JP6461680B2 - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、ナビゲータデータを取得する磁気共鳴装置、およびこの磁気共鳴装置に適用されるプログラムに関する。
近年、被検体の体内の画像を取得する手法として、MR(Magnetic Resonance)信号に基づいて被検体の体内の画像を得るMRイメージング(Magnetic Resonance Imaging)法が普及している。MRイメージングは、比較的容易に体内の組織間のコントラストを高くすることができるので、体内の様々な情報の画像化に優れているというメリットがある。
一方、被検体の臓器は、被検体の呼吸や心臓の拍動などにより動くので、MRイメージングでは、体動アーチファクトを低減することが重要となる。そこで、呼吸同期法と心拍同期法とを併用したイメージング法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008−154945号公報
特許文献1では、呼吸センサの代わりに、ナビゲータシーケンスを用いて呼吸同期を行うことが開示されている。一方で、特許文献1では、心拍同期を行うためにECGセンサが用いられている。したがって、特許文献1では、呼吸同期法および心拍同期法を併用する場合、呼吸センサは不要であるが、ECGセンサが必要となる。このため、オペレータは、被検体をスキャンする前に、ECGセンサを被検体に装着する必要がある。ECGセンサなどの外部センサの装着作業はオペレータにとっても負担の掛かる作業であるので、外部センサを使用せずに、被検体の呼吸信号と心拍信号との両方を取得することが望まれている。
本発明の第1の観点は、呼吸により動く部位と心臓とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行するスキャン手段と、
前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、
前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める手段と、
前記第1のプロファイルの心臓の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第2の観点は、呼吸により動く部位と心臓の拍動により動く部位とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行するスキャン手段と、
前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、
前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める手段と、
前記第1のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第3の観点は、呼吸により動く部位と心臓とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成処理と、
前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める処理と、
前記第1のプロファイルの心臓の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明の第4の観点は、呼吸により動く部位と心臓の拍動により動く部位とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成処理と、
前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める処理と、
前記第1のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明では、呼吸により動く部位と心臓(又は、心臓の拍動により動く部位)とを含む第1の部位のナビゲータデータに基づいてプロファイルを作成する。したがって、プロファイルから、呼吸信号の信号値だけでなく、心拍信号の信号値を求めることができるので、呼吸信号や心拍信号を取得するための外部センサを使用せずに、被検体の呼吸信号と心拍信号との両方を取得することができる。
本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。 プロセッサ9が実行する処理を示す図である。 第1の形態において実行されるスキャンを概略的示す図である。 ナビゲータシーケンスによりMR信号が収集される領域を概略的に示す図である。 プロファイルの例を概略的に示す図である。 呼吸信号および心拍信号を取得するためのフローを示す図である。 ローカライザスキャンSC1により取得された画像LDを概略的に示す図である。 ナビゲータ領域Rnavを概略的に示す図である。 ナビゲータシーケンスNにより励起された領域Reを斜線で概略的に示してある。 ナビゲータシーケンスNを実行することにより得られたナビゲータデータNDを概略的に示す図である。 プロセッサ9で実行されるデータ処理を表すフローを示す図である。 ナビゲータデータNDから得られたプロファイルFの一例が概略的に示す図である。 検出された肝臓のエッジの位置を示す図である。 ステップST33の説明図である。 ナビゲータシーケンスNの説明図である。 ナビゲータシーケンスNまでが実行されたときの様子を示す図である。 ナビゲータシーケンスN〜N10の説明図である。 ナビゲータシーケンスNa−4〜Nの説明図である。 スキャンSCにより得られた呼吸信号Sresと心拍信号Shbとを概略的に示す図である。 検証結果を示す図である。 第2の形態におけるプロセッサの処理の説明図である。 第2の形態で実行されるスキャンを示す図である。 図22に示すスキャンを実行するためのフローを示す図である。 ナビゲータ領域RnavおよびスライスSL1〜SLnを概略的に示す図である。 ウインドウWの一例を示す図である。 心拍信号Shbと閾値THとの関係を示す図である。 本スキャンSC3の説明図である。 イメージングデータを、画像再構成用のデータとして受け入れるか破棄するかを判断するためのフローを示す図である。 心拍信号の最大値Smaxおよび最小値Smin式(2)に代入することにより得られた閾値TH(=TH3)を示す図である。 ナビゲータ領域の長手方向がSI方向とは異なる方向に設定されたナビゲータ領域の一例を概略的に示す図である。 肺をできるだけ含まないように設定されたナビゲータ領域Rnav2の一例を概略的に示す図である。 他の心拍信号の一例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容される収容空間21を有している。また、マグネット2は、静磁場を発生させるための超伝導コイル、勾配磁場を印加するための勾配コイル、およびRFパルスを送信するためのRFコイルなどを有している。超伝導コイルの代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、収容空間21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13は収容空間21に搬送される。
受信コイル4は、被検体13の腹部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器5、勾配磁場電源6、および受信器7を合わせたものがスキャン手段に相当する。
コンピュータ8は、表示部12に必要な情報を伝送したり、画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。コンピュータ8は、プロセッサ9および記憶部10などを有している。
記憶部10には、プロセッサ9により実行されるプログラムなどが記憶されている。尚、記憶部10は、コンピュータで読取り可能な非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体としては、例えば、CD−ROMを用いることができる。プロセッサ9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行する。図2に、プロセッサ9が実行する処理を示す。プロセッサ9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、領域設定手段91〜加算値算出手段94などを構成する。
領域設定手段91は、後述するナビゲータ領域(図8参照)を設定する。
プロファイル作成手段92は、後述するプロファイル(図16参照)を作成する。
エッジ位置検出手段93は、プロファイル作成手段92により作成されたプロファイルに基づいて、肝臓のエッジのSI方向の位置を検出する。
加算値算出手段94は、プロファイルの心臓側の範囲の信号値の加算値を算出する。
プロセッサ9は、領域設定手段91〜加算値算出手段94を構成する一例であり、記憶部10に記憶されたプログラムを実行することによりこれらの手段として機能する。尚、エッジ位置検出手段93は呼吸信号の信号値を求める手段に相当し、加算値算出手段94は心拍信号の信号値を求める手段に相当する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図3は、第1の形態において実行されるスキャンを概略的示す図である。
ローカライザスキャンSC1は、ナビゲータ領域(図8参照)を設定するために使用される画像を取得するためのスキャンである。
スキャンSC2では、複数のナビゲータシーケンスN〜Nが実行される。各ナビゲータシーケンスは、被検体の呼吸信号を取得するために使用されるペンシルビーム型のシーケンスである。しかし、本形態では、ナビゲータシーケンスを実行することにより、呼吸信号だけでなく、心拍信号も取得している。以下に、ナビゲータシーケンスにより、どのようにして、呼吸信号と心拍信号との両方の信号を得ているかについて、図4および図5を参照しながら説明する。
図4は、ナビゲータシーケンスによりMR信号が収集される部位を概略的に示す図である。
本形態では、肝臓および心臓を含む部位が励起されるように、ナビゲータシーケンスが実行される。図4には、ナビゲータシーケンスにより励起される部位(以下、「励起部位」と呼ぶ)Reを概略的に示してある。本形態では、励起部位Reは、肝臓、肺、および心臓を横切る円柱形状を有している。円柱形状の励起部位Reを実現するためのナビゲータシーケンスとしては、例えば、ペンシルビーム型のシーケンスを用いることができる。
本形態では、励起部位Reから収集されたMR信号に基づいて、励起部位Re内のSI方向の各位置における信号値を表すプロファイルを作成する(図5参照)。
図5は、プロファイルの例を概略的に示す図である。
ナビゲータシーケンスを繰り返し時間TR(例えば、TR=200msec)で実行し、ナビゲータシーケンスごとにプロファイルを作成すると、得られるプロファイルは、大きく2種類に分けられる。2種類のプロファイルを図5(a)および図5(b)に概略的に示してある。
図5(a)のプロファイルf1は、肝臓側(I側)の信号値が大きく、心臓側(S側)の信号値は十分に小さくなっている。
一方、図5(b)のプロファイルf2は、プロファイルf1と同様に、肝臓側(I側)の信号値は大きい。しかし、プロファイルf2の心臓側(S側)の範囲RAには、プロファイルf1の心臓側の範囲RAの信号値よりも大きい信号値が現れている。
図4に示すように、励起部位Reには肝臓および肺が含まれている。肝臓は比較的高信号となるが、肺は空気を含んでいるので、肺は肝臓よりも低信号となる。したがって、プロファイルf1およびf2の中から信号値が急激に変化する位置を検出することにより、肝臓の肺側のエッジの位置を検出することができる。肝臓は被検体の呼吸に応じてSI方向に移動する。したがって、肝臓のエッジの検出位置は、時間とともに変動するので、この検出位置の時間変化を求めることにより、呼吸信号を取得することができる。
また、励起部位Reには心臓が含まれている。心臓は拍動するので、励起部位Reと心臓との重なる部分の体積は時間とともに変化する。したがって、心臓から収集されるMR信号の信号値は、心臓の動きに応じて増減する。このため、ある時刻では、プロファイルの心臓側の範囲RAの信号値は十分に小さいが(図5(a)参照)、別の時刻では、プロファイルの心臓側の範囲RAの信号値は大きい値になる(図5(b)参照)。このように、プロファイルの心臓側の範囲の信号値は、心臓の動きを反映して増減するので、プロファイルの心臓側の範囲の信号値に基づいて、心拍信号を取得することが可能となる。
本形態では、上記の考え方に基づいて、呼吸信号と心拍信号を取得している。
以下に、図3に示すスキャンを実行し、呼吸信号および心拍信号を取得する方法について説明する。
図6は、呼吸信号および心拍信号を取得するためのフローを示す図である。
ステップST1では、ローカライザスキャンSC1を実行する。図7に、ローカライザスキャンSC1により取得された画像LDを概略的に示す。ローカライザスキャンSC1を実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、呼吸情報および心拍情報を取得するための領域(以下、「ナビゲータ領域」と呼ぶ)が設定される。図8に、設定されたナビゲータ領域Rnavを概略的に示す。以下に、ナビゲータ領域Rnavの設定方法について説明する。
オペレータは、操作部11を操作し、画像LDを参考にして、ナビゲータ領域Rnavを設定するために必要な情報を入力する。領域設定手段91(図2参照)は、入力された情報に基づいて、ナビゲータ領域Rnavを設定する。本形態では、ナビゲータ領域Rnavは、肝臓、肺、および心臓を横切るように設定されている。ナビゲータ領域RnavのSI方向の上端は位置Puに設定されており、ナビゲータ領域RnavのSI方向の下端は位置Pvに設定されている。また、ナビゲータ領域RnavのSI方向の中心位置Pcは、肝臓の肺側のエッジ13aの近傍に位置決めされている。ナビゲータ領域Rnavを設定した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、スキャンSC2が実行される。
スキャンSC2では、ナビゲータ領域Rnavから呼吸情報及び心拍情報を取得するためのナビゲータシーケンスN〜Nが順に実行される。以下、ナビゲータシーケンスN〜Nについて説明する。
先ず、ナビゲータシーケンスNが実行される。ナビゲータシーケンスNが実行されることにより、ナビゲータ領域Rnav(図8参照)を含む円柱形状の部位が励起される。図9に、ナビゲータシーケンスNにより励起された励起部位Reを斜線で概略的に示してある。ナビゲータ領域Rnavを含む励起部位Reから発生したMR信号は受信コイル4(図1参照)で受信される。受信コイル4で受信されたMR信号は受信器7(図1参照)に供給される。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの信号処理を行い、信号処理により得られたデータを出力する。したがって、ナビゲータシーケンスNを実行することにより、呼吸情報および心拍情報を含むナビゲータデータNDを得ることができる(図10参照)。ナビゲータデータNDは、コンピュータ8(図1参照)に供給される。
ナビゲータデータNDがコンピュータ8に供給された後、プロセッサ9は以下のようなデータ処理を実行する(図11参照)。
図11は、プロセッサ9で実行されるデータ処理を表すフローである。
ステップST31では、プロファイル作成手段92(図2参照)が、受信器7から受け取ったナビゲータデータNDに基づいて、ナビゲータ領域Rnavを含む励起部位Re内のSI方向の信号値の変化を表すプロファイルFを作成する。図12に、ナビゲータデータNDから得られたプロファイルFの一例が概略的に示してある。プロファイルFに示されている「Pc」は、ナビゲータ領域RnavのSI方向の中心位置Pcを表している。プロファイルFを求めた後、ステップST32に進む。
ステップST32では、エッジ位置検出手段93(図2参照)が、プロファイルFに基づいて、肝臓のエッジの位置を検出する。図5を参照しながら説明したように、プロファイルの肝臓側の信号は、プロファイルの肺側の信号よりも高くなる。したがって、プロファイルFには、肺と肝臓との間に、信号強度の段差が現れる。エッジ位置検出手段93は、この信号強度の段差を検出することにより、肝臓のエッジ13aの位置を検出することができる。図13に、検出された肝臓のエッジの位置を示す。図13では、検出された肝臓のエッジの位置を符号「P」で示してある。肝臓のエッジの位置Pを検出した後、ステップST33に進む(図14参照)。
図14はステップST33の説明図である。
ステップST33では、加算値算出手段94(図2参照)が、プロファイルに基づいて、プロファイルの心臓の位置における信号値を含む範囲RAを求め、範囲RAにおける信号の加算値Aを求める。図5を参照しながら説明したように、プロファイルの心臓側の範囲RAの信号値は、心臓の動きに応じて増減する。したがって、プロファイルの心臓側の範囲RAの信号を加算することにより、心拍情報を得ることができる。
図14では、プロファイルFの位置Pr〜Pdの範囲が、心臓の位置における信号値を含む範囲RAとして設定されている。尚、範囲RAのS側の位置Prは、ナビゲータ領域RnavのS側の位置Pu(図9参照)に設定されていてもよいし、位置PuよりもS側に離れた位置に設定されていてもよいし、位置PuよりもI側に離れた位置に設定されていてもよい。ただし、範囲RAのS側の位置PrをI側に寄せすぎると、範囲RAが狭くなってしまい、心拍情報を得ることが難しくなることが考えられる。したがって、範囲RAの位置Prは、ナビゲータ領域RnavのS側の位置Pu、又は位置PuよりもS側に離れた位置に設定することが望ましい。
また、範囲RAのI側の位置Pdが、肝臓のエッジの検出位置Pに近すぎると、範囲RA内に肝実質の信号が含まれる可能性が高くなり、高品質な心拍信号を得ることができない恐れがある。そこで、本形態では、肝臓のエッジの位置Pの近傍の信号は、信号が加算される範囲RAから外している。具体的には、加算値算出手段94は、ナビゲータ領域の中心位置PcからS側にΔdだけ離れた位置を、範囲RAのI側の位置Pdとして特定し、この位置PdからS側の範囲(Pr〜Pd)の信号を加算している。このようにして加算値を求めることにより、肝実質の影響が十分に低減された加算値を得ることができる。Δdはデフォルト値として予め設定されている値であり、数cm程度の値に設定することができる。
ナビゲータシーケンスNを実行した後、次のナビゲータシーケンスNが実行される。
図15は、ナビゲータシーケンスNの説明図である。
ナビゲータシーケンスNが実行されることにより、ナビゲータ領域Rnavを含む励起部位Re(図9参照)が励起される。ナビゲータ領域Rnavを含む励起部位Reから発生したMR信号は受信コイル4(図1参照)で受信される。受信コイル4で受信されたMR信号は受信器7(図1参照)に供給される。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して検波などの信号処理を行い、信号処理により得られたデータを出力する。したがって、ナビゲータシーケンスNを実行することにより、呼吸情報および心拍情報を含むナビゲータデータNDが得られる。ナビゲータデータNDは、コンピュータ8(図1参照)に供給される。
ナビゲータデータNDを得た後、図11に示すフローが実行される。具体的には、ステップST31において、プロファイル作成手段92が、ナビゲータ領域Rnavを含む励起部位Re内のSI方向の信号値の変化を表すプロファイルFを作成する。そして、ステップST32において、エッジ位置検出手段93が、プロファイルFに基づいて、肝臓のエッジの位置Pを検出し、ステップST33において、加算値算出手段94が、プロファイルFの心臓側の範囲RAの信号の加算値Aを算出する。
以下同様に、ナビゲータシーケンスが順に実行される。
図16は、ナビゲータシーケンスNまでが実行されたときの様子を示す図である。
ナビゲータシーケンスNが実行された後、ナビゲータシーケンスN、N、およびNが順に実行される。ナビゲータシーケンスN、N、およびNを実行することにより、それぞれプロファイルF、F、およびFが得られる。
エッジ位置検出手段93は、プロファイルF、F、およびFに基づいて、肝臓のエッジの位置P、P、およびPを検出する。また、加算値算出手段94は、プロファイルF、F、およびFに基づいて、範囲RAの加算値A、A、およびAを求める。
図16には、加算値A〜Aの大きさの違いを分かりやすくするために、プロファイルF〜Fの下側に、加算値A〜Aの時間変化を表す曲線が概略的に示されている。この曲線から、心臓の動きに応じて加算値が変化していることがわかる。加算値Aは、他の加算値よりも大きい値を有していることもわかる。尚、紙面の都合上、肝臓のエッジの位置P〜Pの時間変化を表す曲線は図示省略されているが、被検体の呼吸に応じて、肝臓のエッジの位置は変化している。
ナビゲータシーケンスN〜Nを実行した後、ナビゲータシーケンスN〜N10が実行される(図17参照)。
図17は、ナビゲータシーケンスN〜N10の説明図である。
ナビゲータシーケンスN〜N10を実行することにより、それぞれプロファイルF〜F10が得られる。
エッジ位置検出手段93は、プロファイルF〜F10に基づいて、肝臓のエッジの位置P〜P10を検出する。また、加算値算出手段94は、プロファイルF〜F10に基づいて、範囲RAの加算値A〜A10を求める。
図17には、加算値A〜A10の大きさの違いを分かりやすくするために、プロファイルF〜F10の下側に、加算値A〜A10の時間変化を表す曲線が概略的に示されている。この曲線から、加算値A〜A10は、加算値A〜Aと同様に、心臓の動きに応じて変化していることがわかる。
以下同様に、ナビゲータシーケンスが実行される。
図18は、ナビゲータシーケンスNa−4〜Nの説明図である。
ナビゲータシーケンスNa−4〜Nを実行することにより、それぞれプロファイルFa−4〜Fが得られる。
エッジ位置検出手段93は、プロファイルFa−4〜Fに基づいて、肝臓のエッジの位置Pa−4〜Pを検出する。また、加算値算出手段94は、プロファイルFa−4〜Fに基づいて、範囲RAの加算値Aa−4〜Aを求める。
図18では、加算値Aa−4〜Aの大きさの違いを分かりやすくするために、プロファイルFa−4〜Fの下側に、加算値Aa−4〜Aの時間変化を表す曲線が概略的に示されている。この曲線から、加算値Aa−4〜Aは、加算値A〜Aと同様に、心臓の動きに応じて変化していることがわかる。
このようにして、スキャンSC2が実行される。
スキャンSC2を実行することにより、肝臓のエッジの位置を検出することができるので、呼吸信号を取得することができる。また、スキャンSC2を実行することにより、加算値が得られるので、心拍信号を取得することができる。図19に、スキャンSCにより得られた呼吸信号Sresと心拍信号Shbとを概略的に示す。
第1の形態では、肝臓と心臓とを含むようにナビゲータ領域Rnavを設定している。したがって、ナビゲータ領域から収集されたMR信号には、肝臓のエッジの動きを反映した情報だけでなく、心臓の動きを反映した情報が含まれる。このため、ナビゲータシーケンスごとに得られたプロファイルには、肝臓のエッジの位置を反映した信号値の急激な変化が現れるだけでなく、心臓側に、心臓の動きを反映した信号成分が現れる。したがって、被検体の呼吸信号を取得するための専用のデバイス(例えば、ベローズ)や、心拍信号を取得するための専用のデバイス(例えば、ECG電極や脈波センサ)を用いなくても、ナビゲータシーケンスを実行することにより、呼吸信号と心拍信号の両方の信号が得られるので、オペレータの作業負担を軽減することができる。
尚、ナビゲータシーケンスを実行することにより呼吸信号および心拍信号が得られることを検証するために、図8に示すようにナビゲータ領域Rnavを設定し、実際にナビゲータシーケンスを実行した。そして、ナビゲータシーケンスを実行することにより得られたデータに基づいてプロファイルを作成した。以下に、検証結果について説明する。
図20は、検証結果を示す図である。
図20(a)は、時系列に並べられた多数のプロファイルを表すプロファイルデータD1を示している。データD1の横軸は時間を表しており、データD1の縦軸はSI方向の位置を表している。縦軸のゼロ点は、ナビゲータ領域RnavのSI方向の中心位置Pcを表している。また、縦軸の下側がナビゲータ領域Rnavの肝臓側を表しており、縦軸の上側がナビゲータ領域の心臓側を表している。図20(a)では、プロファイルの信号値の大きさの違いを、白黒の濃淡で示してある。白に近いほど、信号値は大きいことを意味しており、黒に近いほど、信号値は小さいことを意味している。データD1内に示されている実線Lは、検出された肝臓のエッジの位置の時間変化を表している。
図20(a)から、肝臓のエッジ検出が適正に行われていることが分かる。また、プロファイルデータD1の心臓側では、信号の増減が周期的に現れており、心拍信号が得られることがわかる。図20(b)に、図20(a)に示すプロファイルデータD1から得られた心拍信号を示す。図20(b)から、心拍信号は周期的に信号値が増減しており、心拍情報が得られていることがわかる。
尚、第1の形態では、範囲RAの信号の加算値を求めることにより、心拍信号を得ている。しかし、心拍信号を得ることができるのであれば、必ずしも範囲RAの信号の加算値を求める必要はない。例えば、範囲RAの信号の加算値の代わりに、範囲RA内の最大値を心拍信号の信号値として求めてもよいし、範囲RAの信号値の最大値と最小値との差を心拍信号の信号値としてもよい。
(2)第2の形態
第2の形態では、呼吸同期法および心拍同期法を併用して被検体を撮影する例について説明する。
尚、第2の形態のMR装置のハードウェア構成は、第1の形態と同じである。ただし、第2の形態のMR装置は、第1の形態のMR装置と比較すると、プロセッサ9で実行される処理に違いがあるので、第2の形態のMR装置におけるプロセッサ9について説明する。
図21は、第2の形態におけるプロセッサの処理の説明図である。尚、領域設定手段91、プロファイル作成手段92、エッジ位置検出手段93、および加算値算出手段94は第1の形態と同じである。したがって、領域設定手段91〜加算値算出手段94の説明は省略し、スライス設定手段95、ウインドウ設定手段96、閾値算出手段97、判断手段98、トリガ発生手段99、および決定手段991について説明する。
スライス設定手段95は、スライスを設定する。
ウインドウ設定手段96は、呼吸信号に基づいて後述するウインドウW(図25参照)を設定する。
閾値算出手段97は、心拍信号に基づいて閾値TH(図26参照)を算出する。
判断手段98は、呼吸信号の信号値がウインドウWに入っているか否かを判断したり、心拍信号の信号値が閾値THよりも大きいか否かを判断する。
トリガ発生手段99は、イメージングシーケンスを実行するためのトリガを発生する。
決定手段991は、イメージングシーケンスにより取得されたデータを、画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも破棄するかを決定する。
プロセッサ9は、領域設定手段91〜決定手段991を構成する一例であり、記憶部10に記憶されたプログラムを実行することによりこれらの手段として機能する。
次に、第2の形態で実行されるスキャンについて説明する。
図22は第2の形態で実行されるスキャンを概略的に示す図である。
第3の形態では、ローカライザスキャンSC1、ナビゲータプレスキャンSC2、および本スキャンSC3が実行される。
ローカライザスキャンSC1は、スライスやナビゲータ領域を設定するために使用される画像を取得するためのスキャンである。
ナビゲータプレスキャンSC2は、ウインドウWおよび閾値THを求めるために実行されるスキャンである。
本スキャンSC3は、肝臓の画像を取得するためのスキャンである。
以下に、ローカライザスキャンSC1、ナビゲータプレスキャンSC2、および本スキャンSC3を実行するときのフローについて説明する。
図23は、図22に示すスキャンを実行するためのフローを示す図である。
ステップST1では、第1の形態と同様に、ローカライザスキャンSC1を実行する。ローカライザスキャンSC1を実行することにより、画像LD(図7参照)を得ることができる。ローカライザスキャンSC1を実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、ナビゲータ領域RnavおよびスライスSL1〜SLnが設定される。図24に、設定されたナビゲータ領域RnavおよびスライスSL1〜SLnを概略的に示す。オペレータは、操作部11を操作し、画像LDを参考にして、ナビゲータ領域Rnavを設定するために必要な情報を入力する。領域設定手段91は、入力された情報に基づいて、第1の形態と同様に、ナビゲータ領域Rnavを設定する。
また、オペレータは、操作部11を操作し、画像LDを参考にして、スライスSL1〜SLnを設定するために必要な情報を入力する。スライス設定手段95(図21参照)は、入力された情報に基づいて、スライスSL1〜SLnを設定する。第2の形態では、肝臓を撮影するので、肝臓を含む部位にスライスSL1〜SLnが設定される。ナビゲータ領域RnavおよびスライスSL1およびSLnを設定した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、ナビゲータプレスキャンSC2を実行する。ナビゲータプレスキャンSC2は、第1の形態で実行されたスキャンSC2と同じである。したがって、ナビゲータプレスキャンSC2を実行することにより、第1の形態で説明したように、呼吸信号Sresと心拍信号Shbとを得ることができる(図19参照)。ナビゲータプレスキャンSC2を実行した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、ウインドウ設定手段96(図21参照)が、呼吸信号Sresに基づいてウインドウWを設定する。図25に、ウインドウWの一例を示す。ウインドウWは、本スキャンSC3において後述するイメージングシーケンス(図27参照)を実行するか否かを判断するための呼吸位相の範囲を表している。以下に、ウインドウWを設定する方法の一例について簡単に説明する。
ウインドウ設定手段96は、呼吸信号Sresから、被検体の息の吐き終わりの呼吸位相に対応した肝臓のエッジ13aの位置Pexを特定する。被検体が息を吐いている間、エッジ13aの位置はS方向に移動するが、被検体が息を吸い始めると、エッジ13aの位置はI方向に移動し始める。したがって、エッジの位置の極大値を検出することにより、被検体の息の吐き終わりの呼吸位相に対応した肝臓のエッジ13aの位置Pexを求めることができる。位置Pexを求めた後、ウインドウ設定手段96は、この位置Pexに対して一定の範囲を、イメージングシーケンスを実行するか否かを判断するための呼吸位相の範囲を表すウインドウWとして設定する。ウインドウWが本スキャンSC3を実行するときにどのように使用されるかについては後述する。ウインドウWを設定した後、ステップST5に進む。
ステップST5では、閾値算出手段97(図21参照)が、心拍信号Shb(図19参照)に基づいて、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値THを算出する。以下に、閾値THの算出方法について説明する。
心臓の心位相について考えると、心臓の心位相は、心臓の動きが大きいときの心位相と、心臓の動きが小さいときの心位相に分けることができる。一般的に、心臓の動きが大きい場合、心拍信号の信号値は大きく変化し、心臓の動きが小さい場合、心拍信号の信号値の変化は小さいと考えられる。そこで、本形態では、心拍信号Shbに基づいて、心拍信号が大きく変化したか否かを判断するための信号値を求め、この信号値を、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値THとする。閾値THは、例えば、以下の式で求めることができる。
TH=(Smax−Smin)*k+Smin ・・・(1)
ここで、Smax:心拍信号の最大値
Smin:心拍信号の最小値
k:係数
係数kは、0<k<1の範囲内で予め決定されている値である。閾値THは係数kの値に応じて変化する。したがって、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるのに適した閾値THが得られるように、係数kを決定する必要がある。図26は、k=0.1、k=0.3、およびk=0.9の場合の、心拍信号Shbと閾値THとの関係を示す図である。
図26(a)では、kが0に近すぎる場合(k=0.1)の閾値TH=TH1が示されている。この場合、閾値TH1が心拍信号の最小値Sminに近い値になるので、大部分の信号値が閾値TH1よりも大きい値となる。例えば、心周期aでは、大部分の信号値が閾値TH1よりも大きい値であり、心周期bでは、心周期bの間に渡って信号値が閾値TH1よりも大きい値である。したがって、図26(a)の閾値TH1は、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値としては適していないことが分かる。
図26(b)では、kが1に近すぎる場合(k=0.9)の閾値TH=TH2が示されている。この場合、閾値TH2が心拍信号の最大値Smaxに近い値になるので、大部分の信号値が閾値TH2よりも小さい値となる。例えば、心周期aでは、信号値の大部分が閾値TH2よりも小さい値となり、心周期bでは、心周期bの間に渡って信号値が閾値TH2よりも小さい値になっている。したがって、図26(b)の閾値TH2も、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値としては適していないことが分かる。
図26(a)および(b)から、kは0に近すぎず、且つ1に近すぎないことが望ましいことがわかる。
図26(c)では、k=0.3の場合の閾値TH=TH3の例が示されている。図26(c)では、心拍信号の信号値は、一定の周期で閾値TH3よりも大きい値になっている。したがって、図26(c)の閾値TH3は、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値として適していることが分かる。信号値が閾値以上の期間H1は、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1と考えることができ、一方、信号値が閾値より小さい期間H2は、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2と考えることができる。このような理由から、第2の形態では、係数kは、k=0.3に設定されている。k=0.3を式(1)に代入すると、以下の式(2)が得られる。
TH=(Smax−Smin)*0.3+Smin ・・・(2)
したがって、第2の形態では、閾値算出手段97は、式(2)を用いて閾値THを算出する。閾値算出手段97は、心拍信号Shbの最大値Smaxおよび最小値Sminを求め、これらの値SmaxおよびSminを式(2)に代入することにより、閾値TH(=TH3)を算出することができる。閾値TH=TH3を算出した後、ステップST6に進む。
ステップST6では、本スキャンSC3が実行される。
図27は、本スキャンSC3の説明図である。
図27には、本スキャンSC3で実行されるナビゲータシーケンスおよびイメージングシーケンスと、ナビゲータシーケンスを実行することにより得られた呼吸信号Sres1および心拍信号Shb1とが概略的示されている。
本スキャンSC3では、先ず、ナビゲータシーケンスNb1〜Nb7が実行される。ナビゲータシーケンスNb1〜Nb7の各々が実行されるたびに、図11に示すフローに従って、プロファイル作成手段92(図21参照)がプロファイルを作成し(ステップST31)、エッジ位置検出手段93(図21参照)が肝臓のエッジ13aの位置を検出し(ステップST32)、加算値算出手段94(図21参照)が加算値を算出する(ステップST33)。図27では、ナビゲータシーケンスNb1〜Nb7を実行することにより検出された肝臓のエッジ13aの位置が、符号「Pb1」、「Pb2」、・・・「Pb7」で示されており、一方、加算値が「Ab1」、「Ab2」、・・・「Ab7」で示されている。肝臓のエッジ13aの位置は呼吸信号Sres1の信号値を表しており、加算値は心拍信号Shb1の信号値を表している。
判断手段98(図21参照)は、エッジ位置検出手段93により検出されたエッジ位置に基づいて、エッジ位置がウインドウWの外側から内側に入り込んだか否かを判断する。図27では、ナビゲータシーケンスNb1およびNb2における肝臓のエッジの位置Pb1およびPb2はウインドウWの外側であるが、ナビゲータシーケンスNb3における肝臓のエッジの位置Pb3はウインドウWに入っている。したがって、判断手段98は、ナビゲータシーケンスNb3が実行されたときに肝臓のエッジ13aの位置Pb3がウインドウWに入ったと判断する。
次に、判断手段98は、ナビゲータシーケンスNb3を実行することにより得られた加算値Ab3が閾値TH3よりも大きい値であるか否かを判断する。加算値Ab3が閾値TH3よりも大きい場合(Ab3>TH3)、トリガ発生手段99(図21参照)は、イメージングシーケンスIS1を実行するためのトリガTG1を発生する。一方、加算値Ab3が閾値TH3以下の場合(Ab3≦TH3)、トリガTG1は発生されず、引き続きナビゲータシーケンスが実行される。図27では、Ab3≦TH3であるので、判断手段98は、加算値Ab3は閾値TH3以下であると判断する。したがって、トリガTG1は発生されず、ナビゲータシーケンスNb4が実行される。
ナビゲータシーケンスNb4が実行されるとプロファイルが作成され、プロファイルに基づいて、肝臓のエッジの位置Pb4および加算値Ab4が求められる。図27を参照すると、肝臓のエッジの位置Pb4はウインドウWに入っているが、加算値Ab4は閾値TH3以下である。したがって、トリガTG1は発生されず、引き続きナビゲータシーケンスが実行される。
以下同様に、肝臓のエッジの位置がウインドウWに入っており、且つ加算値が閾値TH3よりも大きい値であると判断されるまで、ナビゲータシーケンスが繰り返し実行される。
図27を参照すると、ナビゲータシーケンスNb4の後、ナビゲータシーケンスNb5、Nb6、Nb7が実行されている。ナビゲータシーケンスNb5およびNb6を実行した場合、肝臓のエッジの位置Pb5およびPb6はウインドウWに入っているが、加算値Ab5およびAb6は閾値TH3以下である。しかし、ナビゲータシーケンスNb7を実行した場合、肝臓のエッジの位置Pb7はウインドウWに入っており、且つ加算値Ab7は閾値TH3よりも大きい値である。したがって、トリガ発生手段99は、ナビゲータシーケンスNb7の直後にトリガTG1を発生する。
トリガ発生手段99がトリガTG1を発生させた後、トリガTG1から待ち時間Twが経過した時点で、イメージングシーケンスIS1が開始される。
尚、本形態では、拍動アーチファクトを低減するために、イメージングシーケンスIS1は、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2に実行されることが望まれる。しかし、待ち時間Twが短すぎると、心拍信号が、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1から、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2に移行する前に、イメージングシーケンスIS1が開始される恐れがある。一方、待ち時間Twが長すぎると、イメージングシーケンスIS1の実行中に、心拍信号が、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2から、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1に移行してしまう恐れがある。そこで、第2の形態では、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2の間にイメージングシーケンスIS1によるデータ収集が行われるように、待ち時間Twの値が設定されている。待ち時間Twは、被検体をスキャンする前に、デフォルト値として予め設定されている値であり、例えば、Tw=200msecに設定することができる。
イメージングシーケンスIS1を実行した後、決定手段991(図21参照)は、イメージングシーケンスIS1により取得されたイメージングデータを、画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも破棄するかを決定する。以下に、この決定方法について説明する。
図28は、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか破棄するかを判断するためのフローを示す図である。
ステップST611では、ナビゲータシーケンスNC1が実行される。ナビゲータシーケンスNC1を実行した後、ステップST612、ST613、およびST614が順に実行される。ステップST612、ST613、およびST614は、それぞれ、図11に示すステップST31、ST32、およびST33と同じである。したがって、ステップST612では、プロファイル作成手段92がナビゲータデータに基づいてプロファイルを作成し、ステップST613では、エッジ位置検出手段93が肝臓のエッジ13aの位置を検出し、ステップST614では、加算値算出手段94が加算値を算出する。図27では、ナビゲータシーケンスNC1を実行することにより検出された肝臓のエッジ13aの位置が符号「PC1」で示されており、一方、加算値が「AC1」で示されている。
加算値AC1を算出した後、ステップST615に進む。
ステップST615では、判断手段98が、ナビゲータシーケンスNc1における肝臓のエッジの位置Pc1がウインドウWに入っているか否かを判断する。肝臓のエッジの位置Pc1がウインドウWに入っていない場合、イメージングシーケンスIS1の実行中に、肝臓のエッジの位置がウインドウWから外れた可能性がある。そこで、ナビゲータシーケンスNc1における肝臓のエッジの位置Pc1がウインドウWに入っていないと判断された場合、ステップST616に進み、決定手段991は、イメージングシーケンスIS1のイメージングデータを破棄すると決定する。
一方、判断手段98が、ナビゲータシーケンスNc1における肝臓のエッジの位置Pc1がウインドウWに入っていると判断した場合、ステップST617に進む。
図27では、ナビゲータシーケンスNc1における肝臓のエッジの位置Pc1は、ウインドウWから外れている。したがって、ステップST615において、ナビゲータシーケンスNc1における肝臓のエッジの位置Pc1がウインドウWから外れていると判断されるので、ステップST615からステップST616に進み、決定手段991は、イメージングシーケンスIS1のイメージングデータを破棄すると決定する。
ナビゲータシーケンスNC1を実行した後、ナビゲータシーケンスNC2〜Nd6が順に実行される。ナビゲータシーケンスNC2〜Nd6が実行されるたびに、肝臓のエッジの位置および加算値が求められる。判断手段98は、エッジ位置検出手段93により検出されたエッジ位置に基づいて、エッジ位置がウインドウWの外側から内側に入り込んだか否かを判断する。図27では、ナビゲータシーケンスNC2〜Nd2における肝臓のエッジの位置PC2〜Pd2はウインドウWの外側であるが、ナビゲータシーケンスNd3における肝臓のエッジの位置Pd3はウインドウWに入っている。したがって、判断手段98は、ナビゲータシーケンスNd3が実行されたときに肝臓のエッジ13aの位置がウインドウWに入ったと判断する。
次に、判断手段98は、ナビゲータシーケンスNd3を実行することにより得られた加算値Ad3が閾値TH3よりも大きい値であるか否かを判断する。加算値Ad3が閾値TH3よりも大きい場合(Ad3>TH3)、トリガ発生手段99は、イメージングシーケンスIS2を実行するためのトリガTG2を発生する。一方、加算値Ad3が閾値TH3以下の場合(Ad3≦TH3)、トリガTG2は発生されず、引き続きナビゲータシーケンスが実行される。図27では、Ad3≦TH3であるので、判断手段98は、加算値Ad3は閾値TH3以下であると判断する。したがって、トリガTG2は発生されず、ナビゲータシーケンスNd4が実行される。
ナビゲータシーケンスNd4が実行されるとプロファイルが作成され、プロファイルに基づいて、肝臓のエッジの位置Pd4および加算値Ad4が求められる。図27を参照すると、肝臓のエッジの位置Pd4はウインドウWに入っているが、加算値Ad4は閾値TH3以下である。したがって、トリガTG2は発生されず、引き続きナビゲータシーケンスが実行される。
以下同様に、肝臓のエッジの位置がウインドウWに入っており、且つ加算値が閾値TH3よりも大きい値であると判断されるまで、ナビゲータシーケンスが繰り返し実行される。
図27を参照すると、ナビゲータシーケンスNd4の後、ナビゲータシーケンスNd5およびNd6が実行されている。ナビゲータシーケンスNd5を実行した場合、肝臓のエッジの位置Pd5はウインドウWに入っているが、加算値Ad5は閾値TH3以下である。しかし、ナビゲータシーケンスNd6を実行した場合、肝臓のエッジの位置Pd6はウインドウWに入っており、且つ加算値Ad6は閾値TH3よりも大きい値である。したがって、トリガ発生手段99は、ナビゲータシーケンスNd6の直後にトリガTG2を発生する。
トリガ発生手段99がトリガTG2を発生させた後、トリガTG2から待ち時間Twが経過した時点で、イメージングシーケンスIS2が開始される。
イメージングシーケンスIS2を実行した後、図28に示すフローに従って、イメージングシーケンスIS2により取得されたイメージングデータを、画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも破棄するかが決定される。以下に、この決定方法について説明する。
ステップST611では、ナビゲータシーケンスNe1が実行される。ナビゲータシーケンスNe1を実行した後、ステップST612、ST613、およびST614が順に実行される。ステップST612、ST613、およびST614は、それぞれ、図11に示すステップST31、ST32、およびST33と同じである。したがって、ステップST612では、プロファイル作成手段92がナビゲータデータに基づいてプロファイルを作成し、ステップST613では、エッジ位置検出手段93が肝臓のエッジ13aの位置を検出し、ステップST614では、加算値算出手段94が加算値を算出する。図27では、ナビゲータシーケンスNe1を実行することにより検出された肝臓のエッジ13aの位置が符号「Pe1」で示されており、一方、加算値が「Ae1」で示されている。
加算値Ae1を算出した後、ステップST615に進む。
ステップST615では、判断手段98が、ナビゲータシーケンスNe1における肝臓のエッジの位置Pe1がウインドウWに入っているか否かを判断する。図27では、肝臓のエッジの位置Pe1はウインドウWに入っている。したがって、ステップST617に進む。
ステップST617では、判断手段98が、ナビゲータシーケンスNe1における加算値Ae1が閾値TH3よりも大きいか否かを判断する。加算値Ae1が閾値TH3よりも大きい場合、イメージングシーケンスIS2の実行中に、心拍信号が、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2から、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1に移行した可能性がある。心臓の動きが大きいときに取得されたデータに基づいて画像再構成すると、拍動アーチファクトによる画質劣化が増強される可能性がある。そこで、判断手段98が、ナビゲータシーケンスNe1における加算値Ae1が閾値TH3よりも大きいと判断した場合(Ae1>TH3)、ステップST616に進み、決定手段991は、イメージングシーケンスIS2のイメージングデータは破棄すると決定する。
一方、ナビゲータシーケンスNe1における加算値Ae1が閾値TH3以下の場合、イメージングシーケンスIS2のイメージングデータは、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2に収集されたと考えられるので、拍動アーチファクトは十分に低減できると考えられる。したがって、判断手段98が、ナビゲータシーケンスNe1における加算値Ae1が閾値TH3以下であると判断した場合(Ae1≦TH3)、ステップST618に進み、決定手段991は、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れると決定する。
図27では、Ae1≦TH3であるので、判断手段98は、ナビゲータシーケンスNe1における加算値Ae1は閾値TH3以下であると判断する。したがって、ステップST617からステップST618に進み、決定手段991は、イメージングシーケンスIS2により取得されたイメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れると決定する。
以下同様にナビゲータシーケンスを繰り返し実行し、肝臓のエッジ13aの位置がウインドウWに入り、且つ加算値が閾値TH3よりも大きい値のときに、イメージングシーケンスを実行する。イメージングシーケンスを実行した後、図28に示すフローに従って、イメージングデータを受け入れるか破棄するかを決定する。そして、画像再構成に必要な全データが取得されたら、本スキャンSC3を終了する。
第2の形態でも、第1の形態と同様に、肝臓と心臓とを含むようにナビゲータ領域Rnavを設定している。したがって、被検体の呼吸信号を取得するためのデバイス(例えば、ベローズ)や、心拍信号を取得するための専用のデバイス(例えば、ECG電極や脈波センサ)を用いなくても、呼吸信号と心拍信号の両方の信号が得られるので、オペレータの作業負担を軽減することができる。
また、第2の形態では、式(2)(k=0.3)を用いて、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値TH3を算出している。k=0.3に設定することにより、十分な精度で心臓の動きが大きいときの心位相を求めることができる。このことを検証するため、実際にナビゲータシーケンスを実行することにより得られた図20(b)に示す心拍信号の最大値Smaxおよび最小値Sminを式(2)に代入し、閾値TH3を求めた。図29に、心拍信号の最大値Smaxおよび最小値Smin式(2)に代入することにより得られた閾値TH3(=TH3)を示す。図29において、心拍信号と閾値TH3とを比較すると、心拍信号の信号値は、一定の周期で閾値TH3を超えている。したがって、式(2)を用いて算出された閾値TH3は、心臓の動きが大きいときの心位相を求めるための閾値として適していることが分かる。尚、第2の形態では、k=0.3に設定されているが、心臓の動きが大きいときの心位相を求めることができるのであれば、必ずしもk=0.3に設定する必要はなく、kは0.3より小さくてもよいし、大きくてもよい。
第2の形態では、被検体の息の吐き終わりの呼吸位相に対応した肝臓のエッジ13aの位置Pexに基づいて、ウインドウWを設定している。しかし、別の呼吸位相(例えば、被検体の息の吸い終わりの呼吸位相、息の吸い終わりから吐き終わりの途中の呼吸位相)に対応した肝臓のエッジ13aの位置に基づいて、ウインドウWを設定してもよい。
また、第2の形態では、イメージングシーケンスを実行した後、図28に示すフローに従って、イメージングシーケンスにより取得されたイメージングデータを受け入れるか破棄するかを判断している。したがって、イメージングシーケンスを実行している途中で、肝臓のエッジがウインドウWの外側に移動してしまった場合や、心臓の動きが大きくなった場合は、イメージングデータが破棄される。このため、呼吸や拍動による体動アーチファクトが十分に低減された画像を得ることができる。
ただし、イメージングシーケンスの時間長Tが長くなるほど、イメージングシーケンスを実行している間に、肝臓のエッジがウインドウWの外側に移動してしまう可能性や、心拍信号が期間H2から期間H1(図27参照)に移行してしまう可能性が高くなる。したがって、イメージングシーケンスの時間長Tが長い場合に図28に示すフローを実行すると、イメージングデータが破棄される頻度が高くなるので、本スキャンSC3のスキャン時間が長くなることがある。そこで、スキャン時間の短縮化を優先したい場合は、図28に示すステップST615およびST617のうちのいずれか一方のステップを省略してもよい。ステップST615およびST617のうちのいずれか一方のステップを省略する場合、イメージングシーケンスの前半で、k空間の低周波領域のデータを収集し、イメージングシーケンスの後半で高周波領域のデータを収集することが望ましい。このようにデータ収集することにより、イメージングシーケンスの途中で肝臓のエッジがウインドウWの外側に移動してしまっても、k空間の低周波領域の大部分のデータを、肝臓のエッジがウインドウ内に位置している間に収集することができる。更に、イメージングシーケンスの途中で心臓の動きが大きくなっても、k空間の低周波領域の大部分のデータを、心臓の動きが小さい間に収集することができる。したがって、呼吸や拍動による体動アーチファクトが十分に抑制された画像を得ることが可能となる。また、図28に示すフローは実行せずに、イメージングシーケンスにより得られたデータは全て受け入れるようにしてもよい。この場合、イメージングデータは破棄されないので、スキャン時間を更に短縮することができる。ただし、体動アーチファクトを十分に抑制する観点から、k空間の低周波領域のデータは、イメージングシーケンスの前半に収集することが望ましい。
また、第1の形態および第2の形態では、ナビゲータ領域Rnavの長手方向がSI方向に一致するように、ナビゲータ領域Rnavが設定されている(図8および図24参照)。しかし、呼吸信号および心拍信号を取得することができるのであれば、ナビゲータ領域Rnavの長手方向がSI方向とは異なる方向になるように、ナビゲータ領域Rnavを設定してもよい(図30参照)。
図30は、ナビゲータ領域の長手方向がSI方向とは異なる方向に設定されたナビゲータ領域の一例を概略的に示す図である。
図30では、ナビゲータ領域Rnav1の長手方向はSI方向に対して約45°ずれた例が示されている。ナビゲータ領域Rnav1は、心臓、肺、および肝臓を含むように設定されているので、呼吸信号および心拍信号を取得することができる。
ただし、一般的には、肝臓のエッジはSI方向の移動量が比較的大きいので、高品質な呼吸信号を取得するためには、図8および図24に示すようにナビゲータ領域Rnavを設定することが望ましい。
尚、ナビゲータ領域Rnav(図8および図24参照)およびナビゲータ領域Rnav1(図30参照)は肺を含むように設定されている。しかし、肺をできるだけ含まないようにナビゲータ領域を設定してもよい(図31参照)。
図31は、肺をできるだけ含まないように設定されたナビゲータ領域Rnav2の一例を概略的に示す図である。
ナビゲータ領域Rnav2のS側の大部分は心臓で占められており、ナビゲータ領域Rnav2のI側の大部分は肝臓で占められている。図31に示すようにナビゲータ領域Rnav2を設定しても、心拍情報および呼吸情報を得ることができるので、呼吸信号および心拍信号を得ることができる。ただし、ナビゲータ領域Rnav2には肺があまり含まれていないので、ナビゲータ領域Rnav2から得られたナビゲータデータに基づいてプロファイルを作成した場合、肝臓のエッジ付近で信号強度の急激な変化(例えば図13参照)が現れにくい可能性があり、肝臓のエッジ検出の精度が悪くなる恐れがある。したがって、肝臓のエッジ検出の精度を優先する場合には、図8および図24に示すようにナビゲータ領域Rnavを設定することが望ましい。
また、第1および第2の形態では、心拍信号を得るために、心臓を含むようにナビゲータ領域を設定している。しかし、心臓の代わりに、心臓の拍動の影響を受けて動く部位(例えば、心臓に繋がる血管)を含むようにナビゲータ領域を設定してもよい。ナビゲータ領域に、心臓の拍動の影響を受けて動く部位が含まれていれば、プロファイルに、心臓の動きを反映した信号が現れると考えられる。したがって、心臓の代わりに、心臓の拍動の影響を受けて動く部位(例えば、心臓に繋がる血管)を含むようにナビゲータ領域を設定することにより、心拍信号を得ることが可能となる。また、心臓と、心臓の拍動の影響を受けて動く部位との両方が含まれるように、ナビゲータ領域を設定してもよい。更に、本形態では、呼吸信号を得るために、肝臓のエッジを含むようにナビゲータ領域を設定している。しかし、肝臓のエッジの代わりに、呼吸の影響を受けて動く部位(例えば、被検体の腹部の体表面)を含むようにナビゲータ領域を設定してもよい。
尚、第1および第2の形態における心拍信号では、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1における信号値が、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2における信号値よりも大きい例が示されている(図19、図26参照)。しかし、ナビゲータ領域の設定位置や、被検体によっては、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1における信号値が、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2における信号値よりも小さくなることがある(図32参照)。
図32(a)は、図19の心拍信号Shb(心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1における信号値が、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2における信号値よりも大きい例)を示している。一方、図32(b)は他の心拍信号(心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1における信号値が、心臓の動きが小さいときの心位相の期間H2における信号値よりも小さい例)を示している。
図32(a)では、閾値THは式(2)を用いて算出すればよい。一方、図32(b)では、閾値THは以下の式を用いて求めればよい。
TH=Smax−(Smax−Smin)*0.3 ・・・(3)
図32(b)には、式(3)を用いて求められた閾値THが示されている。式(3)を用いることにより、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1を求めることができるので、心拍同期撮影を行うことができる。
図32(a)の心拍信号Shb1では、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1において信号値は大きい値になる。一方、図32(b)の心拍信号Shb2では、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1において信号値は小さい値になる。したがって、心臓の動きが大きいときの心位相の期間H1において、信号値は大きい値になるのか、それとも小さい値になるのかを判断することにより、心拍信号は、図32(a)に示す波形を有しているのか、それとも図32(b)に示す波形を有しているのか区別することができる。心拍信号が図32(a)に示す波形を有している場合、式(2)を用いて閾値THを決定すればよく、一方、心拍信号が図32(b)に示す波形を有している場合、式(3)を用いて閾値THを決定すればよい。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 コンピュータ
9 プロセッサ
10 記憶部
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 収容空間
91 領域設定手段
92 プロファイル作成手段
93 エッジ位置検出手段
94 加算値算出手段
95 スライス設定手段
96 ウインドウ設定手段
97 閾値設定手段
98 判断手段
99 トリガ発生手段
991 決定手段
100 MR装置

Claims (26)

  1. 呼吸により動く部位と心臓とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行するスキャン手段と、
    前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、
    前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める手段と、
    前記第1のプロファイルの心臓の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める手段と、
    を有する、磁気共鳴装置。
  2. 前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記第1のプロファイルの心臓の位置における信号値を含む第1の範囲を求め、前記第1の範囲に含まれる信号値に基づいて、前記心拍信号の信号値を求める、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  3. 前記スキャン手段は、第1のスキャンおよび第2のスキャンを実行し、
    前記第1のスキャンでは、前記第1のナビゲータシーケンスが実行され、
    前記第2のスキャンでは、前記第1の部位のナビゲータデータを取得するための第2のナビゲータシーケンスと、撮影部位の画像を取得するためのイメージングシーケンスとが実行される、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
  4. 前記プロファイル作成手段は、
    前記第2のナビゲータシーケンスにより取得されたナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第2のプロファイルを作成し、
    前記呼吸信号の信号値を求める手段は、
    前記第2のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて他の呼吸信号の信号値を求め、
    前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記第2のプロファイルの心臓の位置における信号値に基づいて、他の心拍信号の信号値を求める、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
  5. 前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記第2のプロファイルの心臓の位置における信号値を含む第2の範囲を求め、前記第2の範囲に含まれる信号値に基づいて、前記他の心拍信号の信号値を求める、請求項4に記載の磁気共鳴装置。
  6. 呼吸により動く部位と心臓の拍動により動く部位とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行するスキャン手段と、
    前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、
    前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める手段と、
    前記第1のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める手段と、
    を有する、磁気共鳴装置。
  7. 前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記第1のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値を含む第1の範囲を求め、前記第1の範囲に含まれる信号値に基づいて、前記心拍信号の信号値を求める、請求項6に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記スキャン手段は、第1のスキャンおよび第2のスキャンを実行し、
    前記第1のスキャンでは、前記第1のナビゲータシーケンスが実行され、
    前記第2のスキャンでは、前記第1の部位のナビゲータデータを取得するための第2のナビゲータシーケンスと、撮影部位の画像を取得するためのイメージングシーケンスとが実行される、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記プロファイル作成手段は、
    前記第2のナビゲータシーケンスにより取得されたナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第2のプロファイルを作成し、
    前記呼吸信号の信号値を求める手段は、
    前記第2のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて他の呼吸信号の信号値を求め、
    前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記第2のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値に基づいて、他の心拍信号の信号値を求める、請求項8に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記第2のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値を含む第2の範囲を求め、前記第2の範囲に含まれる信号値に基づいて、前記他の心拍信号の信号値を求める、請求項9に記載の磁気共鳴装置。
  11. 前記呼吸信号に基づいて、前記イメージングシーケンスを実行するか否かを判断するための呼吸位相の範囲を表すウインドウを設定するウインドウ設定手段を有する、請求項4、5、9、10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  12. 前記他の呼吸信号の信号値が前記ウインドウ内に入っているか否かを判断する判断手段を有する、請求項11に記載の磁気共鳴装置。
  13. 前記心拍信号に基づいて、第1の心位相を求めるための閾値を算出する算出手段を有する、請求項12に記載の磁気共鳴装置。
  14. 前記第1の心位相は、心臓の動きが大きいときの心位相である、請求項13に記載の磁気共鳴装置。
  15. 前記算出手段は、
    前記心拍信号の最小値と最大値との差に基づいて前記閾値を算出する、請求項13又は14に記載の磁気共鳴装置。
  16. 前記判断手段は、
    前記他の心拍信号の信号値が前記閾値よりも大きいか否か判断する、請求項15に記載の磁気共鳴装置。
  17. 前記他の心拍信号の信号値が前記閾値よりも大きいか否かの判断結果に基づいて、前記イメージングシーケンスを実行するためのトリガを発生するトリガ発生手段を有する、請求項16に記載の磁気共鳴装置。
  18. 前記第1の部位を特定するための領域を設定する設定手段を有する、請求項2〜5、7〜17のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  19. 前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記領域の前記第1の方向における基準位置に基づいて、前記第1の範囲を求める、請求項18に記載の磁気共鳴装置。
  20. 前記基準位置は、前記領域の前記第1の方向における中心位置である、請求項19に記載の磁気共鳴装置。
  21. 前記心拍信号の信号値を求める手段は、
    前記呼吸により動く部位の位置に基づいて、前記第1の範囲を求める、請求項2〜5、7〜17のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  22. 前記呼吸により動く部位は肝臓のエッジを含む、請求項1〜21のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  23. 前記第1の部位は肺を含む、請求項1〜22のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  24. 前記第1の部位は、心臓の拍動により動く部位を含む、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  25. 呼吸により動く部位と心臓とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成処理と、
    前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める処理と、
    前記第1のプロファイルの心臓の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  26. 呼吸により動く部位と心臓の拍動により動く部位とを含む第1の部位のナビゲータデータを取得するための第1のナビゲータシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記ナビゲータデータに基づいて、前記第1の部位の第1の方向における位置の信号値を表す第1のプロファイルを作成するプロファイル作成処理と、
    前記第1のプロファイルに基づいて、前記呼吸により動く部位の位置を求め、求めた位置を用いて呼吸信号の信号値を求める処理と、
    前記第1のプロファイルの心臓の拍動により動く部位の位置における信号値に基づいて、心拍信号の信号値を求める処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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