JP5116257B2 - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

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本発明は、磁気共鳴撮影(以下、MRI)装置において、プリサチレーションパルスとして反転パルスを印加後、所定の待ち時間TI後に画像を撮影する撮影技術に関する。詳細には、上記TIを簡便に最適化するための技術に関する。
MRIにおいて反転パルスを印加する目的の一つに、脂肪や脳脊髄液の信号抑圧が挙げられる。反転パルス印加後、信号の抑圧すべき部位や臓器の信号強度を画像上でゼロとする時(null time)に画像撮影を開始することにより、これら部位や臓器以外の部位を相対的に高い信号で撮影することができる。null timeは、信号の抑圧対象となる臓器や静磁場強度に依存して変化するので、反転パルス印加から画像撮影開始までの時間間隔TIをnull timeと一致させる技術が、信号を十分に抑圧する上で重要になる。
撮影条件TI値の決定に関わる技術として、以下の2つが知られている。
方法(1):標準的なTI値をデータベース化する。
方法(2):反転パルス印加からの時間の異なる画像を用いてTIを決定する。
方法(1)は、脂肪抑圧を目的とした場合のTI値、脳脊髄液抑圧を目的とした場合のTI値を、撮影条件としてデータベースに事前登録する方法である。検査毎にnull timeを計測する必要がないため、検査時間が延長されない利点を有する。一方で、個体差には対応できないため、信号抑圧効果が十分に得られない場合がある。
方法(2)の代表的な適用例として、非特許文献1、特許文献1および特許文献2に開示された技術が挙げられる。
International Society of Magnetic Resonancein Medicine, vo1.1, p219(2002) 特開2004-305454号公報 特開平06-090917号公報
非特許文献1や特許文献1に記載された技術(以下、従来技術1という)は、心臓の遅延造影計測におけるnull time計測技術であり、梗塞部位のない、正常な心筋のゼロ時間を計測する調整スキャンを実施する。心電図と同期して反転パルスを印加し、予め設定した待ち時間TI後に多心時相の画像を撮影する。撮影された各心時相の画像は反転パルス印加からの経過時間が異なるので、各心時相画像の正常心筋の信号強度に注目し、その信号強度がゼロとなる心時相を選択する。選択された心時相と反転パルスとの時間間隔を正常心筋のnull timeとし、後続する本計測における撮影条件TI値として反映する。従来技術1は、個体差への対応可能の利点を有する一方で、調整スキャンに要する時間が数分に及ぶ場合がある。この所要時間は本撮影と同程度であり、短時間化が望まれていた。
特許文献2に記載された技術(以下、従来技術2という)は、反転パルスを印加後、低フリップ角のグラディエントエコーシーケンスを実行する技術である。ここで、グラディエントエコーシーケンスは所定の時間間隔で複数回繰り返され、かつ各回の位相エンコード量はゼロである。取得されたMR信号の信号強度の比較によりnull timeを検出する。従来技術2においてはぜロエンコードデータのみを取得するのでnull timeを検出時間は短縮可能であるが、励起した平面内でMR信号が平均化されるため、特定部位・臓器のnull timeを高精度に導出することは困難であった。
そこで本発明は、反転パルスを用いたMRIにおいて、null time導出のための調整スキャンを短時間かつ高精度に実行できるMRI装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、null timeを計測する領域を限られた小領域に限定し、当該小領域から位相エンコードを印加せずに信号を取得し、これをもとにnull timeを計測する。このため本発明のMRI装置は、上記小領域を指定するための領域指定手段と、指定された小領域から、反転パルス印加からの経過時間の異なる複数のMR信号を取得する手段とを備える。さらに本発明のMRI装置は、取得した複数のMR信号をもとにユーザーが最適なTI設定を行なうためのグラフ、すなわち信号強度と経過時間との関係を示すグラフを表示させる手段を備える。或いは取得した複数のMR信号を用いて、信号強度が最小となる経過時間を算出し、当該時間を、反転パルスを用いた撮影シーケンスの反転時間として設定する手段を備える。
null timeを計測する領域を限定し、限定された領域の励起、信号計測によってnull timeを計測することにより、短時間で且つ高精度で目的とする部位・臓器のnull timeを決定することが可能となる。これにより反転パルスを用いた撮影において最適TIを設定でき、良質な画像を得ることができる。
以下、本発明のMRI装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の機器構成を示す図である。このMRI装置は、静磁場を発生する磁石101、患者などの撮影対象102を載せるベッド103、高周波磁場を撮影対象102に印加してエコー信号を検出する高周波磁場コイル104、それぞれX方向、Y方向、Z方向の傾斜磁場を発生させるための傾斜磁場発生コイル105、106、107、およびこれらを駆動制御するための電源等並びにシーケンサ116や計算機118を備えている。
高周波磁場コイル104は、高周波磁場電源108に接続されている。シンセサイザ112が発生する高周波を変調装置113で変調し、高周波磁場電源108を介して高周波磁場コイル104に供給することにより、所定の周波数の高周波磁場パルスが撮影対象102に印加される。また高周波磁場コイル104が検出したエコー信号は、増幅器114で増幅された後、受信器115で受信され、計算機118で画像再構成等の処理がなされる。
各傾斜磁場発生コイル105、106、107は、それぞれ傾斜磁場電源109、110、111に接続され、所定の電流が供給される。
シーケンサ116は、傾斜磁場電源109、110、111、高周波磁場電源108などの周辺装置に命令を送信しMRI装置の動作制御を行なう。撮影条件などのデータは記憶媒体117に格納されている。計算機118は、受信器115から入力されたエコー信号と記憶媒体117内のデータを参照して画像再構成を行なう。計算機108で行った画像再構成結果はディスプレイ119に表示される。また、計算機118は、撮影位置及び条件をキーボード、マウスなどの周辺機器を介して入力され、入力情報に基づき撮影シーケンスを計算し、磁場印加タイミングをシーケンサ116に送信する。
次にこのようなMRI装置を用いた、null time導出のための調整スキャンの第1の実施の形態を説明する。既に述べたようにnull timeの決定は、図2に示すように、遅延造影計測などの反転パルスを用いた撮影(本撮影)220に先立って本撮影における最適TIを求めるために行なわれる。
調整スキャン200は、null timeを計測する領域を指定する第一の工程201と、指定された領域からMR信号を発生させるためのシーケンスを実行する第二の工程202と、取得したMR信号に所定の処理を適用してnull timeを決定する第三の工程203とで構成される。
第一の工程では、ディスプレイに表示された画像、例えばコロナル・サジタル・トランスの基本三断面の画像を用いて一部の小領域を指定する。これら画像は、本撮像に先立って撮影した位置決め画像から作成される。励起領域は、本撮影の目的に応じて異なる。例えば、心臓の遅延造影計測では心筋が対象であり、Black Blood撮影においては心内腔の血液が対象となる。肝臓、皮下脂肪及び内臓脂肪を対象にすることもある。
励起領域はボクセル或いは棒状の領域として指定される。図3に、ボクセル状の励起領域を指定する場合の一例を示す。基本三断面の画像を用いて、第二の工程で励起する3つのスライス(スライス面301〜303)を指定する。破線で示した3つのスライス301〜303が直交する領域304がボクセル状の励起領域である。図4は、棒状の励起領域を指定する場合の一例である。この場合には2つのスライス311、312を指定する。破線で示した2つのスライス311、212が交わる領域313が棒状の励起領域である。指定された励起領域304及び313は、これらを指定するために指定されたスライスの表示とは、別の線種、或いは色分けして表示することが望ましい。これにより、操作者は簡単に指定した領域を識別することができる。こうしてディスプレイに表示されたGUIを介して行なわれた領域の指定は、計算機118に渡され、次の第二の工程のシーケンスの条件が設定される。
第二の工程では、第一の工程で指定された励起領域のnull timeを計測する。null timeの計測は、例えば図5(a)に示すように、まず領域非選択の反転パルス501により核磁化を反転する。次いで、所定の時間TId後から一定の時間間隔TR2で、指定励起領域の選択励起と信号計測を繰り返す。各励起502〜507により取得されるMR信号512〜517は、それぞれ反転パルス501印加からの経過時間が異なる。そのため、MR信号512〜517の信号強度を用いて、信号強度がゼロとなる時間すなわちnull timeを計測できる。
なおnull timeの計測は、必要に応じて同様の計測を繰り返し、加算により計測の精度を向上することができる。この場合は、反転パルス501印加から時間TR1後に、同様のシーケンスを繰り返せばよい。
また撮影対象が心臓の場合は心電図と同期し、腹部の場合は呼吸と同期して第二の工程を実施することが望ましい。図5(b)は心電同期下に第二の工程を実施する場合の一例である。心電図のR波と同期してシーケンスが開始され、R波から時間TD-Tld後に反転パルス541を印加して核磁化を反転する。次いで、所定の時間Tld後から一定の時間間隔TR2で、棒状、或いはボクセル状の領域の選択励起542〜547を繰り返し、MR信号552〜557を取得する。同様の計測を繰り返す場合、繰り返し間隔TR1は、心電図のR波の倍数となる点、生体固有の揺らぎにより一定値でない点で、図5(a)と異なる。
第二の工程において、指定された領域を選択励起するためのシーケンスは、第一の工程で指定された領域の形状により異なる。以下に、励起領域を棒状、或いはボクセル状とすることが可能なシーケンスの一例を説明する。
棒状の領域を励起するためのシーケンスは、例えば図6(a)に示すように、第1のRFパルス601と第2のRFパルス602とで、励起する面を交差させる方法(クロス励起)が挙げられる。図6(a)のシーケンスでは、第1のRFパルス601及びGx傾斜磁場611により図4記載のスライス面312を励起し、第2のRFパルス602及びGx傾斜磁場612とGy傾斜磁場614により図4記載のスライス面312を励起する。第1のRFパルス601のフリップ角をα度、第2のRFパルス602のフリップ角を2αとし、かつ両RFパルスの位相を反転する(図中では−2αと表記)ことにより、二度のRFパルスを印加された棒状の励起領域313(図4参照)のみからMR信号620を発生させることが可能になる。クロス励起において一度のRFパルスのみ印加される領域の核磁化は、Gr傾斜磁場616と617を印加することによりMR信号を発生しない。また、スポイラー用傾斜磁場613と615と618により残存する横磁化はスポイルされるため、後続する選択励起シーケンスにおけるアーチファクトが抑制される。
ボクセル状の領域を励起するためのシーケンスは、例えば図6(b)に示すように、第1のRFパルス631とGx傾斜磁場641により図3記載のスライス面301を励起し、第2のRFパルス632とGy傾斜磁場644により図3記載のスライス面302を励起し、第3のRFパルス633とGz傾斜磁場647により図3記載のスライス面303を励起する。RFパルスの印加順序により位相を反転させる点は、図6(a)と同様である。また、誘導エコーを防止するために、各方向の傾斜磁場642、643、645、646を印加している。本シーケンスにより、三度のRFパルスを印加されたボクセル状の励起領域304(図3参照)のみからMR信号650を発生させることが可能になる。
ここで計測するMR信号620或いは650は、位相エンコードされないMR信号であり、例えば10msの間隔で計測することができる。
なお第一の工程で指定した小領域を励起するパルスシーケンスとしては、上述したクロス励起法のほか、例えば、非特許文献2に記載された2次元選択励起パルスを用いる方法なども採用することが可能である。
Magnetic Resonance in Medicine47:1186-1193(2002)
第三の工程では、第二の工程で取得されたMR信号に所定の処理を施し、ユーザーがnull timeを決定するための情報をディスプレイ表示する。以下、励起領域が棒状領域の場合と、ボクセル状領域の場合のそれぞれについて、処理の詳細を説明する。
第二の工程で棒状の領域からMR信号を取得した場合、MR信号に一次元フーリエ変換を適用しプロジェクションデータに変換する。この変換は、図5(a)又は(b)に示した、複数回の選択励起で得られる全MR信号に対して適用され、変換結果をグラフ表示する。表示画面の一例を図7に示す。図示する例では、MR信号の処理結果であるグラフ700と、第一の工程で、棒状の領域を指定した断面の画像(この例ではコロナル像)750が左右に並べて配置される。グラフ700において、横軸は反転パルスからの経過時間、縦軸は棒状領域内の位置座標(プロジェクション方向の位置)であり、左に並置された断面の位置座標と対応している。各MR信号のプロジェクションデータは、各位置における信号強度を例えば濃淡で諧調表示した矩形701〜707として表わされ、MR信号を取得した時間(反転パルスからの経過時間)に対応する位置に配置される。濃淡は、例えば、信号強度が小さいほど黒く、大きいほど白く表される。
ユーザーは、グラフ700に表示されたプロジェクションデータ(矩形)701〜707と領域の指定に用いコロナル像750とを用いて、棒状の励起領域内の位置と信号強度とを対応付けることが可能になる。すなわち図7に矢印で示したように、棒状の励起領域313とプロジェクション方向の位置は一対一に対応する。これにより、グラフ700を用いて、棒状励起領域内のそれぞれの位置において、反転パルスからの経過時間に依存して信号強度が変化する様子を確認し、目的部位のnull timeを判断することが可能になる。
通常はnull timeを計測すべき目的部位は棒状領域の一部であるから、この部分にROIを設定し、グラフ700上に表示してもよい。具体的には図7に示すようにグラフ700上の、目的部位に相当する位置にROIを線720などで表示する。さらにROI内の信号値を縦軸、反転パルスからの経過時間を横軸とするグラフ730を作成し、グラフ700と併せて表示するようにしてもよい。これにより、null timeの決定をより容易に行なうことができる。
第二の工程でボクセル状の領域からMR信号を取得した場合には、横軸を反転パルスからの経過時間、縦軸を取得したMR信号の強度とするグラフを作成し、表示する。このグラフは棒状領域について作成したグラフ730と同様のグラフとなる。これにより、ボクセル状の領域において、反転パルスからの経過時間に依存してMR信号強度が変化する様子を確認し、null timeを判断できる。
これらの処理を適用することにより、励起領域が棒状の場合、ボクセル状の場合のいずれにおいても、null timeが判断できる。
null timeが決定したならば、これを本撮影の撮影条件TIの値として入力し(図2:ステップ210)、反転パルスを用いたIR法(反転回復法)等のパルスシーケンスにより本撮影を開始する(図2:ステップ220)。撮影条件TIの入力は、通常の撮像条件の設定と同様に、キーボード等の入力装置を用いて入力することも可能であるが、第三の工程203に引き続いて本撮影を行なう場合には、マウスなどのポインティングデバイスで、例えば図7記載のグラフの横軸を指定し、該当する経過時間をTIの値として撮影条件に反映させることも可能である。
このように本実施の形態によれば、調整スキャンに要する時間は10数秒程度であり、従来技術1に比べ大幅に撮影時間を短縮でき、しかも精度よく目的部位のnull timeを計測することが可能となる。なお指定する励起領域が棒状の場合には、2回の励起で棒状領域を選択励起することができるので、ボクセル状領域を指定する場合よりも時間短縮効果が大きい。またボクセル状領域の場合には、棒状領域よりも調整スキャン時間は長いものの従来技術1に比べ大幅に短縮することができ、かつ第三の工程の信号処理が簡単にすることができる。
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施形態においても、調整スキャン200が、null timeを計測する領域を指定する第一の工程201と、指定された領域からMR信号を発生させるためのシーケンスを実行する第二の工程202と、取得したMR信号に所定の処理を適用してnull timeを決定する第三の工程203とで構成されることは、上記実施の形態と同じである。ただし本実施の形態では、第三の工程において、操作者の判断によりTIを決定するのではなく、計算機118で自動的に決定し、本撮影に反映する。以下、自動処理を適用する場合の処理手順を説明する。
自動手順の一例を図8に示す。まず、第一の工程として、棒状領域の位置を指定(801)後、棒状領域内に関心領域を指定する(802)。指定のためのGUIの具体例を図9に示す。例えばトランス面において、2つの交差するスライス面311、312を設定し、励起領域313を指定することは第1の実施の形態と同様である。指定後、指定された棒状の励起領域313がコロナル面に表示されるので、表示された励起領域313内に関心領域900を指定する。
次いで第二の工程を実施し、棒状領域313からMR信号を取得する(803)。第二の工程は、第1の実施の形態と全く同様であり、反転パルス印加後、図6(a)に示すパルスシーケンスを繰り返し実行し、反転パルス印加からの経過時間の異なる複数のMR信号を取得する。
後続する第三の工程では、取得したMR信号に一次元フーリエ変換を適用しプロジェクションデータに変換した後(804)、計算機118の記憶領域上に二次元配列を作成する(805)。この二次元配列は図7に示したグラフ700に相当するデータ配列であり、一次元を励起領域内における位置座標、他の一次元を反転パルス印加からの経過時間とし、配列要素の値を信号強度とする。この二次元配列から、処理802で指定した関心領域900に対応する一次元配列を抽出する(806)。抽出された一次元配列は、図7に示したグラフ720に相当するデータ配列であり、反転パルス印加からの経過時間順にデータが配列されている。既に説明した様に、関心領域900の位置とプロジェクション内のデータ点との対応は特定可能である。これと同様に、前記二次元配列内のデータ位置座標における関心領域900の位置を対応付けることが可能なので、前記二次元配列から関心領域900の位置に対応したデータ配列を抽出できる。次いで、抽出した一次元データ配列において、信号強度の絶対値が最小となるデータを検出し(807)、検出されたデータの反転パルスからの経過時間を本撮影の撮影条件TIの値として入力し(808)、本撮影を実施する(809)。これら処理801〜808により自動的に撮影条件TIを最適化できる。
本実施の形態によれば、調整スキャンを10数秒未満に短縮することが可能であり、検査時間短縮を実現可能である。なお本実施の形態では、第一の工程で指定した関心領域900は、null time導出の自動処理のために使用されるが、調整スキャンの画像をnull time導出以外の目的、例えば局所的シミングなどに併用することも可能である。
また本実施の形態を、棒状領域を指定する場合を例に説明したが、ボクセル状領域を指定する場合にも適用することができる。この場合には、さらに処理を簡便にすることができる。すなわち、ボクセル状の領域を指定することは、null time導出対象の領域を直接指定していることになるので、関心領域を設定するための処理802、プロジェクションデータへの変換処理804から一次元配列を抽出する処理806までが不要になる。
調整スキャン後の本撮影の典型的な例は、心臓撮影を目的とした遅延造影計測である。この場合の計測手順を以下に説明する。まず、位置決め画像を用いて左室短軸面を指定し、次いで、null time導出対象の領域として、心筋を含む棒状の励起領域313と関心領域900を指定する(図2:201)。以上の領域指定終了後に、息止めを指示し、撮影開始ボタンを押して撮影を開始する。撮影開始直後、まず、調整スキャンを自動的に実行する。調整スキャンでは、上述した撮影条件TIの自動処理(図2:202、203、210)のほか、例えば、高周波磁場の印加強度の調整、MR信号の受信ゲインの調整なども行う。更には、指定した関心領域900を含む所定体積の領域を対象に、局所的なシミングを実行しても良い。これらに代表される調整スキャンを実施した後、撮影を一時停止状態にする。一時停止期間中に、呼吸を整える指示、及び再度の息止め指示を行う。その後、一時停止を解除して本撮影を実施する(図2:220)。本撮影では、自動処理によって設定された撮影条件TIで反転パルスを用いた撮影が行なわれる。
上述したように撮影条件TIの自動処理のための時間は極めて短時間であるので、撮影後、設定された撮影条件TIを再計測する必要が生じた場合には(図2:230)、撮影中に撮影条件TIの自動処理のための調整スキャンを行なうことも可能である。
なお、上記計測手順は一例であり、本発明を適用した際の計測手順を上記説明に限定するものではない。例えば、調整用スキャンは既に説明した全調整スキャンを実施することに限定するものではない。また、呼吸に関する指示や、撮影の一時停止などは、頭部や下肢などの撮影部位においては不要である。
また本発明の適用対象は遅延造影計測に限定されず、脂肪抑制撮影など他の計測にも適用でき、検査時間短縮が可能である。
MRI装置の全体構成を示す図。 本発明のMRI装置で実行される撮影の手順を示す図。 ボクセル状の励起領域を指定するGUIの一例を示す図。 棒状の励起領域を指定するGUIの一例を示す図。 本発明のMRI装置で実行される調整スキャンの一例を示す図であり、(a)は非同期の場合、(b)は心電図と同期する場合を示す。 本発明における励起領域を選択するシーケンスの一例を示す図であり、(a)は棒状領域を選択する場合、(b)はボクセル状領域を選択する場合を示す。 撮影条件TI決定のためのGUIの一例を示す図。 撮影条件TIの自動決定の手順を示すフローチャート。 撮影条件TIの自動決定のためのGUIの一例を示す図。
符号の説明
101…静磁場発生磁石、102…撮影対象、103…ベッド、104…高周波磁場コイル、105〜107…傾斜磁場コイル、108…高周波磁場電源、109〜111…傾斜磁場コイル用電源、112…シンセサイザ、113…変調装置、114…増幅器、115…受信器、116…シーケンサ、117…記憶媒体、118…計算機、119…ディスプレイ

Claims (9)

  1. 検査対象が置かれる空間に静磁場発生する手段、前記空間に傾斜磁場を発生する手段および前記検査対象を励起する高周波磁場を発生する手段を備え、核磁気共鳴により前記検査対象の所望の領域を撮影する撮影手段と、前記撮影手段を制御する制御手段とを備えた磁気共鳴撮影装置において、
    前記制御手段は、前記検査対象の撮影領域内に少領域を指定する領域指定手段と、
    前記被検体の体動の周期に同期して、指定された小領域から、反転パルス印加後信号取得までの経過時間が異なる複数の信号取得シーケンスを実行するシーケンス手段と、
    前記複数の信号取得シーケンスで取得した複数の信号を用いて、信号強度と経過時間との関係をグラフィカルに表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  2. 検査対象が置かれる空間に静磁場発生する手段、前記空間に傾斜磁場を発生する手段および前記検査対象を励起する高周波磁場を発生する手段を備え、核磁気共鳴により前記検査対象の所望の領域を撮影する撮影手段と、前記撮影手段を制御する制御手段とを備えた磁気共鳴撮影装置において、
    前記制御手段は、前記検査対象の撮影領域内に少領域を指定する領域指定手段と、
    前記被検体の体動の周期に同期して、指定された小領域から、反転パルス印加後信号取得までの経過時間が異なる複数の信号取得シーケンスを実行するシーケンス手段と、
    前記複数の信号取得シーケンスで取得した複数の信号を用いて、信号強度と経過時間との関係をグラフィカルに表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記シーケンス手段は、前記経過時間が異なる複数の信号を、前記被検体の体動の一周期内で取得することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  4. 請求項3に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記シーケンス手段は、前記複数の信号取得シーケンスを、前記体動の周期に合わせた繰り返し時間で繰り返し、前記繰り返しの各回でそれぞれ取得した複数の信号を加算することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記小領域は、複数のスライスの指定により決定されるボクセル状領域又は棒状領域であることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 請求項1に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記表示制御手段は、前記複数の信号をそれぞれ用いて作成した経過時間毎のプロジェクションデータと、信号強度と経過時間との関係を示すグラフとを表示することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 請求項6に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記小領域は、複数のスライスの指定により決定される棒状領域であって、
    前記表示制御手段は、前記棒状領域のプロジェクションデータに対して設定されたROIを受け付ける受付手段を有し、
    前記グラフとして、前記受付手段が受け付けたROIの信号強度と経過時間との関係を示すグラフを表示することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  8. 請求項2に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記小領域は、複数のスライスの指定により決定される棒状領域であって、
    前記演算手段は、前記複数の信号をそれぞれ用いて時間経過毎のプロジェクションデータを作成し、前記プロジェクションから予めROIとして指定された領域の一次元データを抽出し、当該一次元データにおいて信号強度が最小となる経過時間を最適経過時間として算出することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  9. 請求項2に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記制御手段は、遅延造影撮像のための本撮影シーケンス手段を備え、前記演算手段が設定した反転時間を用いて、前記本撮影シーケンスを実行することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
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