JP6719190B2 - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents

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本発明は、体動する部位に設定されたスライスからMR信号を収集する磁気共鳴装置、およびこの磁気共鳴装置に適用されるプログラムに関する。
体動補正を行う手法として、DCセルフナビゲータ法が知られている(非特許文献1参照)。
Brau et al., Magnetic Resonance in Medicine 55:263-270 (2006)
DCセルフナビゲータ法では、1つのRFパルスを用いて、被検体の呼吸情報を得るためのMR信号と、被検体の画像情報を得るためのMR信号とを収集することができる。したがって、DCセルフナビゲータ法では、呼吸情報を得るためのMR信号と画像情報を得るためのMR信号とを別々のRFパルスで収集した場合に起こるスピン飽和効果を考える必要はなく、フリップ角の大きいRFパルス(例えば、90°パルス)を用いた2D撮影に適している。
また、DCセルフナビゲータ法を用いた2D撮影では、被検体の呼吸運動によりスライスから得られるMR信号の大きさが変わることを利用して、被検体の呼吸信号を得ることができる。しかし、DCセルフナビゲータ法を用いた2D撮影では、被検体の呼吸運動とは別の要因でスライスから得られるMR信号が変化することがある。例えば、2DのT1強調SPGR(Spoiled Gradient)イメージングでは、MR信号は、定常状態に至るまでは急激に減少する。図29に、2DのT1強調SPGRイメージングにおけるMR信号の強度の時間変化を表す波形を示す。図29では、定常状態に至るまでに必要な時間PTの間は、MR信号が急激に減少している。したがって、時間PTの間は、MR信号が、被検体の呼吸運動が原因で減少しているのか、それとも、定常状態に至っていないことが原因で減少しているのか区別することができない。このような理由から、2DのT1強調SPGRイメージングでは、MR信号が定常状態に至るまで(時間PTの間)は呼吸情報の検出は行わず、MR信号が定常状態に至った後で、呼吸情報の検出が開始される。このように、MR信号が定常状態に至った後で、呼吸情報の検出を開始することにより、呼吸運動に起因したMR信号の変化を検出することができるので、被検体の呼吸情報の検出精度を高めることができる。しかし、呼吸情報の検出を開始するためには、時間PTが経過するまで待つ必要がある。図29では、時間PTは6TR(TR:繰り返し時間)に相当する時間長を有している。したがって、スキャンを開始してから、少なくとも6TRはデータ収集ができないので、スキャン時間が延長するという問題がある。
このような理由から、スキャン時間の延長を最小限にすることができる技術が望まれている。
本発明の第1の観点は、動く部位を含む第1の部位に設定された複数のスライスの各々からMR信号を収集する磁気共鳴装置であって、
前記複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段と、
前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算手段と、
前記計算手段により計算された前記特徴量の値に基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第2の観点は、動く部位を含む第1の部位に設定された複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算処理と、
前記計算処理により計算された前記特徴量の値に基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
複数のスライスの各々の位置に対応付けられた特徴量の値を用いることにより、各スライスの位置と各スライスにおける特徴量との関係が分かる。したがって、体動とは別の要因で各スライスから得られるMR信号の大きさが変化しても、体動信号の信号値を求めることができるので、スキャン時間の延長を最小限に抑えることができる。
本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。 処理装置9が実現する手段の説明図である。 第1の形態で実行されるスキャンの説明図である。 ローカライズスキャンLSの説明図である。 n枚のスライスを概略的に示す図である。 スライス間隔Fの説明図である。 本スキャンMSの説明図である。 シーケンスCのシーケンスチャートの一例を示す図である。 期間Pにおいてシーケンス群G(シーケンスC〜C2m)を実行するときの説明図である。 期間Pにおいてシーケンス群G(シーケンスC〜C2m)を実行するときの説明図である。 期間Pにおいてシーケンス群G(シーケンスC〜C2m)を実行するときの説明図である。 呼吸信号を作成するためのフローを示す図である。 期間Pにおいて得られたナビゲータデータa(z)に基づいて計算される特徴量の説明図である。 プロファイルの生成方法の説明図である。 肝臓の端部E1のz方向における位置の決定方法の原理の説明図である。 閾値thの計算方法の一例の説明図である。 期間Pにおいて得られたナビゲータデータa(z)に基づいて計算される特徴量の説明図である。 期間Pにおいて生成されたプロファイルを概略的に示す図である。 計算された閾値thを概略的に示す図である。 期間P〜Pごとに求められた呼吸信号の信号値を概略的に示す図である。 イメージングデータの受入れ、拒否を判断する方法の説明図である。 ky=32のイメージングデータb(z)〜b(z2m)再収集するときの説明図である。 第1の形態の方法を用いることにより得られた呼吸信号Sres1を示す図である。 期間Pの直前にシーケンス群Gを2回実行する本スキャンMSの例を示す図である。 第2の形態における肝臓の端部E1の位置の決定方法の説明図である。 肝臓の端部E1の位置z’を決定するための説明図である。 期間P〜Pごとに求められた呼吸信号Sres2の信号値を概略的に示す図である。 第2の形態の方法を用いることにより得られた呼吸信号Sres2を示す図である。 2DのT1強調SPGRイメージングにおけるMR信号の強度の時間変化を表す波形を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)1は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容される収容空間21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、RFコイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、RFコイル24はRFパルスを印加する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、被検体13を支持するクレードル3aを有している。クレードル3aは、収容空間21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13は収容空間21に搬送される。
受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置1は、更に、制御部5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、処理装置9、記憶部10、操作部11、および表示部12などを有している。
制御部5は、処理装置9から、後述するシーケンスで使用されるRFパルスおよび勾配パルスの波形情報や印加タイミングなどを含むデータを受け取る。そして、制御部5は、RFパルスのデータに基づいて送信器6を制御し、勾配パルスのデータに基づいて勾配磁場電源7を制御する。また、制御部5は、クレードル3aの移動の制御なども行う。尚、図1では、制御部5が、送信器6、勾配磁場電源7、クレードル3aなどの制御を行っているが、送信器6、勾配磁場電源7、クレードル3aなどの制御を複数の制御部で行ってもよい。例えば、送信器6および勾配磁場電源7を制御する制御部と、クレードル3aを制御する制御部とを別々に設けてもよい。
送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいて、RFコイル24に電流を供給する。
勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて、勾配コイル23に電流を供給する。
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号に対して、検波などの処理を行い、処理装置9に出力する。尚、マグネット2、受信コイル4、制御部5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
記憶部10には、処理装置9で読み取り可能なプログラムが記憶されている。尚、記憶部10は、ハードディスク、CD−ROMなどの非一過性の記憶媒体であってもよい。処理装置9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行するプロセッサとして動作する。処理装置9は、プログラムに記述されている処理を実行することにより、種々の手段を実現する。図2は、処理装置9が実現する手段の説明図である。
設定手段90はスライスを設定する。
画像生成手段91は、設定手段90により設定されたスライスの画像を生成する。
特徴量計算手段92は、MR信号A(図8参照)の特徴量の値を計算する。
プロファイル生成手段93は、各スライスの位置と特徴量計算手段92が計算した特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成する。
呼吸信号生成手段94は呼吸信号を生成する。呼吸信号生成手段94は、閾値計算手段941、特定手段942、および位置決定手段943などを有している。閾値計算手段941は、プロファイルに基づいて閾値th(図15参照)を計算する。特定手段942は、後述する式(3)を満たすときのスライスの位置を特定する。位置決定手段943は、肝臓の肺側の端部E1(図5参照)のz方向(頭尾方向)における位置を決定する。尚、呼吸信号生成手段94は、体動信号の信号値を求める手段に相当する。
判定手段95は、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも受入れを拒否するかを判定する。
MR装置1は、処理装置9を含むコンピュータを備えている。処理装置9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、設定手段90〜判定手段95などを実現する。尚、処理装置9は、一つのプロセッサで設定手段90〜判定手段95を実現してもよいし、2つ以上のプロセッサで、設定手段90〜判定手段95を実現してもよい。また、設定手段90〜判定手段95のうちの一部の手段を、制御部5で実行できるようにしてもよい。また、処理装置9が実行するプログラムは、一つの記憶部に記憶させておいてもよいし、複数の記憶部に分けて記憶させておいてもよい。
図1に戻って説明を続ける。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報を処理装置に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置1は、上記のように構成されている。
図3は、第1の形態で実行されるスキャンの説明図である。
第1の形態では、ローカライズスキャンLSと、本スキャンMSとが実行される。
図4は、ローカライズスキャンLSの説明図である。
ローカライザスキャンLSは、被検体の肺および肝臓を含む部位の画像LDを取得するためのスキャンである。ローカライザスキャンLSでは、アキシャル画像、サジタル画像、コロナル画像が取得される。図4では、ローカライザスキャンLSにより取得された画像LDの一例として、コロナル画像が示されている。図4において、x方向、y方向、およびz方向は、それぞれ、RL方向(左右方向)、AP方向(前後方向)、およびSI方向(頭尾方向)に対応している。
オペレータは、画像LDに基づいて、撮影部位にn枚のスライスを設定する。オペレータは、操作部11を操作し、n枚のスライスを設定するための情報を入力する。この情報が入力されると、設定手段90(図2参照)は、入力された情報に基づいて撮影部位にn枚のスライスを設定する。図5に、設定されたn枚のスライスを概略的に示す。第1の形態では、アキシャル面のスライスが設定された例が示されている。図5では、n=2m(mは自然数)、即ち、偶数枚のスライスを設定された例が示されているが、n=2m−1、即ち、奇数枚のスライスを設定してもよい。また、図5では、z方向における位置zに設定されたスライスをL(z)で示してある(iは1〜2mの整数)。スライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m−1)は、奇数番目のスライスであり、スライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m)は、偶数番目のスライスである。スライスL(z)〜L(z2m)は、肝臓の肺側(S側)の端部E1から肝臓のI側の端部E2(端部E1よりも肺から離れた端部E2)までの範囲を含む撮影部位に設定されている。スライスL(z)は、z方向における位置zに設定されており、スライスL(z2m)は、z方向における位置z2mに設定されている、残りのスライスは、スライスL(z)とスライスL(z2m)との間に位置している。図5では、肝臓の肺側の端部E1は、スライスL(z)とスライスL(z)との間に位置している。尚、スライスの中心と、その隣のスライスの中心との間の間隔(以下、「スライス間隔」と呼ぶ)は、符号「F」で示されている。図6は、スライス間隔Fの説明図である。スライス間隔Fは、スライス厚TとスペーシングSPとの和で表される。スペーシングSPは、隣り合うスライスとスライスとの間のギャップを表している。例えば、スライス厚T=8mm、スペーシングSP=1mmの場合、F=9mmとなる。図5では、スライスL(z)〜L(z2m)の各々を見やすくするため、各スライスは直線で示されている。スライス(z)〜L(z2m)を設定した後、本スキャンMSが実行される。
図7は本スキャンMSの説明図である。
本スキャンMSは、マルチスライス法により、2m枚のスライスL(z)〜L(z2m)の画像を取得するためのスキャンである。本スキャンMSでは、先ず、期間Pにおいて、シーケンス群Gが実行される。シーケンス群Gは、スライスL(z)〜L(z2m)の画像を取得するためのシーケンスC〜C2mを含んでいる。シーケンスC〜C2mのうちの前半のシーケンスC、C、C、・・・Cは、それぞれ、奇数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m−1)の画像を取得するためのシーケンスである。一方、シーケンスC〜C2mのうちの後半のシーケンスCm+1、Cm+2、Cm+3、・・・C2mは、それぞれ、偶数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m)の画像を取得するためのシーケンスである。
図8は、シーケンスCのシーケンスチャートの一例を示す図である。シーケンスCは、DCセルフナビゲータ法により、肝臓の端部E1の体動情報を得るためのMR信号Aと、スライスの画像情報を得るためのMR信号Bとを収集するように構成されている。
シーケンスCは、スライスL(z)を励起するためのRFパルスαを有している。また、勾配パルスが印加される軸を表すGx、Gy、およびGzは、それぞれ、図4におけるx方向、y方向、およびz方向に設定されている。
RFパルスαによってスライスL(z)が励起され、スライスL(z)の画像情報を得るためのMR信号Bが収集される。また、RFパルスαは、MR信号Bだけでなく、肝臓の端部E1の体動情報を得るためのMR信号Aを収集するためにも使用される。MR信号Aは、k空間の中心のデータを表しており、軸GxおよびGyの勾配パルスが印加される直前に設けられた待ち時間Twaitの間に収集される。待ち時間Twaitは、例えば20μsである。
シーケンスCを実行した後、スライスL(z)〜L(z2m)の画像を取得するためのシーケンスC〜C2mが順に実行される。シーケンスC〜C2mは、RFパルスαの励起周波数を除いて、シーケンスCと同じシーケンスチャートで表される。したがって、期間Pでは、シーケンスC〜C2mの各々を実行するたびに、MR信号AおよびMR信号Bが収集される。
図7に戻って説明を続ける。
期間Pにおいてシーケンス群Gを実行した後、次の期間Pにおいてシーケンス群Gが実行される。シーケンス群Gは、シーケンス群Gと同様に、シーケンスC〜C2mを含んでいる。したがって、期間Pでも、期間Pと同様に、奇数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m−1)のデータが順に収集され、その後に、偶数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m)のデータが順に収集される。ただし、シーケンス群GのシーケンスC〜C2mの位相エンコード量は、シーケンス群GのシーケンスC〜C2mの位相エンコード量とは異なる値に設定されている。
以下同様に、期間ごとに、シーケンスC〜C2mの位相エンコード量を変化させながら、シーケンスC〜C2mを含むシーケンス群が実行される。図7には、期間P〜Pにおいて実行されるシーケンス群G〜Gが示されている。尚、各期間の時間長は、繰り返し時間TRを表している。
次に、本スキャンMSによるk空間のデータ収集の順序(オーダリング)の一例について説明する。尚、以下では、説明の便宜上、ky=32〜ky=−32のビューのデータを収集する例について説明するが、データが収集されるビューは、ky=32〜ky=−32に限定されることはなく、例えば、ky=128〜ky=−128のビューのデータを収集してもよい。
本スキャンMSでは、先ず、期間Pにおいて、シーケンスC〜C2mが実行される(図9参照)。
図9は、期間Pにおいてシーケンス群G(シーケンスC〜C2m)を実行するときの説明図である。
シーケンス群Gを実行する場合、制御部5(図1参照)は、シーケンスC〜C2mに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、シーケンスC〜C2mに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、RFコイル24はRFパルスを印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加する。シーケンスC〜C2mが実行されることにより、スライスL(z)〜L(z2m)の各々から、MR信号AおよびBが発生する。MR信号AおよびBは受信コイル4(図1参照)で受信される。受信コイル4は、MR信号AおよびBを受信し、MR信号AおよびBの情報を含むアナログ信号を出力する。受信器8は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を行い、信号処理により得られたデータを処理装置9に出力する。
図9では、スライスL(z)(i=1〜2m)から得られたMR信号Aを信号処理することにより得られたデータ(以下、「ナビゲータデータ」と呼ぶ)が、符号「a(z)」で示されている。また、スライスL(z)から得られたMR信号Bを信号処理することにより得られたデータ(以下、「イメージングデータ」と呼ぶ)が、符号「b(z)」で示されている。ナビゲータデータa(z)は、スライスL(z)から得られたMR信号Aの情報を含んでおり、イメージングデータb(z)は、スライスL(z)から得られたMR信号Bの情報を含んでいる。
したがって、シーケンス群Gを実行することにより、スライスL(z)におけるナビゲータデータa(z)およびイメージングデータb(z)が得られる。
期間Pでは、最初に、スライスL(z)からMR信号AおよびBを収集するためのシーケンスCが実行される。したがって、スライスL(z)におけるナビゲータデータa(z)およびイメージングデータb(z)が最初に得られる。シーケンスCが実行された後、スライスL(z)からMR信号AおよびBを収集するためのシーケンスCが実行される。したがって、2番目に、スライスL(z)におけるナビゲータデータa(z)およびイメージングデータb(z)が得られる。シーケンスCを実行した後、シーケンスC、・・・Cが順に実行されるので、スライスL(z)におけるデータa(z)およびb(z)、・・・スライスL(z2m−1)におけるデータa(z2m−1)およびb(z2m−1)が順に収集される。
シーケンスCを実行した後、スライスL(z)からMR信号AおよびBを収集するためのシーケンスCm+1が実行される。したがって、スライスL(z)におけるデータa(z)およびb(z)が得られる。シーケンスCm+1が実行された後、スライスL(z)からMR信号AおよびBを収集するためのシーケンスCm+2が実行される。したがって、スライスL(z)におけるデータa(z)およびb(z)が得られる。シーケンスCm+2を実行した後、シーケンスCm+3、・・・C2mが順に実行されるので、スライスL(z)におけるデータa(z)およびb(z)、・・・スライスL(z2m)におけるデータa(z2m)およびb(z2m)が順に収集される。
期間Pのシーケンス群Gを実行することにより得られるイメージングデータb(z)は、k空間におけるky=32のラインのデータとして使用される。したがって、期間P(1TR)の間に、スライスL(z)〜L(z2m)のky=32のデータを収集することができる。図9では、スライスL(z)〜L(z2m)のうち、代表して、スライスL(z)、L(z2m−1)、L(z)、およびL(z2m)について、ky=32のデータが示されている。期間Pにおいてky=32のデータを収集した後、期間Pに移行する(図10参照)。
図10は期間Pにおいてシーケンス群G(シーケンスC〜C2m)を実行するときの説明図である。
期間Pも、期間Pと同様に、奇数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m−1)のデータが順に収集され、その後に、偶数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m)のデータが順に収集される。したがって、シーケンス群Gを実行することにより、スライスL(z)におけるナビゲータデータa(z)およびイメージングデータb(z)が得られる。期間Pのシーケンス群Gを実行することにより得られるイメージングデータb(z)〜b(z2m)は、k空間におけるky=31のラインのデータとして使用される。
期間Pでky=31のデータを収集した後も、残りのkyビューのデータを収集するために、各期間においてシーケンス群が実行される(図11参照)。
図11は期間Pにおいてシーケンス群G(シーケンスC〜C2m)を実行するときの説明図である。
期間Pも、期間Pと同様に、奇数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m−1)のデータが順に収集され、その後に、偶数番目のスライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m)のデータが順に収集される。したがって、シーケンス群Gを実行することにより、スライスL(z)におけるナビゲータデータa(z)およびイメージングデータb(z)が得られる。期間Pのシーケンス群Gを実行することにより得られるイメージングデータb(z)〜b(z2m)は、k空間におけるky=−32のラインのデータとして使用される。
上記のようにして、スライスL(z)〜L(z2m)のk空間のデータが得られる。画像生成手段91(図2参照)がk空間のデータをフーリエ変換することにより、各スライスの画像を得ることができる。
また、第1の形態では、各期間において得られたナビゲータデータa(z)に基づいて、被検体の呼吸信号を生成している。以下に、第1の形態において、どのようにして呼吸信号を生成しているかについて、図9および図10を参照しながら説明する。
先ず、図9を参照し、スライスL(z)〜L(z2m)のうち、肝臓の端部E1の側に設定されたスライスL(z)〜L(z)から得られたMR信号Aの違いについて考える。図9では、期間Pにおいてシーケンス群Gが実行された様子が示されている。期間Pでは、肝臓の端部E1は、スライスL(z)の位置と、スライスL(z)の位置との間に存在している。肝臓の端部E1側に設定されたスライスL(z)〜L(z)のうち、4つのスライスL(z)〜L(z)は肺を横切っているが、肝臓は横切っていない。肺は空気を含んでいるので、肺領域からの信号は低信号となる。したがって、スライスL(z)〜L(z)から得られたMR信号Aは肺の空気の影響で低信号となる。
一方、スライスL(z)〜L(z)のうち、2つのスライスL(z)およびL(z)は肺だけでなく肝臓も横切っている。したがって、スライスL(z)およびL(z)は、スライスL(z)〜L(z)よりも肺の空気の影響が小さいので、スライスL(z)およびL(z)のMR信号Aは、スライスL(z)〜L(z)のMR信号Aよりも高信号となる。
このように、スライスL(z)およびL(z)のMR信号Aは、スライスL(z)〜L(z)のMR信号Aよりも高信号となるので、スライスL(z)とスライスL(z)との間で、MR信号Aの信号値は急激に変化する。したがって、MR信号Aの信号値が急激に変化する位置を特定することにより、肝臓の端部E1のz方向における位置を求めることが可能となる。
次に、図10を参照し、肝臓の端部E1の側に設定されたスライスL(z)〜L(z)について考える。図10では、期間Pにおいてシーケンス群Gが実行された様子が示されている。期間Pでは、肝臓の端部E1は、スライスL(z)の位置と、スライスL(z)の位置との間に存在している。肝臓の端部E1側に設定されたスライスL(z)〜L(z)のうち、3つのスライスL(z)〜L(z)は肺を横切っているが、肝臓は横切っていない。肺は空気を含んでいるので、肺領域からの信号は低信号となる。したがって、スライスL(z)〜L(z)から得られたMR信号Aは肺の空気の影響で低信号となる。
一方、スライスL(z)〜L(z)のうち、残りの3つのスライスL(z)〜L(z)は肺だけでなく肝臓も横切っている。したがって、スライスL(z)〜L(z)は、スライスL(z)〜L(z)よりも肺の空気の影響が小さいので、スライスL(z)〜L(z)のMR信号Aは、スライスL(z)〜L(z)のMR信号Aよりも高信号となる。
このように、スライスL(z)〜L(z)のMR信号Aは、スライスL(z)〜L(z)のMR信号Aよりも高信号となるので、スライスL(z)とスライスL(z)との間で、MR信号Aの信号値は急激に変化する。したがって、MR信号Aの信号値が急激に変化する位置を特定することにより、肝臓の端部E1のz方向における位置を求めることが可能となる。
上記のように、図9(期間P)では、スライスL(z)とスライスL(z)との間で、MR信号Aの信号値は急激に変化するが、図10(期間P)では、スライスL(z)とスライスL(z)との間で、MR信号Aの信号値は急激に変化する。したがって、MR信号Aの信号値が急激に変化する位置は、呼吸運動による肝臓の端部E1の動きに応じてz方向に移動する。上記の説明では、期間Pおよび期間Pを取り上げて説明したが、他の期間でも、MR信号Aの信号値が急激に変化する位置は、呼吸運動による肝臓の端部E1の動きに依存する。したがって、本スキャンMSを実行することにより得られたナビゲータデータa(z)に基づいて、呼吸信号を生成することが可能となる。以下に、ナビゲータデータa(z)を用いて呼吸信号を作成する方法の一例について説明する。
図12は、呼吸信号を作成するためのフローを示す図である。
ステップST1では、特徴量計算手段92(図2参照)が、期間Pにおいて得られたナビゲータデータa(z)に基づいて、スライスL(z)から得られたMR信号Aの特徴量を計算する(図13参照)。
図13は、期間Pにおいて得られたナビゲータデータa(z)に基づいて計算される特徴量の説明図である。
第1の形態では、特徴量計算手段92が、スライスL(z)から得られたMR信号Aを表す波形の面積S(z)を、MR信号Aの特徴量として計算する。図13では、面積S(z)の例として、i=1、3、5、2m−1、2、4、6、2mにおける面積S(z)、S(z)、S(z)、S(z2m−1)、S(z)、S(z)、S(z)、S(z2m)が示されている。面積S(z)を計算した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、プロファイル生成手段93(図2参照)が、スライスL(z)の位置zと、スライスL(z)ごとに計算された面積S(z)の値との関係を表すプロファイルを生成する。以下に、プロファイルの生成方法について説明する。
図14は、プロファイルの生成方法の説明図である。
プロファイル生成手段93は、各スライスの位置zに、面積S(z)を対応付ける。
第1の形態では、シーケンスC〜C2mのうちの前半のシーケンスC〜Cを実行することにより、スライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m−1)における面積S(z)、S(z)、S(z)、・・・S(z2m−1)が得られる。プロファイル生成手段93は、スライスの位置z、z、z、・・・z2m−1に、それぞれ、面積S(z)、S(z)、S(z)、・・・S(z2m−1)を対応付ける。
また、シーケンスC〜C2mのうちの後半のシーケンスCm+1〜C2mを実行することにより、スライスL(z)、L(z)、L(z)、・・・L(z2m)における面積S(z)、S(z)、S(z)、・・・S(z2m)が得られる。プロファイル生成手段93は、スライスの位置z、z、z、・・・z2mに、それぞれ、面積S(z)、S(z)、S(z)、・・・S(z2m)を対応付ける。
したがって、プロファイル生成手段93は、スライスL(z)の位置zと面積S(z)の値との関係を表すプロファイルを生成することができる。プロファイルを生成した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、プロファイルに基づいて、肝臓の端部E1のz方向における位置を決定する。以下に、肝臓の端部E1のz方向における位置の決定方法の原理について説明する。
図15は、肝臓の端部E1のz方向における位置の決定方法の原理の説明図である。図15には、ステップST2で求めたプロファイルとスライスL(z)〜L(z2m)との対応関係が概略的に示されている。
肝臓の端部E1の近傍には、低信号の原因となる肺と、高信号の原因となる肝臓の組織が存在しているので、肝臓の端部E1の近傍では、面積S(z)の値は急激に変化する。第1の形態では、この点に着目し、肝臓の端部E1の位置を求めるための面積S(z)の閾値thを設定する。閾値thは、図15に示すように、面積S(z)が急激に変化する範囲W内に設定されるようにする。
図15では、位置z、z、z、およびzおける面積S(z)は、閾値thよりも小さいが、位置zにおける面積S(z)は、閾値thよりも大きい値になる。したがって、閾値thと面積S(z)の値とを比較することにより、位置zと位置zとの間で面積S(z)の値が大きく変化していることが分かる。この結果、位置z又はzを、肝臓の端部E1の位置として検出できることがわかる。
ステップST3では、上記の原理に基づいて、肝臓の端部E1の位置を検出する。以下に、ステップST3について、具体的に説明する。尚、ステップST3は、ステップST30、ST31、およびST32を有しているので、ステップST30、ST31、およびST32について順に説明する。
ステップST30では、閾値計算手段941(図2参照)が、プロファイルに基づいて、肝臓の端部E1の位置を検出するための面積S(z)の閾値thを計算する。
図16は、閾値thの計算方法の一例の説明図である。
第1の形態では、閾値計算手段941は、以下の式を用いて閾値thを計算する。
th=(Smax−Smin)EF+Smin ・・・(1)
式(1)において、Smaxは、プロファイルの面積S(z)(特徴量)の最大値であり、Sminは、プロファイルの面積S(z)(特徴量)の最小値である。また、EFは、閾値thを設定するための係数であり、EFの値は、スキャンを実行する前に予め決められている。閾値thは、最小値Sminから(Smax−Smin)EFだけ大きい値に設定される。したがって、閾値thは係数EFの値に依存することがわかる。係数EFの値は0<EF<1を満たすように設定される。係数EFの値が0に近くなるほど、閾値thはSminに近づき、係数EFの値が1に近くなるほど、閾値thはSmaxに近づく。
尚、係数EFの値を0に近づけすぎるとth≒Sminとなり、また、係数EFの値を1に近づけすぎるとth≒Smaxとなる。th≒Sminおよびth≒Smaxの場合、面積S(z)が急激に変化する範囲W内にthを設定することができないので、肝臓の端部E1の位置の検出誤差が大きくなる。したがって、係数EFの値は、閾値thが範囲W内に収まるように設定する必要がある。第1の形態では、被検体を撮影する前に、係数EFの値を求めるための実験を行い、実験結果を踏まえて、最適な係数EFの値が事前に決められている。例えば、係数EFを、0.35〜0.45の間の値に設定することができる。ここでは、EF=0.4に設定されているとする。したがって、閾値計算手段941は、以下の式を用いて閾値thを計算する。
th=(Smax−Smin)0.4+Smin ・・・(2)

閾値thを計算した後、ステップST31に進む。
ステップST31では、特定手段942(図2参照)が、以下の条件を満たすスライス位置を特定する。
S(z)≦th<S(zi+1) ・・・(3)
ここで、 S(z):スライスの位置zにおける面積
S(zi+1):スライスの位置zi+1における面積
th:閾値
i:1〜2m−1の間の整数
以下に、ステップST31において、式(3)を満たすスライスの位置zおよびzi+1を特定する方法について説明する。
先ず、ステップST31aにおいて、特定手段942はi=1に設定する。i=1に設定した後、ステップST31bに進む。
ステップST31bでは、特定手段942が、i=1における式(3)、即ち、S(z)≦th<S(z)を満たすか否かを判定する。図16では、S(z)およびS(z)の両方がthよりも小さい。したがって、i=1では、式(3)を満たさない。したがって、ステップST31cに進み、iをi=1からi=2にインクリメントし、ステップST31bに戻る。
ステップST31bでは、特定手段942が、i=2における式(3)、即ち、S(z)≦th<S(z)を満たすか否かを判定する。図16では、S(z)およびS(z)の両方がthよりも小さい。したがって、i=2では、式(3)を満たさない。したがって、ステップST31cに進み、iをi=2からi=3にインクリメントし、ステップST31bに戻る。
以下同様に、式(3)を満たすiが見つかるまで、iをインクリメントする。ここでは、i=4の場合、式(3)が成り立つ、つまり、S(z)≦th<S(z)が成り立つ。したがって、特定手段942は、位置zおよびzを、式(3)を満たす位置zおよびzi+1として特定する。位置を特定した後、ステップST32に進む。
ステップST32では、位置決定手段943(図2参照)が、式(3)を満たすときの位置zおよびzi+1に基づいて、肝臓の端部E1のz方向における位置を決定する。ここでは、i=4であるので、位置zおよびzに基づいて、肝臓の端部E1のz方向における位置を求める。第1の形態では、位置決定手段943は、位置zおよびzのうち、S(superior)側の位置を、肝臓の端部E1のz方向における位置と判定する。したがって、位置決定手段943は、位置zを、期間Pにおける肝臓の端部E1のz方向における位置と決定する。このようにして求められた位置zが、期間Pにおける呼吸信号の信号値として決定される。尚、位置zおよびzのうち、I(Inferior)側の位置zを、肝臓の端部E1のz方向における位置と判定してもよい。肝臓の端部E1の位置を検出した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、期間P〜期間Pの全ての期間において、肝臓の端部E1の位置が検出されたか否かが判定される。ここでは、まだ、期間Pにおける肝臓の端部E1の位置しか検出されていない。したがって、ステップST1に戻る。
ステップST1では、特徴量計算手段92が、期間Pにおいて得られたナビゲータデータa(z)に基づいて、スライスL(z)から得られたMR信号Aの特徴量を計算する(図17参照)。
図17は、期間Pにおいて得られたナビゲータデータa(z)に基づいて計算される特徴量の説明図である。
特徴量計算手段92は、スライスL(z)から得られたMR信号Aを表す波形の面積S(z)を、MR信号Aの特徴量として計算する。図17では、面積S(z)の例として、i=1、3、5、2m−1、2、4、6、2mにおける面積S(z)、S(z)、S(z)、S(z2m−1)、S(z)、S(z)、S(z)、S(z2m)が示されている。面積S(z)を計算した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、プロファイル生成手段93が、スライスL(z)の位置zと、スライスL(z)ごとに計算された面積S(z)との関係を表すプロファイルを生成する。図18に、期間Pにおいて生成されたプロファイルを概略的に示す。プロファイルを生成した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、先ず、ステップST30において、閾値計算手段941が、式(2)を用いて、肝臓の端部E1の位置を検出するための面積S(z)の閾値thを計算する。図19に、計算された閾値thを概略的に示す。閾値thを設定した後、ステップST31に進む。
ステップST31では、特定手段942が、式(3)の条件を満たすスライス位置を特定する。図19では、i=3の場合、式(3)が成り立つ、つまり、S(z)≦th<S(z)が成り立つ。したがって、特定手段942は、位置zおよびzを、式(3)を満たす位置zおよびzi+1として特定する。位置を特定した後、ステップST32に進む。
ステップST32では、位置決定手段943が、式(3)を満たすときの位置zおよびzi+1に基づいて、肝臓の端部E1のz方向における位置を決定する。ここでは、i=3であるので、位置zおよびzに基づいて、肝臓の端部E1のz方向における位置を求める。第1の形態では、位置決定手段943は、位置zおよびzのうち、S側の位置を、肝臓の端部E1のz方向における位置と判定する。したがって、位置決定手段943は、位置zを、期間Pにおける肝臓の端部E1のz方向における位置と決定する。このようにして求められた位置zが、期間Pにおける呼吸信号の信号値として決定される。肝臓の端部E1のz方向における位置を検出した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、期間P〜期間Pの全ての期間において、肝臓の端部E1の位置が検出されたか否かを判定する。ここでは、まだ、期間PおよびPにおける肝臓の端部E1の位置しか検出されていない。したがって、ステップST1に戻る。
以下同様に、期間P〜期間Pの全ての期間において、肝臓の端部E1の位置が検出されるまで、ステップST1〜ST4が繰り返し実行される。したがって、期間P〜Pごとに、呼吸信号の信号値を得ることができる。図20に、期間P〜Pごとに求められた呼吸信号の信号値を概略的に示す。図20から、肝臓の端部E1のz方向における位置が時間とともに変化していることが分かる。このようにして、呼吸信号Sres1が得られる。
尚、撮影部位は呼吸により体動するので、期間P〜Pで収集された全てのイメージングデータを画像再構成用のデータとして使用すると、画像に体動アーチファクトが現れる。そこで、第1の形態では、アーチファクトを軽減するため、呼吸信号Sres1に基づいて、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れるか、それとも、イメージングデータの受入れを拒否するかを判定している。以下に、その判定方法について説明する。
図21はイメージングデータの受入れ、拒否を判断する方法の説明図である。
判定手段95(図2参照)は、先ず、呼吸信号Sres1に基づいて、被検体の特定の呼吸位相に相当する呼吸信号の信号値を求める。ここでは、特定の呼吸位相として、息の吐き終わりの呼吸位相を考える。したがって、判定手段95は、呼吸信号Sres1に基づいて、息の吐き終わりの呼吸位相に相当する呼吸信号の信号値を求める。呼吸信号Sres1は、息の吐き終わりでは大きくなり、息の吸い終わりでは小さくなる傾向があるので、呼吸信号Sres1の信号値の時間変化を解析することにより、息の吐き終わりの呼吸位相に相当する呼吸信号の信号値を求めることができる。図21では、呼吸信号Sres1は、信号値x0とx1との間で増減を繰り返しているので、信号値x0が、息の吐き終わりの呼吸位相に相当する信号値と考えることができる。そこで、判定手段95は、信号値x0を、息の吐き終わりの呼吸位相に相当する信号値と決定する。次に、判定手段95は、信号値x0とx1との差ΔDを求め、信号値x0を中心として、差ΔDのy%(例えば、y=60)の範囲AWを設定する。このようにして設定された範囲AWを、イメージングデータを画像再構成用のデータとして受け入れる許容範囲AWと定める。ここでは、判定手段95は、呼吸信号の信号値が許容範囲AWに含まれている場合、イメージングデータを受け入れると判断し、一方、呼吸信号の信号値が許容範囲AWに含まれていない場合、イメージングデータを拒否すると判断する。図21を参照すると、期間Pにおける信号値は許容範囲AWに含まれていないので、期間Pに収集されたイメージングデータb(z)〜b(z2m)(図13参照)は拒否される。一方、期間Pの信号値は許容範囲AWに含まれているので、期間Pに収集されたイメージングデータb(z)〜b(z2m)(図17参照)は受け入れると判断される。以下同様に、各期間の信号値が許容範囲AWに含まれているか否に応じて、イメージングデータを受け入れるか拒否するかを判断する。信号値が許容範囲AWに含まれている場合、肝臓の端部E1の位置のばらつきは十分に小さいと考えられるので、信号値が許容範囲AWに含まれているイメージングデータを受け入れることにより、体動アーチファクトを軽減することができる。
ただし、第1の形態では、ky=−32〜32のイメージングデータを用いて画像を再構成する必要がある。そこで、拒否されたイメージングデータは、期間Pの後で再収集する。例えば、期間Pでは、呼吸信号の信号値は許容範囲AWの外側であるので、期間Pにおいて収集されたky=32のデータは拒否される。そこで、期間Pが終了した後、次の期間PV+1で、スライスL(z)〜L(z2m)からky=32のイメージングデータb(z)〜b(z2m)を再収集する(図22参照)。
図22は、ky=32のイメージングデータb(z)〜b(z2m)を再収集するときの説明図である。
期間PV+1では、ky=32のイメージングデータを収集するためのシーケンスC〜C2mを含むシーケンス群GV+1が実行される。シーケンスC〜C2mを実行することにより、ナビゲータデータa(z)〜a(z2m)とイメージングデータb(z)〜b(z2m)とが再収集される。
そして、再収集されたナビゲータデータa(z)〜a(z2m)を用いて、図12に示すフローに従ってプロファイルを生成し、プロファイルに基づいて肝臓の端部E1の位置を求める。このようにして、期間PV+1における呼吸信号の信号値を得ることができる。期間PV+1における呼吸信号の信号値を得た後、判定手段95は、期間PV+1において得られた呼吸信号の信号値が許容範囲AW(図21参照)に含まれているか否かを判断する。信号値が許容範囲AWに含まれていない場合は、期間PV+1において得られたky=32のイメージングデータは拒否される。この場合、次の期間PV+2において、ky=32のイメージングデータを収集するためのシーケンスが再度実行される。したがって、呼吸信号の信号値が許容範囲AWに含まれるまでシーケンスC〜C2mが繰り返し実行される。
一方、期間PV+1において得られた信号値が許容範囲AWに含まれている場合は、期間PV+1において得られたky=32のイメージングデータを、画像再構成用のデータとして受け入れる。そして、次の期間PV+2において、拒否された他のイメージングデータ(例えば、期間P13(図21参照)において収集されたイメージングデータ)を再収集するためのシーケンス群が実行される。
このようにして、呼吸信号の信号値が許容範囲AWに含まれているときにky=−32〜32のイメージングデータが収集されるまで、イメージングデータの再収集を行う。画像再構成に必要な全てのイメージングデータが収集されたら、画像生成手段91(図2参照)は、k空間のデータをフーリエ変換し、各スライスの画像を生成する。したがって、体動アーチファクトが低減された画像を得ることができる。
第1の形態では、各スライスから得られたMR信号Aの特徴量を計算し、特徴量(面積)が大きく変化するスライスの位置を特定する。肝臓の端部E1の近傍では、特徴量が急激に変化するので、特徴量(面積)が大きく変化するスライスの位置を特定することにより、肝臓の端部E1の位置を検出することができる。
また、MR信号Aの信号値が急激に変化する位置は、呼吸運動による肝臓の端部E1の動きに応じてz方向に移動する。したがって、期間ごとにプロファイルを生成し、プロファイルごとに肝臓の端部E1の位置を検出することにより、スキャンが実行されている間の呼吸信号Sres1(図20参照)を生成することもできる。
次に、第1の形態の方法を用いた場合に実際に得られる呼吸信号を確認するために、実際にスキャンを実行し、図12のフローに従って呼吸信号を求めた。以下に、実際に得られた呼吸信号の一例を示す。
図23は、第1の形態の方法を用いることにより得られた呼吸信号Sres1を示す図である。図23には、時系列的に並ぶ多数のプロファイルのデータを表すデータセットD1が示されている。データセットD1の横軸は期間P〜P(時間軸)を表しており、データセットD1の縦軸はスライスL(z)のz方向における位置zを表している。縦軸の上側が肺側のスライスの位置を表しており、縦軸の下側が肝臓側のスライスの位置を表している。図23では、プロファイルの信号値(面積S(z)の値)の違いを、白黒の濃淡で示してある。白に近いほど、信号値は大きいことを意味しており、黒に近いほど、信号値は小さいことを意味している。プロファイルごとに検出された肝臓の端部E1の位置を繋ぐことにより、呼吸信号Sres1が得られる。
図23を参照すると、スキャン直後の時間PT1では、呼吸信号Sres1は不安定であるが、時間PT1以降は、呼吸信号Sres1は周期的に増減しており、被検体の呼吸情報が得られていることが分かる。また、図23では、時間PT1は2TRであるので、スキャンを開始してから2TRが経過した後は、呼吸信号が安定していることがわかる。また、時間PT1は、図29に示した時間PTと比較すると、4TRほど短くなっている。したがって、第1の形態の方法は、図29において説明した方法よりも、呼吸信号が早く安定するので、スキャン時間の延長を最小限に抑えることができる。
尚、図23に示す実験結果によれば、呼吸信号が安定するまでに、2TRの時間長を必要としている。したがって、本スキャンMSを実行する場合は、期間Pの直前に、呼吸信号を安定させるためのシーケンスC〜C2mを含むシーケンス群を2回実行することが望ましい。図24に、期間Pの直前に、呼吸信号を安定させるためのシーケンスC〜C2mを含むシーケンス群Gを2回実行する本スキャンMSの例を示す。
1回のシーケンス群Gの時間長は1TRなので、シーケンス群Gを2回実行することにより、2TRの時間が経過する。したがって、2TR分のシーケンス群Gを実行することにより、呼吸信号を安定させることができる。シーケンス群Gで得られるナビゲータデータおよびイメージングデータは破棄し、シーケンス群Gを2回実行した後で、シーケンス群G〜Gを実行することにより、高品質な呼吸信号および画像を得ることができる。
(2)第2の形態
第1の形態では、式(3)を満たすときのスライスの位置zおよびzi+1を特定し、スライスの位置zおよびzi+1のうち、S側の位置zを、肝臓の端部E1の位置として検出している。しかし、スライス間隔F(図6参照)が広くなるほど、プロファイルのz方向の解像度が低くなるので、スライス間隔Fが広い場合、肝臓の端部E1の位置の検出精度が低くなることがある。そこで、第2の形態では、スライス間隔Fが広い場合でも、肝臓の端部E1の位置の検出精度を高くすることができる方法について説明する。
尚、第2の形態のMR装置は、第1の形態のMR装置と比較すると、位置決定手段943が後述する式(6)を用いて肝臓の位置を決定している点が異なっているが、その他の構成は、第1の形態のMR装置と同じである。したがって、第2の形態では、肝臓の位置の決定方法について重点的に説明する。
図25は、第2の形態における肝臓の端部E1の位置の決定方法の説明図である。
図25の上側には、スライスL(z)〜L(z2m)と肝臓との位置関係が概略的に示されている。肝臓の端部E1は、スライスL(z)の位置zとスライスL(zi+1)の位置zi+1との間に存在している。また、スライスL(z)およびスライスL(zi+1)は拡大して示されている。
図25の下側には、スライスL(z)の位置zにおける面積S(z)と、スライスL(zi+1)の位置zi+1における面積S(zi+1)とが示されている。点dは、位置zにおける面積S(z)を表しており、点di+1は、位置zi+1における面積S(zi+1)を表している。また、閾値thは、式(2)を用いて計算されている。
図25において、点dとdi+1とを結ぶ直線を「h1」、閾値thを表す直線を「h2」、および面積の最小値Sminを表す直線を「h3」とする。そして、直線h1とh2との交点Q1に対応するスライスのz方向における位置を「z’」とし、直線h1とh3との交点Q2に対応するスライスのz方向における位置を「z」とする。
第1の形態では、位置zが、肝臓の端部E1の位置として検出されたが、第2の形態では、位置z’を肝臓の端部E1の位置として検出する。以下に、位置z’の検出方法について説明する。
先ず、位置zとz’との間の長さΔzについて考える。第2の形態では、Δzとスライス間隔Fとの間に、以下の関係が成り立つと仮定する。
Δz=F ・・・(4)
式(4)が成り立つ場合、位置zとz’との間の位置ずれ量Δzは、以下の式で表すことができる。
したがって、位置z’は、以下の式で表すことができる。
第1の形態では、位置zを肝臓の端部E1の位置として検出し、呼吸信号を求めたが、第2の形態では、式(6)で表される位置z’を、肝臓の端部E1の位置として検出し、呼吸信号を求める。
以下に、第2の形態において呼吸信号を求める方法について、図12のフローを参照しながら説明する。
尚、図12のフローのステップST1およびST2は、第1の形態と同じであるので、説明は省略する。ステップST2を実行することにより、プロファイルが得られる(図14参照)。プロファイルを得た後、ステップST3に進む。
ステップST3では、先ず、ステップST30において、閾値計算手段941が閾値thを計算する(図16参照)。閾値thを計算した後、ステップST31に進む。
ステップST31では、式(3)を満たす位置zおよびzi+1を特定する。図16に示すプロファイルを参照すると、i=4の場合、式(3)が成り立つ、つまり、S(z)≦th<S(z)が成り立つ。したがって、特定手段942は、zおよびzを、式(3)を満たす位置zおよびzi+1として特定する。位置を特定した後、ステップST32に進む。
ステップST32では、位置決定手段943が、肝臓の端部E1の位置z’を決定する。図26は、肝臓の端部E1の位置z’を決定するための説明図である。
先に説明したように、第2の形態では式(6)を用いて、肝臓の端部E1の位置z’を決定する。ここでは、i=4であるので、式(6)は、以下の式で表される。
式(7)のz、th、Smin、およびS(z)は、全て既知の値である。したがって、位置決定手段943は、式(7)を用いることにより、位置z’を計算することができる。位置決定手段943は、位置z’を、期間Pにおける肝臓の端部E1のz方向における位置と決定する。第2の形態では、このようにして求められた位置z’が、期間Pにおける呼吸信号の信号値として決定される。肝臓の端部E1の位置を検出した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、期間P〜期間Pの全ての期間において、肝臓の端部E1の位置が検出されたか否かを判定する。ここでは、まだ、期間Pにおける肝臓の端部E1の位置しか検出されていない。したがって、ステップST1に戻る。
以下同様に、期間P〜期間Pの全ての期間において、肝臓の端部E1の位置が検出されるまで、ステップST1〜ST4が繰り返し実行される。したがって、期間P〜Pごとに、呼吸信号の信号値を得ることができる。図27に、期間P〜Pごとに求められた呼吸信号Sres2の信号値を概略的に示す。呼吸信号Sres2は、呼吸信号Sres1(図20参照)と比較すると、肝臓の端部E1の動きが、より反映されていることがわかる。
次に、第2の形態の方法を用いた場合に実際に得られる呼吸信号を確認するために、実際にスキャンを実行し、呼吸信号を求めた。以下に、実際に得られた呼吸信号を示す。
図28は、第2の形態の方法を用いることにより得られた呼吸信号Sres2を示す図である。
図28には、時系列的に並ぶ多数のプロファイルのデータを表すデータセットD2が示されている。プロファイルごとに検出された肝臓の端部E1の位置を繋ぐことにより、呼吸信号Sres2が得られる。図28を参照すると、呼吸信号Sres2はスキャン開始直後から安定していることがわかる。また、呼吸信号Sres2は、呼吸信号Sres1(図20参照)よりも滑らかに変化しており、肝臓の端部E1の動きが、より反映されていることがわかる。
尚、第1および第2の形態では、本スキャンMSにより得られた呼吸信号に基づいて、許容範囲AWを設定している。しかし、本スキャンMSの前に、シーケンスC〜C2mを有するシーケンス群が繰り返し実行されるプレスキャンを行い、第1又は第2の形態で説明した方法で呼吸信号を生成し、プレスキャンにより得られた呼吸信号に基づいて許容範囲AWを求めてもよい。第1および第2の形態の方法で呼吸信号を求めることにより、プレスキャンのスキャン時間を短縮することもできる。
第1および第2の形態では、n枚のスライスの各々から得られた特徴量S(z)を用いてプロファイルを生成している。しかし、肝臓の端部E1の動きを検出することができるのであれば、n枚のスライスから得られた全ての特徴量S(z)を用いてプロファイルを生成する必要はない。例えば、スライスL(z)〜L(z2m)のうち、肝臓のI側の部位(端部E1よりも肺から離れた端部E2を含む部位)に設定されたスライスから得られた特徴量S(z)(例えば、スライスL(z2m−3)、L(z2m−2)、L(z2m−1)、L(z2m)の特徴量S(z2m−3)、S(z2m−2)、S(z2m−1)、S(z2m))は、肝臓の端部E1の動きを検出する上では不要である(図16および図19参照)。したがって、スライスL(z)〜L(z2m)のうち、スライスL(z2m−3)〜L(z2m)を除いた残りのスライスL(z)〜L(z2m−4)のスライスから得られた特徴量S(z)のみを用いて、プロファイルを生成し、肝臓の端部E1の位置を求めてもよい。
第1および第2の形態では、MR信号Aの特徴量として、MR信号Aの面積を求めている。しかし、MR信号Aの特徴量は、面積に限定されることはなく、MR信号Aの信号強度の情報を表すことができるのであれば、面積以外の値を求めてもよい。例えば、MR信号Aの面積の代わりに、MR信号Aの信号強度の最大値を用いてもよい。
第1および第2の形態では、設定手段90は、操作部11から入力された情報に基づいてn枚のスライスを設定している。しかし、設定手段90は、スライス自動設定技術を用いてn枚のスライスを設定してもよい。
第1のおよび第2の形態では、特定手段942は、S(z)≦th<S(zi+1)(式(3)参照)を満たすスライスの位置zおよびzi+1を特定している。しかし、式(3)の代わりに、S(z)<th≦S(zi+1)又はS(z)<th<S(zi+1)を満たすスライスの位置zおよびzi+1を特定してもよい。
第1および第2の形態では、シーケンシャルオーダーでk空間のデータを収集する例について説明したが、シーケンシャルオーダーとは別のオーダリング(例えば、セントリックオーダー)でk空間のデータを収集してもよい。
第1および第2の形態では、アキシャル面のスライスが設定された例について説明されている。しかし、本発明は、アキシャル面のスライスに限定されることはなく、サジタル面、コロナル面、又はオブリーク面のスライスを設定する場合にも適用することができる。
第1および第2の形態では、シーケンスの軸Gx、Gy、およびGz(図8参照)は、それぞれ、x方向、y方向、およびz方向(図4参照)に設定されている。しかし、必ずしも、軸Gx、Gy、およびGzを、それぞれ、x方向、y方向、およびz方向に設定する必要はない。例えば、軸Gx、Gy、およびGzを、y方向、z方向、およびx方向に設定してもよいし、軸Gx、Gy、およびGzを、z方向、x方向、およびy方向に設定してもよい。
第1および第2の形態では、1回のシーケンスで2つのMR信号AおよびBを収集するDCセルフナビゲータ法の例について説明されている。しかし、本発明は、1回のシーケンスでMR信号Aのみを収集する手法にも適用することができる。
第1および第2の形態では、肝臓を撮影する場合について説明されている。しかし、本発明は、肝臓を撮影する場合に限定されることはなく、肝臓以外の体動する部位(例えば、心臓)を撮影する場合にも適用することができる。例えば、心臓を撮影する場合、シーケンスを実行することにより収集されたナビゲータデータに基づいてプロファイルを生成することにより、被検体の心拍による体動情報を含む信号を得ることができる。したがって、心臓の動きによるアーチファクトを低減することができる。このように、本発明において求める体動信号の信号値は、被検体の呼吸情報を含む呼吸信号の信号値に限定されることはなく、他の体動信号の信号値(例えば、被検体の心拍情報を含む心拍信号の信号値)を求める場合にも適用することができる。
1 MR装置
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 制御部
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 処理装置
10 記憶部
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 収容空間
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 RFコイル
90 設定手段
91 画像生成手段
92 特徴量計算手段
93 プロファイル生成手段
94 呼吸信号生成手段
95 判定手段
941 閾値計算手段
942 特定手段
943 位置決定手段

Claims (16)

  1. 被検体の動く部位を含む第1の部位に設定され第1の方向に並ぶ複数のスライスの各々からMR信号を収集する磁気共鳴装置であって、
    前記複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段と、
    前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算手段と、
    前記複数のスライスの各々の前記第1の方向における位置と、前記スライスごとに計算された前記特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成するプロファイル生成手段と、
    前記プロファイルに基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める手段と、
    を有し、
    前記信号値を求める手段は、
    以下の関係式が成り立つか否かを判断し、その判断結果に基づいて前記体動信号の信号値を求める、磁気共鳴装置。
    S(zi)≦th<S(zi+1)
    ここで、zi:前記複数のスライスのうちの一つのスライスの前記第1の方向における位置
    zi+1:前記一つのスライスの隣のスライスの前記第1の方向における位置
    S(zi):位置ziにおける前記特徴量の値
    S(zi+1):位置zi+1における前記特徴量の値
    th:前記第1の方向における位置を求めるための閾値
  2. 被検体の動く部位を含む第1の部位に設定され第1の方向に並ぶ複数のスライスの各々からMR信号を収集する磁気共鳴装置であって、
    前記複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段と、
    前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算手段と、
    前記複数のスライスの各々の前記第1の方向における位置と、前記スライスごとに計算された前記特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成するプロファイル生成手段と、
    前記プロファイルに基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める手段と、
    を有し、
    前記信号値を求める手段は、
    以下の関係式が成り立つか否かを判断し、その判断結果に基づいて前記体動信号の信号値を求める、磁気共鳴装置。
    S(zi)<th≦S(zi+1)
    ここで、zi:前記複数のスライスのうちの一つのスライスの前記第1の方向における位置
    zi+1:前記一つのスライスの隣のスライスの前記第1の方向における位置
    S(zi):位置ziにおける前記特徴量の値
    S(zi+1):位置zi+1における前記特徴量の値
    th:前記第1の方向における位置を求めるための閾値
  3. 被検体の動く部位を含む第1の部位に設定され第1の方向に並ぶ複数のスライスの各々からMR信号を収集する磁気共鳴装置であって、
    前記複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行するスキャン手段と、
    前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算手段と、
    前記複数のスライスの各々の前記第1の方向における位置と、前記スライスごとに計算された前記特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成するプロファイル生成手段と、
    前記プロファイルに基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める手段と、
    を有し、
    前記信号値を求める手段は、
    以下の関係式が成り立つか否かを判断し、その判断結果に基づいて前記体動信号の信号値を求める、磁気共鳴装置。
    S(zi)<th<S(zi+1)
    ここで、zi:前記複数のスライスのうちの一つのスライスの前記第1の方向における位置
    zi+1:前記一つのスライスの隣のスライスの前記第1の方向における位置
    S(zi):位置ziにおける前記特徴量の値
    S(zi+1):位置zi+1における前記特徴量の値
    th:前記第1の方向における位置を求めるための閾値
  4. 前記信号値を求める手段は、
    前記関係式が成り立つか否かを判定し、前記関係式が成り立たないと判定した場合、前記特徴量の値S(zi)およびS(zi+1)に含まれるiの値をインクリメントし、前記一つの関係式が成り立つか否かを判定する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  5. 前記信号値を求める手段は、
    前記関係式が成り立つ場合、前記位置ziおよびzi+1のうちのいずれか一方の位置に基づいて、前記動く部位の位置を決定する位置決定手段を有し、
    前記位置決定手段により決定された前記動く部位の位置が、前記体動信号の信号値として決定される、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記位置決定手段は、
    前記関係式が成り立つ場合、前記位置ziおよびzi+1のうちのいずれか一方の位置を、前記動く部位の位置と決定する、請求項5に記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記位置決定手段は、
    前記関係式が成り立つ場合、前記位置ziおよびzi+1のうちのいずれか一方の位置における前記特徴量の値と前記閾値との差に基づいて、前記動く部位の位置を決定する、請求項に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記位置決定手段は、
    前記差に基づいて、前記一方の位置と前記動く部位の位置との間の位置ずれ量を計算し、前記一方の位置から前記位置ずれ量だけずれた位置を、前記動く部位の位置として決定する、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記第1の部位と前記第1の部位に隣接する第2の部位とを含む撮影部位に、n枚のスライスを設定する設定手段を有する、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記n枚のスライスは、前記第1の部位に設定された前記複数のスライスと、前記第2の部位に設定された1枚以上のスライスとを含んでいる、請求項9に記載の磁気共鳴装置。
  11. 前記撮影部位は肝臓を含んでおり、
    肝臓は、肺側に位置する第1の端部と、前記第1の端部よりも肺から離れた第2の端部とを有しており、
    前記第1の部位は、肝臓の前記第1の端部を含んでおり、前記第2の部位は、肝臓の前記第2の端部を含んでいる、請求項9又は10に記載の磁気共鳴装置。
  12. 前記シーケンスは、前記複数のスライスの各々から、前記第1のMR信号の他に、前記被検体の画像情報を得るための第2のMR信号を収集するためのシーケンスである、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  13. 前記体動信号は、呼吸情報を含む呼吸信号、又は心拍情報を含む心拍信号である、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  14. 被検体の動く部位を含む第1の部位に設定され第1の方向に並ぶ複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算処理と、
    前記複数のスライスの各々の前記第1の方向における位置と、前記スライスごとに計算された前記特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成するプロファイル生成処理と、
    前記プロファイルに基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
    前記信号値を求める処理は、
    以下の関係式が成り立つか否かを判断し、その判断結果に基づいて前記体動信号の信号値を求める、プログラム。
    S(zi)≦th<S(zi+1)
    ここで、zi:前記複数のスライスのうちの一つのスライスの前記第1の方向における位置
    zi+1:前記一つのスライスの隣のスライスの前記第1の方向における位置
    S(zi):位置ziにおける前記特徴量の値
    S(zi+1):位置zi+1における前記特徴量の値
    th:前記第1の方向における位置を求めるための閾値
  15. 被検体の動く部位を含む第1の部位に設定され第1の方向に並ぶ複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算処理と、
    前記複数のスライスの各々の前記第1の方向における位置と、前記スライスごとに計算された前記特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成するプロファイル生成処理と、
    前記プロファイルに基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
    前記信号値を求める処理は、
    以下の関係式が成り立つか否かを判断し、その判断結果に基づいて前記体動信号の信号値を求める、プログラム。
    S(zi)<th≦S(zi+1)
    ここで、zi:前記複数のスライスのうちの一つのスライスの前記第1の方向における位置
    zi+1:前記一つのスライスの隣のスライスの前記第1の方向における位置
    S(zi):位置ziにおける前記特徴量の値
    S(zi+1):位置zi+1における前記特徴量の値
    th:前記第1の方向における位置を求めるための閾値
  16. 被検体の動く部位を含む第1の部位に設定され第1の方向に並ぶ複数のスライスの各々から、前記被検体の体動情報を得るための第1のMR信号を収集するためのシーケンスを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記スライスごとに、前記第1のMR信号の特徴量を計算する計算処理と、
    前記複数のスライスの各々の前記第1の方向における位置と、前記スライスごとに計算された前記特徴量の値との関係を表すプロファイルを生成するプロファイル生成処理と、
    前記プロファイルに基づいて、前記動く部位の動きを表す体動信号の信号値を求める処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
    前記信号値を求める処理は、
    以下の関係式が成り立つか否かを判断し、その判断結果に基づいて前記体動信号の信号値を求める、プログラム。
    S(zi)<th<S(zi+1)
    ここで、zi:前記複数のスライスのうちの一つのスライスの前記第1の方向における位置
    zi+1:前記一つのスライスの隣のスライスの前記第1の方向における位置
    S(zi):位置ziにおける前記特徴量の値
    S(zi+1):位置zi+1における前記特徴量の値
    th:前記第1の方向における位置を求めるための閾値
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