JP6464125B2 - 第一端板および第二端板を備えたリアクトル - Google Patents

第一端板および第二端板を備えたリアクトル Download PDF

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Description

本発明は、リアクトルに関する。特に、本発明は、第一端板および第二端板の間でコア本体が保持されるリアクトルに関する。
図6は特許文献1および特許文献2に開示されるような従来技術におけるリアクトルの斜視図である。図6に示されるように、リアクトル100は二つの第一外側脚部151、152およびこれら第一外側脚部151、152の間に配置された第一中央脚部153を含む略E字形状の第一鉄心150と、二つの第二外側脚部161、162およびこれら第二外側脚部161、162の間に配置された第二中央脚部163を含む略E字形状の第二鉄心160とを含んでいる。第一鉄心150および第二鉄心160は複数の電磁鋼板を積層することにより構成される。なお、図6においては、電磁鋼板の積層方向が矢印で示されている。
さらに、コイル171が第一外側脚部151および第二外側脚部161に巻回されている。同様に、コイル172が第一外側脚部152および第二外側脚部162に巻回されており、コイル173が第一中央脚部153および第二中央脚部163に巻回されている。
図7は図6に示されるリアクトルの第一鉄心および第二鉄心を示す図である。図7においては、明確にする目的で、コイルの図示を省略している。図7に示されるように、第一鉄心150の二つの第一外側脚部151、152と第二鉄心160の二つの第二外側脚部161、162とは互いに対面している。さらに、第一中央脚部153と第二中央脚部163とは互いに対面している。そして、これら脚部の間にギャップGが形成されている。
特開2000−77242号公報 特開2008−210998号公報
リアクトル100を形成するためには、第一鉄心150および第二鉄心160を互いに連結する必要がある。また、第一鉄心150および第二鉄心160は複数の電磁鋼板を積層して形成されているので、リアクトルの駆動時には騒音や振動が生じる場合もある。このような点からも、第一鉄心150および第二鉄心160を互いに連結することが望まれる。
しかしながら、ギャップGを形成する必要があるので、第一鉄心150および第二鉄心160を直接的に連結することはできない。このため、ギャップGを維持しつつ、第一鉄心150および第二鉄心160を連結する必要がある。
図8はギャップGの拡大側面図である。図8においては、リアクトル100を構成するために、外側脚部151、161が連結板181、182により互いに連結されている。他の脚部も同様であるものとする。しかしながら、この場合にはリアクトル100の構造が複雑になる。その結果、インダクタンスに影響するギャップ長さを管理するのが困難であるという問題もある。さらに、連結板181、182を磁性材料で作成する場合には、磁束漏れが生じるので好ましくない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、磁束漏れが生じることなしに、適切に支持されるリアクトルを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、コア本体と、該コア本体を挟んで締結する第一端板および第二端板と、前記コア本体の中心を通って前記第一端板および前記第二端板に支持される軸部と、を具備するリアクトルが提供される。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記コア本体は、外周部鉄心と、前記外周部鉄心の内面に接するか、または、該内面に結合された少なくとも三つの鉄心と、前記少なくとも三つの鉄心に巻回されたコイルとを含んでおり、前記少なくとも三つの鉄心のうちの互いに隣接する二つの鉄心の間には磁気的に連結可能なギャップが形成されており、磁場が形成されない領域が前記コア本体の前記中心に形成されている。
3番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記軸部は中実である。
4番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記軸部は中空である。
5番目の発明によれば、1番目から4番目のいずれかの発明において、前記第一端板および前記第二端板のうちの少なくとも一方には貫通孔が形成されており、前記コイルは前記第一端板および前記第二端板のうちの少なくとも前記一方の前記開口部を通って前記第一端板および前記第二端板のうちの少なくとも前記一方よりも外方に突出している。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明において、前記軸部が非磁性材料から形成されている。
7番目の発明によれば、1番目から6番目のいずれかの発明において、前記第一端板および前記第二端板が非磁性材料から形成されている。
8番目の発明によれば、1番目から7番目のいずれかの発明において、前記第一端板および前記第二端板は前記外周部鉄心の縁部全体にわたって前記外周部鉄心に接触している。
1番目および2番目の発明においては、軸部がコア本体の中心を通っているので、リアクトルを適切に支持することができる。さらに、軸部の位置には、磁場が形成されていないので、軸部によって磁場が影響されるのを避けられる。また、コイルが外周部鉄心により取囲まれているので、磁束漏れが生じるのを避けられる。さらに、連結板を用いる必要がないので、ギャップ長さの管理も容易である。
3番目の発明においては、コア本体を堅固に支持することができる。
4番目の発明においては、リアクトル全体を軽量にできる。
5番目の発明においては、コイルが第一端板および第二端板のうちの少なくとも一方よりも外方に突出しているので、コイルの冷却効果を高めることができる。
6番目および7番目の発明においては、軸部、第一端板および第二端板を形成する非磁性材料は、例えばアルミニウム、SUS、樹脂などであるのが好ましく、これにより、磁場が軸部、第一端板および第二端板を通過するのを避けられる。
8番目の発明においては、コア本体を堅固に保持できる。
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれら目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明解になるであろう。
本発明に基づくリアクトルの分解斜視図である。 図1に示されるリアクトルの斜視図である。 コア本体の断面図である。 図3に示されるのと同様な形状のコア本体の磁場を示す第一の図である。 図3に示されるのと同様な形状のコア本体の磁場を示す第二の図である。 図3に示されるのと同様な形状のコア本体の磁場を示す第三の図である。 図3に示されるのと同様な形状のコア本体の磁場を示す第四の図である。 他のリアクトルの頂面図である。 図5Aに示されるリアクトルの側面図である。 従来技術におけるリアクトルの斜視図である。 図6に示されるリアクトルの第一鉄心および第二鉄心を示す図である。 ギャップの拡大側面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
以下の記載では、三相リアクトルを例として説明するが、本発明の適用は、三相リアクトルに限定されず、各相で一定のインダクタンスが求められる多相リアクトルに対して幅広く適用可能である。また、本発明に係るリアクトルは、産業用ロボットや工作機械におけるインバータの一次側および二次側に設けるものに限定されず、様々な機器に対して適用することができる。
図1は本発明に基づくリアクトルの分解斜視図であり、図2は図1に示されるリアクトルの斜視図である。図1および図2に示されるリアクトル10は、コア本体5と、コア本体5を軸方向に挟んで締結する第一端板81および第二端板82を主に含んでいる。第一端板81および第二端板82はコア本体5の後述する外周部鉄心20の縁部全体にわたって外周部鉄心20に接触している。
図1に示されるように、第二端板82はフランジ83を含んでいる。フランジ83には複数の孔が形成されており、リアクトル10を他の部材に取付ける際に使用される。第一端板81および第二端板82は非磁性材料、例えばアルミニウム、SUS、樹脂などから形成されるのが好ましい。
図3はコア本体の断面図である。図3に示されるように、コア本体5は、外周部鉄心20と、外周部鉄心20に磁気的に互いに連結する三つの鉄心コイル31〜33とを含んでいる。図3においては、略六角形の外周部鉄心20の内側に鉄心コイル31〜33が配置されている。これら鉄心コイル31〜33はコア本体5の周方向に等間隔で配置されている。
なお、外周部鉄心20が他の回転対称形状、例えば円形であってもよい。そのような場合には、第一端板81および第二端板82は外周部鉄心20に対応した形状であるものとする。また、鉄心コイルの数は3の倍数であればよい。
図面から分かるように、それぞれの鉄心コイル31〜33は、外周部鉄心20の半径方向に延びる鉄心41〜43と、該鉄心に巻回されたコイル51〜53とを含んでいる。鉄心41〜43のそれぞれの半径方向外側端部は、外周部鉄心20に接するか、もしくは外周部鉄心20と一体的に形成されている。
さらに、鉄心41〜43のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心近傍に位置している。図面においては鉄心41〜43のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心に向かって収斂しており、その先端角度は約120度である。そして、鉄心41〜43の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜103を介して互いに離間している。
言い換えれば、鉄心41の半径方向内側端部は、隣接する二つの鉄心42、43のそれぞれの半径方向内側端部とギャップ101、102を介して互いに離間している。他の鉄心42、43についても同様である。なお、ギャップ101〜103の寸法は互いに等しいものとする。
このように、本発明では、コア本体5の中心部に位置する中心部鉄心が不要であるので、コア本体5を軽量かつ簡易に構成することができる。さらに、三つの鉄心コイル31〜33が外周部鉄心20により囲まれているので、コイル51〜53から発生した磁場が外周部鉄心20の外部に漏洩することもない。また、ギャップ101〜103を任意の厚さで低コストで設けることができるので、従来構造のリアクトルと比べて設計上有利である。
さらに、本発明のコア本体5においては、従来構造のリアクトルに比較して、相間の磁路長の差が少なくなる。このため、本発明においては、磁路長の差に起因するインダクタンスのアンバランスを軽減することもできる。
ところで、図4A〜図4Dは図3に示されるのと同様な形状のコア本体の磁場を示す図である。図4Aに示されるコア本体は鉄心およびコイルの寸法は、図3に示される鉄心およびコイルの寸法とは異なる。また、図4Aは電気角60度の場合を示している。図4Aに示されるように、コア本体5の中心に磁場の無い領域、つまり三相の屈曲点が存在する。
さらに、図4B〜図4Dにおけるコア本体5は周方向に等間隔に配置された六つの鉄心41〜46および、これら鉄心41〜46に巻回された六つのコイル51〜56を有している。そして、図4B〜図4Dにおける電気角はそれぞれ0度、60度、250度である場合を示している。図4B〜図4Dに示されるコア本体5も、その中心に磁場のない領域が存在している。
図3に示される例においては、半径方向内側端部が約120度で、互いに同一寸法の三つの鉄心41〜43が示されている。この場合には、磁場の無い領域、つまり三相の屈曲点は、鉄心41〜43の頂点を結んで形成される正三角形に相当する。なお、図4B〜図4Dに示される実施例においては、磁場の無い領域は、六つの鉄心の頂点を結んで形成される正六角形に相当する。
言い換えれば、図3等に示されるコア本体5の中心は磁場のない領域になるので、非磁性材料または磁性材料からなる他の部材を配置したとしても、コア本体5における磁場は影響されない。このため、コア本体5の中心にコア本体5を支持する部材を配置するのが好ましい。しかしながら、上記、磁場の無い領域は有限の大きさであり、磁性材料の場合、上記支持する部材において、磁場の影響を受けない大きさに限りが生じる。非磁性材料を用いる方が磁場の影響を少なくすることができ、上記支持する部材も大きくできる点で、実用的、設計的に考慮すると、非磁性材料を用いる方がコア本体を堅固に支持することが容易で、好ましい。
再び図1を参照すると、第一端板81の内面の中心から、軸部85が下方向に延びている。軸部85は第一端板81の中心に形成された貫通孔に第一端板81の外面側からネジ留めしてもよい。軸部85は非磁性材料、例えばアルミニウム、SUS、樹脂などから形成されるのが好ましい。また、軸部85の長さは、コア本体5の軸方向長さ以上であるのが好ましい。さらに、第二端板82の内面の中心には、軸部85の先端を受容する凹部86が形成されている。
従って、図2に示されるようにリアクトル10を組付けたときには、図3に示されるように軸部85はリアクトル10の中心線上の領域に位置する。コア本体5は軸部85を介して第一端板81と第二端板82との間で堅固に保持される。従って、リアクトル10の駆動時であっても、騒音や振動が生じるのを抑えられる。なお、軸部85の先端と第二端板82とをネジなどで連結させてもよく、その場合には騒音や振動をさらに抑えられるのが分かるであろう。
前述したように、軸部85が配置される領域には、磁場は発生せず、また、軸部85は非磁性材料から形成されている。従って、軸部85により磁場は影響されない。さらに、本発明では、従来技術で説明した連結板を用いる必要がないので、ギャップ長さの管理を容易に行うことが可能となる。
また、軸部85は中実であっても中空であってもよい。軸部85が中実の場合には、コア本体5を堅固に保持できる。また、軸部85が中空である場合には、リアクトル10全体を軽量にできるのが分かるであろう。
さらに、図5Aは他のリアクトルの頂面図である。図5Aに示される実施形態においては、第一端板81はその中心に向かって延びる複数の延長部82a〜82cを含んでいる。そして、互いに隣接する延長部82a〜82cの間には、貫通孔81a〜81cが形成されている。そして、複数のコイル51〜53のそれぞれは、貫通孔81a〜81cの領域に位置している。なお、軸部85は複数の延長部82a〜82cの交点に位置している。
さらに、図5Bは図5Aに示されるリアクトルの側面図である。図5Aおよび図5Bから分かるように、リアクトル10を組立てると、コイル51〜53の一部分は貫通孔81a〜81cのそれぞれを通って第一端板81の外面から突出している。このような場合には、リアクトル10の駆動時にコイル51〜53から生じる熱を空冷できるのが分かるであろう。なお、第二端板82に同様な貫通孔が形成されていて、コイルの一部分が第二端板82の外面から突出する構成であってもよい。
なお、コア本体5の構成は図示したものに限定されず、外周部鉄心20によって複数の鉄心コイルが取囲まれていて中心に磁場の無い領域を有する他の構成のコア本体5であっても、本発明の範囲に含まれる。
典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、前述した変更および種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。
5 コア本体
10 リアクトル
20 外周部鉄心
41〜46 鉄心
51〜56 コイル
81 第一端板
81a〜81c 貫通孔
82 第二端板
82a〜82c 延長部
83 フランジ
85 軸部
86 凹部
101〜103 ギャップ

Claims (7)

  1. コア本体(5)と、
    該コア本体を挟んで締結する第一端板(81)および第二端板(82)と、
    前記コア本体の中心を通って前記第一端板および前記第二端板に支持される軸部(85)と、を具備し、
    前記コア本体は、
    外周部鉄心(20)と、
    前記外周部鉄心の内面に接するか、または、該内面に結合された少なくとも三つの鉄心(41〜43)と、
    前記少なくとも三つの鉄心に巻回されたコイル(51〜53)とを含んでおり、
    前記少なくとも三つの鉄心のうちの互いに隣接する二つの鉄心の間には磁気的に連結可能なギャップ(101〜103)が形成されており、
    磁場が形成されない領域が前記コア本体の前記中心に形成されている、リアクトル。
  2. 前記軸部は中実である請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記軸部は中空である請求項1に記載のリアクトル。
  4. 前記第一端板および前記第二端板のうちの少なくとも一方には貫通孔(81a〜81c)が形成されており、
    前記コイルは前記第一端板および前記第二端板のうちの少なくとも前記一方の前記貫通孔を通って前記第一端板および前記第二端板のうちの少なくとも前記一方よりも外方に突出している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトル。
  5. 前記軸部が非磁性材料から形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクトル。
  6. 前記第一端板および前記第二端板が非磁性材料から形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクトル。
  7. 前記第一端板および前記第二端板は前記外周部鉄心の縁部全体にわたって前記外周部鉄心に接触している、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリアクトル。
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