。搬送機構と凹部との間のウエハWの受け渡しは、各凹部25に設けられた不図示の貫通口を介して回転テーブル2の上方位置と下方位置との間を昇降自在に構成された昇降ピンを介して行われるが、昇降ピンの記載は省略してある。
さらに、図2、図3に示すように、回転テーブル2の上方には、原料ガスノズル51、分離ガスノズル52、酸化ガスノズル53、プラズマ用ガスノズル54、分離ガスノズル55がこの順に、回転テーブル2の回転方向に沿って間隔をおいて配設されている。各ガスノズル51〜55は真空容器11の側壁から、回転テーブル2の中心部に向けて、径方向に沿って水平に伸びる棒状に形成されている。各ガスノズル51〜55の下面には、多数の吐出口56が互いに間隔をおいて形成され、これらの吐出口56から各ガスが下方側に向けて吐出される。
なお以下の説明において、所定の基準位置から回転テーブル2の回転方向に沿った方向を回転方向の下流側、これと反対の方向を上流側という。
原料ガスノズル51は、回転テーブルの上面側へ向けて既述のBTBASガスを吐出する。図2、図3に示すように、原料ガスノズル51は、当該原料ガスノズル51から、回転テーブル2の回転方向の上流側及び下流側に向けて夫々広がる扇状に形成されたノズルカバー57によって覆われている。ノズルカバー57は、その下方におけるBTBASガスの濃度を高めて、ウエハWへのBTBASガスの吸着性を高める役割を有する。また、酸化ガスノズル53は、オゾンガスを吐出し、分離ガスノズル52、55はNガスを吐出する。図2に示すように各分離ガスノズル52、55は、天板12に形成された扇状の突出部17を周方向に分割するように配置されている。
プラズマ用ガスノズル54は、例えばアルゴン(Ar)ガスと酸素(O)ガスとの混合ガスからなるプラズマ発生用ガスを吐出する。ここで図2に一点鎖線で示すように、天板12には回転テーブル2の回転方向に沿った扇状の開口部が設けられている。この開口部には、石英などの誘電体からなり、当該開口部に対応する平面形状を有し、縦断側面形状がカップ状に形成されたプラズマ形成部61が挿入されている(図1、図2)。プラズマ形成部61は、回転テーブル2の回転方向に見て、酸化ガスノズル53とその下流側の突出部17との間に設けられている。
図1に示すようにプラズマ形成部61の下面には、当該プラズマ形成部61の周縁部に沿って突条部62が設けられており、上記プラズマ用ガスノズル54は、この突条部62に囲まれる領域にガスを吐出するように、上流側に位置する突条部62に沿って、当該領域内に挿入されている。突条部62は、プラズマ形成部61の下方へのNガス、オゾンガス及びBTBASガスの進入を抑え、プラズマ発生用ガスの濃度の低下を抑える役割を有する。
プラズマ形成部61の上面側には窪みが形成され、この窪みには上面側が開口する箱型のファラデーシールド63が配置されている。ファラデーシールド63の底面には、絶縁用の板部材64が配置され、その上面側には、金属線を鉛直軸周りにコイル状に巻回して形成され、高周波電源66に接続された、プラズマ発生用のアンテナ65が設けられている。
図2に示すようにファラデーシールド63の底面には、アンテナ65への高周波印加時に当該アンテナ65において発生する電磁界のうち電界成分が下方に向かうことを阻止すると共に、磁界成分を下方に向かわせるためのスリット67が形成されている。このスリット67は、アンテナ65の巻回方向に対して直交(交差)する方向に伸び、アンテナ65の巻回方向に沿って多数形成されている。
図2、図3に示すように、回転テーブル2の上面側において、原料ガスノズル51のノズルカバー57の下方領域は、原料ガスであるBTBASガスの吸着が行われる吸着領域R1であり、酸化ガスノズル53の下方領域は、オゾンガスによるBTBASガスの酸化が行われる酸化領域R2である。吸着領域R1や酸化領域R2は、本実施の形態のガス供給領域に相当している。また、プラズマ形成部61の下方領域は、プラズマによるSiO膜の改質が行われるプラズマ形成領域R3となっている。そして突出部17の下方領域は、分離ガスノズル52、55から吐出されるNガスにより、吸着領域R1と酸化領域R2とを互いに分離して、原料ガスと酸化ガスとの混合を防ぐための分離領域D、Dを夫々構成する。
ここで容器本体13の底面に設けられた一方側の排気口35は吸着領域R1と、当該吸着領域R1に対して前記回転方向の下流側に隣接する分離領域Dとの境界付近であって、回転テーブル2の外方側に開口し、余剰のBTBASガスを排気する。他方側の排気口36は、プラズマ形成領域R3と、当該プラズマ形成領域R3に対して前記回転方向の下流側に隣接する分離領域Dとの境界付近であって、回転テーブル2の外方側に開口し、余剰のオゾンガス及びプラズマ発生用ガスを排気する。各排気口35、36からは、各分離領域D、D、回転テーブル2の下方のガス供給管15、回転テーブル2の中心部領域Cから夫々供給されるNガスも排気される。
この成膜装置1には、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部7が設けられている(図1、図7、図9参照)。この制御部7には、ウエハWへの成膜処理を実行するプログラムが格納されている。前記プログラムは、成膜装置1の各部に制御信号を送信して各部の動作を制御する。具体的には、各ガスノズル51〜56からの各種ガスの供給量調整、ヒーター33の出力制御、ガス供給管15及び中心部領域CからのNガスの供給量調整、回転駆動部22による回転テーブル2の回転速度調整などが、制御信号に従って行われる。上記のプログラムにおいてはこれらの制御を行い、上述の各動作が実行されるようにステップ群が組まれている。当該プログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体から制御部7内にインストールされる。
以上に説明した構成を備えた成膜装置1において、回転テーブル2はヒーター33により加熱され、この回転テーブル2を介して各凹部25に載置されたウエハWが加熱される。本例の成膜装置1においては、放射温度計43を用いて回転テーブル2の温度を測定し、この測定結果を利用して回転テーブル2の温度制御を行っている。一方で既述のように、放射温度計43を用いて温度測定を行うためには、各温度における回転テーブル2の放射率を把握する必要がある。
そこで本例の成膜装置1においては、温度変化に対応して回転テーブル2と同じように放射率が変化する材料、即ち、回転テーブル2と同じ石英からなる石英板41が真空容器11内に配置されている。そして、回転テーブル2の温度測定を行うにあたり、当該石英板41から得られた放射温度計43による温度測定結果と、接触式の温度計による温度測定結果との対応関係を利用して回転テーブル2の実際の温度を算出する構成となっている。
以下、回転テーブル2の温度測定、及び温度制御に係る構成について図4〜図11を参照しながら説明する。
図4、図7、図9に示すように、真空容器11を構成する容器本体13の下方側には、容器本体13の底板と対向する位置に放射温度計43が設けられている。放射温度計43は、ヒーター33によって加熱される回転テーブル2の温度範囲の温度を測定できるものであれば、どのようなタイプのものでもよい。例えば450〜500℃の加熱温度範囲を含む本例の成膜装置1においては、赤外放射温度計が用いられる。
図7、図9に模式的に示すように、本例の放射温度計43は、回転テーブル2などから熱放射された赤外線の光路を制御するレンズ部432と、レンズ部432を介して放射温度計43内に取り込まれた赤外線を受光し、赤外線の強度(放射強度)に応じた電気信号に変換する受光素子431と、を備えるサーモビューアとして構成されている。石英は4μm以上の波長の赤外線を吸収するので、加熱されると当該波長の赤外線を放射する。従って、受光素子431は当該波長領域に含まれる所定の波長の赤外線を検出可能なものであれば、その種類について特段の限定はない。例えば、光伝導型のHCT(HgCdTe:テルルカドミウム水銀)は、3〜5μm程度の範囲の赤外線を検出可能であり、酸化バナジウムなどを用いたマイクロボロメータは7〜14μm程度の範囲の赤外線を検出可能である。
図4、図7、図9に示すように放射温度計43はレンズ部432を容器本体13の下面に向けて配置され、当該放射温度計43の視野に含まれる容器本体13の底板には、回転テーブル2から放出された赤外線を放射温度計43に向けて透過する透過窓14が設けられている。透過窓14を構成する材料は、受光素子431にて検知する赤外線の波長に応じて選択される。例えばHCTの場合には4μm付近の赤外線を透過するサファイア板やシリコン板が用いられ、ボロメータの場合には、シリコン板が用いられる。
図4及び成膜装置1を平面視した模式図である図6に示すように、透過窓14は、回転テーブル2の温度測定用に3つ設けられ(透過窓14a〜14c)、後述の石英板41の温度測定用に1つ設けられている(透過窓14d)。回転テーブル2用の透過窓14a〜14cは、回転テーブル2の径方向に沿って並べて配置され、回転テーブル2の中心部側の位置(透過窓14c)と周縁部側の位置(透過窓14a)、及びこれらの間の中間位置(透過窓14b)とに設けられている。また残る透過窓14dは、石英板41の配置位置の下方側に設けられている。
図7、図9に示すように、放射温度計43から透過窓14を通って回転テーブル2の下面に至る赤外線の光路上には、凹部31の開口面を塞ぐシールド34が設けられている。既述のように凹部31は回転テーブル2と同じ石英製であり、回転テーブル2と放射温度計43との間に当該シールド34が設けられていると、回転テーブル2から放射された赤外線を検出するうえでの障害となる。そこで、各透過窓14a〜14cから回転テーブル2の下面に至る光路上のシールド34にも、サファイア板やシリコン板などからなる透過窓341が設けられている。
以上に説明した構成により、径方向に見て、中心部側の位置、周縁部側の位置、及びこれらの中間の位置における回転テーブル2の下面から放出された赤外線は、各透過窓341、14を通過して放射温度計43のレンズ部432に入射する。この赤外線が受光素子431にて検出され、その強度に応じた電圧の電気信号として出力された後、温度情報として制御部7へ出力される(図7、図9)。このように放射温度計43は、その視野内に配置された回転テーブル2の各位置における温度を測定することができる。しかしながら、放射温度計43にて回転テーブル2の正確な温度を得るためには、回転テーブル2の温度変化と共に変化する放射率を把握し、その影響を考慮した温度補正を行う必要がある。以下、回転テーブル2の温度を測定するにあたり、当該温度における放射率の影響を考慮する前の放射温度計43の測定温度を「見かけの温度」と呼び、放射率の影響を考慮した温度を「実温度」という。
放射温度計43にて測定した回転テーブル2の見かけの温度から、実温度を得る温度補正を行うため、ヒーター33が配置された凹部31内には、真空容器11内における回転テーブル2の実温度を把握するための温度補正用部材である石英板41が設けられている。石英板41は、回転テーブル2と共通の石英からなり、その放射率は回転テーブル2と同じ温度依存性を示す。そこで、この石英板41を真空容器11内に固定配置し、当該石英板41の見かけの温度を放射温度計43によって測定するのと同時に、接触式の温度計である例えば熱電対42を用いて、石英板41の温度を直接測定する。
測定誤差などの影響を無視した理想的な条件下では、石英板41を熱電対42で測定して得た実温度は、同じ条件下で石英板41を放射温度計43で測定して得た見かけの温度に放射率の影響を考慮した温度と一致する。従って、回転テーブル2と共通の真空容器11内に配置された石英板41に対して、熱電対42及び放射温度計43の双方を用いた温度測定を行うことにより、回転テーブル2を熱電対42及び放射温度計43にて温度測定したときの見かけの温度と実温度との対応関係を把握することができる。
ここで、石英板41の温度測定においては、放射温度計43にて石英板41の温度を測定する際に、放射率の影響を考慮する前の温度を「見かけの温度」と呼び、熱電対42を石英板41に直接、接触させて測定した温度を「接触測定温度」と呼ぶ。
図4、図6に示すように石英板41は、放射温度計43の視野内に入るように設けられた透過窓14dを上方側から覆うように配置され、支持部材411によって容器本体13の底面から浮いた位置に支持されている。既述のように石英板41は、回転テーブル2と同じ光学的特性(例えば透過率特性)を持つ石英を採用することが好ましく、放射温度計43に対向する石英板41の下面は、研磨処理などによって回転テーブル2の下面と同じ表面状態にするとよい。
さらに石英板41には、例えばその表面と接触するようにして熱電対42が設けられており、石英板41の実温度を直接測定することができる。熱電対42は、接続ポート421を介して容器本体13の外部に設けられた不図示の温度測定器本体に接続され、ここで得られた温度情報が制御部7へ出力される(図7、図9)。
接触式の温度計は、熱電対42に限定されるものではなく、測温抵抗体(RTD:Resistance Temperature Detector)やサーミスタ、半導体温度計を用いてもよい。
このように、放射温度計43と熱電対42とを用いて、石英板41の見かけの温度及び実温度を測定することにより、回転テーブル2と共通の石英における見かけの温度と実温度との対応関係を把握することができる。そして、放射温度計43を用いて測定した回転テーブル2の見かけの温度から、前記対応関係を利用して回転テーブル2の実温度を得る温度補正を行うことができる。
なお、図示の便宜上、図4、6、7以外の図においては、透過窓14や石英板41などの記載は省略してある。
次に、石英板41を放射温度計43で測定した温度T、接触測定温度T、回転テーブル2を放射温度計43で測定した温度TRmから、回転テーブル2の実温度TCmを知る方法について述べる。
方法の1つ目は、放射温度計43に設定する放射率εを補正することで、石英板41を放射温度計43で測定した温度Tと、接触測定温度Tとを一致させ、「T=T」とする方法である。放射温度計43にて測定される温度Tが「T=T」の関係を保つように、リアルタイムで石英41の放射率の補正を行う。そして、補正された石英板41の放射率を回転テーブル2の放射率とみなし、補正された放射率を使って、放射温度計43により回転テーブル2の温度TRmを測定する。この温度TRmには、回転テーブル2の放射率の影響が反映されているので、回転テーブル2の実温度TCmに等しいとみなせる。


図7は、上述の方法により回転テーブル2の実温度TCmを求める機構を備えた成膜装置1の説明図である。当該図に示すように、既述の制御部7は、放射温度計43にて用いる放射率εを補正するための放射率補正部73を備える。放射率補正部73は、熱電対42から取得した石英板41の接触温度Tと、放射温度計43にて測定された石英板41の温度Tとに基づき、「T=T」となるように、放射率εの補正を行い、その補正結果を放射温度計43に出力する機能を備える。
ここで、放射温度計43にて、石英板41の温度Tを得る際に用いる放射率と、石英板41の実際の放射率とのずれが大きくなると、放射温度計43にて測定した石英板41の温度Tと、熱電対42を用いて測定した石英板41の温度Tとの差が大きくなる。この関係を利用して、放射率補正部73においては、熱電対42の温度Tと放射温度計43の温度Tとの差に基づいて、この差が小さくなるようにPID制御部731にて補正後の放射率εを算出することができる。
なお、熱電対42の温度Tと放射温度計43の温度Tとの差が小さくなるようにする手法は、これらの温度の差分値を計算する場合に限定されない。例えば熱電対42の温度Tと放射温度計43の温度Tとの比を取って「(T/T)=1」となるようにPID制御部731にて補正後の放射率εを算出してもよい。
図8に示すように放射率補正部73は、例えば上述の手法により「T=T」となるように補正された放射率εを放射温度計43に出力し、放射温度計43はこの放射率を用いてその視野内に含まれる石英板41の温度T(透過窓14dを介して測定される平均の温度)、及び回転テーブル2の温度TRm(各透過窓14a〜14cを介して測定される平均の温度)を測定する。既述のように、回転テーブル2の温度TRmの測定には、回転テーブル2と同じ石英からなる石英板41について、「T=T」となるように補正された放射率の影響が考慮されている。従って、回転テーブル2の温度TRmは、その実温度TCmに等しいとみなすことができる。図7に示すように、放射温度計43による回転テーブル2の温度TRmの温度情報は、後段のヒーター制御部72向けて出力される。なお、経験則などに基づき、放射温度計43が、放射率補正部73から取得した補正後の放射率εを修正してから温度測定に用いる場合も、「放射率補正部73にて補正された石英板(温度補正用部材)41の放射率を回転テーブル2の放射率として用いる」場合に含まれる。
次いで図9、図10を参照しながら、回転テーブル2を放射温度計43で測定した温度TRmから、回転テーブル2の実温度TCmを知る方法の2つ目について述べる。
方法の2つ目は、石英板41を放射温度計43で測定した見かけの温度Tと、接触測定温度Tとの対応関係を予め求めておく手法である。
石英板41の見かけの温度Tと接触測定温度Tとの対応関係は、例えば成膜装置1の運転開始前やロット切り替えなどの所定のタイミングにて、ウエハWの処理を開始する前に予め取得しておく。例えば図10は、ウエハWを処理する場合と同じ真空雰囲気下にて、放射温度計43にて測定した石英板41の見かけの温度が「450℃、500℃、550℃」となるようにヒーター33の出力を調整したとき、熱電対42にて測定された石英板41の接触測定温度(T)と、前記見かけの温度(T)との対応関係を示している。
例えば図10に示すように各測定温度間を直線で結ぶと、折れ線近似された補正線図が得られる(図10中に実線で示してある)。この補正線図を用いると、例えばウエハWの処理を行っている運転期間中、放射温度計43にて測定した回転テーブル2の見かけの温度がTRmであったとき、当該見かけの温度を補正することにより、回転テーブル2の実温度はTCmであると知ることができる。
なお、図10に示した破線は、見かけの温度と実温度とが一致している場合の傾き1の直線である。
ここで、石英板41における見かけの温度と接触測定温度との対応関係を利用して求めた回転テーブル2の実温度には、前記対応関係を近似する際に生じた誤差などが含まれている場合がある。従って、こうして求めた回転テーブル2の「実温度」は、実際に回転テーブル2に接触式の温度計を設けて温度測定をした結果と厳密に一致するとは限らない。しかしながら放射温度計43を用いて回転テーブル2の温度変化をリアルタイムで測定できるので、従来法に比べてより精度の高い温度測定が行える。
図9に示すように、制御部7は温度補正部71を備える。温度補正部71は、既述の手法により、放射温度計43と熱電対42とを用いた石英板41の温度測定結果から、見かけの温度の補正線図を作成し、制御部7内の不図示のメモリに記憶する機能と、ウエハWの処理時には、放射温度計43により回転テーブル2の温度測定を行って取得した見かけの温度について、前記補正線図を用いた温度補正を行い、回転テーブル2の実温度を出力する機能とを備える。
例えば温度補正部71は、各透過窓14a〜14dを介して測定される温度測定領域毎に平均の見かけの温度を算出し、その平均の温度について補正線図を用いた温度補正を行う。または温度補正部71は、各温度測定領域内の受光素子毎の温度測定結果について、見かけの温度に対する温度補正を行ってから、当該温度測定領域毎の平均の温度を算出してもよい。
またここで、石英板41を用いて作成する補正線図は、図10に示した例に限定されるものではない。例えば図10に示す各測定結果を曲線近似で結んでもよいし、放射温度計43及び熱電対42による温度測定の間隔をさらに小さくして、より多くの温度測定を行った結果に基づいて、折れ線近似や曲線近似を行ってもよい。
さらに、図5、図7、図9に示すように、本例の成膜装置1においてはヒーター33が配置されている凹部31内に、回転テーブル2の径方向に沿って複数個、例えば3個の熱電対44(44a〜44c)が配置されている。各熱電対44a〜44cは、放射温度計43によって温度測定が行われる回転テーブル2の下面側の3つの温度測定領域(透過窓14a〜14cを介して測定される温度測定領域)に対応して、回転テーブル2の中心部から径方向に沿って並べて配置されている。各熱電対44a〜44cは、その熱電対44a〜44cの配置位置に応じて、ヒーター33の各配置領域の温度を測定することができる。熱電対44a〜44cは、不図示の温度測定器本体に接続され、各位置における温度情報が後述のヒーター制御部72へ向けて出力される。
次いで、放射温度計43による回転テーブル2の温度測定結果や、熱電対44によるヒーター33の配置領域の温度測定結果を用いて、回転テーブル2の温度制御を行う手法について説明する。図7、図9に示すように、制御部7は放射率補正部73にて補正された放射率を用いた放射温度計43による温度測定結果、または温度補正部71から取得した温度測定結果(図11の説明ではこれらをまとめて「放射温度計43の温度測定結果」などという)、及び熱電対44から取得した温度測定結果に基づき、回転テーブル2の温度制御を行うヒーター制御部(加熱制御部)72を備えている。ヒーター制御部72は、これらの温度測定結果に基づき、給電部333から各ヒーター33(ヒーターエレメント331)へ給電される電力を増減し、同心円状の分割領域毎にヒーター33の出力調を行う機能を有する。
図11は、ヒーター制御部72における回転テーブル2の温度制御を行う機構の一例を示すブロック図である。説明の便宜上、図11及び後述の図13においては、ヒーター制御部72及び給電部333以外の成膜装置1の全体(図7の放射率補正部73や図9の温度補正部71を含む)を「成膜装置本体100」として総括表示してある。
本例のヒーター制御部72は、放射温度計43を用いて測定した回転テーブル2の温度と、熱電対44を用いて測定したヒーター33の配置領域の温度とに基づいて、ヒーター33の出力を調整するカスケード制御を採用している。
詳細には、回転テーブル2の設定温度と、回転テーブル2の実温度との差に基づき、第1のPID制御部721にてヒーター33の配置領域の目標温度を算出する。この目標温度と、熱電対44から取得したヒーター33の配置領域の温度との差に基づき、第2のPID制御部722にて給電部333からヒーター33に供給する電力を求め、その結果を給電部333へ出力してヒーター33の出力調整を実行する。図11に示すカスケードループは、透過窓14a〜14cを介して測定が行われる各測定領域、及びこれらの測定領域に対応付けて設けられた熱電対44a〜44cによる温度測定結果毎に実行される。
以上に説明した構成を備える成膜装置1の作用について説明する。ここでは、図9及び図10を用いて説明した手法(方法の2つ目)により、回転テーブル2の実温度を求める成膜装置1を例に挙げて説明する。
初めに、成膜装置1の運転開始前やロットの切り替えなどのタイミングにて、石英板41を用いた補正線図の取得を行う。補正線図の取得にあたっては、ウエハWの処理を行っていない状態で、ウエハWの処理時と同じ圧力まで真空容器11内を真空排気する。
そして、放射温度計43により、石英板41の温度測定を行いながら、ヒーター33の出力調整を行い、所定の温度付近(図10に示す例では450℃)にて石英板41の見かけの温度が安定するのを待つ。石英板41の見かけの温度が安定したら、その条件における石英板41の接触測定温度を熱電対42から取得する。そして、透過窓14dを介して測定される測定領域内の石英板41の見かけの温度(平均値)と、その条件下での石英板41の接触測定温度とを対応付けて記憶する。
この動作を異なる温度条件(図10に示す例では500℃及び550℃)にて繰り返し行い、各温度条件における見かけの温度と接触測定温度とを対応付けて記憶する。
石英板41の見かけの温度と接触測定温度とを取得したら、各測定温度間を結ぶ補正線図を作成し、不図示のメモリに記憶する。
補正線図の取得を終えたら、真空容器11内の圧力及びヒーター33の出力をウエハWの搬入時の状態に調節して、ウエハWの搬入を待つ。
ウエハWの処理時においては、先ず、ゲートバルブ38を開放すると、例えば隣接する真空搬送室に設けられた搬送アームが搬入出口37を介して真空容器11内に進入し、回転テーブル2の凹部25内にウエハWを載置する。そして、各凹部25内にウエハWが載置されるように、回転テーブル2を間欠的に回転させながら、この動作を繰り返す。
ウエハWの搬入を終えたら、真空容器11内から搬送アームを退避させ、ゲートバルブ38を閉じた後、排気口35、36からの排気により真空容器11内を所定の圧力まで真空排気する。また分離ガスノズル52、55や中心領域Cの流路18、回転テーブル2の下方側のガス供給管15からは、各々、所定量のNガスが供給されている。そして、回転テーブル2の回転を開始し、所定の回転速度となるように速度調整を行う。
また、給電部333からヒーター33への電力供給を開始し、回転テーブル2の温度制御を開始する。即ち、図11に示すように、ヒーター制御部72に対して回転テーブル2の設定温度が入力されると、回転テーブル2の温度との比較がなされる。回転テーブル2の温度としては、放射温度計43によって、透過窓14a〜14cを介して測定される各温度測定領域の見かけの温度に対し、補正線図を用いた温度補正を行って得られた実温度が用いられる。
そして、第1のPID制御部721によるヒーター33の配置領域の目標温度の算出→熱電対44にて測定された当該配置領域の温度との温度比較→第2のPID制御部722によるヒーター33への供給電力の算出→給電部333からの供給電力の調整→ヒーター33の出力調整からなる制御ループが実行される(図11)。
図12は、回転テーブル2の温度を設定温度に調整する制御を開始したときの回転テーブル2及び石英板41の各測定位置における見かけの温度及び実温度の経時変化を模式的に示している。図中、実線は放射温度計43を用いて測定した見かけの温度を示し、破線は石英板41については熱電対42を用いて測定される実温度、回転テーブル2については温度補正部71にて算出される実温度を示している。また、透過窓14a〜14cを介して測定される回転テーブル2の温度測定結果及び温度補正結果には(a)〜(c)の符号を付し、透過窓14dを介して、または熱電対42を用いて測定される温度測定結果には(d)の符号を付してある。
図12においては、各位置における見かけの温度及び実温度の経時変化を分かりやすくするため、回転テーブル2には(a)周縁部側→(b)中間位置→(c)中心部側へ次第に温度が低くなる温度勾配が形成された状態となっているとする。
また、図11に示すように、石英板41の温度測定結果は、回転テーブル2の温度制御ループには直接用いられていないが、石英板41の見かけの温度及び実温度は、いずれも実測可能なので、これらの温度変化の関係を示す参考として併記してある。
この状態で図11に示す制御ループを実行すると、温度補正部71から取得した回転テーブル2の実温度と設定温度との差が小さくなるように、ヒーター33の出力調整が行われる。この結果、放射温度計43によって測定される回転テーブル2の見かけの温度、及び当該見かけの温度を温度補正して得られた実温度が次第に上昇していく((a)〜(c)の実線及び破線)。
しかしながらヒーター制御部72は回転テーブル2の見かけの温度ではなく、実温度を制御量として、設定温度との比較を行う。このため、図12中に破線で示した(a)〜(c)の実温度が次第に設定温度に近づくように制御実行される。そして、各測定領域における回転テーブル2の実温度が設定温度に到達すると、その状態を維持するように制御が実行される。
なお、説明を分かりやすくする趣旨で、図12にはステップ応答の例を示したが、実際の運転時において、回転テーブル2の実温度の経時変化が図12に示した例と異なる挙動を示してもよいことは勿論である。例えば回転テーブル2の実温度が、一旦、設定温度をオーバーシュートしてから設定温度に整定されてもよいし、整定後、設定温度の前後で実温度が小さくハンチングをしてもよい。
こうして回転テーブル2の実温度が設定温度に到達したら、原料ガスノズル51、酸化ガスノズル53、プラズマ用ガスノズル54からの各種ガス(原料ガス、酸化ガス、プラズマ発生用ガス)の供給と、高周波電源66からアンテナ65への高周波の印加によるプラズマの形成と、が開始される。各ガスは、選択した処理レシピに従った流量で供給される。
この結果、回転テーブル2の各凹部25に載置されたウエハWは、原料ガスノズル51のノズルカバー57の下方の吸着領域R1→酸化ガスノズル53の下方の酸化領域R2→プラズマ形成部61の下方のプラズマ形成領域R3を、この順番で繰り返し通過する。
そして、吸着領域R1では原料ガスノズル51から吐出されたBTBASガスがウエハWに吸着し、酸化領域R2では吸着したBTBASガスが、酸化ガスノズル53から供給されたオゾンガスにより酸化されて、SiO膜の分子層が1層あるいは複数層形成される。プラズマ形成領域R3では、前記SiO膜の分子層がプラズマに曝されて改質される。
こうして回転テーブル2の回転を続けると、ウエハWの表面にSiO膜の分子層が順次積層され、SiO膜が形成されると共にその膜厚が次第に大きくなる。
またこのとき、吸着領域R1と酸化領域R2との間、プラズマ形成領域R3と吸着領域R1との間は、各々分離領域D、Dや流路18によって分離されているので、不必要な場所では原料ガスと酸化ガスとの接触に起因する堆積物は発生しにくい。
そして各ウエハWに所望の膜厚のSiO膜が形成されるタイミング、例えば所定回数だけ回転テーブル2を回転させたタイミングにて、原料ガスノズル51、酸化ガスノズル53、プラズマ用ガスノズル54からの各種ガスの供給、高周波電源66からアンテナ65への高周波電力の印加を停止する。そして、回転テーブル2の回転を停止すると共に、ヒーター33の出力を待機時の状態として、成膜処理を終了する。
このとき回転テーブル2は各所から供給されるNガスによって熱を奪われその温度が低下する。例えばこの降温時に、ヒーター33を停止するのではなく、回転テーブル2を予熱状態に保つ場合には、図11、図12を用いて説明した回転テーブル2の昇温時の制御と同様に、放射温度計43による温度測定結果を利用しながら、ヒーター33の出力調整を行ってもよい。
しかる後、真空容器1内の圧力をウエハWの搬出時の状態に調節し、ゲートバルブGを開き、搬入時とは反対の手順でウエハWを取り出し、成膜処理を終える。
以上に、図9及び図10を用いて説明した手法により、回転テーブル2の実温度を求める成膜装置1の動作の例を説明したが、図7及び図8を用いて説明した成膜装置1の作用においては以下の点が異なっている。即ち、成膜装置1の運転開始時などにおける補正線図の取得動作が行われない。また、回転テーブル2の温度を放射温度計43により測定して得られた見かけの温度に対し、補正線図を用いた温度補正を行って実温度を得る動作に替えて、放射率補正部73から取得した補正された放射率に基づいて、放射温度計43にて、直接、回転テーブル2の実温度が測定される。
本実施の形態に係る成膜装置1によれば以下の効果がある。回転テーブル2に載置されたウエハWに対する成膜が行われる真空容器11内に、前記回転テーブル2と同じ材料からなり、当該回転テーブル2と共通の放射率を有する石英板41(温度補正用部材)が配置されている。さらに石英板41に対しては、接触式の温度計である熱電対42及び放射温度計43(第2の放射温度計)の2種類の温度計を利用して当該の接触測定温度と見かけの温度と測定することができるので、これら見かけの温度と接触測定温度との対応関係を把握することが可能となる。この対応関係を利用すると、放射温度計43(第1の放射温度計)にて回転テーブル2を測定して得た見かけの温度から、回転テーブル2の実温度を算出することや、当該実温度を得るための放射率を算出することが可能となり、より正確に回転テーブルの温度を把握できる。
特に、石英板41は、回転テーブル2と共通の真空容器11内に配置されているので、回転テーブル2と同じ石英からなる部材の見かけの温度と実温度との対応関係を予備実験などにより把握して制御部7のメモリに記憶しておいて、回転テーブル2の温度測定結果に利用する場合に比べて、圧力や温度などの運転条件の変化や、その他、成膜装置1の状態の経年変化に対応した対応関係を随時、取得することができる。
また、放射温度計43を用いて得られた回転テーブル2の実温度を回転テーブル2の温度制御に用いることにより、以下の効果も得られる。
既述のように、従来、回転テーブル2の温度を直接、測定できない場合は、図5、図9に示した熱電対44のみを用いてヒーター33の配置領域の温度を把握し、当該領域の温度が設定温度に到達してから十分な時間の経過を待っていた。これに対し、本実施の形態の成膜装置1は、放射温度計43を用いて測定した回転テーブル2の実温度を知ることができるので、回転テーブル2が設定温度に到達した後も、予め設定された時間を待ち続けるといった不要な待ち時間の発生を抑え、ウエハWを成膜装置1に搬入してから、搬出するまでの全体の処理時間を短縮することができる。
また、放射温度計43を用いることにより、回転テーブル2の見かけの温度をリアルタイムで把握することが可能となり、さらにこの見かけの温度から、より精度の高い実温度への温度補正を行っているので、当該温度測定の結果をヒーター33による回転テーブル2の温度制御に利用することが可能となる。この結果、回転テーブル2の温度をフィードバックしてヒーター33の出力を増大させることにより、回転テーブル2の温度が設定温度に到達するまでの時間も短縮することができる。
ここでヒーター制御部72において、回転テーブル2の温度制御を行う機構は、図11を用いて説明した例のように回転テーブル2の実温度と、熱電対44を用いて測定したヒーター33の配置領域の温度とに基づいてヒーター33の出力調整を行うカスケード制御の例に限定されない。例えば図13に示すように、回転テーブル2の実温度のみに基づいてヒーター33の出力制御を行うシングルループの制御機構を用いてもよい。
また、シールド34を用いて、ヒーター33を収容した凹部31の上面側を塞ぐ場合において、透過窓341を設けることは必須の要件ではない。例えば、回転テーブル2及び石英板41を構成する材料とシールド34を構成する材料とが異なっており、シールド34が吸収しない波長を用いて回転テーブル2や石英板41の温度を測定する場合には、透過窓341を設けなくてもよい。
具体例としては、回転テーブル2及び石英板41が微細な気泡を含んだ不透明石英からなる場合や、アルミニウムなどの金属ならなる場合は、これらの材料で吸収、放射される一方、透明な石英製のシールド34を透過する波長を選択する例が挙げられる。この場合には、透過窓341を備えないシールド34が設けられている場合であっても、放射温度計43により回転テーブル2の温度を測定することができる。
なお、回転テーブル2とシールド34とが共通の材料(例えば透明な石英)からなり、吸収する波長が同じであっても、ヒーター33によりシールド34の温度が上昇し、このシールド34からの熱放射により回転テーブル2を加熱することができる。また、回転軸21側のガスノズル15から供給されるNガスなどにより、ヒーター33の汚れを十分に防止できる場合には、シールド34は必ずしも設けなくてもよい。
さらに、石英板41を設ける位置は、凹部31内に限定されるものではない。例えば、回転テーブル2とシールド34とに挟まれた空間であってもよいし、個別のヒーターによって石英板41の温度を調整することが可能であれば、回転テーブル2の上面側に配置してもよい。但し、石英板41に原料ガスや酸化ガス(処理ガス)が接触して、その表面に堆積物が形成されてしまうと、放射率が変化して石英板41の見かけの温度が変化してしまうので、これらのガスと接触しない領域に配置することが望ましい。なお、これらの部材の見かけの温度を測定する位置が離れている場合には、回転テーブル2の見かけの温度を測定する第1の放射温度計と、石英板41の見かけの温度を測定する第2の放射温度計とを別々に設けてもよい。
これらに加え、放射温度計43を真空容器11の外部に配置することも必須ではない。例えば耐熱性のある容器内に放射温度計43を設け、この耐熱容器を含む放射温度計43全体を真空容器11内に配置して回転テーブル2などの温度測定を行ってもよい。
ここで回転テーブル2の見かけの温度と実温度との対応関係を把握するために用いられる温度補正用部材は、回転テーブル2を構成する部材と共通の材料(回転テーブル2が石英製である場合は、石英板41、金属製である場合は、同種の金属板)を用いる場合に限定されない。温度や周囲の圧力が同じ条件下で、見かけの温度が回転テーブル2と同じになる(放射率が同じになる)または、回転テーブル2と温度補正用部材の見かけの温度に相関関係がある(回転テーブル2の放射率と温度補正用部材の放射率とに相関関係がある)材料を用いてもよい。例えば、周囲の温度変化などに対して、見かけの温度が石英製の回転テーブル2と同じになる温度補正用部材を用いる例が挙げられる。
さらに、上述の実施の形態では、原料ガスであるBTBASガスと酸化ガスであるオゾンガスとを用いたALD法により、SiO膜の成膜を実行する成膜装置1を用いての例について説明したが、本発明の成膜装置1を用いて実行可能な成膜処理の種類はこれに限定されるものではない。例えば、吸着領域R1にてトリメチルアルミニウム(TMA)やトリエチルアルミニウム(TEA)などの原料ガスをウエハWに吸着させ、酸化領域に替えて設けられた窒化領域R2にてNH(アンモニア)ガスなどの窒化ガスを供給して、前記原料ガスを窒化し、窒化アルミニウム(AlN)を得るALDプロセスを実行してもよい。
さらにまた、ウエハWに形成された膜を改質する手法もプラズマに曝す例に限定されるものではなく、例えばウエハWにUV光を照射してもよい。なお、プラズマ処理やUV光照射などを用いた膜の改質を行うことは必須の要件でなく、成膜される膜に対する要求に応じてプラズマ形成部61やUV光の照射部の設置を省略してもよい。
このほか、熱処理装置内で実行される処理の種類は成膜処理に限定されるものでもない。既に成膜が行われたウエハWを回転テーブル2上に載置して、プラズマ形成領域R3やUV光の照射領域を通過させる膜の改質処理のみを行ってもよい。この場合には、回転テーブル2上には吸着領域R1や酸化領域R2を設けずに、天板12に分離領域D及びプラズマ形成領域R3やUV光の照射領域のみを配置してもよい。
W ウエハ
1 成膜装置
11 真空容器
14、14a〜14d
透過窓
15 ガスノズル
2 回転テーブル
31 凹部
33 ヒーター
341 透過窓
41 石英板
42 熱電対
43 放射温度計
44、44a〜44c
熱電対
51 原料ガスノズル
52、55 分離ガスノズル
53 酸化ガスノズル
54 プラズマ用ガスノズル
7 制御部
71 温度補正部
72 ヒーター制御部
73 放射率補正部
721 第1のPID制御部
722 第2のPID制御部

Claims (14)

  1. 基板に対して熱処理を行う熱処理装置において、
    真空容器内に配置され、その一面側に設けられる載置領域に基板を載置して公転させるために設けられ、温度に応じて放射率が変化する材料によって構成された回転テーブルと、
    前記回転テーブルを加熱する加熱部と、
    前記回転テーブルの熱放射の放射強度を検出し、当該回転テーブルの見かけの温度を測定する第1の放射温度計と、
    前記回転テーブルの構成材料の放射率に対応して、温度に応じて放射率が変化する材料からなり、前記真空容器内にて、前記加熱部によって加熱される位置に配置された温度補正用部材と、
    前記温度補正用部材に接触して当該温度補正用部材の接触測定温度を測定する接触式温度計と、
    前記温度補正用部材の熱放射の放射強度を検出し、当該温度補正用部材の見かけの温度を測定する第2の放射温度計と、
    前記放射率の変化に伴って変化する、前記温度補正用部材の見かけの温度と接触測定温度との対応関係に基づいて、前記第1の放射温度計にて測定した前記回転テーブルの見かけの温度に、当該回転テーブルの見かけの温度を測定した際の放射率を反映した実温度を算出する温度補正部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
  2. 基板に対して熱処理を行う熱処理装置において、
    真空容器内に配置され、その一面側に設けられる載置領域に基板を載置して公転させるために設けられ、温度に応じて放射率が変化する材料によって構成された回転テーブルと、
    前記回転テーブルを加熱する加熱部と、
    前記回転テーブルの熱放射の放射強度の検出結果と、回転テーブルの放射率とに基づき、当該回転テーブルの実温度を測定する第1の放射温度計と、
    前記回転テーブルの構成材料の放射率に対応して、温度に応じて放射率が変化する材料からなり、前記真空容器内にて、前記加熱部によって加熱される位置に配置された温度補正用部材と、
    前記温度補正用部材に接触して当該温度補正用部材の接触測定温度を測定する接触式温度計と、
    前記温度補正用部材の熱放射の放射強度の検出結果と、温度補正用部材の放射率とに基づき、当該温度補正用部材の実温度を測定する第2の放射温度計と、
    前記温度補正用部材の接触測定温度と実温度との対応関係に基づいて、前記第2の放射温度計に用いられる温度補正用部材の放射率を補正する放射率補正部と、を備え、
    前記第1の放射温度計は、前記回転テーブルの放射強度の検出と並行して前記温度補正用部材の放射強度を検出した結果を用いて前記放射率補正部にて補正された温度補正用部材の放射率を、当該回転テーブルの温度の変化に伴って変化する放射率として用いることを特徴とする熱処理装置。
  3. 前記第1の放射温度計及び第2の放射温度計は真空容器の外部に配置され、前記真空容器には各放射温度計に向けて、これらの放射温度計にて検出される波長を透過する透過窓が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
  4. 前記第1の放射温度計に対応して設けられた透過窓は、前記回転テーブルの回転中心から径方向に向けて、異なる位置の熱放射の放射強度を検出できるように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の熱処理装置。
  5. 前記加熱部は、前記回転テーブルの下方側に配置され、熱放射によって当該回転テーブルの加熱を行い、前記温度補正用部材は、前記加熱部と共に回転テーブルの下方側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
  6. 前記加熱部の出力を増減する加熱制御部を備え、前記加熱制御部は、前記回転テーブルの実温度と、予め定めた設定温度との差分値に基づいて前記加熱部の出力を増減することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の熱処理装置。
  7. 前記加熱部は、前記回転テーブルの下方側に配置され、熱放射によって当該回転テーブルの加熱を行い、前記加熱部が配置されている領域の温度を測定する加熱部温度計をさらに備え、
    前記加熱制御部は、前記回転テーブルの実温度と、予め定めた設定温度との差分値に基づいて前記加熱部温度計の出力の目標温度を求め、当該加熱部温度計にて測定された測定温度と、前記目標温度との差分値に基づき前記加熱部の出力を増減するカスケード制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の熱処理装置。
  8. 前記温度補正用部材は、前記回転テーブルと共通の材料により構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の熱処理装置。
  9. 前記第1の放射温度計と第2の放射温度計とが共通化されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の熱処理装置。
  10. 真空容器内に配置され、温度に応じて放射率が変化する材料によって構成された回転テーブルの一面側に設けられる載置領域に基板を載置して基板を公転させ、前記回転テーブルを加熱することにより基板に対して熱処理を行う熱処理方法であって、
    加熱された前記回転テーブルの熱放射の放射強度を検出し、当該回転テーブルの見かけの温度を測定する工程と、
    前記回転テーブルの構成材料の放射率に対応して、温度に応じて放射率が変化する材料からなり、前記真空容器内に配置され、加熱された温度補正用部材に対し、接触式温度計により、当該当該温度補正用部材の接触測定温度を測定すると共に、この温度補正用部材の熱放射の放射強度を検出して見かけの温度を測定し、これら見かけの温度と実温度との対応関係を取得する工程と、
    前記放射率の変化に伴って変化する、前記温度補正用部材の見かけの温度と接触測定温度との対応関係に基づいて、前記第1の放射温度計にて測定した前記回転テーブルの見かけの温度に、当該回転テーブルの見かけの温度を測定した際の放射率を反映した実温度を算出する工程と、を含むことを特徴とする熱処理方法。
  11. 真空容器内に配置され、温度に応じて放射率が変化する材料によって構成された回転テーブルの一面側に設けられる載置領域に基板を載置して基板を公転させ、前記回転テーブルを加熱することにより基板に対して熱処理を行う熱処理方法であって、
    加熱された前記回転テーブルの熱放射の放射強度の検出結果と、回転テーブルの放射率とに基づき、当該回転テーブルの実温度を測定する工程と、
    前記回転テーブルの構成材料の放射率に対応して、温度に応じて放射率が変化する材料からなり、前記真空容器内に配置され、前記回転テーブルと共に加熱された温度補正用部材に対し、接触式温度計により、当該当該温度補正用部材の接触測定温度を測定する工程と、
    前記温度補正用部材の熱放射の放射強度の検出結果と、温度補正用部材の放射率とに基づき、当該当該温度補正用部材の実温度を測定する工程と、
    前記温度補正用部材の接触測定温度と実温度との対応関係に基づいて、当該温度補正用部材の実温度の測定に用いられる温度補正用部材の放射率を補正する工程と、を含み、
    前記回転テーブルの実温度を測定する工程では、前記温度補正用部材の放射率を補正する工程にて、前記回転テーブルの放射強度の検出と並行して前記温度補正用部材の放射強度を検出した結果を用いて補正された温度補正用部材の放射率を、当該回転テーブルの温度の変化に伴って変化する放射率として用いることを特徴とする熱処理方法。
  12. 前記回転テーブルの実温度と、予め定めた設定温度との差分値に基づいて、当該回転テーブルを加熱する熱量を増減する工程を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の熱処理方法。
  13. 前記回転テーブルは、加熱部からの熱放射によって加熱され、
    当該加熱部が配置されている領域の温度を測定する工程と、
    前記回転テーブルの実温度と、予め定めた設定温度との差分値に基づいて前記加熱部が配置されている領域の目標温度を求める工程と、
    回転テーブルの実温度と設定温度との差分値に替えて、加熱部が配置されている領域の温度と、前記目標温度との差分値に基づき前記加熱部により、回転テーブルを加熱する熱量を増減する工程と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の熱処理方法。
  14. 基板に対して熱処理を行う熱処理装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、
    前記コンピュータプログラムは、請求項10ないし13のいずれか一つに記載の熱処理方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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