<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本第1の実施形態における制御端末装置を利用する概念を示した図である。以下の説明においては、既存の移動体通信網を利用した携帯電話の機能と、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)の機能とを融合させた、いわゆる、スマートフォンやタブレット端末などの情報端末を、制御端末装置1として利用する場合について説明する。そして、制御端末装置1によって操作する制御対象の機器(以下、「制御対象機器」という)として、冷蔵庫10、エアコン20、テレビ30、およびライト40が室内に設置されているものとして説明する。なお、図1に示したように、冷蔵庫10、エアコン20、テレビ30、およびライト40には、それぞれ異なる型番が付与されており、それぞれの機器ごとに対応する操作を行うことができる。例えば、テレビ30は、型番がCCCであり、電源のオン(ON)またはオフ(OFF)の操作、チャンネル切替の操作を行うことができる。
制御端末装置1は、カメラなどの撮影機能を備えており、制御端末装置1の使用者は、室内の全体が写るように撮影することによって、複数の制御対象機器が設置された状態を撮影する。制御端末装置1は、撮影された画像に含まれるそれぞれの制御対象機器を画像認識によって特定し、特定した制御対象機器に対して行うことができる操作の内容を操作情報として取得する。そして、制御端末装置1は、取得した操作情報に基づいて、それぞれの制御対象機器に対して行うことができる操作を使用者に提示し、使用者によって入力された制御対象機器に対する操作の指示に応じて、それぞれの制御対象機器を操作する。
次に、本第1の実施形態の制御端末装置1の構成について説明する。図2は、本第1の実施形態における制御端末装置1の概略構成を示したブロック図である。制御端末装置1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、撮影部15と、リモコン制御部16と、赤外線通信部17と、ネットワーク通信部18とを備えている。
撮影部15は、制御端末装置1に備えたカメラなどの撮影装置151(以下、「カメラ151」ともいう)を制御する。撮影部15は、撮影装置151が撮影した被写体の画像情報を制御部11に出力し、制御部11によって画像処理された後の画像データが記憶部12に記憶される。なお、図1に示した制御端末装置1の構成では、制御端末装置1の外部に撮影装置151が配置されている場合を示しているが、撮影装置151は、撮影部15と共に、制御端末装置1内に配置されている構成であってもよい。
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置を備え、制御部11から入力された、制御端末装置1の使用者に情報を提示するため画像を表示する。
入力部14は、例えば、押圧センサを備え、制御端末装置1の使用者による各種のタッチ(タップやフリックなど)入力の操作を検出することによって、制御端末装置1への入力を受け付ける。入力部14は、受け付けた使用者による操作を表す情報を、制御部11に出力する。なお、入力部14は、例えば、電源オンオフボタンなど、制御端末装置1の使用者によって操作される操作ボタンを備えていてもよい。また、制御端末装置1では、入力部14と表示部13とは、両者のパネルが組み合わされたタッチパネルとして備えられてもよい。
リモコン制御部16は、制御部11からの制御に応じて、制御対象機器を操作するための操作コマンドを生成する。そして、リモコン制御部16は、生成した操作コマンドを、赤外線通信部17またはネットワーク通信部18に出力して送信させる。
赤外線通信部17は、例えば、赤外線センサなどの赤外線発光部および赤外線受光部を備え、制御端末装置1において制御対象機器との間で赤外線通信を行うための通信部である。赤外線通信部17は、リモコン制御部16から入力された操作コマンドに応じた赤外光を発光することによって、制御対象機器に赤外線通信信号を送信する。また、赤外線通信部17は、制御対象機器から送信された赤外線通信信号を受信し、受信した赤外線通信信号に含まれる情報を、リモコン制御部16または制御部11に出力する。
ネットワーク通信部18は、アンテナ181および通信回線を介して、制御端末装置1が扱う種々の情報の送受信を行う。例えば、制御端末装置1の電話機能では、移動体通信網を介して音声通話を行い、インターネット機能では、ネットワーク通信網を介してデータ通信を行う。また、ネットワーク通信部18は、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの短距離無線通信や、WiFi(登録商標)などの無線通信によって、制御端末装置1と制御対象機器との間で通信を行う通信部でもある。ネットワーク通信部18は、リモコン制御部16から入力された操作コマンドに応じた無線通信信号を、アンテナ181を介して制御対象機器に送信する。また、ネットワーク通信部18は、制御対象機器から送信された無線通信信号をアンテナ181によって受信し、受信した無線通信信号に含まれる情報を、リモコン制御部16または制御部11に出力する。
制御部11は、制御端末装置1内のそれぞれの構成要素、つまり、制御端末装置1の全体を制御する。制御部11は、画像認識部111、画像合成部112、操作情報取得部113、および操作情報変換部114を含んで構成される。画像認識部111は、撮影部15から入力された被写体の画像情報に基づいて、画像に含まれる制御対象機器を特定する機能(以下、「画像認識機能」という)を実現する。また、画像合成部112は、表示部13に表示している画像に、制御対象機器に対応する操作情報に応じたユーザーインターフェース画像を重畳することによって、それぞれの制御対象機器に対して行うことができる操作の内容を制御端末装置1の使用者に提示するための合成画像を生成する機能(以下、「画像合成機能」という)を実現する。また、操作情報取得部113は、制御対象機器に対応する操作情報を、制御対象機器から取得する機能(以下、「操作情報取得機能」という)を実現する。なお、操作情報取得部113は、制御対象機器の製造者(メーカー)などのサーバー装置から操作情報を取得することもできる。また、操作情報変換部114は、入力部14が受け付けた使用者による操作の情報を、リモコン制御部16が操作コマンドを生成するための情報に変換する機能(以下、「操作情報変換機能」という)を実現する。なお、画像認識部111、画像合成部112、操作情報取得部113、および操作情報変換部114におけるそれぞれの機能は、例えば、記憶部12に記憶されたプログラムを実行するソフトウェアによって実現される構成であってもよい。
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの種々のメモリで構成され、制御部11が処理を実行するためのプログラムや、処理に使用するデータを記憶する。図1に示した制御端末装置1の構成では、記憶部12に、制御対象機器の操作を行うために用いる情報として、画像データ121、操作情報122、および認識範囲情報123が記憶されている状態を示している。画像データ121は、撮影部15から入力された被写体の画像情報を制御部11が画像処理して生成した画像のデータである。また、操作情報122は、制御部11が操作情報取得機能によって取得した操作情報である。この操作情報122には、制御対象機器を識別するためにそれぞれの制御対象機器に付与された、例えば、UUID(Universally Unique IDentifier)、アドレス、型番などの識別情報が含まれている。また、認識範囲情報123は、制御部11の画像認識機能によって制御対象機器を特定するために必要な画像の範囲(以下、「認識範囲」という)が設定された情報である。なお、認識範囲には、制御対象機器とその周辺、つまり、背景も含まれている。これにより、制御部11は、画像認識機能によって、制御対象機器の周辺の状態も含めて制御対象機器を特定することができる。
このような構成によって制御端末装置1は、撮影した画像に含まれる制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器に対応する操作情報122を記憶し、それぞれの制御対象機器に対して行うことができる操作を使用者に提示する。そして、制御端末装置1は、使用者から入力された制御対象機器に対する操作指示に応じた操作コマンドを、制御対象機器が対応している通信方法で送信する。
次に、本第1の実施形態の制御端末装置1を使用して制御対象の機器を操作する処理について説明する。まず、制御端末装置1を使用して制御対象の機器を操作する全体的な流れについて説明する。図3は、本第1の実施形態における制御端末装置1を使用する全体的な処理シーケンスを示したシーケンス図である。以下の説明においては、制御端末装置1と制御対象機器とが同一のネットワーク上に存在するものとし、制御端末装置1がDLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)の仕組みを使用して、制御対象機器の操作情報の取得や操作を、無線通信によって行うものとして説明する。
まず、制御端末装置1の使用者は、制御対象機器に対して行うことができる操作の内容、すなわち、制御対象機器の機能を、操作情報122として制御端末装置1に設定する事前設定処理を行う。この事前設定処理では、同一ネットワーク上に存在する制御対象機器を検索して、制御対象機器を操作するための各種の情報を制御対象機器から取得し、取得したそれぞれの情報を操作情報122として設定する。
より具体的には、使用者は、制御端末装置1を操作して制御対象機器を検索する(ステップS1)。続いて、制御端末装置1は、検索された制御対象機器にDLNA(登録商標)における「M−SEARCH」コマンドを送信する(ステップS11)。これにより、制御対象機器は、「デバイス(Device)UUID」および「アドレス」の情報を制御端末装置1に送信する(ステップS12)。続いて、制御端末装置1は、この制御対象機器にDLNA(登録商標)における「GET DeviceDescription」コマンドを送信する(ステップS13)。これにより、制御対象機器は、「型番」の情報を制御端末装置1に送信する(ステップS14)。続いて、制御端末装置1は、この制御対象機器にDLNA(登録商標)における「GET ServiceDescription」コマンドを送信する(ステップS15)。これにより、制御対象機器は、「操作コマンド」の情報を制御端末装置1に送信する(ステップS16)。その後、制御端末装置1は、検索された制御対象機器から送信されてきたそれぞれの情報を、操作情報122として記憶部12に記憶する(ステップS17)。
その後、制御端末装置1の使用者は、制御端末装置1の撮影機能を起動して、検出された制御対象機器と、記憶部12に記憶された操作情報122とを紐付ける紐付け処理を行う。この紐付け処理では、事前設定処理を行った制御対象機器を特定するための認識範囲情報123と、この制御対象機器に対応する操作情報122との紐付けを行う。
より具体的には、使用者は、制御端末装置1を操作してカメラ151を起動する(ステップS2)。続いて、使用者は、制御端末装置1によって室内の全体を撮影する(ステップS21)。続いて、制御端末装置1は、カメラ151が出力した撮影画像から制御対象機器を特定する(ステップS22)。続いて、制御端末装置1は、制御対象機器の認識範囲を表示し、使用者の操作に応じて認識範囲を設定する(ステップS23)。続いて、制御端末装置1は、設定された認識範囲の情報、つまり、認識範囲情報123と記憶部12に記憶された操作情報122とを紐付ける(ステップS24)。続いて、制御端末装置1は、操作情報122と対応付けられた認識範囲を含む撮影画像を、画像データ121として記憶部12に記憶(保存)する(ステップS25)。この画像データ121には、操作情報122と紐付けられた複数の認識範囲情報123、つまり、複数の制御対象機器とその周辺、つまり、背景が含まれている。
なお、紐付け処理におけるステップS22〜ステップS24の処理は、例えば、カメラ151を起動した後、制御端末装置1の使用者がシャッターボタンを押下して撮影を行う操作を行う前に、撮影する被写体を確認するための動画を表示部13に表示している状態、いわいる、カメラプレビュー状態のときに行う構成であってもよい。
その後、制御端末装置1の使用者は、制御端末装置1のリモコン機能を起動して、操作情報122と紐付けを行った制御対象機器を操作する操作処理を行う。この操作処理では、紐付け処理によって操作情報122と紐付けられた制御対象機器の操作を行う。
より具体的には、使用者は、制御端末装置1を操作してリモコン機能を起動する(ステップS3)。続いて、制御端末装置1は、記憶部12に記憶している画像データ121の画像、すなわち、複数の制御対象機器を含む撮影画像を表示部13に表示させる(ステップS31)。なお、記憶部12に複数の画像データ121が記憶されている場合には、それぞれの画像データ121の撮影画像を一覧として表示部13に表示させる。その後、使用者は、表示部13に表示されている撮影画像の一覧から、今回操作を行う制御対象機器が含まれる撮影画像を選択する(ステップS32)。さらに、使用者は、選択した画像データ121の中から、今回操作を行う制御対象機器を選択する(ステップS33)。続いて、制御端末装置1は、選択された制御対象機器に対応する操作情報122に基づいて、操作することができる制御対象機器の機能を提示するためのユーザーインターフェース画像を現在表示している撮影画像に重畳した合成画像を生成して表示部13に表示する(ステップS34)。続いて、使用者は、表示部13に表示されている合成画像で提示された機能に対して所望の操作を指示する(ステップS35)。続いて、制御端末装置1は、指示された操作に応じた操作コマンドを制御対象機器に送信する(ステップS36)。これにより、制御対象機器は、操作コマンドを受信したことを表す応答を制御端末装置1に送信する(ステップS37)。
このように、制御端末装置1を使用した制御対象機器の操作では、ステップS1〜ステップS17の事前設定処理と、ステップS2〜ステップS25の操作情報122と認識範囲情報123との紐付け処理(以下、単に「紐付け処理」という)と、ステップS3〜ステップS37の操作処理とに大きく分けた3つの処理によって、制御対象機器を操作する。
ここで、上述した3つの処理について、さらに詳細に説明する。事前設定処理では、上述したように、制御対象機器を操作するための各種の情報を予め制御対象機器から取得し、操作情報122として記憶部12に記憶する。図4は、本第1の実施形態の制御端末装置1において操作する対象の機器(制御対象機器)の操作情報を取得する処理(事前設定処理)の処理手順を示したフローチャートである。なお、以下の説明においては、ネットワーク通信部18によるWiFi(登録商標)などの無線通信で制御対象機器から各種の情報を取得するものとして説明する。
事前設定処理では、まず、制御端末装置1内の制御部11は、ネットワーク通信部18を起動し、無線通信で接続された制御対象機器があるか否かを判定する(ステップS101:図3のステップS1参照)。ステップS101において無線通信で接続された制御対象機器がないと判定した場合(ステップS101の“NO”)には、ネットワーク通信部18を停止して事前設定処理を終了する。また、ステップS101において無線通信で接続された制御対象機器があると判定した場合(ステップS101の“YES”)、制御部11は、無線通信で接続された制御対象機器に対応する操作情報122を、記憶部12内から検索する(ステップS102)。
そして、制御部11は、ステップS102において操作情報122を検索した結果から、無線通信で接続された制御対象機器に対応する操作情報122があるか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103において無線通信で接続された制御対象機器に対応する操作情報122がある、つまり、操作情報122がすでに記憶部12に記憶されていると判定した場合(ステップS103の“YES”)には、ネットワーク通信部18を停止して事前設定処理を終了する。一方、ステップS103において無線通信で接続された制御対象機器に対応する操作情報122がない、つまり、操作情報122が記憶部12に記憶されていないと判定した場合(ステップS103の“NO”)、制御部11は、ネットワーク通信部18による無線通信によって、接続された制御対象機器から各種の情報を取得する(図3のステップS11〜ステップS16参照)。このとき、制御部11では、操作情報取得部113による操作情報取得機能が動作する。そして、制御部11は、無線通信で接続された制御対象機器から取得したそれぞれの情報を、操作情報122として記憶部12に記憶(ステップS104:図3のステップS17参照)し、ネットワーク通信部18を停止して事前設定処理を終了する。
このように、制御端末装置1では、事前設定処理において、無線通信で接続された制御対象機器に対応する操作情報122の有無を確認することによって、制御対象機器が新たに増えた場合などでも、それぞれの制御対象機器に対応する操作情報122を事前に取得することができる。図5は、本第1の実施形態における制御端末装置1を使用して操作する対象の機器(制御対象機器)の操作情報の一例を示した図である。図5には、図1に示したそれぞれの制御対象機器に対応する操作情報122の一例を示している。
図5に示したように、操作情報122には、それぞれの制御対象機器の種別と、それぞれの制御対象機器を識別するためのデバイス(Device)UUIDと、それぞれの制御対象機器に割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレスと、それぞれの制御対象機器の型番および機能と、それぞれの制御対象機器に対して行うことができる操作と、それぞれの制御対象機器が対応している通信方法とが含まれている。例えば、図5に示したように、エアコン20の操作情報122には、Device UUID=「BBBBBBBBBBBBB」、IPアドレス=「192.168.10.bb」、型番=「BBB」、機能=「温度設定」は、操作=「18℃〜35℃」、機能=「モード切替」は、操作=「暖房」または「冷房」、機能=「電源」は、操作=「オン(ON)」または「オフ(OFF)」、通信方法=「WiFi(登録商標)」および「赤外線」との情報が含まれている。
次に、紐付け処理では、上述したように、撮影された制御対象機器を特定するための認識範囲情報123と、記憶部12に記憶した操作情報122との紐付けを行う。図6は、本第1の実施形態の制御端末装置1において操作する対象の機器(制御対象機器)と操作情報122とを対応づける処理(紐付け処理)の処理手順を示したフローチャートである。
紐付け処理では、まず、制御端末装置1内の制御部11は、使用者からの指示に応じて撮影部15に接続されたカメラ151を起動(図3のステップS2参照)し、カメラ151が撮影した被写体の画像情報を、撮影部15を介して取得する(ステップS201:図3のステップS21参照)。その後、制御部11は、制御端末装置1が操作する対象の制御対象機器を、撮影画像内に写されている被写体から検出する。このとき、制御部11では、画像認識部111による画像認識機能が動作する。
続いて、制御部11は、制御対象機器を検出したか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において制御対象機器を検出したと判定した場合(ステップS202の“YES”)、制御部11は、さらに、撮影画像に基づいて制御対象機器を特定することが可能であるか否かを判定する(ステップS203)。このときも、制御部11では、画像認識部111による画像認識機能が動作している。ステップS202において制御対象機器を検出していないと判定した場合(ステップS202の“NO”)、またはステップS203において制御対象機器を特定することが不可能であると判定した場合(ステップS203の“NO”)、制御部11は、使用者による手動での制御対象機器の特定の処理を行う(ステップS204)。
また、ステップS203において制御対象機器を特定することが可能であると判定した場合(ステップS203の“YES”)、またはステップS204における手動での制御対象機器の特定の処理を完了した後(図3のステップS22参照)、制御部11は、特定した制御対象機器に対応する操作情報122が記憶部12に記憶されているか否かを判定する(ステップS205)。ステップS205において特定した制御対象機器に対応する操作情報122が記憶部12に記憶されていないと判定した場合(ステップS205の“NO”)、制御部11は、特定した制御対象機器に対応する操作情報122を、制御対象機器や、制御対象機器の製造者(メーカー)などのサーバー装置から取得する(ステップS206)。このとき、制御部11では、操作情報取得部113による操作情報取得機能が動作する。そして、制御部11は、取得した操作情報122を記憶部12に記憶する。
また、ステップS205において特定した制御対象機器に対応する操作情報122が記憶部12に記憶されていると判定した場合(ステップS205の“YES”)、またはステップS206における操作情報122の取得の処理を完了した後、制御部11は、制御対象機器を特定するための認識範囲を設定(図3のステップS23参照)し、設定した認識範囲の情報(認識範囲情報123)と操作情報122とを紐付ける(ステップS207:図3のステップS24参照)。
続いて、制御部11は、撮影画像内に写されている全ての制御対象機器に対して認識範囲情報123と操作情報122との紐付けが完了したか否かを判定する(ステップS208)。ステップS208において全ての制御対象機器に対する認識範囲情報123と操作情報122との紐付けが完了していないと判定した場合(ステップS208の“NO”)、制御部11は、ステップS202に戻って、ステップS202〜ステップS208までの処理を繰り返す。一方、ステップS208において全ての制御対象機器に対する認識範囲情報123と操作情報122との紐付けが完了したと判定した場合(ステップS208の“YES”)、制御部11は、操作情報122と対応付けられた認識範囲を含む撮影画像を、画像データ121として記憶部12に記憶(保存)する(ステップS209:図3のステップS25参照)。その後、制御部11は、カメラ151を停止して紐付け処理を終了する。
このように、制御端末装置1では、紐付け処理において、撮影画像内に写されている制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器の認識範囲情報123と操作情報122とを紐付ける。このとき、制御端末装置1は、撮影画像に基づいて制御対象機器を特定することができない場合には、上述したように、使用者からの指示に応じた手動の方法で制御対象機器を特定する。図7は、本第1の実施形態の制御端末装置1において操作する対象の機器(制御対象機器)を認識するための画像の範囲(認識範囲)を設定する方法の一例を示した図である。図7には、制御端末装置1に備えた表示部13に表示された撮影画像の中から制御対象機器であるテレビ30を特定して認識範囲を設定する、使用者による手動の操作の一例を示している。
制御端末装置1の使用者が手動で制御対象機器を特定する場合、図7(a)に示したように、表示部13に表示された撮影画像に対して、例えば、ピンチアウトの操作を行うことによって、操作する対象の制御対象機器が全体に表示されるように画像の表示範囲を拡大する。そして、使用者は、図7(b)に示したように、例えば、制御対象機器の候補の一覧の中から、表示されている制御対象機器を選択する(ステップS204参照)。その後、制御部11は、図7(c)に示したように、制御対象機器の認識範囲を表示することによって確認し、使用者の操作(指示)に応じて表示した認識範囲の情報(認識範囲情報123)と操作情報122とを紐付けて記憶部12に記憶する(ステップS207参照)。
次に、操作処理では、上述したように、制御端末装置1のリモコン機能を起動して、紐付け処理が行われた制御対象機器を操作する。図8は、本第1の実施形態の制御端末装置1において操作する対象の機器(制御対象機器)を操作する方法(操作処理)の一例を示した図である。
操作処理では、まず、使用者が制御端末装置1を操作してリモコン機能を起動し、表示部13に表示された撮影画像に含まれる制御対象機器の中から、図8(a)に示したように、例えば、制御対象機器をタップする、つまり、制御対象機器の認識範囲内をタップすることによって、今回操作する制御対象機器を選択する(図3のステップS3〜ステップS33参照)。制御端末装置1は、選択された制御対象機器に対応する操作情報122に基づいて生成したユーザーインターフェース画像が重畳された合成画像を表示部13に表示する(図3のステップS34参照)。このとき、制御部11では、画像合成部112による画像合成機能が動作する。図8(b)には、制御対象機器としてテレビ30が選択されたことにより、テレビ30の機能である「電源(Power)のオン/オフ」と、「チャンネル(Channel)切替」との操作(図5参照)を表すユーザーインターフェース画像P1を重畳した合成画像の一例を示している。
制御端末装置1の使用者が表示部13に表示されたユーザーインターフェース画像P1の領域に対して操作を行うと、制御端末装置1は、操作に応じた操作コマンドをテレビ30に送信する(図3のステップS35〜ステップS37参照)。このとき、制御部11では、操作情報変換部114による操作情報変換機能が動作する。
このように、制御端末装置1では、操作処理において、使用者によって操作された指示に応じた操作コマンドを、選択された制御対象機器に送信する。
このような3つの処理によって制御端末装置1は、撮影した画像に含まれる制御対象機器と、それぞれの制御対象機器に対応する操作情報122を事前に記憶部12に記憶しておき、使用者から入力された制御対象機器に対する操作の指示に応じた操作コマンドを、制御対象機器が対応している通信方法で送信する。
<第2の実施形態>
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態は、例えば、制御端末装置の使用者が同一機種の制御対象機器を複数所持しているなど、同じ制御対象機器が複数存在する場合の実施形態である。なお、本第2の実施形態の制御端末装置の構成は、図2に示した第1の実施形態の制御端末装置1と同様である。また、本第2の実施形態の制御端末装置を使用して制御対象機器を操作する全体的な流れも、図3に示した第1の実施形態の処理シーケンスと同様である。従って、以下の説明においては、本第2の実施形態の制御端末装置も「制御端末装置1」として第1の実施形態と同様の構成や処理に関する詳細な説明は省略し、第1の実施形態と異なる処理を本第2の実施形態の処理として説明する。
図9は、本第2の実施形態における制御端末装置1を利用する概念を示した図である。図9(a)および図9(b)には、同一の制御対象機器であるエアコン20aとエアコン20bとが異なる部屋に設置されている状態の一例を示している。図9(a)に示したエアコン20aと、図9(b)に示したエアコン20bとには、それぞれ同じ型番が付与されている制御対象機器である。そして、制御端末装置1には、エアコン20aとエアコン20bとをそれぞれの操作するための同様の操作情報122が記憶部12に記憶されている。このため、制御端末装置1では、同一の制御対象機器(図9ではエアコン20aとエアコン20b)を区別して操作する必要がある。なお、記憶部12に同じ型番の制御対象機器に対する同様の操作情報122が複数記憶されている場合でも、それぞれの操作情報122に含まれるDevice UUIDおよびIPアドレス、つまり、識別情報は異なっている。
そこで、本第2の実施形態の制御端末装置1では、紐付け処理において、それぞれの制御対象機器を区別してから認識範囲情報123と操作情報122とを紐付ける。このため、本第2の実施形態の制御端末装置1では、図6に示した紐付け処理におけるステップS207の処理が、第1の実施形態の制御端末装置1と異なる。図10は、本第2の実施形態の制御端末装置1において操作する対象の同一の機器(制御対象機器)を区別する処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、図10には、図6に示した紐付け処理において、ステップS207内で行う処理を示している。
本第2の実施形態の制御端末装置1におけるステップS207の処理では、まず、制御端末装置1内の制御部11は、記憶部12内に同一の操作情報122が複数記憶されているか否かを判定する(ステップS271)。ステップS271において同一の操作情報122が複数記憶されていないと判定した場合(ステップS271の“NO”)、制御部11は、設定された認識範囲の情報(認識範囲情報123)と操作情報122とを紐付ける(ステップS274)。
一方、ステップS271において同一の操作情報122が複数記憶されていると判定した場合(ステップS271の“YES”)、制御部11は、記憶部12に記憶された同一の操作情報122のいずれかの操作情報122に基づいた操作を仮に実行、つまり、操作コマンドを仮に送信する(ステップS272)。そして、制御部11は、仮に実行した操作に対して制御対象機器の反応があるか否か、つまり、送信した操作コマンドを受信したことを表す応答の返信が制御対象機器からあったか否かを判定する(ステップS273)。ステップS273において仮に実行した操作に対する反応があると判定した場合(ステップS273の“YES”)、制御部11は、ステップS274において、仮に実行した操作が含まれる操作情報122と、この制御対象機器を特定するために設定された認識範囲の情報(認識範囲情報123)とを紐付ける。また、ステップS273において仮に実行した操作に対する反応がないと判定した場合(ステップS273の“NO”)、制御部11は、ステップS272に戻って、記憶部12に記憶された他のいずれかの操作情報122に基づいたステップS272およびステップS273の処理を繰り返す。
このように、本第2の実施形態の制御端末装置1では、紐付け処理において、仮に実行した操作に反応があった制御対象機器の認識範囲情報123と仮に実行した操作が含まれる操作情報122とを紐付ける。これにより、本第2の実施形態の制御端末装置1では、同一の制御対象機器が複数存在する場合でも、それぞれの制御対象機器を区別して、認識範囲情報123と操作情報122を紐付けることができる。なお、制御対象機器に対する操作を仮に実行する際に、操作コマンドを無線通信によって送信すると、無線通信信号の到達範囲内の複数の制御対象機器が反応することが考えられる。しかし、制御端末装置1の使用者が操作する制御対象機器は、使用者の近くに設置されていると考えられるため、複数の制御対象機器が反応した場合には、返信された無線通信信号の信号強度によって、反応した制御対象機器を区別することができる。
なお、図10に示した同一の制御対象機器を区別する処理では、制御対象機器に対する仮の操作を順次実行する必要があった。しかし、例えば、それぞれの制御対象機器に、LEDなどの発光手段を備えている場合には、操作情報122に含まれる制御対象機器の機能を動作させるための操作ではなく、それぞれの制御対象機器を認識するための操作によって、同一の制御対象機器を区別することもできる。
図11は、本第2の実施形態の制御端末装置において操作する対象の同一の機器(制御対象機器)を区別する別の処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、図11には、図6に示した紐付け処理において、ステップS201の処理を開始する前に、それぞれの制御対象機器に備えたLEDを操作することによって、紐付け処理の事前準備を行う処理を示している。
本第2の実施形態の制御端末装置1における紐付け処理の事前準備処理では、まず、制御端末装置1内の制御部11は、記憶部12内に同一の操作情報122が複数記憶されているか否かを判定する(ステップS211)。ステップS211において同一の操作情報122が複数記憶されていないと判定した場合(ステップS211の“NO”)、制御部11は、図6に示した紐付け処理を開始する。なお、図11には、図6に示した紐付け処理におけるステップS201のみを示している。
一方、ステップS211において同一の操作情報122が複数記憶されていると判定した場合(ステップS211の“YES”)、制御部11は、記憶部12に記憶された同一の操作情報122のそれぞれに、LEDを異なる色や発光パターンで発光させるためのLED発光情報を付加(追加)する(ステップS212)。続いて、制御部11は、記憶部12に記憶された全ての同一の操作情報122に対してLED発光情報の付加が完了したか否かを判定する(ステップS213)。ステップS213において全ての同一の操作情報122に対してLED発光情報の付加が完了していないと判定した場合(ステップS213の“NO”)、制御部11は、ステップS212に戻って、ステップS212およびステップS213の処理を繰り返す。一方、ステップS213において全ての同一の操作情報122に対してLED発光情報の付加の処理が完了したと判定した場合(ステップS213の“YES”)、制御部11は、操作情報122内にLED発光情報が含まれているか否かを判定する(ステップS214)。
ステップS214において操作情報122内にLED発光情報が含まれていないと判定した場合(ステップS214の“NO”)、制御部11は、図6に示した紐付け処理を開始する(ステップS201)。また、ステップS214において操作情報122内にLED発光情報が含まれていると判定した場合(ステップS214の“YES”)、制御部11は、操作情報122に含まれているLED発光情報に応じたLEDの発光をさせるための操作コマンドを制御対象機器に送信する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理は、複数の制御対象機器(例えば、図9に示したエアコン20aおよびエアコン20b)に対して、対応する操作情報122内のLED発光情報に応じたLEDの発光を同時に実行させてもよい。これにより、制御対象機器は、LED発光情報に応じてLEDを発光させる。その後、制御部11は、図6に示した紐付け処理を開始する(ステップS201)。
このような処理によって、同一の制御対象機器に備えたLEDを異なる色や発光パターンで発光させた状態で図6に示した紐付け処理を行う。図12は、本第2の実施形態の制御端末装置1において操作する対象の同一の機器(制御対象機器)を区別する方法の一例を示した図である。図12(a)は、図9(a)に示したエアコン20aに備えたLEDを赤色に発光させた状態の一例を示し、図12(b)は、図9(b)に示したエアコン20bに備えたLEDを緑色に発光させた状態の一例を示している。このように、同一の制御対象機器を撮影した際に、それぞれの制御対象機器が異なる状態であるようにすることによって、制御対象機器に対する仮の操作を実行することなくそれぞれの制御対象機器を容易に区別することができる。つまり、図6に示した紐付け処理において異なる状態の制御対象機器を撮影することができ、撮影した画像に含まれるLEDの発光に基づいて制御対象機器を特定して、認識範囲情報123と操作情報122とを紐付けることができる。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、制御端末装置1で撮影した画像に基づいて、それぞれの制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器に対応する操作情報に基づいて、使用者によって入力された制御対象機器に対する操作の指示に応じた操作を行うことができる。これにより、本発明を実施するための形態では、使用者がそれぞれの制御対象機器を直感的に操作することができる。また、本発明を実施するための形態によれば、同一機種の制御対象機器が複数ある場合でも、それぞれの制御対象機器を区別して操作することができる。
なお、本実施形態では、DLNA(登録商標)の仕組みを使用して制御対象機器の操作情報の取得や操作を無線通信によって行う場合について説明したが、本実施形態の制御端末装置1において制御対象機器の操作情報の取得や操作を行う方法は、本実施形態で説明した方法に限定されるものではなく、他の通信方法においても同様に、本発明の考え方を適用することができる。つまり、本発明では、通信手段、通信方法、プロトコルに関して特に規定しない。
また、本実施形態では、制御端末装置1としてスマートフォンやタブレット端末などの情報端末を利用する場合について説明したが、制御端末装置1として利用する端末装置は、カメラなどの撮影機能を有し、制御対象機器の操作情報の取得や操作を行う機能を有している端末装置であれば、他のいかなる端末装置であっても同様に、本発明の考え方を適用して制御端末装置として利用することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。