JP6455583B2 - フルハード冷延鋼板 - Google Patents
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R≧−40K2+56K+35 (1)
ここで、式(1)中のRは冷圧率(%)であり、冷間圧延前の熱延鋼板の板厚をt0(mm)、冷間圧延後の冷延鋼板の板厚をt1(mm)とすると、式(2)で定義される。
R=(t0−t1)/t0×100 (2)
式(1)中のKは式(3)で定義される。
K=C+0.4Mn+5Ti+Nb (3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、鋼材中の対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
R≧−40K2+56K+35 (1)
ここで、式(1)中のRは冷圧率(%)であり、冷間圧延前の熱延鋼板の板厚をt0(mm)、冷間圧延後の冷延鋼板の板厚をt1(mm)とすると、式(2)で定義される。 R=(t0−t1)/t0×100 (2)
式(1)中のKは式(3)で定義される。
K=C+0.4Mn+5Ti+Nb (3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、鋼材中の対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
R≧−40K2+56K+35 (1)
ここで、式(1)中のRは冷圧率(%)であり、冷間圧延前の熱延鋼板の板厚をt0(mm)、冷間圧延後の冷延鋼板の板厚をt1(mm)とすると、式(2)で定義される。 R=(t0−t1)/t0×100 (2)
式(1)中のKは式(3)で定義される。
K=C+0.4Mn+5Ti+Nb (3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、鋼材中の対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態によるフルハード冷延鋼板は、次の化学組成を有する。
炭素(C)はNb等と結合して炭化物を形成し、ミッション駆動中の熱履歴による再結晶を抑制する。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量の上限を抑えれば、熱履歴によってマルテンサイトの硬さ及び体積率が増大するのを抑制でき、金属組織の変化が抑制される。この場合、鋼板の硬さ変化及び寸歩精度の低下を抑制できる。C含有量が高すぎれば、上記効果が得られない。したがって、C含有量は0.03〜0.13%未満である。C含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.07%である。C含有量の好ましい上限は0.12%であり、さらに好ましくは0.11%である。
シリコン(Si)は不可避的に含有される。Siは鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の強度を高める。しかしながら、Si含有量が高すぎれば、熱間圧延時のスケールの剥離性が低下する。この場合、スケールの未剥離に起因した表面欠陥が発生し得る。したがって、Si含有量は1.0%以下である。Si含有量の好ましい下限は、0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Si含有量の好ましい上限は1.0%未満であり、さらに好ましくは0.50%であり、さらに好ましくは0.10%である。
マンガン(Mn)は、Siと同様に、鋼の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼板を過度に硬化させるばかりか、偏析に起因するバンド状組織を生じやすくなり、そのため、打ち抜き加工された冷延鋼板の打ち抜き面の性状が低下する。したがって、Mn含有量は、0.4〜1.4%である。本実施形態のフルハード冷延鋼板は、C含有量及びSi含有量を上記の範囲で制限する。そのため、鋼の強度をさらに高める場合、Mn含有量の好ましい下限は0.4%よりも高く、さらに好ましくは0.50%であり、さらに好ましくは0.60%である。Mn含有量の好ましい上限は1.4%未満であり、さらに好ましくは1.30%であり、さらに好ましくは1.20%である。
燐(P)は不純物である。Pは鋼板の打ち抜き面の性状を低下する。したがって、P含有量は0.05%以下である。P含有量の好ましい上限は0.03%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
硫黄(S)は不純物である。Sは鋼中のMnと結合してMnSを形成する。MnSは鋼板の延性を低下し、さらに、打ち抜き面の性状を低下する。MnSが形成されればさらに、Mn固溶量が低下して鋼の強度が低下する。したがって、S含有量は0.05%以下である。S含有量の好ましい上限は0.006%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、AlNを形成して、Nを固定する。しかしながら、Al含有量が高すぎれば、鋼の清浄度が低下する。この場合、表面疵が発生しやすくなる。したがって、Al含有量は0.1%以下である。Al含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Al含有量の好ましい上限は0.1%未満であり、さらに好ましくは0.060%であり、さらに好ましくは0.050%である。本明細書におけるAl含有量は、sol.Al(酸可溶Al)含有量を意味する。
窒素(N)は不可避的に含有される。N含有量は、Nb及びTiと結合して窒化物及び/又は炭窒化物を形成し、結晶粒が粗大化するのを抑制する。これにより、熱履歴による再結晶が抑制される。しかしながら、N含有量が高すぎれば、Nbの再結晶を抑制する効果がかえって低下する。したがって、N含有量は0.01%以下である。N含有量の好ましい下限は0.0010%である。Nの好ましい上限は0.0020%である。
ニオブ(Nb)は、本実施形態の冷延鋼板がミッション部品として使用された場合、熱履歴による鋼の軟化を抑制する。具体的には、Nbは、Nb炭窒化物等を形成し、結晶粒が粗大化するのを抑制する。そのため、熱履歴により組織がマルテンサイト化するのを抑制する。さらに、Nb炭窒化物等は、クラッチプレート(冷延鋼板)が熱履歴により再結晶するのを抑制する。そのため、クラッチプレートが軟化しにくい。Nb含有量が低すぎればこの効果が得られない。一方、Nb含有量が高すぎれば、この効果は飽和するため、製造コストが高くなるだけである。したがって、Nb含有量は0.001〜0.10%である。Nb含有量の好ましい下限は0.001%よりも高く、さらに好ましくは0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。Nb含有量の好ましい上限は0.10%未満であり、さらに好ましくは0.050%であり、さらに好ましくは0.040%である。
チタン(Ti)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、TiはNbと同様に炭化物、窒化物及び炭窒化物のいずれか(以下、Ti炭化物等という)を形成する。Ti炭化物等は、Nb炭化物等よりも効果が低いものの、熱履歴による再結晶の発生を抑制する。Ti含有量が低すぎればこの効果は得られない。一方、Ti含有量が高すぎれば、この効果は飽和するため、製造コストが高くなるだけである。したがって、Ti含有量は0〜0.100%である。Ti含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.007%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ti含有量の好ましい上限は0.100%未満であり、さらに好ましくは0.070%であり、さらに好ましくは0.060%である。
クロム(Cr)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは冷延鋼板の硬度を高める。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、焼入れ性が過剰に高くなる。この場合、ミッション駆動中の熱履歴により、クラッチプレート(冷延鋼板)中でマルテンサイトが生成されやすくなる。この場合、クラッチプレートの形状が変化し、寸法精度が低下する。したがって、Cr含有量は0〜0.50%である。Cr含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Cr含有量の好ましい上限は0.50%未満であり、さらに好ましくは0.30%であり、さらに好ましくは0.25%である。
本実施形態によるフルハード冷延鋼板のT断面のビッカース硬さHVTと、L断面のビッカース硬さHVLとの差ΔHVは10未満である。
上記フルハード冷延鋼板の製造方法の一例を説明する。
ここで、冷圧率R(%)は、次の式(2)により定義される。
R=(t0−t1)/t0×100 (2)
式(2)中のt0は冷間圧延前の熱延鋼板の板厚(mm)であり、t1は冷間圧延後の冷延鋼板の板厚(mm)である。
R≧−40K2+56K+35 (1)
K=C+0.4Mn+5Ti+Nb (3)
式(3)中の各元素記号には、前記鋼材中の対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
冷圧鋼板の硬さ予測=1.4×冷圧率(80%)+熱延板の表面硬さ(HV) (4)
式(4)値を表2に示す。
上述の方法により、各試験番号のT断面及びL断面のビッカース硬さHVT及びHVLを測定した。さらに、HVTとHVLとの差分を求めた。HVTとHVLとの差分が10未満である場合、異方性が小さいと判断した(表3中の「異方性判定」欄にて「○」印)。一方、HVTとHVLとの差分が10以上である場合、異方性が大きいと判断した(表3中の「異方性判定」欄にて「×」印)。
試験結果を表3に示す。表2中の「表面HV」欄には、冷延鋼板の表面のビッカース硬さが記載される。「HVT」欄には、断面Tのビッカース硬さHVTが記載される。「HVL」欄には、断面Lのビッカース硬さHVLが記載される。
一方、試験番号7,8,30及び31では、HVTとHVLとの差分値が10未満であり、異方性は抑制された。しかしながら、自動車部品として稼働中に、局部軟化が発生する可能性があった。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.03〜0.13%未満、
Si:1.0%以下、
Mn:0.4〜1.4%、
P:0.05%以下、
S:0.05%以下、
Al:0.1%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.001〜0.10%、
Ti:0〜0.100%(ただし0.010〜0.100%(ただし0.010%を除く)を除く)、及び、
Cr:0.03〜0.50%、
を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、
冷間圧延方向と垂直な断面のビッカース硬さと、冷間圧延方向と平行な断面のビッカース硬さとの差が10未満である、フルハード冷延鋼板。 - 請求項1に記載のフルハード冷延鋼板を製造する方法であって、
請求項1に記載の化学組成を有する熱延鋼板を製造する工程と、
前記熱延鋼板に対して焼鈍することなく、式(1)を満たす冷間圧延を実施して冷延鋼板を製造する工程とを備える、フルハード冷延鋼板の製造方法。
R≧−40K2+56K+35 (1)
ここで、式(1)中のRは冷圧率(%)であり、冷間圧延前の前記熱延鋼板の板厚をt0(mm)、冷間圧延後の冷延鋼板の板厚をt1(mm)とすると、式(2)で定義される。
R=(t0−t1)/t0×100 (2)
式(1)中のKは式(3)で定義される。
K=C+0.4Mn+5Ti+Nb (3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、前記熱延鋼板中の対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
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DE102006001628A1 (de) * | 2006-01-11 | 2007-07-26 | Thyssenkrupp Steel Ag | Verzinktes walzhartes kaltgewalztes Flachprodukt und Verfahren zu seiner Herstellung |
JP2008188641A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐溶接軟化性及び疲労特性に優れた高強度溶接鋼管 |
JP4858286B2 (ja) * | 2007-04-20 | 2012-01-18 | 住友金属工業株式会社 | フルハード冷延鋼板 |
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