JP6457335B2 - 樹脂サッシの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ塩化ビニルを主成分とする樹脂サッシをリサイクル可能な技術に関する。
ポリ塩化ビニルは、機械的強度、耐候性、断熱性などに優れるため、窓ガラスを保持する樹脂サッシとして広く利用されている。ポリ塩化ビニルは白色であるため、例えば顔料で着色することによって、樹脂サッシを様々な色とすることが可能である。このため、ポリ塩化ビニルを用いることによって、カラーバリエーションに富んだ高い意匠性を有する樹脂サッシを製造することができる。
樹脂サッシは、典型的には、異形押出成形したポリ塩化ビニルを切断及び接合することにより製造される。このため、樹脂サッシの製造時には、切断された樹脂サッシの端材が発生する。このような樹脂サッシの端材をリサイクルして新たな樹脂サッシを製造することにより、省資源化及び低コスト化が可能となる。
しかしながら、このような樹脂サッシの端材は、樹脂サッシの仕様に応じて、様々な副成分を含んでいる。例えば、樹脂サッシの端材は、顔料によって着色されていたり、保護フイルムで被覆されていたりする。このような樹脂サッシの端材をそのままリサイクルする場合、色の調整が困難であるとともに、副成分の存在により耐候性が低下する場合がある。
特許文献1には、樹脂サッシの製造時に発生する端材をリサイクルして新たな樹脂サッシを製造する技術が開示されている。特許文献1に係る技術では、樹脂サッシの端材から得られるリサイクル粉末と未使用のポリ塩化ビニル粉末(バージン粉末)とが併用される。より詳細には、樹脂サッシの外層をバージン粉末によって形成し、樹脂サッシの内層をリサイクル粉末によって形成する。
特許文献1に係る樹脂サッシでは、外観に現れる外層をバージン粉末によって形成することによって、リサイクル粉末を用いずに製造された樹脂サッシと遜色のない意匠性及び耐候性が得られる。
特許第3420527号公報
現在、ポリ塩化ビニルを主成分とする樹脂サッシの実用化から数十年が経過し、例えば建物の改築や解体などの際に、経年による劣化や損傷が生じた使用済み樹脂サッシが多く廃出されるようになってきている。したがって、このような使用済み樹脂サッシをリサイクルすることによって、より効果的な省資源化及び低コスト化が実現される。
しかし、使用済み樹脂サッシでは、樹脂サッシの製造時に発生する端材とは異なり、経年による成分の変化が生じている場合がある。また、使用済みサッシでは、樹脂サッシの製造時に発生する端材とは添加剤の種類や量が異なる場合がある。このため、使用済み樹脂サッシをそのままリサイクルして製造される樹脂サッシでは、機械的強度などの物性が充分に得られない場合がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ポリ塩化ビニルを主成分とする使用済み樹脂サッシをリサイクル可能な技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る樹脂サッシの製造方法では、ポリ塩化ビニルを主成分とする使用済み樹脂サッシが回収される。
上記使用済み樹脂サッシを粉砕してリサイクル粉末が作製される。
上記リサイクル粉末の特性評価が行われる。
上記特性評価の結果に基づいて上記リサイクル粉末に添加する添加剤が決定される。
上記リサイクル粉末と上記添加剤とを混合して混練物が作製される。
上記混練物が押出成形される。
この構成では、使用済みの樹脂サッシから得られるリサイクル粉末に不足する物性を添加剤によって補うことができる。このため、使用済みの樹脂サッシをリサイクルして新たに製造する樹脂サッシにおいて良好な物性が得られる。
上記添加剤としてポリ塩化ビニルのバージン粉末を用いてもよい。
上記バージン粉末の添加量は、上記リサイクル粉末と上記バージン粉末との合計量に対し、30重量%以下であってもよい。
この構成では、リサイクル粉末とポリ塩化ビニルのバージン粉末とを併用することにより、樹脂サッシの物性を容易に向上させることができる。
上記特性評価では、上記リサイクル粉末から得られる成形体の耐衝撃性を評価してもよい。
上記耐衝撃性が不足する場合に、上記添加剤として強化剤を用いてもよい。
これにより、耐衝撃性に優れた樹脂サッシを製造することができる。
上記特性評価では、上記リサイクル粉末から得られる成形体の熱安定性を評価してもよい。
上記熱安定性が不足する場合に、上記添加剤として熱安定剤を用いてもよい。
上記熱安定剤として、鉛系安定剤及びカルシウム・亜鉛系安定剤の少なくとも一方を用いてもよい。
これらにより、熱安定性に優れた樹脂サッシを製造することができる。
上記特性評価では、上記リサイクル粉末のゲル化時間を評価してもよい。
上記ゲル化時間が第1範囲より短い場合に、上記添加剤として滑剤を用いてもよい。
上記ゲル化時間が上記第1範囲より長い場合に、上記添加剤としてトルク向上剤を用いてもよい。
この構成により、リサイクル粉末と添加剤との混練物のゲル化時間が適切となり、良好に混練された溶融混練物を得ることができる。このように得られた溶融混練物は、押出機によって良好に押出成形可能である。
上記特性評価では、上記リサイクル粉末のゲル化初期トルクを評価してもよい。
上記ゲル化初期トルクが第2範囲より高い場合に、上記添加剤として滑剤を用いてもよい。
上記ゲル化初期トルクが上記第2範囲より低い場合に、上記添加剤としてトルク向上剤を用いてもよい。
この構成により、リサイクル粉末と添加剤との混練物のゲル化初期トルクが適切となり、良好に混練された溶融混練物を得ることができる。このように得られた溶融混練物は、押出機によって良好に押出成形可能である。
上記トルク向上剤として、酸価が15以上18以下である酸化ポリエチレンワックスを用いてもよい。
この構成により、ゲル化時間を短くする効果、及びゲル化初期トルクを高くする効果がより良好に得られる。
ポリ塩化ビニルを主成分とする使用済み樹脂サッシをリサイクル可能な技術を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る窓の平面図である。 上記窓の図1のA−A'線に沿った部分断面図である。 上記窓の樹脂サッシのフレーム材の拡大断面図である。 上記樹脂サッシのリサイクル方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[樹脂サッシ10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂サッシ10の平面図である。樹脂サッシ10は、矩形の窓1の外枠として構成され、窓ガラス40の外縁部を保持している。樹脂サッシ10は、ポリ塩化ビニルを主成分とするフレーム材20及びカバー材30を有する。
フレーム材20は、異形押出成形により形成された部材20a,20b,20c,20dを有する。部材20a,20bは相互に対向する長辺部材を構成し、部材20c,20dは相互に対向する短辺部材を構成する。部材20a,20b,20c,20dは溶着により相互に接合されて矩形状とされている。
カバー材30は、異形押出成形により形成された部材30a,30b,30c,30dを有する。部材30a,30bは相互に対向する長辺部材を構成し、部材30c,30dは相互に対向する短辺部材を構成する。部材30a,30b,30c,30dは嵌合により相互に接合されて矩形状とされている。
フレーム材20の部材20a,20b,20c,20dの接合方法、及びカバー材30の部材30a,30b,30c,30dの接合方法は、溶着に限定されず、適宜公知の方法を採用可能である。
図2は窓1の図1のA−A'線に沿った部分断面図であり、図3は樹脂サッシ10のフレーム材20の拡大断面図である。樹脂サッシ10のフレーム材20及びカバー材30は、中空構造に形成され、窓ガラス40の外縁部を挟持している。
窓ガラス40は、相互に対向する2枚のガラス41a,41bと、ガラス41a,41bの外縁部を機密に封止するスペーサ41と、を有する。窓ガラス40は、ガラス41a,41bの間の空間にアルゴンガスが封入された複層ガラスとして構成される。このような構成の窓ガラス40は、高い断熱性を発揮することができる。
なお、窓ガラス40の構成は任意である。例えば、窓ガラス40に封入されるガスは、アルゴンガスでなくてもよく、例えば、クリプトンガス、乾燥空気などであってもよい。また、窓ガラス40は、複層ガラスでなくてもよく、トリプルガラスや単板ガラスなどであってもよい。更に、ガラス41a,41bは、公知のガラスから任意に選択可能であり、表面コーティングが施されて構成されていてもよい。
図3に示すように、フレーム材20は、窓ガラス40の端面を保持する保持面22と、保持面22に隣接して設けられた第1嵌合部21と、保持面22から略垂直に延びる第1挟持部23と、を有する。第1嵌合部21と第1挟持部23とは保持面22を挟んで相互に反対側に配置されている。
図2に示すように、カバー材30は、第2嵌合部31と、第2挟持部32と、を有する。第2嵌合部31は、フレーム材20の第1嵌合部21に嵌合可能に構成されている。つまり、カバー材30は、第2嵌合部31を第1嵌合部21に嵌合させることにより、フレーム材20に取り付けられる。フレーム材20に取り付けられたカバー材30の第2挟持部32は、フレーム材20の第1挟持部23に対向するように第2嵌合部31から延びている。
つまり、カバー材30がフレーム材20に取り付けられた樹脂サッシ10は、保持面22及び嵌合部21,31によって窓ガラス40の外縁部を受容するための凹部を形成している。この凹部内には、ガラス受台50と、気密材51a,51bと、が設けられている。ガラス受台50及び気密材51a,51bは樹脂材料で形成されている。
ガラス受台50は、窓ガラス40の端面を保持している。気密材51aは、カバー材30の第2挟持部32と窓ガラス40のガラス41aとに挟持されている。気密材51bは、フレーム材20の第1挟持部23と窓ガラス40のガラス41bとに挟持されている。ガラス受台50及び気密材51a,51bによって、窓ガラス40と樹脂サッシ10との間において、気密性が向上するとともに、がたつきが解消される。
また、フレーム材20には、その外縁部から突出する固定部24,25が設けられている。固定部24,25の突出方向は相互に直交し、固定部24は外周方向に突出し、固定部25は室内方向に突出している。固定部24,25は、建物の壁や屋根などに形成された開口部に、例えば、ネジなどの固定部材によって固定されている。つまり、窓1が建物の開口部に設置される際、固定部24,25が建物の開口部に固定される。
[樹脂サッシ10のリサイクル方法]
図4は、樹脂サッシ10のリサイクル方法を示すフローチャートである。以下、図4に沿って、樹脂サッシ10のリサイクル方法について説明する。
本実施形態では、建物に取り付けられた窓1の使用済み樹脂サッシ10をリサイクルすることにより、同様の樹脂サッシ10のフレーム材20を新たに製造する例について説明する。なお、樹脂サッシ10のカバー材30も、フレーム材20と同様に製造可能である。
(ステップS10:樹脂サッシ10の回収)
ステップS10では、建物から樹脂サッシ10を回収する。ステップS10では、まず固定部24,25を建物の開口部に固定する固定部材を取り外し、窓1を建物の開口部から取り外す。このとき、例えばシーリング材などの、樹脂サッシ10と建物の開口部との間に設けられている部材を除去する。
次に、建物の開口部から取り外された窓1を解体する。つまり、カバー材30の第2嵌合部31とフレーム材20の第1嵌合部21との嵌合を解除し、フレーム材20からカバー材30を取り外す。そして、カバー材30が取り外されたフレーム材20から窓ガラス40、ガラス受台50、及び気密材51a,51bを除去する。更に、必要に応じ、フレーム材20及びカバー材30に設けられている金属部材などのポリ塩化ビニル以外を主成分とする部材を除去する。このように、樹脂サッシ10が得られる。
必要に応じ、樹脂サッシ10におけるポリ塩化ビニル以外の不純物を減少させるために、樹脂サッシ10に対して以下に示す処理を行ってもよい。
・1次切断及び良好な部位の選別
・コーナー部などの汚れが多い部位を除去するための2次切断
・軟質ポリ塩化ビニル、テープ、錆などの異物除去
・ウエスでの拭き取り、高圧洗浄、エアブローなどによる汚れの除去
・金属探知機による金属部材の探知及び除去
これにより、ポリ塩化ビニルを主成分とするリサイクル原料であるフレーム材20及びカバー材30の回収が完了する。
(ステップS20:樹脂サッシ10の粉砕)
ステップS20では、ステップS10で回収されたフレーム材20及びカバー材30を粉砕することによりリサイクル粉末を作製する。ステップS20には、例えば、二軸粉砕機や高速渦流粉砕機などを用いることができる。後述のステップS50において混合を良好に行うために、リサイクル粉末の平均粒径は、300μm以下とすることが好ましい。
ステップS20では、例えば、2段階でフレーム材20及びカバー材30を粉砕することができる。つまり、第1段階ではフレーム材20及びカバー材30を粗粉砕することにより5〜10mmメッシュを通過可能な粒径の粗粉砕粉末とし、第2段階では粗粉砕粉末を微粉砕することにより1mmメッシュを通過可能な粒径の微粉砕粉末とすることができる。
(ステップS30:リサイクル粉末の評価)
ステップS30では、ステップS20で得られたリサイクル粉末の評価を行う。より詳細には、ステップS30では、ステップS20で得られたリサイクル粉末をそのまま用いてフレーム材20を製造する場合の問題点を明らかにする。リサイクル粉末の評価方法は特定の方法に限定されない。
例えば、ステップS30では、ステップS20で得られたリサイクル粉末をそのまま用いて成形体を作製することができる。この成形体の物性測定を行うことにより、リサイクル粉末をそのまま用いて樹脂サッシ10を製造した場合に不足する物性を把握可能となる。リサイクル粉末の成形体は、例えば、ロール混錬及びプレス成形によって作製することができる。
ステップS30において有効な成形体の物性測定方法を以下に例示する。
・シャルピー衝撃試験
・熱分解時間測定
・引張降伏応力測定
・曲げ弾性率測定
これらの測定は、例えば、無可塑ポリ塩化ビニル製建具用形材JISA5558に準拠して行うことができる。
また、ステップS30では、リサイクル粉末のゲル化特性を評価することにより、後述のステップS50においてリサイクル粉末を混練するために不足している物性を把握可能となる。ゲル化特性は、例えば、ブラストグラフを用いて評価することができる。ブラストグラフによって評価可能なゲル化特性としては、例えば、ゲル化時間、ゲル化初期トルク、熱分解時間などが挙げられる。
(ステップS40:添加剤の決定)
ステップS40では、ステップS30で得られた評価結果に基づいてリサイクル粉末に添加する添加剤を決定する。つまり、リサイクル粉末をそのまま用いて樹脂サッシ10を製造する場合の問題点を克服するために有効な添加剤を決定する。添加剤としては、必要に応じて複数種類を組み合わせて用いてもよい。
添加剤は、ステップS30の評価結果に応じて、強化剤、熱安定剤、紫外線安定剤、内部滑剤、外部滑剤、トルク向上剤、着色剤、可塑剤、充填剤、加工助剤などから選択可能である。
例えば、ステップS30におけるシャルピー衝撃試験によって、リサイクル粉末の成形体の耐衝撃性が不足していた場合には、添加剤として強化剤を用いることができる。強化剤としては、例えば、アクリル系強化剤を用いることができる。
また、ステップS30における熱分解時間測定によって、リサイクル粉末の成形体の熱安定性が不足していた場合には、添加剤として熱安定剤を用いることができる。熱安定剤は、鉛系安定剤及びカルシウム・亜鉛系安定剤の少なくとも一方であることが好ましい。なお、錫安定剤は、ポリ塩化ビニルを軟化させるとともに、鉛と反応して黒化するため好ましくない。
ステップS30におけるゲル化特性については、後述のステップS50において良好に混練可能となるゲル化条件を予め設定しておくことが好ましい。そして、ゲル化条件を満足しない場合に、ゲル化条件を満足させるために有効な添加剤を選択することができる。
例えば、ゲル化条件として、ゲル化時間の第1範囲、及びゲル化初期トルクの第2範囲を設定することができる。つまり、ゲル化時間が第1範囲外の場合に、ゲル化時間を第1範囲内とするために有効な添加剤を選択することができる。また、ゲル化初期トルクが第2範囲外の場合に、ゲル化初期トルクを第2範囲内とするために有効な添加剤を選択することができる。
具体的に、ゲル化時間が第1範囲より短い場合や、ゲル化初期トルクが第2範囲より高い場合には、添加剤として滑剤を用いることができる。滑剤としては、任意に選択可能であり、例えば、LOXIOL(登録商標)G60やLOXIOL(登録商標)G32(いずれもエメリーオレオケミカル社の製品名)などを用いることができる。
また、ゲル化時間が第1範囲より長い場合や、ゲル化初期トルクが第2範囲より低い場合には、添加剤としてトルク向上剤を用いることができる。トルク向上剤としては、ゲル化時間を短くする作用や、ゲル化初期トルクを高める作用を有するものを適宜選択可能である。
トルク向上剤としては、例えば、酸価が15以上18以下である酸化ポリエチレンワックスを用いることができる。このような酸化ポリエチレンワックスとしては、例えば、LOXIOL(登録商標)VPG1631(エメリーオレオケミカル社の製品名)が挙げられる。
各添加剤の添加量は、適宜決定可能である。一例として、リサイクル粉末100重量部に対し、強化剤の添加量を5重量部以下とし、熱安定剤の添加量を4重量部以下とし、滑剤の添加量を2重量部以下とし、トルク向上剤の添加量を1重量部以下とし、加工助剤の添加量を2重量部以下とすることができる。
また、必要に応じて、添加剤として、未使用のポリ塩化ビニル粉末(バージン粉末)を用いることもできる。添加剤としてバージン粉末を用いることにより、樹脂サッシ10の物性を容易に向上させることができる。しかし、省資源化及び低コスト化の観点から、バージン粉末の添加量は、リサイクル粉末及びバージン粉末からなるポリ塩化ビニル粉末全体に対して30重量%以内とすることが好ましい。
(ステップS50:リサイクル粉末と添加剤との混合)
ステップS50では、ステップS20で得られたリサイクル粉末と、ステップS30で決定された添加剤と、を混合して混練物を作製する。リサイクル粉末と添加剤との混合は、例えば、120〜140℃でのホットプレンドにより行うことができる。
(ステップS60:押出成形)
ステップS60では、ステップS50で得られた混練物を異形押出成形することにより、フレーム材20の部材20a,20b,20c,20dを作製する。具体的には、図3に示す断面形状の部材を連続して押し出し、各部材20a,20b,20c,20dごとに切断する。
混練物の押出成形には、例えば、60mmφコニカル2軸押出機を用いることができる。この場合、シリンダの温度を170〜210℃とし、アダプタの温度を180〜200℃とし、金型の温度を185〜205℃とすることができる。金型出口での樹脂溶融温度は、195〜205℃程度であることが好ましい。
その後、ステップS60で得られた各部材20a,20b,20c,20dを溶着することによりフレーム材20が完成する。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態に係るリサイクル方法には、上記実施形態に係る樹脂サッシ10に限定されず、任意の使用済み樹脂サッシを用いることができる。また、複数種類の使用済み樹脂サッシをまとめて粉砕してリサイクル粉末を形成してもよい。これらの場合にも、ステップS30においてリサイクル粉末を評価し、ステップS40において適切な添加剤を決定することにより、良好な物性の樹脂サッシを新たに製造可能である。
また、上記実施形態に係るリサイクル方法では、上記実施形態に係る樹脂サッシ10に限らず、多種多様な構成の樹脂サッシを新たに製造可能である。
更に、リサイクルによって製造する樹脂サッシは、リサイクル粉末を用いて成形されるリサイクル組成物と、リサイクル粉末を用いずにバージン粉末のみを用いて成形されるバージン組成物と、の複合体として構成されていてもよい。このような樹脂サッシは、リサイクル組成物とバージン組成物とを別々に共押出しすることにより成形可能である。
一例として、中空構造の樹脂サッシ10において、内層をリサイクル組成物とし、外層をバージン組成物とすることができる。つまり、樹脂サッシ10の外観に現れる外層にバージン組成物を用いることにより、リサイクル組成物を用いない場合と同等の外観が得られる。一方、樹脂サッシ10の意匠性に影響を与えない内層をリサイクル組成物とすることにより、省資源化及び低コスト化が可能である。なお、バージン組成物には、色調に影響を与えない範囲内でリサイクル粉末を添加することもできる。
加えて、必要に応じ、上記実施形態で得られる樹脂サッシの表面には被覆層が設けられていてもよい。例えば、樹脂サッシの表面には、樹脂製のフイルムやコーティング、あるいはアルミニウム等の金属製のカバーなどが設けられていてもよい。また、樹脂サッシは、各種塗料などにより塗装されていてもよい。
1…窓
10…フレーム材
20…カバー材
30…窓ガラス
50…ガラス受台
51a,51b…気密材
100…樹脂サッシ

Claims (8)

  1. ポリ塩化ビニルを主成分とする使用済み樹脂サッシを回収し、
    前記使用済み樹脂サッシを粉砕してリサイクル粉末を作製し、
    前記リサイクル粉末から得られる成形体シャルピー耐衝撃試験、熱分解時間測定、及び前記リサイクル粉末のゲル化特性評価の少なくとも1つの特性評価を行い、
    前記特性評価の結果に基づいて前記リサイクル粉末に添加する添加剤を決定し、
    前記リサイクル粉末と前記添加剤とを混合して混練物を作製し、
    前記混練物を押出成形する
    樹脂サッシの製造方法。
  2. 請求項1に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記添加剤としてポリ塩化ビニルのバージン粉末を用い、
    前記バージン粉末の添加量は、前記リサイクル粉末と前記バージン粉末との合計量に対し、30重量%以下である
    樹脂サッシの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記特性評価では、前記リサイクル粉末から得られる成形体のシャルピー耐衝撃試験により耐衝撃性を評価し、
    前記耐衝撃性が不足する場合に、前記添加剤として強化剤を用いる
    樹脂サッシの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記特性評価では、前記リサイクル粉末から得られる成形体の熱安定性を評価し、
    前記熱安定性が不足する場合に、前記添加剤として熱安定剤を用いる
    樹脂サッシの製造方法。
  5. 請求項4に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記熱安定剤として、鉛系安定剤及びカルシウム・亜鉛系安定剤の少なくとも一方を用いる
    樹脂サッシの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記特性評価では、前記リサイクル粉末のゲル化時間を評価し、
    前記ゲル化時間が第1範囲より短い場合に、前記添加剤として滑剤を用い、
    前記ゲル化時間が前記第1範囲より長い場合に、前記添加剤としてトルク向上剤を用いる
    樹脂サッシの製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記特性評価では、前記リサイクル粉末のゲル化初期トルクを評価し、
    前記ゲル化初期トルクが第2範囲より高い場合に、前記添加剤として滑剤を用い、
    前記ゲル化初期トルクが前記第2範囲より低い場合に、記添加剤としてトルク向上剤を用いる
    樹脂サッシの製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の樹脂サッシの製造方法であって、
    前記トルク向上剤として、酸価が15以上18以下である酸化ポリエチレンワックスを用いる
    樹脂サッシの製造方法。
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