JP6459445B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、直流成分と交流成分とを重畳したバイアスを転写部材または対向部材に印加する転写装置において、転写部材の表面に保護剤を塗布する技術が開示されている。
請求項2に係る発明は、複数の被転写体に対して連続してトナー像を転写する場合に前記転写部材に搬送される被転写体同士の間隔x(mm)、当該転写部材の回転速度V(mm/s)、および前記制御手段により前記切り替え制御が行われてから当該転写部材と前記対向部材との間に形成される電界の極性が切り替わるまでの応答時間τ(s)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
x/V≦2τ …(1)
請求項3に係る発明は、前記電源は、前記直流電源により出力される直流電圧と前記交流電源により出力される交流電圧とを重畳した重畳電圧により、前記転写部材と前記対向部材との間に、前記保持体に保持されたトナー像を被転写体に転写する転写電界を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記保持体に保持されるトナー像は、体積平均粒径が互いに異なる複数種類のトナーにより構成され、前記転写部材の表面の十点平均粗さ(Rz)は、複数種類のトナーのうち最も体積平均粒径が小さいトナーの体積平均粒径以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、間隔x、回転速度Vおよび応答時間τが式(1)を満たさない場合と比較して、画像形成の生産性の低下が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、直流電圧により転写電界を形成する場合と比較して、被転写体に形成される画像の濃度むらが抑制される。
請求項4に係る発明によれば、複数種類のトナーのうち最も体積平均粒径が小さいトナーを用いた場合であっても、転写部材の表面に付着したトナーを容易に除去することができる。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する制御手段の一例としての主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90とを備えている。
第1搬送路R1乃至第5搬送路R5には、それぞれに沿って用紙を順次搬送する搬送ロールや搬送ベルトが配置されている。
続いて、本実施の形態の二次転写部30の構成について説明する。図2は、本実施の形態が適用される二次転写部30の構成を説明するための図である。
図2に示すように、本実施の形態の二次転写部30は、中間転写ベルト20上に重畳して一次転写された各色トナー像を用紙に対して二次転写する転写部材の一例としての二次転写ロール31と、中間転写ベルト20を介して二次転写ロール31に対向配置される対向部材の一例としての対向ロール32とを備えている。二次転写ロール31は、接地されている。
また、二次転写部30は、二次転写ロール31の外表面に接触するように配置され、対向ロール32との対向部を通過した後の二次転写ロール31の表面に付着したトナーを除去する除去部材の一例としてのロールクリーナ35を備えている。
電源装置36は、図2に示すように、直流成分の一例である直流電圧を出力する直流電源361と、交流成分の一例である交流電圧を出力する交流電源362とを有している。本実施の形態の電源装置36は、接地され、直流電源361および交流電源362は、接地側からこの順で直列に接続されている。
二次転写部30では、電源装置36により出力された電圧が対向ロール32に供給されることで、二次転写ロール31と対向ロール32との間に、予め定めた極性の電界が形成される。
そして、この状態で、二次転写部30に用紙が搬送されると、中間転写ベルト20に保持された各色トナー像が二次転写ロール31側に静電吸引され、用紙に二次転写される。
対向ロール32は、例えば、表面にカーボンを分散したエチレンプロピレンゴム(EPDM)とニトリルゴム(NBR)とのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMからなる。そして、対向ロール32は、その表面抵抗率が、例えば7logΩ/□以上10logΩ/□以下の範囲となるように形成される。また、対向ロール32は、硬度が、例えば70°(アスカC)に設定される。
二次転写ロール31は、両端が軸受部材(図示せず)により回転可能に支持されるシャフト311と、弾性を有する部材からなりシャフト311の外周面に設けられる円筒形状の弾性層312と、弾性層312の外周面に設けられるコート層313とを備えている。
なお、詳細については後述するが、本実施の形態の二次転写ロール31は、表面(中間転写ベルト20に対向する面)の表面凹凸(十点平均粗さRz)が、トナーの平均粒径以下となっている。
シャフト311は、全体として円筒状または円柱状の導電性を有する材料からなる。そして、シャフト311は、二次転写ロール31の電極として機能するとともに二次転写ロール31全体を支持する支持部材として機能する。
シャフト311を構成する材料としては、例えば、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属が挙げられる。また、シャフト311として、樹脂やセラミック等の外周面にメッキ処理を施した部材や、樹脂やセラミック等に導電剤を分散させた部材を用いてもよい。
なお、シャフト311の形状は、中空形状(円筒状)であってもよく、中実形状(円柱状)であってもよい。
弾性層312は、導電性および弾性を有する部材からなり、弾性材料(ゴム材料)と導電性付与剤とを含む。また、弾性層312は、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。さらに、弾性層312は、導電性を有する発泡弾性体からなってもよく、導電性を有する非発泡弾性体からなってもよい。ただし、弾性層312の表面研磨による表面粗さの制御の容易さや、弾性層312を形成する際に弾性層312内への液体の侵入を防止する等の観点から、弾性層312としては非発泡弾性体を用いることが好ましい。
なお、本実施の形態では、弾性層312の表面研磨により、後述するように二次転写ロール31の表面凹凸(十点平均粗さRz)を制御している。
これらの弾性材料の中でも、ポリウレタン、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBR、およびこれらを混合したゴムを用いることが好ましい。
導電性付与剤としては、電子導電剤、イオン導電剤が挙げられる。
弾性層312において電子導電剤は、通常、弾性材料(ゴム材料)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲で含有される。
弾性層312においてイオン導電剤は、通常、弾性材料(ゴム材料)100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲で含有される。
コート層313は、例えば二次転写ロール31からの用紙の剥離やトナーの除去を容易にし、また、弾性層312の摩耗を抑制するために設けられる。
コート層313は、導電性を有する材料からなり、樹脂材料と、導電性付与剤とを含む。また、コート層313は、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンのうちのいずれか1種または複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。
また、コート層313を構成する樹脂材料は、硬化性樹脂を硬化剤により硬化したものであってもよい。
コート層313をこのような硬化膜により構成することで、例えば、硬化剤の種類および量、焼成温度(硬化温度)を調整すること等により二次転写ロール31表面の低ヤング率化を実現し、割れの発生を抑制しやすくなる。また、この一方で、カーボンブラックの含有量を調整することにより、二次転写ロール31表面の微小硬度を高め、二次転写ロール31表面の傷の発生を抑制しやすくなる。このため、コート層313として上述した硬化膜を用いることが好適である。
ここで、塗布液の調整には、導電性付与剤(カーボンブラック等)の分散性を高める観点から、ジェットミルまたはホモジナイザ等の衝突型分散機を利用することが好ましい。導電性付与剤(カーボンブラック等)の分散性を高めることで、コート層313の低効率の過剰な上昇を抑制しながら、コート層313中の導電性付与剤の含有量を高め、二次転写ロール31の表面における微小硬度が高められる。
次に、本実施の形態が適用される画像形成装置1において行われる基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の各画像形成ユニット11は、電子写真プロセスによりY色、M色、C色、K色、G色、S色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、各一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナー像が重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写部30に搬送される。
二次転写部30では、後述する二次転写ロール31および対向ロール32の間に形成された二次転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)はドラムクリーナ16によって、二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)はベルトクリーナ23によって、それぞれ除去される。
二次転写部30では、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール31および対向ロール32の間に形成された二次転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成動作が、プリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
また、本実施の形態の画像形成装置1では、各画像形成ユニット11は、上述した用紙上に画像を形成するためのトナー像(以下、画像形成用トナー像と称する)を形成する動作に加え、画像形成用トナー像の画像濃度等を調整するために用いられるトナー像(以下、調整用トナー像と称する)を形成する動作を行う。ここで、画像形成用トナー像は第1トナー像の一例であり、調整用トナー像は第2トナー像の一例である。
続いて、中間転写ベルト20上に形成された調整用トナー像の濃度が、画像濃度センサ29により検出される。そして、画像濃度センサ29によって検出された調整用トナー像の検出結果に基づいて、主制御部50により、各画像形成ユニット11の動作条件の調整が行われる。これにより、画像形成用トナー像が予め定められた画像濃度に調整される。
本実施の形態の画像形成装置1では、主制御部50による制御に基づいて、中間転写ベルト20のうち調整用トナー像が形成された領域が二次転写部30を通過するタイミングに対応させて、電源装置36により二次転写部30(対向ロール32)に供給される電圧を、二次転写バイアスから非転写バイアスに切り替えている。これにより、二次転写部30に供給される電圧を二次転写バイアスのまま維持する場合と比較して、中間転写ベルト20上に形成された調整用トナー像から二次転写ロール31に転移するトナー量を低減している。
具体的に説明すると、上述したように、二次転写部30に供給するバイアスの切り替えは、直流電源361から出力される直流電圧の極性を切り替えることにより行われる。電源装置36では、直流電源361と交流電源362とが直列に接続されているため、直流電源361からの電圧は、交流電源362を通過して、対向ロール32に供給される。
また、図3(a)〜(b)に示す例では、矢印Aで示すタイミングで、主制御部50(図1参照)により、二次転写部30に供給するバイアスを二次転写バイアスから非転写バイアスへ切り替える制御(切り替え制御)が行われている。なお、切り替え制御は、例えば主制御部50から電源装置36に対して、二次転写部30に供給するバイアスを切り替える旨の信号が発信されることにより行われる。
具体的には、図4(a)〜(b)に示すように、中間転写ベルト20上に保持されるトナーには、負極性に帯電し粒径がトナーの体積平均粒径よりも大きい負極性大トナーT1、負極性に帯電し粒径がトナーの体積平均粒径以下の負極性小トナーT2、正極性に帯電し粒径がトナーの体積平均粒径よりも大きい正極性大トナーT3、正極性に帯電し粒径がトナーの体積平均粒径以下の正極性小トナーT4が含まれる。
現像器15では、トナー同士の電荷交換や摩擦等によって正極性に帯電したトナー(正極性大トナーT3、正極性小トナーT4)も生じるが、正極性のトナーの量は、負極性のトナーと比較すると少量である。また、正極性のトナーの帯電量(絶対値)は、負極性のトナーの帯電量(絶対値)と比較して小さい。さらに、トナーは表面積が大きいほど相対的な帯電量(絶対値)が大きくなりやすく、正極性大トナーT3の帯電量(絶対値)は、正極性小トナーT4と比較して大きくなりやすい。さらにまた、正極性大トナーT3は、正極性小トナーT4と比較してトナー中の存在量が多くなりやすい。
上述したように、正極性大トナーT3は、トナー中における絶対量が少なく、またその粒径がトナーの平均粒径よりも大きい。このため、二次転写ロール31の表面に付着した場合であっても、ロールクリーナ35(図2参照)により、二次転写ロール31の表面から容易に除去される。
上述したように、本実施の形態では、トナーを積極的に負極性に帯電させているため、調整用トナー像を構成するトナーには、負極性大トナーT1だけでなく負極性小トナーT2も多く含まれている。そして、二次転写ロール31の表面に付着するトナーの絶対量は、図4(a)に示した場合と比較して多くなる。また、図4(a)に示した場合と異なり、粒径がトナーの平均粒径以下のトナー(負極性小トナーT2)も二次転写ロール31の表面に多く付着する。
そして、二次転写ロール31の表面にトナーが残存している場合、二次転写部30において画像形成用トナー像を用紙に二次転写する際に、二次転写部30に搬送された用紙の裏面に、二次転写ロール31の表面に残存したトナーが付着するおそれがある。この場合、用紙の裏面汚れが生じ好ましくない。
また、図6は、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)が、トナーの体積平均粒径よりも大きい場合の二次転写ロール31とトナーとの関係、およびロールクリーナ35によるトナーの除去動作を示した図である。
上述したように、本実施の形態の画像形成装置1では、ロールクリーナ35により二次転写ロール31の表面に付着したトナーを掻き取ることで、二次転写ロール31の表面を清掃する。したがって、二次転写ロール31の表面にトナーが残存することを抑制するためには、ロールクリーナ35と二次転写ロール31の表面に付着したトナーとが接触することが重要である。
したがって、ロールクリーナ35との対向部を通過する際に、トナーTがロールクリーナ35と接触しやすくなり、ロールクリーナ35によって二次転写ロール31の表面からトナーTが除去されやすくなる。
この場合、ロールクリーナ35との対向部を通過した場合であっても、凹部に付着したトナーTにはロールクリーナ35が接触しにくく、二次転写ロール31の表面にトナーTが残存するおそれがある。
これに対し、本実施の形態は、画像形成装置1において生産性を低下させることなく用紙の裏面汚れの発生を抑制することができ、画像形成装置1の生産性の向上に寄与する。
x/V ≦ 2τ …(1)
ここで、図7(a)および図8(a)は、調整用トナー像Qが形成された中間転写ベルト20の一例を示している。また、図7(a)および図8(a)において符号P1、P2は、二次転写部30において用紙が搬送される領域(以下、用紙搬送領域P1、P2と称する)を表しており、画像形成用トナー像が形成される領域に対応する。図7(b)および図8(b)は、図7(a)または図8(a)に示した中間転写ベルト20が二次転写部30を通過する時点において二次転写部30に形成される電界を示している。
また、図7(a)〜(b)は、搬送される用紙同士の間隔(以下、用紙間隔と称する)x(mm)、中間転写ベルト20の移動速度V(mm/s)および応答時間τが上記式(1)を満たす場合を示している。これに対し、図8(a)〜(b)は、用紙間隔x、移動速度Vおよび応答時間τが上記式(1)を満たさない場合であり、図7(a)〜(b)に示した例と比較して画像形成装置1における画像形成動作の生産性が低い場合の関係を示している。
この場合、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)をトナーの平均粒径以下とする本実施の形態がより効果的に採用される。すなわち、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)をトナーの体積平均粒径以下とする構成を採用することで、二次転写ロール31の表面に付着したトナーがロールクリーナ35により取り除かれやすくなるという本実施の形態の効果がより顕著に表れるようになる。
そして、本実施の形態の構成は、用紙間隔x、移動速度Vおよび応答時間τが上記式(1)条件を満たす場合により効果的に用いられる。すなわち、用紙間隔x、移動速度Vおよび応答時間τが上記式(1)条件を満たす場合には、画像形成装置1の生産性の低下、および用紙の裏面汚れの発生の双方の抑制が実現される。
(a)二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)と残トナー量との関係について
本発明者らは、まず、表面凹凸(Rz)を異ならせた二次転写ロール31を用い、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)の大きさと、ロールクリーナ35による清掃後の二次転写ロール31の表面に残存するトナーの量との関係を測定した。
画像形成装置1としては、富士ゼロックス社製700 Digital Color Pressの改造機を用いた。
具体的には、二次転写ロール31としては、外径がφ14の金属製のシャフト311上に厚さ5mmのゴムまたは発泡樹脂からなる弾性層312を設け、その外周面に厚さ20μmの樹脂からなるコート層313を設けた、トータル径がφ24のロール部材を用いた。なお、いずれの二次転写ロール31も、体積抵抗は、7.0logΩであった。また、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)は、0.8μm〜13μmのものを用いた。
また、対向ロール32としては、外径がφ15の金属シャフト上に厚さ2.5mmのゴム弾性層を設けたトータル径がφ20のロール部材を用いた。なお、いずれの対向ロール32も、体積抵抗は、6.5logΩであった。
そして、上述した画像形成装置1を用い、二次転写ロール31上に、調整用トナー像を形成した。具体的には、まず画像形成ユニット11Mを用いてマゼンタ(M)色トナーからなる調整用トナー像(M色100%パッチ)を中間転写ベルト20に形成した。続いて、中間転写ベルト20上に形成された調整用トナー像を、二次転写部30において、用紙を介さずに直接、二次転写ロール31上に転写した。
二次転写部30における中間転写ベルト20および二次転写ロール31の表面速度(プロセススピード)は、440mm/sとした。
なお、調整用トナー像の濃度を等しくした場合、第1トナーと第2トナーとでは、調整用トナー像を構成するトナーの重量が異なる。具体的には、調整用トナー像を構成するトナーの重量は、第1トナーを用いた場合、2.9g/m2であり、第2トナーを用いた場合、4.5g/m2であった。これは、トナーの粒径が小さいほど、調整用トナー像を構成するトナーの高さ(パイルハイト)が低くなる分、調整用トナー像を構成するトナーの重量が小さくなるためである。
ロールクリーナ35としては、硬度70度のゴムブレードを用いた。また、ロールクリーナ35は、押し付け力NF2.7g/mm、接触角度WA10度で、二次転写ロール31の表面に対して押し付けられるものとした。また、ロールクリーナ35の表面には、潤滑剤としてZnStを塗布した。
図9は、測定結果に基づいて、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)の大きさと、二次転写ロール31の表面に残存したトナーの量との関係を示した図である。
図9において、破線は、第1トナーおよび第2トナーそれぞれを用いた場合の、残トナー量の目標値を示している。ここで、残トナー量の目標値とは、二次転写部30に用紙が搬送され二次転写ロール31の表面から用紙の裏面にトナーが付着した場合であっても、トナーによる裏面汚れが目視で確認できない残トナー量の上限値を意味する。図9に示すように、残トナー量の目標値はトナーの体積平均粒径によって異なっており、第1トナーの場合には0.33g/m2、第2トナーの場合には、0.5g/m2である。
この結果は、二次転写ロール31の表面凹凸(Rz)をトナーの体積平均粒径以下とすることにより、ロールクリーナ35が二次転写ロール31の表面に付着したトナーに接触し、問題のないレベルまでトナーを掻き取っていることを示唆するものである。
(実施例1〜実施例11、比較例1、比較例2)
続いて、表面凹凸(Rz)を異ならせた二次転写ロール31を用いた画像形成装置1において、用紙を連続出力し、裏面汚れを評価した。出力する用紙としては、A4サイズのOSコート127gsm紙(富士ゼロックス社製)を用いた。また、実施環境は、気温22度、湿度55%であった。
また、二次転写部30(対向ロール32)にバイアスを供給する電源装置36としては、直流電源361と交流電源362とが直列に接続されたものを用い、二次転写部30に対して直流電源361から出力される直流電圧のみを供給するものとした。
さらに、二次転写部30における中間転写ベルト20および二次転写ロール31の表面速度(プロセススピード)は、528mm/sとした。
また、用紙搬送領域同士の間隔(用紙間隔x)は、45mmであった。
なお、実施例1〜実施例11、比較例1および比較例2それぞれの二次転写ロール31は、表面凹凸(Rz)が異なるものの、他は同様の構造を有している。このため、電源装置36に対する容量負荷は同程度であり、応答時間τは、実施例1〜実施例11、比較例1および比較例2の全てで45msであった。そして、実施例1〜実施例11、比較例1および比較例2の全てにおいて、上記条件(1)x/V≦2τを満たしていた。
A:用紙の裏面汚れが確認されない。
B:用紙の裏面汚れの発生が確認される。
Claims (4)
- トナー像を保持する保持体と、
表面の十点平均粗さ(Rz)がトナー像を構成するトナーの体積平均粒径以下に形成され、回転しながら当該表面と前記保持体との間に被転写体を挟んで当該保持体に保持されたトナー像を被転写体に転写する転写部材と、
前記保持体を介して前記転写部材に対向する対向部材と、
直流電圧を出力する直流電源と交流電圧を出力する交流電源とが直列に接続され、前記転写部材と前記対向部材との間に予め定めた極性の電界を形成する電源と、
前記転写部材の前記表面に付着したトナーを当該表面から除去する除去部材と、
前記電源によって前記転写部材と前記対向部材との間に形成される電界の極性を切り替えるための切り替え制御を行う制御手段とを備え、
前記保持体に保持されるトナー像は、被転写体に転写される第1トナー像と、被転写体に転写されない第2トナー像とを含み、
前記制御手段は、前記第1トナー像が前記転写部材を通過して被転写体に転写された後、前記第2トナー像が当該転写部材に到達する前に、前記切り替え制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の被転写体に対して連続してトナー像を転写する場合に前記転写部材に搬送される被転写体同士の間隔x(mm)、当該転写部材の回転速度V(mm/s)、および前記制御手段により前記切り替え制御が行われてから当該転写部材と前記対向部材との間に形成される電界の極性が切り替わるまでの応答時間τ(s)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
x/V≦2τ …(1) - 前記電源は、前記直流電源により出力される直流電圧と前記交流電源により出力される交流電圧とを重畳した重畳電圧により、前記転写部材と前記対向部材との間に、前記保持体に保持されたトナー像を被転写体に転写する転写電界を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記保持体に保持されるトナー像は、体積平均粒径が互いに異なる複数種類のトナーにより構成され、
前記転写部材の表面の十点平均粗さ(Rz)は、複数種類のトナーのうち最も体積平均粒径が小さいトナーの体積平均粒径以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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