JP6459431B2 - 光学式検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微細なパターンが形成された被検査体の欠陥を撮像手段等を用いて光学式に検査するための光学式検査方法に関する。
微細なパターンを形成する技術として、フォトリソグラフィ法や、ナノインプリントリソグラフィ法が従来からある。このうち、フォトリソグラフィ法は、パターンが形成されたフォトマスクを形成し、フォトマスクのパターンを基板に塗布されたレジストに露光した後、露光されたパターンに応じて基板をエッチング等することで、基板にパターンを転写する技術である。一方、ナノインプリントリソグラフィ法は、表面に微細なパターンが形成された型(テンプレート)を、例えば、樹脂材料等の被成形材料を塗布した基板に押し付ける(押印する)ことにより、被成形材料を力学的に変形させ、被成形材料に微細なパターンを転写する技術である。
ナノインプリントリソグラフィ法は、テンプレート上のパターンを基板(ウェハ)に直接的に押印するので、フォトリソグラフィ法のような複雑な近接補正技術を必要とせず、且つ、比較的安価な装置で転写が可能なため、コストメリットが大きい技術である点、及び、フォトリソグラフィ法での解像限界を更に超えた転写性能の可能性を有する技術である点等で、近年、注目されている。
ところで、上述したようなリソグラフィ技術において欠陥の無い高品質な転写を行うためには、フォトリソグラフィ法においてはフォトマスクに欠陥が無いことが求められ、ナノインプリントリソグラフィ法においてはテンプレートに欠陥が無いことが求められる。このため、これらフォトマスク及びテンプレートは、通常、実際に使用される前(出荷前等)に、欠陥検査が行われ、欠陥が許容範囲内であるか否かが判定される。
微細なパターンに対する欠陥の検査手法としては、撮像手段により取得した被検査体の画像に基づき欠陥を判定したり、レーザ光を被検査体上に照射して反射光や錯乱光を測定して欠陥を判定したりする光学式外観検査が従来から知られている。また、電子ビームを被検査体に照射して取得した画像に基づき欠陥を判定する電子ビーム式外観検査等も従来から知られている。
例えば、特許文献1には、フォトマスクに生じた欠陥を光学式外観検査によって検査する検査装置が開示されている。この検査装置では、光を照射された物体からの光を検出し、光の強度が所定値を越えた物体上の位置を特定しておき、物体に対する複数回の光の照射を行い、物体上の同じ位置で所定回数以上、光の強度が所定値を越えた場合に、物体に欠陥が存在すると判定する。また、この特許文献1にかかる装置では、物体に対する光の照射回数を、物体に欠陥が存在する確率等を用いて決定するようになっている。
特許第5538952号公報
ところで、フォトリソグラフィ法では、一般的に、4倍体のフォトマスクパターンをウェハに塗布されたレジストに露光する際に、フォトマスクパターンを1/4縮小して露光する。このため、フォトマスクに微小な欠陥があった場合でも、欠陥が露光時に縮小されることで基板に転写されない場合がある。一方で、ナノインプリントリソグラフィ法では、テンプレートのパターンが1倍体であるため、基板上の被成形材料に実質的に同一のサイズで転写される。このため、テンプレートに欠陥があった場合には、そのサイズによらず欠陥が転写されてしまう。
したがって、ナノインプリントリソグラフィ法で用いられるテンプレートの欠陥検査では、フォトマスクの欠陥検査で検出可能であることが求められる欠陥サイズよりも、より小さいサイズの欠陥を検出可能であることが求められる。しかしながら、近年のナノインプリント用のテンプレートのパターンサイズは、多くの場合、撮像手段による光外観検査装置では解像できないサイズとなっている。そのため、このような光外観検査装置を用いて欠陥を検査しようとする場合、当該装置で取得される画像において、解像不能なパターンよりも微小な欠陥を明確に表示することは、困難である。
その一方で、上記のような光外観検査装置を用いる場合であっても、検出感度を高感度とした場合には、解像はされていないものの、画像において微小な欠陥を検出(推定)可能になる。ところが、微小な欠陥はもとよりパターンも検査装置上未解像となっているが故に、画像には、電気的なノイズや、パターンの転写に影響しないエッジラフネス等が、疑似欠陥として多く検出されてしまう。このため、画像においては、実際の欠陥(実欠陥)と疑似欠陥とを含む多くの欠陥候補部分が検出されてしまい、この欠陥候補部分から実欠陥を判定することが困難になるという問題が生じてしまう。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであって、その目的は、高感度で欠陥の検出を行いつつも、疑似欠陥の検出数を抑えて欠陥検査を効率的に行うことができる光学式検査方法を提供することにある。
本発明は、被検査体を撮像手段により撮像して検査する光学式検査方法において、予め設定された、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値で、前記撮像手段により被検査体の複数の検査画像を取得する検査画像取得工程と、前記複数の検査画像に基づいて被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定する欠陥候補判定工程と、を備えたことを特徴とする光学式検査方法、である。
前記光学式検査方法は、前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する疑似欠陥特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における疑似欠陥の発生数を特定する疑似欠陥特定工程をさらに備え、前記代表フォーカスオフセット値は、特定した疑似欠陥の発生数に基づき、設定されるようにしてもよい。
また、前記光学式検査方法は、前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における高さの異なる複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する検出反応値特定工程をさらに備え、前記代表フォーカスオフセット値は、前記複数種類の欠陥の検出反応値のうちのいずれかのピークに設定されるようにしてもよい。
また、前記光学式検査方法は、前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における高さの異なる複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する検出反応値特定工程をさらに備え、前記代表フォーカスオフセット値は、前記複数種類の欠陥の検出反応値が、各々のピークから所定値以上落ちないように、設定されるようにしてもよい。
また、前記光学式検査方法では、前記代表フォーカスオフセット値は、複数設定され、前記検査画像取得工程において、複数の前記代表フォーカスオフセット値で、前記撮像手段により被検査体の複数の検査画像を取得し、前記欠陥候補判定工程において、複数の前記代表フォーカスオフセット値の各々における複数の検査画像で、被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定するようにしてもよい。
また、前記光学式検査方法は、前記欠陥候補判定工程で判定された実欠陥候補部分に基づき、実欠陥を判定する実欠陥判定工程をさらに備えていてもよい。
本発明によれば、高感度で欠陥の検出を行いつつも、疑似欠陥の検出数を抑えて欠陥検査を効率的に行うことができる。
本発明の第1の実施の形態に用いられるパターン検査装置の概略構成図である。 第1の実施の形態にかかる疑似欠陥特定工程に使用される疑似欠陥特定用被検査体の、あるフォーカスオフセット値における画像に生じた実欠陥と疑似欠陥との検出反応値の様子を表したグラフを示した図である。 第1の実施の形態において、複数のフォーカスオフセット値における疑似欠陥の数(疑似欠陥数)及び欠陥の検出反応値を特定したグラフを示した図である。 第1の実施の形態にかかる検出反応値特定工程で用いられる欠陥反応特定用被検査体に付与された特定用欠陥を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に用いられるパターン検査装置の概略構成図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に用いられるパターン検査装置1の概略構成図である。まず、本実施の形態で用いられるパターン検査装置1について説明する。図1に示すように、このパターン検査装置1は、検出データ作成部2と、検査部3と、を備えている。
検出データ作成部2は、光源21、照明光学系22、載置部23、結像光学系24、検出部25、及び変換部26を有している。検出データ作成部2は、被検査体100に形成されたパターンの画像を作成し、検査部3に出力するようになっている。また、本実施の形態で用いられるパターン検査装置1では、検出データ作成部2が、透過光に基づいた画像と、反射光に基づいた画像とを作成することができるようになっている。
検出データ作成部2のうちの光源21は、検査光21aを出射するようになっている。光源21としては、白色光、単色光、コヒーレント光などを出射する各種光源を用いることができる。この場合、微細なパターンの検査を行うためには、波長の短い検査光21aを出射可能なものとすることが好ましい。そのようなものとしては、例えば、波長が199nmの検査光21aを出射するレーザ光源などを例示することができる。ただし、レーザ光源に限定されるわけではなく、パターンの大きさなどに応じて適宜変更することができる。
照明光学系22は、透過照明光学系22aと、反射照明光学系22bとを有している。透過照明光学系22aおよび反射照明光学系22bの各々は、レンズ、ミラーなどの各種光学要素を有している。なお、透過照明光学系22a、反射照明光学系22bに備えられる光学要素の種類、配置、数などは例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、透過照明光学系22aおよび反射照明光学系22bの各々は、上述の光学要素に加えて、絞り、ビームスプリッタ、倍率チェンジャ、ズーム機構などの他の光学要素を適宜設けるようにすることもできる。
透過照明光学系22aは、光源21から出射した検査光21aを被検査体100の表面側に導き、被検査体100の検査領域からの透過光を発生させるようになっている。一方、反射照明光学系22bは、光源21から出射した検査光21aを被検査体100の裏面側に導き、被検査体100の検査領域からの反射光を発生させるようになっている。また、透過照明光学系22a、反射照明光学系22bは、検査領域における照射部分の大きさを制御することが可能である。
載置部23は、被検査体100を載置、保持する。また、載置部23には図示しない移動手段が設けられ、載置部23に載置された被検査体100の位置を移動させることで検査が行われる位置を変化させることができるようになっている。なお、図示しない移動手段は必ずしも載置部23に設ける必要はなく、検査が行われる位置が相対的に変化するようになっていればよい。例えば、図示しない移動手段により照明光学系22、結像光学系24、検出部25などの位置が変化するようになっていてもよい。
結像光学系24は、オブジェクトレンズ(対物レンズ)、ミラーなどの各種光学要素を有し、さらに、例えばオブジェクトレンズの移動機構を含むフォーカスオフセット値調整手段を有し、フォーカスオフセット値を調整することが可能となっている。なお、結像光学系24に備えられる光学要素の種類、配置、数などは例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、結像光学系24は、上述の光学要素に加えて、絞り、ビームスプリッタ、倍率チェンジャ、ズーム機構などの他の光学要素を適宜設けるようにすることもできる。結像光学系24は、被検査体100からの透過光、反射光を検出部25の受光面に導くとともに受光面上に光学像を結像させる。
また、検出部25は、透過光が入射する透過用検出部25aと、反射光が入射する反射用検出部25bとを有している。これら検出部25a、25bは、受光面に入射した光の強度に応じた電気信号を出力する。これら検出部25a、25bとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ、CCDエリアセンサ、TDI(Time Delay and Integration)センサ(蓄積型センサ)などを例示することができる。ただし、これらに限定されるわけではなく、入射した光を光電変換できるものを適宜選択することができる。
また、変換部26は、透過用検出部25aに電気的に接続された透過用変換部26aと、反射用検出部25bに電気的に接続された反射用変換部26bとを有している。透過用変換部26aは、透過用検出部25aから出力された電気信号をA/D変換し、このA/D変換した電気信号を画像に変換するようになっている。また、反射用変換部26bは、反射用検出部25bから出力された電気信号をA/D変換し、このA/D変換した電気信号を画像(検査画像)に変換するようになっている。そして、これら変換部26a、変換部26bの各々で変換された画像(検査画像)は、検査部3に出力されるようになっている。
そして、本実施の形態の検査部3は、透過用変換部26aからの透過光に基づいた検査画像を用いて検査を行う透過画像検査部3aと、反射用変換部26bからの反射光に基づいた検査画像を用いて検査を行う反射画像検査部3bと、を有している。
本実施の形態において、透過画像検査部3aは、透過光に基づいた検査画像を複数取得し、複数の検査画像に基づいて被検査体100の欠陥候補部分を認識すると共に、複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定するようになっている。同様に、反射画像検査部3bは、反射光に基づいた検査画像を複数取得し、複数の検査画像に基づいて被検査体100の欠陥候補部分を認識すると共に、複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定するようになっている。
本実施の形態の透過画像検査部3aおよび反射画像検査部3bは、一例として、取得した検査画像における、ある座標の出力レベルが2つの閾値を超えた場合に欠陥候補部分であると認識し、この認識した欠陥候補部分が、複数の検査画像において同一座標に複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定するようになっている。なお、このような判定手法は、一例であり、他の公知の手法によって欠陥候補部分を判定してもよい。また、図示のパターン検査装置1は、透過画像検査部3a及び反射画像検査部3bを有するが、パターン検査装置1は、これらのうちのいずれかのみを有していてもよい。
なお、上述のように実欠陥候補部分を判定した後、当該実欠陥候補部分に基づき、実欠陥を判定するようにしてもよい。この場合、この実欠陥の判定は、例えば、被検査体における実欠陥候補部分に対応する位置または当該位置を含むその周辺領域のSEM(Scanning Electron Microscope)画像を取得して、このSEM画像を目視で確認することにより、行ってもよい。ここで、例えば、透過画像検査部3aおよび反射画像検査部3bは、実欠陥候補部分に対応する位置または当該位置を含むその周辺領域のSEM画像を取り込み、当該SEM画像を図示省略する表示装置等に表示する機能等を有していてもよい。
一方、上述のように実欠陥候補部分を判定した後、当該実欠陥候補部分を実欠陥と判定してもよい。
次に、本実施の形態による光学式検査方法について説明する。本実施の形態による光学式検査方法は、上述したパターン検査装置1を用いて行われる。この本実施の形態による光学式検査方法は、パターン検査装置1において未解像となるサイズのパターンを有する被検査体が検査対象であり、パターン検査装置1の検出感度を高感度とすることにより当該被検査体に含まれる微小な欠陥を検出する場合に、効率的な欠陥検出を実現する方法である。
概略として、本実施の形態による光学式検査方法は、予め設定された、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値で、結像光学系24及び検出部25により被検査体の複数の検査画像を取得する検査画像取得工程と、検査部3にて、前記複数の検査画像に基づいて被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定する欠陥候補判定工程と、を備えている。
また、上述した代表フォーカスオフセット値を設定する手法の一例として、本実施の形態の光学式検査方法は、撮像手段である結像光学系24及び検出部25に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、複数のフォーカスオフセット値に対応する詳細は後述する疑似欠陥特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における疑似欠陥の発生数を特定する疑似欠陥特定工程と、この疑似欠陥特定工程にて特定した疑似欠陥の発生数に基づき、代表フォーカスオフセット値を設定するフォーカスオフセット値設定工程と、を備えている。なお、本実施の形態では、このような疑似欠陥特定工程及びフォーカスオフセット値設定工程によって代表フォーカスオフセット値が設定されるが、代表フォーカスオフセット値は、他の手法で設定されてもよい。
また、本実施の形態の光学式検査方法は、撮像手段である結像光学系24及び検出部25に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する詳細は後述する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における高さの異なる複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する検出反応値特定工程をさらに備えている。本実施の形態では、検出反応値特定工程で特定された検出反応値をも考慮して、フォーカスオフセット値設定工程において、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定するようにしている。なお、本実施の形態では、このような検出反応値特定工程が行われるが、当該工程は、行われなくもよい。また、本実施の形態の光学式検査方法は、前記欠陥候補判定工程で判定された実欠陥候補部分に基づき、実欠陥を判定する実欠陥判定工程を備える。しかしながら、この工程も行われなくもよく、上述したように、実欠陥候補部分を判定した後、当該実欠陥候補部分を実欠陥と判定してもよい。以下、各工程について詳述する。
(疑似欠陥特定工程)
本実施の形態の光学式検査方法では、まず、疑似欠陥特定工程が行われる。この工程では、結像光学系24及び検出部25に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、複数のフォーカスオフセット値に対応する疑似欠陥特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における疑似欠陥の発生数を特定する。ここで、本実施の形態の疑似欠陥特定工程では、被検査体100として、所定のパターンを有する上述した疑似欠陥特定用被検査体を使用する。そして、この疑似欠陥特定用被検査体の複数のフォーカスオフセット値に対応する複数の画像を入手して、これら複数の画像における疑似欠陥の発生数を特定する。なお、本実施の形態では、複数のフォーカスオフセット値を設定する際、結像光学系24の上述したフォーカスオフセット値調整手段により調整を行う。ここで、本実施の形態でいうフォーカスオフセット値とは、所定の被写体(被検査体100等)の撮像画像の信号強度が最大となるフォーカス値と、このフォーカス値の焦点位置を基準にして、被写体(被検査体100等)と結像光学系24における例えばオブジェクトレンズとの距離を変化させることで焦点位置を意図的に変えた際のずらし量と、のことを意味する。また、複数のフォーカスオフセット値に対応する疑似欠陥特定用被検査体の複数の画像は、検査部3に入力されるが、ここでは、フォーカスオフセット値毎に少なくとも1枚の画像があればよい。
なお、本実施の形態の光学式検査方法では、疑似欠陥特定工程及び後述の検出反応値特定工程の後に、フォーカスオフセット値が設定され、その後、検査画像取得工程、欠陥候補判定工程、及び実欠陥判定工程を行い、これら検査画像取得工程、欠陥候補判定工程及び実欠陥判定工程によって、被検査体に対する本番の欠陥検査が行われる。上述した疑似欠陥特定用被検査体は、この例では、本番の欠陥検査で検査される被検査体とは異なるものであるが、本番の欠陥検査で検査される被検査体と同様のパターンを有することが好ましい。また、本実施の形態では、上述した本番の欠陥検査において、ナノインプリントリソグラフィ法で用いられる微細なパターンを有するテンプレートの検査が行われる。疑似欠陥特定用被検査体は、当該テンプレートと同一の微細なパターンまたは同等に微細なパターンを有している。
なお、この例では、疑似欠陥特定用被検査体は、本番の欠陥検査で検査される被検査体とは異なるものであるが、本番の欠陥検査で検査される被検査体にプログラム欠陥入りの評価パターンを入れ込んだものが、疑似欠陥特定用被検査体として使用されてもよい。この場合は、前記評価パターンで疑似欠陥の特定が行われた後に、フォーカスオフセット値設定工程が行われ、その後に、被検査体における検査が必要なパターンに対して、検査画像取得工程、欠陥候補判定工程、及び実欠陥判定工程が行われる。
また、本番の欠陥検査で検査されるべき被検査体が、疑似欠陥特定用被検査体として使用されてもよい。この場合は、疑似欠陥特定用被検査体として使用された被検査体で疑似欠陥の特定が行われた後に、フォーカスオフセット値設定工程が行われ、その後に、当該被検査体と同様のパターンを有する他の被検査体に対して、検査画像取得工程、欠陥候補判定工程、及び実欠陥判定工程が行われる。
疑似欠陥の発生数の特定は、あるフォーカスオフセット値における疑似欠陥特定用被検査体の画像と、予め入手した疑似欠陥特定用被検査体のSEM画像と、を比較することで行う。すなわち、あるフォーカスオフセット値における疑似欠陥特定用被検査体の画像において欠陥と判定可能な出力レベルとなっている座標位置を特定し、この特定した座標位置に対応するSEM画像の座標位置において欠陥があれば、欠陥ありと判定し、欠陥がなければ疑似欠陥と判定する。そして、疑似欠陥と判定された回数を計数することにより、疑似欠陥の発生数を特定する。
なお、疑似欠陥特定工程における疑似欠陥の発生数の特定は、本実施の形態では、透過光に基づく画像と、反射光に基づく画像のそれぞれで行われる。しかしながら、透過光に基づく画像及び反射光に基づく画像のいずれかのみで、疑似欠陥の発生数の特定を行ってもよい。
図2は、あるフォーカスオフセット値における疑似欠陥特定用被検査体の画像に生じた実欠陥と疑似欠陥との検出反応値の様子を表したグラフを示している。なお、図2のグラフは、反射光に基づく画像に生じた実欠陥と疑似欠陥との検出反応値を示している。図2において、横軸は、画像における一方向の座標位置、縦軸は、座標位置に対応する実欠陥および疑似欠陥を含む欠陥の検出反応値を示している。検出反応値とは、欠陥がある場合に立ち上がる出力レベルの度合を意味する。また、図2において、「*」が疑似欠陥を示し、「ひし形(◇)」が実欠陥を示している。「*」で示される疑似欠陥は、図2においては、その生じた座標位置が前記一方向に直交する他方向において異なる場合であっても前記一方向における座標位置が同じである場合には、前記一方向における同じ座標位置で示されている。図2に示すように、疑似欠陥特定用被検査体の画像においては、多数の疑似欠陥が生じている。疑似欠陥特定工程では、このような疑似欠陥の数を、フォーカスオフセット値毎に特定する。
なお、疑似欠陥の数は、検出感度が高感度であるほど生じるが、検出感度を低くした場合には、微小の実欠陥を検出できなくなる。その様子が、図2に表されている。すなわち、図中の破線、二点鎖線、一点鎖線で示すS1、S2、S3は、検出感度の程度を示す直線であり、直線がグラフにおける下方に位置するほど検出感度が高いことを示す。したがって、直線S1で示す検出感度が、この例では最も高感度であり、直線S3で示す検出感度が、この例では最も検出感度が低いことを意味する。
直線S3で示す検出感度が設定された場合には、この検出感度では、直線S3で示す線よりもグラフにおいて上方にある実欠陥を検出可能であることを意味する。この場合、疑似欠陥がほとんど検出されないが、検出できる実欠陥が少なく、微小な実欠陥は検出できない。その一方で、直線S1で示す検出感度が設定された場合には、微小な実欠陥まで検出可能であるが、疑似欠陥も多く検出される。ここで、本実施の形態で用いられるパターン検査装置1の検出感度は、直線S1で示すレベルに設定されることを想定している。
そして、図3は、複数のフォーカスオフセット値における疑似欠陥の数(疑似欠陥数)を特定したグラフを示している。このグラフでは、横軸がフォーカスオフセット値を示している。詳細には、横軸では、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値と、このフォーカスオフセット値からオフセットしたフォーカスオフセット値が示されている。なお、この例において、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値は、疑似欠陥特定用被検査体の撮像画像の信号強度が最大となるフォーカス値である。この例では、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値と、この基準のフォーカスオフセット値から、−0.05、−0.1、−0.15、−0.2だけフォーカスオフセットしたフォーカスオフセット値と、基準のフォーカスオフセット値から、+0.05、+0.1だけフォーカスオフセットしたフォーカスオフセット値と、が示されている。
そして、図3のグラフにおける縦軸は、疑似欠陥数と、詳細は後述する欠陥に対する検出反応値とを示している。疑似欠陥数は、図中の「四角(□)」で示されている。この例では、疑似欠陥数に関しては、+0.1のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数が最も多い値で特定されており、疑似欠陥数を示す縦軸では、この+0.1のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数を100%として、他のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数を特定している。この図3の例では、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数が最も少ない結果となっている。
(検出反応値特定工程)
以上のような疑似欠陥特定工程の後、本実施の形態では、検出反応値特定工程が行われる。なお、この工程は、疑似欠陥特定工程と同時に、またはその前に行われてもよい。この工程では、結像光学系24及び検出部25に関し疑似欠陥特定工程と同様の複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における高さの異なる複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する。ここで、本実施の形態の検出反応値特定工程では、被検査体100として、上述した欠陥反応特定用被検査体を使用して、この欠陥反応特定用被検査体の複数のフォーカスオフセット値に対応する複数の画像を入手して、これら複数の画像における欠陥反応値を特定する。
欠陥反応特定用被検査体は、本番の欠陥検査で検査される被検査体とは異なるものであるが、本番の欠陥検査で検査される被検査体と同様のパターンを有している。しかしながら、この欠陥反応特定用被検査体には、予め高さの異なる複数の欠陥(特定用欠陥)が付与されている。この特定用欠陥は、意図的に形成されていてもよい。なお、疑似欠陥特定工程で用いる疑似欠陥特定用被検査体に特定用欠陥を設けるのであれば、疑似欠陥特定工程で用いた疑似欠陥特定用被検査体を、検出反応値特定工程で用いてもよい。
図4(A)〜(C)には、前記欠陥反応特定用被検査体に付与された特定用欠陥が示されている。図4(A)には、一方向に複数並んだラインパターン部40が形成されるパターンにおいて、隣接するラインパターン部40の間に跨がり、その高さH1がラインパターン部40の高さHの半分程度となるように形成された特定用欠陥(以下、低欠陥と呼ぶ。)41が示されている。また、図4(B)には、隣接するラインパターン部40の間に跨がり、その高さH2がラインパターン部40の高さHと同等となるように形成された特定用欠陥(以下、中欠陥と呼ぶ。)42が示されている。また、図4(C)には、隣接するラインパターン部40の間に跨がり、その高さH3がラインパターン部40の高さHの2倍程度となるように形成された特定用欠陥(以下、高欠陥と呼ぶ。)43が示されている。
欠陥の検出反応値は、複数のフォーカスオフセット値の各々で、低欠陥41、中欠陥42、及び高欠陥43を含む画像を取得し、画像における低欠陥41、中欠陥42、及び高欠陥43が位置する座標位置における出力レベルを検出し、この値に基づき特定される。
なお、検出反応値特定工程における欠陥の検出反応値の特定は、本実施の形態では、透過光に基づく画像と、反射光に基づく画像のそれぞれで行われる。しかしながら、透過光に基づく画像及び反射光に基づく画像のいずれかのみで、欠陥の検出反応値の特定を行ってもよい。
そして、図3には、複数のフォーカスオフセット値における低欠陥41、中欠陥42、及び高欠陥43の検出反応値が示されている。なお、図3のグラフは、反射光に基づく画像における欠陥の検出反応値を示している。低欠陥41の検出反応値は、図中の「丸形(○)」で示され、中欠陥42の検出反応値は、図中の「ひし形(◇)」で示され、高欠陥43の検出反応値は、図中の「三角形(△)」で示されている。検出反応値は、高いほど、欠陥を精度良く検出できる度合を示している。図3の例では、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値に低欠陥41が最も正確に検出されるピークが位置し、−0.1のフォーカスオフセット値に中欠陥42のピークが位置し、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値に高欠陥43のピークが位置している。
(フォーカスオフセット値設定工程)
そして、以上のように疑似欠陥特定工程および検出反応値特定工程が行われた後、本実施の形態では、フォーカスオフセット値設定工程が行われる。この工程では、疑似欠陥特定工程において特定した疑似欠陥の発生数、および、検出反応値特定工程において特定した欠陥の検出反応値に基づき、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定する。なお、フォーカスオフセット値設定工程では、透過光に基づく画像において特定された疑似欠陥の発生数、および、欠陥の検出反応値に基づき、結像光学系24及び検出部25のうちの透過用検出部25aに関する代表フォーカスオフセット値が設定される。また、反射光に基づく画像において特定された疑似欠陥の発生数、および、欠陥の検出反応値に基づき、結像光学系24及び検出部25のうちの反射用検出部25bに関する代表フォーカスオフセット値が設定される。しかしながら、結像光学系24と透過用検出部25a、及び、結像光学系24と反射用検出部25bのうちのいずれかのみに、代表フォーカスオフセット値を設定して、その後の工程を行ってもよい。
フォーカスオフセット値設定工程では、当該工程の後に行われる検査画像取得工程で取得される検査画像に疑似欠陥が多く含まれることを防止し、その後の欠陥候補判定工程において実欠陥候補部分か否かを判定される疑似欠陥を極力抑制して、判定の負荷を低減する目的で、代表フォーカスオフセット値を設定する。
図3を参照し、この例では、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数が最も少なく、次に、−0.05のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数が少なく、次に、+0.05のフォーカスオフセット値における疑似欠陥数が少ない。これら3つのフォーカスオフセット値における疑似欠陥が、他のフォーカスオフセット値に比べて著しく少ない。
例えば、フォーカスオフセット値設定工程では、疑似欠陥の検出数を極力抑制したいという観点を重視するのであれば、最も疑似欠陥が少ない「0」で示す基準のフォーカスオフセット値を、代表フォーカスオフセット値として設定してもよい。また、別の設定手法として、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値では、中欠陥42の検出反応値がそのピークから大きく下がるため、これを考慮して、図中L1で示すように、−0.05のフォーカスオフセット値を、代表フォーカスオフセット値として設定してもよい。図3の例において、−0.05のフォーカスオフセット値では、いずれの欠陥41〜43の検出反応値のピークには合わないものの、それぞれのピークから大きく下回ることなく、且つ疑似欠陥数も少ない。このため、このフォーカスオフセット値は、フォーカスオフセット値に起因する欠陥の検出漏れを極力抑えつつ疑似欠陥数も少なく抑えることができるというバランスの良いフォーカスオフセット値と評価することができる。
ここで、欠陥の検出反応値を考慮して、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定する場合には、各欠陥の検出反応値が、各々のピークから所定値以上落ちないように、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定することが好ましい。例えば、各欠陥の検出反応値が、各々のピークから例えば20%(所定値)以上落ちない範囲で、且つ、疑似欠陥が少ないと評価できるフォーカスオフセット値を代表フォーカスオフセット値として設定するようにしてもよい。疑似欠陥が少ないと評価できるフォーカスオフセット値の基準としては、例えば、選択の候補となるフォーカスオフセット値の中で最も疑似欠陥数が多いと評価されたフォーカスオフセット値の疑似欠陥数の30%以内の疑似欠陥数となるフォーカスオフセット値であれば、疑似欠陥が少ないフォーカスオフセット値であると評価したり、疑似欠陥数の数が所定値(例えば、1mm当たり2個)以下であれば、疑似欠陥が少ないフォーカスオフセット値であると評価したりしてもよい。
また、フォーカスオフセット値設定工程における別の設定手法として、例えば、欠陥の検出反応値のうちのいずれかのピークに合わせて、代表フォーカスオフセット値を設定するようにしてもよい。例えば、図3の例では、低欠陥41のピークに合わせて、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値を、代表フォーカスオフセット値として設定してもよい。
(検査画像取得工程)
そして、フォーカスオフセット値設定工程で代表フォーカスオフセット値を設定した後、次に、検査画像取得工程が行われる。この工程では、前記フォーカスオフセット値設定工程で設定された代表フォーカスオフセット値で、結像光学系24及び検出部25により被検査体の複数の検査画像(透過光に基づく検査画像および/または反射光に基づく検査画像)を取得する。なお、ここで画像を取得される被検査体は、本番の欠陥検査が行われるものであるが、少なくとも欠陥反応特定用被検査体とは同様のパターンを有している。また、上述したが、ここで画像を取得される被検査体は、ナノインプリントリソグラフィ法で用いられる微細なパターンを有するテンプレートである。
(欠陥候補判定工程)
そして、欠陥候補判定工程では、例えば、取得した検査画像における、ある座標位置の出力レベルが2つの閾値を超えた場合に欠陥候補部分であると認識し、この認識した欠陥候補部分が、複数の検査画像において同一座標に複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定する。一方、前記認識した欠陥候補部分が、複数の検査画像において同一座標に複数回現れなかった場合には、実欠陥候補部分と判定しないようにする。これにより、検査画像においては、高精度に実欠陥候補部分が特定される。
(実欠陥判定工程)
そして、この例では、実欠陥判定工程において、欠陥候補判定工程で判定された実欠陥候補部分に基づき、実欠陥が判定される。実欠陥の判定は、例えば、被検査体における実欠陥候補部分に対応する位置または当該位置を含むその周辺領域のSEM画像を取得することにより、SEM画像を目視で確認して行ってもよい。なお、上述したが、この工程は行われなくもよい。この場合、上述したように、実欠陥候補部分を判定した後、当該実欠陥候補部分を実欠陥と判定してもよい。
以上に説明した本実施の形態によれば、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定して、被検査体の画像を取得し、当該検査画像から欠陥候補判定工程を行う。そのため、代表フォーカスオフセット値の設定の後に行われる欠陥候補判定工程で用いられる検査画像における疑似欠陥を減少させることができる。
そして、本実施の形態の欠陥候補判定工程では、複数の検査画像に基づいて被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定する。ここで、検査画像においては、判定の対象となる疑似欠陥および実欠陥を含む欠陥候補部分の候補数が、上述のように疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値が設定されることで減少している。このため、「実欠陥候補部分」であるか否かの判定数を減少させることができるので、「実欠陥候補部分」を効率的に特定することができる。また、本実施の形態では、上述したように、欠陥候補部分が複数の検査画像において同一座標に複数回現れた場合に、実欠陥候補部分と判定するので、高精度に「実欠陥候補部分」が特定され、且つ、「実欠陥候補部分」である確率の低い欠陥候補部分は除外される。そのため、判定された実欠陥候補部分が実欠陥である確率を高めることができ、且つ、実欠陥候補部分の数も抑制することができる。
これにより、本実施の形態によれば、高感度で欠陥の検出を行いつつも、疑似欠陥の検出数を抑えて欠陥検査を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態による方法は、複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、複数の画像における高さの異なる複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する検出反応値特定工程をさらに備える。これにより、検出反応値をも考慮して、疑似欠陥の少ない代表フォーカスオフセット値を設定することができる。
具体的に、複数種類の欠陥、すなわち、低欠陥41、中欠陥42及び高欠陥43の検出反応値のうちのいずれかのピークに合わせて、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定したりすることができる。この場合、低欠陥41、中欠陥42及び高欠陥43のうちの特に検出を必要とするものを高感度に検出しつつ、疑似欠陥の検出を抑制することができる。また、複数種類の欠陥、すなわち、低欠陥41、中欠陥42及び高欠陥43の検出反応値が、各々のピークから所定値以上落ちないように、疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定したりすることもできる。この場合には、フォーカスオフセット値に起因する欠陥の検出漏れを極力抑えつつ疑似欠陥の検出を抑制することができる。
なお、この第1の実施の形態では、フォーカスオフセット値設定工程において、反射光に基づく画像の取得または透過光に基づく画像取得に関して、1つの代表フォーカスオフセット値を設定する。しかしながら、変形例として、フォーカスオフセット値設定工程において、反射光に基づく画像の取得または透過光に基づく画像取得に関して、複数の代表フォーカスオフセット値を設定してもよい。そして、検査画像取得工程において、複数の疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値で、反射光または透過光に基づく複数の検査画像を取得してもよい。そして、欠陥候補判定工程において、反射光に基づく画像の取得に関して設定した複数の代表フォーカスオフセット値の各々における複数の検査画像で、被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定するようにしてもよい。また、透過光に基づく画像の取得に関して設定した複数の代表フォーカスオフセット値の各々における複数の検査画像で、被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定するようにしてもよい。
この場合には、欠陥の検出漏れを防止することができる。すなわち、2つの代表フォーカスオフセット値のうちの一方の代表フォーカスオフセット値で、この代表フォーカスオフセット値で高い検出反応値を示す、ある高さの欠陥を高感度で検出すると共に、他方の代表フォーカスオフセット値で、この代表フォーカスオフセット値で高い検出反応値を示す他の高さの欠陥を高感度で検出する。これにより、高さの異なる欠陥をフォーカスオフセット値に起因して検出漏れすることを防止することができる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、用いるパターン検査装置の構成が第1の実施の形態と異なっている。具体的には、検査部3に、反射光に基づく2種類の画像が出力されるようになっており、これら反射光に基づく2種類の画像を取得する際の代表フォーカスオフセット値を互いに異なる値に設定する。
図5には、本実施の形態で用いられるパターン検査装置における照明光学系22、載置部23、結像光学系24、検出部25、及び変換部26が示されている。
図5に示すように、照明光学系22は、反射照明光学系22bのみを有し、この反射照明光学系22bは、光源21から出射した検査光21aを2つに分割して、被検査体100の裏面側に導き、被検査体100の検査領域からの2つの反射光21a1,21a2を発生させるようになっている。そして、結像光学系24は、被検査体100からの2つの反射光21a1,21a2を検出部25の受光面に導くとともに受光面上に光学像を結像させるようになっている。
検出部25は、2つの反射光が入射する第1反射用検出部25cと、第2反射用検出部25dとを有している。そして、第1反射用検出部25cの反射光21a1に基づく電気信号は、検出部26のうちの第1反射用検出部26cに出力され、その後、検査部3に出力される。また、第2反射用検出部25dの反射光21a2に基づく電気信号は、検出部26のうちの第2反射用検出部26dに出力され、その後、検査部3に出力されるようになっている。
本実施の形態においては、上述の構成のパターン検査装置を用いて、第1の実施の形態と同様の疑似欠陥特定工程および検出反応値特定工程を行う。ここで、疑似欠陥特定工程および検出反応値特定工程は、結像光学系24及び第1反射用検出部25cと、結像光学系24及び第2反射用検出部25dとのうちのいずれか一方で行えばよい。そして、フォーカスオフセット値設定工程では、疑似欠陥特定工程において特定した疑似欠陥の発生数、および、検出反応値特定工程において特定した欠陥の検出反応値に基づき設定した2つの代表フォーカスオフセット値のうちの一方を、結像光学系24及び第1反射用検出部25cに設定し、他方を、結像光学系24及び第2反射用検出部25dに設定する。例えば、図3の例を用いて説明すると、「0」で示す基準のフォーカスオフセット値を結像光学系24及び第1反射用検出部25cに設定し、−0.05のフォーカスオフセット値を結像光学系24及び第2反射用検出部25dに設定してもよい。そして、第1の実施の形態と同様に、検査画像取得工程、欠陥候補判定工程及び実欠陥判定工程を行う。
このような第2の実施の形態によれば、欠陥の検出漏れを防止しつつ、欠陥の検出時間及び判定時間を短縮することができる。すなわち、2つの代表フォーカスオフセット値のうちの一方の代表フォーカスオフセット値で、この代表フォーカスオフセット値で高い検出反応値を示す、ある高さの欠陥を高感度で検出すると共に、他方の代表フォーカスオフセット値で、この代表フォーカスオフセット値で高い検出反応値を示す他の高さの欠陥を高感度で検出する。これにより、高さの異なる欠陥をフォーカスオフセット値に起因して検出漏れすることを防止しつつ、これらフォーカスオフセット値の異なる設定での検出を同時に行うことで、欠陥の検出時間及び判定時間を短縮することができる。
1 パターン検査装置
2 検出データ作成部
3 検査部
3a 透過画像検査部
3b 反射画像検査部
21 光源
21a 検査光
21a1 反射光
21a2 反射光
22 照明光学系
22a 透過照明光学系
22b 反射照明光学系
23 載置部
24 結像光学系
25 検出部
25a 透過用検出部
25b 反射用検出部
25c 第1反射用検出部
25d 第2反射用検出部
26 変換部
26a 透過用変換部
26b 反射用変換部
26c 第1反射用変換部
26d 第2反射用変換部
40 ラインパターン部
41 特定用欠陥(低欠陥)
42 特定用欠陥(中欠陥)
43 特定用欠陥(高欠陥)

Claims (2)

  1. 被検査体を撮像手段により撮像して検査する光学式検査方法において、
    被検査体は、ナノインプリントリソグラフィ法で用いられる微細な凹凸パターンを有するテンプレートであり、
    前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する疑似欠陥特定用被検査体の複数の画像を入手すると共に、前記疑似欠陥特定用被検査体のSEM画像を入手し、前記複数の画像と前記SEM画像とを比較することで、前記複数の画像のそれぞれにおける疑似欠陥の発生数を特定する疑似欠陥特定工程と、
    前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における凹凸パターンの凸部より低い欠陥、凸部と同等の高さの欠陥、及び凸部よりも高い欠陥を含む複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する検出反応値特定工程と、
    前記疑似欠陥特定工程で特定した疑似欠陥の発生数及び前記検出反応値特定工程で特定した前記複数種類の欠陥の検出反応値に基づき、前記撮像手段に対して疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定する工程と、
    設定された前記代表フォーカスオフセット値で、前記撮像手段により被検査体の複数の検査画像を取得する検査画像取得工程と、
    前記複数の検査画像に基づいて被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定する欠陥候補判定工程と、を備え
    前記代表フォーカスオフセット値は、前記疑似欠陥特定工程で特定される最も多い疑似欠陥の発生数の30%以内の疑似欠陥の発生数となるフォーカスオフセット値の中で、前記複数種類の欠陥の検出反応値のうちのいずれかのピークとなるものに設定される、ことを特徴とする光学式検査方法。
  2. 被検査体を撮像手段により撮像して検査する光学式検査方法において、
    被検査体は、ナノインプリントリソグラフィ法で用いられる微細な凹凸パターンを有するテンプレートであり、
    前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する疑似欠陥特定用被検査体の複数の画像を入手すると共に、前記疑似欠陥特定用被検査体のSEM画像を入手し、前記複数の画像と前記SEM画像とを比較することで、前記複数の画像のそれぞれにおける疑似欠陥の発生数を特定する疑似欠陥特定工程と、
    前記撮像手段に関し複数のフォーカスオフセット値を設定し、前記複数のフォーカスオフセット値に対応する欠陥反応特定用被検査体の複数の画像を入手して、これら複数の画像における凹凸パターンの凸部より低い欠陥、凸部と同等の高さの欠陥、及び凸部よりも高い欠陥を含む複数種類の欠陥の各々の検出反応値を特定する検出反応値特定工程と、
    前記疑似欠陥特定工程で特定した疑似欠陥の発生数及び前記検出反応値特定工程で特定した前記複数種類の欠陥の検出反応値に基づき、前記撮像手段に対して疑似欠陥が少ない代表フォーカスオフセット値を設定する工程と、
    設定された前記代表フォーカスオフセット値で、前記撮像手段により被検査体の複数の検査画像を取得する検査画像取得工程と、
    前記複数の検査画像に基づいて被検査体の欠陥候補部分を認識すると共に、前記複数の検査画像において同一座標に欠陥候補部分が複数回現れた場合に、当該欠陥候補部分を、実欠陥候補部分と判定する欠陥候補判定工程と、を備え
    前記代表フォーカスオフセット値は、前記疑似欠陥特定工程で特定される最も多い疑似欠陥の発生数の30%以内の疑似欠陥の発生数となるフォーカスオフセット値の中で、前記複数種類の欠陥の検出反応値が、各々のピークから所定値以上落ちない範囲のものに設定される、ことを特徴とする光学式検査方法。
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