JP6455924B2 - 自動掘削推進装置 - Google Patents
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Description
推進機構は、軸方向に貫通する中空部を形成するように構成され、この中空部にケーシングパイプを設けるとともに、ケーシングパイプ内に掘削機構のアースオーガーが収容される。アースオーガーは、地盤を掘削する掘削スクリュと、掘削スクリュにより掘削された土砂を後方に向けて搬送する搬送スクリュとで構成されている。掘削スクリュは、先端から後方へ向かうほど外径が漸減するように先端側が大径に形成されている。掘削スクリュは、ケーシングパイプの先端に設けたスカート部で覆われる。スカート部は、上記推進機構の伸縮ユニットの拡径時の外径よりも小さく、縮径時の外径よりも大きくなるように、ケーシングパイプよりも外径が大径に形成される。スカート部のケーシングパイプの逆側には、掘削スクリュの外周縁と対向し、外周縁の輪郭線と並行な円錐状の内壁が形成される。そして、この内壁に掘削スクリュを収容することで、掘削した土砂が掘削スクリュから搬送スクリュへ移動しやすく構成されている。
そこで、本発明では、上記課題を解決するように、アースオーガーによる安定した掘削を可能にする自動掘削推進装置を提供することを目的としている。
また、推進装置は、スクリュを収容し、スクリュの回転により後方に搬送された土砂を排出する排出口を有するケーシングパイプを中空部に備え、スクリュの排出口の縁部に堆積する土砂を清掃する清掃手段を設けたので、スクリュにより搬送された土砂を効率よく排出口から排出することができる。
掘削装置2は、いわゆるアースオーガーからなり、地面を掘削するスクリュ21と、スクリュ21を回転駆動させる掘削モーター22とを備え、スクリュモーター22の回転駆動により、スクリュ21を回転させて、地盤の掘削・掘削した土砂の運搬・排出を単一の機構で実行される。
スクリュ軸27の先端側には、上記掘削スクリュ23を連結するためのジョイント部29、後端側には、掘削モーター22の駆動力を伝達するためのジョイント部30が設けられる。
図3,図4に示すように、排出カバー32は、スクリュ軸27の外周に所定角度、例えば100°の間隔を隔てて互いに対向するように2箇所に設けられる。排出カバー32は、扇状の天板33と、天板33の外周に沿った状態で先端側に向けて延長する弧状壁34とで構成される。天板33は、スパイラル翼28よりも後端側のスクリュ軸27の外周から、軸線と直交方向に延長する平板扇状に形成される。天板33の外周縁の半径は、スパイラル翼28の半径とほぼ等しい寸法で形成される。弧状壁34は、それぞれ先端側に向けて延長する。本実施形態では、一方の排出カバー32の弧状壁34は、スパイラル翼28と一回重なるように延長し、他方の排出カバー32の弧状壁34は、スパイラル翼28と二回重なるように延長する。つまり、排出カバー32の弧状壁34は、軸方向にそれぞれ異なる長さで形成される。一方の弧状壁34と他方の弧状壁34とで形成される排出カバー32,32の外径は、スパイラル翼28の外径と同一寸法に設定される。すなわち、スパイラル翼28と弧状壁34の重なりにおいて、スパイラル翼28と弧状壁34が一体に形成される。また、弧状壁34の外周の周方向長さは、例えば同一の長さに設定される。長尺の弧状壁34には、排出カバー32;32の間から排出された土砂を、後述のケーシングパイプ50の排出口56から排出する際に、排出口56の下側の縁部56Dに堆積する土砂を取り除くための清掃手段35が設けられる。
したがって、清掃手段35は、フィン36を弧状壁34の収容部39に収容した状態で、弧状壁34の貫通孔44とヒンジ部42の貫通孔43に軸38を挿入し、フィン36の裏面側に設けた図外のばね受部と、収容部39の図外のばね受部とに付勢手段37のスプリングを着座させることにより、フィン36が、図5に示すように、軸38を回転中心としてスプリングの付勢力により回転することで、弧状壁34の外周面から突出する。なお、ヒンジ部42は、スクリュ21の回転方向側に位置するように設定される。
図7は、排出口56と清掃手段35を示す拡大図である。同図に示すように、排出口56は、上下方向に延長する縁部56A,56Bがケーシングパイプ50の軸方向に、また周方向に延長する縁部56C,56Dがケーシングパイプ50の円周方向に延長するように開口し、縁部56Dが、排出カバー32に設けられた清掃手段35のフィン36の下面36Aと軸方向に所定の距離の隙間を有するようにケーシングパイプ50の円筒部52に設けられる。排出口56は、少なくとも、縁部56C,56Dの周方向に沿う長さ寸法が、フィン36の周方向の長さ寸法よりも大きく、縁部56A,56Bの長さ寸法がフィン36の高さ寸法よりも大きく設定される。
推進装置5は、軸方向へ一列に配列されて個別にその外径を縮径・拡径させる複数の伸縮ユニット60を備える。各伸縮ユニット60は全体形状が環状をなし、縮径時には軸方向長が伸長すると共に、拡径時には軸方向長が短縮する構成を備える。伸縮ユニット60は、一対の軸方向可動部材61と、一対の軸方向可動部材61を連結する複数のリンク機構62と、一対の軸方向可動部材61を互いに近接離間させる駆動源となるモーター63と、モーター63の回転駆動を一対の軸方向可動部材61に伝達する伝達機構69とを備える。
したがって、上側巻取装置75が、吊り部材73を巻き取るように動作すると、下側巻取装置74から吊り部材73が巻き出されるとともに、バケット71が下側巻取装置74から離れ、掘削モーター22の後端を過ぎることで、掘削された土砂を外部に搬出することができる。
次に、図10(b)に示すように、中間の伸縮ユニット60B及び後端側の伸縮ユニット60Cを拡径させたまま、先端側の伸縮ユニット60Aを縮径させて、伸縮ユニット60Aを軸方向に伸長させることにより、掘削装置2を推進させる。すなわち、スクリュ21とスカート部51とが伸縮ユニット60Aの軸方向伸長分Xだけ前進する。
次に、図10(c)に示すように、後端側の伸縮ユニット60Cの拡径を維持したまま、中間の伸縮ユニット60Bの縮径と、先端側の伸縮ユニット60Aの拡径とを同時に実施する。
次に、図10(d)に示すように、中間の伸縮ユニット60Bの拡径と、後端側の伸縮ユニット60Cの縮径を同時に実施する。
そして、推進装置5に、図10(a)乃至(d)に示した推進動作を順次繰り返させることで、掘削装置2の掘削に推進力を付与することができる。
また、図10(a)乃至(d)に示したように、推進装置5による推進動作において、常に2個の伸縮ユニット60を拡径して掘削穴の内壁12に圧接させることにより、アンカー効果が得られ、推進装置5がスクリュ21と共まわりすることを阻止するとともに、掘削装置2におけるスクリュ21の姿勢を適切に維持できる。
そして、図11(c)に示すように、さらにスクリュ21が回転することで、フィン36のヒンジ部42側が排出口56の軸方向に延長する縁部56A(図7参照)に衝突すると、フィン36は、付勢手段37の付勢力に打ち勝って、図11(d)に示すように、ヒンジ部42側から徐々に収容部39に収容される。このように、排出口56の有無によりフィン36を出没させることにより、スクリュ21の回転を妨げることなく、また、自動で排出口56の下側の縁部56D(図7参照)に堆積した土砂Dをバケット71に払い落とすことができる。
掘削推進動作の停止後、制御装置10が上側巻取装置75に信号を出力することで、図12(a)に示すように、上側巻取装置75に吊り部材73の巻取り動作を実行させる。吊り部材73の巻取り動作によりバケット71が掘削穴の外まで上昇させ、地表面から所定距離の位置に到達すると、図外の転覆手段等によりバケット71を逆さにして、バケット71内の土砂を投棄する。土砂の投棄後、制御装置10は、巻取とは逆向きに巻取りモーター79を回転させて、バケット71を下側巻取装置74に向けて下降させる。このとき、巻取りモーター79の駆動により巻き出された吊り部材73は、巻取機構77の渦巻ばねによってスプール77Aに巻き取られる。バケット71が、下側巻取装置74上に載置されると、制御装置10は、掘削装置2及び推進装置5に信号を出力して掘削穴の掘進を開始する。
21 スクリュ、27A 外周壁、35 清掃手段、50 ケーシングパイプ、
51 スカート部、56 排出口。
Claims (2)
- 軸方向に貫通する中空部を備え、掘削穴の壁面に対して蠕動運動することで推進力を生じさせる推進装置と、
前記推進装置の中空部内に収容され、推進装置と相対回転して地盤を掘削するスクリュを備える掘削装置と、
前記スクリュによって掘削された土砂を前記中空部内の後方へ搬送するときの土砂の進入をガイドするスカート部とを備え、
前記推進装置は、
縮径時には軸方向長が伸長すると共に、拡径時には軸方向長が短縮する複数の伸縮ユニットを備え、前記複数の伸縮ユニットにより前記蠕動運動を再現し、
前記スクリュは、
先端側において掘削穴の壁面から前記スカート部の外周に落下した土砂を受け止め可能に、先端の半径が前記スカート部の半径よりも大きく設定され、かつ該スクリュにより掘削された掘削穴の壁面を前記伸縮ユニットが最も拡径したときに圧接可能な寸法に設定され、先端から後端に向けて螺旋を描きながら渦巻き状に縮径するとともに、先端から所定長さ外周縁に沿って延長し、軸方向に沿って立ち上がる立ち上がり部を備えた自動掘削推進装置。 - 前記推進装置は、前記スクリュを収容し、スクリュの回転により後方に搬送された土砂を排出する排出口を有するケーシングパイプを前記中空部に備え、
前記スクリュの前記排出口の縁部に堆積する土砂を清掃する清掃手段を設けた請求項1に記載の自動掘削推進装置。
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