JP6455928B2 - 無線通信用のサーバラック及び当該サーバラックを使用したサーバ集合体 - Google Patents

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Description

この発明は、多数のサーバを収容するサーバラックに関し、特に、サーバラック内における高速データ伝送のための無線通信を可能とするサーバラックと、そのサーバラックと内部に収容された複数のサーバとからなるサーバ集合体に関する。
クラウドサービスの進展に伴って、ネットワークを介して大量のデータを蓄積するデータセンタが増加している。データセンタにはサーバ等の多数の機器が使用されている。データセンタは、その性格上、毎日24時間、年間365日、休みなく稼働している必要がある。その結果、各データセンタでは年間を通じて多大な電力が消費される。このため、データセンタ全体の低消費電力化は喫緊の課題である。サーバ自体が電力を消費する上、サーバが過熱してエラーが発生するのを防ぐためにサーバを冷却しなければならない。データセンタで消費される電力の内、サーバ等の機器による消費電力はもちろん、サーバ等を冷却するための空調電力の割合も非常に大きい。
一般的なデータセンタでは、効率よくサーバを運用するために、各々が複数のサーバを収容する多数のサーバラックが稠密に設置される。典型的には、1台のサーバラックは40台程度のサーバを収容する。各サーバラックは冷却装置からの冷却空気が流れるように配置されている。
例えば図1に示すように、典型的なサーバラック30は、高さ約2.2m、幅約0.7m、奥行き約1.2mの直方体形状になっている。この内部に多数の薄型サーバが収容される。サーバラック30の全体は、いずれも金属製の底板40、天板42、2枚の側板44及び側板46、背面扉48並びに前面扉50からなっている。前面扉50は開閉可能であり、開口52が設けられ、多くの場合開口52は金属のメッシュ状になっている。図示していないが、背面扉48についても同様である。この前面扉50の開口52を通して冷却気流がサーバラック30内に供給され、背面扉48の開口を通して外部に排出される。冷却気流はこれと逆の経路で供給されても良い。
しかし、このようなデータセンタでのサーバの運用には以下の様な問題がある。サーバラック内では、通信のために各サーバとスイッチとを接続する必要がある。この接続はイーサネット(登録商標)ケーブル等の通信ケーブルによって行われている。しかし、サーバが多数あると、これらケーブルが錯綜してサーバのメンテナンスが煩雑になる上、ケーブルによって冷却気流が妨げられ、冷却効率が大幅に低下するといわれている。
こうした問題を解決する1つの方法は、データサーバにおけるサーバとスイッチ間の通信を無線化することである。そうすれば、ケーブルによる冷却効率の低下の問題が改善され、データサーバの低消費電力化に大きく貢献できる。さらには、通信ケーブルの存在によって煩雑化していたメンテナンスコストも低減できる。
しかし、データセンタにおける通信を全て無線通信とすることには大きな問題がある。データセンタ内には多数のサーバラックが稠密に設置されており、使用されている通信ケーブルは膨大な数に上る。しかもデータセンタにおける通信は高速でなければならない。そのため、ケーブルによる通信をすべて無線化し、かつ高速な通信速度を保証するとなると、必要な周波数帯域が非現実的な値になって実現不可能である。したがって、サーバラックごとに通信電波を閉じ込め、同じ周波数帯域をすべてのサーバラックで共用することが現実的である。
サーバラックは通常金属でできているので、電波を閉じ込めることは比較的容易である。しかし、金属で閉じ込められた空間で無線通信を行うと、電波がサーバラック内の壁面等の金属面で多重反射し、無線通信にとっては極めて厳しい環境になる。多重反射が存在すると、主波に加えて多数の遅延波が受信される。その結果、時系列に並んだ変調シンボルの間で遅延波による干渉が発生する。
遅延波によるシンボル間の変調に強い変調方式としてOFDM(直交周波数分割多重)がある。OFDM変調では、各シンボルの先頭にサイクリックプリフィックスを付加しガードインターバル期間を設ける。この結果、この期間内に到着した遅延波の干渉は避けることができる。特に、サーバラック内の通信方式として考えられる有力な方式の一つとして、60GHz帯のIEEE 802.11ad規格のOFDM変調がある。このOFDM変調では、ガードインターバル期間が48.4nsである。したがって、大きなレベルの遅延波が主波に対して48.4ns以内の遅延であればシンボル間干渉を無視して通信できる。しかし、IEEE 802.11adは室内での使用を想定した規格であり、サーバラックのような狭小金属空間内での使用は想定されていない。したがって、IEEE 802.11adをサーバラック内で使用した場合、長遅延波の存在が懸念される。
この問題を解決する最も単純な対策は、サーバラックの内面の全てに電波吸収体を設けることである。しかし、そのような構成にするとサーバラックのコストが高くなるという問題がある。そこで長遅延の問題を解消しつつコストの問題も小さくするための発明が、後掲の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された発明は、狭小筐体内で遅延波を抑制するために、筐体の内面のうち、露出する面積が最大となる面のみに電波吸収体を設けるというものである。この電波吸収体により、反射波を抑制し、遅延波を低減することができるとされている。
特開2007-150256
特許文献1に記載の発明は、すべての内面に電波吸収体を設ける代わりに、最大面のみに電波吸収体を設けることで、安価かつ容易に設置でき、なおかつ効果的に遅延波を低減するものである。しかし、サーバラックには単純にこの発明を適用することはできない。複数のサーバをサーバラックに収容する場合、サーバラックで筐体内部の空間に露出する面積が最大となる面は、図1に示す前面扉50である。しかし、通常、前面扉50には、メッシュ状の開口52が形成されており、冷却空気の通り道になっている。したがって、開口52に電波吸収体を設置することは非現実的である。
それ故にこの発明は、サーバラックのように冷却空気の通り道を確保する必要がある筐体内において、無線通信における遅延波を効率的に抑制できるサーバラック、及びそのサーバラックと、当該サーバラック内に収容された複数のサーバからなるサーバ集合体を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係るサーバラックは、内部に複数のサーバコンピュータを収容する空間を規定する筐体を持つ。筐体は、いずれも開口部が形成された前半部及び後半部を持つ。筐体の内部空間は、複数のサーバを内部に収容することによって、当該複数のサーバのケースにより前半部と後半部とに分離される。複数のサーバは、背面が後半部側を向く様に配置され、かつ複数のサーバの各々は、背面に設けられた、通信モジュールが装着される装着口を持つ。筐体の、複数のサーバにより前半部と分離される後半部を画定する内面のうち、開口部が設けられた内面を除く少なくとも一部に、電波吸収材が設置されている。
好ましくは、筐体は、天板、底板、2枚の側板、並びにいずれも開口部が設けられた前面扉及び背面扉からなる、内部が空洞の直方体形状を有する。複数のサーバは、筐体により規定される内部空間において、背面扉とある距離を隔てるように筐体内部に収容固定され、それによって、背面扉と、底板及び天板と、2枚の側板と、複数のサーバのケース背面とによって後半部が規定される。電波吸収材は、天板、底板、2枚の側板のうちの少なくとも1つの内面の、後半部内の領域に設置される。
より好ましくは、開口部はいずれもメッシュ状であり、メッシュの開口の大きさがラック内で行われる無線通信で使用される電波の半波長よりも小さい。
さらに好ましくは、前半部の天板、底板、2枚の側板のいずれの内面にも電波吸収体が設置されていない。
本発明の第2の局面に係るサーバ集合体は、内部に複数のサーバコンピュータを収容する空間を規定する筐体を持つサーバラックと、サーバラックにより規定される空間に、サーバラックにより規定される空間を前半部及び後半部に分割するように収容された複数のサーバとを含むサーバ集合体である。筐体の前半部及び後半部には、いずれも開口部が形成されている。複数のサーバは、ケース背面が後半部側を向く様に配置され、かつ複数のサーバの各々は、ケース背面に設けられた、通信モジュールが装着される装着口を持つ。筐体の、後半部を画定する内面のうち、開口部が設けられた内面を除く少なくとも一部に、電波吸収材が設置されている。複数のサーバの各々のケース背面の装着口には、無線通信を行うための通信モジュールが装着される。電波吸収材は、装着口に装着された通信モジュールのアンテナが電波を放射する方向に設置される。
好ましくは、筐体は、天板、底板、2枚の側板、並びにいずれも開口部が設けられた前面扉及び背面扉からなる内部が空洞の直方体形状を有する。複数のサーバは、筐体により規定される内部空間において、背面扉とある距離を隔てるように筐体内部に収容固定され、それによって、背面扉と、底板及び天板と、2枚の側板と、複数のサーバの背面とによって後半部が規定される。電波吸収材は、天板、底板、2枚の側板のうちの少なくとも1つの内面の、後半部内の領域に設置されている。
より好ましくは、開口部はいずれもメッシュ状であり、メッシュの開口の大きさがラック内で通信モジュールにより行われる無線通信で使用される電波の半波長よりも小さくない。
さらに好ましくは、通信モジュールのアンテナは、アンテナ軸が背面扉に対して垂直となるように設置されたダイポールアンテナ又はモノポールアンテナを含む。
通信モジュールのアンテナは、アンテナが形成された基板が天板、底板、及び2枚の側板のうち、電波吸収材が設置された部材の方向を向くように形成されたスロットアンテナを含んでもよい。
好ましくは、前半部の天板、底板、2枚の側板のいずれの内面にも電波吸収体が設置されていない。
一般的なサーバラックの前方からの斜視図である。 サーバラックの後方からの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るサーバラック及びサーバ等の配置を示す、サーバラックの後方からの斜視図である。 図3に示すサーバラックに搭載されるサーバとサーバ背面に装着される通信モジュールとを示す図である。 通信モジュールの構成を示す模式図である。 通信モジュールの回路部の構成を示すブロック図である。 電波吸収体の有無による遅延スプレッドの累積確率分布の違いを示すグラフである。 アンテナ軸向き(主放射方向)の違いによる遅延スプレッドの累積確率分布の違いを示すグラフである 本発明の第2の実施の形態に係るサーバラックの構成を示す背面側からの斜視図である。
[第1の実施の形態]
以下の説明及び図面では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図2を参照して、サーバラック内部に多数のサーバを収容する場合、サーバ背面とサーバラックの背面部の内面との間に空間54が形成される。サーバラック内で無線通信を行う場合、電波はこの空間内に閉じ込められ、外部にはほぼ漏れ出さないと考えられる。そこで、本実施の形態では、以下の様な位置に電波吸収体を設ける。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るサーバラックの内部を、サーバラックの内面とサーバラック内部に収容された多数のサーバ60の上下中央付近にとともに示す。各サーバと接続するL2/L3スイッチ(アクセスポイント)62を、サーバラックの上下中央付近に設置し、サーバ60をその上下に複数隙間なく設置する。サーバ60は、その背面がサーバラックの背面側を向くように、かつある程度の距離が筐体背面の内側表面との間に残るように収容される。こうした配置により、サーバの背面とサーバラック後部の内面との間に空間(後半部)が形成され、この内部で無線通信が行われる。サーバラック70の筐体は金属製であり、その前面及び背面には、それぞれ、冷却気流が流れるように金属のメッシュ状となった開口部を持つ前面扉及び背面扉が設けられている。本実施の形態では、使用周波数の電波の漏れが極力少なくなるように、前面扉及び背面扉のメッシュの穴の大きさはいずれも半波長未満にする。例えば使用周波数が60GHzの場合、メッシュの穴の大きさは2.5mm未満となる。
このようにサーバ及びL2/L3スイッチ62をサーバラック内部に収容することにより、サーバラックの内部空間は、開口側の前半部と、背面側の閉鎖された後半部とに分離される。後半部の空間は、サーバラックの底板、天板、2枚の側板及び背面扉により画定される。
後述するように、サーバ60及びL2/L3スイッチ62の背面には、無線通信を行う通信モジュールの装着端子が設けられる。本実施の形態では、サーバラック70は金属製の底板を有しており、底板40及び天板42の内面(サーバラック内部を向く面)であって、サーバ背面とサーバラック後部の内面との間の領域に、それぞれ電波吸収体80及び82が設けられている。サーバラック70の底板がなく、コンクリートの床が見えている場合は、サーバラックの天板42のみに電波吸収体82を設ける。この電波吸収体82が設けられた部分は、サーバラックの内面の最大面ではない。底板40についても同様である。しかし、このように電波吸収体82又は電波吸収体80と82とを設けることにより、後述するように遅延波は大幅に削減される。
図4を参照して、通信モジュール94はUSBインターフェイスを持つ。サーバ60の背面90にはUSB端子92が設けられ、通信モジュール94が装着される。L2/L3スイッチ62の背面にも同様のUSB端子が設けられる。サーバ60の各々及びL2/L3スイッチ62のUSB端子にそれぞれ通信モジュール94が装着される。
電波吸収体としては、入射波と反射波との両波を相殺させることで電波を吸収する電波吸収体、誘電損失又は磁性損失等を利用して電波を熱に変換することで電波を吸収する電波吸収体等を用いることができる。例えば、磁性材料を樹脂に混合してシート状とした電波吸収体、鉄粉を合成ゴムに混合してシート状とした電波吸収体、磁性材料と金属粉末等を樹脂に混合して液体状とした塗布型の電波吸収体、及びウレタンフォーム又はスチロール等の樹脂にカーボンを含浸してピラミッド状とした電波吸収体等を用いることができる。
通信モジュール94は、図5(A)に示すように、樹脂筐体106の中に樹脂からなるプリント基板108を形成し、プリント基板108上に回路部100とダイポールアンテナ102とを実装したものである。回路部100には、USB端子104が固定されている。USB端子104が図4のサーバ60のUSB端子92に装着される。
図6に示すように、回路部100は、機能的には通常の無線通信モジュールと同様であって、USB端子104と接続されたUSBインターフェイス回路110、USBインターフェイス回路110に接続されたベースバンド信号処理回路112、及びベースバンド信号処理回路112とダイポールアンテナ102とに接続されたRF回路114を含む。アンテナはその主放射方向がサーバラックの背面扉及び前面扉方向にあまり向かないものが望ましく、例えば、図5(A)に示すようなダイポールアンテナで、その軸120がサーバラック筐体の背面扉に対して垂直になるように、すなわち放射方向が電波吸収体80又は82に向くように実装する。図5(A)に示すように、アンテナと回路部100とを同じダイポールアンテナ102上に既存のプリント基板技術を使って実装できる。
なお、アンテナは、上記したようにその主放射方向がサーバラックの背面扉又は前面扉方向を向かないようにサーバ60の背面に装着可能なものであればどのようなものでもよい。例えば図5(B)に示すように、軸142がサーバラックの背面扉に垂直となるように形成されたモノポールアンテナ140を持つ通信モジュール130、又は図5(C)に示すように、軸162がサーバラックの左右の側面を結ぶ方向を向くように(主放射方向が電波吸収体80及び82を向くように)形成されたスロットアンテナ160を持つ通信モジュール150を使用してもよい。このように、USBインターフェイス回路110を通じて、通信モジュール94,130又は150とサーバ60及びL2/L3スイッチ62とを接続することにより、サーバ60又はL2/L3スイッチ62に特別な変更を与えることなく、通信ケーブルを無線化できる。
本実施の形態の効果を、遅延波の大きさ及び遅延の状況を表す一般的な指標である遅延スプレッドで見てみる。遅延スプレッドが大きいと、遅延波のレベルが大きく、また遅延量も大きく、通信環境が悪いことを表す。
図2及び図3に示すような環境で、以下の様な条件で遅延スプレッドをシミュレーションで求めた。すなわち、送信(アクセスポイント)アンテナをサーバ60の筐体の背面から4cmの位置でサーバラックの上下左右の中央におくことを想定した。サーバのUSB端子が様々な位置にあることを想定して、受信アンテナをサーバ筐体の背面から4cmの距離のxy面内(図4を参照)で2cmおきに動かした。通信周波数は60GHzとした。電波吸収体を図3に示すように底板40の上面と天板42の下側で無線通信空間に露出する部分に設けることを想定した。
図7に電波吸収体を配置した場合の遅延スプレッドの累積確率分布のグラフ180と、電波吸収体を配置していない場合の遅延スプレッドの累積確率分布のグラフ182とを示す。電波吸収体を配置することで、明らかに、遅延スプレッドが小さくなり、遅延波の影響を軽減できていることがわかる。
電波吸収体を設置した状態でダイポールアンテナの軸の向きを変えたときの遅延スプレッドへの影響を調べるために、ダイポールアンテナの軸の向きをx軸方向、y軸方向、及びz軸方向(図4参照)に変えて、同様に遅延スプレッドの累積確率分布を計算した結果を図8に示す。図8を参照して容易に理解できるように、ダイポールアンテナ102の軸120をy軸方向にした場合、グラフ192に示されるように最も遅延スプレッドが大きい。軸120をx軸方向にした場合、グラフ190により示されるように遅延スプレッドはやや小さくなる。しかし、軸120をz軸方向にすると、グラフ180により示されるように、y軸方向及びx軸方向のいずれの場合と比較しても大幅に遅延スプレッドが小さくなっている。ダイポールアンテナの場合、アンテナ軸の向きがz軸方向を向く場合とは、アンテナ軸の向きがサーバ筐体の背面及びサーバラックの背面扉と垂直をなす方向である。したがって、図4に示すような配置でかつ図5(A)の通信モジュールを用いた場合に、最も遅延スプレッドが小さくなる。
なお、モノポールアンテナ140(図5(B))も放射方向に関してはダイポールアンテナと同様の振る舞いを示す。したがってモノポールアンテナの場合もダイポールアンテナと同様、軸がz軸方向を向くように形成するとよい。
モノポールアンテナの場合も、ダイポールアンテナの場合も、アンテナ軸を中心として放射状に電波が照射される。したがってこれらアンテナを図4に示すz軸周りでどのように回しても遅延スプレッドにはあまり影響がない。しかし、図5(C)に示すスロットアンテナの場合には事情が異なる。スロットアンテナの場合には、電波の放射方向は、スロットアンテナが形成された基板面に垂直な方向となる。図5(C)に示すアンテナの場合、放射方向は紙面に対して垂直な方向である。したがってこの場合、スロットアンテナが形成された基板面が電波吸収体の存在する方向を向くように通信モジュールを調整する必要がある。例えばスロットアンテナを使用した通信モジュールの場合には、サーバのUSB端子の向きと通信モジュールの基板面の向きとを、電波の照射方向が電波吸収体の方向となるように適合させる必要がある。そうした場合、例えば、図5(C)に示す軸164の周りにアンテナ基板を回転させることができるような通信モジュールがあれば、サーバの設置時にサーバラックの電波吸収体の設置位置にあわせて照射方向を調整できて便利である。
以上のように、本実施の形態に係るサーバラック、サーバ、及び通信モジュールにより、サーバラック内の金属空間内でも、効率的に遅延波の影響を低減でき、通信品質の劣化を防ぐことができる。サーバラック内のケーブル類の殆どを取り除くことができ、その結果、サーバラック内のサーバの冷却効率が高くなり、冷却のための電力消費を削減できる。
[第2の実施の形態]
上記実施の形態では、電波吸収体を天板42の内面か、天板42の内面及び底板40の上面に設置している。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。サーバラックの、サーバ背面とサーバラック後半部の内面とで形成される空間(図2に示す空間54)のいずれかの内面で開口部を持つ背面扉以外の面に電波吸収体を設置することで第1の実施の形態で述べた効果が期待できる。この第2の実施の形態に係るサーバラック210は、底板40及び天板42と、側板46及び48と、図示しない前面扉と、背面扉48とを含む。このサーバラック210の内部の空間には、第1の実施の形態と同様、複数のサーバ60と、サーバラック210の上下の中心に設置されたL2/L3スイッチ62とが収容される。サーバ60の背面と、サーバラック210の背面扉48の内面、底板40及び天板42、並びに2枚の側板44及び46とにより、無線通信が行われる空間54が形成される。側板44及び46の内面のうち、この空間54を画定する領域に電波吸収体220及び222がそれぞれ設置される。
サーバ60と通信モジュールとについては図4に示したものを用いることができる。ただし、スロットアンテナを用いた場合には、アンテナは図4及び図5(C)に示したものから、図5(C)に示す軸164周りに90度回転させる必要がある。
この第2の実施の形態に係るサーバラック210を用いた場合にも、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、第1の実施の形態で底板40がない場合には底部分に電波吸収体は設置しなかった。すなわち、天板のみに電波吸収体を設けていた。この第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様、側板46及び48の一方のみに電波吸収体を設けても良い。この場合、両方に電波吸収体を設けた場合と比較して効果は劣るが、それでも無線による通信を実現でき、ケーブル数を削減できるため、サーバの冷却効率を現状より高めることができる。
さらに、上記第1の実施の形態では、底板40および天板42のみに電波吸収体を設け、第2の実施の形態では側板46及び48のみに電波吸収体を設けている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。底板40,天板42,側板46及び48の全てについて、空間54を画定する領域に電波吸収体を設置するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
30,70,210 サーバラック
40 底板
42 天板
44,46 側板
48 背面扉
50 前面扉
52 開口
60 サーバ
62 L2/L3スイッチ
80,82,220,222 電波吸収体
92,104 USB端子
94,130,150 通信モジュール
100 回路部
102 ダイポールアンテナ
104 USB端子
106 樹脂筐体
108 プリント基板
140 モノポールアンテナ
160 スロットアンテナ

Claims (10)

  1. 内部に複数のサーバコンピュータを収容する空間を規定する筐体を持つサーバラックであって、
    前記筐体は、いずれも開口部が形成された前半部及び後半部を持ち、
    前記筐体の内部空間は、複数のサーバ及び当該複数のサーバのアクセスポイントとなるスイッチとを内部に収容することによって、前記複数のサーバのケース及び前記スイッチのケースにより前記前半部と前記後半部とに分離され、前記複数のサーバ及び前記スイッチは、背面が前記後半部側を向く様に配置され、かつ前記複数のサーバの各々及び前記スイッチは、背面に設けられた、通信モジュールが装着される装着口を持ち、
    前記筐体の、前記複数のサーバ及び前記スイッチにより前記前半部と分離される前記後半部を画定する内面のうち、前記開口部が設けられた内面を除く少なくとも一部に、電波吸収材が設置されている、サーバラック。
  2. 前記筐体は、天板、底板、2枚の側板、並びにいずれも開口部が設けられた前面扉及び背面扉からなる、内部が空洞の直方体形状を有し、
    前記複数のサーバ及び前記スイッチは、前記筐体により規定される内部空間において、前記背面扉とある距離を隔てるように前記筐体内部に収容固定され、それによって、前記背面扉と、前記底板及び天板と、前記2枚の側板と、前記複数のサーバのケース背面及び前記スイッチのケース背面とによって前記後半部が規定され、
    前記電波吸収材は、前記天板、前記底板、前記2枚の側板のうちの少なくとも1つの内面の、前記後半部内の領域に設置される、請求項1に記載のサーバラック。
  3. 前記開口部はいずれもメッシュ状であり、メッシュの開口の大きさが前記ラック内で行われる無線通信で使用される電波の半波長よりも小さい、請求項1又は請求項2に記載のサーバラック。
  4. 前記前半部の前記天板、前記底板、前記2枚の側板のいずれの内面にも電波吸収体が設置されていない、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のサーバラック。
  5. 内部に複数のサーバコンピュータを収容する空間を規定する筐体を持つサーバラックと、
    前記サーバラックにより規定される前記空間に、前記サーバラックにより規定される空間を前半部及び後半部に分割するように収容された複数のサーバと
    前記複数のサーバのアクセスポイントとなるスイッチとを含むサーバ集合体であって、
    前記筐体の前記前半部及び後半部には、いずれも開口部が形成されており、
    前記複数のサーバ及び前記スイッチは、ケース背面が前記後半部側を向く様に配置され、かつ前記複数のサーバの各々及び前記スイッチは、ケース背面に設けられた、通信モジュールが装着される装着口を持ち、
    前記筐体の、前記後半部を画定する内面のうち、前記開口部が設けられた内面を除く少なくとも一部に、電波吸収材が設置されており、
    前記複数のサーバの各々のケース背面及び前記スイッチのケース背面の前記装着口には、無線通信を行うための通信モジュールが装着され、
    前記電波吸収材は、前記装着口に装着された前記通信モジュールのアンテナが電波を放射する方向に設置される、サーバ集合体。
  6. 前記筐体は、天板、底板、2枚の側板、並びにいずれも前記開口部が設けられた前面扉及び背面扉からなる内部が空洞の直方体形状を有し、
    複数のサーバ及び前記スイッチは、前記筐体により規定される内部空間において、前記背面扉とある距離を隔てるように前記筐体内部に収容固定され、それによって、前記背面扉と、前記底板及び天板と、前記2枚の側板と、前記複数のサーバの背面とによって前記後半部が規定され、
    前記電波吸収材は、前記天板、前記底板、前記2枚の側板のうちの少なくとも1つの内面の、前記後半部内の領域に設置されている、請求項5に記載のサーバ集合体。
  7. 前記開口部はいずれもメッシュ状であり、メッシュの開口の大きさが前記ラック内で前記通信モジュールにより行われる無線通信で使用される電波の半波長よりも小さい、請求項5又は請求項6に記載のサーバ集合体。
  8. 前記通信モジュールの前記アンテナは、アンテナ軸が前記背面扉に対して垂直となるように設置されたダイポールアンテナ又はモノポールアンテナを含む、請求項6又は請求項7に記載のサーバ集合体。
  9. 前記通信モジュールの前記アンテナは、アンテナが形成された基板が前記天板、前記底板、及び前記2枚の側板のうち、前記電波吸収材が設置された部材の方向を向くように形成されたスロットアンテナを含む、請求項6又は請求項7に記載のサーバ集合体。
  10. 前記前半部の前記天板、前記底板、前記2枚の側板のいずれの内面にも電波吸収体が設置されていない、請求項5〜請求項9のいずれかに記載のサーバ集合体。
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