JP6455682B2 - 画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
従来より、複写機等の画像形成装置に搭載される画像読取装置として、原稿が載置されるコンタクトガラスを上面に有するスキャナ筐体と、スキャナ筐体内に収容され、コンタクトガラス上の原稿の画像を読取る画像読取部と、コンタクトガラス上の原稿を押さえるための原稿押さえ部材とを備えたものが知られている。上記原稿押さえ部材の後端部には回動金具が取付けられている。回動金具はヒンジ軸を介して静止金具に連結されている。静止金具は、上下方向に延びる脚部の上端部に固定されている。該脚部は、スキャナ筐体上面の後端部に形成された支持孔に挿入されている(例えば、特許文献1参照)。そして、上記脚部が上記支持孔内を上下方向にスライドすることで原稿の厚さの大小に対応可能になっている。この支持孔の側壁は、例えばスキャナ筐体と一体成形された筒部により形成されている。
上記画像読取装置はさらに、原稿押さえ部材の開放角度を任意の角度に保持する保持機構を備えている。この保持機構は、回動金具と静止金具との間に配設された圧縮バネと、該圧縮バネを保持するリテーナ−と、静止金具に支持されてリテーナ−の傾斜面に当接する当接軸とを備えている。原稿押さえ部材の開放角度が所定範囲内にある場合には、この圧縮バネの付勢力により原稿押さえ部材が開き側に付勢され、原稿押さえ部材の自重と圧縮バネの付勢力とがバランスする。この結果、原稿押さえ部材が任意の開放角度に保持される。
上記画像読取装置では、原稿押さえ部材が閉じる際の衝撃音を緩和するべく種々の技術が提案されている。これら種々の技術のうちの一つとして、支持孔の内径を脚部の外径に比べて大きくとることが挙げられる。これにより、該脚部を支持孔内において原稿押さえ部材側に傾けて突っ張らせることができるので、原稿押さえ部材の閉じ際の速度が抑制される。
特開2002−14496号公報
しかしながら、上述のように脚部を支持孔内で突っ張らせる方法では、脚部と支持孔の内壁面との当接部に、原稿押さえ部材の自重を支えるだけの大荷重が作用してしまう。このため、支持孔の内壁面を形成する筒部が変形したり破損したりする虞がある。これに対して、筒部の厚みを大きくとってその剛性を向上させることが考えられる。しかし、この場合、筒部の厚みの増加に伴い材料コストが増加するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、原稿押さえ部材と共に上下方向にスライドする脚部からの荷重に起因する構成部品の破損及び変形を防止しつつ、原稿さえ部材の閉じ際の速度を十分に抑制しようとすることにある。
本発明に係る画像読取装置は、原稿が載置されるコンタクトガラスを上面に有し、画像形成装置本体の本体フレームの上側に固定されるスキャナ筐体と、該スキャナ筐体内に収容され、上記コンタクトガラス上の原稿の画像を光学的に読取る画像読取部と、上記スキャナ筐体の上面を開閉可能に覆う原稿押さえ部材と、上記スキャナ筐体に対して上下方向に移動可能に構成された脚部と、該脚部の上端に固定された静止部と、該静止部に対してヒンジ軸を介して回動可能に連結され、上記原稿押さえ部材を支持する回動部と、該回動部と上記静止部との間に介在して、上記原稿押さえ部材に対し開方向の付勢力を付与することで該原稿押さえ部材の開放角度を任意の角度に保持する保持機構と、を備えている。
そして、上記スキャナ筐体には、上下方向に延びる貫通孔が形成され、上下方向に延び、上記貫通孔内を貫通すると共に下端部が上記本体フレームに固定された筒部をさらに備え、上記脚部は、上記筒部の上端開口から該筒部内に挿入されて上記原稿押さえ部材の自重により該筒部内において該原稿押さえ部材側に傾くように構成され、上記貫通孔は、その内側面が上記筒部の外側面に対して非接触となるように形成されている。
この構成によれば、原稿押さえ部材を支持する回動部が静止部に支持されたヒンジ軸回りに回動させることで、筐体の上面を原稿押さえ部材により開閉することができる。上記静止部は上下方向に延びる脚部の上端に固定されており、この脚部は上下方向に延びる筒部の上端開口に挿入されて上下方向に移動可能になっている。これにより、ユーザーは、原稿押さえ部材をこの脚部と共に上下方向に移動させることで原稿の大小に対応可能になっている。また、上記保持機構により原稿押さえ部材に対し開方向の付勢力が付与されるので、ユーザーは原稿を任意の角度に保持することができる。原稿押さえ部材を閉じる際には、上記脚部が上記筒部内で原稿押さえ部材側に傾いて突っ張ることで、原稿押さえ部材の閉じ速度を十分に減衰することができる。そして上記構成によれば、この筒部が画像形成装置本体の本体フレームに固定されているので、例えば筒部を筐体の側面に固定したり筐体と一体形成したりした場合に比べて筒部の剛性を格段に高めることができる。よって、脚部が筒部内で突っ張った際に、筒部が脚部からの荷重により変形したり破損したりするのを防止することができる。
しかも、上記構成によれば上記筒部の外側面と該筒部が貫通する貫通孔の内側面は非接触状態にある。したがって、脚部からの荷重により筒部が変形したとして、筒部が貫通孔の内側面に接触するほど変形しない限り脚部からの荷重が貫通孔の内側面(スキャナー筐体の一部)に伝わることもない。よって、脚部からの荷重によりスキャナ筐体が変形したり破損したりするのを確実に防止することができる。
上記スキャナ筐体の下面における上記貫通孔に隣接する部分には係合部が設けられ、上記本体フレームには、上記係合部に係合する被係合部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、上記スキャナ筐体の下面に設けられた係合部と本体フレームに設けられた被係合部とが係合することによりスキャナ筐体の位置決めがなされる。しかも上記係合部は、上記スキャナ筐体の貫通孔に隣接する部分に形成されているので、スキャナ筐体に形成された貫通孔の位置精度を可及的に高めることができる。したがって、筒部の外側面と貫通孔の内側面との間のクリアランスを精度良く管理することができる。よって、筒部が脚部からの荷重により変形した際に筒部の外側面が貫通孔の内側面に接触するのを防止することができる。
上記筒部は、上下方向に延びる筒部本体と、該筒部本体の下端部に接続された固定座部と、を有し、上記固定座部は、金属製の固定ブラケットを介して上記本体フレームに固定されており、上記被係合部は、上記金属製ブラケットに形成された位置決め孔であり、上記係合部は、上記スキャナ筐体の下面から突出する突出ボス部であることが好ましい。
この構成によれば、本体部レームに対して筒部を直接固定するのではなく金属製の固定ブラケットを介して固定するようにしている。そして、この金属製ブラケットに被係合部としての位置決め孔を形成するようにしたので、比較的剛性の高い本体フレームに位置決め孔を形成する場合に比べて、位置決め孔を精度良く且つ安価に形成することができる。
上記スキャナ筐体は樹脂材からなり、上記筒部は金属材料からなることが好ましい。
スキャナ筐体が樹脂材で構成されている場合には、貫通孔の内側面(スキャナ筐体の一部)がクリープ変形し易い。したがって、かかる構成の画像読取装置に対して本発明は特に有用である。そして、筒部を金属材料で構成することにより筒部の剛性を可及的に高めて、延いては、脚部からの荷重により筒部が変形して貫通孔の内側面に接触するのを防止することができる。
上記脚部が挿入される上記筒部の数は2つであることが好ましい。
この構成によれば、上記筒部が2つ設けられているので、筒部が1つの場合に比べて本体フレームに対するスキャナ筐体の位置決めを容易に且つ精度良く行うことができる。
本発明に係る画像形成装置は、上記画像読取装置と、上記画像形成装置本体内に収容され、上記画像読取装置により読取った原稿の画像を用紙に印刷する画像形成部とを備えている。
この構成によれば、原稿押さえ部材と共に上下方向にスライドする脚部からの荷重に起因する構成部品の破損及び変形を防止しすることができる。また、原稿さえ部材の閉じ際の速度を十分に抑制し、延いては、原稿押さえ部材の閉じ際の衝撃音に起因するユーザーの不快感を低減することができる。
本発明によれば、原稿押さえ部材と共に上下方向にスライドする脚部からの荷重に起因する構成部品の破損及び変形を防止しつつ、原稿さえ部材の閉じ際の速度を十分に抑制可能な画像読取装置及び画像形成装置が安価に提供される。
図1は、実施形態における画像読取装置を備えた画像形成装置を示す概略の断面図である。 図2は、画像形成装置の分解斜視図である。 図3は、ヒンジ機構を示す側面図である。 図4は、図3のIV方向矢視図である。 図5は、回動部を開方向に回動させた状態を示すヒンジ機構の側面図である。 図6は、一対の筒部が固定された本体フレームを上側から見た平面図である。 図7は、一方の筒部及びその周辺を拡大して示す拡大斜視図である。 図8は、スキャナ筐体を下側から見た平面図である。 図9は、画像形成装置から原稿カバーを取り外した状態でスキャナ筐体の貫通孔の周辺を拡大して示す平面図である。 図10は、原稿押さえ部材の自重により筒部内において脚部が傾いた状態を示すヒンジ機構の側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《実施形態》
図1は、実施形態における画像読取装置としての複合機Xを示している。この複合機Xは、画像形成装置本体1と、該画像形成装置本体1の上側を覆うようにその上端部に固定された画像読取装置2とを有している。複合機Xは、画像読取装置2で読み取られた画像データ、又は外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置として機能する。図1では、図を見易くするために画像読取装置2の高さ方向の寸法を実際よりも大きく描いている。以下の説明において、特に断らない限り、左側、右側は、複合機Xを前側(図1の紙面垂直方向の手前側)から見たときの左側、右側を意味し、前側、後側は、複合機Xの前側、後側を意味する。
上記画像形成装置本体1は、画像形成部3と画像形成部3を内部に収容するハウジング4とを有している。画像形成部3は、給紙カセット30、感光体ドラム31、帯電装置32、現像装置33、トナーコンテナ34、転写ローラー35、除電装置36、定着ローラー37、加圧ローラー38を有している。画像形成部3は、画像形成装置本体1内に収容されている。画像形成装置本体1の側面には排紙トレイ39が装着されている。
画像形成装置本体1では、上記給紙カセット30から供給される用紙に以下の手順で画像が形成される。具体的には、先ず帯電装置32によって上記感光体ドラム31が所定の電位に一様に帯電される。次に、不図示のレーザースキャナーユニット(LSU)により上記感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。そして、上記感光体ドラム31上の静電潜像は上記現像装置33によってトナー像として現像される。尚、現像装置33には、上記トナーコンテナ34からトナーが補給される。続いて、上記感光体ドラム31に形成されたトナー像は上記転写ローラー35によって用紙に転写される。その後、用紙に転写されたトナー像は、その用紙が上記定着ローラー37及び上記加圧ローラー38の間を通過する際に上記定着ローラー37で加熱されて溶融定着する。尚、上記感光体ドラム31の電位は上記除電装置36で除電される。
図2に示すように、画像形成装置本体1のハウジング4は、金属製の本体フレーム5と、該本体フレーム5の前後左右の各側面に装着された板金カバー(図示省略)とを有している。本体フレーム5は、上下方向に間隔を空けて配置された下側矩形枠部5a及び上側矩形枠部5bと、上下方向に延びて該両枠状部5a,5b同士を連結する4つの柱状部5c(図では画像形成装置本体1の右側端部に位置する2つの柱状部5cのみを示す)とを有している。上側矩形枠部5bは、前後方向に互いに間隔を空けて平行に並ぶ前側辺部5d及び後側辺部5eと、左右方向に互いに間隔を空けて平行に並ぶ左側辺部5f及び右側辺部5gとを有している。後側辺部5eには、後述する筒部9が固定金具41(図7参照)を介して固定されている。尚、図2では固定金具41を省略して描いている。
図1に戻って、上記画像読取装置2は、スキャナ筐体10、コンタクトガラス11、読取ユニット12、ミラー13,14、光学レンズ15,及びCCDセンサー16を備えている。
スキャナ筐体10は、平面視が矩形状をなす箱状体で構成されていて、上記本体フレーム5(図2参照)の上側矩形枠部5bの上面にボルト等で固定されている。上記コンタクトガラス11は、上記スキャナ筐体10の上面に装着されていて、上記複合機Xの画像読取対象となる原稿Pが載置される原稿台を形成している。
上記読取ユニット12は、画像読取時には、LED光源121よりコンタクトガラス11上の原稿Pに向けて光を照射しながら副走査方向(図1の左右方向)に移動すると共に、原稿Pからの反射光をミラー122により水平方向に反射する。上記ミラー13,14は、ミラー122からの反射光をCCDセンサー16へと導く。CCDセンサー16は、受光した光を光電変換して原稿画像の画像データを生成する。生成された画像データは、不図示のデータ記憶部に記憶される。そうして、上記画像読取装置2は、上記コンタクトガラス11上に載置された上記原稿Pの画像(原稿画像)を光学的に読取ってその画像データを生成する。尚、CCDセンサー16を廃止して読取ユニット12にCISセンサーを搭載するようにしてもよい。
上記スキャナ筐体10の上面は、原稿押さえ部材としての原稿カバー20により開閉可能に覆われている。本実施形態では、原稿カバー20は原稿自動送り装置25(いわゆるADF)と一体化されている。原稿自動送り装置25は、原稿給紙トレイ26と、原稿給紙トレイ26の下側に設けられた原稿排紙トレイ27と、該原稿給紙トレイ26から原稿排紙トレイ27に至るU字状の原稿搬送路28とを有している。原稿自動送り装置25は、原稿給紙トレイ26上の原稿を、原稿搬送路28に沿って配置された複数の搬送ローラー対29によって一枚ずつ下流側に送り出して、コンタクトガラス11上に設定された原稿読取り位置11aを通過させた後、原稿排紙トレイ27に排出する。CCDセンサー16では、原稿読取り位置11aを通過する原稿の画像を読み取ってその画像データを生成する。
上記原稿カバー20の後端部には、左右方向に間隔を空けて並ぶ一対のヒンジ機構50が取付けられている。両ヒンジ機構50の構成は同様であるため、以下では右側のヒンジ機構50についてのみ説明を行う。図3及び図4に示すように、ヒンジ機構50は、上下方向に延びる脚部51と、脚部51の上端部に固定された静止部52と、該静止部52に対してヒンジ軸54を介して回動可能に連結された回動部53とを有している。
脚部51及び静止部52は、共通の一つの金属板を折り曲げて形成されている。脚部51は、後側に開放する断面コ字状に形成されている。
静止部52は、左右方向に間隔を空けて並ぶ一対の側壁部52aを有している。一対の側壁部52aの上端部には上記ヒンジ軸54が両端支持されている。一対の側壁部52aの上下方向の中間部には、後述のリテーナ66に当接する当接軸55が両端支持されている。
回動部53は、脚部51及び静止部52とは別の金属板を折り曲げて形成されている。回動部53は、左右方向に間隔を空けて並ぶ一対の側壁部53aを有している。一対の側壁部53aは上壁部53kを介して連結されている。一対の側壁部53aの基端部はヒンジ軸54に対して回動可能に支持されている。上壁部53kの先端部は一対の側壁部53aの内側に向かって略直角に折り曲げられて前壁部53bを形成している。図3及び図4を参照して、回動部53は、静止部52を上方から覆うように且つ回動部53の両側壁部53aが静止部52の両側壁部52aを両側から覆うように配置され、それぞれの側壁部53a及び側壁部52a同士がヒンジ軸54を介して連結されることにより、回動部53は、静止部52に対してヒンジ軸54を介して回動可能に連結されている。左右方向から見て回動部53が脚部51に対して直交する状態(図3の状態)では、回動部53の前壁部53bと静止部52の当接軸55との間には所定の間隔が形成されている。回動部53の前壁部53bと当接軸55との間には、原稿カバー20に対し開方向の付勢力を付与することで該原稿カバー20の開放角度を任意の角度に保持する保持機構60が設けられている。保持機構60は、圧縮コイルバネ65及び略カップ状のリテーナ66を含んでいる。圧縮コイルバネ65の一端部は前壁部53bの位置決め突起53cに外挿され、圧縮コイルバネ65の他端部はリテーナ66内に収容されている。リテーナ66は、回動部53の内側の矩形状空間内に収容されている。リテーナ66の後端面には傾斜面66aが形成されている。傾斜面66aは、左右方向から見て、下側に向かって前側に傾斜している。
図3及び図5を参照して、原稿カバー20が開閉される際のヒンジ機構50及び保持機構60の動作について説明する。図3に示されるように、原稿カバー20が閉位置に位置づけられた状態では、回動部53は脚部51に対して直交して配置されている。この状態では、圧縮コイルバネ65が回動部53を静止部52に対してヒンジ軸54回りに閉方向に付勢している。原稿カバー20がユーザーの手によって開方向(図3の時計回り方向)に回動されて所定の中立位置を超えると、圧縮コイルバネ65の付勢力が原稿カバー20の自重による閉方向の回転モーメントに打ち勝つか又はバランスするので、原稿カバー20が任意の開放角度に保持される(図5参照)。尚、図5では、脚部51が鉛直方向に延びて示されているが、実際には後述するように脚部51は鉛直方向に対して傾いている(図7参照)。原稿カバー20が、任意の開放角度に保持された状態から閉方向(図5の反時計回り方向)に回動されて上記所定の中立位置を下方に超えると、原稿カバー20が圧縮コイルバネ65によってヒンジ軸54回りに閉方向に付勢される。この結果、原稿カバー20は図3に示す閉位置に位置付けられる。
上記脚部51は、本体フレーム5の後側辺部5eに立設された筒部9(図2,図6及び図7参照)に上方から挿入されていて、該筒部9内を上下方向にスライド(移動)可能になっている。したがって、ユーザーは原稿カバー20を手で持ち上げて上下にスライドさせることができる。これにより、原稿の厚みの大小に対応可能になっている。
図7に示すように、上記筒部9は、固定金具41を介して本体フレーム5に固定されている。具体的には、筒部9は、上下方向に延びる矩形筒状の筒部本体9aを有している。筒部本体9aは、矩形断面の一部を開放させた開断面状の第1部材91aと第2部材91bとを組み合わせて閉断面状に構成されている。筒部本体9aの下端部からは固定座部9bが左右両側に突出している。固定座部9bは、固定金具41の水平板部42にボルト70で固定されている。
固定金具41は、上記水平板部42と、該水平板部42の前後方向の両端縁から下方に延びる矩形板状の一対の鉛直板部43と、各鉛直板部43の下端部から前側に突出する固定板部44とを有している。固定板部44は、本体フレーム5の後側辺部5eの上面に不図示のボルトで固定されている。図中の符号44aは、このボルトを挿通するための挿通孔である。
固定金具41の水平板部42は、左右方向に長い矩形板状をなしている。水平板部42の上面には一対の位置決め突起71が突設されている。筒部9の固定座部9bにおける位置決め突起71に対応する箇所にはピン孔9cが形成されており、筒部9(固定座部9b)はピン孔9cと位置決め突起71との嵌合により位置決めされている。
水平板部42にはさらにスキャナ筐体10の位置決めを行うための位置決め孔42aが形成されている。この位置決め孔42aは、水平板部42における筒部9に隣接する位置(詳しくは筒部9の固定座部9bに隣接する位置)に形成されている。位置決め孔42aは、左右方向に長い長孔状に形成されている。この位置決め孔42aに、スキャナ筐体10の下面に形成された突出ボス部10h(図8参照)が係合することで、スキャナ筐体10の位置決め(特に前後方向の位置決め)がなされる。上記突出ボス部10hは、略円筒状をなしていて、スキャナ筐体10の下面における該一対の貫通孔10fに隣接する箇所に突設されている。突出ボス部10hの直径は、上記位置決め孔42aの前後方向の寸法と同じかそれよりも数μm〜数十μmだけ小さく、上記位置決め孔42aの左右方向の寸法よりも数mm〜数十mmだけ小さい。
上記一対の貫通孔10fは、スキャナ筐体10におけるコンタクトガラス11よりも後側の端部に形成されている。一対の貫通孔10fには、上記一対の筒部本体9aが貫通するようになっている。上記一対の貫通孔10fは左右方向に間隔を空けて形成されている。各貫通孔10fは、上下方向に延びる矩形状孔からなる。各貫通孔10fは、矩形筒状の貫通孔形成筒部10g(図2参照)により形成されている。各貫通孔形成筒部10gは、スキャナ筐体10の上壁部から下壁部まで鉛直に延びている。各貫通孔10fの内側を貫通する筒部本体9aは、貫通孔10fの内側面に接触しないように形成されている(図9参照)。すなわち、貫通孔10fの内側面と筒部本体9aの外側面との間には隙間Sが設けられている。この隙間Sの幅は孔の全周に亘って一定とされている。
上記筒部本体9aの内側面の左右方向の間隔は、脚部51の左右方向の寸法と同等に設定されているのに対し、筒部本体9aの内側面の前後方向の間隔は、脚部51の前後方向の寸法よりも大きく設定されている。こうすることで、図10に示すように、脚部51が原稿カバー20の自重により筒部本体9a内で前側に傾いて突っ張るので、原稿カバー20の閉じ際の速度を極力弱めることができる。これにより、原稿カバー20の閉じ際の衝撃音を抑えてユーザーの不快感を低減することができる。
ここで、従来の画像読取装置2では、例えばスキャナ筐体10に一体形成された樹脂製の貫通孔形成筒部10g(貫通孔10f)に脚部51を差し込むようにしている。このため、上述したように脚部51を原稿カバー20の自重により前側に傾ける構成を従来の画像読取装置2に適用するようにした場合、脚部51から貫通孔形成筒部10gに作用する荷重により貫通孔形成筒部10gが破損したり変形したりする虞がある。
これに対して、本実施形態では、脚部51が挿入される筒部本体9aが固定金具41を介して画像形成装置本体1の本体フレーム5に固定されているので、筒部本体9aの剛性を格段に高めることができる。よって、脚部51が筒部本体9a内で突っ張った際に、筒部本体9aが脚部51からの荷重により破損したり変形したりするのを防止することができる。
また、上記筒部本体9aの外側面と該筒部本体9aが貫通する貫通孔10fの内側面とは非接触状態にある。したがって、脚部51からの荷重により筒部本体9aが変形したとして、筒部本体9aが貫通孔10fの内側面に接触するほど変形しない限り、脚部51からの荷重が貫通孔10fの内側面に伝わることもない。よって、脚部51からの荷重によりスキャナ筐体10が変形したり破損したりするのを防止することができる。
また、上記実施形態では、スキャナ筐体10の下面に形成された突出ボス部10hを、本体フレーム5の上面の固定金具41に形成された位置決め孔42aに係合させることでスキャナ筐体10の位置決めを行うようにしている。ここで、突出ボス部10hは、スキャナ筐体10の下面における貫通孔10fに隣接する部分に形成されているので、スキャナ筐体10に形成された貫通孔10fの位置精度を可及的に高めることができる。したがって、筒部本体9aの外側面と貫通孔10fの内側面との間の隙間Sを精度良く管理することができる。よって、筒部本体9aが脚部51からの荷重により変形した際に筒部本体9aの外側面が貫通孔10fの内側面に接触するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、上記位置決め孔42aを、本体フレーム5に比べて薄肉で剛性の低い固定金具41に形成されている。したがって、位置決め孔42aを精度良く安価に形成することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、画像形成装置本体1の組立て工程において本体フレーム5の上側にスキャナ筐体10をセットする作業を容易に行うことができる。すなわち、この作業では、作業者がスキャナ筐体10の貫通孔10fの位置を筒部本体9aの位置に合わせた後、スキャナ筐体10を本体フレーム5の上側にセットするが(図2参照)、このとき、筒部本体9aが貫通孔10f内を貫通することによりスキャナ筐体10の大まかな位置合わせを行うことができる。よって、作業者はスキャナ筐体10の大まかな位置合わせを行った後に、スキャナ筐体10の下面の突出ボス部10hを固定金具41に形成された位置決め孔42aに係合させればよいので、スキャナ筐体10の位置決め作業を容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、筒部9を金属材料で構成するようにしているので、筒部9を樹脂材で構成した場合に比べて筒部9の剛性を可及的に高めることができる。よって、上述した筒部9の破損及び変形をより一層確実に防止することができる。
《他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。上記実施形態では、各貫通孔10fの内側面と筒部本体9aの外側面との間に一定幅の隙間Sが設けられているが、この隙間Sは必ずしも一定である必要はない。すなわち、筒部本体9aの前後の壁部と貫通孔10fの内側面との間に形成される隙間S1とし、左右の壁部と貫通孔10fの内側面との間に形成される隙間S2としたとき、S1をS2よりも大きくとるようにしてもよい。筒部本体9aの前後の壁部は脚部51からの荷重を直接受けて特に変形し易いので、このように隙間S1を極力大きくとることで筒部本体9aが貫通孔10fの内側面に接触するのを確実に防止することができる。また隙間S2が不必要に大きくなってこの隙間S2からスキャナ筐体10の上面に向かって異物が侵入するのを防止することができる。
上記実施形態において、上記固定座部9bの上面に、上記画像形成装置本体側より発生する振動を吸収する吸振パッドを取付けるようにしてもよい。これによれば、画像形成装置本体側より固定座部9bを介して筒部本体9aに伝わる振動を、該固定座部9bに取付けられた吸振パッドによって吸収することができる。
上記実施形態では、画像形成装置の一例として複合機Xについて説明したが、画像形成装置は複合機Xに限らず、例えば複合機やプリンター等であってもよい。
上記実施形態では、筒部9を金属材料で構成するようにしているが、これに限ったものではなく、筒部9は樹脂材で構成されていてもよい。
上記実施形態では、本体フレーム5に筒部9を直接固定するのではなく固定金具41を介して固定しているが、これに限ったものではない。すなわち、固定金具41を廃止して筒部9を本体フレーム5に直接固定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、原稿カバー20が原稿自動送り装置25と一体化されているが、原稿自動送り装置25は必ずしも必要ではない。
以上説明したように、本発明は、画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置について有用である。
X 複合機(画像形成装置)
1 画像形成装置本体
2 画像読取装置
3 画像形成部
5 本体フレーム
9 筒部
9a 筒部本体
9b 固定座部
10 スキャナ筐体
10f 貫通孔
10h 突出ボス部
11 コンタクトガラス
20 原稿カバー(原稿押さえ部材)
41 固定金具
42a 位置決め孔
50 ヒンジ機構
51 脚部
52 静止部
53 回動部
54 ヒンジ軸
55 当接軸
60 保持機構

Claims (6)

  1. 原稿が載置されるコンタクトガラスを上面に有し、画像形成装置本体の本体フレームの上側に固定されるスキャナ筐体と、該スキャナ筐体内に収容され、上記コンタクトガラス上の原稿の画像を光学的に読取る画像読取部と、上記スキャナ筐体の上面を開閉可能に覆う原稿押さえ部材と、上記スキャナ筐体に対して上下方向に移動可能に構成された脚部と、該脚部の上端に固定された静止部と、該静止部に対してヒンジ軸を介して回動可能に連結され、上記原稿押さえ部材を支持する回動部と、該回動部と上記静止部との間に介在して、上記原稿押さえ部材に対し開方向の付勢力を付与することで該原稿押さえ部材の開放角度を任意の角度に保持する保持機構と、を備えた画像読取装置であって、
    上記スキャナ筐体には、上下方向に延びる貫通孔が形成され、
    上下方向に延び、上記貫通孔内を貫通すると共に下端部が上記本体フレームに固定された筒部をさらに備え、
    上記脚部は、上記筒部の上端開口から該筒部内に挿入されて上記原稿押さえ部材の自重により該筒部内において該原稿押さえ部材側に傾くように構成され、
    上記貫通孔は、その内側面が上記筒部の外側面に対して非接触となるように形成されている、画像読取装置。
  2. 請求項1記載の画像読取装置において、
    上記スキャナ筐体の下面における上記貫通孔に隣接する部分には係合部が設けられ、
    上記本体フレームには、上記係合部に係合する被係合部が設けられている、画像読取装置。
  3. 請求項2記載の画像読取装置において、
    上記筒部は、上下方向に延びる筒部本体と、該筒部本体の下端部に接続された固定座部と、を有し、
    上記固定座部は、金属製の固定ブラケットを介して上記本体フレームに固定されており、
    上記被係合部は、上記固定ブラケットに形成された位置決め孔であり、上記係合部は、上記スキャナ筐体の下面から突出する突出ボス部である、画像読取装置。
  4. 請求項2記載の画像読取装置において、
    上記スキャナ筐体は樹脂材からなり、上記筒部は金属材料からなる、画像読取装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
    上記脚部が挿入される上記筒部の数は2つである、画像読取装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像読取装置と、
    上記画像形成装置本体内に収容され、上記画像読取装置により読取った原稿の画像を用紙に印刷する画像形成部とを備えた画像形成装置。

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