JP6457827B2 - 筋かい固定金物 - Google Patents

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Description

本発明は、柱と横架材とがなす接合部に筋かいを固定するために用いる筋かい固定金物に関する。
従来、柱と横架材とがなす接合部に筋かいを固定するために用いる筋かい固定金物として、筋かいの下端部をその両側から固定する本体部と、その本体部からほぼ90°折れ曲がって柱の側面に固定されるフランジ部と、その本体部からほぼ90°折れ曲がって横材の側面に固定されるフランジ部とを有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−297849号公報
しかし、上述のような特許文献1の筋かい固定金物では、地震等により大きな揺れが建築部に作用して、筋かいが引っ張られたり、圧縮等した場合、この筋かい固定金物を取付けておいた柱や横架材、筋かい等の木材が割裂等して破損し、建造物全体にダメージを与えるおそれがあるという問題があった。
特に、筋かいは、柱や横架材と比較して薄かったり、幅が狭かったりして強度的に弱い木材を使用する場合が多く、地震等の大きな揺れが発生した場合、筋かい等から割裂したり、柱や横架材側でビス抜け等する場合が多かった。
そこで、本発明はこのような課題に着目してなされたもので、地震等によって大きな揺れが建造物に加わった場合でも、柱や横架材側、筋かい等の破損や、それらにおけるビス抜け等をなるべく抑えることができる筋かい固定金物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る筋かい固定金物は、柱と横架材とがなす接合部に筋かいを固定するために用いる筋かい固定金物であって、筋かいを固定するための釘やビス、ネジ等の固定部材が通される複数の通孔が形成された本体部と、その本体部から折り曲げて設けられると共に、柱または横架材を固定するための釘やビス、ネジ等の固定部材が通される複数の通孔が形成され、柱と横架材の側面にそれぞれ固定される一対のフランジ部とを有し、前記本体部には、当該本体部の直角部から前記一対のフランジ部の間を等角で延びる等角中心線に対し線対称で、かつ、当該等角中心線を横切るようにスリットを設けたことを特徴とする。
ここで、前記本体部の複数の通孔は、それぞれ、前記スリットに対し前記直角部側とその反対側とに、それぞれ設けられていると良い。
また、前記本体部の複数の通孔は、それぞれ、前記等角中心線に対し線対称に設けられており、前記一対のフランジ部は、互いに同一形状で、かつ、前記等角中心線に対し線対称に設けられ、前記一対のフランジ部の複数の通孔は、それぞれ、前記等角中心線に対し線対称に設けられているとさらに良い。
また、前記スリットの両端部は、それぞれ、前記本体部の複数の通孔のうち最も前記各フランジ部に近い位置に設けられた通孔よりも各一対のフランジ部の近くまで延びて形成されているとさらに良い。
また、前記一対のフランジ部には、それぞれ、柱と横架材を接合する際に使用する接合金物において柱または横架材の側面に露出する部分を避けるように開口部が設けられているとさらに良い。
本発明の筋かい固定金物では、本体部には、直角部から一対のフランジ部の間を等角で延びる等角中心線に対し線対称で、かつ、当該等角中心線を横切るようスリットが設けられているため、地震等によって大きな揺れが建造物に加わって、筋かいが引っ張られたり、圧縮等した場合、スリットが広がる等して、柱や横架材、筋かい等でビス抜け等したり、柱や横架材、筋かい等の木材が割裂する前に筋かい固定金物が変形する。そのため、柱や横架材、筋かい等でビス抜け等、および柱や横架材、筋かい等の割裂が遅れるので、建造物全体のダメージを少なくすることができる。
本発明に係る実施形態の筋かい固定金物の斜視図である。 本発明に係る実施形態の筋かい固定金物の正面図である。 (a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の筋かい固定金物の右側面図、平面図である。 本発明に係る実施形態の筋かい固定金物の背面図である。 柱と土台の接合部に本実施形態の筋かい固定金物を介して筋かいを取付けた状態の一例を示す斜視図である。 図5に示す筋かい取付け状態の正面図である。 図5に示す筋かい取付け状態の平面図である。 (a),(b)それぞれスリットを有する本発明に係る実施形態の筋かい固定金物と、スリットを省略した従来品の耐力確認試験結果を示す図である。 柱と梁の接合部に本実施形態の筋かい固定金物を介して筋かいを取付ける前の状態(筋かいは二点鎖線で示している。)を示す斜視図である。 図9に示す筋かい取付け状態の正面図である。 図9に示す筋かい取付け状態の平面図である。 柱と梁を金物工法で接合する際に使用する接合金物の一例を示す斜視図である。 コイルから平板状態にある本実施形態の筋かい固定金物を切り出す際の状態を示す平面図である。
以下、本発明に係る筋かい固定金物の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施の形態は、あくまで、本発明の一例であり、本発明は、下記に説明する実施の形態に限定されるものではない。
<筋かい固定金物1の構成>
本発明に係る実施形態の筋かい固定金物1は、後述する図5や図9等に示すように、柱2と、土台3や梁5などの横架材とがなす接合部に、筋かい4を固定するために用いるもので、図1〜図4に示すように、本体部11と、一対のフランジ部12,13とから構成される。
本体部11は、筋かい4が固定される部分で、図2等に示すように、正面視、ほぼ直角三角形に近いものの、斜辺部分に90°以上の広角の斜辺角部11a,11aが2つ追加された五角形に形成されている。
つまり、本体部11は、当該本体部11における一対のフランジ部12,13の端部が近接ないしは接触する直角部11bから一対のフランジ部12,13の間を等角で延びる等角中心線11cに対し線対称の五角形に形成されている。尚、本発明では、本体部11の形状は、任意であり、五角形に限らず、三角形でも、四角形でも、六角形以上の多角形でも良いし、さらには、一部に湾曲形状を有する扇形のような形状でも勿論良い。
等角中心線11cは、本体部11の表面や裏面に刻印することにより描かれているが、刻印自体は省略可能である。また、本体部11の直角部11bと、その直角部11bに近接する一対のフランジ部12,13の角部とには、本体部11に対し一対のフランジ部12,13を直角に曲げ易くすると共に、歪み防止を図るため、小径の円形孔を形成している。
本体部11には、その等角中心線11cに対しスリット11dが線対称で、かつ、その等角中心線11cを横切るように設けられている。つまり、スリット11dは、等角中心線11cに対し線対称で、かつ、その等角中心線11cを横切るように、等角中心線11c上で90°以上の広角に曲がったV字形状で形成されており、等角中心線11c上の中央屈折部11d1と、一対のフランジ部12,13それぞれに近接する両端部11d2,11d2とを有している。
また、本体部11には、図2等に示すように、スリット11dに対し直角部11b側に、筋かい4(図5参照。)と固定するため釘やビス、ネジ等の固定部材が通される複数(ここでは、例えば、5つとする。)の通孔(以下、直角部側通孔という。)11e1〜11e5が形成されていると共に、その反対側、すなわちスリット11dに対し斜辺角部11a,11a側には、同様の固定部材が通される複数(ここでは、例えば、6つとする。)の通孔(以下、斜辺角部側通孔という。)11f1〜11f6が形成されている。
ここで、図2等に示すように、本体部11の複数の直角部側通孔11e1〜11e5と複数の斜辺角部側通孔11f1〜11f6は、それぞれ、等角中心線11cに対し線対称に設けられている。そのため、奇数個設けられた直角部側通孔11e1〜11e5では、中央の直角部側通孔11e3は、等角中心線11c上に設けられることになる。なお、直角部側通孔11e3は、後述するように、本実施形態では、筋かい4の固定に使用しないが、筋かい4の幅が大きかったり、筋かい4の取り付け角度や位置によっては使用しても良い。また、直角部側通孔11e3やスリット11dの中央屈折部11d1は、等角中心線11cを刻印する際の目印として使用できる。
また、本体部11では、スリット11dの両端部11d2,11d2は、それぞれ、本体部11の複数の直角部側通孔11e1〜11e5および斜辺角部側通孔11f1〜11f6の内、最も各フランジ部12,13に近い両端部の直角部側通孔11e1,11e5および斜辺角部側通孔11f1,11f6よりも,フランジ部12,13の近くまで延びて形成されている。
フランジ部12,13は、それぞれ、本体部11からほぼ90°折り曲げて構成されて、柱2と土台3または梁5等の横架材の側面に固定されるもので、図1〜図4等に示すように、同一形状で、かつ、等角中心線11cに対しそれぞれ45°の角度をなして本体部11に設けられている。
フランジ部12,13には、それぞれ、図3(a),(b)等に示すように、柱2と梁5等の横架材を接合する接合金物7において横架材の下側面に露出する連結板7bおよびあご受け部7a2,7a2(図12参照。)を避ける開口部12a,13aが設けられている。
また、フランジ部12,13には、それぞれ、柱2や土台3または梁5等の横架材の側面に固定するため釘やビス、ネジ等の固定部材が通される複数(ここでは、例えば、5つとする。)の通孔(以下、フランジ部側通孔という。)12b,13bを形成している。
ここで、各フランジ部12,13に設けるフランジ部側通孔12b,13bは、それぞれ、筋かい4を施工する際にビス、ネジ等の固定部材の頭部が邪魔にならないようフラットにしたり、強度を向上させるため柱2または土台3側に突出したエンボス孔としているが、エンボス孔にすること自体は任意である。
また、各フランジ部12,13に設けるフランジ部側通孔12b,13bは、図3(a),(b)等に示すように、柱2や土台3等の横架材がその木目に沿って割裂し難くなるように、上下方向または左右方向に互いに位置をずらして設けている。
また、図3(a),(b)に示すように、直角部11bから遠い側のフランジ部12,13の角部は、それぞれ斜めに切り取って斜辺部12c,13cを設けている。
<筋かい固定金物1を使用しての筋かい4の取付けとその効果>
次に、以上のように構成された筋かい固定金物1を使用した筋かい4の取付けとその効果等について説明する。
<柱2と土台3との接合部に使用する場合>
図5〜図7は、それぞれ、柱2と土台3の接合部に本実施形態の筋かい固定金物1を介して筋かい4を取付けた状態を示す斜視図、正面図、平面図である。
ここで、筋かい固定金物1を柱2や土台3に取付ける場合、および筋かい固定金物1に筋かい4を取付ける場合には、固定部材6として同じ物、例えば、同じビス等を使用しても良いし、別のネジや釘等を使用しても良い。
その際、本実施形態の筋かい固定金物1では、筋かい固定金物1の本体部11には、直角部11bから一対のフランジ部12,13の間を等角で等角中心線11cが刻印されているため、筋かい固定金物1に筋かい4を取付ける場合、等角中心線11cを目印にして半分側の通孔を使用してビス等の固定部材6を打ち込む。
具体的には、図5〜図7に示す柱2と土台3の接合部の場合、例えば、等角中心線11cよりも上側、すなわち等角中心線11cよりも柱2側の直角部側通孔11e1,11e2と、斜辺角部側通孔11f1〜11f3にビス等の固定部材6を打ち込んで筋かい4を固定する。しかし、筋かい4の角度、幅や位置によっては、例えば、柱2側の直角部側通孔11e1〜11e3と、斜辺角部側通孔11f2,11f3等にビス等の固定部材6を打ち込む位置を変更できる。尚、後述する図9〜図11に示す柱2と梁5の接合部の場合も同様に、筋かい4の角度、幅や位置によっては、例えば、柱2側の直角部側通孔11e3〜11e5と、斜辺角部側通孔11f4,11f5等に固定部材6を打ち込む位置を変更できる。
これに対し、後述する図9〜図11に示す柱2と梁5の接合部の場合、例えば、等角中心線11cよりも下側、すなわち等角中心線11よりも柱2側の直角部側通孔11e4,11e5と、斜辺角部側通孔11f4〜11f6にビス等の固定部材6を打ち込んで筋かい4を固定することになる。
従って、図5〜図7に示すように柱2と土台3の接合部に本実施形態の筋かい固定金物1を介して筋かい4を取付けた後、地震等によって大きな揺れが建造物に加わり、筋かい4が大きく引っ張られた場合には、柱2や土台3、筋かい4等でビス等の固定部材6が抜けたり、固定部材6が挿入されていた直角部側通孔11e1〜11e5や、斜辺角部側通孔11f1〜11f6、フランジ部側通孔12b,13b近傍の筋かい4や柱2、土台3から割裂する前に、筋かい固定金物1のスリット11dが広がって、筋かい固定金物1が変形する。
一方、筋かい4が大きく圧縮された場合には、柱2や土台3に圧縮力が伝達し、柱2や土台3、筋かい4等でビス等の固定部材6がめり込んだり、固定部材6が挿入されていた直角部側通孔11e1〜11e5や、斜辺角部側通孔11f1〜11f6、フランジ部側通孔12b,13b近傍の筋かい4や柱2、土台3から割裂する前に、筋かい固定金物1のスリット11dが狭まって、筋かい固定金物1が変形する。
そのため、本実施形態の筋かい固定金物1によれば、地震等によって大きな揺れが建造物に加わって筋かい4が引っ張られたり圧縮等した場合、スリット11dが広がったり狭まることにより筋かい固定金物1が先に変形するので、柱2や土台3、筋かい4等の木材の割裂や固定部材6の抜けを遅らせ、建造物全体のダメージを少なくすることができる。
また、筋かい固定金物1の本体部11と筋かい4との間の固定では、本体部11に設けたスリット11dによって、柱2や土台3に近い直角部側通孔11e1〜11e5が柱2や土台3に遠い斜辺角部側通孔11f1〜11f6よりも先に負けるので、筋かい4全体のダメージを少なくすることができる。
特に、本実施形態の筋かい固定金物1では、図1や図2等に示すように、スリット11dの両端部11d2,11d2は、それぞれ、複数の直角部側通孔11e1〜11e5および斜辺角部側通孔11f1〜11f6のいずれよりも、フランジ部12,13の近くまで延びて形成されている。
そのため、図1や図5等に示すように、各フランジ部12,13に設けたその開口部12a,13aと、本体部11に設けたスリット11dの両端部11d2,11d2とが近接して、地震等によって筋かい4が大きく引っ張られたり圧縮等して、スリット11dがさらに大きく変形した場合、フランジ部12,13の開口部12a,13aとスリット11dの両端部11d2,11d2との間の部分である縁が大きく変形や曲がったり、捩れるような動きをする。
すると、この筋かい固定金物1の本体部11は、その縁が切れるまで、スリット11dを介して直角部11b側の本体部11と、斜辺角部11a,11a側の本体部11とが別々の独立した動きや変形をすることになる。
その結果、スリット11dを設けない場合、および単にスリット11dだけを設けた場合と比較しても、各フランジ部12,13の開口部12a,13aと、本体部11に設けたスリット11dの両端部11d2,11d2とを近接させたこの筋かい固定金物1によれば、筋かい固定金物1の取り付け接合部すなわち建造物全体の破壊の終局が遅くなり、地震等による大きな揺れに対する筋かい固定金物1の粘りを増大させることができる。
図8(a),(b)は、それぞれ、スリット11dを設けた本実施形態の筋かい固定金物1と、スリット11dを省略した筋かい固定金物で耐力確認試験結果を示す図である。
図8(a),(b)において、横軸は試験対象である筋かい固定金物を取り付けた面内試験の層間変位δ(mm)を示す一方、縦軸は試験対象である筋かい固定金物を取り付けた面内試験体に加えた荷重P(kN)を示しており、筋かい固定金物を取り付けた面内試験体に荷重P(kN)を加えた際の層間変位δ(mm)を測定した。
その結果、図8(a)に示すスリット11dを設けた本実施形態の筋かい固定金物1における耐力試験結果と、図8(b)に示すスリット11dを省略した筋かい固定金物における耐力試験結果とを比較すると明らかなように、スリット11dを設けた本実施形態の筋かい固定金物1では、図8(a)に示すように、最大荷重の到達点Aである変位δが約50mm〜112mmの間は、ほとんど荷重Pが下がらずに筋かい固定金物1が変位して、変位δが約112mm程度のところを過ぎて急減に低下していることがわかる。
これに対し、スリット11dを省略した筋かい固定金物では、図8(b)に示すように、変位δが約70mmのところで最大荷重の到達点Aに到達した後、約75mmまでは最大荷重のまま変位し、その後は徐々に荷重Pが低下していることがわかる。
そのため、本実施形態のスリット11dを設けた筋かい固定金物1によれば、スリット11dを設けない場合よりも、最大荷重に到達した後、スリット11dが広がる等してその最大荷重から荷重Pが落ちることなく大きく変位できることが実証できた。
つまり、本実施形態のスリット11dを設けた筋かい固定金物1によれば、スリット11dを設けない場合よりも、筋かい固定金物1の取り付け接合部すなわち建造物全体の破壊の終局が遅くなり、地震等による大きな揺れに対する筋かい固定金物1の粘りを増大させることができる。
また、本実施形態の筋かい固定金物1では、図1や図2、図3等から明らかなように、複数の直角部側通孔11e1〜11e5と複数の斜辺角部側通孔11f1〜11f6との間にスリット11dが形成されているので、筋かい固定金物1と重なっている取付け箇所で筋かい4に割裂が発生した場合でも、スリット11dから容易に割裂状態を確認することができる。
そのため、筋かい固定金物1と重なっている取付け箇所で筋かい4が破損している場合でも、筋かい固定金物1のスリット11dを介し迅速に発見して交換することが可能となり、メンテナンス性も向上する。
また、図5〜図7から明らかなように、この金物1の本体部11と、筋かい4との固定には、複数本(ここでは、例えば、5本とする)の固定部材6を使用するが、作業者は本体部11の表面や裏面に刻印された等角中心線11cを境界として柱2側の直角部側通孔11e1,11e2と、斜辺角部側通孔11f1〜11f3に固定部材6を打ち込んで固定する。
そのため、予め本体部11の等角中心線11cを境界として左右いずれ一方側の直角部側通孔11e1〜11e5と斜辺角部側通孔11f1〜11f6とを使用するものと決めておけば、作業者が間違って筋かい4が存在しない側の直角部側通孔11e1〜11e5と斜辺角部側通孔11f1〜11f6にビス等の固定部材6を打ち込むことを防止でき、この点で作業効率が向上する。
また、本実施形態の筋かい固定金物1は、本体部11の等角中心線11cに対し線対称に構成されている。つまり、本体部11の複数の直角部側通孔11e1〜11e5と複数の斜辺角部側通孔11f1〜11f6は、それぞれ、等角中心線11cに対し線対称に設けられている一方、一対のフランジ部12,13は、互いに同一形状で、かつ、等角中心線11cに対し線対称に設けられ、各フランジ部12,13の複数の通孔12b,13bもそれぞれ等角中心線11cに対し線対称に設けられている。
そのため、本実施形態の筋かい固定金物1は、左右の勝手がなくなるので、柱2や土台3の接合部への筋かい4の取り付けだけでなく、後述する図9〜図11に示すように柱2と梁5の接合部への筋かい4の取付けの場合にも、左右の勝手を意識することなくそのまま使用できる。
その結果、本実施形態の筋かい固定金物1は、柱2と土台3の接合部だけでなく柱2と梁5の接合部にも同じものが使用でき、内使いや外使いの兼用も可能で、使い勝手が向上すると共に、コストの低減を図ることができる。
<柱2と梁5との接合部に使用する場合>
図9〜図11は、それぞれ、柱2と梁5の接合部に本実施形態の筋かい固定金物1を介して筋かい4を取付ける前の状態(筋かいは二点鎖線で示している。)を示す斜視図、正面図、平面図である。
この場合、柱2の側面にはフランジ部13を固定する一方、横架材である梁5の側面にはフランジ部12を固定している。
ここで、図9〜図11に示す柱2と梁5の接合には金物工法を使用しており、図12に示すような接合金物7を使用している。
この接合金物7は、図12に示すように、梁5の端面に形成された2本のスリットにそれぞれ挿入される一対の側板7a,7aと、その側板7a,7aを連結する連結板7bとから構成されている。一対の側板7a,7aには、それぞれドリフトピン(図示せず。)が挿入される複数(ここでは、例えば、4つとする。)のピン孔7a1が形成されていると共に、一対の側板7a,7aの下部には、それぞれ、梁5の下側面を受けるあご受け部7a2,7a2が設けられている。
そのため、この接合金物7およびドリフトピン(図示せず。)等を用いて柱2と梁5を接合した場合、図9〜図11に示すように、梁5の下側面から接合金物7の連結板7bとあご受け部7a2,7a2が露出する。
しかし、本実施形態の筋かい固定金物1のフランジ部12,13には、図1や図9〜図11等に示すように、梁5の下側面から露出する接合金物7の連結板7bとあご受け部7a2,7a2を避けるように開口部12a,13aが形成されているため、接合金物7を使用して柱2と梁5とを接合する接合部に筋かい4を取付ける場合でも、連結板7bやあご受け部7a2,7a2を有する接合金物7との干渉を防止することができる。
<本実施形態の筋かい固定金物1のコイル8からの切り出し方>
図13は、細幅の鋼板であるコイル8から平板状態にある本実施形態の筋かい固定金物1を切り出す際の状態を示す平面図である。
図13に示すように、本体部11に対し一対のフランジ部12,13を折り曲げる前の平板状態にある本実施形態の筋かい固定金物1を、細幅の鋼板であるコイル8から切り出す場合、直角部11bから遠い側のフランジ部12,13の角部をそれぞれ斜めに切り取って、コイル8の両端面と平行になるように斜辺部12c,13cを設けている。
そのため、本実施形態の筋かい固定金物1は、原料のコイル8から切り出す際、図13に示すように、フランジ部12,13の斜辺部12c,13cとコイル8の両側面8a,8aとを一致させることにより、無駄な部分を減少させることができるので、コストダウンを図ることができる。尚、斜辺部12c,13cを設けることは、任意であり、本発明の必須構成ではない。
尚、上記実施形態の説明では、本体部11のスリット11dは等角中心線11c上で90°以上の広角に曲がったV字形状に形成して説明したが、本発明ではこれに限定されず、等角中心線11cに対し線対称で、かつ、等角中心線11cを横切るようにスリットであれば、V字形状に曲がった形状でなく、例えば、直線状のスリットでも良いいし、湾曲形状(U字形状)のスリットでも良い。また、一の繋がった長孔形状のスリットではなく、点線状に複数の長孔がV字形状や直線状、さらには湾曲形状に並ぶことによって形成されたスリットでも良いし、本体部11をプレスで部分的に板厚を薄くしたV字形状や直線状、さらには湾曲形状の孔無しのスリットでも良い。また、以上のようなスリットを等角中心線11c上に一定間隔を空けて2本以上設けても良い。
また、本発明では、本体部11に設ける直角部側通孔11e1〜11e5や斜辺角部側通孔11f1〜11f6、およびフランジ部12,13に設けるフランジ部側通孔12b,13bの数や位置、さらには開口部12a,13aの形状やその有無等も、上記実施形態のものに限定されることはなく、適宜、変更可能である。
1 筋かい固定金物
11 本体部
11a 斜辺角部
11b 直角部
11c 等角中心線
11d スリット
11d1 中央屈折部
11d2 両端部
11e1〜11e5 直角部側通孔
11f1〜11f6 斜辺角部側通孔
12,13 フランジ部
12a,13a 開口部
12b,13b フランジ部側通孔
12c,13c 斜辺部
2 柱
3 土台
4 筋かい
5 梁
6 固定部材
7 接合金具
7a,7a 側板
7a1 ピン孔
7b 連結板
7a2,7a2 あご受け部
8 コイル
8a,8a 両側面

Claims (5)

  1. 柱と横架材とがなす接合部に筋かいを固定するために用いる筋かい固定金物であって、
    筋かいを固定するための釘やビス、ネジ等の固定部材が通される複数の通孔が形成された本体部と、
    その本体部から折り曲げて設けられると共に、柱または横架材を固定するための釘やビス、ネジ等の固定部材が通される複数の通孔が形成され、柱と横架材の側面にそれぞれ固定される一対のフランジ部とを有し、
    前記本体部には、当該本体部の直角部から前記一対のフランジ部の間を等角で延びる等角中心線に対し線対称で、かつ、当該等角中心線を横切るようにスリットを設けたことを特徴とする筋かい固定金物。
  2. 請求項1記載の筋かい固定金物において、
    前記本体部の複数の通孔は、それぞれ、
    前記スリットに対し前記直角部側とその反対側とに、それぞれ設けられていることを特徴とする筋かい固定金物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の筋かい固定金物において、
    前記本体部の複数の通孔は、それぞれ、
    前記等角中心線に対し線対称に設けられており、
    前記一対のフランジ部は、互いに同一形状で、かつ、前記等角中心線に対し線対称に設けられ、
    前記一対のフランジ部の複数の通孔は、それぞれ、前記等角中心線に対し線対称に設けられていることを特徴とする筋かい固定金物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の筋かい固定金物において、
    前記スリットの両端部は、それぞれ、
    前記本体部の複数の通孔のうち最も前記各フランジ部に近い位置に設けられた通孔よりも各一対のフランジ部の近くまで延びて形成されていることを特徴とする筋かい固定金物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一の請求項に記載の筋かい固定金物において、
    前記一対のフランジ部には、それぞれ、柱と横架材を接合する際に使用する接合金物において柱または横架材の側面に露出する部分を避けるように開口部が設けられていることを特徴とする筋かい固定金物。
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