JP6455919B2 - 洗車機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の前後面を高圧噴射によりジェット洗浄する機能を備えた洗車機に関する。
一般にこの種の洗車機は、門型に形成した洗車機本体に、自動車の車体に洗浄水を散布する散水ノズル・車体面をブラッシング洗浄する洗浄ブラシ・車体面をブロワ乾燥する乾燥ノズル等の洗車処理装置を備え、この洗車機本体を所定位置に停車した自動車を跨いで走行させ、走行に伴い洗浄及び乾燥を行うように構成されている。また、洗車処理装置として、車体の上面や側面に向けて高圧の洗浄水を噴射する高圧噴射装置を備え、この高圧噴射装置を車幅や車高に合わせて移動させて洗浄を行う洗車機も知られている(特許文献1)。
これら従来の洗車機では、車体の前後面に対して高圧の洗浄水を噴射させることができないため、車体の前後面の洗浄は、洗浄ブラシによるブラッシング洗浄に一任されている。しかし、車体の前後面の凹凸部に入り込んだゴミや虫の死骸等はブラシで落としきれずに残ってしまう。
特開2003−200817号公報
本発明の課題は、自動車の前後面に対して高圧の洗浄水を噴射し、洗浄ブラシでは落としにくい汚れを除去することができる洗車機を提供するものである。
このような課題を解決するため本発明は、門型状に形成された本体フレームに洗車処理装置を備え、該本体フレームと自動車とを相対移動させて前記洗車処理装置により自動車車体の洗車処理を行う洗車機において、本体フレームの進行方向後側に、自動車の側面に向けて洗浄水を噴射する位置と自動車の前面もしくは後面に向けて洗浄水を噴射する位置との間で旋回する高圧噴射パイプと、該高圧噴射パイプに設けられた複数の噴射ノズルとからなる高圧噴射装置を備えるとともに、自動車を検出する光電スイッチを設け、本体フレームと自動車の相対移動に伴い、光電スイッチで自動車を検出すると高圧噴射装置の高圧噴射パイプを開位置から閉位置に旋回させて噴射ノズルから自動車の前面もしくは後面に洗浄水を噴射するようにしたものである。
本発明によれば、自動車の前後面に対して高圧の洗浄水を噴射し、洗浄ブラシでは落としにくい汚れを除去することができる。
本発明の洗車機を示す外観図である。 同洗車機の側面図である。 同洗車機の平面図である。 高圧噴射パイプの旋回装置を示す説明図である。 給水・給気系統を示す配管図である。 制御系を示すブロック図である。 高圧噴射パイプによる洗浄動作を示す説明図である。 高圧噴射パイプによる洗浄動作を示す説明図である。 高圧噴射パイプによる洗浄動作を示す説明図である。
以下、本発明の実施態様について図面を基に説明する。図1は本発明の洗車機を示す外観図、図2は同洗車機の側面図、図3は同洗車機の平面図である。
1は本体フレームで、門型状に形成され、左右一対のレール2・2上を往復走行し、レール2・2間に停車される自動車を跨ぐように移動する。本体フレーム1は、正逆転可能な走行モータ3によりレール2・2上に与えられる走行範囲を往復走行し、走行モータ3の出力軸に連係された走行エンコーダ4からのパルス信号を受けて走行位置が検出される。
5,6・6は洗浄ブラシで、5は車体面に沿って昇降動作し主に車体上面を洗浄するトップブラシ、6・6は車体面に沿って開閉動作し車体の側面および前後面を洗浄する左右一対のサイドブラシである。7,8・8は乾燥ノズルで、7は車体面に沿って昇降動作し主に車体上面に高圧風を吹き付けるトップノズル、8・8は主に車体側面に高圧風を吹き付ける左右一対のサイドノズルである。9・10・11は散液パイプで、9は水とシャンプーを選択的に散布するシャンプー散布パイプ、10は水とワックスと撥水剤を選択的に散布するワックス散布パイプ、11は水を散布する水散布パイプである。
12・13は高圧噴射パイプで、逆さL字状に形成され、左右一対を一組として本体フレーム1の天面から吊下されている。高圧噴射パイプ12は、本体フレーム1の前方寄り天面から水平に延出させた水平管12aと、水平管12の延出端から床面に向けて垂直に延出させた垂直管12bとからなり、本体フレーム1の前面に開いて自動車を挟んだ状態とする開位置から、左右のパイプが自動車の後面に回り込む閉位置までの範囲で旋回装置14により旋回可能に設けられている。高圧噴射パイプ13は、本体フレーム1の後方寄り天面から水平に延出させた水平管13aと、水平管13aの延出端から床面に向けて垂直に延出させた垂直管13bとからなり、本体フレーム1の後面に開いて自動車を挟んだ状態とする開位置から、左右のパイプが自動車の前面に回り込む閉位置までの範囲で旋回装置15により旋回可能に設けられている。
各高圧噴射パイプ12・13の水平管12a・13a及び垂直管12b・13bは、中空パイプからなり、垂直管12b・13bに設けた噴射ノズル16から高圧の洗浄水を噴射する。噴射ノズル16は、扇状・充円錐・空円錐等の噴射パターンを有し、垂直管12b・13bにおける高圧噴射パイプ12・13を閉位置にしたときに車体と正対する面に取り付けられている。この噴射ノズル16は、所定間隔で3つ設けられ、最上部のノズル16Hを水平に対して角度θ1下向きに取り付け、中間部のノズル16mをその角度よりも小さい角度θ2下向きに取り付け、最下部のノズル16lを水平に向けて取り付けている。これにより、高圧噴射パイプ12・13が開位置にあるとき、噴射ノズル16から自動車の側面下部に向けて高圧の洗浄水が噴射され、閉位置にあるとき、噴射ノズル16から自動車の前面もしくは後面に向けて高圧の洗浄水が噴射され、開位置と閉位置の間を移動するときに自動車の前面コーナーもしくは後面コーナーに向けて高圧の洗浄水が噴射される。
旋回装置14・15は、図4に示すように、左右の高圧噴射パイプ12の回転軸17に固着される第1スプロケット18と、本体フレーム1に取り付けられる第2スプロケット19と、両スプロケット18,19を懸架するチェーン20と、左右のチェーン20間に架設される連結体21、この連結体21を前後動するエアシリンダ22とからなり、高圧噴射パイプ12を開位置と閉位置との間で開閉させるものである。ここでは、エアシリンダ22のロッド23を伸ばすと、左右の高圧噴射パイプ12が開位置に移動し、ロッド23を縮めると、左右の高圧噴射パイプ12が閉位置に移動する。
その他、本体フレーム1には、本体フレーム1の走行に伴い自動車の上面位置を読み取る車形検出器24、自動車を検出する光電スイッチ25・26、本体フレーム1後方の物体を検出するエリアセンサ27を備えている。車形検出器24は、本体フレーム1の前方に配置され、自動車を幅方向に挾んで複数の発光素子を上下に配列した発光部24aと、発光素子と対をなす受光素子を上下に配列した受光部24bを対向させ、発光部24aと受光部24bとの間に形成される光軸が自動車の車体によって遮られたのを検知して、車体の上面位置を検出するものである。光電スイッチ25・26は、いずれも発光部と受光部を車幅方向に対向させて光軸を形成し、その光軸の透光/遮光によって車体の有無を出力するもので、光電スイッチ25は本体フレーム1の前側で自動車の入車を検出し、光電スイッチ26は本体フレーム1の後側で自動車の退車を検出する。エリアセンサ27は、本体フレーム1後面で設けられ、照射した赤外光の反射波を検知して物体の有無を出力するもので、本体フレーム1が後退する際にその進行方向に退出中の自動車や人等の存在を検出する。
図5は給水・給気系統を示す配管図である。
給水系は、シャンプー散布パイプ9、ワックス散布パイプ10、水散布パイプ11に給水する低圧系管路と、高圧噴射パイプ12・13に給水する高圧系管路からなり、給気系は、旋回装置14・15のエアシリンダ22に給気する給気管路からなる。
低圧系管路は、貯水タンク28内に備えた低圧ポンプ29によって給水され、シャンプー散布パイプ9に至る管路30と、ワックス散布パイプ10に至る管路31と、水散布パイプ11に至る管路32とを備えている。管路30には、シャンプータンク33と連通したシャンプー管路34が混合器35を介して接続されており、シャンプー管路34に設けたチューブポンプ36より定量のシャンプーを吸い上げ、混合器35から管路30内にシャンプーが混入される。管路31には、ワックスタンク37と連通したワックス管路38が混合器39を介して接続されており、ワックス管路38に設けたチューブポンプ40により定量のワックスを吸い上げ、混合器39から管路31内にワックスが混入される。管路30・31・32は、それぞれ電磁弁41・42・43によって開閉制御される。
高圧系管路は、貯水タンク28から吸水する高圧ポンプ44によって給水され、高圧噴射パイプ12・13に至る管路45・46を備え、各管路45・46は、それぞれ電磁弁47・48によって開閉制御される。
給気系管路は、コンプレッサ49によって給気され、高圧噴射パイプ12・13のエアシリンダ22に至る管路51・52を備え、各管路51・52は、レギュレータ53・54と電磁弁55・56を介して開閉制御される。尚、給気系管路を低圧系管路に接続し、管路内の水抜き(凍結防止措置)や洗剤の起泡に使用するようにしても良い。
図6は制御系を示すブロック図である。
57は本体制御部で、走行モータ3、トップブラシ5、サイドブラシ6・6、トップノズル7、サイドノズル8・8、車体検出器24、光電スイッチ25・26、エリアセンサ27、低圧系の低圧ポンプ29、チューブポンプ36・40、電磁弁41・42・43、高圧系の高圧ポンプ44、電磁弁47・48、給気系のコンプレッサ49、電磁弁55・56、洗車受付装置58が接続されている。
洗車受付装置58は、特に図示しないが、レール2・2で与えられる本体フレーム1の走行範囲(洗車エリア)に入る手前で自動車の運転席から操作可能な高さに設けられており、前面の操作パネルで料金の受付、洗車コースの選択、洗車開始指令等の操作を行う。
このように構成する洗車機の動作について説明する。
洗車受付装置58で洗車の受付を行った後、レール2・2の後端で待機する本体フレーム1に向かって自動車を入車させる。本体フレーム1の前方に備えた光電スイッチ25が遮光し、車体検出器24が透光する状態になり、自動車が停車位置に停車したことを検出すると、洗車動作が開始される。ここで洗車コースとして、1.5往復洗車が選択された場合には、本体フレーム1が第1往行−第1復行−第2往行する間に次の動作が実行される。
第1往行では、走行エンコーダ4からのパルス信号を受けて車体検出器24の車体検出結果を取り込み、本体フレーム1の走行位置検出と自動車の車形データ作成を行うとともに、作成した車形データに基づいて洗浄ブラシ3・4・4を車体の各面に作用し、シャンプー散布パイプ9からシャンプー、ワックス散布パイプ10から洗浄水、水散布パイプ11から洗浄水を散布しながらブラッシング洗浄を実行する。また、高圧噴射パイプ12・13から高圧の洗浄水を車体の各面に噴射してジェット洗浄を実行する。第1復行では、第1往行で作成した車形データに基づいてシャンプー散布パイプ9から洗浄水、ワックス散布パイプ10からワックス、水散布パイプ11から洗浄水を散布しながらブラッシング洗浄を実行する。また、高圧噴射パイプ12・13から高圧の洗浄水を車体の各面に噴射してジェット洗浄を実行する。第2往行では、第1往行で作成した車形データに基づいて乾燥ノズル5・6・6を車体の各面に作用し、高圧風によるブロー乾燥が実行される。
このような洗車動作の中で、高圧噴射パイプ12・13の動作タイミングについて、図7・8を用いて説明する。尚、第1往行と第1復行では、本体フレーム1の走行方向が異なる他、第1往行で作成する車形データを用いる以外、高圧噴射パイプ12・13の開閉や噴射開始/停止は同等であるため、ここでは第1往行での高圧噴射パイプ12・13の動作についてのみ説明する。
第1往行において、洗車の開始に合わせて、本体フレーム1前方の高圧噴射パイプ12から高圧の洗浄水を噴射する(図7a)。このとき、高圧噴射パイプ12は、本体フレーム1の前面に開いた位置にあるため、噴射ノズル16からの高圧水は車体側面の下部に作用し、高圧洗浄が行われる。
本体フレーム1が往行を続け、本体フレーム1後方の光電スイッチ26が遮光に転じて自動車の前端を検出すると、後方の高圧噴射パイプ13からの噴射を開始し、同時に高圧噴射パイプ13を閉位置に移動させる(図7b)。本体フレーム1が距離S走行して高圧噴射パイプ13が開位置から閉位置に移動すると、本体フレーム1の往行を一旦停止し、高圧噴射パイプ13からの高圧水で車体前面を洗浄する(図7c)。
ここから、高圧噴射パイプ13を閉位置から開位置に移動させ、この移動により高圧噴射パイプ13からの高圧水で車体前面から前端コーナー部の範囲を高圧洗浄する。(図7c)。尚、必要に応じて本体フレーム1を一時停止させた状態で高圧噴射パイプ13の開閉動作を複数回実行しても良い。
高圧噴射パイプ13が閉位置から開位置に移動すると、本体フレーム1の往行を再開し、高圧噴射パイプ12と高圧噴射パイプ13の両方から高圧の洗浄水を噴射しながら車体側面の下部を高圧洗浄する(図8d)。その後、車体検出器24が透光に転じて自動車の後端を検出すると、高圧噴射パイプ12からの噴射を停止する(図8e)。また、本体フレーム1後方の光電スイッチ26が透光に転じて自動車の後端を検出すると、高圧噴射パイプ13からの噴射を停止し(図8f)、第1往行での洗車が終了となる。
このように、走行エンコーダ4、車体検出器24、各光電スイッチ25・26からの信号を受けて高圧噴射パイプ12・13からの噴射/停止、開動作/閉動作が実行される。
図9は図7(c)での側面図(a)と正面図(b)を示している。
この状態では、閉位置にある高圧噴射パイプ13の噴射ノズル16から自動車の前面に向けて高圧の洗浄水が噴射され、ブラッシング洗浄では除去しにくい車体前面のグリル回り等の汚れを洗い流すことができる。また、開位置にある高圧噴射パイプ12の噴射ノズル16から自動車の側面下部に向けて高圧の洗浄水が噴射され、サイドブラシでは届きにくい部分の汚れを洗い流すことができる。更に、高圧噴射パイプ13の開閉動作により車体の前端コーナー部に対して高圧の洗浄水を噴射することができ、ブラシが当たりにくい部分の汚れを洗い流すことができる。
以上のように本発明は、本体フレーム1の前後天面に回動式の高圧噴射パイプを設け、自動車の前後面や側面下部に向けてジェット洗浄可能にしたものであり、この構成を逸脱しない範囲で様々な実施態様が考えられる。例えば、洗車機の構成は、ドライブスルー式ではなく、往復単位で洗浄と乾燥を行うタイプの洗車機でもいいし、据置式の本体フレームに自動車を搬送するタイプ、自動車と本体フレームを双方可動するタイプ、いずれにも採用可能である。また、高圧噴射パイプは、必要に応じて前後いずれか一方にのみ取り付けるようにしても良い。また、高圧噴射パイプは、左右一対を一組として開閉式にしているが、1つの高圧噴射パイプを左右の開位置の間で回転させるようにしてもよいし、一方を開位置に固定し、もう一方を回転させるようにしてもよい。また、高圧噴射パイプから洗浄水だけでなく、液剤・ワックス・撥水剤・高圧エア等を噴射してもよい。また、高圧噴射パイプに設けられる噴射ノズルの数や位置も特に限定はない。
1 本体フレーム
12 高圧噴射パイプ(前)
13 高圧噴射パイプ(後)
14 旋回装置
16 噴射ノズル

Claims (1)

  1. 門型状に形成された本体フレームに洗車処理装置を備え、該本体フレームと自動車とを相対移動させて前記洗車処理装置により自動車車体の洗車処理を行う洗車機において、
    前記本体フレームの進行方向後側に、自動車の側面に向けて洗浄水を噴射する位置と自動車の前面もしくは後面に向けて洗浄水を噴射する位置との間で旋回する高圧噴射パイプと、該高圧噴射パイプに設けられた複数の噴射ノズルとからなる高圧噴射装置を備えるとともに、自動車を検出する光電スイッチを設け、
    前記本体フレームと自動車の相対移動に伴い、前記光電スイッチで自動車を検出すると前記高圧噴射装置の高圧噴射パイプを開位置から閉位置に旋回させて前記噴射ノズルから自動車の前面もしくは後面に洗浄水を噴射することを特徴とする洗車機。
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