JP6458284B2 - ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP6458284B2
JP6458284B2 JP2015059247A JP2015059247A JP6458284B2 JP 6458284 B2 JP6458284 B2 JP 6458284B2 JP 2015059247 A JP2015059247 A JP 2015059247A JP 2015059247 A JP2015059247 A JP 2015059247A JP 6458284 B2 JP6458284 B2 JP 6458284B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mass
less
polylactic acid
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015059247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016176044A (ja
Inventor
真保 蓮池
真保 蓮池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2015059247A priority Critical patent/JP6458284B2/ja
Publication of JP2016176044A publication Critical patent/JP2016176044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6458284B2 publication Critical patent/JP6458284B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品、詳しくは、ポリ乳酸系樹脂組成物、および、それを成形して得られる成形品に関する。
近年、ポリ乳酸系樹脂は、生分解可能なバイオポリマーとして注目されており、種々の形状の成形品に成形されている。しかしながら、ポリ乳酸系樹脂は、結晶化速度が低いため、射出成形する場合には、成形サイクルが長くなり、また、成形後の熱処理が必要とされるなど、実用上の不具合を生じる。
そこで、結晶核剤や分散剤などをポリ乳酸系樹脂に添加して、結晶化速度を向上させることが提案されている。
例えば、ポリ乳酸樹脂と、メラミン化合物塩とを含有するポリ乳酸樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、特許文献1の実施例1には、ポリ乳酸樹脂と、結晶核剤としてメラミンシアヌレートとを含有するポリ乳酸樹脂組成物が記載されている。
また、(A)ポリ乳酸と、(B)ソルビトール,マンニトール,およびこれらの脱水縮合物からなる群から選ばれた少なくとも一つと、エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドと、炭素数12〜24の脂肪酸との反応生成物と、(C)有機ホスホン酸塩化合物、環構造を有するアミド化合物、有機ヒドラジド化合物、有機スルホン酸塩化合物、フタロシアニン化合物およびメラミン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの結晶核剤とを含有するポリ乳酸樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。具体的には、特許文献2の実施例26には、ポリ乳酸と、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートと、メラミンシアヌレートとを含有するポリ乳酸樹脂組成物が記載されている。
さらに、(A)ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、(B)結晶核剤0.1〜50重量部、(B)結晶核剤100重量部に対して、(C)ポリグリセリン脂肪酸エステル0.1〜300重量部を配合してなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。具体的には、特許文献3の実施例1には、ポリ乳酸系樹脂と、結晶核剤としてタルクと、ジグリセリンステアリン酸エステルとを含有する樹脂組成物が記載されている。
特開2005−272679号公報 特開2014−118452号公報 特開2012−136561号公報
しかし、特許文献1に記載のポリ乳酸樹脂組成物、および、特許文献2に記載されるポリ乳酸樹脂組成物では、メラミン化合物のポリ乳酸系樹脂に対する分散性が不十分であり、結晶化速度を十分に高めることができないという不具合がある。
また、ポリ乳酸系樹脂組成物には、成形品の用途および目的に応じて、優れた透明性が必要とされる。しかし、特許文献3に記載の樹脂組成物は、透明性が不良であるという不具合がある。
本発明の目的は、高い結晶化速度と、優れた透明性とを有する成形品、および、それを得るためのポリ乳酸系樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂90質量%以上、99.8質量%以下と、メラミン系結晶核剤0.1質量%以上、5質量%以下と、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.1質量%以上、5質量%以下とを含有することを特徴としている。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物では、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと、炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸とのエステルであることが好適である。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを、前記メラミン系結晶核剤100質量部に対して、100質量部以上含有することが好適である。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物では、前記ポリ乳酸系樹脂は、D−乳酸を5質量%以下含有するモノマー成分から生成されているか、または、L−乳酸を5質量%以下含有するモノマー成分から生成されていることが好適である。
また、本発明の成形品は、上記したポリ乳酸系樹脂組成物を成形することにより得られることを特徴としている。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を成形することにより得られる成形品は、高い結晶化速度と、優れた透明性とを有する。
1. ポリ乳酸系樹脂組成物
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂と、メラミン系結晶核剤と、ポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有する。好ましくは、ポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂と、メラミン系結晶核剤と、ポリグリセリン脂肪酸エステルとからなる。以下、各成分を説明する。
(1) ポリ乳酸系樹脂
ポリ乳酸系樹脂は、ポリ乳酸系樹脂組成物の主成分であって、乳酸(モノマー)の重合体である。具体的には、ポリ乳酸系樹脂は、D−乳酸および/またはL−乳酸から生成された重合体である。
また、ポリ乳酸系樹脂は、モノマーとして、乳酸以外の共重合性モノマーを含有することができる。共重合性モノマーとしては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、例えば、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの2価アルコールなどが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシ−脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。ラクトンとしては、例えば、カプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトンが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。なお、ポリ乳酸系樹脂は、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などの鎖延長剤を微量含有することもできる。
ポリ乳酸系樹脂は、好ましくは、D−乳酸および/またはL−乳酸(モノマー成分)のみからなるモノマー成分の重合体であり、その場合には、D−乳酸およびL−乳酸のうち、好ましくは、一方の含有割合が、他方の含有割合に比べて、高い。具体的には、以下の(1)および(2)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分が挙げられる。
(1) 全乳酸(モノマー成分)におけるD−乳酸の含有割合は、例えば、5質量%以下、好ましくは、4質量%以下、さらに好ましくは、3質量%以下であり、例えば、0質量%以上、好ましくは、0質量%超過である。また、全乳酸(モノマー成分)におけるL−乳酸の含有割合は、例えば、95質量%以上、好ましくは、96質量%以上、さらに好ましくは、97質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、100質量%未満である。
(2) 全乳酸(モノマー成分)におけるL−乳酸の含有割合は、例えば、5質量%以下、好ましくは、4質量%以下、さらに好ましくは、3質量%以下であり、例えば、0質量%以上、好ましくは、0質量%超過である。また、全乳酸(モノマー成分)におけるD−乳酸の含有割合は、例えば、95質量%以上、好ましくは、96質量%以上、さらに好ましくは、97質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、100質量%未満である。
(1)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分の場合において、D−乳酸の含有割合が上記した上限以下であれば、成形品が優れた結晶性を有することができる。(2)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分場合において、L−乳酸の含有割合が上記した上限以下であれば、成形品が優れた結晶性を有することができる。好ましくは、生産性および汎用性の観点から、(1)の含有割合を有する乳酸の光学異性体からなるモノマー成分が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂の含有割合は、ポリ乳酸系樹脂組成物に対して、90質量%以上、好ましくは、95質量%以上であり、また、99.8質量%以下、好ましくは、99.0質量%以下である。
ポリ乳酸系樹脂のポリ乳酸系樹脂組成物における含有割合が90質量%未満であれば、ポリ乳酸系樹脂組成物が後述するメラミン系結晶核剤およびポリグリセリン脂肪酸エステルを過度に含有することとなり、そのため、成形品が、高い結晶化速度と、優れた透明性とを得ることができない。ポリ乳酸系樹脂のポリ乳酸系樹脂組成物における含有割合が99.8質量%を超えれば、ポリ乳酸系樹脂組成物がメラミン系結晶核剤およびポリグリセリン脂肪酸エステルを十分に含有することができず、そのため、成形品が、高い結晶化速度と、優れた透明性とを得ることができない。
(2) メラミン系結晶核剤
メラミン系結晶核剤は、例えば、メラミン骨格を有する有機系結晶核剤であって、ポリ乳酸系樹脂組成物の成形品の結晶化速度を高めるために、ポリ乳酸系樹脂に対して配合される。
メラミン系結晶核剤としては、例えば、メラミンシアヌレート化合物、ポリリン酸メラミン化合物などが挙げられる。好ましくは、メラミンシアヌレート化合物が挙げられる。
メラミンシアヌレート化合物としては、例えば、2−アミノ−1,3,5−トリアジン誘導体であって、具体的には、N,N’−(6−アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジプロピオンアミド、N,N’−(6−アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジブチルアミド、N,N’−(6−アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジヘキサンアミド、N,N’−(6−アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジオクタンアミドなどが挙げられる。メラミンシアヌレート化合物としては、好ましくは、N,N’−(6−アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジプロピオンアミドが挙げられる。N,N’−(6−アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジプロピオンアミドは、具体的には、下記式(1)に示される。
:式(1)
Figure 0006458284
メラミンシアヌレート化合物は、例えば、国際公開2014/148555号公報に記載される製造方法に従って、製造される。
メラミン系結晶核剤の含有割合は、ポリ乳酸系樹脂組成物に対して、0.1質量%以上、5質量%以下である。
メラミン系結晶核剤の含有割合がポリ乳酸系樹脂組成物に対して5質量%を超えれば、成形品が優れた透明性を得ることができない。一方、メラミン系結晶核剤の含有割合がポリ乳酸系樹脂組成物に対して0.1質量%未満であれば、成形品が高い結晶化速度を得ることができない。
また、メラミン系結晶核剤の含有割合は、ポリ乳酸系樹脂組成物に対して、好ましくは、0.2質量%以上、より好ましくは、0.3質量%以上であり、また、好ましくは、4質量%以下、より好ましくは、3質量%以下、さらに好ましくは、2質量%以下、とりわけ好ましくは、1質量%以下である。
メラミン系結晶核剤の含有割合が上記した上限以下であれば、成形品が優れた透明性を得ることができる。メラミン系結晶核剤の含有割合が上記した下限以上であれば、成形品が高い結晶化速度を得ることができる。
さらに、メラミン系結晶核剤の含有割合は、ポリ乳酸系樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.2質量部以上、より好ましくは、0.3質量部以上であり、また、好ましくは、4質量部以下、より好ましくは、3質量部以下、さらに好ましくは、2質量部以下、とりわけ好ましくは、1質量部以下である。
メラミン系結晶核剤の含有割合が上記した上限以下であれば、成形品が優れた透明性を得ることができる。メラミン系結晶核剤の含有割合が上記した下限以上であれば、成形品が、高い結晶化速度を得ることができる。
一方、ポリ乳酸系樹脂組成物は、好ましくは、特許文献3に記載されるタルク、シリカなどのような無機系結晶核剤を実質的に含有しない。換言すれば、ポリ乳酸系樹脂組成物は、例えば、本発明の効果を損なわない範囲の微量の無機系結晶核剤の含有を許容する。具体的には、ポリ乳酸系樹脂組成物における無機系結晶核剤の含有割合は、例えば、0.01質量%以下、好ましくは、0.001質量%以下である。より好ましくは、ポリ乳酸系樹脂組成物は、無機系結晶核剤を全く含有しない。つまり、ポリ乳酸系樹脂組成物における無機系結晶核剤の含有割合は、0質量%である。
(3) ポリグリセリン脂肪酸エステル
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリ乳酸系樹脂の可塑性を高める可塑剤であるとともに、メラミン系結晶核剤のポリ乳酸系樹脂に対する分散性を高める分散剤でもある。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、ポリグリセリンと、脂肪酸とのエステルである。具体的には、ポリグリセリンと、脂肪酸とのエステル化反応により生成されたエステル(グリセリド)である。
ポリグリセリンとしては、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンなどが挙げられる。ポリグリセリンの平均重合度は、例えば、1.5以上、例えば、10以下、好ましくは、5以下、より好ましくは、3以下である。具体的には、好ましくは、平均重合度が2であるジグリセリンが挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、エナント酸(ヘプタン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデカン酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデカン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、べヘン酸(ドコサン酸)、リグノセリン酸(テトラコサン酸)、イソステアリン酸(2−ヘプチルウンデカン酸)などの、炭素数が4以上、24以下である飽和脂肪酸、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ガドレイン酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸などの、炭素数が12以上、24以下である不飽和脂肪酸などが挙げられる。また、脂肪酸として、例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸などの、炭素数が10以上、20以下であるヒドロキシ脂肪酸も挙げられる。さらに、脂肪酸として、例えば、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸およびパルミチン酸を含有する脂肪酸)なども挙げられる。
脂肪酸として、好ましくは、飽和脂肪酸、より好ましくは、炭素数が6以上、20以下である飽和脂肪酸が挙げられる。
脂肪酸は、単独使用または異なる種類を併用することができる。好ましくは、異なる種類を併用する。
具体的には、炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸の組合せ、好ましくは、炭素数が互いに異なる複数の飽和脂肪酸が挙げられる。炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸の組合せであることにより、結晶化速度をさらに高めることができる。
(i)第1の組合せ
炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸の組合せとしては、例えば、第1の脂肪酸と、第1の脂肪酸の炭素数より多い炭素数である(多い炭素数の炭素原子を有する。以下同様に、「炭素原子を有する」との文言を使用せず、単に「炭素数」という場合がある。)第2の脂肪酸との、第1の組合せが挙げられる。
第1の組合せにおいて、第2の脂肪酸の炭素数C2の、第1の脂肪酸の炭素数C1に対する比(C2/C1)は、例えば、1.05以上、好ましくは、1.10以上であり、また、例えば、1.30以下、好ましくは、1.25以下、より好ましくは、1.20以下である。また、第2の脂肪酸の炭素数C2から第1の脂肪酸の炭素数C1を差し引いた数(すなわち、差、C2−C1)は、例えば、1以上、好ましくは、2以上であり、また、例えば、4以下である。上記した比(C2/C1)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であり、および/または、差(C2−C1)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であれば、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
具体的には、第1の組合せにおいて、第1の脂肪酸の炭素数は、例えば、16以下であり、また、例えば、8以上、好ましくは、12以上、より好ましくは、14以上である。つまり、第1の脂肪酸は、上記の炭素数を有する脂肪酸からなる群から選択される1種である。より具体的には、第1の脂肪酸として、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸およびパルミチン酸からなる群から選択される1種が挙げられる。好ましくは、第1の脂肪酸として、パルミチン酸が挙げられる。
第1の組合せにおいて、第2の脂肪酸の炭素数は、例えば、17以上、例えば、20以下、好ましくは、18以下である。つまり、第2の脂肪酸は、上記の炭素数を有する脂肪酸からなる群から選択される1種である。より具体的には、第2の脂肪酸としては、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸およびアラキジン酸からなる群から選択される1種が挙げられる。好ましくは、第2の脂肪酸として、ステアリン酸が挙げられる。
第1の組合せとして、好ましくは、パルミチン酸とステアリン酸との組合せが挙げられる。この組合せによって、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
(ii)第2の組合せ
炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸の組合せとして、例えば、第1の脂肪酸と、第1の脂肪酸の炭素数より多い炭素数である第2の脂肪酸と、第2の脂肪酸の炭素数より多い炭素数である第3の脂肪酸との、第2の組合せも挙げられる。
第2の組合せにおいて、第2の脂肪酸の炭素数C2の、第1の脂肪酸の炭素数C1に対する比(C2/C1)は、例えば、1.10以上、好ましくは、1.15以上、より好ましくは、1.20以上であり、また、例えば、1.50未満、1.40以下、好ましくは、1.30以下である。また、第2の脂肪酸の炭素数C2から第1の脂肪酸の炭素数C1を差し引いた数(すなわち、差、C2−C1)は、例えば、1以上、好ましくは、2以上であり、また、例えば、4以下である。上記した比(C2/C1)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であり、および/または、差(C2−C1)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であれば、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
第3の脂肪酸の炭素数C3の、第2の脂肪酸の炭素数C2に対する比(C3/C2)は、例えば、1.05以上、好ましくは、1.10以上、より好ましくは、1.15以上であり、また、例えば、1.40以下、好ましくは、1.30以下、より好ましくは、1.25以下である。また、第3の脂肪酸の炭素数C3から第2の脂肪酸の炭素数C2を差し引いた数(すなわち、差、C3−C2)は、例えば、1以上、好ましくは、2以上であり、また、例えば、4以下である。上記した比(C3/C2)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であり、および/または、差(C3−C2)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であれば、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
第3の脂肪酸の炭素数C3の、第1の脂肪酸の炭素数C1に対する比(C3/C1)は、例えば、1.30以上、好ましくは、1.40以上、より好ましくは、1.45以上であり、また、例えば、2.00未満、好ましくは、1.80以下、より好ましくは、1.60以下である。また、第3の脂肪酸の炭素数C3から第1の脂肪酸の炭素数C1を差し引いた数(すなわち、差、C3−C1)は、例えば、2以上、好ましくは、3以上であり、また、例えば、8以下、好ましくは、6以下、より好ましくは、5以下である。上記した比(C3/C1)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であり、および/または、差(C3−C1)が上記した上限以下であり、かつ、上記した下限以上であれば、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
具体的には、第2の組合せにおいて、第1の脂肪酸の炭素数は、例えば、8以下であり、また、例えば、4以上、好ましくは、6以上、より好ましくは、7以上である。つまり、第1の脂肪酸は、上記の炭素数を有する脂肪酸からなる群から選択される1種である。より具体的には、第1の脂肪酸として、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸およびカプリル酸からなる群から選択される1種が挙げられる。好ましくは、第1の脂肪酸として、カプリル酸が挙げられる。
第2の組合せにおいて、第2の脂肪酸の炭素数は、例えば、9以上、例えば、11以下である。つまり、第2の脂肪酸は、上記の炭素数を有する脂肪酸からなる群から選択される1種である。より具体的には、第2の脂肪酸としては、ペラルゴン酸、カプリン酸およびウンデカン酸からなる群から選択される1種が挙げられる。好ましくは、第2の脂肪酸として、カプリン酸が挙げられる。
第2の組合せにおいて、第3の脂肪酸の炭素数は、例えば、12以上、例えば、20以下、好ましくは、18以下、より好ましくは、16以下、さらに好ましくは、14以下である。つまり、第3の脂肪酸は、上記の炭素数を有する脂肪酸からなる群から選択される1種である。より具体的には、第3の脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘキサデカン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸およびアラキジン酸からなる群から選択される1種が挙げられる。好ましくは、第3の脂肪酸として、ラウリン酸が挙げられる。
第2の組合せとして、さらに好ましくは、カプリル酸とカプリン酸とラウリン酸との組合せが挙げられる。この組合せによって、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
上記した第1および第2の組合せのうち、好ましくは、第1の組合せが挙げられる。第1の組合せであれば、成形品の結晶化速度をより一層高めることができる。
なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応により生成された上記したエステル以外にも、例えば、脂肪酸に由来する脂肪酸エステルと、グリセリンとのエステル交換反応によって生成されていてもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有割合は、ポリ乳酸系樹脂組成物に対して、0.1質量%以上、5質量%以下である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有割合がポリ乳酸系樹脂組成物に対して5質量%を超えれば、成形品が、高い結晶化速度と、優れた透明性とを得ることができない。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有割合がポリ乳酸系樹脂組成物に対して0.1質量%未満であれば、メラミン系結晶核剤をポリ乳酸系樹脂に対して十分に分散させることができず、そのため、成形品が、高い結晶化速度を得ることができない。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有割合は、ポリ乳酸系樹脂組成物に対して、好ましくは、0.2質量%以上、より好ましくは、0.3質量%以上、さらに好ましくは、0.6質量%以上であり、また、好ましくは、4質量%以下、より好ましくは、3質量%以下、さらに好ましくは、2質量%以下、とりわけ好ましくは、1.4質量%以下である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有割合が上記した上限以下であれば、成形品が、高い結晶化速度と、優れた透明性とを得ることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有割合が上記した下限以上であれば、メラミン系結晶核剤をポリ乳酸系樹脂に対して十分に分散させることができ、そのため、成形品が、高い結晶化速度を得ることができる。
さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルの、メラミン系結晶核剤100質量部に対する含有割合は、例えば、100質量部以上、好ましくは、100質量部超過、より好ましくは、150質量部以上、より好ましくは、180質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、500質量部以下、より好ましくは、300質量部以下、さらに好ましくは、250質量部以下、とりわけ好ましくは、220質量部以下である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルのメラミン系結晶核剤に対する含有割合が上記した下限を上回れば、成形品が、高い結晶化速度と、優れた透明性とを得ることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルのメラミン系結晶核剤に対する含有割合が上記した上限以下であれば、メラミン系結晶核剤をポリ乳酸系樹脂に対して十分に分散させることができ、そのため、成形品が、高い結晶化速度を得ることができる。
なお、ポリ乳酸系樹脂組成物は、特許文献2に記載されるようなソルビトールと、エチレンオキサイドを主体とするアルキレンオキサイドとの反応生成物(具体的には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)を分散剤として実質的に含有しない。換言すれば、ポリ乳酸系樹脂組成物は、例えば、本発明の効果を損なわない範囲の微量の上記した反応生成物を分散剤としての含有を許容することができる。具体的には、ポリ乳酸系樹脂組成物における上記した反応生成物の含有割合は、例えば、0.01質量%以下、好ましくは、0.001質量%以下である。より好ましくは、ポリ乳酸系樹脂組成物は、上記した反応生成物を分散剤として全く含有しない。つまり、ポリ乳酸系樹脂組成物における上記した反応生成物の含有割合は、0質量%である。
また、ポリ乳酸系樹脂組成物には、ポリ乳酸系樹脂組成物の優れた効果に影響を与えない範囲において、例えば、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子(無機系結晶核剤などを含む)などの各種添加剤を適宜の範囲で含有させることができる。好ましくは、ポリ乳酸系樹脂組成物は、添加剤を含有せず、ポリ乳酸系樹脂と、メラミン系結晶核剤と、ポリグリセリン脂肪酸エステルとのみからなる。
2. 成形品
そして、上記したポリ乳酸系樹脂組成物を、例えば、フィルムやプレートなど、種々の形状に成形して成形品を得ることができる。
なお、フィルムは、シートを含んでいる。つまり、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(JIS K6900(1994年))、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
成形品を得るには、上記したポリ乳酸系樹脂組成物の各成分、具体的には、ポリ乳酸系樹脂、メラミン系結晶核剤およびポリグリセリン脂肪酸エステル(必要により、さらに添加剤)を、例えば、押出機、射出成形機などの成形機に投入する。または、上記した成分を、例えば、押出機(例えば、二軸押出機など)を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出して、予備成形体としてペレットを作製し、その後、ペレットを、例えば、上記した成形機に投入する。これによって、成形品を得る。
その後、成形品について熱結晶化処理を実施する。これによって、成形品の耐熱性を向上させる。
具体的には、ポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、それにより得られた成形品を結晶化処理するには、例えば、(1)事前に加熱された金型にポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、続いて、加熱された金型内で成形品を結晶化させる方法、例えば、(2)射出成形後に金型を加熱して金型内で成形品を結晶化させる方法、例えば、(3)成形品(射出成形体)を非晶状態で金型から取り出した後、例えば、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで成形品を加熱して、成形品を結晶化させる方法、などが用いられる。
好ましくは、(1)の方法、(2)の方法が挙げられ、より好ましくは、(1)の方法が挙げられる。(1)の方法において、金型の温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、130℃以下、好ましくは、90℃以下である。金型内で成形品を保持する時間は、金型の温度によって適宜設定される。例えば、金型の温度が70℃の場合には、例えば、15分以上、5時間以下であり、金型の温度が130℃の場合には、例えば、10秒以上、30分以下である。
さらに、成形品を、例えば、ロール延伸、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法、Tダイキャスト法、プレス法などによって、フィルムに成形することもできる。
フィルムが成形品である場合には、その厚みは、特に限定されず、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
成形品における冷却(降温)過程の結晶化温度は、例えば、95℃以上、好ましくは、103℃以上、より好ましくは、105℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。結晶化温度が上記下限以上であれば、成形品の結晶化速度が高く、優れた成形性が得られる。また、結晶化温度が上記上限以下であれば、成形品の結晶化速度が高すぎることもないため、優れた二次加工性(延伸性など)が得られる。
成形品の結晶化温度の測定は、実施例において詳述される。
また、成形品がフィルムである場合には、厚み100μmのときの全ヘーズが、例えば、5%以下、好ましくは、4%以下であり、また、例えば、0%以上、好ましくは、0%超過である。全ヘーズが上記上限以下であれば、十分な透明性を得ることができ、透明性が必要とされる用途、具体的には、光学用途などに好適に成形品を用いることができる。
3.効果
ポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂90質量%以上、99.8質量%以下と、メラミン系結晶核剤0.1質量%以上、5質量%以下と、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.1質量%以上、5質量%以下とを含有する。そのため、このポリ乳酸系樹脂組成物を成形することにより得られる成形品は、高い結晶化速度と、優れた透明性とを有する。とりわけ、成形品は、降温工程における結晶化速度が高い。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと、炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸とのエステルであれば、成形品の結晶化速度をさらに高めることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを、メラミン系結晶核剤100質量部に対して、100質量部以上含有すれば、成形品が、高い結晶化速度と、優れた透明性とを有する成形品を得ることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂は、D−乳酸を5質量%以下含有するモノマー成分から生成されているか、または、L−乳酸を5質量%以下含有するモノマー成分から生成されていれば、得られる成形品が優れた結晶性を有することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
まず、各実施例および各比較例で用いた成分を以下に記載する。また、各実施例および各比較例で得られたポリ乳酸系樹脂組成物およびシートの評価方法を記載する。
[ポリ乳酸系樹脂]
(a)−1:Ingeo4032D(Nature Works社製、L乳酸98.7質量%、および、D乳酸1.3質量%を含有するモノマー成分から生成されたポリ乳酸系樹脂)
[メラミン系結晶核剤]
(b)−1:エコプロモートTF(日産化学社製、メラミン系結晶核剤)
[無機系結晶核剤]
(m)−1:タルク(日本タルク社製、無機系結晶核剤、平均粒径5.0μm)
[ポリグリセリン脂肪酸エステル]
(c)−1:チラバゾールVR−08(太陽化学社製、ポリグリセリン(平均重合度2)と、パルミチン酸およびステアリン酸とのエステル)
(c)−2:チラバゾールVR−17(太陽化学社製、ポリグリセリン(平均重合度2)と、カプリル酸、カプリン酸およびラウリン酸とのエステル)
(c)−3:チラバゾールP−4(太陽化学社製、ポリグリセリン(平均重合度2)と、ステアリン酸とのエステル)
[ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル]
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:(第一工業製薬社製、ソルゲンTW−20)
(実施例1)
(a)−1、(b)−1および(c)−1を、配合割合が(a)−1/(b)−1/(c)−1=98.5/0.5/1質量%となるように、190℃に設定した二軸押出機に投入して、それらを溶融混練し、ペレットを調製した。続いて、ペレット十分に乾燥させ、その後、ペレットを押出機に投入し、厚み100μmのシートを作製した。その後、シートをオーブンにて110℃で3分間熱処理して完全に結晶化させた。
(実施例2)、(比較例1)〜(比較例6)、(参考比較例3)
表1に記載された配合処方に従って、実施例1と同様の方法でペレットを調製し、続いて、シートを作製した。
[評価方法]
(1)結晶化温度(Tc)(結晶化速度の評価)
各実施例および各比較例のペレットについて、示差走査熱量計(DSC)を用いて、降温過程における結晶化温度Tcを測定した。具体的には、ペレットを、まず、200℃に加熱した溶融させ、その後、200℃から20℃まで、走査速度10℃/分で降温(冷却)させ、この過程における結晶化温度Tcを測定した。そして、以下の基準でペレットの結晶化速度を評価した。
○:結晶化温度Tcが100℃以上であった。
×:結晶化温度Tcが100℃未満であった。
(2)透明性
各実施例および各比較例のシートについて、ヘーズメーター(NDH−5000、日本電色工業社製)を用いて、JIS K7375(2008年)に準拠して、シートの全ヘーズ(%)を測定した。そして、以下の基準でフィルムの結晶性を評価した。
○:全ヘーズが5%以下であった。
×:全ヘーズが5%超過であった。
Figure 0006458284
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物を成形することにより、各種産業に用いられる成形品が得られる。

Claims (5)

  1. ポリ乳酸系樹脂90質量%以上、99.8質量%以下と、
    メラミン系結晶核剤0.1質量%以上、5質量%以下と、
    ポリグリセリン脂肪酸エステル0.1質量%以上、5質量%以下と
    を含有し、
    前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと、炭素数が互いに異なる複数の脂肪酸とのエステルであることを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂組成物。
  2. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと、炭素数が互いに異なる複数の飽和脂肪酸とのエステルであることを特徴とする、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを、前記メラミン系結晶核剤100質量部に対して、100質量部以上含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  4. 前記ポリ乳酸系樹脂は、D−乳酸を5質量%以下含有するモノマー成分から生成されているか、または、L−乳酸を5質量%以下含有するモノマー成分から生成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリ乳酸系樹脂組成物を成形することにより得られることを特徴とする、成形品。
JP2015059247A 2015-03-23 2015-03-23 ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品 Active JP6458284B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015059247A JP6458284B2 (ja) 2015-03-23 2015-03-23 ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015059247A JP6458284B2 (ja) 2015-03-23 2015-03-23 ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016176044A JP2016176044A (ja) 2016-10-06
JP6458284B2 true JP6458284B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=57070916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015059247A Active JP6458284B2 (ja) 2015-03-23 2015-03-23 ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6458284B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6777889B2 (ja) * 2015-08-10 2020-10-28 日産化学株式会社 アミノトリアジン誘導体及び脂肪酸を含むポリエステル樹脂組成物
JP7420431B2 (ja) * 2021-10-28 2024-01-23 株式会社バイオマステクノロジー デンプン含有樹脂組成物、成形物、及びデンプン含有樹脂組成物の生分解速度の調整方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4479888B2 (ja) * 2004-03-25 2010-06-09 日産化学工業株式会社 ポリ乳酸樹脂用結晶核剤及び結晶化ポリ乳酸樹脂の製造方法
JP4942436B2 (ja) * 2006-09-15 2012-05-30 太陽化学株式会社 可塑化ポリ乳酸組成物
WO2009081558A1 (ja) * 2007-12-20 2009-07-02 Unitika Ltd. 熱可塑性樹脂組成物、および、それを成形してなる成形体
JP2012111207A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Nitto Denko Corp 保護フィルム
JP5883306B2 (ja) * 2012-02-10 2016-03-15 日東電工株式会社 剥離ライナー
JP6029966B2 (ja) * 2012-12-14 2016-11-24 第一工業製薬株式会社 ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016176044A (ja) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4260794B2 (ja) 生分解性樹脂成形品の製造法
JP4699180B2 (ja) 生分解性樹脂成形品の製造法。
JP5867084B2 (ja) ポリ乳酸系フィルム
JP4246196B2 (ja) 生分解性樹脂成形品の製造法。
JP4611214B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
US11299622B2 (en) Polylactic acid resin composition and polylactic acid resin molded article
US7576152B2 (en) Additive for polyester base synthetic resin containing plasticizer and plasticizer for biodegradable resin
JP4252570B2 (ja) ペレットの製造法
WO2014091853A1 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形品
JP6458284B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品
JP5882709B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物およびその樹脂成形体
JP2007308650A (ja) 生分解性樹脂組成物
JP2004176044A (ja) ポリエステル系合成樹脂用添加剤
JP5907698B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂シート、及びそれを用いて成る包装容器用プラスチックケース
JP2016112013A (ja) 農業用生分解性フィルム
JP4727706B2 (ja) 生分解性樹脂成形品の製造法。
JP2016152787A (ja) 農業用フィルム
JP7232367B1 (ja) 農業資材用熱可塑性樹脂組成物及び農業資材
JP4800348B2 (ja) 生分解性樹脂成形品の製造法。
JP6916927B2 (ja) 農業用フィルム
JP2010090214A (ja) 樹脂組成物および射出成形体
JP2007262306A (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP2007246678A (ja) ポリ乳酸系シート、フィルムまたは成形体
JPWO2014064983A1 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂組成物および生分解性フィルム
JP6055646B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂積層シート、及びそれを用いて成る包装容器用プラスチックケース

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170519

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181203

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6458284

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151